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2019年01月31日
1 濁水対策など求め要望
 熊野川流域対策連合会が臨時総会  

 熊野川流域対策連合会(会長=田岡実千年・新宮市長)は29日、同市井の沢の新宮商工会議所で臨時総会を開いた。池原発電所(奈良県下北山村)の水利権更新(期限は2020年3月末まで)を前に、濁水対策などを求める要望書を本年度中に国、県、電源開発へ提出することを確認した。

 田岡市長は「熊野川流域は、紀伊半島大水害以降も毎年のように河川の氾濫、濁水被害が発生している。濁水の長期化、ダム湖内の堆砂、海岸浸食など、ダムに起因した環境被害は住民の生活を脅かすだけでなく、観光、上水道、製紙業、沿岸・内水面漁業など多方面に大きな影響を与え続けている。地域全体の課題として諸問題に取り組んでいきたい」と協力を呼び掛けた。

 「川の参詣道」として世界遺産に登録され、今年7月で15周年を迎える熊野川。世界遺産にふさわしい文化的景観として後世に引き継ぐことが求められているが、2011(平成23)年9月の紀伊半島大水害に伴う河川の氾濫や大規模な山腹崩壊などで濁水が長期化し、漁業や観光に影響が出ている。

 今回、国と県に提出する要望書では、人命を最優先としたダム運営、防災対策、環境対策、海岸侵食対策など8項目を訴える。事務局は、電源開発に対しては毎年要望書を提出しているが、定例的な回答に終始し動きが見えないとして、要望事項への対応可否や時期、理由を明確にするなどを求めるとともに、関係市町村との協議による解決に向けた適切な対応を強く要望するとした。

 副会長の山口賢二・北山村長は「今日は熊野川も十津川も大変澄んでいた。これが本来の熊野川の姿だと感じた。県、国、電源開発に広く要望活動をしていきたい」と話した。

 同会は和歌山、三重、奈良3県の熊野川流域14市町村の首長や議長ら60人で組織。熊野川水系の汚濁防止などを目的に活動している。

(2019年1月31日付紙面より)

会員らが出席して開かれた臨時総会の様子=29日、新宮市井の沢の新宮商工会議所
2019年01月31日
2 漁法発祥の地、紀伊半島で
 日本カツオ学会がフォーラム開催  

 日本カツオ学会が主催する「平成30年度カツオフォーラムin南紀」が26日、那智勝浦町体育文化会館で開かれた。同学会の川島秀一会長ら5人が登壇し、カツオひき縄漁を中心に、さまざまな発表があった。同町の堀順一郎町長、新宮市の田岡実千年市長や町内外から漁業関係者ら約100人が来場した。

 同会はカツオに縁のある地方で、資源問題を中心に毎年フォーラムを開いている。川島会長は冒頭で、「あらゆる漁法の発祥の地である紀伊半島での開催にあたり、今回は歴史的な広がりの中での地域間交流などテーマを広げようと考えた。昨年末の漁業法改正、日本のIWC(国際捕鯨委員会)脱退など、水産行政の動きは目まぐるしい。今回のフォーラムを、今後の学会の立ち位置や情報発信などの足掛かりとしたい」と話した。

 基調講演では、新宮市議会議長・屋敷満雄さんが「新宮市と気仙沼市の地域間交流事業」をテーマに話した。研究発表では、川島会長が「ケンケン漁の始まりと伝播」と題し、ひき縄漁(=ケンケン漁)の発祥から漁法の伝承、同漁法の特徴でもある「疑似餌」の文化的側面について言及。ハワイや千葉などでのフィールドワークの結果を発表した。

 続いて、50年以上にわたるカツオ漁の経験を持ち、カツオ資源問題に取り組む和歌山東漁業協同組合古座支所の杉本武雄支所長が、回復傾向の見えない日本沿岸のカツオの不漁について現状を訴えた。漁業法改正による沿岸漁業者の不利益も懸念した。

 和歌山県水産試験場の資源海洋部でカツオを専門に研究する小林慧一さんが、カツオの移動回遊などの生態調査結果を報告し、資源の減少について裏付けとなる根拠を示した。茨城大学客員研究員で全国沿岸漁民連絡協議会(JCFU)の二平章事務局長は、太平洋クロマグロの資源や漁獲規制問題について国際的な背景をひもといた。

 発表内容の詳細については後日掲載する。

(2019年1月31日付紙面より)

