アユ産卵場でふ化数増 (高田川 )
熊野川漁業協同組合(屋敷善一組合長、会員約1300人)が新宮市相賀の高田川に設置していたアユ産卵場で1日、ふ化が確認された。西哲司副組合長(66)は「昨年より数は多い。どれだけ帰ってくるか楽しみです」と期待している。
高田川へのアユの遡上(そじょう)は年々減っていたが、6年前の紀伊半島大水害で川底が激変し、追い打ちをかけた。アユは生まれた川へ帰ってくる習性があることから、組合は昨年初めて同地に産卵場を設置した。
今年は11月5日、重機で川に幅約20㍍、長さ約250㍍の穴を掘り産卵場を設置。組合員たちが周囲に鉄の杭(くい)を打ち込み、アユを狙うカワウ対策として網で囲った。11月10日に卵を持ったメスとオスの成魚合わせて約5000匹を放流していた。
今年は大水害以来、中止している高田川との合流点付近の熊野川本流への産卵場設置も予定していたが、濁水のため断念。西副組合長によると、川の石に泥がついているとアユが産卵しても流されてしまうという。
同組合は新宮市、田辺市本宮町、北山村の住民らで組織。毎年、高田川、赤木川、篠尾川、大塔川、四村川など熊野川支流に稚アユを放流している。今年は合計約4・1㌧放流した。猪飼三雄理事(75)は「とにかく稚魚を狙うカワウの被害が大きい。来年はたくさん遡上して、釣り人たちに喜んでもらいたい」と話していた。
(2017年12月8日付紙面より)
観光協会がカレンダー販売
那智勝浦町観光協会(花井啓州会長)は2018年オリジナル観光カレンダーを作成した。表紙を含め7枚つづり。一般公募した写真で作った。表紙は那智山の夜空を撮影した写真で、那智山青岸渡寺西国三十三所草創1300年の文字を入れている。
公募した写真でのカレンダー製作は昨年に続いて2回目。今回は全国から84点の応募があった。那智湾の日の出、熊野古道大門坂、勝浦漁港に水揚げされたマグロなどの美しい写真が採用された。観光協会では「那智勝浦を代表する魅力ある作品ばかりです。ぜひご利用を」と呼び掛けている。
1000部を発行し、一般販売の他、会員や取引のある旅行業者に配布する予定。1部税込み500円。希望者には郵送でも受け付ける。郵送の場合の送料は2部までは300円、それ以上は着払いとなる。問い合わせ、購入は那智勝浦町築地6の1の1、町観光協会(電話0735・52・5311)まで。
(2017年12月8日付紙面より)
明神小中合同学習発表会 (古座川町 )
古座川町立明神小学校(速水直樹校長、児童18人)と同町立明神中学校(中島良範校長、生徒14人)は2日、明神中体育館で合同学習発表会を開き、学業成果を家族らに公開した。
3年前まで小中それぞれに学習発表の機会を計画していたが、昨今の少子化に伴う児童生徒数減少を受け一昨年から合同で計画するようになった。3年目となる今回も児童は低・中・高学年別に舞台芸術(演劇)を練習し、生徒は学年ごとに体験学習の成果を取りまとめ。加えて児童生徒それぞれに音楽発表も準備して本番を迎えた。
明神小6年の岩本優史君がはじめのあいさつを述べ、明神小は▽1・2年生音読劇「お手紙」▽3・4年生劇「三年とうげ」▽5・6年生影絵劇「やまなし」、明神中は▽1年生「海について」▽2年生「職場体験を通して」▽3年生「修学旅行・福祉体験」―といったテーマで発表。続く入賞作品発表では、明神中2年の大西ひなたさんが英語スピーチ「My Dream」を披露した。
終盤は児童と生徒がそれぞれ一丸で合唱や合奏を発表。生徒はさらに「TOMO JAZZ DANCE STUDIO」の指導を受けて磨きをかけた創作ダンスを披露し、明神中2年の栗林享志君がおわりのあいさつを述べた。
会場の後方には美術や図画工作、家庭や技術などの学業作品も展示。両校を代表して中島校長は、各発表を振り返って良かったところや頑張りをたたえ「小学生、中学生ともよく頑張ったし、発表を通じて一段と大きく成長したと思う。年少は年長の姿を目標にし、年長は年少だった頃を振り返って今の自分を知る。そのような発表会をこれからも目指したい」と述べて締めくくった。
(2017年12月8日付紙面より)
パンダハウスで職員ら
新宮市三輪崎の子育てクラブ「パンダハウス」(髙由香代表)で6日、不審者対応訓練があった。刃物を持った男が侵入してきたとの想定で職員たちが刺股で取り押さえた。
今年3月31日、大分県の認定こども園に刃物を持った男が侵入し、児童や職員が負傷した事件を受け、初めて実施。子どもたちが見学する中、新宮警察署生活安全刑事課の大井敬悟警部補ら署員3人が職員たちに刺股を有効に使うコツなどを指導した。
平成13年に開設され今年16年目の放課後児童クラブ。職員は4人で、小学生46人が登録している。髙代表は「これまで不審者が入ってきたことはありませんが、地域では不審者の目撃情報はあるので、万が一に備えて訓練していきたい」と話していた。
(2017年12月8日付紙面より)
仙人風呂がオープン (川湯温泉 )
田辺市本宮町の川湯温泉、大塔川河原で1日、露天風呂「仙人風呂」がオープンした。地元園児たちが一番風呂に入り、大自然の恵みを満喫した。入浴は無料で、利用時間は午前6時30分から午後10時まで。設置期間は来年2月末まで。
