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【検索ステータス】 
2017年09月20日
1 被災地に響く鎮魂の音色
 佐渡裕さん指揮、復興祈念演奏  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町と同町教委は18日、兵庫県立芸術文化センター芸術監督で世界的指揮者の佐渡裕さんと同センターのスーパーキッズ・オーケストラを招いて「佐渡裕&スーパーキッズ・オーケストラ2017 紀伊半島大水害復興祈念演奏活動 こころのビタミンプロジェクト in なちかつうら」を開催した。

 佐渡さんは午後の演奏会に先だち、同町市野々の県土砂災害啓発センター敷地内で鎮魂演奏会を催した。佐渡さんは新宮高校の生徒から「音楽で地元を元気づけたい」と手紙を受け取ったことを来町のきっかけと話し「手紙に感動しました。大水害から6年が経過してしまい、いつか来なければと思っていました」とあいさつ。コンサートマスターの前田妃奈さん(中3)がバッハの「バイオリンソナタ」よりソロを演奏後、会場の全員で黙とうをささげた。高い演奏技術と美しい響きに、約150人の鑑賞者は大きな拍手を送った。

 佐渡さんは同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊碑に献花し、手を合わせ、「たくさんの命が自然災害で奪われるというのは本当に心が痛みます。自然豊かな所で生まれ育った私たちは、これからますますそうした災害に工夫しながら向き合っていかなければならない。手を合わせるということは、未来のことを決意するということだと思います。励まし合い手を取り合い生きていけるのは日本の素晴らしいところ。われわれには音楽を通してこころのビタミンを届けることしかできませんが、この美しい町がますます魅力的な町になっていくことを願っています」と話した。

(2017年9月20日付紙面より)

美しい音色が会場に響き渡る=18日、那智勝浦町
佐渡裕さん
2017年09月20日
2 市婦連が人権学習会
 知的障害者の雇用など例に学ぶ  (新宮市 )

 新宮市婦人団体連絡協議会(仲富美子会長)は16日、新宮市福祉センターで、講師に新宮市人権尊重委員会の和田勝さんを迎え人権学習会を開催した。

 和田さんは認知症の祖母と孫が題材の絵本「ばあばは、だいじょうぶ」を紹介し、神奈川県相模原市の知的障害者施設津久井やまゆり園で起こった「相模原障害者施設殺傷事件」も取り上げた。社員の7割が知的障害者のチョーク工場が日本で一番大切にしたい会社と呼ばれる理由が描かれた「虹色のチョーク」という本を題材にし、知的障害者との関係などについて講話した。

 日本国憲法第14条第一項を読み上げ、「人権というのは、人間が人間らしく幸せに生きていくための権利。人間は生まれた場所、住んでいる場所によって値打ちが決まるものではない。差別はされる側ではなく、する側に問題がある。する人がいるから差別が起こる。いじめも同じ。差別などは人間がつくり出したものですから、人間の力でなくしていかなければならない」と話した。

 和田さんの講話の前には、赤十字奉仕団和歌山県支部の講習に参加してきた川嶋みどりさんが、講習時に教わってきた、緊急時に役立つ牛乳パックを使った一人用非常食セットを紹介した。

(2017年9月20日付紙面より)

メモを取りながら講話に聞き入る=16日、新宮市福祉センター
一人用非常食セットが紹介された
和田勝さん
2017年09月20日
3 勇壮な鯨踊りなど披露
 三輪崎八幡神社例大祭の奉納行事  (新宮市 )

 新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)例大祭の神輿渡御(みこしとぎょ)と奉納行事が18日、同神社と三輪崎漁港周辺で営まれた。奉納行事では晴天の下、三輪崎郷土芸能保存会が獅子神楽と日本遺産に登録された鯨踊りを披露。踊りや演奏があり大勢の来場者らでにぎわった。

 三輪崎漁協前の御旅所では三輪崎郷土芸能保存会が七つの獅子神楽を奉納。『鯨踊り』では扇子を持って鯨を追い込む様子を表した『殿中踊り』と竹製で銛(もり)を模した「綾棒」で鯨を突く様子を表した『綾踊り』を勇壮に披露し「ヨイハ」の掛け声を響かせた。

 三輪崎婦人会、台楽保存会、若吉会の女性たちが2曲ずつ踊り、熊野曼荼羅太鼓の演奏に合わせて『黒潮囃子』と『新宮節』も踊った。

 三輪崎郷土芸能保存会の濱口仁史会長は「台風の影響で予定を変更しましたが、晴天に恵まれてよかった。懸命に練習した踊りをめいっぱい披露できうれしいです。満足のいく御旅所での披露になりました」。三輪崎八幡神社氏子総代会の中村武会長は「天気も良く無事にでき、ほっとしています。祝日で子どももたくさん出てきてくれた」。

