6日間の休業に入る
官公庁で28日、仕事納め式があった。各首長らが職員たちの一年の労をねぎらい、新年からのさらなる活躍に期待の言葉を掛けた。ほとんどの官公庁は来年1月3日(水)まで6日間の休業となっている。
新宮市役所で行われた式には屋敷満雄市議会議長、濵田雅美副議長をはじめ職員約60人が出席。田岡実千年市長はあいさつで、新庁舎完成や10月の台風災害、市長選を振り返った。「市政は市民のために」は職員一人一人がしっかりと業務を達成することで必ず実現するとし、「人は何のために生きていかれるのか」に対する哲学者の故・森信三さんの答えを紹介。「自分なりに解釈すると『人はどうすれば幸せに生きていかれるのか』で、答えは『自分の仕事を通して人や社会のために役立つこと』だと確信している。しっかりと仕事をし、生き生きと幸せに暮らせる好循環な社会を新宮市役所から発していきたい」と呼び掛けた。
小谷充総務部長が今年一年に実施した主な事業などを紹介。向井雅男副市長は閉式の辞を述べ、最後は一本締めでお開きとなった。
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那智勝浦町では、役場2階の大会議室で仕事納め式が開かれた。
町歌斉唱後、町職員約80人を前に、寺本眞一町長が訓示した。職員にねぎらいの言葉を掛け、町長職2期8年間を振り返った。「いろいろな事業を駆け足で進めた中、可もなく不可もなくやってこられたのは皆さんのおかげだと思っている。今後も町を背負っていく立場として、他がより秀でて見えた時は本人が克服しなくてはならない。努力次第で職場も花開く。より信頼される役場になるように頑張って。退いた後は、町民として皆さんの活躍を期待しながら見守る」と話した。
植地篤延副町長は、閉庁中の諸注意として「年末年始は行事も多いかと思うが、気を緩めず町職員の職責をしっかり自覚して飲酒や事故のないように」と求めた。
(2017年12月30日付紙面より)
消防本部と消防団が年末警戒 (新宮市 )
市民たちが安心して新年を迎えることができるようにと新宮市消防本部(海野裕二消防長)と新宮市消防団(竹内由定団長)は28日から、年末警戒にあたっている。30日までの3日間、午後8時から午前0時まで市内を巡視する。
火を使用する機会の多いこの時季に毎年実施している。市消防本部は市全域、消防団は各分団の担当地区で巡視や防火広報に取り組んでいる。初日の28日には午後7時から市消防本部、同7時45分から熊野川消防出張所で出陣式があった。
市消防本部での出陣式には、旧市内七つの消防団から計50人が参加。整列した団員たちを前に田岡実千年市長は「火災の発生しやすい状況であると思うので3日間よろしくお願いします」と述べ、1年間の活動に感謝した。
屋敷満雄市議会議長が「警戒に当たっては体調管理に留意され、市民の皆さんが良き新年を迎えられるようよろしくお願いします」。濱口太史県議が「火事は気を付ければ防げる。新宮市民の安心安全のために、皆さんの活躍は必要なこと」。谷本克也新宮警察署長が「年末に火災が発生することのないよう、万が一発生した際は迅速、的確な対応で、警察と一緒になって活動していただきたい」と激励した。
式後、団員たちは消防車両に乗り込み、市長らに見送られる中、担当地域へ出発した。竹内団長は「各分団、地域の皆さまに防火意識を高めてもらいたい」と話していた。
(2017年12月30日付紙面より)
水族館Bゾーンで展示始まる (串本海中公園 )
串本町有田にある串本海中公園センター水族館(野村恵一館長)で28日、史上最大のウミガメ「アーケロン」の実物大彫刻模型の展示が始まった。新春から始まる企画展「アーケロン・プロジェクト」の象徴展示物で、野村館長は「予想以上の出来栄えで感激している。触れながら大きさを実感してほしい」と呼び掛けている。
