年末の帰省ラッシュピーク (熊野地方 )
年末年始の帰省ラッシュがピークを迎え、正月をふるさとや観光地への行楽で過ごそうとする人や車の姿が多く見られる。30日、JR新宮駅では午前中に特急列車の2便が、京都・大阪方面と名古屋方面から到着。大きな荷物を持ち帰省してきた人たちが、次々と改札を通り、迎えに来た家族の車に乗り込む姿などが見られた。Uターンのピークは1月3日(水)とみられる。
改札付近にはお見送り&お迎えコーナーを設置し、駅社員らからの温かなメッセージが利用客らを出迎えた。愛知県から妻と2人の子どもと帰省した角卓也さん(36)は「毎年盆と正月の2回は帰省しています。実家で過ごす予定です」と話していた。
和歌山県警が発表している1月の交通事故発生予報によると、当地方の厳重警戒日は1日(月・祝)、2日(火)、17日(水)、25日(木)、27日(土)、28日(日)。県内での年間の人身事故の件数と死者数は前年より減少したものの、高齢者が亡くなる事故が半数近くを占めている。
日本道路交通情報センターによると、1月4日(木)までの年末年始期間中は交通量が増加し、高速道路を中心に激しい渋滞の発生が予測される。
(2017年12月31日付紙面より)
社協が超小型EV導入 (太地町 )
太地町社会福祉協議会ではこのほど、1人乗りの電気自動車(EV)を1台導入した。ホームヘルパーや看護師、ケアマネジャーの訪問に27日から使用している。
同町は家が立て込んだ地区が多く、原付二輪車でなければ回れない家庭が多かった。そのため、雨や風の強い日には苦労していた。今回導入したのはトヨタのCOMS(コムス)という車種で、車両の全長が約2・4㍍、全幅が約1㍍と小さい。小回りが利き駐車しやすく、オプションパーツのキャンバスドアで雨の浸入も防げるようにした。
充電には家庭用の100㌾コンセントを使う。約6時間ほどで満充電となる。1回の充電での走行距離は時速30㌔で68㌔(国土交通省届出値)。最高で時速約60㌔まで出すことができる。後ろにはトランクボックスがあり、荷物を積むにも困らなくなった。
練習を兼ね、暖海地区まで乗ってみたという訪問看護師の竹原愛さんは「駐車するスペースを気にせず乗れるのがいいですね。太地町の細い路地にぴったりです」と感想を話した。
(2017年12月31日付紙面より)
那智勝浦町の下里神社
那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)で29日、元日の歳旦祭に向けて迎春準備があった。神社役員らがしめ縄の張り替えや門松の設置、のぼりの掲揚などをした。
しめ縄は10㍍のさらし3枚を使い、門松は神社の竹林から切り出した竹を使って、役員らが手作りしている。毎月2回、神社の清掃をしている下里江川親睦会が早朝から周辺を清掃し、奉納旗45本を境内に立てた。
1月1日(月・祝)は午前0時から初詣参拝者にぜんざいを振る舞い、午前9時から歳旦祭を営む。
山本宮司は「ぜんざいのお餅は、太田の農家の方が米を作り、杵(きね)でついたものです。とても良く伸びておいしいですよ。毎年あっという間になくなります」と話していた。
(2017年12月31日付紙面より)
新宮信用金庫理事長杯卓球大会
串本少年野球連盟所属の2チーム
御浜町「Atawa.R.G.C」
レスリング「NTS近畿ブロック合宿」
6日間の休業に入る
官公庁で28日、仕事納め式があった。各首長らが職員たちの一年の労をねぎらい、新年からのさらなる活躍に期待の言葉を掛けた。ほとんどの官公庁は来年1月3日(水)まで6日間の休業となっている。
新宮市役所で行われた式には屋敷満雄市議会議長、濵田雅美副議長をはじめ職員約60人が出席。田岡実千年市長はあいさつで、新庁舎完成や10月の台風災害、市長選を振り返った。「市政は市民のために」は職員一人一人がしっかりと業務を達成することで必ず実現するとし、「人は何のために生きていかれるのか」に対する哲学者の故・森信三さんの答えを紹介。「自分なりに解釈すると『人はどうすれば幸せに生きていかれるのか』で、答えは『自分の仕事を通して人や社会のために役立つこと』だと確信している。しっかりと仕事をし、生き生きと幸せに暮らせる好循環な社会を新宮市役所から発していきたい」と呼び掛けた。
小谷充総務部長が今年一年に実施した主な事業などを紹介。向井雅男副市長は閉式の辞を述べ、最後は一本締めでお開きとなった。
□ □
那智勝浦町では、役場2階の大会議室で仕事納め式が開かれた。
町歌斉唱後、町職員約80人を前に、寺本眞一町長が訓示した。職員にねぎらいの言葉を掛け、町長職2期8年間を振り返った。「いろいろな事業を駆け足で進めた中、可もなく不可もなくやってこられたのは皆さんのおかげだと思っている。今後も町を背負っていく立場として、他がより秀でて見えた時は本人が克服しなくてはならない。努力次第で職場も花開く。より信頼される役場になるように頑張って。退いた後は、町民として皆さんの活躍を期待しながら見守る」と話した。
植地篤延副町長は、閉庁中の諸注意として「年末年始は行事も多いかと思うが、気を緩めず町職員の職責をしっかり自覚して飲酒や事故のないように」と求めた。
(2017年12月30日付紙面より)
消防本部と消防団が年末警戒 (新宮市 )
市民たちが安心して新年を迎えることができるようにと新宮市消防本部(海野裕二消防長)と新宮市消防団(竹内由定団長)は28日から、年末警戒にあたっている。30日までの3日間、午後8時から午前0時まで市内を巡視する。
火を使用する機会の多いこの時季に毎年実施している。市消防本部は市全域、消防団は各分団の担当地区で巡視や防火広報に取り組んでいる。初日の28日には午後7時から市消防本部、同7時45分から熊野川消防出張所で出陣式があった。
市消防本部での出陣式には、旧市内七つの消防団から計50人が参加。整列した団員たちを前に田岡実千年市長は「火災の発生しやすい状況であると思うので3日間よろしくお願いします」と述べ、1年間の活動に感謝した。
屋敷満雄市議会議長が「警戒に当たっては体調管理に留意され、市民の皆さんが良き新年を迎えられるようよろしくお願いします」。濱口太史県議が「火事は気を付ければ防げる。新宮市民の安心安全のために、皆さんの活躍は必要なこと」。谷本克也新宮警察署長が「年末に火災が発生することのないよう、万が一発生した際は迅速、的確な対応で、警察と一緒になって活動していただきたい」と激励した。
式後、団員たちは消防車両に乗り込み、市長らに見送られる中、担当地域へ出発した。竹内団長は「各分団、地域の皆さまに防火意識を高めてもらいたい」と話していた。
(2017年12月30日付紙面より)
水族館Bゾーンで展示始まる (串本海中公園 )
串本町有田にある串本海中公園センター水族館(野村恵一館長)で28日、史上最大のウミガメ「アーケロン」の実物大彫刻模型の展示が始まった。新春から始まる企画展「アーケロン・プロジェクト」の象徴展示物で、野村館長は「予想以上の出来栄えで感激している。触れながら大きさを実感してほしい」と呼び掛けている。
「アーケロン」は今から約6000万年前、恐竜時代最終期(中生代白亜紀後期)に生息していた種。ウミガメ類の遠い祖先にあたり、すでに絶滅しているが化石の出土で存在が知られている。
野村館長(59)は一昨年の夏ごろ、企画展の構想を練る中で田辺市龍神村に工房を構えるチェーンソーアーティスト・城所ケイジさん(48)とのタイアップを着想。「やるからには大作を」と希望した城所さんに対し、野村館長が「ならばアーケロンだ」と答えたことでこの模型の製作が動き始めた。
城所さんは今回、自身で調達した大ぶりの紀州杉4本から削り出した各パーツを組み合わせ、全長3・7㍍、全幅4・6㍍、全高1㍍の巨体を復元。最大のパーツとなる甲羅には古座川町産の紀州杉などを用いた。今年9月25日から各パーツの荒削りを始め、本制作前に野村館長と共に名古屋港水族館にある国内最大の骨格レプリカ標本を観察し、既存のフィギア模型を肉付けの参考にして高めた生体のイメージを11月24日以降の本制作で投影した。「生きたアーケロンの姿を木で再現するために全力を尽くし、今の自分なりにいいものが作れたと感じている」と出来栄えを語る。
着想から2年余りの月日を経て形になった模型を見て野村館長は「過酷な恐竜時代を生き抜いたカメだと実感できる重要な展示物で、お客様にも必ず感動してもらえると思う。骨格やそのレプリカは世界中で展示されているが、実物大で生体を復元した模型は少なくとも日本ではここだけだと思う。カメ好きや恐竜好きの方はぜひ見てほしい」と話した。
母体となる企画展は来年1月1日(月)から2019年12月29日(日)まで、同館Bゾーンで開かれる。「アーケロン」の生態と共に遠い子孫の現在のウミガメ類もまた絶滅の危機にひんしている状況を伝える内容で、野村館長は同模型をシンボルにしてウミガメの展示、繁殖、保全に力を入れる水族館としていっそうの保全活動に取り組みたいと意気込んでいる。
同館は年中無休で、営業時間は午前9時~午後4時30分(夏季は午後5時まで)。入館料は大人1800円、子ども800円、幼児200円となっている。問い合わせは同公園センター(電話0735・62・1122)まで。
(2017年12月30日付紙面より)
市場展望スペースリニューアル (那智勝浦町 )
南紀くろしお商工会中部支部(山縣弘明支部長)は那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場2階の展望スペースを地域活性化に役立てようと、このほど展示をリニューアルした。新たな展示も増えたことから27日、記念式典を開いた。スペースの名称は公募により「マグロ資料館展望スペースTUNAGOOD(つなぐ)」に決まった。
同町と県、地元のボランティアグループ「よみがえれ脇仲倶楽部」が共同で踊り場だった空間を、平成25年に展示スペースとして利用を始めた。今回のリニューアルは、同商工会が「平成29年度地域・ひと・まちづくり補助事業」へ要望書を提出。「自然・歴史・文化等の地域固有の資源を活用した地域資源活用事業」として補助を受けた。
勝浦市場には、自然資源にやさしい「はえ縄漁」による生マグロが年間を通して水揚げされる。市場を埋めつくすマグロと競りの様子は観光客に人気が高い。展望スペースの窓からは、同第2売り場の様子が一望できるようになっている。
展示スペースには、従来あったはえ縄船の模型、勝浦港の歴史などを説明する写真に加え、3月に水揚げされた過去最大446㌔のクロマグロの「実物大の横断幕」や「勝浦市場のあゆみ」、「巻き網漁にはないはえ縄漁の魅力」、「南紀熊野ジオパークとマグロのつながり」などのパネルが追加された。
脇仲倶楽部の会長も務める山縣支部長は「今後も地域資源をつなぐ拠点づくりとして、私たち地元住民や商工会・観光協会・漁協ほかさまざまな関係団体と県・町との『つながり』のもと、継続的に利活用されることを願う」と話した。
(2017年12月29日付紙面より)
貴重な資料、有志らまとめる (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川の喫茶きよもんで昨年9月に開かれた「下里展~文化と自然の息づく町~」で紹介された資料が展示会を開いた有志らにより1冊の本にまとめられた。
下里地区は太田川河口を港にした貿易で古くから栄えた町で、佐藤春夫ゆかりの懸泉堂や国指定文化財の下里古墳などがある。地元の有志らが町の魅力を伝えようと展示会を企画。景勝地や史跡を撮影し、資料を集めて展示した。同時に会場で「がらくた市」を開き、傷みが進んでいた懸泉堂の雨漏りの修繕費に収益の全てを寄付した。
この時の展示が来場者に好評で、地域の文化財を残していくためにも資料として残せないかという声が上がり、本にまとめた。有志の一人で女性グループ「虹の会」で下里の魅力について講演した中村起士央さん(69)は「日々の生活の中で身近にあった地域の古き良き物が失われていくような思いがする。この本で下里の良さを再発見してほしい」と話した。製作に携わった有志の一人は「本に収録の『下里音頭』に『ほんまにえーのし、やのこいえーのし』という歌詞があるが、下里は本当にいいところです」と話した。下里展の本は同町湯川の喫茶きよもんに置いている。
(2017年12月29日付紙面より)
イルミネーションが闇を彩るイベント「キラフェス」が23日、紀宝町の田代公園・ふるさと資料館前であり、大勢の来場者が師走の夜に光に彩られたメルヘンの世界を楽しんだ。実行委員会(古屋敷良実行委員長)が主催した。
点灯は午後5時。赤や黄、白などさまざまな色が闇の迫った田代公園を彩った。ステージでは、バンド、フルート、ジャズオーケストラの演奏が繰り広げられ、会場の全員がクリスマスソングを歌う企画もあって盛り上がった。小学生以下の子どもにはサンタからのプレゼントもあり、締めくくりのくじ引きやお菓子まきも人気を集め、最後までにぎわった。鵜殿青年会、協力団体のトナ会、同町商工会青年部の出店も並び、うどんや豚汁、温かい飲み物などで来場者の冷えた体を癒した。ステージトップに登場したロックバンド「774←」でベース担当の山下義光さん(51)=那智勝浦町天満=は「楽しく、気持ちよかった」と演奏を振り返った。15年ほど前にもこのステージに立ったそうで「当時の方がにぎやかだったかな」の感想も述べた。
町内の小学生対象に募集したイルミネーションデザインコンテストの表彰式もあった。今年は135作品の応募があり、金賞には小学生低学年部門が大植心晴さん(成川小3年)の「かめサンタ」、同高学年部門では奥のぞみさん(相野谷小4年)の「ゆけっ!!しらす号」が選ばれた。大植さんは「テーマはすぐに決まった。うれしい」、昨年に続いて金賞の奥さんも「うれしい。しらす号を見てほしい」と喜んだ。特別賞には松本遥真君(相野谷小2年)、榎本柊也君(鵜殿小3年)、石垣里奈さん(鵜殿小3年)、仮屋翔馬君(相野谷小4年)、松下姫衣美さん(鵜殿小5年)、莊司大喜君(鵜殿小6年)の作品が選ばれ、古屋敷委員長から全員に表彰状と賞品が贈られた。
イルミは来年1月5日(金)までの午後6時から10時まで点灯する。31日(日)と元旦(月・祝)はオールナイト。古屋敷実行委員長は「地元の有志が集まってもう20年。われわれも高齢化が進んだ」と述べ、運営に若いボランティアの参加を募り、西田健町長は多くの支援に感謝した。
(2017年12月29日付紙面より)
蓬莱の畑地製菓舗で (新宮市 )
新宮市蓬莱の畑地製菓舗(畑地泰明店主)は正月用の鏡餅作りを始めた。店員、アルバイトを増員して15人ほどが朝からつきたての餅を丸めて店頭に並べている。
作業は31日(日)の午前中まで行い、130㌘~1・5㌔の8種類の鏡餅を計約2㌧分作る。鏡餅の他、ヨモギ、キビなどの棒餅やトチの実を使った餅など多様な種類を用意している。
畑地さんは「鏡餅は固めにしないと形が崩れてしまう。きねでつくのと同じように作ることで、粘り、コシが強く、つやもいい餅ができます。今年は寒くてありがたい」と話していた。
鏡餅は丸く平たい形をした正月用のお供え餅。元来、年神様へのお供えとした餅のことで、その形は「三種の神器」の鏡、玉、剣を表しているといわれる。地方によって異なるが一般的に1月11日が鏡開き。刃物を使わず木づちなどでたたいて割って食べる。
正月に餅を食べる習慣は平安時代、宮中で健康と長寿を祈願して行われた行事「歯固めの儀」に由来する。
(2017年12月29日付紙面より)
那智の滝で迎春準備 (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山の世界遺産・那智の滝で27日、大しめ縄の張り替えがあった。日本一の落差133㍍の滝口で、神職たちが足を滑らさないよう慎重に新しいしめ縄に取り換えた。
那智の滝は熊野那智大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は7月14日の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」の前と年末の毎年2回行われている。
しめ縄はサラシ製で、長さ26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行った後、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職5人が参道約2㌔を約30分かけて運んだ。
那智の滝は大みそかから元旦にかけて青岸渡寺の三重塔とともにライトアップされる。
(2017年12月28日付紙面より)
再来年夏の稼働を目指す (新宮市 )
フォレストエナジー株式会社(本社・東京都品川区、沼真吾社長)は26日、新宮市佐野3丁目で木質バイオマス発電事業を計画していると発表した。来年の春に着工、再来年夏の商業運転開始を目指している。計画通り進めば和歌山県内で最初に稼働するバイオマス発電事業所になる。
同社によると、発電所を設置するのは民間の土地で広さは約8500平方㍍。近隣地域の木材を使った木質チップを年間約2万㌧使用し、約1800㌔㍗の電気(約3900世帯分)と約2800㌔㍗の熱を供給する。熱の一部は乾燥機の熱源として使用し、伐採したばかりの木材を燃料として使うことができる。残りの熱の活用は今後協議していく。
同社は「燃料供給元で乾燥工程を負担することなく、間伐材・低質材の流通量が増えるため、地域の素材生産会社と林業者を通じて森林整備を促進するとともに、地域経済の活性化に役立つものと考えております」と話している。
同社は2015年4月10日の設立。未利用になっている木質資源を地産地消して電気や熱などのクリーンエネルギーを作る施設を開発、運営している。秋田県秋田市、宮崎県川南町ですでに木質バイオマス発電所を稼働している。佐野で事業を始めるため新たに新宮フォレストエナジー合同会社を設立した。
佐野の新宮港第2期工業用地でも株式会社エフオンが木質バイオマス発電所の建設を計画していて、2021(平成33)年中の稼働運転を目指している。敷地面積は約5万3000平方㍍。年間発電量は1万8000㌔㍗(3万世帯分)。近隣県から調達した木質チップを年間約18万㌧使用する予定。
(2017年12月28日付紙面より)
文化セで第13回町民音楽祭 (串本町 )
串本町文化センターで24日、「第13回町民音楽祭」が開かれた。大規模改修に伴い、例年より約3カ月前倒ししての実施。ジャンル多彩な15組が日頃の取り組みの成果を披露し、約300人(主催者発表)が鑑賞した。
このイベントは同町、同町教育委員会、串本音楽協会主催。1971(昭和46)年に旧串本町で始まり現串本町にも受け継がれている文化行事で、通算すると47回目の実施になる。
