なぎ看護学校で防災講座 (新宮市 )
新宮市蜂伏の県立なぎ看護学校(塩路喜英校長)で17日、全学生対象の防災講座が開かれた。講師に、東牟婁振興局の村上健総務県民課長を招き、「南海トラフ地震について」をテーマに学んだ。
地震や津波などの自然災害発生時の正しい状況判断と対処方を学び、迅速に行動できる能力を身に付けることが目的。同校では、全学生が参加し4月と9月の2回、防災講座および訓練をしている。9月には市消防本部の協力を得て、避難訓練が実施される予定となっている。
村上課長は「いつ来るかは誰にも分からないが南海トラフ地震は必ず来る」、「発生した場合、西日本全体が大きな被害に遭うため、すぐに助けは来ない」、「今のままでは、地震によりたくさんの犠牲者を出してしまう」と危惧。「自助」「共助」「公助」に加え、それぞれの力で確実に準備をしておけば、地震の被害を少なくすることができると話した。
内陸(直下)型、プレート境界(海溝)型の地震発生メカニズムについて説明し、阪神・淡路大震災、新潟県中越沖地震、東日本大震災、熊本地震を取り上げた。それぞれの地震での教訓や浮き上がった問題点などを挙げた。
南海トラフで発生する地震としては、南海、東南海、東海の3地震があり、今年1月現在の研究機関のデータでは、南海トラフを震源とする地震の規模を示すマグニチュード(M)8~9クラスの地震が30年以内に発生する確率は70~80%だと伝えた。3連動地震(M8・7)や南海トラフ巨大地震(M9・1)が発生した場合の震度予測、津波浸水想定などを紹介した。
地震・津波への備えとして、▽家の中の地震対策(家具や電化製品の固定など)▽木造住宅は耐震診断を受ける(不測の場合は補強工事を)▽沿岸部では津波からの避難が最優先(避難ルートをあらかじめ確認しておく)▽少なくとも3日分の食糧と水の準備を▽防災訓練に参加して地域の防災力を高める▽常に気象状況には気を配る▽土砂災害の前兆を見逃さない▽暗くなる前に避難を始める―などと話した。
「自助」として防災情報の入手には、防災わかやまメール配信サービス、和歌山県防災ナビアプリの活用、「共助」として自主防災組織や災害ボランティア活動への参加を呼び掛け、「公助」として緊急避難所の安全レベルに応じた分類、津波災害復興計画に事前策定、避難所運営リーダーの養成などがあると紹介した。
(2019年4月19日付紙面より)
串本町立潮岬中学校(堀靖典校長、生徒50人)が17日、ダンス「これぞオチャヤレ岬節」の練習を始めた。5月19日(日)に開く体育祭に向けた取り組みで、この日は中学生として初挑戦となる1年生15人が潮岬節保存会ダンスチームから、じかに指導を受けながら励んだ。
このダンスは、潮岬節をよさこい調にアレンジした地踊り。同校では体育祭で同保存会による生歌に合わせて踊る形が歴代生徒の伝統になっていて、本年度も1~3年生50人一丸で発表するため事前練習に取り組む。
本年度の1年生は前年度、潮岬小学校学習発表会に向け自発的にこのダンスを覚えて披露しその延長で今年1月の26日にあったイベント「本州最南端の火祭り」の会場で同保存会ダンスチームと共演した経験を持つメンバーぞろい。中学校での発表は初となるため上級生より一足早く練習を始めたが、序盤から一通り踊って振り付けを思い出し、それを本来の形により近づけるためのポイントをはっきりさせながら向上に努めた。
この日は同保存会ダンスチームを代表して通し指導に当たる大橋彩子さんと、サポート役のメンバー計4人が来校して直接指導。序盤の腕振りは壮大な波を表すなど振り付けの意味を紹介し、生徒が覚えている振り付けの表現力向上を促すなどした。
2、3年生は今月25日(木)から練習を始める予定。ゴールデンウイーク後に3学年合同練習、同保存会とのリハーサルをし、体育祭本番で発表する流れとなっている。
