大鳥居をライトアップ (ピンクリボン紀南 )
田辺市本宮町の熊野本宮大社の旧社地大斎原(おおゆのはら)の大鳥居が8日夜、ピンク色に染まった。ピンクリボン運動団体「ピンクリボン紀南」が、乳がん検診を呼び掛ける運動の一つとしてライトアップした。和歌山県臨床検査技術師会が共催。県、田辺市、新宮市、田辺市医師会、新宮市医師会などが後援。
女性の12人に1人が乳がんになるといわれる現代社会。乳がんで死亡する人が増加傾向にあるが、早期発見で治療すると約90%が治るとされている。このため、検診の大切さを呼び掛けようと毎年この時期にイベントを開催している。
ライトアップは夕闇が迫る午後6時から始まり、サーチライトが大鳥居を照らすと、ピンク色に染まり幻想的な光景が浮かび上がった。大鳥居に続く参道には見学者が訪れ、写真撮影するなど関心を寄せていた。
この日は、熊野本宮大社近くの熊野古道を歩くウオーキングや、世界遺産熊野本宮館でシンガーソングライターの松田陽子さんのコンサート、白浜はまゆう病院の粉川庸三医師による講演会も行われ、乳がん検診の大切さを訴えた。
(2017年10月12日付紙面より)
新宮市街地で捕獲
新宮市下田の運送会社倉庫で7日午前9時30分ごろ、イノシシが出没。連絡を受け駆け付けた鳥獣保護員の下忠文さん(69)=同市磐盾=が捕獲した。下さんは「山の近くでは頻繁に出没しているが市街地では珍しい。攻撃してくるケースもあるので、発見したら市役所農林水産課か警察に連絡してほしい」と呼び掛けている。
捕獲されたイノシシは体長約1㍍、重さ約20㌔のオス。発見者が警察に連絡。同課職員と下さんが駆け付けたところ倉庫の隅でうずくまっていた。暴れると危険なため、イノシシはその場で殺処分し、同市熊野川町の市有林に埋めた。
同課によると、今年8月から市内の相筋から五新までの千穂ヶ峰沿いでイノシシなどの出没情報が増えていて、民家の畑で被害が出ている。同課は『イノシシ・サル等が住宅地に出没したときの初動対応マニュアル』を作成していて、警察と連携し対処している。
市内の鳥獣保護員は下さんを含め2人。イノシシだけではなく、シカ、サル、アナグマなどの出没情報が毎日のように入り捕獲している。下さんは「今回のイノシシは、夜にエサを求めて鴻田付近の山から住宅地に入ったところ、人や車に遭い、逃げているうちに市街地に迷い込んだのではないか。イノシシなどを見かけてもエサだけは絶対に与えないでほしい」と話していた。
(2017年10月12日付紙面より)
那智勝浦町消防本部が合同訓練
那智勝浦町の勝浦港内の渡の島周辺海域で8日、同町消防本部(湯川辰也署長)、同町消防団本部(貝岐昌志団長)と第2分団(裏東芳樹分団長)が「消防本部、消防団合同火災水難救助対応訓練」を実施した。署員、団員25人が、船舶火災の消火、水難者の救助対応など、互いの連携強化と技術の向上を図った。
団員らは、消防艇「はくりゅう」に乗り込み渡の島東側から出動した。同西側海域で出火した船舶へ放水消火訓練、観光桟橋から転落した漂流者や船舶から海中へ転落した行方不明者を想定した救助訓練を実施。訓練後には、事後検討会を開いた。
貝岐団長は「勝浦港は、日本有数の漁港や巨大宿泊施設、紀の松島などの観光名所が集まった場所。幸い周辺での事故はないが、災害はいつ来るかわからない。両機関の連携を強化し、安心して過ごせる町に」と話していた。
(2017年10月12日付紙面より)
高瀬会明神小交流運動会 (古座川町 )
古座川町高瀬にある社会福祉法人高瀬会(切士桂理事長)の老人保健施設で6日、第17回高瀬会・明神小学校交流運動会があり、同法人利用者や児童教職員らが一丸になって各種目への挑戦で盛り上がった。
季節感豊かな日々の創出を目指して取り入れている四季折々の恒例諸行事の一つ。明神小(速水直樹校長、児童18人)は地域交流の一環で学校を挙げて、高瀬地区の高齢者有志や同地区担当の民生委員も招待を受けて参加し開会を迎えた。
例年は高瀬若者広場を会場にしているが、今年は当日雨天のため屋内で実施。利用者は約110人が参加し、主催者を代表して切士知憲施設長は「いつもよりコンパクトな分、見やすく応援もしやすくていいのかなと思う。けがだけはしないよう気をつけて楽しい運動会になればと思う」と述べて一同の奮起を促した。
プログラム数は6で、利用者と児童教職員は赤、白、青の混合3ブロックを結成。パン食い競争では利用者と児童教職員がペアで、玉入れはブロック一丸で対戦。輪投げは児童がブロックごとに一丸の応援で盛り上げる中、利用者や地域高齢者、高瀬会職員や教職員が順次挑戦した。
同法人職員も適時飛び入りで種目に挑み、にわかに高まる難度に負けず挑む姿で場を盛り上げたほか、最後は明神小児童が21日(土)の明神地区秋季大運動会に向けて練習しているダンスを先行披露し、利用者らは拍手で頑張りをたたえた。
