ゲアハルト・ヴォルフ所長が講演 (新宮市 )
環境問題研究会(植松晴孝会長)の4月例会・特別講演会が23日、新宮市の井の沢隣保館であり、マックス・プランク財団美術史研究所のゲアハルト・ヴォルフ所長が『遠さと近さ:聖地を測る』をテーマに話した。「聖地は、それだけで成立しているのではなく周辺で暮らす人間、社会が関わることで成立している。地域は違っても同じような構造があるのかもしれない」などと述べた。
ドイツ出身でイタリア・フィレンツェ在住の所長は、イコンなどキリスト教美術研究の第一人者。講演前に那智の滝や神倉神社などを訪れた所長は「滝や岩など聖地になっている場所は、人間が自然と対話しながら生まれてくる」と説明。「那智の滝は、地元の皆さんにとっては何気ない景観かもしれませんが、滝の前に鳥居をつくり聖域になっていることに非常に感銘を受けた」と述べた。
「岩のドーム」「聖カタリナ修道院」などキリスト教、ユダヤ教、イスラム教の聖地や絵画を写真で見せながら解説。現在はどこも観光地としても重要な場所になっているが、景観と調和していない建物もあると指摘。遠い場所から訪れる過程で肉体的、精神的に聖地に関わっていく体験になっていることや、修道士はもともと修道院ではなく、険しい自然の中で暮らしていたことも紹介した。
同席した秋山聰・東京大学教授(美術史学研究室)は、大雨の中、熊野古道「大雲取越」を歩いた際、「円座石(わろうだいし)」に空から光が当たっている景色を目にし「天と地の通路。神が降りる場所」と解釈し、各宗教の普遍性について論文で発表。掲載本を編集したのが所長だったなどと講演会に至った経緯などを説明した。
松﨑照明・東京家政学院大学客員教授(日本建築史)は、各宗教で共通するところと違うところがあると述べ、自然が豊かな聖地は多神教になるのではと推測した。松田陽・東京大学准教授(文化資源研究室、文化審議会委員)は所長の通訳を務めた。
今年の6月9日(土)、10日(日)に新宮市福祉センターで開催される「第42回地中海学会大会」のプレ企画として開催され、約80人が聴講した。新宮市教育委員会と地中海学会が後援。「中世宝物の贈与・寄進に関する比較美術史学的研究」の補助を一部受けて実施した。
(2018年4月25日付紙面より)
全国訪問おはなし隊 (那智勝浦町 )
講談社の全国訪問おはなし隊(窪田泰子隊長)は24日、約550冊の絵本を載せたキャラバンカーで那智勝浦町立図書館を訪問した。町内のわかば保育園(山田眞理子園長)の5歳児19人、太田小学校(尾﨑卓子校長)の1~3年生14人が集まり、絵本の自由閲覧や和歌山市から来た朗読グループ「言の葉」(林多恵子代表)による読み聞かせを楽しんだ。
講談社の創業90周年読書推進事業として1999年7月にスタートした。2台のキャラバンカーで全国47都道府県を巡回し、現在10周目。幼稚園、保育所、小学校、図書館などを訪問し、2017年5月末までに2万705カ所の会場を訪れ、179万人を超える子どもたちに本を読む楽しさを伝えてきた。那智勝浦町へは16年にも訪れている。
友達と一緒に絵本を読んだ太田小の仲地主琉君(3年)は「いろいろな絵本があって楽しかった」と喜び、わかば保育園の村上智哉君(5)は「パンダが出てくる絵本がおもしろかった」と笑顔。引率した太田小の尾﨑校長は「学年によって本への反応が違って興味深かったです。集中して読む子、仲間と声を出して読む子、それぞれ楽しんでいました」と話していた。
(2018年4月25日付紙面より)
出雲で第25回全国決勝大会 (ダイワグレマスターズ )
第25回ダイワグレマスターズ全国決勝大会が21、22の両日、串本町の出雲港を拠点にして開かれ、ブロック予選を勝ち上がった選手12人と全大会シード選手4人が熱戦を繰り広げた。
この大会は、グローブライド株式会社が主催。磯釣り(ウキ使用のフカセ釣り)によるグレの釣果で競い合う内容で年1回、参加費制で開かれている。第25回は昨年10~12月に全国11カ所で地区予選があり、総勢921人が出場。各地区予選の上位による東西2ブロック予選を経て、全国決勝大会出場選手を絞り込んだ。
