佐野区住民説明会に80人 (新宮市 )
今年10月の台風21号で荒木川の氾濫などによる浸水被害が発生したことを受け、新宮市の佐野会館で24日、地区住民説明会が開催された。地区住民ら約80人や区の代議員らが参加し、市や和歌山県の担当者らから水害が発生した原因と今後の対策などを聞いた。
地区では以前からたびたび被害が発生しており、地区住民が今年11月に市と県に説明会の開催を求める要望書を提出していた。この日は東牟婁振興局新宮建設部の担当者が荒木川の氾濫と水害の原因、佐野川、荒木川の河川改良計画と取り組みを説明。
「佐野川本線の改修工事と並行して荒木川の未改修部分も改修工事を行っていきたい。当面の措置として市梨橋付近の越水箇所は来年度早々に護岸の上に擁壁を造る工事を進めたい」と話した。
那智勝浦新宮道路からの濁水流入について、紀南河川国道事務所新宮国道維持出張所は、道路上の排水は調整池に流れ込んだとし、道路上から佐野地区に流れ込んでいたという証言に対しては農業用水路の詰まりなどを原因に挙げた。止水壁を設置することで農業用水の道路への流出を阻止して調整池に流れるようにしたいと話した。
市都市建設課は、低い箇所を埋め立てて宅地の造成をしている傾向があり、今後農地の関係も含めて流入水の関係を見ながら検証する必要性があると解説した。
農林水産課は農地の住宅化が進んでおり、浸水対策ができるような用水路を考え、農家の人たちと相談していきたいと説明。佐野地域の田んぼは浸水対策のための遊水地としての機能があったと説明し、「住宅化が進み、農地がなくなると今までたまっていた水が、皆さんが住んでいる宅地に流れることも予想される。農地などを住宅転用する場合は排水路の計画もしっかりして農業委員会と相談し、遊水機能を持っている田んぼを宅地化することが現状でいいのかとも投げ掛けている」と話した。
前田道春区長は「何かあれば区から改善を申し上げ、少しでも安心できるよう努力したい」と呼び掛けた。
(2017年12月27日付紙面より)
新宮市観光協会(丹羽生会長)、新宮市料理飲食業組合(平見一雄会長)、新宮調理師会(里中陽互会長)、南紀ホテル組合(田邉毅一会長)の4団体が25日、田岡実千年市長に文化複合施設建設のため解体した市民会館の跡地(約2600平方㍍)を工事着工まで観光客用の臨時駐車場として活用してほしいと要望した。田岡市長は「前向きに進めたい」と回答した。
丹羽会長は、市内への観光客は増えているが、中心市街地に大型バスなどを駐車する場所がなく、苦労していると説明。同地は熊野速玉大社、神倉神社、阿須賀神社、新宮城跡、商店街などを巡る「まちなか観光」を促進する上でも適していると述べ、「ぜひとも願いをかなえていただきたい」と訴えた。
文化複合施設の文化ホールと図書館の配置はまだ決まっておらず、市民会館跡地の活用方法は未定。同施設は2021年3月完成、6月ごろ開館の予定。
要望活動には丹羽会長、平見会長、里中会長、長谷徳蔵・南紀ホテル組合会長代理、森本祐司・市観光協会専務理事の5人が参加した。
(2017年12月27日付紙面より)
有田神社で絵馬掛け替え (串本町 )
串本町有田にある有田神社(深美芳治宮司)のえと絵馬が24日、来年のえと「戌(いぬ)」に掛け替えられた。
このえと絵馬は氏子により18年来奉納されていて、現在は2代目の長谷川章総代(43)が毎年1枚を仕立てている。
大きさは縦約90㌢、横約130㌢。金色の小づちを加えた犬が跳ねる様子が描かれていて、長谷川総代は「この柴犬のように跳ね上がるような新年を迎えてほしい。小づちは幸福や富が舞い込むようにと願って描いた」と絵柄に込めた思いを語る。
来年のえと絵馬が今年も総代の奉仕により掲げられ、深美宮司は「犬はおとなしく従順でありながら、時として敵に立ち向かう勇敢さも併せ持つ。先人はその姿を良として十二支に加えたと思う。来る新年は天災や人災のない穏やかな年であってほしい」と願った。
同神社は年の瀬と三が日に授与所を開いて初詣の参拝を受け入れる。元日(月・祝)午前9時から歳旦祭、3日(水)午前8時30分からお的祭を新春祭礼として営む計画で、射子は寒川広夢君(高校3年生)と長谷川莉杏さん(中学3年生)、水本小夏さん(同)の3人が務める。