「アーケロン」は今から約6000万年前、恐竜時代最終期(中生代白亜紀後期)に生息していた種。ウミガメ類の遠い祖先にあたり、すでに絶滅しているが化石の出土で存在が知られている。
野村館長(59)は一昨年の夏ごろ、企画展の構想を練る中で田辺市龍神村に工房を構えるチェーンソーアーティスト・城所ケイジさん(48)とのタイアップを着想。「やるからには大作を」と希望した城所さんに対し、野村館長が「ならばアーケロンだ」と答えたことでこの模型の製作が動き始めた。
城所さんは今回、自身で調達した大ぶりの紀州杉4本から削り出した各パーツを組み合わせ、全長3・7㍍、全幅4・6㍍、全高1㍍の巨体を復元。最大のパーツとなる甲羅には古座川町産の紀州杉などを用いた。今年9月25日から各パーツの荒削りを始め、本制作前に野村館長と共に名古屋港水族館にある国内最大の骨格レプリカ標本を観察し、既存のフィギア模型を肉付けの参考にして高めた生体のイメージを11月24日以降の本制作で投影した。「生きたアーケロンの姿を木で再現するために全力を尽くし、今の自分なりにいいものが作れたと感じている」と出来栄えを語る。
着想から2年余りの月日を経て形になった模型を見て野村館長は「過酷な恐竜時代を生き抜いたカメだと実感できる重要な展示物で、お客様にも必ず感動してもらえると思う。骨格やそのレプリカは世界中で展示されているが、実物大で生体を復元した模型は少なくとも日本ではここだけだと思う。カメ好きや恐竜好きの方はぜひ見てほしい」と話した。
母体となる企画展は来年1月1日(月)から2019年12月29日(日)まで、同館Bゾーンで開かれる。「アーケロン」の生態と共に遠い子孫の現在のウミガメ類もまた絶滅の危機にひんしている状況を伝える内容で、野村館長は同模型をシンボルにしてウミガメの展示、繁殖、保全に力を入れる水族館としていっそうの保全活動に取り組みたいと意気込んでいる。
同館は年中無休で、営業時間は午前9時~午後4時30分(夏季は午後5時まで)。入館料は大人1800円、子ども800円、幼児200円となっている。問い合わせは同公園センター(電話0735・62・1122)まで。
(2017年12月30日付紙面より)
議会提案が賛成多数で可決 (新宮市 )
新宮市議会(屋敷満雄議長、16人)の12月定例会で21日、議会発案の大石誠之助を名誉市民に推挙する議案が11対4の賛成多数で可決した。田岡実千年市長は「議会の議決を重く受け止め、遺族に報告した後、最終判断します」とコメントした。
名誉市民は社会福祉の増進、産業文化の進展などに貢献し、その功績が顕著であった新宮市民や縁故者に贈っている称号。1960(昭和35)年の佐藤春夫が初めての名誉市民で、これまで東くめ、木村藤吉、杉本喜代松、世耕弘一、村井正誠、山本秋広、西村伊作、畑中武夫、中上健次の10人に贈っている。
名誉市民はこれまで市長が議会に提案し、議決を経て決定していたが、今議会初日に可決した条例改正で、2人以上の議員で候補者を上程し、可決すれば市長に推挙できるようになった。最終決定するのは市長となっている。
新宮出身の医師、大石誠之助(1867~1911)は明治天皇暗殺を企てたとして1911(明治44)年、12人が死刑、12人が恩赦で無期懲役となった「大逆事件」で、「嘘(うそ)から出た真(まこと)」の言葉を残して絞首刑となった人物。
事件は後の研究で大逆罪に名を借りた社会主義者、無政府主義者への弾圧で、国家によるフレームアップ(でっちあげ)であったことが明らかになっていて、市議会は2001(平成13)年9月に誠之助を含む熊野地方の犠牲者6人の名誉回復宣言を全会一致で採択している。
提案者の上田勝之議員は、誠之助は貧者からは薬代を取らず、遊郭設置や戦争に反対するなど民主主義、人道主義、人権意識の先覚者で、名誉市民の春夫や伊作など後世の新宮人に多大な影響を与えたと説明。「今、この時代に名誉市民に推挙する意味がある」などと訴えた。