 夫が保存会のメンバーの吉村まき子さんは「体力勝負で大変だと思いますが、頑張っていると感じます」。葛平愛子さんは「今年は神輿を担ぐ人が少なく、にぎやかさが例年と違っているように思います。いろんな世代の人が参加しておりいい祭りですね」と話していた。

(2017年9月20日付紙面より)

「ヨイハ」の声が響いた=18日、新宮市三輪崎
2017年09月20日
4 華やかに櫂伝馬行事
 勝浦八幡例大祭  

 那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)例大祭式典が18日、営まれた。17日の予定だったが、台風による荒天が予想されたため延期。内容を縮小して、境内で神事と奉納行事を執り行った。

 式典は正午に始まり、祭典委員や氏子らが参列した。櫂(かい)伝馬のこぎ手が「餅つきうた」を歌い、山伏勝浦会(山路昇会長)は歌舞伎の演目「勧進帳」を演じ、勝浦獅子神楽保存会(沖和也会長)が獅子舞を奉納した。

 神輿(みこし)の渡御は中止となったが、午後3時からは櫂伝馬行事が営まれた。櫂伝馬愛友会(濱口泰至会長)、那智中学校の男子生徒が乗り込んだ3隻、南紀くろしお商工会の1隻の計5隻が勝浦湾内をこぎ回った。櫂伝馬を応援するギタリストの濱口祐自さんの演奏もあった。大阪府吹田市の浜田純さん(60)は、「毎年お祭りを楽しみにしています。台風で海中神事が見られず残念でしたが、櫂伝馬は見ごたえがありますね」と話していた。

(2017年9月20日付紙面より)

岸壁に集まった大勢の観衆と黄舟をこぐ那智中学校3年生=18日、那智勝浦町
2017年09月20日
5 第2ステージ雨乞竜己が7位
 「ツール・ド・北海道」キナンチームレポート②  
2017年09月20日
6 JOC杯バレー県代表に
 寺本千紗さん、潮﨑梨緒さん選出  
2017年09月20日
7 新宮市でもサービス開始 JAみくまの、とくし丸3号車出発式 
2017年09月20日
8 日頃から食料備蓄を  新宮市で「減災カフェ」  
2017年09月20日
9 「すみれの花咲く頃」など歌う  妃海風さん熊野那智大社に  
2017年09月20日
10 紐作り製法で作品制作  串本町教委主催の陶芸教室  
2017年09月20日
11 台風一過の好天下で歓声 串本町、秋の運動会体育祭始まる 
2017年09月20日
12 75歳以上の長寿健勝祝う 串本町、各区の敬老行事にぎわう 
2017年09月20日
13 華やか天狗舞に拍手喝采  宇久井神社例大祭  
2017年09月20日
14 お悔やみ情報
  
2017年09月15日
15 百歳の長寿を祝う
 322人に銀杯など伝達  (和歌山県 )

 和歌山県東牟婁振興局は13日、本年度中に100歳を迎える管内の高齢者18人を訪問し、安倍晋三・内閣総理大臣からの祝状と銀杯を伝達した。「百歳高齢者表彰」の対象者は8月8日現在、県内で322人。

 国は社会の発展に寄与してきた100歳を迎える高齢者に感謝するとともに、広く国民に高齢者福祉に対する理解を深めてもらおうと1963年から記念品を贈っている。管内対象者の内訳は新宮市12人、那智勝浦町5人、太地町1人となっている。

 新宮市仲之町で娘の泰子さん(76)らと暮らす廣田千代子さん(99)を訪問した児玉征也・東牟婁振興局長は「おめでとうございます」と祝状を手渡した。喜の国いきいき長寿月間(1~30日)に合わせ和歌山県が贈呈している仁坂吉伸県知事からの記念品も一緒に渡した。

 千代子さんは1918(大正7年)年2月3日生まれ。戦後は自身の店「マカランヤ」を切り盛りしながら4人の子どもたちを育てた。「子どもは宝」と語り、伝達を受けると「こんな賞を頂くなんて夢のよう。ありがたいことです」と笑顔を見せた。

 長寿の秘訣(ひけつ)は規則正しい生活。早寝早起きで好き嫌いはなく何でも食べる。日頃心掛けていることとして「身の丈に 生きて曾孫(ひまご)の 毛糸編む」と、40年以上続けている趣味の俳句に詠んだ。