他方、潮岬小は運動会で児童一丸(6年生は踊り手とはやし衆に分かれる)、地域参加も歓迎しながら「正調潮岬節」の輪を描くのが伝統になっている。本年度もゴールデンウイーク明けに同保存会の直接指導を受け、5月26日(日)の発表に臨むという。
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■初夏の運動会体育祭日程
串本町と古座川町では合わせて11校が初夏の運動会や体育祭を挙行する。日程は次の通り。
【5月】
■18日(土)
▽串本西中
▽高池小
■19日(日)
▽潮岬中
■25日(土)
▽大島小
▽西向中
▽古座中
■26日(日)
▽潮岬小〈こども園と合同実施〉
▽三尾川(みとがわ)小〈三尾川運動会に参加〉
【6月】
▽串本西小
▽串本小
▽出雲小〈出雲地区協賛〉
(2019年4月19日付紙面より)
町ぐるみで地域支援 (紀宝町 )
紀宝町地域包括支援センターは町社会福祉協議会やボランティアと連携して、地域支援事業を展開している。
在宅医療や介護連携、認知症施策の推進をはじめ、地域とのつながりを目的に鵜殿地区で8日に発足した「かわりない会」への支援などさまざまだ。
その一つが毎月開催する「カフェいっぷく亭」。本年度から町社会福祉協議会が事務局を務めている。
2016年度からスタートした。当初は認知症の人やその家族、専門職、地域住民らが集い、認知症への理解を深め、交流を目的にしていた。
現在は認知症の人に限らず、地域住民の集まりの場と位置付け、奇数月は大里地区、偶数月は鵜殿地区で開いている。
認知症への理解を深める研修を受けた25人で「てまりの会」を結成し、サポーターとしてカフェを運営。毎回、参加者が楽しめる企画を用意している。
サポーターの女性は「毎月内容を考えるのは大変ですが、参加者が楽しんでくれると私たちもうれしい」。各テーブルに人形や花を飾るなど、おもてなしにも気を配っている。
17日には鵜殿地域交流センターで開催した。参加者10人とサポーター16人が集まり、楽しい時間を過ごした。
今回サポーターが用意した企画は「ラケットでボール回し」。バドミントンのラケットを握り、ゴムボールや風船を回し合った。
手のひら体操や百歳体操に取り組んだ他、全員で『おぼろ月夜』『夏は来ぬ』を歌った。テーブルを囲んで温かいコーヒー、お茶を飲みながら家族や地域などの話題で盛り上がった。
同センターでは今後も継続して開催する予定で、「ぜひご参加ください」と呼び掛けている。
(2019年4月19日付紙面より)
全国6市町に支援金 (那智谷遺族会 )
那智勝浦町の那智谷大水害遺族会の岩渕三千生代表が17日、同町役場を訪れ、堀順一郎町長に被災地への支援金などを手渡した。町を通じて全国の被災地に送られる。
昨年9月の総会で、地震や豪雨で被害を受けた全国6市町への被災地支援を決めた。送金額はそれぞれ5万円。遺族会発行の災害記録写真集「紀伊半島大水害」の売上収益の一部を充てた。
写真集と町が製作した啓発用DVD「私たちは忘れない 紀伊半島大水害のこと」も郵送する。
支援先は、災害NGO結(ゆい)の前原土武(とむ)さんのアドバイスにより、那智谷とよく似たケースの被災地区を持つ市や町に決まった。前原さんは被災地でのボランティア活動を全国的に展開しており、那智谷の被災時には3年にわたり支援した。
岩渕代表は「これまでは現場に赴き手渡していたが、町を通すことで役場間の交流も生まれると考えた。復旧、復興に少しでも役に立てたら。次の令和の時代は平穏であってほしい」と話した。
送付先は▽大阪府・茨木市役所(大阪北部地震)▽北海道・厚真町役場(北海道地震)▽福岡県・朝倉市役所(九州北部災害)▽岡山県・倉敷市役所(西日本豪雨災害)▽広島県・坂町役場(同)▽愛媛県・宇和島市役所(同)―となっている。
(2019年4月19日付紙面より)
創立50周年記念式典 (新宮青年会議所 )
新宮青年会議所(新宮JC、鈴木竜司理事長)が「心をひとつに~新たなる挑戦へ~」をスローガンに14日、那智勝浦町のホテル浦島で創立50周年を祝う記念式典を催した。
