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【検索ステータス】 
2017年09月26日
1 津波避難場所が供用開始
 見学会に地域住民ら300人  (新宮市 )

 新宮市が津波一次避難所として整備した宮井戸津波避難場所(同市蓬莱)が24日から供用開始された。完成を祝うテープカットなどの式典と見学会には地域住民ら約300人が出席。田岡実千年市長は「私ども行政は一人の犠牲者も出さないという覚悟のもと、災害から市民の生命財産を守る最大限の努力をより一層していかなければなりません」と来場者たちに協力を呼び掛けた。

 旧王子製紙跡地に造成した避難場所は、高さ6㍍、縦80㍍、横60㍍の楕円(だえん)形。上部の面積は630平方㍍あり、1260人が避難できる。同地は南海トラフ巨大地震の浸水深が0・5~1㍍と予想されている。地盤は海抜7㍍で、築山上は海抜13㍍。

 紀伊半島大水害後に国が熊野川河口部で実施した掘削工事で採取した砂利1万2000立方㍍を使用。表面に土をかぶせ芝を張っている。幅3㍍の階段とスロープを各2カ所、ソーラー式避難誘導灯を14基設置。事業費は市7500万円、国4500万円の計1億2000万円。

 式典では名称の公募で86人の中から選ばれた津越宏之さん、彦前広男さん、矢野和子さんの3人に田岡市長が記念品を贈呈。来賓の濱口太史県議は「避難場所の完成は大変心強く、安心につながる。地域の皆さんは普段からここへ来る習慣を身に付け、助け合いながら一人一人の命を大切にしてもらいたい」と祝辞。彦前さん(68)=同市熊野地=は「思った以上に立派な避難場所ができて良かった。安心です」と話していた。

(2017年9月26日付紙面より)

テープカットで完成を祝う=24日、新宮市蓬莱
2017年09月26日
2 無線で連携強化図る
 那智山地区火災防ぎょ訓練  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町消防本部(阪本幸男消防長)と同町消防団(貝岐昌志団長)は24日、「消防本部および消防団合同那智山地区火災防ぎょ訓練」を実施した。那智山青岸渡寺にある竹林での火災を想定し、防火水槽の有効利用と無線による連携強化を図った。

 昨年に続き、2回目の訓練で、無線を使った指揮命令系統と情報共有による連携強化を目的に行っている。

 青岸渡寺の近くに備えられた自然水貯水型の防火水槽は200㌧の貯水が可能で、那智山各所の消火栓などとつながっている。水は無くなり次第、那智の滝の滝つぼ付近にある水源から可搬式ポンプやポンプ車などを用いてくみ上げる仕組みになっており、これらの活用方法を身に付ける狙いもある。

 今回は青岸渡寺に向かう防災道路沿いの竹林からの出火、延焼を午後3時ごろに覚知し、風によって激しく燃えている状況を想定した。

 訓練には消防本部(署)と消防団第1~第4分団計38人が参加した。団員は所定の位置に散開して那智山にホースを張り巡らせ、無線で火災や部隊配置の状況などを確認しながら消火活動に従事した。

 訓練後、阪本消防長は「無線の統制による部隊の強化も達成できた」と講評した。

 貝岐団長は「無線による統制がとても難しく、指揮本部にいると三つの音声が流れてきて、統制が取りづらい。訓練を重ねて、しっかり指揮できるようにしたい」と改善点を述べた。

(2017年9月26日付紙面より)

竹林に向けて放水する団員ら=24日、那智勝浦町那智山
2017年09月26日
3 「水平線から手を振って」
 JR新宮駅に魚のアートが登場  (紀の国トレイナート )

 JRきのくに線の駅舎を舞台に展開するアートプロジェクト「紀の国トレイナート」(同実行委員会主催・10月1~29日)の作家制作、作品展示が進んでいる。9月22~24日にはJR新宮駅で大阪府岸和田市在住のデザイナー、河合進さん(34)の作品「水平線から尾をふって」の設置があった。河合さんは「見る人に楽しんでもらえれば」と話している。