地区予選のうち、本紙関係の関西大会は昨年11月25日に串本町内であり、127人が出場、上位9人がブロック予選へ進出した。9人中8人が和歌山県勢、うち4人が紀南の田辺市勢。12月16日に那智勝浦町内で開かれたAブロック大会では各地区予選からの進出選手とシード選手43人が対戦し、和歌山県勢は及ばなかったが、上位6人(大阪府2、埼玉県1、徳島県3)が全国決勝大会へ進出した。
全国決勝大会は当初3月17、18日に開く計画だったが荒天により2度延期し年度をまたぐかたちで本番を迎えたが、前大会優勝者の福原健選手(38、徳島県)らシード選手4人を含む16人全員が都合を合わせて参戦。初日は4グループに分かれて予選リーグ対戦に臨み、各グループの1位選手が準決勝へ進出した。2日目はトーナメント対戦とされ、決勝に勝ち上がったのは江藤義紀選手(45、福岡県)と木村真也選手(31、大分県)の2人。江藤選手が2時間の対戦で2尾1410㌘を釣り上げ優勝した。3位は屋田龍男選手(33、鹿児島県)と藤田賢治選手(42、広島県)だった。
表彰式は串本町サンゴ台にあるホテル&リゾーツ和歌山串本(旧串本ロイヤルホテル)内であり、尾ノ上幸司朗大会委員長と清野武志副町長のあいさつ、鵜澤政則競技委員長の総評を経て上位4人を表彰。その健闘を選手来賓スタッフ一同でたたえた。4人は入賞と同時に第26回大会のシード権も獲得した。
平成27年度(第23回)、28年度(第24回)、29年度(第25回、延期により次年度繰越)と3カ年にわたり、串本町の出雲港周辺を全国決勝の舞台とした同マスターズ。第26回は九州方面に会場変更となるが、関西予選は串本町、Aブロック予選は那智勝浦町を会場とする方向で検討が進んでいるという。選手が釣り上げたグレ(体長25㌢以上)は地元の福祉施設に寄贈する事が慣例になっていて、今回は社会福祉法人串本福祉会(和田利文理事長)が贈呈を受けた。
(2018年4月25日付紙面より)
新宮小売酒販組合が街頭啓発 (新宮市 )
新宮小売酒販組合(辻良治理事長)などは24日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で未成年者飲酒防止・飲酒運転撲滅キャンペーンの街頭啓発を実施した。雨の中、組合員や関係機関の職員や約30人が買い物客らにチラシとティッシュを配った。
毎年4月は「未成年者飲酒防止強調月間」。和歌山県全体では2000年から、新宮組合では1993年から街頭キャンペーンを実施している。太地町のゆるキャラ「ゴン太君」と国税局のゆるキャラ「イータ君」「マイナちゃん」を招き、買い物に来た親子連れなどに呼び掛けた。
未成年飲酒は脳の機能を低下させ、性ホルモンに異常が起きる恐れがある。臓器に障害を起こしやすくなる他、依存症になりやすくなるなどの危険がある。啓発ではたすきを身につけた関係者らが未成年の飲酒防止への協力を求めた。
辻理事長は「キャンペーンを始めて四半世紀になる。少しは浸透したのでは。飲酒運転についても長らく和歌山県は残念な結果になっている。いっそう力を入れて啓発活動をしていきたい」とあいさつ。堀井明新宮税務署長は「未成年者に、なぜ自分たちは飲酒をしてはいけないのかを理解してもらうため、学校や家庭、地域社会一体となって指導していかなければならない。キャンペーンをきっかけとして未成年者の飲酒防止が地域社会に根付くことを願っています」と話した。
今回啓発に参加したのは▽新宮小売酒販組合▽新宮警察署▽和歌山税務署▽新宮税務署▽大阪国税局▽新宮納税協会▽新宮市▽新宮市立少年相談センター▽新宮警察署少年補導員連絡会▽新宮料理飲食業組合▽フランチャイズチェーン協会▽紀南酒造組合―などの皆さん。
(2018年4月25日付紙面より)
県大会目指し熱戦繰り広げる
全日本ジュニアレスリング選手権で
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で17日、新茶祭が営まれた。大社裏の茶園でみこらが摘み取った特産品「音無茶(おとなしちゃ)」の新芽を神前に供え、自然の恵みに感謝するとともに産業の発展を祈った。