漁業問題について熱心に耳を傾ける=26日、那智勝浦町体育文化会館
川島秀一会長
杉本武雄支所長
小林慧一さん
2019年01月31日
3 仕組み踏まえて対策促す
 睡眠についての公開講座  (串本町 )

 串本町地域保健福祉センターで28日、睡眠についての公開講座があり、約50人が適度な睡眠の大切さなどを考える機会を得た。

 この講座は、同町保健センターが主催。町民の健康増進を目的とし有識者を招く形で定期的に開いていて、今回は睡眠をテーマにし和歌山県立医科大学名誉教授でもある浅香山病院臨床研究研修センター長の篠崎和弘さんを講師に迎えた。

 開講に当たり役場福祉課の吉村眞也課長は「健康な日常生活を送るためには食事や運動と並んで、睡眠による休養が大切。毎日の睡眠をより良いものにするため、睡眠の役割や睡眠不足、睡眠の異常を放置しない正しい知識を習得してほしい。篠崎先生の講演が皆さんや家族の睡眠の問題を見直す機会になることを祈念する」とあいさつ。篠崎さんは「睡眠の重要性と睡眠障害について」と題して登壇し、適度な睡眠を実践するための知識や日常生活における実践のポイントを紹介した。

 睡眠をつかさどる仕組みには睡眠ホルモンと生物時計の二つがあり、前者の睡眠要求と後者の睡眠覚醒が重なったときに人は眠りにつく。円滑に眠りにつくための数あるポイントの中でも特に大切にしたいのが、起床時の日光浴と就寝前の十分な入浴。これらが睡眠ホルモンの分泌と就寝時の放熱を良好にする、として意識するよう促した。

 睡眠不足がもたらすさまざまなリスクも生活習慣病や脳の衰えとの対比で紹介。アルツハイマー病原因物質(アミロイドβ)は睡眠時でないと減らせないことや、不足でも過剰でもない適度な睡眠時間を保てばうつ気分はそうそう出てこないことを伝えた。

 睡眠薬に頼る前にまず生物時計を正すことを試み、加齢により中途覚醒や早期覚醒の傾向があるときは運動を取り入れるなど生活改善でアプローチする。生活改善で解決できない睡眠関係の病気(睡眠時無呼吸症候群など)もあり、治療を試みてなお睡眠障害が出る場合に睡眠薬の処方がある。篠崎さんはそのように睡眠障害の診療の流れを説明した。まとめとして①睡眠時間が短くても起床時間を守る②眠くなってから床に就き、寝付けなければ床を離れる③昼間は日光を十分に浴びる④30分程度の昼寝を15時までに取り、夕食後の居眠りは避ける⑤適度の運動(夕方)と入浴(就寝1~2時間前)⑥アルコール、カフェイン、ニコチンを避ける―を不眠対応時の生活習慣改善事項として掲げ、良い睡眠は健康の上にあり、健康は身体的・社会的・認知的活動の上にあるとして適度な睡眠がとれる日常生活の実践を求めた。

 受講者は事前アンケートで現在の睡眠状況や悩みを報告し、その集計結果を篠崎さんが分析してアドバイスを寄せた他、質疑にも答えて睡眠障害の不安解消に努めた。

(2019年1月31日付紙面より)

睡眠の学術研究の起点から話を始める篠崎和弘さん=28日、串本町串本
2019年01月31日
4 ヒドリガモに冬の風情
 ゆかし潟へ冬鳥の飛来少なく  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町湯川の汽水湖「ゆかし潟」で昨年末から、ヒドリガモの群れが水草や藻をついばむ姿が観察されている。

 ヒドリガモは全国に分布するカモ科の冬鳥。ゆかし潟には毎年11月中下旬に飛来し、越冬後の3月下旬には飛び立つそうで、おなじみの風景となっている。30~40羽の群れが毎日、平たく短いくちばしで、湖の浅瀬やここに流れ込む湯川川で緑の藻や水草を食べる様子が随時見られ、隣接の「喫茶&軽食きよもん」を訪れる客などの目を和ませている。

 ゆかし潟にはマガモやカルガモが生息するほか、例年なら同じくカモ科のホシハジロなど、毎年数種類の冬鳥が越冬してにぎわうが、「きよもん」で尋ねると「今年は種類、数ともに非常に少ない」という。湖面では、褐色のヒドリガモが冬の風情を醸し出していた。