開会にあたり同協会の西野政和会長は「50年近く続く音楽祭は県内外を見てもほとんど例がなく、大いに自慢できるわが町の文化力だ」と誇り、会場変遷の経緯を来場者に紹介。例年より数は少ないが、新規出演もあるとして最後まで清聴してほしいとあいさつした。
音楽に関係があれば幅広く出演を受け入れるのが同町の音楽祭の特色。今回もコーラスや器楽はもちろん、琴・三味線・尺八・和太鼓といった和楽器、フラダンスや日本舞踊、詩吟詩舞や歌唱など多彩な演目が披露され、観客の喝采を浴びた。
新規参加の「こーらす“わ”」は和深を拠点にしたグループで、小道具で情感を演出しながら3曲を発表。終盤に出演した女声グループ「串本コーロびおれった」は前倒しのタイミングがクリスマスイブにあたったことにちなみサンタクロースの色彩や衣装で出演。混声グループ「串本うしおコーラスグループ」は団歌や演歌を披露後、「きよしこの夜」の斉唱を観客に呼び掛け、音楽で一体になるひとときで会を締めくくった。
(2017年12月28日付紙面より)
寿楽荘で萱野賛曈さんが指導 (新宮市 )
新宮市木ノ川の市立養護老人ホーム寿楽荘(田中道男荘長、入荘者30人)で26日、今年最後の生け花があった。希望者21人が安達流師匠の萱野賛曈さんに指導を受け、正月らしい花を生けた。
生け花は毎月1回、40年近く続く取り組み。この日は▽エダワカマツ▽シンビジウム▽ハボタン▽コギク▽ズバイ―を竹の筒に生けていった。
萱野さんは「お花を触っているだけで楽しいですからね」「力を入れて挿したり切ったりすることは筋力を補うためにもいい」「『年だから』と言わずに頑張ってほしい」などと呼び掛けながら教えた。出来上がると一人一人の作品を見て回り「上等です」「きれいに入りましたね」と笑顔で呼び掛けた。施設の玄関にもボランティアで花を生けた。
「正月やねえ」「昔母さんの手伝いをしていたことを思い出す」と話す利用者もおり、103歳の人も取り組んでいる。田中荘長は「皆さん毎月楽しみにしています。良い雰囲気で関わっていただき、うれしい。このような取り組みで変化を受けることはありがたく、いろいろな話もしていただける」と感謝した。
萱野さんは「お花に触れるだけでも利用者さんの顔がほころぶ。その様子がうれしく、私にとっても生きがいです」と話していた。
(2017年12月28日付紙面より)
新宮弓友会主催の納射会
新宮市スポーツ祭典バドミントン大会
女子ソフトボール部4チーム
佐野区住民説明会に80人 (新宮市 )
今年10月の台風21号で荒木川の氾濫などによる浸水被害が発生したことを受け、新宮市の佐野会館で24日、地区住民説明会が開催された。地区住民ら約80人や区の代議員らが参加し、市や和歌山県の担当者らから水害が発生した原因と今後の対策などを聞いた。
地区では以前からたびたび被害が発生しており、地区住民が今年11月に市と県に説明会の開催を求める要望書を提出していた。この日は東牟婁振興局新宮建設部の担当者が荒木川の氾濫と水害の原因、佐野川、荒木川の河川改良計画と取り組みを説明。
「佐野川本線の改修工事と並行して荒木川の未改修部分も改修工事を行っていきたい。当面の措置として市梨橋付近の越水箇所は来年度早々に護岸の上に擁壁を造る工事を進めたい」と話した。
那智勝浦新宮道路からの濁水流入について、紀南河川国道事務所新宮国道維持出張所は、道路上の排水は調整池に流れ込んだとし、道路上から佐野地区に流れ込んでいたという証言に対しては農業用水路の詰まりなどを原因に挙げた。止水壁を設置することで農業用水の道路への流出を阻止して調整池に流れるようにしたいと話した。
市都市建設課は、低い箇所を埋め立てて宅地の造成をしている傾向があり、今後農地の関係も含めて流入水の関係を見ながら検証する必要性があると解説した。
農林水産課は農地の住宅化が進んでおり、浸水対策ができるような用水路を考え、農家の人たちと相談していきたいと説明。佐野地域の田んぼは浸水対策のための遊水地としての機能があったと説明し、「住宅化が進み、農地がなくなると今までたまっていた水が、皆さんが住んでいる宅地に流れることも予想される。農地などを住宅転用する場合は排水路の計画もしっかりして農業委員会と相談し、遊水機能を持っている田んぼを宅地化することが現状でいいのかとも投げ掛けている」と話した。
前田道春区長は「何かあれば区から改善を申し上げ、少しでも安心できるよう努力したい」と呼び掛けた。
(2017年12月27日付紙面より)
新宮市観光協会(丹羽生会長)、新宮市料理飲食業組合(平見一雄会長)、新宮調理師会(里中陽互会長)、南紀ホテル組合(田邉毅一会長)の4団体が25日、田岡実千年市長に文化複合施設建設のため解体した市民会館の跡地(約2600平方㍍)を工事着工まで観光客用の臨時駐車場として活用してほしいと要望した。田岡市長は「前向きに進めたい」と回答した。
丹羽会長は、市内への観光客は増えているが、中心市街地に大型バスなどを駐車する場所がなく、苦労していると説明。同地は熊野速玉大社、神倉神社、阿須賀神社、新宮城跡、商店街などを巡る「まちなか観光」を促進する上でも適していると述べ、「ぜひとも願いをかなえていただきたい」と訴えた。
文化複合施設の文化ホールと図書館の配置はまだ決まっておらず、市民会館跡地の活用方法は未定。同施設は2021年3月完成、6月ごろ開館の予定。
要望活動には丹羽会長、平見会長、里中会長、長谷徳蔵・南紀ホテル組合会長代理、森本祐司・市観光協会専務理事の5人が参加した。
(2017年12月27日付紙面より)
有田神社で絵馬掛け替え (串本町 )
串本町有田にある有田神社(深美芳治宮司)のえと絵馬が24日、来年のえと「戌(いぬ)」に掛け替えられた。
このえと絵馬は氏子により18年来奉納されていて、現在は2代目の長谷川章総代(43)が毎年1枚を仕立てている。
大きさは縦約90㌢、横約130㌢。金色の小づちを加えた犬が跳ねる様子が描かれていて、長谷川総代は「この柴犬のように跳ね上がるような新年を迎えてほしい。小づちは幸福や富が舞い込むようにと願って描いた」と絵柄に込めた思いを語る。
来年のえと絵馬が今年も総代の奉仕により掲げられ、深美宮司は「犬はおとなしく従順でありながら、時として敵に立ち向かう勇敢さも併せ持つ。先人はその姿を良として十二支に加えたと思う。来る新年は天災や人災のない穏やかな年であってほしい」と願った。
同神社は年の瀬と三が日に授与所を開いて初詣の参拝を受け入れる。元日(月・祝)午前9時から歳旦祭、3日(水)午前8時30分からお的祭を新春祭礼として営む計画で、射子は寒川広夢君(高校3年生)と長谷川莉杏さん(中学3年生)、水本小夏さん(同)の3人が務める。
(2017年12月27日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社で26日、恒例の九鬼家隆宮司による一文字揮毫(きごう)があった。大筆で力強く「叶」と書いた九鬼宮司は「来年は多くの人の願いや夢が叶(かな)う年になってほしいという強い思いを込めて書きました」と話した。
新年への願いを込め九鬼宮司が書き始め9年目。大社本殿前に敷かれた縦横2・9㍍の白い布に長さ1・3㍍の大筆で一気に書き上げると、見守った外国人ら大勢の参拝者たちから拍手が湧き起こった。年内中には社務所前に掲げる。
最後に朱印を押して書を仕上げた九鬼宮司は「『叶』という字は口に十と書き、十の下に一を加えると『吐』という字になります。願いを10回言葉にして、弱音を吐かず来年のえと『戌(いぬ)』のようにしっかりと前を向いて走り抜けていってもらいたい」と話した。
■元旦に「光の柱」
同社は来年元旦午前0時から、例年の大鳥居ライトアップとは別に御創建2050年の年明けを記念して「光の柱」を空へ向かって上げる。宮司の太鼓に合わせてホラ貝を鳴らした後、約2時間、出現する。
(2017年12月27日付紙面より)
トルベリーノカップU―9大会
森崇さん大差で初当選 (那智勝浦町長選 )
任期満了(2018年1月16日)に伴う那智勝浦町長選が24日投開票され、新人で前町教育長の森崇さん(67)=無所属=が現職の寺本眞一さん(64)=無所属=を破り、初当選した。森さんは5997票を獲得し、寺本さんの3240票に2757票差をつけての勝利だった。森さんは祝福に駆け付けた大勢の支持者たちを前に感謝を述べ、「これからが本番。那智勝浦町を良くするため頑張っていきたい」と意気込みを語った。
前町教育長と現職の一騎打ちとなった選挙戦は役場改革や町財政、観光の活性化などを争点に激しい選挙戦を展開してきた。
開票所の同町体育文化会館では同日午後8時から作業が始まった。日暮れから荒れ模様の天気が続く中、森陣営の事務所には結果を待つ多くの支持者が集まった。午後9時5分に確定した得票数が発表され、拍手と歓声が沸き起こった。
森さんは集まった支持者を前に「皆さん、圧勝です。ありがとうございました。おかげさまで町民の皆さんの理解を得まして、このようにたくさんの票をいただきました」と感謝を伝えた。「今の町政が、パイプが詰まっている、交通渋滞を起こしているということで立候補しました。よそ者であるとの攻撃も受けましたが、那智勝浦町を元気に明るくできる人はどっちなんだということを訴えてきました」と選挙戦を振り返り、「当選したこと、本当にうれしいです。しかしここからが本番。ちょっとやそっとで解決できない難問もたくさんあります。大いに考え、大いに話し合い、大いに行動する。那智勝浦町を良くするために頑張っていきたいと思います」と決意を述べた。
笠松昭紀後援会長は「心からお礼申し上げます。明るい、風通しのいい、活気のある那智勝浦町が出来上がると思います。本当にありがとうございました」とあいさつした。
湊谷幸三選対本部長は「皆さん方のおかげで大方6000票いただきました。森さんがお伝えしてきたことが町民の皆さんの心に響いたことと思います。これから町長として手腕を発揮していく森さんに、温かいご支援をお願いします」と話した。
妻の芳子さん(66)は何度も頭を下げ、森さんとともに花束贈呈を受けた。神奈川県横浜市から駆け付けた長女の中村はるかさん(36)、孫の知樹君(5)、峻君(3)が手渡した。芳子さんは「うれしいです。皆さんにご尽力いただいて。事務所の中に居て、一緒に働けることが幸せでした」と喜びを語った。
(2017年12月26日付紙面より)
小口おもしろプレイランド (新宮市 )
小口文化振興会議は23日、新宮市熊野川町上長井の小口自然の家広場で「第27回小口おもしろプレイランド」を開催した。イルミネーションで飾った高さ約50㍍の巨大ツリーの下、歌や踊りで盛り上がった。
小口地域を活性化しようと地元住民たちが手作りで毎年開催しているイベント。特設ステージでは熊野川小学校音楽隊や地元のダンスチームがにぎやかにパフォーマンスを披露。特別ゲスト・ウインズ平阪さんのライブの後、サンタクロースが登場し子どもたちにプレゼントを配った。
会場ではシシ鍋、アユの塩焼き、クレープなどの出店もあり、行列になっていた。約2万球の電飾を取り付けている巨大ツリーは来年1月15日(月)まで点灯させる。時間は午後5時から9時まで。
(2017年12月26日付紙面より)
新宮紀宝道路起工式に300人
一般国道42号新宮紀宝道路起工式が23日、新宮市王子町の市立総合体育館であった。和歌山、三重両県の首長や議員ら約300人が出席し、鍬(くわ)入れ式や万歳三唱で道路の一日も早い完成を祈った。
新宮紀宝道路は新宮市あけぼの―紀宝町神内間の熊野川河口大橋を含む2・4㌔の自動車専用道路。2013年度に事業化、15年度に事業着手。防災、医療、地域活性化などの面での活躍が期待されている。国交省はあけぼのに設置する「新宮北インター(仮称)」の工事に来月から着手する予定。用地買収率は17%で、完成時期は未定となっている。事業費は約210億円。
式典で国交省の石川雄一道路局長は「皆さま方の協力をいただき地域の期待に応えられるよう、道路の早期完成を目指して事業を推進していきます」と式辞。仁坂吉伸和歌山県知事は「この道路がいつ完成するかによって、この地域の発展に著しく影響が出てくると思います」。鈴木英敬三重県知事は「三重県側でも工事着手してもらえるよう地元の皆さんと一緒にしっかり頑張ってまいりたい」とあいさつした。
来賓の二階俊博自民党幹事長は「ようやくここまできました。あとはみんなで早期完成に向け頑張っていこうではありませんか」。足立敏之参議院議員は「まだまだスタートライン。これから皆さんと力を結集して一歩一歩着実に工事を進めていく必要があります」と祝辞を述べた。
田岡実千年市長は「一日も早い完成に向け、新宮市、紀宝町一体となって頑張ってまいりたい」。西田健紀宝町長は「この道路はまさに命の道。100年に一度の大事業」と協力を呼び掛けた。
式典は国土交通省近畿地方整備局、和歌山県、三重県、新宮市、紀宝町が主催した。式典前には熊野水軍太鼓と鯨踊りが披露された。地元のゆるキャラたちが登場したほか、式典後には餅まきもあった。
(2017年12月26日付紙面より)
第31回中学校体力づくりコン
第31回中学校体力づくりコンテストの受賞校がこのほど発表され、串本町立串本中学校(岡田正伸校長、生徒149人)と古座川町立明神中学校(中島良範校長、生徒14人)の取り組みが努力賞に選ばれた。
このコンテストは毎日新聞社が主催、文部科学省が後援する全国規模の奨励企画。同省が実施する新・体力テスト(体力・運動能力調査)の成果向上の一助として実施していて、今回は全国約1万1000校のうち4166校が応募した。
主催者は各校の実践報告を審査し、文部科学大臣表彰をはじめとする各上位賞7校、優秀賞9校、優良賞27校、次いで努力賞は133校を選出。県内からは田辺市立上秋津中学校を含めた3校が努力賞に選ばれた。
串本中の取り組みは特殊で、生徒自身のモチベーションの高さを長所としてとらえ何事にも一生懸命に取り組む雰囲気を教職員が一致団結して支持している。その一端で体力づくりの要であるクラブ活動が活発化し、その勢いは2大行事の体育祭や合唱コンクールに対する姿勢にも大きく発揮されているところだ。
「体育と文化の違いはあるが、根っこの部分は一緒。現実本校のクラブ活動は厳しい面もあるが、生徒も全体として手を抜きたくないという思いが強いことでうまく回っている」と岡田校長は当代生徒を分析。当然生徒の間には温度差があり、全体が高まればついていくのが大変になる生徒も出てくる。ここを教職員がフォローし仲間の雰囲気が引っ張り上げる、という好循環が大きな力になっているという。
受賞報告は22日の終業式内であり、岡田校長は教職員の中でも特に生徒のムードメーカー的存在になっている熊代多賀志教諭に表彰状を伝達し「皆さんがコツコツと積み重ねている一生懸命がこうして評価された」と伝えて日頃の努力をたたえた。
明神中の体力づくりの取り組みは平成25年度から始まった。発起人は当時明神中の校長を務めていた岡田校長。生徒の新・体力テストの成績を高めようと考えて教職員の共通理解を図り、活動を立ち上げた。
生徒は定期テスト前を除く毎日(月~金曜日)のクラブ活動前に20分、ランニングやサーキットトレーニング、ストレッチ運動や筋力トレーニング、体づくり運動などを実践。現在の中島校長も取り組みを継承し、5年来の取り組みとして歴代生徒に受け継がれている。
メニューの一端にはヒップホップ系のダンスもあり、過日明神小と合同で開いた学習発表会の終盤で披露し当代生徒のエネルギッシュな姿を地域に示したところでもある。
受賞報告は22日の終業式の中であり、中島校長は生徒会の栗林享志会長(2年)に表彰状を伝達して5年目の初評価を喜んだ。栗林会長は「日頃の行いは評価されるんだなと思い、うれしかったし励みにもなった。今後も体力づくりに頑張りたいし、生徒会長なのでそのような思いでみんなを引っ張っていきたい」と話した。
(2017年12月26日付紙面より)
第12回和歌山県中学校空手道新人大会
那智勝浦町長選
12月24日20時55分確定
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
---|---|---|---|---|---|
当 | 5,997 | 森 崇 | 67 | 無 | 新 |
3,240 | 寺本 眞一 | 64 | 無 | 現 |
当日有権者数 13,519人
投票者数 9,328人
無効投票数 91票
投票率 69.00%
熊野三山で「天長祭」
「天皇誕生日」の23日、熊野三山で天皇陛下84歳のご誕生日を祝うとともに皇室の繁栄などを祈願する「天長祭」が営まれた。
新宮市の熊野速玉大社では、上野顯宮司が祝詞を読み上げた後、みこたちが優雅に神楽「浦安の舞」を奉納。大社崇敬会の杉本義和会長、濱口太史県議ら参列者たちが玉串を供えた。
神事後、上野宮司があいさつし、天皇陛下が皇太子時代に神倉神社を参拝したことや、先日、プライベートで秋篠宮ご家族が大社を参拝したことを紹介。天皇陛下が2019年4月末に退位されることにも触れ「今日の晴れ晴れとした天気と同じように天皇さまにはいつまでも元気であってもらいたい。日本人がもっとしっかりとした国づくりをしなければならない」と述べた。
(2017年12月24日付紙面より)
熊野本宮館でパネル展
田辺市本宮町の世界遺産熊野本宮館で23日から、熊野本宮大社御創建二千五十年奉祝記念のパネル展「絵葉書から紐解く熊野本宮」が始まっている。期間は来年1月8日(月・祝)まで。開場時間は午前9時から午後5時まで。入場無料。
熊野地方の古絵葉書や古写真を収集している熊野学研究員会委員の中瀬古友夫さん(新宮市)が協力したパネル展。明治から昭和初期にかけての熊野本宮大社や湯の峰温泉、川湯温泉のほか、新宮市の川原町、瀞峡、プロペラ船、御燈祭りなどの写真、絵葉書など約150点展示している。
中瀬古さんは1月8日午後1時から2時30分まで、同館で絵葉書などの解説を交えながら講演する予定。入場無料。事前予約不要。
(2017年12月24日付紙面より)
絵本の会「よむよむ」が講演 (那智勝浦町 )
那智勝浦町教育委員会生涯学習課は17日、同町教育センターで「子どもの読書活動リレーフォーラムinなちかつうら」第3回フォーラムを開催した。同町の絵本の会「よむよむ」(会員5人)の中村起代子さん、伊藤松枝さん、田村照子さんが参加した。約20人の子育てに関わる父兄らが集まり、交流を深めた。