 紀の国トレイナートはきのくに線の駅舎にさまざまなジャンルのアーティストが作品を展開し楽しむイベント。地域の人々とアーティストが共に生み出した作品を鉄道がつなぎ、交流を深め、全国世界から人々を引きつけ多種多様なネットワークがつながる場となることを目指している。

 JR新宮駅はきのくに線の終着駅。河合さんは旅をする人にとっての玄関となる場所で、温かな歓送迎ができる作品を目指した。和歌山県にちなむクジラやマグロ、タチウオなどのさまざまな魚をモチーフに、魚が尾ひれを振る姿と手を振るイメージを重ねている。

 魚は木製、尾ひれはプラスチック製でアルミのポールに取り付けられている。コンクリートでできた土台を地面に埋めて設置した。作品の高さは約60㌢から160㌢で、計18種類。魚の部分は取り外しでき、尾ひれの部分を使ってしゃぼん玉を作ることで、水中を進む姿を感じさせる。しゃぼん玉ワークショップの実施は期間中、アート列車に合わせて2回程度を予定している。

 トレイナートへの参加は初めての河合さんは、大阪府の建材メーカーに勤めプロダクトデザインを行いながら作品を制作している。新宮市を訪れるのはこの機会が初めてで「古い雰囲気のある建物も残っており、文化的な町の印象」と語り、作品について「しゃぼん玉を作れる形状にしつつ魚らしく見られるようにするのが苦労しました」と話していた。

(2017年9月26日付紙面より)

作品を設置する河合進さん=24日、新宮市徐福のJR新宮駅
2017年09月26日
4 檜扇貝拾いに殺到
 三輪崎で潮風まつり  

 三輪崎漁業協同組合主催の「第28回潮風まつり」が24日、新宮市三輪崎の三輪崎漁港周辺であった。毎年恒例の人気コーナー、ヒオウギガイ(檜扇貝)拾いは、磯にまかれた1万4000個が約10分でなくなった=写真

 親しみやすく住みよい漁港、漁村づくりを目指す活動の一環として毎年開催されているイベント。今年は昨年と同じ約1500人(主催者発表)が来場した。

 貝拾いの参加者たちは、バケツやビニール袋を手に会場となった孔島周辺の磯に集合。スタートの合図とともに貝のある場所に殺到した。小学生3年生以下の貝拾い場所は別に設けられた。

 漁協市場では海産物の朝市もあり盛況だった。海野義尊組合長は「心配していたケガもなく大勢の人に楽しんでもらえて良かった」。初めて参加した東心音君(7)=那智勝浦町立宇久井小学校1年=は「面白かった。また来たい」と話していた。

(2017年9月26日付紙面より)


2017年09月26日
5 近大新宮が二次予選進出
 秋季近畿地区高校野球県一次予選  
2017年09月26日
6 組み合わせ決まる
 全国高校サッカー選手権和歌山大会  
2017年09月26日
7 陸上競技で新人戦始まる 東牟婁地方中体連、その他競技は10月の3連休中心に 
2017年09月26日
8 笑顔で楽しいひととき 新宮市、黒潮園に生きがいづくり一座 
2017年09月26日
9 選挙に向け必勝祈願  世耕弘成大臣が地元入り  (熊野三山参拝 )
2017年09月26日
10 1位に西美晴さん 写連新宮支部9月例会 
2017年09月26日
11 お菓子作りも見学  井関、宇久井、勝浦認定交流会  
2017年09月26日
12 地域一体で競技に参加 新宮市高田で連合運動会 
2017年09月26日
13 西村伊作賞など28人  熊野を描こう絵画展表彰  (新宮市 )
2017年09月26日
14 ろうそくで墓所照らし総供養 串本町西向、成就寺「千灯供養法要会」 
2017年09月26日
15 町立小中学校5校が熱戦 串本町秋の運動会シーズン後半 
2017年09月26日
16 ヤマジノホトトギス  新宮市神倉神社で  
2017年09月26日
17 お悔やみ情報
  
2017年09月20日
18 被災地に響く鎮魂の音色
 佐渡裕さん指揮、復興祈念演奏  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町と同町教委は18日、兵庫県立芸術文化センター芸術監督で世界的指揮者の佐渡裕さんと同センターのスーパーキッズ・オーケストラを招いて「佐渡裕&スーパーキッズ・オーケストラ2017 紀伊半島大水害復興祈念演奏活動 こころのビタミンプロジェクト in なちかつうら」を開催した。