(2017年12月27日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社で26日、恒例の九鬼家隆宮司による一文字揮毫(きごう)があった。大筆で力強く「叶」と書いた九鬼宮司は「来年は多くの人の願いや夢が叶(かな)う年になってほしいという強い思いを込めて書きました」と話した。
新年への願いを込め九鬼宮司が書き始め9年目。大社本殿前に敷かれた縦横2・9㍍の白い布に長さ1・3㍍の大筆で一気に書き上げると、見守った外国人ら大勢の参拝者たちから拍手が湧き起こった。年内中には社務所前に掲げる。
最後に朱印を押して書を仕上げた九鬼宮司は「『叶』という字は口に十と書き、十の下に一を加えると『吐』という字になります。願いを10回言葉にして、弱音を吐かず来年のえと『戌(いぬ)』のようにしっかりと前を向いて走り抜けていってもらいたい」と話した。
■元旦に「光の柱」
同社は来年元旦午前0時から、例年の大鳥居ライトアップとは別に御創建2050年の年明けを記念して「光の柱」を空へ向かって上げる。宮司の太鼓に合わせてホラ貝を鳴らした後、約2時間、出現する。
(2017年12月27日付紙面より)
トルベリーノカップU―9大会
審議会が2月答申へ最終調整 (新宮市 )
第9回新宮市総合計画審議会(会長・足立基浩和歌山大学経済学部教授、20人)が18日、市福祉センターであった。まちづくりの最上位計画で、期間は来年度から10年間。田岡実千年市長の諮問機関である審議会は来年2月に答申する。
総合計画は市の将来目指すべき都市像を示す「基本構想」(長期10年)、具体的施策について体系化した「基本計画」(中期5年)、具体的な事業や規模などを示す「実施計画」(短期3年)で構成。審議会が答申を出すのは「基本計画」まで。
この日委員たちは、市が示した基本計画(素案)の政策目標▽安心・安全に暮らせるまち▽安定した雇用を生み出すまち▽魅力ある文化がつなぐにぎわいのまち―の3項目で意見を述べた。防災関連の意見が多く「防災訓練をより実践的にするために抜き打ちにしてはどうか」「ペットの避難所をしっかりと明記してもらいたい」「ソーラーパネルを設置した土地の土砂崩れ対策を」などの声があった。
災害時の飲料水確保のため井戸水への「ろ過装置」設置に補助金を出す提案があり、当局は現在、個人へは補助金を出せないが、自主防災組織へなら可能と説明した。
そのほか、市民でも場所が分からないと「新宮市新宮」の住居表示の早期変更、商店街の活性化を促す条例の設置、プレミアム商品券の拡大などを求める意見があった。当局は今回の意見も持ち帰り、再度計画を検討し、修正する。
総合計画について市は来月に市民説明会(4カ所)、議員説明会、パブリックコメントを予定。1月29日(月)に第10回審議会を開く。
(2017年12月20日付紙面より)
これまでと違う新年を (北山村 )
北山村立村民会館で15日、手作りしめ縄講座が開催され定員の15人が参加した。講師は北山中学校教諭の金哲弘さん(38)。参加者は各自で縄を編むところから飾り付けまでを行うオリジナルしめ縄作りを楽しんだ。
材料は金さんが用意した脱穀後のもち米の稲穂(わら)やシデ、同村の山で調達したウラジロやマツボックリ、ジャバラやタチバナの実、金銀や紅白の水引、花のモチーフなど。
最初に2本のわらをよってしめ縄を結ぶためのひもを数本作る。続いてわら10本を1束としたものを3束用意し、2束を足で押さえてねじりながら編み、編みあがったものにもう1束をねじって編み込んでしめ縄用の縄ができる。
参加者らは金さんの説明と実演を手本に縄を編み、約30分で縄が出来上がった。金さんは出来上がったひもと縄を使用した輪型、船型など数種類のしめ縄の作り方を、しめ縄と飾りの由来や意味などを交えながら説明した。
型の選択や飾り付けは各自が自由に行い、オーソドックスにシデとジャバラのみ、水引で鶴を作る、自分で用意したデコレーションを飾るなど、それぞれに熱中して約2時間でしめ縄が完成した。