「よむよむ」は、旧勝浦幼稚園の保護者でつくる「まなぶんこ」が母体となり、平成9年に町立図書館を活動拠点に誕生。園児たちへの読み聞かせでスタートし、小学校での活動へ幅を広げたという。現在は町内六つの小学校のうち、5校で活動している。昨年度は、子どもの読書を推進する活動が顕著な学校や図書館、読み聞かせ団体などに贈られる文部科学大臣表彰を受けた。
講演では伊藤さんが、20年にわたるボランティア活動を振り返り、読み聞かせから得た気付きやこれからの願いを話した。伊藤さんはある講習会をきっかけに、市町村自治体の取り組み「ブックスタート」に力を入れている。0歳児検診に、赤ちゃんと保護者が絵本を介して触れ合うきっかけづくりを推進するもの。生まれてから話し始めるまでの「言葉の胎生期」における人との関わりや母親との意思の疎通が言葉の土台作りや人格形成に影響するという。
講演後のミニミニおはなし会で、活動の様子を絵本の読み聞かせや和歌山の昔話の紙芝居などで実演した。中村さんは、町内の高齢者による子どもたちへの読み聞かせも広げていきたいと話し、「昔話を子どもたちに聞かせるのは重要だと思います。町内に伝わる昔話はたくさんあります。ぜひお手伝いを」と呼び掛けた。
次回は来年1月14日(日)午前10時~正午。町体育文化会館で「本の読み聞かせの実際(技術講座)」を開く。講師は山田てるみさん。問い合わせは同町教育委員会生涯学習課(電話0735・52・4686)まで。
(2017年12月24日付紙面より)
キナンサイクリングチーム (最大目標をツール・ド・熊野個人総合に )
議会提案が賛成多数で可決 (新宮市 )
新宮市議会(屋敷満雄議長、16人)の12月定例会で21日、議会発案の大石誠之助を名誉市民に推挙する議案が11対4の賛成多数で可決した。田岡実千年市長は「議会の議決を重く受け止め、遺族に報告した後、最終判断します」とコメントした。
名誉市民は社会福祉の増進、産業文化の進展などに貢献し、その功績が顕著であった新宮市民や縁故者に贈っている称号。1960(昭和35)年の佐藤春夫が初めての名誉市民で、これまで東くめ、木村藤吉、杉本喜代松、世耕弘一、村井正誠、山本秋広、西村伊作、畑中武夫、中上健次の10人に贈っている。
名誉市民はこれまで市長が議会に提案し、議決を経て決定していたが、今議会初日に可決した条例改正で、2人以上の議員で候補者を上程し、可決すれば市長に推挙できるようになった。最終決定するのは市長となっている。
新宮出身の医師、大石誠之助(1867~1911)は明治天皇暗殺を企てたとして1911(明治44)年、12人が死刑、12人が恩赦で無期懲役となった「大逆事件」で、「嘘(うそ)から出た真(まこと)」の言葉を残して絞首刑となった人物。
事件は後の研究で大逆罪に名を借りた社会主義者、無政府主義者への弾圧で、国家によるフレームアップ(でっちあげ)であったことが明らかになっていて、市議会は2001(平成13)年9月に誠之助を含む熊野地方の犠牲者6人の名誉回復宣言を全会一致で採択している。
提案者の上田勝之議員は、誠之助は貧者からは薬代を取らず、遊郭設置や戦争に反対するなど民主主義、人道主義、人権意識の先覚者で、名誉市民の春夫や伊作など後世の新宮人に多大な影響を与えたと説明。「今、この時代に名誉市民に推挙する意味がある」などと訴えた。
(2017年12月23日付紙面より)
生産者らが品質チェック (那智勝浦町 )
那智勝浦町と新宮市の農家でつくる「くろしお苺生産販売組合」(杉浦仁組合長)は20日、同町南大居のJAみくまの太田営農センターでイチゴ「まりひめ」の目慣らし会を実施した。
目慣らし会は、「まりひめ」の出荷規格を統一するため、毎年イチゴのシーズンに開かれている。この日は、イチゴ生産農家(9軒)とみくまの農業協同組合の職員らが集まり、大きさや形などを見て等級などを確認した。
杉浦組合長は「台風で生育に影響が出て、昨年より出だしが遅れたが、摘果も良く効き品質には自信がある。年始から順調に出荷できると思う」と話した。
「まりひめ」は、完熟で摘んでいるため、強い甘さが特徴。足が早く、地域でしか販売されないため、公設市場を通して近隣のスーパーや八百屋で販売されている。イチゴの収穫および出荷は、12月から5月終盤まで。昨年度は収穫期間中、まりひめだけで約1万5600ケースを出荷した。
(2017年12月23日付紙面より)
大会出場の2人を壮行 (潮岬中 )
串本町立潮岬中学校(藤本弘子校長、生徒52人)が21日の全校集会で、国際大会に出場する武田日向君(3年)と全国大会に出場する潮﨑梨緒さん(3年)の活躍を期待して壮行した。
武田君は夏の倉敷国際少年野球大会以降、和歌山野球振興協会(夢クラブ)の代表選抜を受け、台湾で開かれる2017台北市国際青少年野球大会に出場することになった。大会日は22日~27日(雨天予備日28日)の6日間で、初日は開会式、23~25日が予選リーグ、26~27日が決勝トーナメントと閉会式。武田君は日本和歌山チームの一員として、32チーム中の上位進出を目指す。
潮﨑梨緒さんは昨夏、JOCジュニアオリンピック第31回全国都道府県対抗中学バレーボール大会の和歌山県チーム選抜を受け、9月以降は週末ごとに合同練習に打ち込んできた。大会日は25日~28日の4日間で、初日は開会式、2日目は予選リーグ、27~28日は上位32チームによる決勝トーナメント。女子の会場は準々決勝までエディオンアリーナ大阪、準決勝以上は大阪市中央体育館となっている。
2人はユニフォーム姿で全校生徒教職員にあいさつし、武田君は「選ばれなかった人の分まで頑張り、結果を残してこれからの自信につなげていきたい」。潮﨑さんは「自分の好きなバレーボールを指導してくれた先生や周りの方々、そして家族に感謝して、県代表として頑張る」と述べ、挑戦中の応援を求めた。
藤本校長は「2人とも小学校の頃から競技を始めた。時には苦しい時もあっただろうが、それを乗り越えて『楽しい』と言える今がある。すごいなと思うし、これからも頑張ってほしい。別々に競技から何を学んだかを質問したら、くしくも同じ答えが返ってきた。『人とのつながりの大切さを学んだ』という。そのような2人なので、大きな舞台でも臆することなく堂々と楽しんでプレーしてくれると思うので大いに期待したい」。生徒会の古久保颯太会長(2年)は「健康に注意して、当日は全力を発揮してほしい」と激励し、一同拍手で健闘を期待した。
(2017年12月23日付紙面より)
新宮GG同好会「年忘れ12月大会」
和道流新宮支部が2大会で活躍
代表チームを田岡市長激励 (県市町村対抗ジュニア駅伝 )
第17回和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝競争大会(来年2月18日、午前11時紀三井寺公園陸上競技場スタート、県庁前ゴール)に出場する新宮市チームが練習する同市民運動競技場を19日、田岡実千年市長が訪問し選手らを励ました。
田岡市長は「本番まで約2カ月となり、練習もこれから本格的になっていくと思います。今年のチームは、昨年より上位に進出することが期待できると聞いています。各学校から優秀で選抜された皆さんが、新宮市の代表として駅伝で頑張っていただくことを、心から期待しています」と激励。
「自分が持っている力を出し、一生懸命走って練習することが、皆さんのこれからに対する貴重な2カ月になると思います。一生懸命頑張っていただくことによって、素晴らしい体験に心からなると私は思っていますので、頑張ってください」と呼び掛けた。
中上連主将は「私たちは日々努力して練習に励んでいる最中です。今年は去年よりも上位を目指して頑張っていきたいと思うので、応援よろしくお願いします」と応えた。
同市チームは今後、定期練習の他に同市駅伝、新宮マラソンなどへの参加などを経て、本番に向かう予定となっている。
(2017年12月22日付紙面より)
田中章二さん高校生に向け講演 (新宮市 )
新宮市の新宮商工会議所で16日、和歌山県体操協会理事長の田中章二さんの講演会が開かれた。県教育委員会が各地で催している「高校生のための和歌山未来塾」の本年度第4回で、串本町から新宮市までの高校生や教員など約300人が集まった。
田中さんはロンドンオリンピック日本代表の田中和仁さん・理恵さん・佑典さんの父親で、和歌山北高校、県教委などに勤務した。同校では体操部の監督として30年間指導にあたり、現在は和歌山オレンジ体操クラブのコーチを務めている。「『意思をもって道を作る』~夢を諦めない~」の演題で講演した。
田中さんは「高校生の仕事とは何でしょう」と問い掛け、▽勉強▽遊び▽社会性を学ぶ―の三つを挙げた。「スポーツは遊びで、真剣になれば楽しくなる。好きになることで夢が生まれる」と話し、夢を具体的な目標に変え、実現のための計画を立てることの大切さを語った。「アスリートになるとは自分を育てること。誰でもやれる」、「自信は練習や結果ではなく、心でつくる。『こうすれば自分は絶対にできる』と分かっていることが自信」などと語り、意思の力の重要性を呼び掛けた。指導者として、選手や生徒に行ってきた声掛けや、指導のポイントなども紹介した。
講演後には高校生からの質問の時間が設けられた。8人が「どうしたら大事な場面で全力を出せますか」「優れたアスリートに共通することは」などの質問をし、田中さんは熱心に回答した。
講演の前後には和歌山県教育長の宮下和己さんがあいさつした。「未来塾には一人一人の未来と、和歌山県や日本の未来という意味があります。今日学んだことを仲間にも伝えて、将来について考えるきっかけにしてください」と話した。
(2017年12月22日付紙面より)
文化セと体育館で避難訓練 (串本町 )
串本町立体育館と同町文化センターで18日に避難訓練があり、職員や利用者が屋外避難やその誘導などを実践して日頃の防災意識を高めた。
年次実施している火災想定の訓練で、例年2月に取り組んでいるが、本年度は同センターの大規模改修期間中に当たるため時期を早めて計画した。
当日は職員や利用頻度の高い利用者21人が同訓練に参加。両施設とも日頃の利用状態を再現したところから訓練を始め、「火事だ!」の叫び声などで全館周知を図り、職員は誘導と初期消火(文化センターのみ)の2手に分かれて迅速な対応に努めた。
両施設とも消防本部が訓練指導を行い、同体育館では利用者も火災報知機や屋内消火栓の使用手順を確認。同センターでは避難訓練後、職員が火災報知機や屋内消火栓、利用者が消火器の使用手順を練習した。
同訓練を経て岡貞次予防課長は「もしもの時に自分は何をするかを月1回でもいいので考えてほしい。一人が分かれば指示を出して体制を作れるが、誰もしないと皆が逃げる事を考え対応が難しくなる」と講評を寄せて防災意識を促した。
(2017年12月22日付紙面より)
大みそかに向け試験点灯
那智勝浦町那智山で19日、熊野那智大社(男成洋三宮司)のご神体である那智の滝と、那智山青岸渡寺(高木亮享住職)の三重塔がライトアップされた。大みそかに向けた試験点灯で、師走の那智山に神秘的な風景が浮かび上がった。
1987年のNHK「ゆく年くる年」の企画で滝に照明をあて実況中継をし、全国に感銘を与えたのがきっかけ。1989年から実施されている。大みそかの夜から元旦にかけてライトアップされ、初詣客を迎える。
日没を迎えた午後5時ごろから点灯した。ライトに照らされた荘厳な三重塔の奥に、暗くなるにつれて青白い滝の姿が浮かび上がった。
(2017年12月21日付紙面より)
王子地区でクリスマス会 (新宮市 )
新宮市の王子地区福祉委員会(古川美穂委員長)は19日、同市の王子会館で「ゆる体操&おしゃべりタイム」を開いた。この日はクリスマス会で、折り紙をしたりケーキを味わうなどして楽しいひとときを過ごした。
古川委員長が、地域住民の引きこもり防止のため提案し、ゆる体操は7年目を迎える。今年9月からは回数を月2回に増やし、毎月第1火曜日はゆる体操と茶話会、第3火曜日はものづくりやレクリエーションなどを実施している。
クリスマス会は『三百六十五歩のマーチ』に合わせた運動でスタート。軽やかなリズムに合わせて体をほぐした後は教わりながら折り紙でサンタクロースとクリスマスツリーを折った。
福祉委員手作りのケーキに、参加者らが各自イチゴのサンタクロースを作って飾り付ける場面もあった。イチゴを横に切り、ホイップクリームを絞って、アラザンやごまで顔を表現。完成したものを手に「かわいいよ」「食べるのもったいないね」「今度孫が来たら一緒にしようかな」と笑顔があふれた。
古川委員長は「先月はこんにゃくずしを作りました。地区外からも参加してくれたり手伝ってくれる人もおり、ありがたいです。みんな元気で集まってにこにこ笑顔でいい年を迎えてもらえれば」と話していた。
(2017年12月21日付紙面より)
第26回の審査会行われる (串本海中フォトコン )
第26回串本海中フォトコンテストの審査会が19日、串本町文化センターで開かれた。今回は3部門合わせて148人1063点が応募。審査結果は来年1月中旬ごろ、同コンテスト公式ホームページで発表する予定という。
串本の素晴らしい海や楽しいダイビングシーンの雰囲気を表現した作品を対象にした同コンテスト。シーサイドエリアにおけるコンテストとしては国内でも屈指の歴史を誇り、相応にハイレベルな作品が集まる内容で定評がある。
本年度も実行委員会(道井洋之実行委員長)を立ち上げて計画。▽一般部門▽チャレンジ部門▽ショップ部門―を設置し、同町内のダイビングサービスを利用し串本海域で撮影されたアマチュアの未発表作品を1日から11日までの期間で受け付けた。
応募作品数は前回より4点減だが、応募者数は16人増。挑戦の裾野が広がりを見せる状況で迎えた今回の審査は、前回に引き続いて30余年にわたり世界各地の海域撮影に打ち込む水中写真家・吉野雄輔さんが担当。一般部門とチャレンジ部門はグランプリと第1~5席各1点と入選10点、ショップ賞は3店舗9点を選考。他に特別賞として▽テーブルサンゴ賞2点▽海岸賞1点▽ダイバー賞1点▽アート賞1点―を決めた。後日選考となる町長賞1点を含めた計47点が画像データを提出した時点で入賞となる。表彰式は来年3月3日(土)に串本海中公園センターレストラン「アクロポーラ」で開く。
(2017年12月21日付紙面より)
少林寺拳法南紀熊野スポ少演武発表会
第4回東牟婁支部学童軟式野球新人大会
審議会が2月答申へ最終調整 (新宮市 )
第9回新宮市総合計画審議会(会長・足立基浩和歌山大学経済学部教授、20人)が18日、市福祉センターであった。まちづくりの最上位計画で、期間は来年度から10年間。田岡実千年市長の諮問機関である審議会は来年2月に答申する。
総合計画は市の将来目指すべき都市像を示す「基本構想」(長期10年)、具体的施策について体系化した「基本計画」(中期5年)、具体的な事業や規模などを示す「実施計画」(短期3年)で構成。審議会が答申を出すのは「基本計画」まで。
この日委員たちは、市が示した基本計画(素案)の政策目標▽安心・安全に暮らせるまち▽安定した雇用を生み出すまち▽魅力ある文化がつなぐにぎわいのまち―の3項目で意見を述べた。防災関連の意見が多く「防災訓練をより実践的にするために抜き打ちにしてはどうか」「ペットの避難所をしっかりと明記してもらいたい」「ソーラーパネルを設置した土地の土砂崩れ対策を」などの声があった。
災害時の飲料水確保のため井戸水への「ろ過装置」設置に補助金を出す提案があり、当局は現在、個人へは補助金を出せないが、自主防災組織へなら可能と説明した。
そのほか、市民でも場所が分からないと「新宮市新宮」の住居表示の早期変更、商店街の活性化を促す条例の設置、プレミアム商品券の拡大などを求める意見があった。当局は今回の意見も持ち帰り、再度計画を検討し、修正する。
総合計画について市は来月に市民説明会(4カ所)、議員説明会、パブリックコメントを予定。1月29日(月)に第10回審議会を開く。
(2017年12月20日付紙面より)
これまでと違う新年を (北山村 )
北山村立村民会館で15日、手作りしめ縄講座が開催され定員の15人が参加した。講師は北山中学校教諭の金哲弘さん(38)。参加者は各自で縄を編むところから飾り付けまでを行うオリジナルしめ縄作りを楽しんだ。
材料は金さんが用意した脱穀後のもち米の稲穂(わら)やシデ、同村の山で調達したウラジロやマツボックリ、ジャバラやタチバナの実、金銀や紅白の水引、花のモチーフなど。
最初に2本のわらをよってしめ縄を結ぶためのひもを数本作る。続いてわら10本を1束としたものを3束用意し、2束を足で押さえてねじりながら編み、編みあがったものにもう1束をねじって編み込んでしめ縄用の縄ができる。
参加者らは金さんの説明と実演を手本に縄を編み、約30分で縄が出来上がった。金さんは出来上がったひもと縄を使用した輪型、船型など数種類のしめ縄の作り方を、しめ縄と飾りの由来や意味などを交えながら説明した。
型の選択や飾り付けは各自が自由に行い、オーソドックスにシデとジャバラのみ、水引で鶴を作る、自分で用意したデコレーションを飾るなど、それぞれに熱中して約2時間でしめ縄が完成した。
今年初めて参加したという荒井恵理さんは「わらを触ったこと自体が初めてで新鮮でした。お正月飾りを自分で作ったことでこれまでと違う新年を迎えられそうです」と話した。
(2017年12月20日付紙面より)
3LCが合同で環境保全例会 (那智勝浦町 )
ライオンズクラブ(以下LC)国際協会335―B地区10リジョン2ゾーンは17日、那智勝浦町市野々の熊野古道・大門坂で環境保全例会に取り組んだ。ホストの勝浦LC(須川晴夫会長)、新宮LC(宮本昌幸会長)、串本LC(尾﨑和貴会長)の3LCから約50人が参加した。
3LCはこれまでも同じゾーンとして会員交流を深めてきたが、昨年度から一歩踏み出し合同で環境保全活動に取り組んでいる。この日は時折雪のちらつく中、大門坂登り口から、熊野那智大社までの古道周辺のごみなどを回収した。清掃後には、同大社に参拝し祈とうを受けた。
(2017年12月20日付紙面より)
池野山地区河川愛護会に (和歌山県 )
和歌山県の平成29年度優良河川愛護団体表彰(知事感謝状)の伝達式が18日に東牟婁振興局串本建設部であり、管内の池野山地区河川愛護会(代表・垣秀志池野山区長)が贈呈の誉れを受けた。
この表彰は、河川愛護思想の普及や河川美化活動に功績がある団体をたたえ、いっそうの取り組みを奨励するのが狙い。対象とする河川愛護団体は県内で307団体が結成されていて、本年度はその中の9団体が優良団体として選ばれた。
池野山地区河川愛護会は平成4年に結成され、翌5年から活動を始めた。今年は7月と11月に池野山川とその支流・池野頭谷川の草刈りやごみ飛来などの美化に各120人規模で取り組んだ。道の駅虫喰い岩や池野山公園の完成を機に一帯をさらに親しまれる場にしようと、同会の母体・池野山区が昨年4月にサクラの苗木を植樹。その育苗にも意識を向けている。