 佐渡さんは午後の演奏会に先だち、同町市野々の県土砂災害啓発センター敷地内で鎮魂演奏会を催した。佐渡さんは新宮高校の生徒から「音楽で地元を元気づけたい」と手紙を受け取ったことを来町のきっかけと話し「手紙に感動しました。大水害から6年が経過してしまい、いつか来なければと思っていました」とあいさつ。コンサートマスターの前田妃奈さん(中3)がバッハの「バイオリンソナタ」よりソロを演奏後、会場の全員で黙とうをささげた。高い演奏技術と美しい響きに、約150人の鑑賞者は大きな拍手を送った。

 佐渡さんは同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊碑に献花し、手を合わせ、「たくさんの命が自然災害で奪われるというのは本当に心が痛みます。自然豊かな所で生まれ育った私たちは、これからますますそうした災害に工夫しながら向き合っていかなければならない。手を合わせるということは、未来のことを決意するということだと思います。励まし合い手を取り合い生きていけるのは日本の素晴らしいところ。われわれには音楽を通してこころのビタミンを届けることしかできませんが、この美しい町がますます魅力的な町になっていくことを願っています」と話した。

(2017年9月20日付紙面より)

美しい音色が会場に響き渡る=18日、那智勝浦町
佐渡裕さん
2017年09月20日
19 市婦連が人権学習会
 知的障害者の雇用など例に学ぶ  (新宮市 )

 新宮市婦人団体連絡協議会(仲富美子会長)は16日、新宮市福祉センターで、講師に新宮市人権尊重委員会の和田勝さんを迎え人権学習会を開催した。

 和田さんは認知症の祖母と孫が題材の絵本「ばあばは、だいじょうぶ」を紹介し、神奈川県相模原市の知的障害者施設津久井やまゆり園で起こった「相模原障害者施設殺傷事件」も取り上げた。社員の7割が知的障害者のチョーク工場が日本で一番大切にしたい会社と呼ばれる理由が描かれた「虹色のチョーク」という本を題材にし、知的障害者との関係などについて講話した。

 日本国憲法第14条第一項を読み上げ、「人権というのは、人間が人間らしく幸せに生きていくための権利。人間は生まれた場所、住んでいる場所によって値打ちが決まるものではない。差別はされる側ではなく、する側に問題がある。する人がいるから差別が起こる。いじめも同じ。差別などは人間がつくり出したものですから、人間の力でなくしていかなければならない」と話した。

 和田さんの講話の前には、赤十字奉仕団和歌山県支部の講習に参加してきた川嶋みどりさんが、講習時に教わってきた、緊急時に役立つ牛乳パックを使った一人用非常食セットを紹介した。

(2017年9月20日付紙面より)

メモを取りながら講話に聞き入る=16日、新宮市福祉センター
一人用非常食セットが紹介された
和田勝さん
2017年09月20日
20 勇壮な鯨踊りなど披露
 三輪崎八幡神社例大祭の奉納行事  (新宮市 )

 新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)例大祭の神輿渡御(みこしとぎょ)と奉納行事が18日、同神社と三輪崎漁港周辺で営まれた。奉納行事では晴天の下、三輪崎郷土芸能保存会が獅子神楽と日本遺産に登録された鯨踊りを披露。踊りや演奏があり大勢の来場者らでにぎわった。

 三輪崎漁協前の御旅所では三輪崎郷土芸能保存会が七つの獅子神楽を奉納。『鯨踊り』では扇子を持って鯨を追い込む様子を表した『殿中踊り』と竹製で銛(もり)を模した「綾棒」で鯨を突く様子を表した『綾踊り』を勇壮に披露し「ヨイハ」の掛け声を響かせた。

 三輪崎婦人会、台楽保存会、若吉会の女性たちが2曲ずつ踊り、熊野曼荼羅太鼓の演奏に合わせて『黒潮囃子』と『新宮節』も踊った。

 三輪崎郷土芸能保存会の濱口仁史会長は「台風の影響で予定を変更しましたが、晴天に恵まれてよかった。懸命に練習した踊りをめいっぱい披露できうれしいです。満足のいく御旅所での披露になりました」。三輪崎八幡神社氏子総代会の中村武会長は「天気も良く無事にでき、ほっとしています。祝日で子どももたくさん出てきてくれた」。