新宮JCは1969年4月14日に、明るい豊かな社会の創造を目指す若者たちによって創立。式典には、鮒田健二・第8代理事長をはじめとした、新宮JCを築き上げてきた歴代理事長のうち30人が出席、壇上に勢ぞろいした。鈴木理事長は「私たちにはこの地域の魅力と歴史を、未来を担う世代に伝播(でんぱ)していく使命があります。会員一同、地域の仲間と強い絆でつながっていくことが大切」と述べ、地域の中で未来ある事業を展開するために、失敗を恐れず果敢に挑戦し、固定概念にとらわれることなく精進していくと誓いを新たにした。
来賓として田岡実千年新宮市長や堀順一郎那智勝浦町長、西前啓市古座川町長、山口賢二北山村長、県会議員や各団体の代表者らも出席。仁坂吉伸知事代理として出席した東川智昭・東牟婁振興局長が「和歌山県が誕生して150年となる2021年に、県では国民文化祭、全国障害者芸術文化祭が同時に開催される。ビッグイベントが盛り上がり、地域の活性化として生かすことができるよう、力を結集していただきたい」と協力を呼び掛けた。
第32代理事長であり、現シニアクラブ代表幹事を務める田岡実千年新宮市長は、在籍中を振り返り「市長を務めさせていただいて10年の節目を迎える。重責の中、批判も受けながらなんとか務めさせていただいているのも、JCで人として鍛えられたおかげだと日々感謝しています」などと祝辞を述べた。創立会員としての功績などに対し感謝状を受けたチャーターメンバーを代表して鮒田さんが「新たなる歴史を歩み、ますますの発展を」などとあいさつした。
50周年まちづくり委員会の庵野高司委員長が「50年を迎え、改めて私たちの運動、活動内容とその目的、存在理由を内外に伝えていく必要がある。あらゆる機会が提供される地域を理想のまちとして、未来を担う若者からも暮らしたいと思われるまちの創造へとつなげていく」と未来のビジョンを表明。地域に良い影響を与えられる組織として、地域から必要とされるために新宮JCが持つ力を最大限ささげていくと誓った。
(2019年4月16日付紙面より)
三浦綾子文学講演会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の勝浦バプテスト教会(稲葉禮野=れいの=牧師)で14日、「三浦綾子文学講演会」が開かれた。全国三浦綾子読書会代表の森下辰衛さんが、作家の人生が語る「希望」について話した。約30人が耳を傾けた。
森下さんは『氷点』や『塩狩峠』など人間存在を問う数多くの三浦綾子の作品の中から『道ありき(青春編)』を取り上げた。森下さんのユーモアと抑揚感にあふれた語り口に、来場者らはしきりに相づちを打つなど、会場は終始涙と笑いに包まれていた。
同書には16才の綾子が戦時中軍国教師となり、疑いもなく「お国のために死ぬのですよ」と子どもたちに教えたあげくの敗戦、自殺未遂、死の病との闘い、恋人の死などの苦難を通り、結婚に至るまでの道のりがつづられている。
森下さんは、この過程が三浦文学を解く鍵であるとして、本の内容を引用。教職を辞してから、肺結核という病を得た自分自身を「ざまあみろ」とあざけるほどに凍り付いた綾子の心が、いかにして溶かされたかを説いた。また、「綾子は絶望のふちにいたからこそ『本物しかいらない』という確固とした思いがあった。自分を否定し、生きることを放棄するほど心が凍えたときこそ本物を求めてください。後になってそこに道があったと分かります」と話した。「神様は本気の問い掛けに知らんぷりはしません。奇跡を見たいなら、『にもかかわらず』相手を愛してください」と結んだ。
講演後は、賛美歌『おどろくばかりの(アメイジング・グレイス)』を合唱し、森下さんに盛んな拍手が送られた。
(2019年4月16日付紙面より)
スターレジェンド入港 (新宮市 )