 「無理をせず、気付いたことは自分からさっさとすることを心掛けるといつの間にか年をとっている。争い事を起こさないよう、時に聞き流すことも大事。でも、自分自身の芯、気持ちを譲らずに生活していくことも大事」とほほ笑む。

 受賞に際し「ありがとう 頂上の春 穏やかに」と書いた色紙を児玉局長に贈った。感謝の気持ち、100歳という「頂上」を迎えた自身の気持ちを表した句で「俳句はいいですね。全身の汗をぬぐいながら頂上(100歳)にたどり着いた感じです。俳句を作ることも一つの力になっています」。

 児玉局長は「穏やかに 頂上の上 実る秋」と返歌を詠み、「100歳を迎え、今後ますますの実りを祈ります」と呼び掛けた。

 県は養護老人ホーム寿楽荘(新宮市)と養護老人ホーム南紀園(太地町)へ祝品としてタオルセットを贈った。

(2017年9月15日付紙面より)

祝い状を受け取った廣田千代子さん(右)と児玉征也・東牟婁振興局長=13日、新宮市仲之町
2017年09月15日
16 子どもたちのため活用を
 第37回卒業生同窓会が寄付  (新宮市 )

 和歌山県立新宮高校(畑伸憲校長)の第37回卒業生は13日、今年1月2日に開催した同窓会の会費の一部を寄付金として同校へ贈った。同窓会の西哉素史さんが来校し、畑校長へ金一封を手渡した。

 1984年度卒業生の学年単位の同窓会は今回が初めて。50歳の節目に開いており、準備では毎回約20人が集まり所在確認や参加の呼び掛けなどをした。同窓会は那智勝浦町のホテル浦島で開かれた。卒業生約500人中207人と恩師4人が参加。亡くなった友人や恩師への黙とうの後、校歌斉唱、恩師のスピーチ、歓談があり、旧交を温めた。次回は還暦の年に開催する予定。

 西さんは「子どもたちのために有効に使ってほしい」。畑校長は「大変ありがたい。子どもたちのため、教育充実のために使わせてもらう」と感謝していた。

(2017年9月15日付紙面より)

畑伸憲校長(左)に寄付金を手渡す西哉素史さん=13日、新宮市神倉の県立新宮高校
2017年09月15日
17 中学生ら練習に熱
 宇久井神社例大祭の御船  

 那智勝浦町の宇久井神社(男成洋三宮司)例大祭で神輿(みこし)海上渡御を先導する御船の練習が13日、宇久井港で始まった。

 軽快な太鼓と「よーえんやー」「えーらんえー、えんやさのさ」の掛け声とともに、1そうの船が港外にこぎ出した。主役は宇久井中学校(田中信幸校長、生徒91人)の生徒有志たち20人。船先に立って踊る「櫂(かい)踊り」、両手に扇を持ち船尾に立つ「扇舞い」、太鼓、こぎ手という分担で乗り込んだ。12日から始まるはずだったが天候の都合で1日延期され、この日が今年最初の練習日となった。本番前日まで4日間練習する。

 1年生で初めて扇舞いに挑戦する西村悠羽君は「扇を振る動作が難しかった。本番までにもっとできるようになりたい」と少し緊張した表情。一方、太鼓役で3年生の畑下真輝君は今年で3年目。「リズムを間違えないように、いつも通りにやりたい」と余裕がある。櫂踊り役の亀井拓海君は「3年生でもう最後なので、できるだけ楽しみたい。かっこいい踊りなので、そこを見てほしい」と意気込みも充分だ。

 指導の東信義さん(65)は「3年生はじめ経験者が多く、見ていて安心できる。本番ではうまくやってくれるはずだ」と期待を込め、ベテランの坂本明夫さん(81)も「中学生たちは一生懸命頑張ってくれている。祭りが楽しみ」と話していた。

 練習行程を終えて戻ってきた船は、本番でも歌われる「御舟キヤリ」の歌とともに引き上げられた。周囲には様子を見に来た近隣住民や中学生の家族の姿もあった。

 本番の17日(日)は湊蛭子神社地から午後1時30分ごろ、神輿を乗せた船を宇久井漁協広場まで先導する。

(2017年9月15日付紙面より)

中学生男子らが勇ましい掛け声を上げながら御船の練習=13日、那智勝浦町の宇久井港
2017年09月15日
18 児童生徒作品217点披露
 町教研の夏期総合作品展  (串本町 )

 串本町教育研究会(山本隆介会長)主催の夏期総合作品展が9、10の両日、橋杭小学校体育館であり、選抜217点が児童生徒やその家族、教育関係者らの鑑賞を集めた。

 町立14小中学校の児童生徒が夏休みの課題の一環で取り組んだ自由研究作品の中から校内選抜された作品が一挙披露される同展。児童生徒の創作意欲をいっそう高める目的で毎年9月第2土、日曜日に開いている。