ブロック対抗戦の結果は赤ブロックの優勝で、利用者と児童の各代表が切士施設長からトロフィーを受け取り、喜びを分かち合った。同法人から児童に文具のプレゼントが贈られ、児童を代表して宮下響君(6年)は「あいにくの雨でリレーなどはできなかったけど、皆さんと一緒に玉入れがやれたことは特に楽しかった。これからも楽しく長生きしてください」とあいさつして運動会を締めくくった。
(2017年10月12日付紙面より)
セレッソスクールコーチの教室も開催
速玉大社例大祭前に30人 (新宮市 )
熊野速玉大社例大祭を前に世界遺産を守る会(会長・上野顯熊野速玉大社宮司)は9月30日、新宮市相筋の乙基(おとも)河原にある御旅所(おたびしょ)を清掃した。約30人が草刈りなどで汗を流した。
御船島の対岸にある御旅所では、例大祭両日の夕刻に神事が営まれる。早船競漕(きょうそう)や神輿(みこし)などの『動』に対し、祈りを込める『静』の場所として最も重要な土地とされる。
守る会は2011年の権現山不法伐採を受け、翌年4月に地元住民を中心に発足した。御旅所は、約750平方㍍の平地の周囲をさまざまな樹木が取り囲む土地だったが、紀伊半島大水害でほとんどが流失。ナギ、マキ、サカキなどを植樹し復元を目指している。
上野宮司は「毎年皆さんの力を頂き活動しています。水害後、人の手を入れ、早く元の姿に戻る力をつけようという気持ちで奉仕してくれました。御旅所は新宮の新宮たるゆえんの第一歩の場所。祭りは国の重要無形民俗文化財に指定されており、喜びをさらに伝えていくには地道な活動が必要です」。
速水盛康事務局長は「世界遺産と関わり、自分たちの大切にしているものを確かめられる活動です。関わり、共有し、一体感を得られることに意味がある。例大祭に向け、神と人との交流の場だと感じています」。60代の女性は「神様と共にいられると実感しています。皆さんに神事を知ってもらいたい」と語った。
例大祭は「新宮の速玉祭(はやたまさい)・御燈祭(おとうまつ)り」として国の重要無形民俗文化財に指定されている。
(2017年10月1日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で9月30日、献湯祭が営まれた。熊野本宮温泉郷(川湯、湯の峯、渡瀬)の16軒の旅館・民宿などの代表者たちが一番湯をささげ、自然の恵みに感謝するとともに温泉郷の繁栄を祈った。
熊野本宮観光協会(堀克也会長)が主催で、今年39回目の神事。旅館の女将(おかみ)らが朱塗りのたるに入れた一番湯を本殿前に置かれた大たるに願いを込めて注ぎ込んだ。社務所前では、熊野本宮女将の会が参拝者たちに温泉コーヒーを振る舞った。
観光協会によると、本宮町の観光客数は、2011年は紀伊半島大水害の影響で100万人を割ったが、翌年以降回復。昨年は宿泊客13万1184人(前年比7748人減)、日帰り客136万8500人(同2万1700人増)の計149万9684人(同1万3952人増)だった。
九鬼宮司は「来年は本宮大社創建2050年。それぞれの役目を果たし、あらためて熊野を発信できれば」。堀会長は「近年増えている外国人観光客に対するおもてなしを特に充実させ、多くの方に熊野の温泉の魅力を感じてもらいたい」と話していた。
(2017年10月1日付紙面より)
風屋ダム2期工前に発表 (電源開発 )
電源開発は9月29日、11月から始まる風屋ダム(十津川村)の表面取水設備改良2期工事に伴う濁水軽減の追加対策を発表した。1期工事ではダム水位の低下が濁度上昇の主な原因になったと分析し、「できる限り水位を上げて工事する」などとした。新宮市議会が先日採択した「風屋ダム湖における堆積土砂撤去を求める決議」を重く受け止め、今後さらに対策を検討すると理解を求めた。
市福祉センターで開かれた「熊野川の総合的な治水対策協議会」の臨時連絡調整会議で、電源開発西日本支店の斉藤文彦支店長代理が説明。昨年11月から今年5月まで実施した1期工事では、ダム湖に堆積したシルト(沈泥)が流出し、熊野川流域住民に迷惑を掛けたと述べた。
2期工事では▽可能な限りダムの水位を上げる▽1期工事で効果があった濁水をろ過する沈殿池工を2基から6基に増やし、幅を約2㍍から4~5㍍に広げる▽地元の意見を参考に瀬の一部を掘削して流れの遅い部分を作り、濁質の沈降を促す▽チラシ配布などで流域住民への丁寧な説明に努める―などと報告した。
会議で国土交通省紀南河川国道事務所の冠雅之副所長は「追加対策の効果はどれだけ出るのか」と質問。斉藤支店長代理は「幅があると思うが、今後の協議会で説明していきたい」と回答した。
決議では、シルトを含む土砂撤去計画を示した上で2期工事に着手することを求めている。会議を傍聴した熊野川濁水・治水関連対策特別委員会の前田賢一委員長は「今日示された対策では効果が期待できない。さらなる努力を望みます」とコメントした。
(2017年10月1日付紙面より)