(2019年1月31日付紙面より)

藻をついばむヒドリガモの群れ=24日、那智勝浦町のゆかし潟
2019年01月31日
5 U―9は新宮、U―8は宇久井が優勝
 JA杯少年サッカー大会  
2019年01月31日
6 2部門10クラスで熱戦
 第7回卓球大会「ツナ・カップ」  
2019年01月31日
7 速水、中西、寺地の3選手
 風間杯全国高校選抜への出場決める  (レスリング近畿B予選 )
2019年01月31日
8 大逆事件通し人権学習 和歌山県職員労働組合 (新宮市)
2019年01月31日
9 県立図書館に本贈呈 「くまの地域絵本つくりの会」 
2019年01月31日
10 気に入った本を紹介して  絵本よみきかせボラ養成講座  (鵜殿図書館 )
2019年01月31日
11 驚きの連続に大はしゃぎ  うどの幼稚園でプログラミング教室  (紀宝町 )
2019年01月31日
12 日本の授業を見学  中国福建省の教職員ら22人  (紀宝町 )
2019年01月31日
13 親子で太鼓に親しむ  あったカフェでイベント  (串本町 )
2019年01月31日
14 北大ゲート前まで通行可に  国道371号平井の規制変更  (古座川町 )
2019年01月31日
15 少林寺のワビスケが開花  関西で最大級の巨木  
2019年01月31日
16 お悔やみ情報
  
2019年01月26日
17 国の宝を守れ
 文化財防火デーで訓練  (熊野速玉大社 )

 文化財愛護思想の高揚を目的に制定された「文化財防火デー」(1月26日)を前に、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で25日、防火訓練があった。消防関係者や神職、地域住民ら53人が参加し、連携体制を確認した。

 今年で65回目となる訓練は午前9時に大社裏の雑木林から出火し、大社自衛消防隊らによる懸命な消火活動にもかかわらず拝殿に延焼する恐れがあると想定。神職たちが放水銃で初期消火をした後、駆け付けた消防署員や団員たちが放水し、丹鶴婦人防火クラブ会員やみこたちが文化財を運び出した。

 訓練後、整列した関係者たちを前に速水盛康教育長は「多くの方々の努力により、文化財を守り、育て、伝えていく活動の一端を担っていただいている。文化財の大切さを次世代に向けて発信していきたい」。

 上野宮司は「同社は町と隣接しており、われわれはもちろん周囲の方々にも防火意識を持っていただくことが必要。ここには1205点の国宝と重要文化財があり、市のシンボルの一つでもあります。今後とも皆さんの力添えを」とさらなる協力を呼び掛けた。

 川嶋基正消防長は「皆さんが一生懸命に練習を重ね、成果が十分に発揮された訓練で大変頼もしく思いました。今後も連携を強化していただき、安心、安全のために訓練を継続してもらいたい」と講評した。

 文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年からこの日を中心として全国的に防火運動が展開されている。

(2019年1月26日付紙面より)

放水銃で初期消火にあたる神職=25日、新宮市の熊野速玉大社
文化財を運び出す丹鶴婦人防火クラブ会員ら=同
2019年01月26日
18 税の重要さを学ぶ
 市野々小学校で租税教室  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立市野々小学校(速水直樹校長)で24日、租税教室があった。5、6年生12人は新宮納税協会青年部の瀬古伸一郎さんから税金の使い道や大切さを教わった。

 アニメーション教材の上映があり、主人公が税金のない世界で困難に直面する姿から、警察や消防、義務教育などの社会基盤が税金で支えられていることを児童らは知った。用意された1000万円の札束10個からなる1億円の札束の見本を手に取り、金額の重みも実感した。

 瀬古さんは、学校の建設費は約13億円、公立小学校の教育費は6年間で1人当たり約536万円かかること、それらが税金で賄われていることをクイズ形式で紹介し、「税金は生活を維持するための会費のようなもの。税金に興味を持ち、未来の自分について考えてみてください。家に帰ったら今日学んだことを家族にも伝えてください」と呼び掛けた。

(2019年1月26日付紙面より)

見本の札束を順番に手に取る児童ら=24日、那智勝浦町立市野々小学校
2019年01月26日
19 生産者2軒150㌔出荷
 樫野のキンカン集荷始まる  (串本町 )