今年初めて参加したという荒井恵理さんは「わらを触ったこと自体が初めてで新鮮でした。お正月飾りを自分で作ったことでこれまでと違う新年を迎えられそうです」と話した。
(2017年12月20日付紙面より)
3LCが合同で環境保全例会 (那智勝浦町 )
ライオンズクラブ(以下LC)国際協会335―B地区10リジョン2ゾーンは17日、那智勝浦町市野々の熊野古道・大門坂で環境保全例会に取り組んだ。ホストの勝浦LC(須川晴夫会長)、新宮LC(宮本昌幸会長)、串本LC(尾﨑和貴会長)の3LCから約50人が参加した。
3LCはこれまでも同じゾーンとして会員交流を深めてきたが、昨年度から一歩踏み出し合同で環境保全活動に取り組んでいる。この日は時折雪のちらつく中、大門坂登り口から、熊野那智大社までの古道周辺のごみなどを回収した。清掃後には、同大社に参拝し祈とうを受けた。
(2017年12月20日付紙面より)
池野山地区河川愛護会に (和歌山県 )
和歌山県の平成29年度優良河川愛護団体表彰(知事感謝状)の伝達式が18日に東牟婁振興局串本建設部であり、管内の池野山地区河川愛護会(代表・垣秀志池野山区長)が贈呈の誉れを受けた。
この表彰は、河川愛護思想の普及や河川美化活動に功績がある団体をたたえ、いっそうの取り組みを奨励するのが狙い。対象とする河川愛護団体は県内で307団体が結成されていて、本年度はその中の9団体が優良団体として選ばれた。
池野山地区河川愛護会は平成4年に結成され、翌5年から活動を始めた。今年は7月と11月に池野山川とその支流・池野頭谷川の草刈りやごみ飛来などの美化に各120人規模で取り組んだ。道の駅虫喰い岩や池野山公園の完成を機に一帯をさらに親しまれる場にしようと、同会の母体・池野山区が昨年4月にサクラの苗木を植樹。その育苗にも意識を向けている。
表彰式は11月に県庁であったが同会は欠席したため、この日に同部の東照久部長から伝達を受けた。東部長は「最低限の対応はできるが、限られた職員で日々の全体管理はとてもしきれるものではない。それだけに地元の皆さんの力添えはとてもありがたく、感謝に堪えない」とたたえ、垣代表は「地域の美化は自分らが本来やるべきことでもある。それをこのように表彰していただいたのは、地区民にとって励みになる大変ありがたいことだ」と述べ、伝達に感謝した。
(2017年12月20日付紙面より)
ジョン・ケンドリック旗争奪少年野球大会
熊野三山小学生バレーボールフェスタ (新宮バレーボールスポ少も3位に )
PTA連合会で高部知子さん講演 (那智勝浦町 )
新宮・東牟婁PTA連合会は10日、那智勝浦町体育文化会館で講師に精神保健福祉士の高部知子さんを招き教育講演会を開催した。同町PTA、同町青少年センターが共催。高部さんはテレビドラマ『積木くずし』などの出演で知られるが、芸能界引退後に慶應義塾大学を卒業。認証心理士、浄土宗の教師などの資格も持つ。「共に生きるということ」を演題に依存症を中心に語った。
高部さんは「依存症は覚醒剤、大麻などがまず挙げられ、自分とは関係ないと思ってしまいがちですが、誰もが患うかもしれない身近な疾患」と語り、特にアルコール依存症についての危険性を訴えた。覚醒剤は、やせられる薬として肌に貼る「パッチ」が出回り、若い女性が使ってしまう例も増えているという。薬物依存の治療は対応する精神科にかかることが大切で、治療が遅れたり、知識のない病院にかかったりすると悪化すると指摘した。
依存対象との出会いは10代が多く、原因となるのは怒鳴る、拒絶するなどの心理的な虐待が一番多いが、「実は過干渉も多いのです。面倒を見過ぎ、期待され過ぎ、かまわれ過ぎてつらかったと話す子どもがいます」と話した。依存症の治療後に使ってはいけないとされる「3D言葉」も紹介。これは相手を否定する「でも」、言い訳の「だって」、後ろ向きな「どうせ」の三つ。「子どもとの会話で、3D言葉を使っていないでしょうか」と話した。