表彰式は11月に県庁であったが同会は欠席したため、この日に同部の東照久部長から伝達を受けた。東部長は「最低限の対応はできるが、限られた職員で日々の全体管理はとてもしきれるものではない。それだけに地元の皆さんの力添えはとてもありがたく、感謝に堪えない」とたたえ、垣代表は「地域の美化は自分らが本来やるべきことでもある。それをこのように表彰していただいたのは、地区民にとって励みになる大変ありがたいことだ」と述べ、伝達に感謝した。
(2017年12月20日付紙面より)
ジョン・ケンドリック旗争奪少年野球大会
熊野三山小学生バレーボールフェスタ (新宮バレーボールスポ少も3位に )
タウンガーデンで点灯式 (新宮市 )
花づくりボランティア「タウンガーデン」(平田裕子代表)は17日、新宮市保健センター前の花壇でイルミネーション点灯式を開催した。来場者らは華やかな明かりとステージを楽しんだ。点灯は来年1月末ごろまでを予定しており、時間は午後5時~10時。31日(日)から来年1月3日(水)までは夜通し点灯する。
今年で12回目を迎えるイベントだが、会員の高齢化などにより設置を見送ることも検討していた。しかし、「ANIANIPRODUCTION(アニアニプロダクション)」(司空けいこ代表)からの申し出があったことなどから、協力を受け開催した。
ステージでは丹鶴幼稚園の子どもたち、ANIANIHulaSTUDIO、緑丘中学校や城南中学校の有志生徒らによるダンス、しゃんしゃん、ムジカキッチンによる歌などがあり会場を盛り上げた。温かいミネストローネをはじめ唐揚げやポテトなどのフードコーナーには行列ができた。
司空代表は「少しでも協力できればとサポートを受けながら行いました。私たち目線での提案もし、今までの新宮にはなかった夜を過ごしてもらえればと企画しました」。平田代表は協力に感謝し「寄付も回ってくれたみたいです。若い人の観点からやってもらえてありがたい」と話していた。
(2017年12月19日付紙面より)
「減災カフェ」で岡島醇さんが講演 (新宮市 )
災害の被害を減らすために役立つ知識を広めようと、新宮市元防災担当理事の上野山巳喜彦さんが主催する「減災カフェ」の特別講演が16日、新宮市仲之町商店街の喫茶ロッコで開かれた。東京都江東区の公益財団法人市民防災研究所・特別研究員の岡島醇さんが、「避難」について、あらためて家庭でできる防災方法などを紹介した。
同研究所は、行政機関が取り組むような大規模な防災ではなく、市民一人一人が身近にあるものを使って地震や火災などの災害から身を守るための研究とその普及を行っている。前身の「避難研究所」からの活動期間は50年以上になる。上野山さんは阪神淡路大震災の直後、同研究所を訪ねたことがあり、以来岡島さんと交流を続けている。
前半の講演で、上野山さんは江戸時代にあった宝永地震の、広域にわたる被害やエネルギーのすさまじさを説いた。当時と現在の人口の格差などからも「もし起きたら、昭和(東南海、南海地震)の経験則は通用しない。救援が来ないことを前提に、多くの人と過去の教訓を共有し、備えを強化していきたい」と話した。
岡島さんは冒頭で、関東大震災は「人災でもあった」と述べ、地震後の火災被害について取り上げた。墨田区の被服廠(ひふくしょう)跡の2万坪の空き地で起きた火災旋風による3万8000人もの人的被害と反して、神田和泉町・佐久間町、隅田川の新大橋で人や町が守られたケースを示した。
研究所の実験結果に基づき、単に避難場所へ逃げるだけでなく、状況に応じてその場ですぐにできる防災方法、家庭でできる対応や、火災発生時の行動の取り方を示した。「大きな火は消防機関しかできないが、小さな火はコップ一杯の水で消せる」と話し、庭のバケツやじょうろに水をためておくだけで初期消火の役に立つこと、サラダオイルを使った明かり取り、コメの炊き方などを紹介した。
岡島さんは、減災カフェの活動について「防災を地域の住民らが広めている。ほかに類がなく素晴らしい。目の前にある防災に役立つものを見直し、小さい対策でよいので先へと進みましょう」と話した。
(2017年12月19日付紙面より)
開設40周年記念フォーラム (黒潮園 )
新宮市の社会福祉法人黒潮園(岡司理事長)は16日、紀宝町生涯学習センターまなびの郷で黒潮園開設40周年記念フォーラム「未来に輝く高齢者福祉をめざして」を開催した。岡理事長による講演『これから求められる高齢者ケアのあり方とは』をはじめ施設や取り組みの紹介などがあり、大勢の来場者が耳を傾けた。
黒潮園は1977年7月1日に開園。99年にデイサービスセンター悠久、2014年には地域密着型特別養護老人ホームクレール高森を開設している。温かい家庭的な雰囲気のもと、利用者一人一人の尊厳の保持と個性や価値観を尊重し、ニーズと状況を十分に把握して、質の高いサービスを提供するよう努めるのを基本理念に、余暇活動や外出支援などさまざまな取り組みを実施している。モットーは「『心と心のかよいあい』を大切に」「『その人らしさ』に最大限の配慮を」。
開会式で岡理事長は沿革を紹介し「40年間、地域の皆さまに信頼いただけるよう高齢者福祉の推進に取り組んできた。地域の皆さまの支援があってのことで、開設者にも敬意を表したい」。
自身が代表を務めてきた8年間に触れ「質の高いケアを提供できる施設、職場の環境を良くし、介護の仕事の魅力をもっと上げていけないかと、常に課題意識を持って取り組んできた。その取り組みを多くの皆さまに知ってもらい、意見をいただきたい」とあいさつ。
来賓の田岡実千年市長は全国でもトップレベルの実績をもつ施設へ成長していると感謝し「自立支援を目指した取り組みに熱心で専門性を生かしたリハビリも高く評価され、地域の皆さまと積極的な交流を行っている。今後も基本理念を継続して、誠意的、独創的な福祉サービスの確立を願う」と祝辞を述べた。
理学療法士の岡理事長は高齢者が健やかに暮らすケアと園の取り組みを紹介。クレール高森介護主任の東潔明さん、デイサービスセンター悠久介護主任の倉本剛志さん、黒潮園主任生活相談員の平根浩一さんらが自立支援介護や在宅ケアを支える活動、入所の仕組みや料金などを説明した。利用者や家族による紹介の他、介護用品の体験や介護職の試食などもあった。
(2017年12月19日付紙面より)
第35回合唱コンクール (串本中 )
串本町立串本中学校(岡田正伸校長、生徒149人)は15日、同町文化センターで第35回校内合唱コンクールを開いた。生徒はクラスごとに練習を重ねた歌声を披露し、全クラスが金賞を獲得。保護者賞は3Bと3C、最優秀賞は3Bが獲得し、会場に歓喜の声が上がった。
体育祭と並び生徒が力を込めて取り組んでいる伝統の文化行事。各クラスは同コンクールに向け学年課題曲と自由曲の2曲、2年生と3年生はさらに第21回同町中学校音楽会(5日に実施)で学年発表する自由曲を加えた3曲を鋭意練習し、力強さとハーモニーを最大限高めてきた。
当日は生徒教職員に加え、家族や住民約180人も来場。岡田校長のあいさつに続いて生徒会の中村碧志会長(2年)がスローガン「心を一つに奏でよう~最高の仲間と共に~」を掲げて開演を飾った。
全員で校歌を斉唱した後、まずは教職員が2曲を披露。以降2年生、1年生、3年生の順で順次2曲を披露し、教職員は最優秀賞、家族や住民は保護者賞の各審査に臨みながら当代生徒の集大成となる発表を鑑賞した。
審査集計中は2、3年生が同音楽会で発表した2曲を披露。2クラス合同で一段と力強さが増し、同音楽会時よりさらに磨きをかけた歌声をホールに響かせた。
全審査員を代表して元教諭で現学校評議員の山本ちづきさんは「どのクラスもテーマに沿った発表だった」と努力をたたえ、笑顔で歌い始めたクラスが特に素敵だったとして次回の発表に期待。「みんなと一緒に歌った経験は皆さんの心の財産になる。うれしいことやつらいこと、悲しいことがあっても、それをエネルギーにして前向きに力いっぱい生きていける人になってほしい。コンクールが終わりではなく、これからも続けてほしい。歌声が響く中学校であることをひそかに期待している」と講評を寄せた。
最優秀賞の発表に先だって岡田校長は「今までの3年間で18クラスが発表し、(2年前に)たった二つだけ銀賞が出ている。それが今の3年生。今日は『こんなに変われるのか』と少し涙が出た」と絶賛。誇らしく頂点に選ばれた3Bに表彰状とトロフィーを贈り、生徒会の島野美海副会長(2年)のあいさつで締めくくられた。
(2017年12月19日付紙面より)
第4回東牟婁支部学童軟式野球新人大会
熊野三山小学生バレーボールフェスタ (新宮が3位、優勝はJVC下津 )
県中学校ソフトテニス新人大会
社協と民児協が高齢者訪問 (新宮市 )
新宮市民生委員児童委員協議会と市社会福祉協議会(向井一雄会長)は15日、「高齢者激励訪問事業」を実施した。委員ら約90人が市内の対象者374人を訪問し、記念品を手渡した。
対象者は75歳以上で近くに身内がいない一人暮らし高齢者と65歳以上の寝たきりの人で、年齢の基準日は12月1日。民生委員らが一人暮らしをしている市民の家を回る一斉調査を実施して把握した。対象者の孤独感の解消や介護者への支援を図るとともに実態を把握し、地域の見守り活動や介護者の支援など小地域のネットワークの構築を目的としている。
同市相筋の芝﨑とみ子さん(94)宅へは向井会長と丹鶴地区民生委員児童委員協議会の草加成子さんらが訪問した。元保育園長の芝﨑さんは「おかげさまで地域や近所の人に支えられ毎日楽しく暮らさせてもらっています。ありがとうございます」と話した。
自分で買い物に行き、家事なども行うという言葉を受け、向井会長は「とても生き生きとしており、感心します。同じくらいの年の人にも励みになることでしょう。立派だと思います」。草加さんは「お元気な方とお会いでき、自分も元気でいなければと励まされる思いです」と話していた。
(2017年12月17日付紙面より)
那智勝浦町宇久井にある医療法人北斗大洋会の介護老人保健施設ルピナスに15日、結成33年を迎えた勝浦グリーンコーラス(大林幸子代表・27人)の会員18人が、そろいの衣装で慰問した。通所リハビリの利用者、職員ら約30人が美しい歌声に聞き入った。
大林代表は「皆さんのにこやかで明るいお顔を見て、居心地の良い施設なのだなと思いました。今日はお会いできてうれしいです」と感謝した。山縣弘明さんの指揮の下、青い山脈、もみじ、ふるさとなど数曲を披露。利用者らも参加し、懐かしの曲を歌い、同グループが得意とするふるさと賛歌の中の曲、那智賛歌では「美しい那智」のフレーズをメンバーと練習するなど楽しんでいた。
この後21日(木)は、くろしお会、23日(土・祝)はマンドリンアンサンブル・トレモロが慰問を予定している。
(2017年12月17日付紙面より)
宇久井ビジターで麦踏み
那智勝浦町立宇久井小学校(山本健策校長)の3年生児童21人が14日、同町の宇久井ビジターセンターで麦踏みと花炭焼きを体験した。
同校では宇久井半島でかつて行われていた麦栽培を、種まきから収穫まで体験することで次世代に伝える授業を実践している。11月10日に園地内の畑に種をまき、約15㌢に成長した苗を丁寧に踏み固めた。
作業には「宇久井海と森の自然塾協議会」のスタッフ9人が指導。泉紀二スタッフ長は「踏めば踏むほど、苗に粘りも出て倒れにくく、株の本数も増える」と説明した。
成長した麦は5月下旬に刈り入れし、主に麦茶として児童の喉を潤す。参加した前川直輝君は「頑張れば麦が強くなるし、僕の体も強くなる」と張り切っていた。
麦踏み前後の空き時間を利用して「花炭焼き」も経験した。自然塾が用意した材料はまつぼっくり、クリのイガ、ツバキの実、ヤシャブシの4種。初めての火吹き竹を使い、煙にむせながら釜戸の火を起こし、原型を留めて出来上がった炭は大切に持ち帰った。
(2017年12月17日付紙面より)
赤い羽根チャリティーコンサート (太地町 )
太地町社会福祉協議会(海野久夫会長)は13日、同町多目的センターで赤い羽根共同募金のチャリティークリスマスコンサートを開いた。事務局長の岡本研さん率いるバンド「笑音風(しょうおんぷ)」のメンバー6人が出演し、懐かしの歌謡曲などを中心に11曲を演奏した。
来場者が飛び入りで歌ったり、踊ったり、イベントの告知をしたりと、コンサートは自由な雰囲気で進行。「Love is Over」「どうにもとまらない」「伊勢佐木町ブルース」などを披露した。全員で歌うパートでは那智勝浦町の敷地廉人君(12)がマイクを渡され「上を向いて歩こう」を歌った。
会場の入り口に募金箱が設置され、来場者が思い思いの金額を入れた。収益は同町内の4カ所で毎月開かれる「ふれあいサロンいっぷく亭」の運営に使われる。
□ □
出演者は次の皆さん。
▽岡本 研(ギター・ボーカル)
▽吉川 功(サックス・ボーカル)
▽小畑章子(キーボード・ボーカル)
▽畠 博(ギター・ボーカル)
▽浦木 平(パーカッション)
▽小畑りか(ベース・コーラス)
▽岡本光正(ボーカル)
(2017年12月17日付紙面より)
県少年サッカー大会東西ブロック対抗戦
田辺市本宮町の熊野本宮大社で15日、九鬼家隆宮司が製作に取り掛かっている来年のえと「戌(いぬ)」の色紙作りがピークを迎えた。約1週間後には、完成する見込み。
九鬼宮司が8月下旬から墨とポスターカラーで描いている。色紙は手書きと印刷ともに2000枚ずつ計4000枚が用意され、手書きは元旦以降祈とう(有料)を受ける参拝者らに授与され、印刷は2000円で15日より授与される。
手書きの色紙には、猟犬としての勇猛さがたたえられ、弘法大師を守護して高野山に導いたとされる白い紀州犬が描かれている。「紀」と記された化粧まわしをまとい大地を踏みしめて立ち、新たな年に未来へ向かって歩く人が、紀州犬の加護により、つまづくことなく真っすぐに進むようにとの願いが込められている。
印刷の色紙は、笑顔で明るく楽しい年を過ごせるようにと座って愛らしい笑顔で見つめる柴犬が描かれている。
九鬼宮司は「来年、創建2050年を迎えるに当たり、熊野に来た人々が出会い、つながるという結びのある1年になってほしいとの願いを込め、『結』の文字を色紙に添えました」と話した。
(2017年12月16日付紙面より)
おとなのための英会話教室 (古座川町公民館 )
古座川町公民館講座「おとなのための英会話教室」が13日に同町保健福祉センターであり、7人がクッキー作りを楽しみながら英会話に親しんだ。
社会教育による「清流に元気溢れるまちづくり」に取り組む同町は、子どもを含めた全町規模で英語活動の推進を目指している。この教室は子ども教育15年プラン三大活動の一環で英語に親しむ園児や小中学生とともに、成人にも関心と愛好の裾野を広げる趣旨で始まり、本年度は夏の帯開講に続き2回目の開講となる。
テーマは「英語でクッキーづくり」で、英会話への抵抗感を和らげ異なる文化的背景を持つ外国人との交流に楽しさを感じて英語学習のモチベーションを高めるのが狙い。講師は同町外国語指導員のダービー・トーマス・ライリーさん、同町外国語指導助手(ALT)のグレゴリー・チャド・ケインさん、英会話に堪能な同町地域おこし協力隊の忠志緒莉さんで、参加者は高校生以上の町内在住在勤者を対象にして事前募集した。
当日は調理と茶話会の2部構成。ジンジャーブレッドクッキーの生地を仕立てて伸ばし、クリスマスにちなんだ形に型抜きして焼き上げ。デコレーションペンで装飾して仕上げた。
茶話会では講師陣が海外のクリスマスの様子や冬休みの過ごし方など、日本とは違った文化の一端を紹介。適度に日本語への通訳も織り交ぜた緩やかな英会話環境の中で、和気あいあいと挑戦を楽しんだ。
(2017年12月16日付紙面より)
熊野地方で「シシ垣サミット」
地域の遺産としてシシ垣を守り活用しようと「第10回シシ垣サミットin熊野2017」が9~11日、新宮市、那智勝浦町、三重県尾鷲市で開かれた。シシ垣ネットワーク主催、熊野歴史研究会・三重県立熊野古道センター共催。このうち10日は比較的保存状態がよいとされる那智勝浦町の高津気地区のシシ垣周辺を、参加者約50人が歩いた。
9日は新宮市高田・熊野古道高野坂でシシ垣ウオークの後、高田グリーンランドで講演・パネル討論があった。10日は前日に続いての参加者が多く、同地区の清源寺に集合し、高津気保郷会の西比古次さんの案内で「シシ垣入り口」から「サムライ岩」周辺を観察した。歩いた後は高津気地域づくり会(瀧本清吉代表)が用意した昼食を楽しみながら交流した。この日は三重県尾鷲市の県立熊野古道センターで「三重県紀北地方のシシ垣について」の講演と「尾鷲の猪垣」の研究発表などもあった。
熊野列石(通称・シシ垣)は総延長が約150㌔の石垣で、建造目的は不明だが、害獣対策との見方もある。ツアーに参加した長崎県のシシ垣を調査しているという筬島聖二さん(53)は、「とてもきれいにメンテナンスされていた。一般的に文化財以外のものはあまり手入れされていない。長崎でも取り入れたい」と話し、沖縄エコツーリズム推進協議会会長の花井正光さんは、「地域の皆さんが関心を持っていることが目で見て感じられた。とても参考になった」と感心していた。
(2017年12月16日付紙面より)
新宮・東牟婁支部長杯ソフトテニス
和大のジオ支援システム (那智勝浦町 )
南紀熊野ジオパークのガイド養成講座をきっかけに結成されたガイドグループ「たいジオ」(久世滋子会長)は9日、那智勝浦町色川で「アルコラ色川」を開催した。和歌山大学が開発した、ジオツアー支援システム「ついジオ」を使い、学生らと参加者約20人が口色川から大野、赤畠谷えん堤などを散策した。
ついジオは、スマートフォンなどの端末上で動作するウェブアプリケーションで、あらかじめ登録されたジオの情報や、現場で撮影した画像、説明などを、ツアー参加者の端末へ簡単に配信ができる。「ツイッター」とも連携している。同大学システム工学部の吉野研究室(吉野孝教授)が開発した。
同研究室で開発に携わった同大学院2年の谷口翔吾さん(24)は、「和歌山でしかできない観光と情報の組み合わせを探して、インターネットでジオパークを見つけました。これなら局所的なアプローチができると開発に取り組んだのが4年前です。今後もネット環境を使ってジオツアーの知名度を上げていきたい」と話した。谷口さんらは、この日の参加者から意見や要望などを集め、「ついジオ」の改良を重ねる予定。
(2017年12月15日付紙面より)
地方自治法施行70周年記念大臣表彰 (紀宝町 )