 夫が保存会のメンバーの吉村まき子さんは「体力勝負で大変だと思いますが、頑張っていると感じます」。葛平愛子さんは「今年は神輿を担ぐ人が少なく、にぎやかさが例年と違っているように思います。いろんな世代の人が参加しておりいい祭りですね」と話していた。

(2017年9月20日付紙面より)

「ヨイハ」の声が響いた=18日、新宮市三輪崎
2017年09月20日
21 華やかに櫂伝馬行事
 勝浦八幡例大祭  

 那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)例大祭式典が18日、営まれた。17日の予定だったが、台風による荒天が予想されたため延期。内容を縮小して、境内で神事と奉納行事を執り行った。

 式典は正午に始まり、祭典委員や氏子らが参列した。櫂(かい)伝馬のこぎ手が「餅つきうた」を歌い、山伏勝浦会(山路昇会長)は歌舞伎の演目「勧進帳」を演じ、勝浦獅子神楽保存会(沖和也会長)が獅子舞を奉納した。

 神輿(みこし)の渡御は中止となったが、午後3時からは櫂伝馬行事が営まれた。櫂伝馬愛友会(濱口泰至会長)、那智中学校の男子生徒が乗り込んだ3隻、南紀くろしお商工会の1隻の計5隻が勝浦湾内をこぎ回った。櫂伝馬を応援するギタリストの濱口祐自さんの演奏もあった。大阪府吹田市の浜田純さん(60)は、「毎年お祭りを楽しみにしています。台風で海中神事が見られず残念でしたが、櫂伝馬は見ごたえがありますね」と話していた。

(2017年9月20日付紙面より)

岸壁に集まった大勢の観衆と黄舟をこぐ那智中学校3年生=18日、那智勝浦町
2017年09月20日
22 第2ステージ雨乞竜己が7位
 「ツール・ド・北海道」キナンチームレポート②  
2017年09月20日
23 JOC杯バレー県代表に
 寺本千紗さん、潮﨑梨緒さん選出  
2017年09月20日
24 新宮市でもサービス開始 JAみくまの、とくし丸3号車出発式 
2017年09月20日
25 日頃から食料備蓄を  新宮市で「減災カフェ」  
2017年09月20日
26 「すみれの花咲く頃」など歌う  妃海風さん熊野那智大社に  
2017年09月20日
27 紐作り製法で作品制作  串本町教委主催の陶芸教室  
2017年09月20日
28 台風一過の好天下で歓声 串本町、秋の運動会体育祭始まる 
2017年09月20日
29 75歳以上の長寿健勝祝う 串本町、各区の敬老行事にぎわう 
2017年09月20日
30 華やか天狗舞に拍手喝采  宇久井神社例大祭  
2017年09月20日
31 お悔やみ情報
  
2017年09月10日
32 三輪崎幼稚園で閉園説明会
 経緯や今後の体制に理解求める  (新宮市 )

 新宮市立三輪崎幼稚園の閉園説明会が8日夜、同園で開かれた。保護者や地域住民ら25人に対し市教育委員会が閉園への経緯と今後について説明。参加者からは来年度以降の体制などへの質問や意見が挙がった。

 三輪崎幼稚園の定員は110人だが、園児数は減少傾向にあり、本年度は6人となっている。一定規模の人数を確保した幼稚教育のありかたが問題となり、本年度で同園は閉園予定となっている。来年度以降は白梅、三輪崎保育園が認定こども園に移行の準備を進めており、希望者は旧市内の丹鶴、王子幼稚園か認定こども園の選択となる。

 質疑応答では保育園が認定こども園となった場合の変化や幼稚園教諭の資格を持つ職員の配置について問い掛けがあり、担当者は保育時間や保育料以外では保育所、幼稚園、認定こども園はほぼ同じ内容の指針や要領で、小学校入学前の教育は同じと考えてほしいと回答。