音無茶は、平安時代に熊野を訪れた京都の貴族が植えたのが始まりといわれている。名前は大社近くを流れる音無川にちなんで付けられた。昭和30~40年代に栽培面積を増やし、現在は町内40戸約5㌶で栽培している。昨年は一番茶、二番茶合わせて380㌔。茶葉はペットボトル飲料やアイスクリームなどの加工品としても販売されている。
白衣に赤いたすき姿のみこ2人と、大社敬神婦人会役員ら5人が、祓戸(はらいど)王子近くの茶園(約10㌃)で新芽を摘み取った。大社は毎年、収穫した一番茶を皇室に献上している。本格的な茶摘みは4月下旬からで、二番茶は6月下旬から摘む予定。
本宮町茶業生産組合の松本喜代志組合長代理(89)は「今年は天候が良く成長は半月ほど早いです。霜もなく、おいしいお茶ができそう」。九鬼宮司は音無茶の生産に感謝し、全国、一人でも多くの人に音無茶を知ってもらいたいという思いで始まったと祭の由来を紹介。「今年は(創建)2050年の年。来年度は新たな祭を披露したい。伝統をかみしめ、次の世代の人々に提言できる祭を催したい」とあいさつした。
(2018年4月18日付紙面より)
全国学力・学習状況調査 (新宮・東牟婁 )
文部科学省は17日、小学6年生と中学3年生を対象に「全国学力・学習状況調査」を実施した。県内では国公立小中学校計349校の約1万5200人が対象。国語、算数・数学、理科の3教科で調査を受けた。新宮・東牟婁では小学校23校と中学校17校の児童、生徒が対象となった。
調査は、義務教育の機会均等と教育水準の維持向上の観点から小・中学生の学力や学習状況を把握、分析するのが目的。調査により教育施策の成果と課題を検証し、教育指導の充実や学習状況の改善などに役立てる。
国語、算数・数学、理科は基礎知識の問題と、活用力、課題解決力の問題を2種類に分け実施。生活習慣や学習環境などの質問調査もあった。結果は7月末ごろに学校や各市町村の教育委員会に公表される。昨年度の県の結果では全ての教科で全国平均との差が大きく改善した。
県教委は「県学力向上対策本部」を設置。調査結果の分析とこれまでの取り組みの検証、今後の対策を協議してきた。「県学力向上対策中期計画」を策定し平成27、28年度の2年間、学力の定着を図った。29年度の学力向上対策では取り組みを「基礎学力の定着」「思考力・表現力を高めるための授業改善」「補充学習の強化と家庭学習の定着」「学力向上のための戦略的な学校経営」としている。
全国調査は1960年代にも行われていたが、学校や地域間の競争が過熱したことから昭和39年に全員の調査を中止。近年、学力低下が問題視され、平成19年に復活した。同22年から24年度は全国の3割の学校を抽出して調査し、以降は再び全国で行っている。
(2018年4月18日付紙面より)
一枚岩「守り犬の影」 (古座川町 )
古座川町相瀬にある国指定天然記念物・一枚岩で今年も、守り犬の影が鑑賞のシーズンを迎えている。
守り犬は一枚岩に伝わる民話に登場するイヌで、那智勝浦町浦神から道すがら岩をかじりながら奇岩の多い古座川流域へ入り込んだ魔物が一枚岩へ差し掛かった時、果敢にほえて追い払ったとされている。
流域の所々にある岩の虫食い状況を見た先人が伝承してきた話で、内容を後押しするように虫食い状況は一枚岩より上流にはほとんど見られない。同町小川にある県指定天然記念物・滝ノ拝の伝承(瀧之拝太郎)と並んで同町を代表する民話になっていて、同町作成の絵本冊子などを通して啓もうも図られている。
そのような民話のワンシーンを再現するかのように出現するのが守り犬の影。対岸にある犬鳴岩の影が西日の差し込み加減で一枚岩の壁面に落ちる現象で、近隣住民が愛犬を連れて散歩中、愛犬とそっくりのシルエットを持つ影があることに気付いて以来話題になっている。
同駅内に設けられている案内板によると年2回、4月19日前後と8月25日前後の数日内、午後5時ごろが見頃とされている。出現場所は上流側のどんどろの森入り口付近。春のシーズンは空がかすんで影の輪郭がにじみがちだが、条件がよければ下流側に向かってほえるイヌのような影が見られる。16日は薄曇りの弱光条件ながらおぼろげにその輪郭を見せ、居合わせた人の注目を集めた。