地方自治法施行70周年記念総務大臣表彰を紀宝町が受賞した。趣旨は、地方自治の伸展および住民の福祉の増進に努めた団体および個人を表彰するもの。同町は紀伊半島大水害(2011年9月)での甚大な被害を教訓に、事前防災行動計画(タイムライン)を全国に先駆けて作成して災害対策強化に取り組むとともに、近隣市町と連携した医療サービスを提供するなど、自ら創意工夫した施策を実施。住民の安全・安心確保への努力が評価された。
表彰式は11月20日、天皇皇后両陛下のご臨席、内閣総理大臣らが参列して東京国際フォーラムであった。町を代表して表彰を受けた西田健町長は12日、「行政と町民が一体となって取り組んだ結果が評価された」と喜びを語った。三重県内では尾鷲市といなべ市も表彰されている。
(2017年12月15日付紙面より)
「ピアニッシモ」コンサート (三輪崎幼 )
新宮市立三輪崎幼稚園(尾﨑いづみ園長、園児6人)で13日、コーラスグループ「ピアニッシモ」(野澤宮子代表)のコンサートが開かれた。クリスマスにちなんだ曲や古くから親しまれている童謡など10曲以上を披露し、美しいハーモニーで園児や訪れた保護者らを楽しませた。
この日は佐野保育所(西浦ゆかり所長)と三輪崎保育園(中畑元太園長)の5歳児合わせて37人も一緒に楽しんだ。
1曲目の『きよしこの夜』で、キャンドルを手に持ち歌いながら入場。『シャボン玉』『赤とんぼ』『七つの子』など昔からある童謡や、季節にちなんだ『ジングルベル』などをピアノ伴奏に合わせて披露したほか、園児と一緒に『赤鼻のトナカイ』、『あわてんぼうのサンタクロース』を歌った。
尾﨑園長は「伝えたい歌を歌って教えてくれる」と感謝すれば、野澤代表は「園児の祖父母も懐かしんでくれたり、園児が家でも歌ってくれたりしている。今後も歌う機会の少なくなってきた歌など、いろいろと伝えていきたい」と話した。
ピアニッシモはNPO法人ハトぽっぽのボランティアや地域の母親が集まってつくるコーラスグループで、同園では12年ほど前から年に2回ほど実施されている。
(2017年12月15日付紙面より)
串本と古座川約1300人分 (トヨタレンタリース和歌山串本駅前店 )
和歌山トヨタ自動車株式会社(小川至弘代表取締役会長)のグループ会社・株式会社トヨタレンタリース和歌山串本駅前店(千田潤也店長)が11日、古座川町と串本町の小学生~高校生に向け未使用の教育年賀はがき約1300人分を贈った。
日本郵便株式会社が提案する、学校教育の一環ではがきを書く体験を地域のスポンサー協力を得て届ける施策「教育年賀」の一環。原点には小川会長と池田和則・串本郵便局局長の出会いがあり、手紙を書く楽しみや喜びを経験し、その良さを伝えたいという池田局長の思いに共感した小川会長が同店をスポンサーにし、教育委員会とスポンサーの名前が入ったはがきを一人あたり5枚が行き渡るよう届けている。同店を軸にした寄贈は、昨夏の「教育かもめ~る」に続いて2回目となる。
寄贈先は両町の教育委員会。古座川町教育委員会(和田充旦教育長)は同町立高池小学校(大畑眞校長)で小川会長ら一行を迎え、児童会の後口幸宏会長、奥村悠陽副会長、矢本隼暉副会長(以上6年)、畦智球斗委員、打越凌委員、尾崎遥音委員、久保了佑郎委員(以上5年)が小川会長からはがきを受け取った。7人を代表して後口会長は「手紙を書くのが好きでいつも年賀状を書くのを楽しみにしているので、こんなにたくさんもらえてうれしい。自分で書いた年賀状を家族や親戚にも送りたい」と述べ感謝した。
串本町教育委員会(潮﨑伸彦教育長)は同町立古座小学校(道本幸浩校長)で寄贈式を開き、全校児童70人が一行を歓迎する中で児童会の浅利大雅会長(6年)が小川会長からはがきを受け取った。浅利会長は夏休みに先生へ書いた暑中見舞い(教育かもめ~る)の実物を紹介し「今日もらった年賀はがきもこういうふうにして先生に送る」と述べて感謝した。
小川会長は「手紙を書くことで人と人がつながるのは、字が心を伝えるから。スマホなどがはやっているがひとまず置いて字を書いてほしい(高池小)」「人と人のつながりを生む大切な言葉は形にして残ることが大事。大切な人へのお礼の言葉などを残せるよう頑張ってほしい(古座小)」と児童の頑張りを期待した。
串本町教育委員会への寄贈分には県立串本古座高校の生徒の分も含まれ町教委経由で同校に伝達するという。
(2017年12月15日付紙面より)
櫻澤あんりさんが2週連続V
第11回新宮ジュニアレスリング大会
境内施設整備事業 (熊野那智大社 )
創建1700年記念境内施設整備事業による改修工事が進む那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で11日、男成宮司をはじめ工事関係者、那智勝浦町消防本部、同町教育委員会の職員らが集まり、年内から年明けにかけての作業工程や検討事項などを確認した。
同事業の概要は、拝殿の改修および銅板屋根葺き(ふき)替え工事、拝殿、鳥居、宝物殿、長生殿、手水(ちょうず)舎などの塗装工事、祈願所、社務所の改修および塗装工事となっており、総事業費は1億6500万円。事業期間は平成31年12月31日まで。
年内に拝殿の銅板は全て外され、年明けに傷みのひどい向拝(ごはい=一般参拝所)を解体する。日本建築工藝設計事務所の1級建築士・川村浩一さんによると、向拝部分は新しく建てるのではなく柱など使えるものは残し、再度組み立てる重要文化財と同等の改修になるという。
しばらくは拝殿が足場で囲まれた状態になるため、同大社では斎館の利用や臨時参拝所の設置などを検討している。男成宮司は、来年7月の式年例大祭までには拝殿が使えるようにと話し、「工事の方やお参りの方の安全を第一に、無事の竣工(しゅんこう)にお力添えを」と呼び掛けた。現場で工事関係者らと、屋根の造作や参拝客への配慮などについて細やかに打ち合わせをした。
同事業奉賛の問い合わせは同大社境内施設整備事業奉賛会(電話0735・55・0321)まで。
(2017年12月14日付紙面より)
熊野ええもん祭り (熊野エリア商工青年部協議会 )
熊野エリア商工青年部協議会(福本友樹会長)は10日、新宮市のスーパーセンターオークワ南紀店で広域商工フェア「熊野ええもん祭り」を催した。地域の特産品を扱った露店21店が軒を連ね、ステージショーなどでにぎわった。
同イベントは今年初開催。和歌山県と三重県の商工会議所、商工会が集まる場所を作り、熊野地域全体の交流人口増加と経済発展を目的に企画した。
開会のあいさつで福本会長は「イベントや講演、セミナーを通して、広域の皆さんが集まって生まれる力はとても大きなものだと感じました。県と市町村の垣根を越えることで熊野が発展できたら。どうぞ楽しんで」とイベントにかける思いを語った。
会場内にはウミガメとの触れ合いコーナーや三重県熊野市のご当地キャラ「にいひめちゃん」のエアトランポリン、水上遊具「アクアボール」の体験コーナーが設けられた。露店ではマグロやクジラ、じゃばら、木工品といった特産品を販売し、市内の飲食店も自慢の一品を振る舞った。
ステージでは熊野水軍太鼓保存会の太鼓演奏をオープニングに、新宮市立緑丘中学校吹奏楽部がなじみの曲を奏でた。熊野エリア内各地区のパフォーマンス団体のダンスや紀北町のご当地ヒーロー「KIHOKU戦隊アババイン」の戦隊ショーもあり、会場を盛り上げた。
商品券が当たるミカン早食い競争では小学生、女性、男性の部に分かれて皮をむくところから指定の個数を食べ終わるまでのタイムを競い合った。
男性の部で1位となった新宮市下田在住の大江和貴さん(29)は「とてもおいしいミカンでした。いかに皮を早く向き、飲み込むか工夫したことが結果につながったのだと思う」と喜んだ。
(2017年12月14日付紙面より)
生徒立案のグローバル講演会 (串本古座高校 )
県立串本古座高校串本校舎(愛須貴志校長、左近晴久教頭、生徒284人)で11日、グローバル講演会が開かれた。学校ではなく生徒が主体になって立案した初の試みで、今回はクラブ活動「CGS部」のトルコ班が串本町総務課に勤務するトルコ人女性アイシェギュル・アルカンさんを講師として迎え、対談形式で質問を寄せるなどした。
日本とは違った文化を持つ外国を肌で感じ、外国人から見た日本や串本町の印象を聞いて今まで気付かなかった串本の価値観を探り見つけるのが今回の同講演会の狙い。同班は事前にアルカンさんと打ち合わせを重ね、前半は講演、後半は対談とする内容を計画して本番を迎えた。
同班メンバーの上屋敷希美さんと北千優さん(共に2年)が司会進行を担当。アルカンさんは自己紹介やふるさとアイドゥン県にいる家族やまちの特色、日本に来たきっかけや背景にある両国友好を育んだ二つの出来事、殉難将士慰霊碑をトルコ人に代わって守ってくれていることへの感謝やトルコ共和国の成り立ちと文化などをざっくばらんに語り、生徒が関心を持つ糸口とした。
後半の対談は伊森安美さんと岡地舞さん(共に1年)が聞き手になり、▽なぜ日本で働こうと思ったのか▽日本に来て驚いたことや困ったこと▽アルカンさんから見た日本や串本のいい所―などをテーマに掲げて質問。併せて事前に実施した生徒アンケートの結果を発表し、7~8割が串本は「住みやすい」「好き」といっているのに6割弱が「町外に出たい」と思っていることへの印象も尋ね、アルカンさんは「まずは自分のやりたいようにするのがいいが、(町外へ出る理由で)串本には何もないからという考えはなくした方がいい」と答えた。
アルカンさんは最後に「高校時代はとにかく(今すべきことに)頑張りながら将来の夢を見つけ、その未来の筋道の中でふるさとも大切にしてほしい」とメッセージを送って講演を終了。質疑応答を経て始終を見守った愛須校長は「国民性の違いが分からないと誤解が生まれてしまう。互いの国の常識を知るという点で、今日の話は良かったと思う」と講評。将来どこへ行くことになってもアルカンさんのようにふるさとを語れる大人になることを期待しながら会を締めくくった。
(2017年12月14日付紙面より)
健康づくりポイント事業 (和歌山県 )
和歌山県は10月から「健康づくり運動ポイント事業」を開始している。自治会活動や個人の運動活動にポイントを付け、地域ぐるみで楽しく競いながら運動習慣の定着を目指す取り組み。専用ウェブサイトに登録するなどして毎日の運動の実績を報告するとポイントがたまり、ランキング上位者には賞状と賞品が進呈される。
元気で長生きをするためには栄養、運動、休息が必要になるが、運動面では歩く人が少なく、2012年の国民健康栄養調査では和歌山県の1日あたりの歩数で、男子がワースト2位、女子はワースト10位だった。事業は楽しみながら運動を継続し、地域ぐるみで運動習慣の定着を図る目的。
申し込みは8月から開始し、10月から事業がスタートした。今後は毎年実施していく予定で、個人参加と自治会、グループ参加があり、年度末までの間ランキング形式で競う。申請方法はウェブと専用用紙があり、18年1月末には専用アプリが登場する予定だ。1日8000歩以上のウオーキングで1ポイント、30分以上のスポーツで1ポイントの換算。ラジオ体操やゴルフ、ダンスなどさまざまな項目がある。自治体参加では会主催のイベント参加で2ポイントが付与され、草刈りや溝掃除なども得点の対象になる。
月ごとの歩数や運動内容をウェブで入力、もしくは記録表を県に郵送するか、市町村健康づくり担当課に提出して実績を報告することでランキングに反映される。当地方では10月末時点で新宮市や串本町の自治会、個人では200人以上が登録している。担当課では「運動がおっくうな人にも楽しみながら取り組んでもらいたい」。児玉征也・東牟婁振興局長は各地で行われるラジオ体操や元気クラブしんぐうなどの活動を挙げ「当地方はポテンシャルが高く、県内でもトップに入るのではないか」と話していた。
■登録方法
登録方法は①専用ホームページ「わかやま健康ポイント」よりウェブで申請②県庁健康推進課ホームページ(http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/041200/index.html)から様式をダウンロードし、郵送するか市町村健康づくり担当課に提出する。ランキングはウェブ上で毎月公表する。
(2017年12月14日付紙面より)
第14回太地いさなカップ
PTA連合会で高部知子さん講演 (那智勝浦町 )
新宮・東牟婁PTA連合会は10日、那智勝浦町体育文化会館で講師に精神保健福祉士の高部知子さんを招き教育講演会を開催した。同町PTA、同町青少年センターが共催。高部さんはテレビドラマ『積木くずし』などの出演で知られるが、芸能界引退後に慶應義塾大学を卒業。認証心理士、浄土宗の教師などの資格も持つ。「共に生きるということ」を演題に依存症を中心に語った。
高部さんは「依存症は覚醒剤、大麻などがまず挙げられ、自分とは関係ないと思ってしまいがちですが、誰もが患うかもしれない身近な疾患」と語り、特にアルコール依存症についての危険性を訴えた。覚醒剤は、やせられる薬として肌に貼る「パッチ」が出回り、若い女性が使ってしまう例も増えているという。薬物依存の治療は対応する精神科にかかることが大切で、治療が遅れたり、知識のない病院にかかったりすると悪化すると指摘した。
依存対象との出会いは10代が多く、原因となるのは怒鳴る、拒絶するなどの心理的な虐待が一番多いが、「実は過干渉も多いのです。面倒を見過ぎ、期待され過ぎ、かまわれ過ぎてつらかったと話す子どもがいます」と話した。依存症の治療後に使ってはいけないとされる「3D言葉」も紹介。これは相手を否定する「でも」、言い訳の「だって」、後ろ向きな「どうせ」の三つ。「子どもとの会話で、3D言葉を使っていないでしょうか」と話した。
依存症になった子どもは▽自信が持てない▽人を信じられない▽本音を言えない▽見捨てられ不安が強い▽孤独で寂しい―この五つの言葉を必ず挙げるという。「依存症は病気です。必ず精神科へかかってください。一対一で向き合うとお互い大変です。当時者を囲む応援団を作りましょう。そして、継続的に関わっていきましょう」と呼び掛けた。
高部さんは講演の最後にサン・テグジュぺリの小説「星の王子さま」の「愛とは互いに見つめ合うことではなく、共に同じ方向を見つめることである」という言葉を紹介。「恋愛でも家族でもそうですが、互いを見つめ合ってしまうと欠点が見えて気になって、問題が出てきます。共に生きるこつは、一緒に正面を見て、同じ方向を向いていくこと」と話した。
(2017年12月13日付紙面より)
新宮労基が勝浦市場で (那智勝浦町 )
繁忙期を迎える那智勝浦町築地の勝浦卸売市場で11日、新宮労働基準監督署(森美大署長)が和歌山県漁業協同組合連合会(木下吉雄会長)と合同で作業安全パトロールを実施した。
管内の休業4日以上の労働災害は10月末現在で前年同期比約28%増となっている。増加傾向が顕著な製造業に対する取り組みとして、勝浦市場には多くの事業者が集まることから、実施場所に選ばれた。
パトロールは、転倒災害防止とフォークリフトなどの荷役作業の安全確保に重点が置かれた。同署の職員らは、市場周辺のフォークリフトを一台ずつ点検し、運転免許証と特定自主検査を受けているかなどを確認。歩行者と混在する場所での運転注意や荷の結束などを呼び掛けた。転倒防止については、傾斜などで転倒しやすい場所へのステッカーや看板などによる注意喚起を促した。
森署長は「慣れによる不注意に気を付けて、基本手順を周到してもらうよう声を掛けた。今日の実施内容を各事業者が自分の店や工場に持ち帰り展開してもらえれば」と話した。
(2017年12月13日付紙面より)
串本町で世界遺産セミナー (県世界遺産センター )
和歌山県世界遺産センター主催講座「第4回世界遺産セミナー」が10日に串本町文化センターであり、20人が近代建造物を後世に残す上で大事な視点を考える機会を得た。
このセミナーは、「紀伊山地の霊場と参詣道」の良好な保存と適切な活用を円滑に進める目的で平成19年度から実施。本年度は九度山町、上富田町、橋本市、串本町の4会場を計画し、この日はその最終の開講にあたる。
講師は元県教育委員会文化遺産課保存班長でもある建築史家・西山修司さん。「熊野地域の魅力あふれる近代の建造物」を演題に掲げて登壇し、世界遺産とともに近代建造物も良好に残すべきという視点で一石を投じた。
近代建造物は幕末から昭和初期にかけて作られた近代(西洋)建築、近代和風建築、近代化遺産を包括する用語で、西山さんは▽稲村亭・潮岬灯台・樫野埼灯台(串本町)▽互盟社・司馬遼太郎別荘・北大演習林庁舎(古座川町)▽懸泉堂・紀南教会(那智勝浦町)▽旧西村伊作邸・旧チャップマン邸・旧新宮郵便局(新宮市)▽山口家住宅(北山村)―などの物件があることを紹介。
これらを残すべきとする理由を観光客と地域住民の両視点から探り、『物件に宿る歴史や文化を住民が大切にすることが地域の誇りにつながり、その先に観光が見えてくる』という一筋道が考えられることを示唆した。
他方、近代建造物には必ず所有者がいて、残すにあたっては所有者の気持ちをくむ姿勢が何より大事だと意見。所有者もつぶしたくないから近代建築物が残っているが、維持管理が限界に達すれば所有者の判断でぱっと消えてしまうことも起こる。そうなる前に残したいと考える地域の人は①早く声を上げ②皆で支える体制を作り③所有者の尊厳を(第一に)守る―という動きをすべきだとした。「そのような住民の動きは、学者がいくら意見しても動かない行政をじっとしていられなくする」とも述べ、いかに住民の動きが大事かを諭しながらこれからの実践を促した。
(2017年12月13日付紙面より)
新宮市徐福の徐福公園の楼門が11日夜から赤、青、黄などとさまざまな色に変化し、幻想的な雰囲気を醸し出している=写真。来年1月10日(水)まで。
徐福とつながりの深い阿須賀神社が世界遺産に追加登録されたことを記念して昨年初めて実施。新宮市出身の空間デザイナー畑秀樹さんの演出で、発光ダイオード(LED)の照明器具を使用している。
楼門は普段からライトアップされているが、この時季限定で時間とともに色が変化するよう設定。時間は午後5時30分から9時まで。
同公園の昨年度の来園者は3万802人。設置した市商工観光課は「クリスマスムードを盛り上げるとともに年末年始に増える観光客や帰省客に喜んでもらえれば」と話している。
(2017年12月13日付紙面より)
県高校空手道新人大会兼近畿大会予選
「那智瀧図」読み解く講演会 (那智勝浦町 )
熊野那智大社創建1700年・那智山青岸渡寺西国三十三所草創1300年を記念し熊野三山協議会は9日、那智勝浦町体育文化会館で歴史講座を開いた。奈良国立博物館学芸部工芸考古室長の清水健さんが国宝「那智瀧図」=東京都・根津美術館所蔵=に隠された宗教的な意味を解き明かした。