依存症になった子どもは▽自信が持てない▽人を信じられない▽本音を言えない▽見捨てられ不安が強い▽孤独で寂しい―この五つの言葉を必ず挙げるという。「依存症は病気です。必ず精神科へかかってください。一対一で向き合うとお互い大変です。当時者を囲む応援団を作りましょう。そして、継続的に関わっていきましょう」と呼び掛けた。
高部さんは講演の最後にサン・テグジュぺリの小説「星の王子さま」の「愛とは互いに見つめ合うことではなく、共に同じ方向を見つめることである」という言葉を紹介。「恋愛でも家族でもそうですが、互いを見つめ合ってしまうと欠点が見えて気になって、問題が出てきます。共に生きるこつは、一緒に正面を見て、同じ方向を向いていくこと」と話した。
(2017年12月13日付紙面より)
新宮労基が勝浦市場で (那智勝浦町 )
繁忙期を迎える那智勝浦町築地の勝浦卸売市場で11日、新宮労働基準監督署(森美大署長)が和歌山県漁業協同組合連合会(木下吉雄会長)と合同で作業安全パトロールを実施した。
管内の休業4日以上の労働災害は10月末現在で前年同期比約28%増となっている。増加傾向が顕著な製造業に対する取り組みとして、勝浦市場には多くの事業者が集まることから、実施場所に選ばれた。
パトロールは、転倒災害防止とフォークリフトなどの荷役作業の安全確保に重点が置かれた。同署の職員らは、市場周辺のフォークリフトを一台ずつ点検し、運転免許証と特定自主検査を受けているかなどを確認。歩行者と混在する場所での運転注意や荷の結束などを呼び掛けた。転倒防止については、傾斜などで転倒しやすい場所へのステッカーや看板などによる注意喚起を促した。
森署長は「慣れによる不注意に気を付けて、基本手順を周到してもらうよう声を掛けた。今日の実施内容を各事業者が自分の店や工場に持ち帰り展開してもらえれば」と話した。
(2017年12月13日付紙面より)
串本町で世界遺産セミナー (県世界遺産センター )
和歌山県世界遺産センター主催講座「第4回世界遺産セミナー」が10日に串本町文化センターであり、20人が近代建造物を後世に残す上で大事な視点を考える機会を得た。
このセミナーは、「紀伊山地の霊場と参詣道」の良好な保存と適切な活用を円滑に進める目的で平成19年度から実施。本年度は九度山町、上富田町、橋本市、串本町の4会場を計画し、この日はその最終の開講にあたる。
講師は元県教育委員会文化遺産課保存班長でもある建築史家・西山修司さん。「熊野地域の魅力あふれる近代の建造物」を演題に掲げて登壇し、世界遺産とともに近代建造物も良好に残すべきという視点で一石を投じた。
近代建造物は幕末から昭和初期にかけて作られた近代(西洋)建築、近代和風建築、近代化遺産を包括する用語で、西山さんは▽稲村亭・潮岬灯台・樫野埼灯台(串本町)▽互盟社・司馬遼太郎別荘・北大演習林庁舎(古座川町)▽懸泉堂・紀南教会(那智勝浦町)▽旧西村伊作邸・旧チャップマン邸・旧新宮郵便局(新宮市)▽山口家住宅(北山村)―などの物件があることを紹介。
これらを残すべきとする理由を観光客と地域住民の両視点から探り、『物件に宿る歴史や文化を住民が大切にすることが地域の誇りにつながり、その先に観光が見えてくる』という一筋道が考えられることを示唆した。
他方、近代建造物には必ず所有者がいて、残すにあたっては所有者の気持ちをくむ姿勢が何より大事だと意見。所有者もつぶしたくないから近代建築物が残っているが、維持管理が限界に達すれば所有者の判断でぱっと消えてしまうことも起こる。そうなる前に残したいと考える地域の人は①早く声を上げ②皆で支える体制を作り③所有者の尊厳を(第一に)守る―という動きをすべきだとした。「そのような住民の動きは、学者がいくら意見しても動かない行政をじっとしていられなくする」とも述べ、いかに住民の動きが大事かを諭しながらこれからの実践を促した。
(2017年12月13日付紙面より)
新宮市徐福の徐福公園の楼門が11日夜から赤、青、黄などとさまざまな色に変化し、幻想的な雰囲気を醸し出している=写真。来年1月10日(水)まで。
徐福とつながりの深い阿須賀神社が世界遺産に追加登録されたことを記念して昨年初めて実施。新宮市出身の空間デザイナー畑秀樹さんの演出で、発光ダイオード(LED)の照明器具を使用している。