外国客船「スターレジェンド」(総トン数9975㌧、全長134㍍)が14日、新宮市の新宮港に入港した。アメリカ人など乗客193人が熊野三山巡りなどを満喫した。
今回のクルーズ名は「グラン・ジャパンクルーズ 大阪~横浜」。行程は大坂、高松、広島、唐津、釜山(プサン=韓国)、長崎、鹿児島、新宮、清水、横浜。新宮港では平安衣装の女性による歓迎や地元特産品の販売があった。
乗客らは瀞峡と熊野速玉大社を巡るツアーや熊野那智大社、本宮大社を訪れるツアーに参加した他、シャトルバスに乗車して市内観光を楽しんだ。市がこれまでに実施したアンケートの結果では、「また熊野に来たい」という回答が9割で「自然がいい」「まちの人が優しかった」という声があったという。
同船は18日(木)、5月4日(土・祝)にも入港する予定。市企業立地推進課(電話0735・23・3333)は乗客を歓迎する外国語ボランティアを募集している。
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この日は紀宝町の「熊野水軍太鼓」が和太鼓の体験コーナーを設けた。乗客らは会員らから教わりながらバチを手に太鼓をたたき、時に笑顔を見せながら日本の伝統文化に触れた。
熊野水軍太鼓事務局の堀勝之さんは「初めての試み。普段は見送りの際に演奏をしていますが、外国の人に日本文化を体験してもらうことで少しでも興味を持ってもらい『熊野にまた来たい』と思ってもらえれば」と話していた。
(2019年4月16日付紙面より)
JR串本駅でマナー啓発 (串本町 )
JR串本駅で15日、啓発運動「本年度第1回きのくに・さわやかマナーアップキャンペーン」があった。串本古座高校の生徒と青少年健全育成関係者約40人が鉄道利用者に物資を配り、併せて同駅駐輪場の施錠確認や清掃をするなどして地域の規範意識を促した。
このキャンペーンは、駅舎内や列車内など公共の場における主に青少年のマナー向上と自転車盗の被害防止を目的として、県警とJR西日本和歌山支社が同日から26日(金)までの期間を設定して計画。街頭啓発は県警管内14署がそれぞれ適時場所を定めて行うことになっていて、串本警察署は生活安全刑事課が軸になって期間初日、串本古座高校の登校時間帯に合わせ同駅一帯で実施することとし、啓発関係者に協力を呼び掛けた。
参加したのは▽串本古座高校生徒会執行部・硬式野球部・教職員▽同所少年補導員▽串本青少年センター職員▽同署管内防犯協議会事務局職員(役場職員)▽JR西日本和歌山支社職員▽串本警察署署員。
実施に当たり同駅を管轄するJR新宮駅の角野敦彦副駅長は、高齢者に席を譲るなどの配慮やイヤホンの音漏れ対策など同キャンペーンで呼び掛けるマナー向上のポイントを伝達。啓発員は改札前の左右に分かれて利用者の通路を作り、往来する鉄道利用者に物資を配って同キャンペーンの趣旨を伝え、意識高揚を促した。
往来が活発化する鉄道到着を待つ間、生徒が中心になって同駅駐輪場で無施錠の自転車に施錠を呼び掛けるエフを付け、ある程度自転車が持ち出された後に場内清掃もして、自転車盗をしにくい雰囲気づくりにも努めた。
これら活動に加え、今回は特別企画として生徒会の伊森安美会長(3年)が構内アナウンスで鉄道利用者に規範意識の高揚を呼び掛けた。活動を終えて「新宮あたりで満員電車に乗り合わせたことがありますが、そのようなときに高齢者優先で高校生が率先して『どうぞ座ってください』と言えるようになればと思う。今日は生徒の参加人数も多く影響力が強かったと思うので、この機会を通して地域がよりよいまちになれば」と今後を期待し、「啓発した自分も頑張り、引き続き向上の輪を生徒に広めていきたい」と意欲を掲げた。
同日夕方は和歌山東警察署もJR和歌山市駅で同活動を実施。本紙関係で新宮警察署は24日(水)早朝にJR新宮駅で行う予定。
(2019年4月16日付紙面より)
県少年サッカー東牟婁ブロック予選
スポ少野球東牟婁予選
第22回三輪崎少年剣道大会