講演会は協議会理事で熊野那智大社の男成洋三宮司、那智山青岸渡寺の高木亮英副住職らも聴講。男成宮司は「記念の年の最後の行事となる。興味深い講演の開催がありがたい」とあいさつした。
「那智瀧図」は鎌倉時代(13世紀)の作で縦160・7㌢、横58・8㌢。滝をクローズアップし、写実的に一見、風景画のように那智の滝が描かれている。世界にも類がない、神秘性を感じさせる名画でフランスの作家で政治家のアンドレ・マルローが魅了されたというエピソードが知られている。熊野御幸をした亀山院(1249~1305年)が発願者となり、僧侶で仏教画を描いた絵仏師と呼ばれる画家、快智(かいち)の作とされている。
清水さんは図の細部をスクリーンで拡大しながら、そこに込められた意味を解き明かしていった。滝の上部に実際にはこの位置には見られない太陽か月の天体が描かれており、岩場には修験者が修行の際に残す札「碑伝(ひで)」があり、滝の岩肌には金色が使われている。天体は宗教的な意味があり、中世では聖なる空間を描く時は金色を使う。技法も特殊で、伝統的な大和絵の技法と中国から入った当時は最新の水墨画の技法も使われている。
清水さんは「この絵は、風景と信仰、神と仏、和と漢の世界で揺れ動く存在といえる」と語り、「平安京の人からは、熊野はかなたにある浄土で信仰心をくすぐられる場所だった。那智の滝に千手観音が現れると認識されていた。神仏習合の信仰と相まって滝のかなたに観音浄土が見えてくる」と解説。「風景を描いたように見えるが、ご神体を描いた一種の宮曼荼羅(まんだら)なのではないだろうか。中世日本の思想を端的に表す、シンプルだが多層的な絵である」と述べた。
(2017年12月12日付紙面より)
新宮紀宝道路に住民の会が会見 (紀宝町 )
新宮市と紀宝町をつなぐ国道42号新宮紀宝道路(2・4㌔)を巡り、同町鵜殿の住民グループ「新宮紀宝道路の路線変更を求める会」が6日、熊野市役所で会見を開き、ルートの変更を訴えた。
同道路は紀伊半島を一周する近畿自動車道紀勢線の一部で、同町神内から新宮市あけぼのを結ぶ。2013年に総事業費約210億円で年事業化された。途中、鵜殿地区の住宅密集地を通過するため、環境悪化などで反対する住民らは15年に会を発足させ、ルート変更の要望を続けている。
求める会は住民16人。会見にはうち7人が出席した。同会共同代表の佐藤守彦さん(81)は、ルート設定の経緯が明らかにされておらず「町長は平成26年7月にルートを国交省から知らされるまで知らなかったと言うが、25年4月22日に近畿地方整備局で開かれた会議に、国交省事業評価部会委員として出席している」と指摘し、不信感を訴えた。
町によると、買収予定用地は250筆。移転先となる町有地の宅地造成も進め、県を中心とした推進プロジェクトチームも今年4月に発足。買収交渉を続け、35筆(11月20日現在)が契約済みという。同整備局紀南河川国道事務所は23日(土・祝)、新宮市で起工式を開催するが、会では路線変更要望の継続を表明した。
(2017年12月12日付紙面より)
串本海中公園水族館でクリスマス企画
串本海中公園水族館で10日、クリスマスイベント「水中サンタの水槽お掃除」があり、水槽内に登場したサンタクロースが居合わせた入館者の注目を集めた。
同館Aゾーンにある串本の海大水槽の窓面のコケ落とし作業をサンタクロースの衣装を着て行う趣向。この日は正午から作業が始まり、衣装を着たスタッフが同水槽に入りアクリル板や軍手で窓面を掃除。入館者が気付いて近づくと作業を中断し、ジェスチャーでコミュニケーションし記念撮影に応えるなどした。
同館はこの日と17日(日)をイベント期日とし、併せて23日(土・祝)、24日(日)、25日(月)の3日間はイベント「水中サンタとじゃんけん大会」(正午から30分間実施、挑戦無料でサンタに勝てばプレゼントがもらえる)を事前告知している。時間はいずれも30分程度となっている。
イベントと並ぶ企画として定着している「クリスマス水槽」も、同ゾーントピックス水槽で9日から始まった。今年はギフトボックスやおもちゃ、貝とサンゴで作った雪だるまなどを装飾し、▽ソラスズメダイ▽オヤブッチャ▽ハタタテダイ▽ホウライヒメジ▽ネッタイフサカサゴ▽ニジギンポ―などの小魚類を飼育中。「串本の海のにぎやかなクリスマス」をコンセプトにして、25日まで展示する。
野村恵一館長は「これら趣向もすっかり恒例になり、かれこれ10年ほどになってくる。今年は大会中日が清掃日にあたるので、大会後に時間の許す限り水中サンタには掃除も行う。クリスマス企画の次はいよいよ、館内Bゾーンで企画展『アーケロンプロジェクト』を始める。実物大(全長全幅とも約4・5㍍)の木製彫刻に加え各種紹介パネルの準備も着々と進んでいる。来年1月1日(月・祝)から始まるので、皆さまにはぜひ期待してご覧いただきたい」と話した。
(2017年12月12日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で11日、「すす払い式」があった。3人の神職が長さ約5㍍の青竹を使って各殿にたまった1年間のほこりを落とし、新年に備えた。
1年間のけがれに「さってもらう」という意味で毎年、師走の初申の日に営んでいる神事。来年の五穀豊穣(ごこくほうじょう)も祈っている。
新年に向け、同大社では15日(金)に来年のえと「戌(いぬ)」の色紙謹製、27日(水)に「来年の一文字揮毫(きごう)」、31日(日)に「大晦大祓式(おおつごもりのおおはらいしき)」などを控えている。
井口繁明・権禰宜(ごんねぎ)は「これから年末年始に向け、いろいろと忙しくなってきますが、良い新年が迎えられるよう準備を進めていきたい」と話した。
(2017年12月12日付紙面より)
第11回新宮ジュニアレスリング大会
水門、ポンプ操作で国と県が説明 (新宮市 )
国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所と和歌山県は8日、新宮市役所で10月22日に新宮市を襲った台風21号時の市田川と浮島川の水門とポンプ操作について議員に説明。水野浩次所長はポンプのトラブルや水門操作による被害への影響は今後検証していくとしながらも「重く受け止めている」と述べ、来年明けにも市田川減災対策協議会(仮称)を立ち上げ、検証を含め今後の対策を検討していくと説明した。
国交省が管理する市田川水門と排水機場(同市あけぼの)は台風時、4基あるポンプのうち1基が不具合により3時間停止。冠雅之副所長は、正常に作動していた場合の最高水位は、あけぼの内水位観測所は変化なし、下田水位観測所は6㍉低下だったと説明。水門を全開していた場合の最高水位はあけぼので2・3㌢、下田で2・5㌢低下していたとするシミュレーション結果を示した。
冠副所長は、ポンプは台風前に異常はなかったが、台風時に川の流れが早かったため保護機能が働き、3時間強制停止したと説明。「施設を改良していきたい」と述べた。水門を全開にしなかった理由としては、熊野川の水位が急上昇し逆流する可能性があったため河床から1~2㍍にしていたと説明した。
水野所長は「シミュレーション結果では水位の差はないが、重く受け止めている。市、国、県で協議会を立ち上げ、抜本的な対策を含め検討していく」と理解を求めた。
浮島川排水機場(同市緑ヶ丘)を管理する和歌山県は、ポンプ2基のうち1基が運転途中に停止したと説明。原因はポンプ内の部品の破損か劣化、異物の混入が考えられるが現時点でははっきりとしていないと述べ、今後、ポンプを分解して調べるとともに次の出水期までには修理すると述べた。
前田賢一議員は、今回の被害は「人災」との声が被災者たちから上がっていると述べ、「肝心な時に動かないのでは意味がない。台風前に試運転しておくべきではなかったのか」と厳しく追及。県新宮建設部の大橋和也副部長は「今回の故障を見つけるのは難しかったと思う」。冠副所長は、試運転は流れのない水で実施しており、今回は流れがある中での不具合だったと理解を求めた。
上田勝之議員は「シミュレーションでは水害への影響は軽微。責任はないと思っているのか」と追及。冠副所長は「現段階ではあったともなかったとも言い切れない」。水野所長は「トラブルはあったが操作は適切だったと思っている」と述べた。
東原伸也議員は、ポンプ作動を早くしていれば被害は軽減できたのではと指摘。冠副所長は「逆流が始まっていない状況で作動させるのは難しい」と回答した。
東原議員は浮島川のポンプは点検4日後に台風が襲来していると点検方法を問題視。大橋副部長は「今後考えていくことになる」と述べた。
田花操議員はバイパスの設置、東原議員はポンプの増設を提案。水野所長は「協議会の中で話し合いたい」と回答した。
前田議員は市民への詳しい説明を要求。国と県は協議会での検討状況を知らせていくと回答。田岡実千年市長は、町内会への説明会を調整していると述べた。
(2017年12月10日付紙面より)
「体文イルミ」点灯式 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の冬の夜空を彩る第15回体育文化会館イルミネーション(同実行委員会主催)の点灯式が8日、同町立宇久井保育所(八木隆子所長)の園児らが参加して開かれた。1月11日(木)までの午後5時から同10時まで点灯。今月24日(日)、25日(月)は午前0時まで。
点灯式では実行委員会代表の那智勝浦町建設業組合理事長の上地秀和さんがあいさつ。園児2人が司会のカウントダウンに合わせてスイッチを入れた。
那智の滝や三重塔をモチーフにしたイルミネーションに明かりがともると、見学の保護者から歓声が上がった。園児たちは色とりどりの明かりをバックにクリスマスソングを歌ったり、ハンドベルを演奏したりして雰囲気を盛り上げた。今年は同町のイメージキャラクター「なっちー」が登場、「porocky・HAL・kids」によるダンスの披露もあり、華やかな点灯式となった。最後はサンタが登場し、歌や子どもたちにプレゼントを手渡した。
イルミネーションを設置しているのは▽勝浦ライオンズクラブ▽那智勝浦町観光協会▽勝浦手話サークル「ちゃお」▽那智勝浦町建設業組合▽那智勝浦町金融協会▽南紀勝浦温泉旅館組合▽那智勝浦町職員互助会・職員組合―の7団体。
(2017年12月10日付紙面より)
新宮市農林産物品評会
第68回新宮市農林産物品評会(同品評会実行委員会主催)が9日、同市徐福の蓬莱体育館であった。市内の生産者37人から野菜、果物、加工品など63種類300点の出品があり、小綱紀世子さん(89)=同市広角=の『高菜』が市長賞を受賞した。即売会には大勢の人が並び、開場と同時にほぼ売り切れた。
今年の品評会は昨年に比べ出品者が3人、出品数が9点少なかった。表彰式で同実行委員会の田阪一郎会長は「自然災害が多く心配していましたが、皆さんの努力でたくさんの出品があった」と感謝。来賓の田岡実千年市長は「災害や鳥獣被害がある中、素晴らしい農産物を生産していただいていることに感謝します」とあいさつした。
初山守・東牟婁振興局農業振興課長は「どれも甲乙付けがたい素晴らしいものばかりだった。この知識と技術を次の世代に引き継いでいってもらいたい」と講評した。
今回、会場では地元の農作物を販売する「ふるさと市場」を初めて同時開催。焼き芋の振る舞いもあった。
(2017年12月10日付紙面より)
旅客船の安全やテロ対策 (勝浦海事事務所 )
観光客や帰省客が増える年末年始に備え、国土交通省近畿運輸局勝浦海事事務所は7、8の両日、串本海上保安署と合同で管内5社の旅客船の安全やテロ対策などを点検した。事故の未然防止などを目的に船舶検査官らが浮輪などの救命設備や安全確保のための連絡体制をチェックした。
国交省が実施する「年末年始の輸送等安全総点検」(12月10日~1月10日)の一環。乗組員の健康状態や過労状態の把握、新型インフルエンザ対策、事故や災害時の連絡体制なども指導した。
新宮市熊野川町日足の熊野交通志古船舶営業所(堀芳生所長)には7日、長谷潤所長ら4人が訪れた。松下信男所長代理ら立ち会いの下、運航労務監理官らが安全速力での航行、避難誘導体制の徹底、不審者情報の通報徹底などを聞き取り調査。ウオータージェット船(全長約17㍍、11㌧)内に入り、マイクが正常に使用できるか、浮輪の位置、消火器の有効期限などを一つ一つ調べた。
点検終了後、長谷所長は「安全、安心が何よりも勝り重要。川は大雨や渇水などがあり、厳しい運航もあると思いますが、連携を密に取り、会社一丸となって安全運航に取り組んでください」と呼び掛けた。
ウオータージェット船の昨年1年間の乗客は約6万人。松下所長代理は「年末年始に入り、お客さまが増えると思いますので、安全第一で安心して利用していただけるよう努めていきたい」と話していた。
(2017年12月9日付紙面より)
文化複合施設丹鶴会が講演会 (新宮市 )
新宮市の文化複合施設丹鶴会は2日、同市の丹鶴体育館で「文化複合施設の必要性と遺跡との両立について」の講演会を開いた。講師は地域批評シリーズ『これでいいのか和歌山県~魔物が和歌山を分断する!?』の著者で、ルポライターの昼間たかしさんと、編集者・ライターの鈴木士郎さん。丹鶴連合会の榎本義清会長、丹鶴商店街振興組合の大井正臣理事長も登壇し、トークセッション形式で進行した。
昼間さんは大学で考古学を専攻し、遺跡の発掘調査に携わった経験がある。遺跡の保存や観光への活用価値について意見を求められると、「町の遺跡がまとまって見つかる例は少ないが、珍しいから保存するという方針には賛同できない」とし、希少性や話題性を求める風潮が過熱すればねつ造事件につながる恐れがあると話した。市民に提供されている情報の少なさも指摘し、「市民も一緒に発掘をすればいい。行政が手を抜いているのか、その金がないのか」と、価値判断や議論ができる状態ではないことに問題提起した。
鈴木さんは「遺跡を見たい人はそう多くないが、人や時代によって価値は違う。壊してしまうと未来に対する責任が取れない」とし、遺跡と組み合わせた形で文化複合施設を作るのが現実的との意見を示した。建設を進めるならば活動を市の全域まで広げる必要があり、「チャンスと捉えて『遺跡を生かした形で早く作ろう』という言い方もできる」と提案した。
観光面ではアピール力の弱さが指摘された。町の第一印象となる駅近辺の景観はとても重要で、鈴木さんは「林業でいくなら、町並みに木を使う。まずは張りぼてでもいい。ブランドイメージを見せる努力を」とアドバイス。観光には地元の人がきれいな町で活気のある暮らしをしていることが重要で、「新宮はかなりましな方です」とも語った。食べ物がおいしくサービスが良いことや、観光案内所できちんとおすすめスポットを紹介されたことなど、良い面も両者から挙げられた。
(2017年12月9日付紙面より)
第4回農山漁村の宝選定で (古座川ジビエ振興協議会 )
「第4回ディスカバー農山漁村(むら)の宝」の優良事例に選ばれた古座川ジビエ振興協議会の取り組み「厄介者を地域の宝に!マイナスからプラスへ」がこのほど、特別賞「ジビエグルメ賞」を受賞した。
この選定は、内閣官房と農林水産省が「強い農林水産業」「美しく活力ある農山漁村」の実現に向け、地域活性化や所得向上に取り組む優良事例を全国に発信し他地域への横展開を図る目的で年次実施。事例候補は自他薦問わず受け付け、一次審査で優良事例を選定し、その中から二次審査で全国9ブロックの最高評価事例からグランプリ、グランプリを除く事例から特別賞を選定している。
今回は全国から844件の応募があり、31件が優良事例に選ばれ10月24日に公表された。同協議会は自薦応募で優良事例に選ばれたが属する近畿ブロック管内での最高評価は得られず、特別賞のみ受賞の可能性を宿した状態で11月21日、首相官邸で開かれた優良事例選定証授与式に臨んだ。
二次審査の結果は式後の交流会内で発表され、今回はグランプリ1件と特別賞5件が選定された。特別賞は募集段階で選定のキーワードとなる政策テーマ(農泊、ジビエ、輸出、女性・高齢者・障害者の活躍、6次産業化)が発表されていて、同協議会の取り組みはジビエ関係の他優良事例2件との競合を経て「ジビエグルメ賞」を受賞。グランプリはジビエ関係ではない内容のため、全国から寄せられた今回のジビエ関係諸事例の頂点に輝く結果となった。
県内では選定が始まって以降、4年連続で計6件が優良事例に選定されている。東牟婁郡内では那智勝浦町の色川地域振興推進協議会に続き2件目。特別賞は第2回から導入され、県内では古座川町ジビエ振興協議会の取り組みが初となる。
(2017年12月9日付紙面より)
彩雲祭の収益金を寄付 (新宮高校 )
県立新宮高校の彩雲祭実行委員会(中本雄也委員長、30人)が7日、台風21号の被災者支援に役立ててほしいと食物バザーの収益金9万6535円を新宮市へ寄付した。中本委員長、脊古夏月副委員長、上田大貴副委員長(いずれも3年生)が市役所を訪れ、田岡実千年市長に直接手渡した。
彩雲祭とは同校の文化祭で9月に開催された。今年の食物バザーではポテト、かき氷などを販売。収益金は毎年、被災地などに寄付している。
田岡市長は「心から感謝申し上げます。なるべく早く被災者に届けさせてもらいます」。中本委員長は「今年が高校最後の年。生まれ育った新宮への感謝の気持ちです。台風21号の被害を聞いて心を痛めていましたので、このように恩返しできて良かったです」と話していた。
(2017年12月9日付紙面より)
市民スポ祭兼連盟社会人バレー大会
県なぎなた秋季大会・県高校選手権
ジョン・ケンドリック旗争奪少年野球大会
アユ産卵場でふ化数増 (高田川 )
熊野川漁業協同組合(屋敷善一組合長、会員約1300人)が新宮市相賀の高田川に設置していたアユ産卵場で1日、ふ化が確認された。西哲司副組合長(66)は「昨年より数は多い。どれだけ帰ってくるか楽しみです」と期待している。
高田川へのアユの遡上(そじょう)は年々減っていたが、6年前の紀伊半島大水害で川底が激変し、追い打ちをかけた。アユは生まれた川へ帰ってくる習性があることから、組合は昨年初めて同地に産卵場を設置した。
今年は11月5日、重機で川に幅約20㍍、長さ約250㍍の穴を掘り産卵場を設置。組合員たちが周囲に鉄の杭(くい)を打ち込み、アユを狙うカワウ対策として網で囲った。11月10日に卵を持ったメスとオスの成魚合わせて約5000匹を放流していた。
今年は大水害以来、中止している高田川との合流点付近の熊野川本流への産卵場設置も予定していたが、濁水のため断念。西副組合長によると、川の石に泥がついているとアユが産卵しても流されてしまうという。