 幼稚園教諭の資格を持つ職員は必ず配置しなければならないわけではないが指導し、協力してもらいながらこれまでの教育を受け継いでほしいとも述べた。

 「新宮は幼稚園教育の歴史が深く、これまで培ってきた人の行動が無駄にならないよう、引き継いでもらいたい。今のままでは名前以外変わらないと言われて不安になっている人もいると思う。教育委員会が責任を持ち、小学校に上がる準備期間としてやっていけるよう見守ってほしい」という声も挙がった。

■閉園に不安や疑問の声



 参加者からは「閉園説明会までに話があれば、もっと余裕を持って考えられたと思う」とここに至るまでの対応を問う意見も。担当者は「人数が極端に減った。集団で学ぶことも多く、幼稚園として継続していくのは良くないという中で、こども園が一番良いと考え、保育園に理解いただき進んでいる」と回答。

 小学校と十分な連携が取れるのかを不安視する意見に楠本秀一教育長は「保育指針にうたわれており、学校にも保育園にも意識を持ってもらわなければならない。全市的に小学校と幼稚園、保育所の接続の活動を大事にしなければならない」と話した。

 「団体生活などは小学校からでも間に合うことだと思う。人数減少で閉園に持っていくのがさみしいという気持ちが強い」という意見の他、「三輪崎幼稚園の人数は25年度から減少している。まだ決まっていない段階で閉園の発言をしたと聞いている。突然の閉園説明は納得がいかない」との訴えがあり、楠本教育長は「議会のやりとりで、少子化の中で、できるだけ民間でやっていただきたいと発言した。その時は私の考え方で、機関決定しておらず申し訳なかった。3、4年の中で受け皿をどうするかという見通しが立ち、説明会を開いた」と理解を求めた。

(2017年9月10日付紙面より)

出席した25人を前にあいさつをする楠本秀一教育長=8日、新宮市立三輪崎幼稚園
2017年09月10日
33 紀伊半島南部で連携を
 大地震に備え救急講演会  (東牟婁郡医師会 )

 東牟婁郡医師会は2日、那智勝浦町体育文化会館で救急講演会「南海・東南海地震と津波への備え~パニックにならないために~」を開いた。紀南医師会救急担当理事の寺本クリニック(紀宝町鵜殿)、寺本泰院長が、紀南医師会が取り組んできた災害時の緊急医療体制などを解説し、約100人の住民が講演に耳を傾けた。

 東牟婁郡医師会の宮本岳副会長、寺本眞一町長のあいさつで講演が始まった。寺本院長は東日本大震災での災害時派遣医療チーム(DMAT)の活動を紹介した。東北地方では内陸部の高速道が充実していてチーム派遣ができたが、紀伊半島南部は高速道がつながっておらず、交通網の遮断と南部に至るまでに災害が発生している現場に遭遇してしまうなどの状況が発生し、外部からの支援は難しくなる状況を説明。加えて過疎化と高齢化が進む中、一人では逃げられない人が増えている状況も話した。南海トラフの大地震が発生すれば、助けを求める患者側と医師、消防署員ら救助する側とのミスマッチが生じると述べた。

 対策として紀南医師会では「災害時救護班」を結成し、「医療救護普及会」を立ち上げた。住民に災害時の医療を理解してもらうために講演会を開き、傷病者の緊急度に応じて治療や搬送の優先順位を決める「トリアージ」の協力も住民に訴えた。参加者が固定化する中、地元の高校生ら若い人たちにも参加を促してきた。寺本院長は「研修や講演を通じて住民の理解が得られ、地域で顔が見える関係が生まれた。病院の看護師と地域の看護師、介護施設の職員、行政職員らとのつながりができた」と成果を述べ、「平時からの連携が重要。連携を構築するには会議だけでなく、研修会が重要な役割を果たす」と語った。

 南紀災害医療勉強会も結成した。寺本院長は「田辺以南、松阪以南が連携しなければならない。地域をつなぎ、職種をつなごう。地域の命は地域が守る。紀伊半島南部で積極的に備えたい」と呼び掛けた。

  □     □

 講演の後に総合討論が行われた。寺本院長が進行役となり、新宮保健所の形部裕昭所長、那智勝浦町立温泉病院の佐藤史崇内科医師、同町福祉課の保健師、喜田弘美さん、同町消防本部警防課の田中亮さんの4人が「孤立化したら、どう動くか」をテーマにそれぞれの立場から意見を述べた。