(2017年12月23日付紙面より)
生産者らが品質チェック (那智勝浦町 )
那智勝浦町と新宮市の農家でつくる「くろしお苺生産販売組合」(杉浦仁組合長)は20日、同町南大居のJAみくまの太田営農センターでイチゴ「まりひめ」の目慣らし会を実施した。
目慣らし会は、「まりひめ」の出荷規格を統一するため、毎年イチゴのシーズンに開かれている。この日は、イチゴ生産農家(9軒)とみくまの農業協同組合の職員らが集まり、大きさや形などを見て等級などを確認した。
杉浦組合長は「台風で生育に影響が出て、昨年より出だしが遅れたが、摘果も良く効き品質には自信がある。年始から順調に出荷できると思う」と話した。
「まりひめ」は、完熟で摘んでいるため、強い甘さが特徴。足が早く、地域でしか販売されないため、公設市場を通して近隣のスーパーや八百屋で販売されている。イチゴの収穫および出荷は、12月から5月終盤まで。昨年度は収穫期間中、まりひめだけで約1万5600ケースを出荷した。
(2017年12月23日付紙面より)
大会出場の2人を壮行 (潮岬中 )
串本町立潮岬中学校(藤本弘子校長、生徒52人)が21日の全校集会で、国際大会に出場する武田日向君(3年)と全国大会に出場する潮﨑梨緒さん(3年)の活躍を期待して壮行した。
武田君は夏の倉敷国際少年野球大会以降、和歌山野球振興協会(夢クラブ)の代表選抜を受け、台湾で開かれる2017台北市国際青少年野球大会に出場することになった。大会日は22日~27日(雨天予備日28日)の6日間で、初日は開会式、23~25日が予選リーグ、26~27日が決勝トーナメントと閉会式。武田君は日本和歌山チームの一員として、32チーム中の上位進出を目指す。
潮﨑梨緒さんは昨夏、JOCジュニアオリンピック第31回全国都道府県対抗中学バレーボール大会の和歌山県チーム選抜を受け、9月以降は週末ごとに合同練習に打ち込んできた。大会日は25日~28日の4日間で、初日は開会式、2日目は予選リーグ、27~28日は上位32チームによる決勝トーナメント。女子の会場は準々決勝までエディオンアリーナ大阪、準決勝以上は大阪市中央体育館となっている。
2人はユニフォーム姿で全校生徒教職員にあいさつし、武田君は「選ばれなかった人の分まで頑張り、結果を残してこれからの自信につなげていきたい」。潮﨑さんは「自分の好きなバレーボールを指導してくれた先生や周りの方々、そして家族に感謝して、県代表として頑張る」と述べ、挑戦中の応援を求めた。
藤本校長は「2人とも小学校の頃から競技を始めた。時には苦しい時もあっただろうが、それを乗り越えて『楽しい』と言える今がある。すごいなと思うし、これからも頑張ってほしい。別々に競技から何を学んだかを質問したら、くしくも同じ答えが返ってきた。『人とのつながりの大切さを学んだ』という。そのような2人なので、大きな舞台でも臆することなく堂々と楽しんでプレーしてくれると思うので大いに期待したい」。生徒会の古久保颯太会長(2年)は「健康に注意して、当日は全力を発揮してほしい」と激励し、一同拍手で健闘を期待した。
(2017年12月23日付紙面より)
新宮GG同好会「年忘れ12月大会」
和道流新宮支部が2大会で活躍
田辺市本宮町の熊野本宮大社で15日、九鬼家隆宮司が製作に取り掛かっている来年のえと「戌(いぬ)」の色紙作りがピークを迎えた。約1週間後には、完成する見込み。
九鬼宮司が8月下旬から墨とポスターカラーで描いている。色紙は手書きと印刷ともに2000枚ずつ計4000枚が用意され、手書きは元旦以降祈とう(有料)を受ける参拝者らに授与され、印刷は2000円で15日より授与される。