同組合は新宮市、田辺市本宮町、北山村の住民らで組織。毎年、高田川、赤木川、篠尾川、大塔川、四村川など熊野川支流に稚アユを放流している。今年は合計約4・1㌧放流した。猪飼三雄理事(75)は「とにかく稚魚を狙うカワウの被害が大きい。来年はたくさん遡上して、釣り人たちに喜んでもらいたい」と話していた。
(2017年12月8日付紙面より)
観光協会がカレンダー販売
那智勝浦町観光協会(花井啓州会長)は2018年オリジナル観光カレンダーを作成した。表紙を含め7枚つづり。一般公募した写真で作った。表紙は那智山の夜空を撮影した写真で、那智山青岸渡寺西国三十三所草創1300年の文字を入れている。
公募した写真でのカレンダー製作は昨年に続いて2回目。今回は全国から84点の応募があった。那智湾の日の出、熊野古道大門坂、勝浦漁港に水揚げされたマグロなどの美しい写真が採用された。観光協会では「那智勝浦を代表する魅力ある作品ばかりです。ぜひご利用を」と呼び掛けている。
1000部を発行し、一般販売の他、会員や取引のある旅行業者に配布する予定。1部税込み500円。希望者には郵送でも受け付ける。郵送の場合の送料は2部までは300円、それ以上は着払いとなる。問い合わせ、購入は那智勝浦町築地6の1の1、町観光協会(電話0735・52・5311)まで。
(2017年12月8日付紙面より)
明神小中合同学習発表会 (古座川町 )
古座川町立明神小学校(速水直樹校長、児童18人)と同町立明神中学校(中島良範校長、生徒14人)は2日、明神中体育館で合同学習発表会を開き、学業成果を家族らに公開した。
3年前まで小中それぞれに学習発表の機会を計画していたが、昨今の少子化に伴う児童生徒数減少を受け一昨年から合同で計画するようになった。3年目となる今回も児童は低・中・高学年別に舞台芸術(演劇)を練習し、生徒は学年ごとに体験学習の成果を取りまとめ。加えて児童生徒それぞれに音楽発表も準備して本番を迎えた。
明神小6年の岩本優史君がはじめのあいさつを述べ、明神小は▽1・2年生音読劇「お手紙」▽3・4年生劇「三年とうげ」▽5・6年生影絵劇「やまなし」、明神中は▽1年生「海について」▽2年生「職場体験を通して」▽3年生「修学旅行・福祉体験」―といったテーマで発表。続く入賞作品発表では、明神中2年の大西ひなたさんが英語スピーチ「My Dream」を披露した。
終盤は児童と生徒がそれぞれ一丸で合唱や合奏を発表。生徒はさらに「TOMO JAZZ DANCE STUDIO」の指導を受けて磨きをかけた創作ダンスを披露し、明神中2年の栗林享志君がおわりのあいさつを述べた。
会場の後方には美術や図画工作、家庭や技術などの学業作品も展示。両校を代表して中島校長は、各発表を振り返って良かったところや頑張りをたたえ「小学生、中学生ともよく頑張ったし、発表を通じて一段と大きく成長したと思う。年少は年長の姿を目標にし、年長は年少だった頃を振り返って今の自分を知る。そのような発表会をこれからも目指したい」と述べて締めくくった。
(2017年12月8日付紙面より)
パンダハウスで職員ら
新宮市三輪崎の子育てクラブ「パンダハウス」(髙由香代表)で6日、不審者対応訓練があった。刃物を持った男が侵入してきたとの想定で職員たちが刺股で取り押さえた。
今年3月31日、大分県の認定こども園に刃物を持った男が侵入し、児童や職員が負傷した事件を受け、初めて実施。子どもたちが見学する中、新宮警察署生活安全刑事課の大井敬悟警部補ら署員3人が職員たちに刺股を有効に使うコツなどを指導した。
平成13年に開設され今年16年目の放課後児童クラブ。職員は4人で、小学生46人が登録している。髙代表は「これまで不審者が入ってきたことはありませんが、地域では不審者の目撃情報はあるので、万が一に備えて訓練していきたい」と話していた。
(2017年12月8日付紙面より)
串本町文化センターで5日、町立5中学校合同行事「第21回中学校音楽会」があり、生徒263人一丸の歌声を本州最南端の町に響かせた。
この行事は同町教育研究会(山本隆介会長)と同会音楽部会が主催。日頃の練習の成果を主体的に発揮するとともに、互いの発表の鑑賞を通して音楽に対する意識や鑑賞マナー、仲間との向上心を培う目的で年一回開いている。近年は町立5中学校の生徒が一同に集まる唯一の行事として、学校間の交流も強く意識されている。
席数の都合で前年度まで唯一参加できていなかった串本中1年生も、生徒数減に伴う空席増により本年度から来場。実施21年目にしてようやく当代生徒全員参加が実現する状況の中、本番を迎えた。
開会にあたり潮﨑伸彦教育長は「リズム感のある音楽を聴くと体が自然に動き出し、また時には涙があふれ出ることもある。音楽は私たちの日常生活に欠かせない不思議な力を持っている。本日は一生懸命練習してきた成果を発表するまたとない機会。楽しく思い出に残る音楽会にしてほしい」と期待を込めてあいさつ。潮岬中吹奏楽部の演奏で開演を飾り、以降は▽大島中▽串本中2年生▽西向中▽潮岬中▽串本西中▽串本中3年生―と順次舞台に上がり、各2曲を披露した。串本中3年生は最高学年のみで結成したユニットの威信をかけ、力強さとハーモニーが両立した歌声を披露。その勢いに乗って最後は串本中1年生41人や教職員54人、鑑賞する家族らを含めた全員で曲「翼をください」を歌い、音楽で一丸になることの充実感を分かち合った。
すべての発表を終え、岡田正伸副会長は40数年前の中学時代を振り返り「この時に自分が歌った曲は今でもソラで歌えるし、全員で歌った『翼をください』もしっかり覚えている。一生、自分の心の中に流れ続けるものだ」と実感している歌の不思議な力を紹介。
「君たちが今、みんなで歌った曲もやはり心の中で流れ続ける。これからの人生の中でつらい時にはみんなで歌った今日を思い出してほしい。その時の自分に勇気を与えるような応援歌にしてほしい」と呼び掛け、互いの発表を通してさらなる向上の糸口を見つけ、切磋琢磨(せっさたくま)して来年はもっといい音楽祭を目指すよう期待して締めくくった。
(2017年12月7日付紙面より)
シルバーリーダーとの意見交換会 (新宮警察署 )
新宮警察署(谷本克也署長)は5日、9月に委嘱した那智勝浦町在住のシルバーリーダーとの意見交換会を開いた。県交通安全指導員協議会の清岡幸子会長や、JAみくまの、交通安全協会新宮支部、那智勝浦町から担当職員らも出席した。
谷本署長は11月末現在の同署管内の交通事故発生件数や事故に高齢者が占める割合などを報告。「それに対応してやっている。すぐに目に見える成果が現れるのは難しいかも知れませんが、長い目で見て」と呼び掛け、「これからも皆さまにご活躍、ご支援していただけたらと思いますのでよろしくお願いします」とあいさつした。
岡本光泰交通課長は「12月に入り、すでに5件の人身事故が発生。なんとか100件を切りたい」と話し、2件の高齢者が関わった事故を挙げ、原因や対策を説明。今月3日に市内で脳梗塞の持病を持つ人の運転する車がガードレールを跳び越えた事故も取り上げ「持病を抱えて運転している人も多いので、そのような人のサポートもしていければ」と話した。
出席したシルバーリーダーからは、黒系の服を着ている人が多く、反射材を配り使用を呼び掛けていることや、交通事故発生時やパトカーでの巡回などに対する意見も出された。
同署からは、署で「反射材強化運動」として、通勤時や在宅時などに反射材を使用し、その効果を地域に広める取り組みを実施していることが報告され、「小さな集会でも連絡をいただければ、会場にうかがいお話ししますので、連絡いただければ」と呼び掛けられた。
(2017年12月7日付紙面より)
川上邦子舞踊研究所(川上邦子代表)=那智勝浦町=主催の「第38回太陽に踊る」が3日、JR熊野市駅隣の熊野市文化交流センターで催された。研究所で創作ダンスを学ぶ生徒たちが今年の練習成果を発表する場であり、美を体現するステージに満員の会場から大きな拍手が送られた。
第1部は「熊野に生きる…祈りの道」。川上さんが振り付けし、熊野那智大社創建1700年・那智山青岸渡寺草創1300年を祝って那智の滝前でも奉納した40分の作品で、熊野の神々に包まれる世界を表現した。
第2部は小中学生から成人までが登場し、ソロや集団でのダンス15曲を披露。見終えた客席から「ありがとう」、「素晴らしくて泣ける」など感激の声が聞かれ、観客が生徒と抱き合う姿も見られた。
発表会には約200人が詰め掛け、通路もいっぱいになる盛況。かつて研究所で学んだ元生徒7人も応援出演して盛り上げた。姉妹で出演した渡瀬月乃さん(那智勝浦町立下里中1年)と百萌さん(同下里小3年)は「緊張したけど、楽しかった」と述べ、ほっとした表情を浮かべた。川上さんも「今日の成功は生徒の頑張りとOBのおかげ。初めて見た人や高齢者の人から、元気をもらったと言ってもらえたのがうれしい」と喜びを語った。
会場入り口には募金箱が置かれ、次々に浄財が寄せられた。募金は後日、熊野市福祉事務所に託された。
(2017年12月7日付紙面より)
「光の祭典in紀宝」スタート
「光の祭典in紀宝」が1日、紀宝町の田代公園・ふるさと資料館前で始まった。主催は実行委員会(古屋敷良会長)。約20万球のイルミネーションが暗い夜空を色鮮やかに彩った。
点灯式は午後6時に開かれた。居合わせた親子連れや実行委員たち約30人のカウントダウンでおなじみの高さ20㍍の巨大ツリーが鮮やかに浮かび上がり、夜空にシャボン玉が舞うと、待ち構えた人たちから拍手や「きれい」と感嘆の声が上がった。
今年は大きな目玉が特徴の「ミニオン」が初登場。古屋敷会長は「準備のメンバーもだんだんと高齢化してきたが、反面、リニューアルを繰り返してデザインは良くなってきた。新しいイルミも増えた」と述べ、多くの来場者を期待した。
光の祭典は今年で16回目。冬の風物詩として人気が高い。点灯期間は、来年1月5日(金)までの午後6時から10時。大みそかの31日(日)と元旦はオールナイトで点灯する。23日(土・祝)午後5時から8時15分までは、イルミの下で集うイベント「第14回キラフェス」も開催する。子どもたちへのプレゼントやステージショーが繰り広げられる催しで、毎回大勢の人でにぎわう。雨天は翌24日(日)に順延する。
(2017年12月7日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部12月度月例杯
新宮GG同好会潮岬遠征大会
東牟婁地方スポ少交流野球大会
県少年サッカーリーグ東西対抗戦
地元と健康にこだわり開発 (新宮港埠頭 )
新宮市三輪崎の新宮港埠頭株式会社食品部(シングウポートフーズ)はこのほど、地元にこだわった食材で作ったブリ商品を開発した=写真。今月9日(土)午前10時から正午まで、港内の株式会社食縁本社工場前で初めて地元販売する。
近畿大学技術の養殖プレミアムブリ「におわないブリ」を使用した商品。168時間かけて製造している薫製は、生ハム風と照り焼き風の2種類。切り身はプレーン、照り焼き、みそ漬け、酒かす漬けの4種類。刺身用ブロック、しゃぶしゃぶ用などもある。
安全、安心をモットーに、いずれの商品も化学調味料や食品添加物を一切使用しておらず、しょうゆは新宮醤油、酒かすは尾﨑酒造など、地元産を使用している。
同社は1978(昭和53)年9月30日に設立された新宮市の第三セクター。これまで新宮港を中心とした港湾運送、船舶代理店、貨物運送を主たる事業としてきたが、日本の「食」の多様性に注目し、食品部を設置。稚魚生産から加工販売までの「なまず養殖事業」もスタートしていて、来年の夏ごろの販売開始を予定している。
小池けん二社長は「私のモットーは、常に先を見据え新しい視点を持つこと。人口減少・少子高齢化の波がこの地方でも大きな社会問題となり、産業の衰退は地方都市の活力を疲弊させています。この地域の新たな活力と産業の振興を図り、雇用の場を作ることが必要。地域の特産を目指した事業を興し、全国展開を図りながら、さらに地域社会に貢献する会社を育てたいと考えています」と話している。
(2017年12月6日付紙面より)
※ 小池けん二社長の「けん」は、「濕」のさんずいを取り除いた字
新宮税務署が説明・相談会 (新宮市 )
新宮税務署は4日、新宮市の新宮商工会議所で「雑損控除等説明会」を開いた。台風21号などで被害を受けた人を対象とする説明会で、同市などで多くの被害があったことから開催した。被災した場合の所得税の減免制度や、住宅や家財の損失額の計算方法などについて説明した。
災害などで住宅や家財に被害があった場合、雑損控除か災害減免法によって所得税の軽減免除を受けられる場合がある。どちらか有利な方を選ぶことができ、確定申告の際に必要書類を添付して申請する。インターネットで申告書が作成できる国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」を使う際にも、被害のあった家財などの損失額を入力することで、条件に合わせて雑損控除か災害減免法の有利な方を選択できる。
説明会では全般的な説明の他に、個別相談の時間も設けられ、申告会場に持参できる損失額計算個票の用紙も配られた。確定申告の期間は2月16日(金)からとなるが、同署では被災者を対象に事前対応も予定している。
担当の同署個人課税部門の統括国税調査官・山田耕士さんは、「申告の時期には混雑も予想されます。まずは説明会にお越しください」と話した。
この説明会・個別相談会は今後、5日と7日(木)に同所で、14日(木)に那智勝浦町築地の南紀くろしお商工会で開かれる予定。時間は説明会が午後1時30分~2時30分、個別相談会が午後2時30分~5時。夜間の説明会が午後6時~7時。
(2017年12月6日付紙面より)
来年、創建2050年を迎える田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の式年大祭を盛り上げようと組織された「熊野本宮大社御創建二千五十年奉祝式年大祭推進協議会」(榎本長治会長)は2日、大社瑞鳳殿で総会を開き、来年の主なイベントの事業計画案などを承認した。
協議会は今年9月に組織。熊野本宮観光協会、田辺市熊野ツリーズムビューローなどさまざまな団体、企業など30を超える団体で組織。奉祝期間を誘客の絶好の機会として捉え、さまざまなイベントを展開し、熊野の魅力を発信しようと事業に取り組んでいる。
本宮大社の例大祭は例年4月13日から15日に行われているが、来年は11日(水)から15日(日)までを日程として奉祝式年大祭として営む。期間中には歌手の山川豊さんや水森かおりさんらの歌唱奉納などがある。
例年8月に行われる「八咫(やた)の火祭り」は10月13日(土)に日程を変更し、式年大祭とは別に公募した稚児による湯登神事を行う。
3月には博物学者、小説家の荒俣宏さん、5月には演出家の宮本亜門さん、秋には作詩家の及川眠子さんの講演を計画。宝物殿の特別拝観なども予定している。
協議会では大祭記念ロゴを製作し、ピンバッジやのぼり、記念ポロシャツの製作も進めており、さまざまなPR活動を展開していく。
総会で協議会顧問の九鬼宮司は「地元の高校生も祭りに参加したいという声もあり、うれしい。皆さんと新たな祭りができればと考えている。何かが生まれてくると確信している」とあいさつ。榎本会長は「2050年のお祝いだけでなく、熊野の良さを発信する大きな機会と捉え、地域の観光振興につなげられたらと思う」と話し、「参加していただける団体、企業を募集している。本宮大社へ問い合わせてほしい。いろいろな方々に参加してもらい、一緒に盛り上げていきたい」と呼び掛けた。
(2017年12月6日付紙面より)
町長らに感謝届け親交深める (串本町 )
駐日トルコ共和国大使館のハサン・ムラット・メルジャン特命全権大使(58)一行が4日、串本町の田嶋勝正町長や同町立大島小学校(山本隆介校長、児童36人)を表敬訪問し、トルコ軍艦エルトゥールル号殉難将士慰霊碑に献花するなどした。
メルジャン大使は先月17日に着任した新任の特命全権大使。今回の訪問は公務に就くにあたって慣例になっているあいさつ回りを兼ねた視察の一環で、インジ・メルジャン夫人と通訳者としてボアチ・ウリケル専門官を連れ3人で来町した。
南紀白浜空港で役場総務課職員と合流し、公用車で同町入り。役場本庁で表敬を受けた田嶋町長は「町民を代表して歓迎する。エ号の遭難は悲しい事故だったが、当時の救難活動が今の日本とトルコの友好を築いた柱と言ってもらえることを私たちはうれしく、誇りに思っている。今も清掃や献花をしながら587人の殉難将士をお守りしているので安心してほしい。これからいいお付き合いをさせていただきたい」と述べ、メルジャン大使は「何よりもまず将士を大切にしてくれていることに感謝する。われわれも祖先への思いを胸に友好を作る努力をし、町長ともよい機会を作りたい」と応えた。
「次の来町時には町長と一緒にダイビングに挑戦したい」など後の懇談も弾む中、田嶋町長は歓迎の一端で記念楯や日本トルコ友好マスコットキャラクター「まぐトル」のぬいぐるみ、町独自の友好のあかしとしている同碑レリーフをかたどったピンバッジなどを贈って親交を深めた。
同町立大島小学校では、山本校長と6年生の造隼瑠菜さんがあいさつし、6年生の伊勢谷連さんと中西基樹君が花束を贈って来校を歓迎。一同で同碑とともに受け継がれる追悼歌を披露した。
メルジャン大使は「皆さんや役場の方々が両国の国旗を振って迎えてくれたことが、串本に来て何より感動していることだ」と歓喜。同碑の清掃などを通して殉難将士を大切に守ってくれている児童を『もっとも美しい花で飾られたような友好の架け橋』とたたえて感謝し、交流の記念にと文具を贈るなどした。
表敬後は樫野崎を訪ね、田嶋町長夫妻や樫野区の岩谷知道区長の代理で高山カヤ子さんとともに同碑に献花。メルジャン大使夫妻は樫野崎園地にある建国の父・アタテュルク像への献花を来町にあたって希望したそうで、同町も応えて段取りし実現した。併せて樫野埼灯台やトルコ記念館、遭難地点とされる岩礁(通称・船甲羅)を視察し現地説明を受けるなどした。
夜は田嶋町長主催の歓迎夕食会に出席。町内に宿泊し翌5日に串本海中公園センターを視察するなどして同大使館がある東京へ戻った。
(2017年12月6日付紙面より)
高さ50㍍、電飾2万球 (熊野川町 )
紀伊半島大水害の復旧工事で伐採した熊野杉を使用した高さ約50㍍の巨大ツリーが3日、新宮市熊野川町上長井の小口自然の家広場に設置された。約2万球の電飾を取り付けていて、10日(日)から来年1月15日(月)まで点灯させる。時間は午後5時から9時まで。