 「災害時には目の前のことでいっぱいになるので、日頃の連携が大事」「DMATをどこへ派遣するかなどの意思決定が重要になる」などの意見が出た。会場からの質問では、日頃服用している薬が分かる「お薬手帳」が災害時には重要になるなどの声があった。

(2017年9月10日付紙面より)

約100人の住民が参加して災害時の医療体制の講演に耳を傾けた=2日、那智勝浦町体育文化会館
寺本泰院長
消防や医療機関などの職員が参加して総合討論
2017年09月10日
34 派遣中学生が報告会 ブルーム交流10年、絆深まる (太地町)

 太地町と町国際交流協会(会長・宇佐川彰男教育長)が姉妹都市交流事業としてオーストラリアのブルームに派遣した中学生7人の報告集会が7日、町公民館で開かれた。交流10年を迎え、今年は過去にホームステイを受け入れた同町の8世帯11人も現地を訪問した。生徒たちは現地での貴重な体験を発表し、保護者や学校関係者らから大きな拍手を受けた。

 派遣されたのは、太地中3年の海野慈美さん、阪本宙吾君、田中結華さん、松下七星さん、間所香帆さん、那智中3年の汐﨑あかりさん、近大新宮中3年の水谷珠緒さん。宇佐川教育長を団長に、町歴史資料室の櫻井敬人学芸員、役場職員らも同行した。

 中学生7人は8月1日に同町を出発、ホームステイしながら、現地の学校の歓迎集会に参加したり、授業を見学したりして交流。同月11日に帰国した。8世帯の家族は2日から4日までの日程で訪問した。現地ではセントメアリーズ校主催の10周年パーティーがあり、これまでに太地を訪れた学生や家族らを含め約300人が集まる盛大なパーティーとなった。今後の交流を願ってユーカリの植樹もあった。

 報告会では出発から帰国までの様子を写真や動画で記録。映像で映し出しながら、それぞれが楽しかった思い出を語った。生徒たちは一人一人マイクを握り、「日本人墓地にお参りができてよかった」「『ようこそ』と書かれたケーキで感激してくれた」「ブーメランの作り方を教えてもらった」などと報告した。

 同行した櫻井学芸員は「セントメアリーズカレッジは、日本人ダイバーとの協力で始まったという認識があり、太地とは深い縁がある。今回の交流でますます絆が深まったと感じた」と話した。10周年記念で再び現地を訪問した竹林克洋君(新宮高3年)は「再開した友人が号泣してくれた。ブルームはやさしい人ばかりだ。この交流事業は意義があった。英語に対する考え方が変わった。今は外国語大学を目指している」と話していた。

(2017年9月10日付紙面より)

現地での様子を映像に映し出しながら報告=7日、太地町公民館
2017年09月10日
35 体験通じ意識高める  スパセン南紀・熊野防災イベント  
2017年09月10日
36 触れ合いで楽しく  うどの幼で祖父母と遊ぶ会  (紀宝町 )
2017年09月10日
37 園での食生活知る場に  新木保育園で試食会  (新宮市 )
2017年09月10日
38 夏休みの成果発表  北山小・中学校で作品展  (北山村 )
2017年09月10日
39 おクジラさま ふたつの正義の物語  佐々木芽生監督が本出版  
2017年09月10日
40 南紀熊野の固有種・陸クジラの正体に迫る  太地の非公式キャラ〝ヨーホエル〟  (無謀にも「ゆるキャラグランプリ」上位を目指す )
2017年09月10日
41 カボチャみたいなイモ  那智勝浦町宇久井で収穫  
2017年09月10日
42 お悔やみ情報
  
2017年09月03日
43 体験やステージにぎわう
 スパセン南紀・熊野防災イベント  (新宮市 )

 「スパセン南紀・熊野防災イベント」が2日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店を会場に始まった。同店テナント会主催。来場者や買い物客らが訪れ、ダンスステージや展示されている車両を見学し、起震車や煙の体験などをした。