 串本町樫野の特産柑橘(かんきつ)類・キンカンの集荷が25日、JA紀南樫野金柑加工場で始まった。JA紀南は、昨年相次いだ台風の影響があるものの例年並みとなる約6㌧の集荷量を今期に期待。早いところでは町内のAコープ紀南VASEO店でこの週末から生果の取り扱いを始めるという。

 明治末期に始まり、太平洋戦争後に大きく栄えた経緯がある樫野のキンカン栽培。近年は生産者の高齢化と後継者不足で減衰傾向にあるが、長らく続き町の木にも指定されているキンカンの栽培を絶やしてはいけないという思いでJA紀南と生産者の両輪により今も生産が続いている。

 今期出荷する生産者は9軒で、作付面積は計約90㌃。集荷初日のこの日は2軒が計約150㌔を出荷し、直径4㌢前後に達する4LからMまで、5種類の階級の実がそろった。荷受け後は直ちに生果用の実の選別作業を行い、傷や黒点、熟度を目安にして秀・優・良の3等級に分けた。

 等級は得ていないが階級がM以上で腐りがない実も加工用として集荷していて、2月から加工作業を始め、ジャムやジュースなどを製造するという。

 今期の作柄について、この日真っ先に出荷した堀口千代子さん(81)は「他も同じかどうかは分からないが、私のところは台風のせいで傷ついたり黒点が入った実が多く、割れたり色づく前に落ちてしまった実もたくさんあった。味は変わらず良いけれど、今年は去年ほど採れそうにない。他の生産者は今しばらく色づくのを待ち、2月から出荷を始めると話している」とコメント。

 選別作業に当たったJA紀南の嶋本勝信・高富集出荷場長によると、集荷は週2回の頻度で3月末まで続け、流通先は集荷量との兼ね合いで、今期も県内に留めるという。

(2019年1月26日付紙面より)

生産者から実を集荷するJA紀南職員=25日、串本町樫野
集荷後の選別作業。生果を流通させるため秀・優・良の等級別に実を分ける
2019年01月26日
20 岩穴の祠で厳かに法要
 神内の延命地蔵で例祭  (紀宝町 )

 紀宝町神内の延命地蔵で24日、例祭が執り行われ、餅ほりで集まった多くの住民らでにぎわった。

 延命地蔵は岩穴に祠(ほこら)があり、近くに滝があることから「滝の地蔵大岩」とも呼ばれている。神内音頭の一節に「滝の地蔵」と歌われている。

 例祭は毎年1月24日に行われており、同地区の善光寺で一村桂晋住職による水子菩薩地蔵などの供養も執り行われた。

 山の中腹にある延命地蔵には、還暦や厄年を迎えた住民らがお参りし、厄払い法要があった。お参りした人には「延命」と書かれた餅を配った。

 地蔵から下った広場で餅ほりがあり、地元住民らが広場を埋めた。子どもたちも参加し、「こっちほって」の大合唱が響き渡った。

  □     □

■延命地蔵

 この地蔵様は別名「滝の地蔵」とも呼ばれ、オムラの池の下方の谷間にある。奇岩(みさごの岩)の上を滝(大洞の滝)が流れ、その岩窟(がんくつ)に祠があり中に祀られている石造の地蔵様は、座像ではなく片膝をついた姿勢(膝立=ひざたて=地蔵)である。言い伝えによると、祀(まつ)り始められた当時この地域は争い事が多く、地蔵様はいつでも立ち上がり、この村の助勢ができるように身構えてくれていたとのことである。(『神内の伝承や昔話』より)

(2019年1月26日付紙面より)

延命地蔵で執り行われた法要=24日、紀宝町神内
地元住民らでにぎわった餅ほり
2019年01月26日
21 新宮市駅伝大会2019結果㊦
 小学生男女、オープンの部  
2019年01月26日
22 たばこの害と危険性学ぶ  神倉小学校で防煙教室  (新宮市 )
2019年01月26日
23 商業捕鯨7月から再開へ  31年ぶり、太地町漁協  
2019年01月26日
24 世界遺産登録15周年記念  特別御朱印を授与中  (熊野三山、神倉神社 )
2019年01月26日
25 髙岡商店が東京都知事賞受賞  全国水産加工品総合品質審査会  (新宮市 )
2019年01月26日
26 206人がプレーに臨む グラウンドゴルフ「新年初打ち大会」 (串本町)
2019年01月26日
27 区民ら25人が信心を注ぐ  添野川いくさ地蔵で例祭  (古座川町 )
2019年01月26日
28 1年生の道徳授業を見学  矢渕中で公開授業研究  (紀宝町 )
2019年01月26日
29 教育施設改修は順調に  紀宝町教育委員会会議で報告  
2019年01月26日
30 住民投票署名を市に提出  文化複合施設をみんなでつくる会  (新宮市 )
2019年01月26日
31 お悔やみ情報
  