 本年度は初日午後と2日目の日中に開場した。小学校低、中学年は各種工作が大半で、高学年以上になってくると工作以外に画用紙大のレポートにまとめた自由研究作品もちらほら。本年度は創作度の高さで親しまれる紙粘土造形やアートキャンドル、シーグラスクラフトが数多く、自動販売機や公衆電話、獅子屋台など実物を模した作品も目立った。

 中学生ではラジオやFMトランスミッターといった電子工作やボトルに入れた切り絵など緻密さを増し、サッカーボール台や浴衣など実用志向の大作も関心を集めていた。

 近年にないジャンルではストップモーション動画や本格的な変形菌標本もあり、作品によっては触れてよいものもあり出来栄えを試す子どもらの姿も目立った。

(2017年9月15日付紙面より)

町立14小中学校が選抜した217点が一挙披露された夏期総合作品展=9日、串本町串本
2017年09月15日
19 台風18号、16日九州接近か   
2017年09月15日
20 観光、防災、福祉など聞く 新宮市議会、9月定例会一般質問2日目 
2017年09月15日
21 伝統武道で礼節学ぶ  三輪崎幼稚園でなぎなた教室  (新宮市 )
2017年09月15日
22 手作りおもちゃ遊び  天満保育園で  (那智勝浦町 )
2017年09月15日
23 笑顔と若い力届けて 下里神社例大祭、16日宵宮、17日本宮 
2017年09月15日
24 伝統誇る九つの舞 住吉神社「高芝の獅子舞」、15日宵宮、16日本宮 
2017年09月15日
25 大切な約束守って  田並保育所で交通安全教室  (串本町 )
2017年09月15日
26 9月定例会一般質問①  串本町議会  
2017年09月15日
27 カエデドコロ  熊野古道高野坂で  
2017年09月15日
28 「渾身の力を込めて頑張る」 新宮市長選、田岡実千年氏が事務所開き 
2017年09月15日
29 お悔やみ情報
  
2017年09月10日
30 三輪崎幼稚園で閉園説明会
 経緯や今後の体制に理解求める  (新宮市 )

 新宮市立三輪崎幼稚園の閉園説明会が8日夜、同園で開かれた。保護者や地域住民ら25人に対し市教育委員会が閉園への経緯と今後について説明。参加者からは来年度以降の体制などへの質問や意見が挙がった。

 三輪崎幼稚園の定員は110人だが、園児数は減少傾向にあり、本年度は6人となっている。一定規模の人数を確保した幼稚教育のありかたが問題となり、本年度で同園は閉園予定となっている。来年度以降は白梅、三輪崎保育園が認定こども園に移行の準備を進めており、希望者は旧市内の丹鶴、王子幼稚園か認定こども園の選択となる。

 質疑応答では保育園が認定こども園となった場合の変化や幼稚園教諭の資格を持つ職員の配置について問い掛けがあり、担当者は保育時間や保育料以外では保育所、幼稚園、認定こども園はほぼ同じ内容の指針や要領で、小学校入学前の教育は同じと考えてほしいと回答。

 幼稚園教諭の資格を持つ職員は必ず配置しなければならないわけではないが指導し、協力してもらいながらこれまでの教育を受け継いでほしいとも述べた。

 「新宮は幼稚園教育の歴史が深く、これまで培ってきた人の行動が無駄にならないよう、引き継いでもらいたい。今のままでは名前以外変わらないと言われて不安になっている人もいると思う。教育委員会が責任を持ち、小学校に上がる準備期間としてやっていけるよう見守ってほしい」という声も挙がった。

■閉園に不安や疑問の声



 参加者からは「閉園説明会までに話があれば、もっと余裕を持って考えられたと思う」とここに至るまでの対応を問う意見も。担当者は「人数が極端に減った。集団で学ぶことも多く、幼稚園として継続していくのは良くないという中で、こども園が一番良いと考え、保育園に理解いただき進んでいる」と回答。

 小学校と十分な連携が取れるのかを不安視する意見に楠本秀一教育長は「保育指針にうたわれており、学校にも保育園にも意識を持ってもらわなければならない。全市的に小学校と幼稚園、保育所の接続の活動を大事にしなければならない」と話した。