楼門は普段からライトアップされているが、この時季限定で時間とともに色が変化するよう設定。時間は午後5時30分から9時まで。
同公園の昨年度の来園者は3万802人。設置した市商工観光課は「クリスマスムードを盛り上げるとともに年末年始に増える観光客や帰省客に喜んでもらえれば」と話している。
(2017年12月13日付紙面より)
県高校空手道新人大会兼近畿大会予選
地元と健康にこだわり開発 (新宮港埠頭 )
新宮市三輪崎の新宮港埠頭株式会社食品部(シングウポートフーズ)はこのほど、地元にこだわった食材で作ったブリ商品を開発した=写真。今月9日(土)午前10時から正午まで、港内の株式会社食縁本社工場前で初めて地元販売する。
近畿大学技術の養殖プレミアムブリ「におわないブリ」を使用した商品。168時間かけて製造している薫製は、生ハム風と照り焼き風の2種類。切り身はプレーン、照り焼き、みそ漬け、酒かす漬けの4種類。刺身用ブロック、しゃぶしゃぶ用などもある。
安全、安心をモットーに、いずれの商品も化学調味料や食品添加物を一切使用しておらず、しょうゆは新宮醤油、酒かすは尾﨑酒造など、地元産を使用している。
同社は1978(昭和53)年9月30日に設立された新宮市の第三セクター。これまで新宮港を中心とした港湾運送、船舶代理店、貨物運送を主たる事業としてきたが、日本の「食」の多様性に注目し、食品部を設置。稚魚生産から加工販売までの「なまず養殖事業」もスタートしていて、来年の夏ごろの販売開始を予定している。
小池けん二社長は「私のモットーは、常に先を見据え新しい視点を持つこと。人口減少・少子高齢化の波がこの地方でも大きな社会問題となり、産業の衰退は地方都市の活力を疲弊させています。この地域の新たな活力と産業の振興を図り、雇用の場を作ることが必要。地域の特産を目指した事業を興し、全国展開を図りながら、さらに地域社会に貢献する会社を育てたいと考えています」と話している。
(2017年12月6日付紙面より)
※ 小池けん二社長の「けん」は、「濕」のさんずいを取り除いた字
新宮税務署が説明・相談会 (新宮市 )
新宮税務署は4日、新宮市の新宮商工会議所で「雑損控除等説明会」を開いた。台風21号などで被害を受けた人を対象とする説明会で、同市などで多くの被害があったことから開催した。被災した場合の所得税の減免制度や、住宅や家財の損失額の計算方法などについて説明した。
災害などで住宅や家財に被害があった場合、雑損控除か災害減免法によって所得税の軽減免除を受けられる場合がある。どちらか有利な方を選ぶことができ、確定申告の際に必要書類を添付して申請する。インターネットで申告書が作成できる国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」を使う際にも、被害のあった家財などの損失額を入力することで、条件に合わせて雑損控除か災害減免法の有利な方を選択できる。
説明会では全般的な説明の他に、個別相談の時間も設けられ、申告会場に持参できる損失額計算個票の用紙も配られた。確定申告の期間は2月16日(金)からとなるが、同署では被災者を対象に事前対応も予定している。
担当の同署個人課税部門の統括国税調査官・山田耕士さんは、「申告の時期には混雑も予想されます。まずは説明会にお越しください」と話した。
この説明会・個別相談会は今後、5日と7日(木)に同所で、14日(木)に那智勝浦町築地の南紀くろしお商工会で開かれる予定。時間は説明会が午後1時30分~2時30分、個別相談会が午後2時30分~5時。夜間の説明会が午後6時~7時。
(2017年12月6日付紙面より)
来年、創建2050年を迎える田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の式年大祭を盛り上げようと組織された「熊野本宮大社御創建二千五十年奉祝式年大祭推進協議会」(榎本長治会長)は2日、大社瑞鳳殿で総会を開き、来年の主なイベントの事業計画案などを承認した。