2019年01月19日
32 文化複合施設の早期建設求め
 市文化協会が市長へ陳情書提出  (新宮市 )

 新宮市文化協会(鈴木啓司会長)の会員11人は17日、市役所を訪れ、田岡実千年市長に早期の市文化複合施設建設を求める陳情書を提出した。鈴木会長は「文化の活動拠点として、文化複合施設は未来へつなぐまちづくりに大いに力を発揮する存在であることと、多くの方々が待望されているものと確信しております」と述べた。

 同協会は市文化複合施設建設のための国、県の交付金期限が迫っていることなどを危惧し、昨年12月28日の緊急臨時役員会で、同施設の早期建設を求める陳情書の提出を決定していた。

 鈴木会長は「文化の発展とは一朝一夕にはかなえられず、また途絶えさせることも望まれません。地道に継続継承することが大切になります。そのような中、市民会館も閉館されてはや3年がたとうとし、図書館の老朽化も心配されるところです。多くの方々が夢を語らい、知恵を出し合い、熟考を重ねた文化複合施設建設計画、改めて早期建設を実現されますよう切に願います」と陳情書を読み上げた。

 同協会の小野俊二名誉会長は「遺跡も立派な文化。遺跡も文化ホールも活用し、市の活性化につなげてほしい」と要望。田岡市長は「遺跡の活用についても将来的な課題として検討していきたい」と回答した。

 田岡市長は「おととしの市長選の際に第一の公約として文化複合施設の完成を掲げ、市民の皆さんとお約束させていただいた。必ず実現させなければならない。財政面からしても都市再構築戦略事業交付金、合併特例債、過疎債などが活用できる今が絶好のタイミング。この期間を逃せば見通しが立たなくなる。32年度末の完成に向けて、粛々と進めていきたい」と述べた。

 同協会は濵田雅美副議長にも陳情書を提出。早期建設の必要性を強く訴えた。

(2019年1月19日付紙面より)

田岡実千年市長(右)に陳情書を渡す新宮市文化協会の鈴木啓司会長=17日、新宮市役所
2019年01月19日
33 水域の救助技術を共有
 警察と海保が合同訓練  (串本町 )

 串本警察署(中弥泰典署長)と串本海上保安署(亀田進署長)の合同災害警備訓練が17日、串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家の屋外プールであり、両署間で水域における救助技術の共有を図るなどした。

 この訓練は、今年で24年となる阪神淡路大震災の発災日に合わせて計画。串本警察署警備課の本下泰孝課長と串本海上保安署の伊藤卓洋・地域防災対策官が立案し、当日は串本警察署配属の第2機動隊員ら9人と串本海上保安署の署員6人が実践に臨んだ。

 今回は南海トラフ巨大地震に伴う津波や集中豪雨などにより居住地が浸水した想定で、その状況に効果的な各種救命具の取り扱いや防災用ゴムボートの操船、同ボートへの漂流者の引き揚げ方法などを練習した。

 これらの技術は串本海上保安署側に得手があり、串本警察署側が教わる流れで実践した。救命具関係では救命浮環や非常投浮の投げ方や、身近にあるズボンや毛布を用いた要救助者の水域からの引き揚げ方法、同ボートの操船では前後進や転回など機動力発揮に欠かせない基本技術を練習。それら成果を束ねて同ボートへの引き揚げに挑戦した。

 同ボートには3人一組で乗船。要救助者に意識がある場合は毛布、ない場合は串本海上保安署がマグロ網を改良して自作した漂流者揚収ネットを用い、1人が同ボートのバランスを取り2人で要救助者を引き揚げた。

 訓練の始終を見届けた亀田署長は「実際の現場は時間や気候、海象や漂流物などといった障害がある。今日は基本が確認できた点で有意義だったが、今後はいろいろな条件の下でどう対応するかを今日参加した皆さんが核となって備えを新たにしてほしい。この地方に暮らす人々を守るのは私たちという考え方に基づいて両機関が連携を深め、地域の皆さんの安全安心を守るという究極の目的に近づくことを祈念する」と講評して締めくくった。