冬の風物詩になっている仙人風呂は1985年から毎年設置されている。熊野川の支流大塔川の一部をせき止めて横幅約42㍍、奥行き約13㍍、深さ約60㌢の浴場を造成。川底から湧き出る温泉は約73度で、川の水を引き入れて40度前後に調整している。名前の由来は、川湯温泉が昔、仙人のお告げで発見されたという言い伝えがあることと千人が入れるぐらいの大きさがあること。
アルカリ性単純温泉で、神経痛や筋肉痛に効果がある。約40台分の無料駐車場や男女別の簡易更衣室を設置。シャンプーや石けんの使用は不可で、水着やタオルなどを着用して入浴する。
今シーズンの安全と温泉街の繁栄を願う開湯式では、祐川寺の丹羽達宗住職による読経の後、主催の小淵誠・仙人風呂実行委員会委員長と堀克也・熊野本宮観光協会長ら関係者が湯にお神酒を注いだ。一番風呂は、たんぽぽ保育園(30人)とひまわり保育園(6人)の園児たち。塚咲良ちゃん(6)は「温かくて気持ちいい」と喜んでいた。
利用者数は2006年度が最も多く10万4000人。昨年度は5万5000人だった。小淵委員長は「今年で33回目。たくさんの皆さんに楽しんでもらいたい」。堀会長は「来年も来たいと思ってもらいたい」と話していた。
来年2月までの毎週土曜日午後8時から10時までは、仙人風呂の縁を約50個の灯籠で囲う「湯けむり灯籠」が実施される。雨天中止。
(2017年12月2日付紙面より)
新宮港でテロ対策訓練 (海保、警察など )
新宮港港湾保安委員会(会長=木村誠治・東牟婁振興局新宮建設部長)は11月30日、同港三輪崎3号岸壁でテロ対策訓練を実施した。田辺海上保安部、串本海上保安署、新宮警察署、大阪入国管理局和歌山出張所など10機関から約70人が参加し水際での連携体制を強化した。
訓練は、▽不法車両の岸壁への立ち寄り▽入国審査における不審旅客の発見、逮捕▽手荷物検査による旅客の所持品内拳銃の発見、船内逃走後、投降、逮捕▽旅客による放火と負傷者の救助および消火▽旅客2人の海上逃走、確保―を想定。
海上逃走と確保では旅客2人が旅客船に係留されていた小型ボートに乗船して逃走するのを海保のボートが追跡、制止しようとした海上保安官に対して刃物を振り回して抵抗したため海保巡視船が威嚇射撃を行い、不審者を逮捕するまでを訓練した。
木村会長は「世界情勢を考えると日本はテロの標的に挙げられており、厳重な保安対策が必要。訓練を実施することでテロ対策の重要性、必要性を再認識し、つながりを強化したい」。
川上誠・田辺海上保安部長は水際におけるヒト、モノの阻止はテロ対策の要だと述べ「訓練を通じ、関係機関の連携が一層強化され、新宮港のテロ関連事案への対応能力をさらに高めることができる有意義な場になれば」とあいさつ。
訓練後、谷本克也・新宮警察署長は「各機関とも的確な措置をとり、日頃の訓練の成果が出ている。連携も一層強化されている」と講評し、世界的な情勢は厳しく、危機感を持ち対応しなければならないと述べた。
新宮港でのテロ訓練は国際船舶・港湾保安法の施行(2004年)を受け、06年から毎年実施されている。
(2017年12月2日付紙面より)
第12回吟詠剣詩舞練成大会 (串本町 )
哲泉流日本吟詠協会和歌山県支部連合(尾﨑和貴=吟号・尾﨑合泉=会長)は11月28日、串本町文化センターで第12回吟詠剣詩舞練成大会を開き日頃の稽古の成果を公開披露した。
同連合各支部の会員が一同に会して営む、年に一度の合同発表会。例年、入場無料で一般鑑賞できる公開行事として事前告知していて、吟詠や詩舞の魅力に触れる機会としても親しまれている。
今回は尾﨑会長が急きょ参加できなくなったため、物故者追悼の礼を尽くした後、ただちに生徒発表へ移った。序盤は吟詠で18人、中盤は詩舞で14人が順次出演。終盤は舞台芸術として定着している特別企画構成吟で、今回も尾﨑会長の監修、矢野郁雄=吟号・矢野倞泉=副会長の企画構成で指導者級が発表に臨んだ。
テーマは「『かなしみとよろこび』…心の奥」。矢野副会長がナレーションを交えて舞台の情感を高める中、吟詠2人と詩舞5人の7人組による勇壮な武田節で始まり以降は吟詠や吟詠と詩舞の共演が続いた。最終は吟詠2人と詩舞2人の4人組による静御前で、出演者も舞台後方に並んで間近に発表を見届け、一同で来場者の鑑賞に感謝して締めくくった。
(2017年12月2日付紙面より)
熊野那智大社で迎春準備 (那智勝浦町 )
師走に入り、今年もあと1カ月。熊野那智大社(男成洋三宮司)では初詣客に授与する縁起物の準備が進められている。
同大社の斎館には守護矢、熊手、大漁旗などが飾られ、みこらが迎春準備に追われている。男成宮司が原画を描いたえと色紙(2000円)は紀州犬の親子とキイジョウロウホトトギスが描かれて、「穏和」の文字が書き添えられている。えと色紙と同じ構図で描かれた縁起物「紀州塗り」の皿や、えと土鈴なども用意している。
同大社では19日(火)に大みそかの那智の滝ライトアップに備えた照明設備の試験点灯、27日(水)は大しめ縄の張り替えをし、迎春準備を整える。授与品の問い合わせは同大社(電話0735・55・0321)まで。
(2017年12月2日付紙面より)