 同会では5年前にも防災イベントを開き、集まった義援金を市などに寄付している。オープニングで下向栄一会長は「全国、いつどこで起こってもおかしくない災害。私たち南紀店内のテナント会で何かしていこうとイベントを開いた。防災のいろんな体験とフラのショー、明日はプロ歌手のライブもあり楽しんでもらいたい」とあいさつ。

 来賓の田岡実千年市長は「今日は災害などに活躍する車両の展示、体験、イベントがあると聞いている。多くの方々に体験してもらいたい」。県議会の濱口太史議員は「防災イベントを民間で立ち上げて行っていただくことは大変有意義。民間、一般の皆さまに防災意識を高めていただくことが一人の犠牲者も出さない方向に向かっていくことだと思う」。泉正徳議員は「防災意識を高めてくれるイベントを開いてくれた各位に感謝したい。6年前の大変な災害から、いつ来るか分からないものに備え、気を引き締めていかなければならない」と述べた。

 会場では国土交通省紀南河川国道事務所の排水ポンプ車、照明車、対策本部車をはじめ、自衛隊の軽装甲機動車などの車両展示があり、来場者らが実際に乗り込み記念撮影するなどした。起震車や煙の体験では子ども連れの家族らの姿もあった。店内では家具固定の講習会防災グッズ展示、アドバイスコーナーなどがあり、屋外ステージでは5組のフラチームが青空の下で踊りを披露した。

 3日は午前11時から小芝陽子さん、午後3時から丸石輝正さんのライブを予定している。車両展示は午前9時30分~午後4時。

(2017年9月3日付紙面より)

ステージではフラの披露があった=2日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店
2017年09月03日
44 「おはしも」を守って
 丹鶴幼稚園で地震津波避難訓練  (新宮市 )

 新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長、園児67人)は1日、地震と津波を想定した避難訓練をした。園児らは防災頭巾をかぶり、市保健センター横のタウンガーデンまで逃げた。

 同園では年に6、7回ほど避難訓練を行い、防災意識を高めている。この日は午前10時に地震発生を知らせる放送が流れ、園児らは職員の指示に従って机などの下に身を隠した。揺れが収まると、園児らは防災頭巾をかぶって園庭へ。そこから歩いてタウンガーデンに避難した。

 下岡園長は「地震で揺れたときには丈夫なものの下にもぐらなければいけません。今日は上手に避難できました」と話し、逃げる際にはしゃべらないよう呼び掛けた。

 「おうちでいるときは家の人が守ってくれます。幼稚園では先生が守ってくれますが、自分の体、命は自分で守らなければいけません。そのためにちゃんと逃げられるように訓練をしています」と述べ、「押さない」「走らない」「しゃべらない」「戻らない」の「お・は・し・も」を守るよう伝えた。

 園に戻った園児らは遊戯室で「防災の日」の話を聞き『稲むらの火』の紙芝居を見た。

(2017年9月3日付紙面より)

机の下に隠れる園児ら=1日、新宮市立丹鶴幼稚園
防災頭巾をかぶり避難
2017年09月03日
45 九州北部の豪雨被災地へ
 熊野那智大社が義援金  (那智勝浦町 )

 九州北部で7月にあった豪雨災害の被災者を支援するため那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は、今年の「那智の扇祭り」前後に同大社と飛龍神社に募金箱を設置した。男成宮司が8月31日、集まった募金と同大社からの義援金を合わせた50万円を日本赤十字社へ送ろうと、同社和歌山県支部那智勝浦町分区長である寺本眞一町長に届けた。

 義援金の名称は「平成29年7月5日からの大雨災害義援金」で、町でも12月20日(水)まで募集している。

 男成宮司は「ご参拝の方が多く、日数の割に思ったよりも多く集まった。人的なボランティアはなかなか難しいが、少しでも役立ててもらえれば」と述べ、寺本町長は「募金を預かるたびに23年の災害を思い返す。こうした形で恩返しできることはありがたい」と振り返り感謝した。

 2人は紀伊半島大水害当時の町の様子や、災害についても話し合い、那智の原生林と滝の水量保全についても熱心に意見を交わしていた。

(2017年9月3日付紙面より)

寺本眞一町長に募金を託した男成洋三宮司(右)=8月31日、那智勝浦町役場
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