 串本警察署はこの日、早朝に非常参集訓練を行い、引き続き同町サンゴ台にある同署代替指揮所の立ち上げ訓練も実施。その後に串本海上保安署との合同訓練に臨んだ。中弥署長は「非常参集や代替指揮所の立ち上げにおいて、署員は次の行動を意識してきびきびと対応し普段から言われていることの大切さを確認できたと思う。串本海上保安署との合同訓練は、阪神淡路大震災から24年の節目に両機関の連携強化を図る良い機会になった。これら経験がいざ発災した時に生きたものとなるよう、有事対応に当たってほしい」と振り返り、両署員の今後を期待した。

(2019年1月19日付紙面より)

防災用ゴムボートへの漂流者引き揚げを試みる両署の署員=17日、串本町潮岬
2019年01月19日
34 新宮原木市場で「初市」
 約1200立方㍍が次々と落札  

 新宮原木市場(谷口泰仁社長)は18日、新宮市あけぼのの同市場貯木場で「新春初市」を開いた。新宮周辺地域を中心に古座川町や龍神村などから買い方約100人が集まり、市場はにぎわった。

 初市には龍神村産の樹齢約150年のスギをはじめ、熊野川町や古座川町、紀宝町などから樹齢60年以上から80年以上のヒノキ17%、スギ83%の計1215立方㍍が出荷された。売り上げは約1450万円を見込んでいる。

 谷口社長は「昨年末に比べて勢いは落ちている気がするが、よく売れている方だと思う。これから(熊野川)河口大橋の工事の関係で市場の面積が狭くなってしまうが、5年後の売上高3割アップを目標に頑張り、木材の街新宮を絶やさないようにしたい」と話していた。

(2019年1月19日付紙面より)

出荷された木材が次々と競り落とされていく=18日、新宮市あけぼのの新宮原木市場貯木場
2019年01月19日
35 お弓行事や神楽奉納
 市野々王子神社で例大祭  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の市野々王子神社で13日、例大祭が行われた。午前9時30分から厄払い神事が始まり、15人が厄払いを受けたあと、神前で記念撮影。午後1時から境内の南にある的場でお弓神事が営まれた。

 神主役を務めた瀬藤隆介君(市野々小6年)が見事に的の中央を射抜き、続いて厄払いを受けた本人や家族の6人が次々に矢を放ち、命中するごとに観衆から歓声と拍手が湧き起こった。

 お弓神事を終えて、一行は神社境内に移動。神前境内で祭友会(貝岐直哉会長)が獅子神楽を奉納。大人や子どもたちが「幣の舞」「乱獅子」「子供獅子舞」を次々と奉納した。

 祭りの終わりに境内駐車場で恒例の餅ほりが行われ、地区内外から集まった大勢の人が厄年の人の名前を書いたたくさんの餅を拾ってにぎわった。

(2019年1月19日付紙面より)

にぎわう市野々王子神社=13日、那智勝浦町
お弓行事・神主役の瀬藤隆介君
2019年01月19日
36 大空舞う「たこ」楽しむ  北山小、保合同たこ作りと給食体験  
2019年01月19日
37 下里小で公開授業など  第8回指導室学習会  (東牟婁地方 )
2019年01月19日
38 米山奨学生と生徒が交流  那智勝浦ロータリークラブ  
2019年01月19日
39 いざ、センター試験へ  新宮、近大新宮高生らが出発  
2019年01月19日
40 鈴木知事が出馬表明  3月21日告示の県知事選  
2019年01月19日
41 赤ちゃんとスキンシップ  子育て支援「タッチケア」  (紀宝町 )
2019年01月19日
42 お気に入りの絵本選ぶ  うどの幼稚園児が図書館へ  
2019年01月19日
43 かまぼこの作り方を知ろう  かまセンで社会見学  (西向小学校 )
2019年01月19日
44 防災を考えるきっかけに  あったカフェが「ママの防災」イベント  (串本町 )
2019年01月19日
45 東側半分の外周など焼く  26日実施の火祭りに向け  (南紀串本観光協会 )
2019年01月19日
46 お悔やみ情報
  
