御船祭の早船競漕 (新宮の速玉祭 )
熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」の御船祭(みふねまつり)・早船競漕(きょうそう)で入賞した王子区(上り1位)、大王地区(上り2位、下り1位)、丹鶴区(上り3位)、堤防区(下り2位)、明神区(下り3位)への表彰式が13日、同大社で行われた。
表彰式には5地区の代表者と審判委員が参加。神職によるおはらいの後、上野宮司から上り表彰では各地区に賞状、盾、賞金、下り表彰では1位の大王地区に賞状と盾、2位堤防区、3位明神区に賞状が贈られた。
各地区への賞状、盾、賞金は、株式会社R.Link Corporationの椋野玲史取締役会長から、御船祭を後世に伝え、繁栄させてほしいとの願いを込めて贈られた助成金によるもの。
表彰後、下地昌宏審判長が「来年も今年のような勢いを持って頑張りましょう。よろしくお願いします」と呼び掛け、上野宮司が「各区の練習するその努力はもちろんで、それをこうして表彰し、無事に今年も終わった栄誉をたたえていただいたことを力として、また他の地区からも目指していただけるような立派な区になることを目指してほしい。皆さんがこいでくださるこの姿というのは、今の姿だけで終わると思っては困るわけです。ずっと伝えていくという、その姿のことを思って優勝した区も、また目指そうとする区の皆さんも、勝ち負けは大事だろうけども、それ以上に大事なものを背負っていることも申し送ってほしいというのが私たちの願いです」とあいさつ。
上りで優勝した王子区のとも取りの西村雄作さんは「10年ぶりの優勝で感無量です。OBの皆さんにも喜んでもらうことができ良かった」と話した。
(2018年11月15日付紙面より)
香港ユネスコの楊さんが視察 (南紀熊野ジオパーク推進協 )
南紀熊野ジオパーク推進協議会は11日から13日までの間、香港ユネスコ世界ジオパーク園長などを務める楊家明(ヤン・カーミン)さんを招き、和歌山県内の南紀熊野ジオパークの2度目となる視察が行われた。本紙エリア内では北山村、那智勝浦町、太地町を訪れた。
今回の視察は楊さんから県内ジオパークについてアドバイスなどを受け、改善点の解消や新たな魅力の発見に努めるとともに、世界的な情報発信につなげることが目的。
楊さんはジオパークの世界的な普及に取り組んでおり、日本や世界各地の40カ所以上のジオパークで基調講演やアドバイスを行っている。世界ジオパーク・ネットワークを生かして国際ワークショップを開き、アジアや世界のジオパークの情報拠点となるように尽力している。
12日には、那智勝浦町の勝浦漁港と宇久井ビジターセンターを見学した。太地町では町立くじらの博物館で捕鯨の文化や移民の歴史などを同館学芸員の櫻井敬人さんが解説し、館内を案内した。
楊さんは視察について「訪れた地域は観光客にとっては興味深い場所だと思う。自然の景観や文化的景観も素晴らしい。前回来た時よりも改善された点も多く見受けられる。和歌山には他の地域が学べるところも多い」と評価した。
課題については「資源は豊富にあるが、重点や的を絞った取り組みができていない。その場合、お金や時間をかけ過ぎてしまううえ、うまくいかない」と指摘。「重要でないものは取り除いていくことが大事。ジオパークの取り組みが開始されて6年ほど経過したが、総括していく時期だと思う」と語った。
その後、楊さんは太地町内のまちなかジオツアーに参加し、堀順一郎・那智勝浦町長を訪問した。夜はホテル浦島で歓迎会が開かれた。12日には北山村を訪問し、「筏師の道」を歩いた。
(2018年11月15日付紙面より)
八坂神社秋季祭典迎える (古座川町 )
古座川町池野山にある八坂神社の秋季祭典が10日に宵宮、11日に本祭を迎えた。宵宮は夜半に境内で火焚(た)き行事を営み、区民らの随時参拝を集めるなどした。
池野山と上部の氏神社として護持される同神社は現在、年4回の例祭(正月、節分、夏季祭典、秋季祭典)が営まれている。11月の秋季祭典は池野山区(垣秀志区長)が奉仕の主体で、今年は同区の9班(矢本真一班長)と10班(谷正夫班長)が当番の巡りにより宵宮の火焚きを営んだ。
池野山の火焚きは、製材所があった下部のように夜通し行うわけではないが、夜半に火を保ち続けながら参拝者を迎える。宵宮は両班長の仕切りで境内にまきを積み、日没ごろに点火。たちまち広がる火に1本、また1本とまきをくべて火勢を保ちながら区民を迎えた。神前では神酒が振る舞われ、参拝した区民はしばし火焚きを眺め区民同士で近況を報告しあうなどして過ごした。
本祭は早朝に式典があり、その後は上部の獅子連中を迎えて奉納や酒宴の座を営み、その後は道の駅虫喰岩駐車場で区域全体を対象にした地下舞わしもあったという。矢本班長(46)は「区の皆さんが災害を被ることなく平穏に過ごせれば」と今回の奉仕を通して願うところを語った。
(2018年11月15日付紙面より)
3保育所が消防署見学 (新宮市 )
新宮市の蓬莱、佐野、高田保育所は14日、合同で市消防本部を見学した。5歳児44人がビデオ視聴や緊急車両見学、放水体験などをして消防士の仕事を学んだ。
5歳児交流の一環で、年間を通じてジャガイモ掘りや運動会ごっこなどを実施している。園児らは映像教材『火あそびはあぶないよ』を見て火事の恐ろしさを学び、火遊びをしないと約束。防災指導係の堀口清明さんが▽ライターやマッチで遊ばない▽花火をするときは大人と一緒に▽火事になったら逃げて大きな声で知らせる―を呼び掛けた。園児らからは「消防車のホースからどうして水が出るの?」「どんな訓練をしているの?」などの質問があった。
園児らは2班に分かれて通信指令室、救急車、消防車などを見学。車両の役割や装備の説明を受けた。放水体験に挑戦した園児らは防火衣を着用し、緊張した面持ちでホースを握っていた。
はしご車には職員2人が乗り込み、25㍍の高さから360度旋回。園児たちは「先生、大丈夫?」「高い」などと歓声を上げながら手を振っていた。
(2018年11月15日付紙面より)