手書きの色紙には、猟犬としての勇猛さがたたえられ、弘法大師を守護して高野山に導いたとされる白い紀州犬が描かれている。「紀」と記された化粧まわしをまとい大地を踏みしめて立ち、新たな年に未来へ向かって歩く人が、紀州犬の加護により、つまづくことなく真っすぐに進むようにとの願いが込められている。
印刷の色紙は、笑顔で明るく楽しい年を過ごせるようにと座って愛らしい笑顔で見つめる柴犬が描かれている。
九鬼宮司は「来年、創建2050年を迎えるに当たり、熊野に来た人々が出会い、つながるという結びのある1年になってほしいとの願いを込め、『結』の文字を色紙に添えました」と話した。
(2017年12月16日付紙面より)
おとなのための英会話教室 (古座川町公民館 )
古座川町公民館講座「おとなのための英会話教室」が13日に同町保健福祉センターであり、7人がクッキー作りを楽しみながら英会話に親しんだ。
社会教育による「清流に元気溢れるまちづくり」に取り組む同町は、子どもを含めた全町規模で英語活動の推進を目指している。この教室は子ども教育15年プラン三大活動の一環で英語に親しむ園児や小中学生とともに、成人にも関心と愛好の裾野を広げる趣旨で始まり、本年度は夏の帯開講に続き2回目の開講となる。
テーマは「英語でクッキーづくり」で、英会話への抵抗感を和らげ異なる文化的背景を持つ外国人との交流に楽しさを感じて英語学習のモチベーションを高めるのが狙い。講師は同町外国語指導員のダービー・トーマス・ライリーさん、同町外国語指導助手(ALT)のグレゴリー・チャド・ケインさん、英会話に堪能な同町地域おこし協力隊の忠志緒莉さんで、参加者は高校生以上の町内在住在勤者を対象にして事前募集した。
当日は調理と茶話会の2部構成。ジンジャーブレッドクッキーの生地を仕立てて伸ばし、クリスマスにちなんだ形に型抜きして焼き上げ。デコレーションペンで装飾して仕上げた。
茶話会では講師陣が海外のクリスマスの様子や冬休みの過ごし方など、日本とは違った文化の一端を紹介。適度に日本語への通訳も織り交ぜた緩やかな英会話環境の中で、和気あいあいと挑戦を楽しんだ。
(2017年12月16日付紙面より)
熊野地方で「シシ垣サミット」
地域の遺産としてシシ垣を守り活用しようと「第10回シシ垣サミットin熊野2017」が9~11日、新宮市、那智勝浦町、三重県尾鷲市で開かれた。シシ垣ネットワーク主催、熊野歴史研究会・三重県立熊野古道センター共催。このうち10日は比較的保存状態がよいとされる那智勝浦町の高津気地区のシシ垣周辺を、参加者約50人が歩いた。
9日は新宮市高田・熊野古道高野坂でシシ垣ウオークの後、高田グリーンランドで講演・パネル討論があった。10日は前日に続いての参加者が多く、同地区の清源寺に集合し、高津気保郷会の西比古次さんの案内で「シシ垣入り口」から「サムライ岩」周辺を観察した。歩いた後は高津気地域づくり会(瀧本清吉代表)が用意した昼食を楽しみながら交流した。この日は三重県尾鷲市の県立熊野古道センターで「三重県紀北地方のシシ垣について」の講演と「尾鷲の猪垣」の研究発表などもあった。
熊野列石(通称・シシ垣)は総延長が約150㌔の石垣で、建造目的は不明だが、害獣対策との見方もある。ツアーに参加した長崎県のシシ垣を調査しているという筬島聖二さん(53)は、「とてもきれいにメンテナンスされていた。一般的に文化財以外のものはあまり手入れされていない。長崎でも取り入れたい」と話し、沖縄エコツーリズム推進協議会会長の花井正光さんは、「地域の皆さんが関心を持っていることが目で見て感じられた。とても参考になった」と感心していた。
(2017年12月16日付紙面より)
新宮・東牟婁支部長杯ソフトテニス
旅客船の安全やテロ対策 (勝浦海事事務所 )