2019年01月05日
47 新たな一年がスタート
 官公庁で仕事始め式  

 和歌山県庁や各市町村など官公庁で4日、仕事始め式があった。6日間の休業を終えた職員たちは首長らの訓示の下、気を引き締めて新しい一年のスタートを切った。

■新宮市



 新宮市の仕事始め式は市福祉センターであり、職員約100人が出席した。全員で市歌を斉唱した後、田岡実千年市長が「市政は市民のため」を基本理念に犠牲者ゼロのまちづくり、文化複合施設の平成32年度までの完成などに取り組むと述べ、「市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまちの実現のため今年も渾身(こんしん)の力を込めて頑張ってまいります」とあいさつした。

 来賓として出席した屋敷満雄市議会議長が「課題は山積していますが、諦めず、縦と横の連携を密にして公務に励んでもらいたい」と祝辞。向井雅男副市長が「創意工夫による事業展開を実施し、市政発展のために取り組んでもらいたい」と乾杯の音頭を取り、速水盛康教育長が「猪突(ちょとつ)猛進、迷わず、ブレずに着実に市が発展し続けることを願って」と述べ、万歳三唱で閉式した。

  □     □

■那智勝浦町



 那智勝浦町は4日、庁舎2階の大会議室で仕事始め式を開いた。出席した職員ら約70人は新たな気持ちで今年の業務に取り組むべく、気を引き締めた。

 全員で町歌を斉唱後、堀順一郎町長が「職員の皆さまには今まで以上に奮起していただきたい」と訓示。「懸案・課題を早く解決できるように、私も先頭に立ち、那智勝浦町や役場が元気に明るくなったといわれるように皆さまと一緒にまちづくりをしていきたい。ご協力をお願いします」と呼び掛けた。

(2019年1月5日付紙面より)

田岡実千年市長のあいさつを聴く職員ら=4日、新宮市福祉センター
職員らに訓示する堀順一郎町長=4日、那智勝浦町役場
2019年01月05日
48 建築業界の発展を願い
 新宮建築組合が釿始式  (熊野速玉大社 )

 建築業界の発展を願い新宮建築組合(広里嘉一組合長)は4日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で鎌倉時代から伝わる「釿始式(ちょんなはじめしき)」を営んだ。

 この神事はもともと同大社の宮大工、小野家に伝わる仕事始めの儀式で、現在は、同組合が継承している。

 この日は組合員ら18人が参列。白装束にえぼし姿の森田稔さん(54)がヒノキの原木(樹齢約60~70年、長さ約4㍍、直径約20㌢)をお神酒で清め、西下悟さん(41)と清岡尚寿さん(39)が墨を打った後、森田さんが鎌倉時代から同大社に伝わるカギ型の大工道具「釿」を「エイ、エイ」と3カ所に打ち付けた。

 神事のあと上野宮司が参列した組合員らを前に釿始めの歴史を紹介し、「どうか今年一年も皆さんお元気で、新宮のみならず熊野地域の業界の発展のために尽力いただきたい。本当に今日は素晴らしい釿始めをありがとうございました」とあいさつ。広里組合長は「昨年は材料が入りにくかったり、自然災害が発生したりと、いろいろなことでお客さまにも迷惑をかけてしまったが、皆さん頑張っていたと思う。いま、釿始式を終え、今年一年頑張ろうという気持ちが湧いてきました」と話した。

(2019年1月5日付紙面より)

鎌倉時代から伝わる宮大工の仕事始めの儀式「釿始式」=4日、熊野速玉大社
釿始式に参加した皆さん
2019年01月05日
49 弓頭3人思い込めて放つ
 有田神社祭礼「お的祭り」  (串本町 )

 串本町有田上にある有田神社(深美芳治宮司)の祭礼「お的祭り」が3日にあり、弓頭3人が同神社近くの的場で思いを込めて矢を放った。

 この祭礼は氏子区域である有田、有田上、吐生の新春に弾みをつける例祭で、今年の弓頭は昨年に引き続いて有田~有田上区域の寒川広夢さん(19)、吐生区域の水本小夏さん(16)と長谷川莉杏さん(16)が務めた。

 午前9時に本殿前で式典が営まれ、弓頭3人は中山眞作区長や世話役の神社総代と共に神前奉告。鳥居そばで古式の修祓(しゅばつ)「湯立ての儀」で身を清めた後に同神社前の耕地に設けた的場へ入り、深美宮司の仕切りによる弓行事に臨んだ。