セッコクの白花も巨大な壁面のくぼみに点々と咲きそろい、今年は見どころの多い春のシーズンとなっている。夏のシーズンはより鮮明に鑑賞しやすく、ここ数年は地元主催の鑑賞会を兼ねた夏祭りも開かれている。
(2018年4月18日付紙面より)
全日本選抜剣道八段優勝大会
第2回JAみくまの杯バレーボール大会 (串本とのフルセットの激闘制す )
新翔と新宮に326人が入学
新宮市神倉の県立新宮高校(前田成穂校長)と同市佐野の県立新翔高校(東啓史校長)で10日、入学式があった。新入生が期待と緊張感を胸に高校生活の第一歩を踏み出した。
新翔には126(男子67、女子59)人が入学した。東校長は「入学はゴールではなく新たなステージの始まり。合格発表の日の喜びと新鮮な気持ちをいつまでも持ち続け、しっかりとした目標を定めて意欲的に高校生活を送ってください」と式辞。
染織家、志村ふくみさんと桜のエピソードを紹介し「桜は美しい花びらを咲かせるために、木全体で懸命になって最上の桜色になろうとしている。皆さんには卒業するときに、見事にきれいな桜の花を咲かせてほしい。三年間、全身で花を咲かせるための準備をし、見事な色を作り上げていって」と呼び掛けた。
新入生を代表し、山路暁子さんは「新翔高校の生徒としての誇りを胸に、青春の日の個性を磨きながら、希望という未来に向かって精いっぱい努力する」と誓った。
□ □
男子92人、女子108人の計200人が入学した新高。前田校長は「一人一人が主体性を持ってひたむきに努力し、将来に向かって一歩一歩力強く歩むことを期待している」と式辞を述べた。
エイブラハム・リンカーンの言葉「Where there's a will,there's a way.(どんなに困難な道でも、それをやり遂げようとする強い意志さえあれば、必ず道は開ける)」を紹介。「新しい目標を持って果敢に挑戦し、一歩一歩確かな歩みを続けてください。努力した時間が皆さんを成長させてくれる。今日の喜びと感激を忘れず、豊かな高校生活を送るよう自分をしっかりと見つめ、持てる力を存分に発揮し励んで」。
新入生を代表し、敷地ちるさんは「三年間、何事にも積極的に挑戦し、精いっぱい学び、努力する」と宣誓した。
(2018年4月11日付紙面より)
新宮市土建協同組合が贈呈
新宮市土建協同組合(松根康隆理事長、54社)は10日、市内5校の新小学1年生たちに渡してほしいと防災ずきん220個を市教育委員会に贈呈した。松根理事長をはじめとする役員ら9人が市役所を訪れ、楠本秀一教育長に手渡した。
組合は平成22年5月に創立60周年記念で市内小学校の全児童1635人に防災ずきんを贈呈。翌年に「新1年生にも」との要望があったことから、毎年新1年生に贈り続けている。今年で9年目になる。
松根理事長は「かけがえのない子どもの命を守るためできる限り贈呈を続けていきたいと思っています」。楠本教育長は「毎年非常にありがたい。いざという時のため防災教育にしっかりと活用したいと思います」と感謝した。
(2018年4月11日付紙面より)
セミ・ドキュメンタリー映画『熊野から イントゥ・ザ・新宮―明治の闇「大逆事件」を乗り越えて―』の完成披露上映会(同映画上映実行委員会主催)が9日、新宮市福祉センターであり、約100人が来場した。映画は5月19日(土)から、ジストシネマ南紀で全国先行2週間のロードショーを予定している。
映画評論家でもある田中千世子監督(68)=東京都在住=の10作目の最新作。『熊野から』(2014年)『熊野から ロマネスク』(16年)に続く熊野三部作の完結編。撮影は16年から17年にかけて行われ、夏に完成した。上映時間は83分。
新宮市が主舞台の映画。俳優の海部剛史さんと雨蘭咲木子さんが雑誌の特集企画のため新宮へ取材旅行へ来たという設定。二人が佐藤春夫記念館、西村記念館などを訪れ、『大逆事件』で犠牲となった大石誠之助や高木顕明の志を継ぐ人々や新宮の歴史に詳しい人たちから話を聞いていく。
アコーディオン演奏者のアラン・パトンさんが自作曲に佐藤春夫の詩『愚者の死』をのせて歌っているほか、新宮を舞台にした小説『許されざる者』の著者辻原登さんへのインタビューもある。春夫役として俳優の佐野史郎さんが特別出演している。