観光客や帰省客が増える年末年始に備え、国土交通省近畿運輸局勝浦海事事務所は7、8の両日、串本海上保安署と合同で管内5社の旅客船の安全やテロ対策などを点検した。事故の未然防止などを目的に船舶検査官らが浮輪などの救命設備や安全確保のための連絡体制をチェックした。
国交省が実施する「年末年始の輸送等安全総点検」(12月10日~1月10日)の一環。乗組員の健康状態や過労状態の把握、新型インフルエンザ対策、事故や災害時の連絡体制なども指導した。
新宮市熊野川町日足の熊野交通志古船舶営業所(堀芳生所長)には7日、長谷潤所長ら4人が訪れた。松下信男所長代理ら立ち会いの下、運航労務監理官らが安全速力での航行、避難誘導体制の徹底、不審者情報の通報徹底などを聞き取り調査。ウオータージェット船(全長約17㍍、11㌧)内に入り、マイクが正常に使用できるか、浮輪の位置、消火器の有効期限などを一つ一つ調べた。
点検終了後、長谷所長は「安全、安心が何よりも勝り重要。川は大雨や渇水などがあり、厳しい運航もあると思いますが、連携を密に取り、会社一丸となって安全運航に取り組んでください」と呼び掛けた。
ウオータージェット船の昨年1年間の乗客は約6万人。松下所長代理は「年末年始に入り、お客さまが増えると思いますので、安全第一で安心して利用していただけるよう努めていきたい」と話していた。
(2017年12月9日付紙面より)
文化複合施設丹鶴会が講演会 (新宮市 )
新宮市の文化複合施設丹鶴会は2日、同市の丹鶴体育館で「文化複合施設の必要性と遺跡との両立について」の講演会を開いた。講師は地域批評シリーズ『これでいいのか和歌山県~魔物が和歌山を分断する!?』の著者で、ルポライターの昼間たかしさんと、編集者・ライターの鈴木士郎さん。丹鶴連合会の榎本義清会長、丹鶴商店街振興組合の大井正臣理事長も登壇し、トークセッション形式で進行した。
昼間さんは大学で考古学を専攻し、遺跡の発掘調査に携わった経験がある。遺跡の保存や観光への活用価値について意見を求められると、「町の遺跡がまとまって見つかる例は少ないが、珍しいから保存するという方針には賛同できない」とし、希少性や話題性を求める風潮が過熱すればねつ造事件につながる恐れがあると話した。市民に提供されている情報の少なさも指摘し、「市民も一緒に発掘をすればいい。行政が手を抜いているのか、その金がないのか」と、価値判断や議論ができる状態ではないことに問題提起した。
鈴木さんは「遺跡を見たい人はそう多くないが、人や時代によって価値は違う。壊してしまうと未来に対する責任が取れない」とし、遺跡と組み合わせた形で文化複合施設を作るのが現実的との意見を示した。建設を進めるならば活動を市の全域まで広げる必要があり、「チャンスと捉えて『遺跡を生かした形で早く作ろう』という言い方もできる」と提案した。
観光面ではアピール力の弱さが指摘された。町の第一印象となる駅近辺の景観はとても重要で、鈴木さんは「林業でいくなら、町並みに木を使う。まずは張りぼてでもいい。ブランドイメージを見せる努力を」とアドバイス。観光には地元の人がきれいな町で活気のある暮らしをしていることが重要で、「新宮はかなりましな方です」とも語った。食べ物がおいしくサービスが良いことや、観光案内所できちんとおすすめスポットを紹介されたことなど、良い面も両者から挙げられた。
(2017年12月9日付紙面より)
第4回農山漁村の宝選定で (古座川ジビエ振興協議会 )
「第4回ディスカバー農山漁村(むら)の宝」の優良事例に選ばれた古座川ジビエ振興協議会の取り組み「厄介者を地域の宝に!マイナスからプラスへ」がこのほど、特別賞「ジビエグルメ賞」を受賞した。
この選定は、内閣官房と農林水産省が「強い農林水産業」「美しく活力ある農山漁村」の実現に向け、地域活性化や所得向上に取り組む優良事例を全国に発信し他地域への横展開を図る目的で年次実施。事例候補は自他薦問わず受け付け、一次審査で優良事例を選定し、その中から二次審査で全国9ブロックの最高評価事例からグランプリ、グランプリを除く事例から特別賞を選定している。