巨大ツリーは水害の犠牲者の冥福を祈るとともに復興の支援者への感謝を込めて小口文化振興会議が設置していて、今年4年目になる。これまでイベントで使用してきた高さ約28㍍の杉に、那智勝浦町川関の那智川沿いの復旧工事で伐採した杉2本を鉄板でつなぎ合わせている。木には「繋(つな)がる絆で笑顔あふれる元気な町」「姿形は見えなくても心は共にあります」などのメッセージが書き込まれている。
水害で友人を亡くした小口地区出身の中川悟さん(58)が発案し、那智谷大水害遺族会の岩渕三千生さん(56)が協力。会員ら約20人がクレーンやロープを使って1日で飾り付けた。
同会議は23日(土・祝)、同地で「第27回小口おもしろプレイランド」を開催する予定。事務局の丸石輝三さん(60)は「おそらく木製のツリーでは日本一の高さだと思います。たくさんの人に見に来てもらいたいです」と話していた。
(2017年12月5日付紙面より)
「紀伊半島」が訪れたい地域世界5位
オーストラリアの世界的旅行ガイドブック「ロンリープラネット」で2018年に訪れたい旅行先の5位に「紀伊半島」が選ばれた。那智勝浦町からは国内で唯一、那智の滝と三重塔、「あげいん熊野詣」の画像が紹介されており、同町観光協会でも喜びの声が上がっている。
世界で訪れるべき上位10の国・地域・都市をロンリープラネットのスタッフらが選ぶ「Best in Travel2018」の地域編で5位に入った。県観光交流課によると熊野三山や高野山をはじめ、自然景観・温泉・伝統文化といった都市部にはない和歌山の観光地としての魅力が評価につながったという。
1位はイギリス・北アイルランドのジャイアンツコーズウェー、2位はアメリカ・アラスカ州、3位はスロベニアのジュリア・アルプス、4位はフランスのラングドック・ルシヨン地方。
ロンリープラネットのURLはhttps://www.lonelyplanet.com/best-in-travel/regions
(2017年12月5日付紙面より)
木葉神社「祢んねこ祭り」 (串本町 )
串本町田原にある木葉神社(井谷正守宮司)の例祭「祢(ね)んねこ祭り」が3日に本祭を迎え、朝日遥拝行列や子守り神事など他に類を見ない奉仕の数々が氏子らの拝観を集めた。
神功皇后養育の故事にあやかり、子安の宮として信仰を集める同神社。祭員確保の都合、例祭日は12月第1日曜日とされ、奉仕する田原区(西脇正吾区長)は今年も諸役を定めて礼を尽くした。
午前7時に始まった朝日遥拝行列はご飯持ちみこ・垣下結菜さん(10)を先頭とし最後列で田原獅子保存会(井本悟会長)の連中が笛や太鼓ではやす中、井谷宮司(63)が振り鳴らす鈴一振りにつき一歩ずつ進行。約1時間をかけ約40㍍先にある遥拝所を目指した。
遥拝所で井谷宮司が「遙(はる)かに東天を拝み奉る」と祭文をささげ一同で朝日を遥拝した後は、本殿前で大前の儀に臨んだ。神官の石田保・古座神社宮司が古式の修祓(しゅうばつ)「湯立ての儀」を営んで身を清めた後、子どもみこの荒木野乃子さん(9)と姉の奈菜子さん(18)が神楽「浦安の舞」を奉納。玉串をささげて主祭神への礼を尽くした。
拝殿でお弓の儀を営んだ井谷宮司が童児・北田るきあ君(8)とみかん問答をし、大幣差しの山路和彦さん(54)と御幣差しの宮本綾乃さん(17)、関戸健二さん(49)、佐野圭志さん(46)、荒木琥太郎君(10)、西脇大貴君(9)、そして北田君がござや枕、乳房をかたどった寝具を担ぎ「ねんねこねんねこおろろんよ」と唱えながら子守りの所作を奉納。拝観者から入る野次が場を盛り上げる中、子どもみこ2人が神楽「浦安の舞」を再度ささげ、拝観者に縁起物の稲穂を授与するなどした。
今年は拝殿での神事後に餅まきを実施。小休憩を経て境内に座を設けた田原獅子保存会が獅子係・畑野和彦さんの主導で継承する舞7種類を奉納した。若干雲が流れたものの、初冬の冷え込みもごく緩い好天に恵まれる中で例祭を納める形となった。
(2017年12月5日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で4日、迎春準備が始まり、神門の大しめ縄と大絵馬が掛け替えられた。作業を見守った九鬼宮司(61)は「来年の御創建2050年にふさわしい美しいしめ縄を奉納していただき、身の引き締まる思い。来年も多くの方に熊野にお越しいただくことを祈っています」と話した。
大しめ縄は紀宝町成川の榎本政子さん(84)が家族らと約1カ月かけ毎年編んでいる。コシヒカリのワラ約1200束を使っていて、長さ4・5㍍、縦約80㌢、重さ約250㌔。両脇には八咫烏(やたがらす)の形をしたしめ縄を飾っている。
榎本さんが本宮大社の大しめ縄を作り出して今年で34年目。「いいしめ縄ができました。全体の形のバランスを取るのが一番難しいです。体力の続く限りは作り続けていきたいと思っています」と話していた。
来年のえと「戌(いぬ)」の大絵馬(縦90㌢、横182㌢)は九鬼宮司が自ら筆書きで作成したもので、「八咫烏」の模様が入った化粧まわしを付けた白い紀州犬を描き、「悠久」の文字を書き添えている。
(2017年12月5日付紙面より)
準決勝、決勝は17日に実施
来年の大絵馬に掛け替え (速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で1日から迎春準備が始まり、拝殿の「酉(とり)」の大絵馬が来年のえと「戌(いぬ)」の大絵馬に掛け替えられた。
来年の大絵馬はヒノキ製で、大きさは縦1・5㍍、横2・1㍍。毅然(きぜん)とした白い父犬が、無邪気な子犬たちを守っている姿が描かれている。父犬の首には、同大社のご神木で平和の象徴であるナギの葉をあしらったしめ縄が巻かれている。
上野宮司が「子どもを守り、しっかりと育ててもらいたい」との願いを込め自ら描いた絵馬。子どもが巻き込まれる事件が数多く報道されていることを受け、「清い心を持って、愛と徳を子どもたちに授けてほしいと」いう思いを込め『浄心愛徳』の文字が書き添えられている。
神職たちによる掛け替え作業を見守った上野潤権宮司は「来年は戌年。犬のように、地に足を付け、我慢強く、ぶれずに一歩一歩進んで行ける年になることを願います」と話していた。
同大社はこの日、JR新宮駅に小絵馬(縦75㌢、横110㌢)を授与した。神事ではらい清めた後、上野権宮司が片山好司副駅長に手渡した。小絵馬には3匹の子犬を守る白い母犬が描かれている。
新宮駅改札付近の駅ホームには2日から、速玉、本宮、那智の熊野三山の小絵馬が並んでいる。
(2017年12月3日付紙面より)
宇久井ビジターセンター (那智勝浦町 )
那智勝浦町の吉野熊野国立公園宇久井ビジターセンターが1日、来館者数10万人を突破し、セレモニーを行った。
環境省が設置し、2006(平成18)年7月9日に開館。同町と共同で運営し、宇久井半島の動植物や地形・地質に関する情報発信、宇久井海と森の自然塾運営協議会(玉置之一会長)による体験メニューの提供などを行っている。
10万人目となったのは神戸市北区の河端英孝さん(67)。妻の洋子さん(64)と二人で来館した。入り口でくす玉を割り、記念の盾や地元の特産品などの記念品を贈呈された。盾は同塾が手作りし、記念品は同町、同センター、町観光協会、南紀くろしお商工会、河端さんが宿泊した南紀勝浦休暇村が用意した。
英孝さんは「ふらっと観光で訪れた場所で、こんな歓迎を受けるとは夢にも思っていませんでした」と喜びを表現。洋子さんは同センターについて、「リース作りが好きなので、自然教室で教えてもらえるのはとてもいいと思う」と話した。
同省熊野自然保護官事務所の首席保護官・刈部博文さん(39)は「この自然に魅力を感じてくださるお一人お一人のおかげです」と感謝のあいさつをし、職員や同塾の会員らが見守った。
(2017年12月3日付紙面より)
JR新宮駅前の花壇
新宮市徐福のJR新宮駅前花壇で1日から、イルミネーションの点灯が始まった=写真。点灯時間は午後5時から深夜0時まで、期間は来月中旬まで。
同花壇を管理するボランティア団体「はなはなきっさこ」(上廣正幸会長、会員7人)の会員らが約20日間かけて設置した。メリーゴーラウンドをイメージした飾りで、現在、花壇にはスイートアリッサムの花が咲いている。
上廣会長は「観光客やお正月に帰省する人たちを花とイルミネーションで歓迎するとともに市民の心の和みに少しでもお役に立てば」。
会員の向井美江さんは「新宮ロータリークラブさんの協力で、紀伊半島大水害の翌年2012年から毎年設置しています。一人でも多くの皆さまに見ていただきたい」と話していた。
(2017年12月3日付紙面より)
新宮JC杯中学新人サッカー大会
古座町体バド競技を懐かしむ会
仙人風呂がオープン (川湯温泉 )
田辺市本宮町の川湯温泉、大塔川河原で1日、露天風呂「仙人風呂」がオープンした。地元園児たちが一番風呂に入り、大自然の恵みを満喫した。入浴は無料で、利用時間は午前6時30分から午後10時まで。設置期間は来年2月末まで。
冬の風物詩になっている仙人風呂は1985年から毎年設置されている。熊野川の支流大塔川の一部をせき止めて横幅約42㍍、奥行き約13㍍、深さ約60㌢の浴場を造成。川底から湧き出る温泉は約73度で、川の水を引き入れて40度前後に調整している。名前の由来は、川湯温泉が昔、仙人のお告げで発見されたという言い伝えがあることと千人が入れるぐらいの大きさがあること。
アルカリ性単純温泉で、神経痛や筋肉痛に効果がある。約40台分の無料駐車場や男女別の簡易更衣室を設置。シャンプーや石けんの使用は不可で、水着やタオルなどを着用して入浴する。
今シーズンの安全と温泉街の繁栄を願う開湯式では、祐川寺の丹羽達宗住職による読経の後、主催の小淵誠・仙人風呂実行委員会委員長と堀克也・熊野本宮観光協会長ら関係者が湯にお神酒を注いだ。一番風呂は、たんぽぽ保育園(30人)とひまわり保育園(6人)の園児たち。塚咲良ちゃん(6)は「温かくて気持ちいい」と喜んでいた。
利用者数は2006年度が最も多く10万4000人。昨年度は5万5000人だった。小淵委員長は「今年で33回目。たくさんの皆さんに楽しんでもらいたい」。堀会長は「来年も来たいと思ってもらいたい」と話していた。
来年2月までの毎週土曜日午後8時から10時までは、仙人風呂の縁を約50個の灯籠で囲う「湯けむり灯籠」が実施される。雨天中止。
(2017年12月2日付紙面より)
新宮港でテロ対策訓練 (海保、警察など )
新宮港港湾保安委員会(会長=木村誠治・東牟婁振興局新宮建設部長)は11月30日、同港三輪崎3号岸壁でテロ対策訓練を実施した。田辺海上保安部、串本海上保安署、新宮警察署、大阪入国管理局和歌山出張所など10機関から約70人が参加し水際での連携体制を強化した。
訓練は、▽不法車両の岸壁への立ち寄り▽入国審査における不審旅客の発見、逮捕▽手荷物検査による旅客の所持品内拳銃の発見、船内逃走後、投降、逮捕▽旅客による放火と負傷者の救助および消火▽旅客2人の海上逃走、確保―を想定。
海上逃走と確保では旅客2人が旅客船に係留されていた小型ボートに乗船して逃走するのを海保のボートが追跡、制止しようとした海上保安官に対して刃物を振り回して抵抗したため海保巡視船が威嚇射撃を行い、不審者を逮捕するまでを訓練した。
木村会長は「世界情勢を考えると日本はテロの標的に挙げられており、厳重な保安対策が必要。訓練を実施することでテロ対策の重要性、必要性を再認識し、つながりを強化したい」。
川上誠・田辺海上保安部長は水際におけるヒト、モノの阻止はテロ対策の要だと述べ「訓練を通じ、関係機関の連携が一層強化され、新宮港のテロ関連事案への対応能力をさらに高めることができる有意義な場になれば」とあいさつ。
訓練後、谷本克也・新宮警察署長は「各機関とも的確な措置をとり、日頃の訓練の成果が出ている。連携も一層強化されている」と講評し、世界的な情勢は厳しく、危機感を持ち対応しなければならないと述べた。
新宮港でのテロ訓練は国際船舶・港湾保安法の施行(2004年)を受け、06年から毎年実施されている。
(2017年12月2日付紙面より)
第12回吟詠剣詩舞練成大会 (串本町 )
哲泉流日本吟詠協会和歌山県支部連合(尾﨑和貴=吟号・尾﨑合泉=会長)は11月28日、串本町文化センターで第12回吟詠剣詩舞練成大会を開き日頃の稽古の成果を公開披露した。
同連合各支部の会員が一同に会して営む、年に一度の合同発表会。例年、入場無料で一般鑑賞できる公開行事として事前告知していて、吟詠や詩舞の魅力に触れる機会としても親しまれている。
今回は尾﨑会長が急きょ参加できなくなったため、物故者追悼の礼を尽くした後、ただちに生徒発表へ移った。序盤は吟詠で18人、中盤は詩舞で14人が順次出演。終盤は舞台芸術として定着している特別企画構成吟で、今回も尾﨑会長の監修、矢野郁雄=吟号・矢野倞泉=副会長の企画構成で指導者級が発表に臨んだ。
テーマは「『かなしみとよろこび』…心の奥」。矢野副会長がナレーションを交えて舞台の情感を高める中、吟詠2人と詩舞5人の7人組による勇壮な武田節で始まり以降は吟詠や吟詠と詩舞の共演が続いた。最終は吟詠2人と詩舞2人の4人組による静御前で、出演者も舞台後方に並んで間近に発表を見届け、一同で来場者の鑑賞に感謝して締めくくった。
(2017年12月2日付紙面より)
熊野那智大社で迎春準備 (那智勝浦町 )
師走に入り、今年もあと1カ月。熊野那智大社(男成洋三宮司)では初詣客に授与する縁起物の準備が進められている。
同大社の斎館には守護矢、熊手、大漁旗などが飾られ、みこらが迎春準備に追われている。男成宮司が原画を描いたえと色紙(2000円)は紀州犬の親子とキイジョウロウホトトギスが描かれて、「穏和」の文字が書き添えられている。えと色紙と同じ構図で描かれた縁起物「紀州塗り」の皿や、えと土鈴なども用意している。
同大社では19日(火)に大みそかの那智の滝ライトアップに備えた照明設備の試験点灯、27日(水)は大しめ縄の張り替えをし、迎春準備を整える。授与品の問い合わせは同大社(電話0735・55・0321)まで。
(2017年12月2日付紙面より)
一足早く迎春準備 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の世界遺産、熊野那智大社(男成洋三宮司)は11月30日、宝物殿に掲げた大絵馬を「酉(とり)」から「戌(いぬ)」に掛け替えた。
大絵馬は縦約3㍍、横約4㍍、男成宮司(64)が11月初めから書き始め、約1カ月かけて仕上げた。白い紀州犬の親子とキイジョウロウホトトギスが描かれている。男成宮司は「今年は創建1700年の記念すべき年。崇敬者、関係者の多くの協力をいただき無事終えることができる」と感謝。「紀州犬は忍耐強く、忠実で穏やかな性格。来年は落ち着いた穏やかな年になるよう願っている」と話した。
女性グループで観光に訪れた奈良県大和郡山市の上田由利子さん(69)は「かわいい。来年はワンダルフルな年になりますように」と笑顔で話した。
那智の滝前の別宮飛瀧(ひろう)神社では中絵馬(縦約1・2㍍、横約1・8㍍)が掛け替えられ、旅客の道中安全を願って作った小絵馬2枚(いずれも縦約0・9㍍、横約1・2㍍)はJR紀伊勝浦駅とJR新宮駅に贈られた。
(2017年12月1日付紙面より)
那智勝浦消防と防災航空隊が連携強化
那智勝浦町消防本部(阪本幸男消防長)は11月29日、同町市屋の旧グリーンピア南紀地内で和歌山県防災航空隊と連携強化を目的にした訓練を実施した。指揮隊、ポンプ車隊、科学車隊に分かれた警防第二班の署員9人が、航空隊との連携強化を図った。
訓練は山林内の煙を発見した山菜採りの住民から午前9時40分に119番通報があり、上空からの消火を必要とする山林火災の発生を想定し、同9時43分、航空隊に出動を要請した。ポンプ車隊が消火活動に取りかかり、10時20分に防災ヘリが到着した。ヘリのドロップタンクに化学車隊が同地内芝生広場で給水活動。航空隊は与根子池上空から散水し、空中消火を実施した。給水、散水訓練は2回行った。
訓練には航空隊のほか、指揮本部安全管理2人、ポンプ車隊4人、化学車隊3人が参加した。湯川辰也署長は「当初の目的であった航空隊との連携強化は十分に成し得たかと思う。個々の訓練についてもおおむね良好だった。大変有意義な訓練だったと思います」と話した。
(2017年12月1日付紙面より)
学童保育たんぽぽクラブの工事進む (新宮市 )
新宮市井の沢の学童保育たんぽぽクラブ(由谷かよ子代表)の施設移転改修工事が旧市教育委員会庁舎で進んでいる。工期は5日(火)までの予定で、今年9月から始まった。クリスマスまでに移転する見込み。外壁が明るい黄色に塗られている=写真。
たんぽぽクラブは現在の建物が老朽化しており、耐震性もなかったことから以前より市に要望を出していた。旧市教育委員会庁舎の1階部分を利用することになっており、延床面積は197・97平方㍍。耐震性は確保されている。もともと事務所だった部分を学童用に改修。遊ぶスペースが今の建物から少し広がる予定だ。
たんぽぽクラブは1982年、幼稚園児を持つ親たちと新日本婦人会の会員らが集まり発足。92年度から父母会が運営を引き継ぎ、矢倉町の民家を借りて市独自の補助金と保育料で学童保育を続けてきた。2000年に国の放課後児童対策で市の委託事業となり、公設民営として認可を受けて現在の井の沢に移転した。
由谷代表は「要望していたことがかない、子どもたちの居場所が確保できたことがうれしいです。遊べるスペースがあり、耐震的なことも満たしているので、保護者も安心し、喜んでいます」と話していた。
(2017年12月1日付紙面より)
水中クリスマスツリー設置 (串本ダイビング事業組合 )
串本ダイビング事業組合(小松誠司会長、組合員22店舗)が11月29日、串本町の袋港沖のダイビングポイント「備前」に水中クリスマスツリーを設置した。
ダイビング事業から話題性を生み、串本の認知度を高めて地域活性化に貢献するのが狙い。同組合は風物詩関係では▽水中こいのぼり▽水中七夕飾り▽同ツリー―の設置に取り組んでいて、聖夜の息吹を宿す同ツリーは今回で7年目になる
今年は高さ約3㍍のイミテーションツリー(=模造木)に市販の各種オーナメントを飾り付け。この日はダイバー8人が仕上がった同ツリーを持って「備前」へ赴き、水深約17㍍の海底に固定。8人中2人はサンタクロースの衣装を着て作業し、設置後は持参した水中ライトを枝にかけてイルミネーション代わりにしつつ、今後のPR素材とする画像や映像の撮影にも臨んだ。
設置期間は25日(月)まで。同組合イベント係の山口隆司さんは「より多くのダイバーに串本へ来てもらうことが、何より期待するところ。本州最南端の海でクリスマスムードを味わう、というシチュエーションを楽しみにして来てもらえたら」と今後の成果を期待した。
(2017年12月1日付紙面より)