「御燈祭り」「ツール・ド・熊野」「遠松忌」など新宮での神事やイベント、熊野川、王子ヶ浜などの風景も盛り込まれていて、新宮の人たちが多数出演している。
映画の上映前、撮影に協力した『大逆事件』の犠牲者を顕彰する会の二河通夫会長(87)があいさつ。「映画を通じて日本の原郷である熊野をいかに表現しながら、熊野に住む人の優しさをどのように表現しようかという田中監督の優しさにひかれ、少しでもお手伝いをしていきましょうとなりました。田中監督の熊野を日本中だけではなく、全世界に広げたいという情熱にもひかれました。すばらしい監督に出会えて幸せです」。
田中監督は「熊野ではいろんな出会いをしてきました。最初は自転車と風土と文化が一緒になった映画が撮れればいいなと思っていましたが、阿須賀神社の西俊行宮司に熊野の霊地を案内してもらい、もっと本格的な映画にしないといけないと思いました。一方で、二河会長の話にどんどん引き込まれ、三部作目にもう一度新宮に戻ってきました。皆さんとても優しくて、厳しくて。三部作でいいかなと思っていますが、だめだと言われているような気もします。これからも末永くお付き合いしていただければ」と述べた。
(2018年4月11日付紙面より)
佐田桜の広場でイベント (古座川町 )
古座川町佐田にある桜の広場で8日、イベント「桜まつり」があり、延べ500人(主催者発表)の人出でにぎわった。
同まつり実行委員会主催。日本さくら名所100選の一つに数えられる七川ダム湖畔の開花時期に合わせて毎年開かれているが、今年はイベントの期日よりも1週間ほど早く花盛りを迎えてしまい、遅咲きのボタンザクラを除く多くの木々が新緑の時期に差し掛かる中での実施となった。
広場内に特設ステージ、外周の道路沿いに物産や軽飲食の販売など各種ブースが設けられ、実行委員長の西前啓市町長があいさつして開会した。ステージでは森武志さん・まどかさん夫妻の司会進行で町内のハーモニカ奏者・上村廣美さんの演奏、松下きょうこさんと青木友宏さんの紙芝居、熊野亭雲助さんの落語が順次披露され、正午にはのど自慢大会も。午後にクマノザクラトークショーがあり、好音の会の雅やかな演奏後はみくまの農業協同組合協賛の餅まきでにぎやかに締めくくった。
各種コーナーでは焼きそばやおまぜなどの軽飲食販売、ユズやブルーベリーの加工品や民芸などの物産販売、箸つかみなどのミニゲーム提供、七川ふるさとづくり協議会や佐田郵便局のPRなどがあり、売買だけでなく気さくな交流が華やぐ場としてもにぎわった。
(2018年4月11日付紙面より)
28組56人が参加しペア三和大会
第56回紀南剣道優勝大会
那智勝浦町中里へ (県内初 )
日本で見掛けるのは年に1羽か2羽という珍しい鳥が2月下旬、那智勝浦町中里地区に飛来していたことが分かった。
この鳥はナベコウ。コウノトリ目コウノトリ科に属する。上面は暗褐色で下面は黒っぽい。脚や目の周りが赤く、飛んでいるときは白と黒のコントラストが目立つ。湖沼、河川、水田、湿地帯で生息し、成鳥は1㍍近くの大きさになるが、中里で観察されたのは幼鳥。太田憲男さんが2月22日に自宅前の水田で発見した。しばらく滞在していたという。
日本野鳥の会三重県支部所属の中井節二さんによれば、この鳥は主に中央アジアで繁殖し、中国南部や台湾で越冬する。木の上や電柱など高所で眠るそうだ。「33年前に御浜町で観察されたが、和歌山では初めて。話を聞いて現地周辺を捜したが、すでに見当たりませんでした」と残念がっていた。
(2018年4月4日付紙面より)
「ワークランドそら」で開所式 (美熊野福祉会 )
社会福祉法人美熊野福祉会の多機能型事業所「ワークランドそら」が2日、新宮市佐野で開所した。竣工(しゅんこう)式は5月12日(土)でカフェは同月14日(月)オープン予定。代表利用者は「たくさんの人が集まる、働く、楽しく過ごす、安心できる、みんなが幸せいっぱいになるところです。力を合わせてすてきな『そら』にしていきましょう」とあいさつした。
「ワークランドそら」は、同法人初の就労支援施設。法人本部が入り、障害のある就学児童への「放課後等デイサービス」と一般企業への就職を目指す障害者に対しての「就労移行支援」、一般企業への就職が難しい障害者に対しての「就労継続支援B型」の三つの事業を展開する。