今回は全国から844件の応募があり、31件が優良事例に選ばれ10月24日に公表された。同協議会は自薦応募で優良事例に選ばれたが属する近畿ブロック管内での最高評価は得られず、特別賞のみ受賞の可能性を宿した状態で11月21日、首相官邸で開かれた優良事例選定証授与式に臨んだ。
二次審査の結果は式後の交流会内で発表され、今回はグランプリ1件と特別賞5件が選定された。特別賞は募集段階で選定のキーワードとなる政策テーマ(農泊、ジビエ、輸出、女性・高齢者・障害者の活躍、6次産業化)が発表されていて、同協議会の取り組みはジビエ関係の他優良事例2件との競合を経て「ジビエグルメ賞」を受賞。グランプリはジビエ関係ではない内容のため、全国から寄せられた今回のジビエ関係諸事例の頂点に輝く結果となった。
県内では選定が始まって以降、4年連続で計6件が優良事例に選定されている。東牟婁郡内では那智勝浦町の色川地域振興推進協議会に続き2件目。特別賞は第2回から導入され、県内では古座川町ジビエ振興協議会の取り組みが初となる。
(2017年12月9日付紙面より)
彩雲祭の収益金を寄付 (新宮高校 )
県立新宮高校の彩雲祭実行委員会(中本雄也委員長、30人)が7日、台風21号の被災者支援に役立ててほしいと食物バザーの収益金9万6535円を新宮市へ寄付した。中本委員長、脊古夏月副委員長、上田大貴副委員長(いずれも3年生)が市役所を訪れ、田岡実千年市長に直接手渡した。
彩雲祭とは同校の文化祭で9月に開催された。今年の食物バザーではポテト、かき氷などを販売。収益金は毎年、被災地などに寄付している。
田岡市長は「心から感謝申し上げます。なるべく早く被災者に届けさせてもらいます」。中本委員長は「今年が高校最後の年。生まれ育った新宮への感謝の気持ちです。台風21号の被害を聞いて心を痛めていましたので、このように恩返しできて良かったです」と話していた。
(2017年12月9日付紙面より)
市民スポ祭兼連盟社会人バレー大会
県なぎなた秋季大会・県高校選手権
ジョン・ケンドリック旗争奪少年野球大会
仙人風呂がオープン (川湯温泉 )
田辺市本宮町の川湯温泉、大塔川河原で1日、露天風呂「仙人風呂」がオープンした。地元園児たちが一番風呂に入り、大自然の恵みを満喫した。入浴は無料で、利用時間は午前6時30分から午後10時まで。設置期間は来年2月末まで。
冬の風物詩になっている仙人風呂は1985年から毎年設置されている。熊野川の支流大塔川の一部をせき止めて横幅約42㍍、奥行き約13㍍、深さ約60㌢の浴場を造成。川底から湧き出る温泉は約73度で、川の水を引き入れて40度前後に調整している。名前の由来は、川湯温泉が昔、仙人のお告げで発見されたという言い伝えがあることと千人が入れるぐらいの大きさがあること。
アルカリ性単純温泉で、神経痛や筋肉痛に効果がある。約40台分の無料駐車場や男女別の簡易更衣室を設置。シャンプーや石けんの使用は不可で、水着やタオルなどを着用して入浴する。
今シーズンの安全と温泉街の繁栄を願う開湯式では、祐川寺の丹羽達宗住職による読経の後、主催の小淵誠・仙人風呂実行委員会委員長と堀克也・熊野本宮観光協会長ら関係者が湯にお神酒を注いだ。一番風呂は、たんぽぽ保育園(30人)とひまわり保育園(6人)の園児たち。塚咲良ちゃん(6)は「温かくて気持ちいい」と喜んでいた。
利用者数は2006年度が最も多く10万4000人。昨年度は5万5000人だった。小淵委員長は「今年で33回目。たくさんの皆さんに楽しんでもらいたい」。堀会長は「来年も来たいと思ってもらいたい」と話していた。
来年2月までの毎週土曜日午後8時から10時までは、仙人風呂の縁を約50個の灯籠で囲う「湯けむり灯籠」が実施される。雨天中止。