協議会は今年9月に組織。熊野本宮観光協会、田辺市熊野ツリーズムビューローなどさまざまな団体、企業など30を超える団体で組織。奉祝期間を誘客の絶好の機会として捉え、さまざまなイベントを展開し、熊野の魅力を発信しようと事業に取り組んでいる。
本宮大社の例大祭は例年4月13日から15日に行われているが、来年は11日(水)から15日(日)までを日程として奉祝式年大祭として営む。期間中には歌手の山川豊さんや水森かおりさんらの歌唱奉納などがある。
例年8月に行われる「八咫(やた)の火祭り」は10月13日(土)に日程を変更し、式年大祭とは別に公募した稚児による湯登神事を行う。
3月には博物学者、小説家の荒俣宏さん、5月には演出家の宮本亜門さん、秋には作詩家の及川眠子さんの講演を計画。宝物殿の特別拝観なども予定している。
協議会では大祭記念ロゴを製作し、ピンバッジやのぼり、記念ポロシャツの製作も進めており、さまざまなPR活動を展開していく。
総会で協議会顧問の九鬼宮司は「地元の高校生も祭りに参加したいという声もあり、うれしい。皆さんと新たな祭りができればと考えている。何かが生まれてくると確信している」とあいさつ。榎本会長は「2050年のお祝いだけでなく、熊野の良さを発信する大きな機会と捉え、地域の観光振興につなげられたらと思う」と話し、「参加していただける団体、企業を募集している。本宮大社へ問い合わせてほしい。いろいろな方々に参加してもらい、一緒に盛り上げていきたい」と呼び掛けた。
(2017年12月6日付紙面より)
町長らに感謝届け親交深める (串本町 )
駐日トルコ共和国大使館のハサン・ムラット・メルジャン特命全権大使(58)一行が4日、串本町の田嶋勝正町長や同町立大島小学校(山本隆介校長、児童36人)を表敬訪問し、トルコ軍艦エルトゥールル号殉難将士慰霊碑に献花するなどした。
メルジャン大使は先月17日に着任した新任の特命全権大使。今回の訪問は公務に就くにあたって慣例になっているあいさつ回りを兼ねた視察の一環で、インジ・メルジャン夫人と通訳者としてボアチ・ウリケル専門官を連れ3人で来町した。
南紀白浜空港で役場総務課職員と合流し、公用車で同町入り。役場本庁で表敬を受けた田嶋町長は「町民を代表して歓迎する。エ号の遭難は悲しい事故だったが、当時の救難活動が今の日本とトルコの友好を築いた柱と言ってもらえることを私たちはうれしく、誇りに思っている。今も清掃や献花をしながら587人の殉難将士をお守りしているので安心してほしい。これからいいお付き合いをさせていただきたい」と述べ、メルジャン大使は「何よりもまず将士を大切にしてくれていることに感謝する。われわれも祖先への思いを胸に友好を作る努力をし、町長ともよい機会を作りたい」と応えた。
「次の来町時には町長と一緒にダイビングに挑戦したい」など後の懇談も弾む中、田嶋町長は歓迎の一端で記念楯や日本トルコ友好マスコットキャラクター「まぐトル」のぬいぐるみ、町独自の友好のあかしとしている同碑レリーフをかたどったピンバッジなどを贈って親交を深めた。
同町立大島小学校では、山本校長と6年生の造隼瑠菜さんがあいさつし、6年生の伊勢谷連さんと中西基樹君が花束を贈って来校を歓迎。一同で同碑とともに受け継がれる追悼歌を披露した。
メルジャン大使は「皆さんや役場の方々が両国の国旗を振って迎えてくれたことが、串本に来て何より感動していることだ」と歓喜。同碑の清掃などを通して殉難将士を大切に守ってくれている児童を『もっとも美しい花で飾られたような友好の架け橋』とたたえて感謝し、交流の記念にと文具を贈るなどした。
表敬後は樫野崎を訪ね、田嶋町長夫妻や樫野区の岩谷知道区長の代理で高山カヤ子さんとともに同碑に献花。メルジャン大使夫妻は樫野崎園地にある建国の父・アタテュルク像への献花を来町にあたって希望したそうで、同町も応えて段取りし実現した。併せて樫野埼灯台やトルコ記念館、遭難地点とされる岩礁(通称・船甲羅)を視察し現地説明を受けるなどした。
夜は田嶋町長主催の歓迎夕食会に出席。町内に宿泊し翌5日に串本海中公園センターを視察するなどして同大使館がある東京へ戻った。
(2017年12月6日付紙面より)