敷地面積は1396・46平方㍍。延床面積は1階部分が793・26平方㍍、2階が429・46平方㍍の鉄骨造。名前には、空へ大きく羽ばたくように未来への希望を込めた。
法人内部役員や利用者らが集まった開所式で同法人の森常夫理事長は開所までの経緯を紹介し、新宮地域でも就労移行支援のサービスを受けられるようにし、B型作業所として他の法人と重複せず選択肢を増やすカフェを開店することなどを紹介。「皆さまも『そら』に大いに期待してください」と支援を呼び掛けた。
原俊之施設長は「愛される事業所を目指し、利用者のためにいい事業所を作っていけるか職員と日々話し合いながら一つずつ、作っていきたい。施設に負けない利用者支援に取り組んでいきたい」とあいさつした。
ピアノやギター、バイオリンの演奏に合わせて春の歌や、手話を交えて『上を向いて歩こう』をみんなで歌い、和やかな雰囲気で閉式した。喫茶スペースで茶話会もあり来場者らが交流を深めた。
(2018年4月4日付紙面より)
沿岸各所でヒジキ漁始まる (串本町 )
串本町沿岸各所のヒジキ漁が3月末の大潮に合わせてシーズンインを迎えた。特産「姫ひじき」の産地・同町姫は2日に初漁を迎え、和歌山東漁業協同組合西向支所の組合員が干潮の時間帯を見計らい収穫に励んだ。
姫のヒジキは「長く太く柔らかい」など品質の良さで古くから定評があり、近年は姫ひじき生産組合(青木悦子代表)が地元に伝わる製法で商品化し、特産品「姫ひじき」として市場に投入して安定した需要を得ている。
商品化の第一歩となるのがヒジキ漁で、同組合の組合員は冬場にヒジキが根付く磯場の雑藻を引くなどの手入れをして生育を促し、漁協組合員として初漁にいそしんだ。青木代表(70)によると、今年のヒジキは品質上々だが成長が鈍く、昨年より2週間ほど初漁を遅らせたが例年より見た目の量が少なめ。今後の育ち具合次第だが、同日現在の状況から漁場全体で4㌧程度の収量を見込んでいる。
初漁は旧養春小近くの漁場で行い、波打ち際に漂うヒジキの茎を、株元をある程度残す(一定量残すと来年も芽吹くため)よう気を付けながら刈り取った。以降、大潮の干潮で磯場が大きく現れる時期に収穫作業を進め、天候に左右されるがおおむね5月初旬ごろまでに姫の漁場全体を刈り上げたいという。
姫産ヒジキは天日干し後に和歌山東漁業協同組合西向支所に出荷し、慣例として同組合が仕入れる。5月中旬ごろに旧養春小近くの加工場で新物の仕込みに取り掛かる予定で、特産品「姫ひじき」の新物が市場に出回るのは6月初旬ごろとなる見込み。
姫近くの伊串や目津大浦は3月31日に初漁を迎え、週末の行楽返上で組合員が磯に降り収穫にいそしんだ。いずれも陸に近い磯場は生育が鈍く、1日は沖側の磯の大物を先に収穫する姿も目立った。姫の商品化は特例で、一般的に県内で収穫したヒジキは県漁連枠で出荷が受け付けられ、通常のセリで流通する形が基本となっている。
(2018年4月4日付紙面より)
タウンガーデンにこいのぼり (新宮市 )
新宮市保健センター横の花壇「タウンガーデン」に2日、一足早くこいのぼりが掲げられた=写真。花壇を管理するボランティアグループ・タウンガーデン(平田裕子代表)が7日(土)に開催する「花まつり&バザー」を前に設置し、5月中旬ごろまで飾る予定。通りがかった親子らは青空を悠々と泳ぐこいのぼりを眺めた。
この日は10人以上が集まり、市内の遍照院から切って運び出した約15㍍の竹に滑車を付けてこいのぼりを7本取り付けた。敷地内にはシレネやノースポール、パンジー、キンギョソウなど季節の花が咲いている。
平田代表は「みんな高齢化し竹を採るのも大変ですが、子どもたちが喜んでくれるのでうれしいです。花まつりには大勢の人が来てくれれば」と話していた。
花まつり&バザーは7日(土)午前10時から。雨天時は8日(日)。寄せ植えや木工品、和風小物、おまぜ、カレー、焼き菓子などを販売する。売上は毎年恒例のイルミネーションの費用などに充てられる。
(2018年4月4日付紙面より)
県婦人バレーボール選手権大会
県弓道連盟主催の段級審査
紀南青少年兼ジュニア選手権バド大会