(2017年12月2日付紙面より)
新宮港でテロ対策訓練 (海保、警察など )
新宮港港湾保安委員会(会長=木村誠治・東牟婁振興局新宮建設部長)は11月30日、同港三輪崎3号岸壁でテロ対策訓練を実施した。田辺海上保安部、串本海上保安署、新宮警察署、大阪入国管理局和歌山出張所など10機関から約70人が参加し水際での連携体制を強化した。
訓練は、▽不法車両の岸壁への立ち寄り▽入国審査における不審旅客の発見、逮捕▽手荷物検査による旅客の所持品内拳銃の発見、船内逃走後、投降、逮捕▽旅客による放火と負傷者の救助および消火▽旅客2人の海上逃走、確保―を想定。
海上逃走と確保では旅客2人が旅客船に係留されていた小型ボートに乗船して逃走するのを海保のボートが追跡、制止しようとした海上保安官に対して刃物を振り回して抵抗したため海保巡視船が威嚇射撃を行い、不審者を逮捕するまでを訓練した。
木村会長は「世界情勢を考えると日本はテロの標的に挙げられており、厳重な保安対策が必要。訓練を実施することでテロ対策の重要性、必要性を再認識し、つながりを強化したい」。
川上誠・田辺海上保安部長は水際におけるヒト、モノの阻止はテロ対策の要だと述べ「訓練を通じ、関係機関の連携が一層強化され、新宮港のテロ関連事案への対応能力をさらに高めることができる有意義な場になれば」とあいさつ。
訓練後、谷本克也・新宮警察署長は「各機関とも的確な措置をとり、日頃の訓練の成果が出ている。連携も一層強化されている」と講評し、世界的な情勢は厳しく、危機感を持ち対応しなければならないと述べた。
新宮港でのテロ訓練は国際船舶・港湾保安法の施行(2004年)を受け、06年から毎年実施されている。
(2017年12月2日付紙面より)
第12回吟詠剣詩舞練成大会 (串本町 )
哲泉流日本吟詠協会和歌山県支部連合(尾﨑和貴=吟号・尾﨑合泉=会長)は11月28日、串本町文化センターで第12回吟詠剣詩舞練成大会を開き日頃の稽古の成果を公開披露した。
同連合各支部の会員が一同に会して営む、年に一度の合同発表会。例年、入場無料で一般鑑賞できる公開行事として事前告知していて、吟詠や詩舞の魅力に触れる機会としても親しまれている。
今回は尾﨑会長が急きょ参加できなくなったため、物故者追悼の礼を尽くした後、ただちに生徒発表へ移った。序盤は吟詠で18人、中盤は詩舞で14人が順次出演。終盤は舞台芸術として定着している特別企画構成吟で、今回も尾﨑会長の監修、矢野郁雄=吟号・矢野倞泉=副会長の企画構成で指導者級が発表に臨んだ。
テーマは「『かなしみとよろこび』…心の奥」。矢野副会長がナレーションを交えて舞台の情感を高める中、吟詠2人と詩舞5人の7人組による勇壮な武田節で始まり以降は吟詠や吟詠と詩舞の共演が続いた。最終は吟詠2人と詩舞2人の4人組による静御前で、出演者も舞台後方に並んで間近に発表を見届け、一同で来場者の鑑賞に感謝して締めくくった。
(2017年12月2日付紙面より)
熊野那智大社で迎春準備 (那智勝浦町 )
師走に入り、今年もあと1カ月。熊野那智大社(男成洋三宮司)では初詣客に授与する縁起物の準備が進められている。
同大社の斎館には守護矢、熊手、大漁旗などが飾られ、みこらが迎春準備に追われている。男成宮司が原画を描いたえと色紙(2000円)は紀州犬の親子とキイジョウロウホトトギスが描かれて、「穏和」の文字が書き添えられている。えと色紙と同じ構図で描かれた縁起物「紀州塗り」の皿や、えと土鈴なども用意している。
同大社では19日(火)に大みそかの那智の滝ライトアップに備えた照明設備の試験点灯、27日(水)は大しめ縄の張り替えをし、迎春準備を整える。授与品の問い合わせは同大社(電話0735・55・0321)まで。
(2017年12月2日付紙面より)