 弓頭は1人につき1巡目と2巡目に6本を放ち、3巡目は3本を放った後に一度同神社へ戻って白衣から黒衣へと着替え、魚の切り身を口にして的場へ入り残り3本を放った。その様子は家族ら住民も見守り、的中するたびに拍手を注いで喜んだ。

 湯立ての儀の釜湯の上にサンマなど28匹をかざし、弓頭は魚の切り身を口にして素人(白衣)から玄人(黒衣)に変わるなど、独特の慣習を宿す同神社の「お的祭り」。弓頭を務めた水本さんと長谷川さんは学力の向上、寒川さんは仕事の上達を個々の願いとして奉仕に込めたそうで、区域の代表として寒川さんは「自分は地元で就職したが、そうしたいほど有田はいい環境。同じように若い皆さんにも興味を持ってほしい」、水本さんは「このような行事を通して有田は素晴らしいところだということを、地元だけでなく観光客の皆さんにも見てもらえるようになれば」、長谷川さんは「有田は自然も豊かなところだということを、このお祭りをきっかけにしていろんな人に見てもらいたい」、深美宮司は「昨年の台風で有田地区も被害を受けた。人災、天災(=台風や豪雨の災害)、自然災(=地震や津波の災害)。今年は諸々の災いが氏子に降りかからないことを願いたい」と思うところを語った。

(2019年1月5日付紙面より)

有田神社前の的場で営まれた弓行事=3日、串本町有田上
魚の切り身の振る舞いを受ける弓頭ら
2019年01月05日
50 魚価は上昇傾向
 勝浦市場で初競り  (那智勝浦町 )

 はえ縄漁法による生鮮マグロ水揚げ高で日本一を誇る那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場で4日に初市があった。近海で操業していた高知の漁船3隻がメバチ、キハダ、ビンチョウなど約20㌧、2257万円を水揚げ。前年に比べると水揚げ量は7割近く減ったものの、平均単価は1112円とほぼ倍増。4月からの年度集計では平均価格に上昇が見られている。

 勝浦漁協によると昨年の1月1日から12月31日までの水揚げは約922㌧・1億7911万円の減。4月1日から12月31日では約6749㌧(前年比476㌧減)、金額は49億3568万円(同約1億4816万円増)となっている。

 勝浦魚商協同組合の木下勝之組合長は「漁獲高の減少、漁価の上昇はわれわれにとって厳しくはあるが、組合で協力し合い販路を広げていく。外来船が安心して入港できる港に」とあいさつし、3月完成予定の冷凍冷蔵施設の整備に感謝の言葉を述べた。県漁連勝浦市場の太田直久参事は「年末はビンチョウマグロが少なかったが、今日は多く揚がった。近海のシーズンはスタートしたばかり。これからに期待したい」と話した。

(2019年1月5日付紙面より)

マグロの品質を見る仲買人ら=4日、那智勝浦町築地
2019年01月05日
51 新成人の華やかな門出祝福  熊野地方で成人式  
2019年01月05日
52 「ファムツアー」記事が人気  宿泊客数増とプロモーションが効果  (新宮市 )
2019年01月05日
53 厳かな音色響き渡る 大みそか、各地で除夜の鐘 
2019年01月05日
54 気仙沼からの大漁旗展示  新宮市  
2019年01月05日
55 獅子舞や餅つきで新年祝う  太地町飛鳥神社  
2019年01月05日
56 舟謡、神楽で新年を祝う  那智勝浦町勝浦八幡神社  
2019年01月05日
57 竹灯籠で参拝客迎え  那智勝浦町宇久井神社  
2019年01月05日
58 世界平和や国の安寧祈り  新宮市王子神社  
2019年01月05日
59 皇室や国家の繁栄祈る  熊野三山で歳旦祭  
2019年01月05日
60 行政効率高め仕事全うを  仕事始め式営み業務再開  (串本町 )
2019年01月05日
61 誓い掲げ大人の仲間入り  文化セで平成31年成人式  (串本町 )
2019年01月05日
62 初詣客の幸運を願い  烏止野神社で新春奉納太鼓  (熊野水軍太鼓 )
2019年01月05日
63 町民目線に立って仕事を  西田健町長が年頭訓示  (紀宝町 )
2019年01月05日
64 大人への決意と自覚胸に  成人式で136人が門出  (紀宝町 )
2019年01月05日
65 初日の出に大勢の人  熊野地方  
2019年01月05日
66 お悔やみ情報