 「団体生活などは小学校からでも間に合うことだと思う。人数減少で閉園に持っていくのがさみしいという気持ちが強い」という意見の他、「三輪崎幼稚園の人数は25年度から減少している。まだ決まっていない段階で閉園の発言をしたと聞いている。突然の閉園説明は納得がいかない」との訴えがあり、楠本教育長は「議会のやりとりで、少子化の中で、できるだけ民間でやっていただきたいと発言した。その時は私の考え方で、機関決定しておらず申し訳なかった。3、4年の中で受け皿をどうするかという見通しが立ち、説明会を開いた」と理解を求めた。

(2017年9月10日付紙面より)

出席した25人を前にあいさつをする楠本秀一教育長=8日、新宮市立三輪崎幼稚園
2017年09月10日
31 紀伊半島南部で連携を
 大地震に備え救急講演会  (東牟婁郡医師会 )

 東牟婁郡医師会は2日、那智勝浦町体育文化会館で救急講演会「南海・東南海地震と津波への備え~パニックにならないために~」を開いた。紀南医師会救急担当理事の寺本クリニック(紀宝町鵜殿)、寺本泰院長が、紀南医師会が取り組んできた災害時の緊急医療体制などを解説し、約100人の住民が講演に耳を傾けた。

 東牟婁郡医師会の宮本岳副会長、寺本眞一町長のあいさつで講演が始まった。寺本院長は東日本大震災での災害時派遣医療チーム(DMAT)の活動を紹介した。東北地方では内陸部の高速道が充実していてチーム派遣ができたが、紀伊半島南部は高速道がつながっておらず、交通網の遮断と南部に至るまでに災害が発生している現場に遭遇してしまうなどの状況が発生し、外部からの支援は難しくなる状況を説明。加えて過疎化と高齢化が進む中、一人では逃げられない人が増えている状況も話した。南海トラフの大地震が発生すれば、助けを求める患者側と医師、消防署員ら救助する側とのミスマッチが生じると述べた。

 対策として紀南医師会では「災害時救護班」を結成し、「医療救護普及会」を立ち上げた。住民に災害時の医療を理解してもらうために講演会を開き、傷病者の緊急度に応じて治療や搬送の優先順位を決める「トリアージ」の協力も住民に訴えた。参加者が固定化する中、地元の高校生ら若い人たちにも参加を促してきた。寺本院長は「研修や講演を通じて住民の理解が得られ、地域で顔が見える関係が生まれた。病院の看護師と地域の看護師、介護施設の職員、行政職員らとのつながりができた」と成果を述べ、「平時からの連携が重要。連携を構築するには会議だけでなく、研修会が重要な役割を果たす」と語った。

 南紀災害医療勉強会も結成した。寺本院長は「田辺以南、松阪以南が連携しなければならない。地域をつなぎ、職種をつなごう。地域の命は地域が守る。紀伊半島南部で積極的に備えたい」と呼び掛けた。

  □     □

 講演の後に総合討論が行われた。寺本院長が進行役となり、新宮保健所の形部裕昭所長、那智勝浦町立温泉病院の佐藤史崇内科医師、同町福祉課の保健師、喜田弘美さん、同町消防本部警防課の田中亮さんの4人が「孤立化したら、どう動くか」をテーマにそれぞれの立場から意見を述べた。

 「災害時には目の前のことでいっぱいになるので、日頃の連携が大事」「DMATをどこへ派遣するかなどの意思決定が重要になる」などの意見が出た。会場からの質問では、日頃服用している薬が分かる「お薬手帳」が災害時には重要になるなどの声があった。

(2017年9月10日付紙面より)

約100人の住民が参加して災害時の医療体制の講演に耳を傾けた=2日、那智勝浦町体育文化会館
寺本泰院長
消防や医療機関などの職員が参加して総合討論
2017年09月10日
32 派遣中学生が報告会 ブルーム交流10年、絆深まる (太地町)

 太地町と町国際交流協会(会長・宇佐川彰男教育長)が姉妹都市交流事業としてオーストラリアのブルームに派遣した中学生7人の報告集会が7日、町公民館で開かれた。交流10年を迎え、今年は過去にホームステイを受け入れた同町の8世帯11人も現地を訪問した。生徒たちは現地での貴重な体験を発表し、保護者や学校関係者らから大きな拍手を受けた。

 派遣されたのは、太地中3年の海野慈美さん、阪本宙吾君、田中結華さん、松下七星さん、間所香帆さん、那智中3年の汐﨑あかりさん、近大新宮中3年の水谷珠緒さん。宇佐川教育長を団長に、町歴史資料室の櫻井敬人学芸員、役場職員らも同行した。

 中学生7人は8月1日に同町を出発、ホームステイしながら、現地の学校の歓迎集会に参加したり、授業を見学したりして交流。同月11日に帰国した。8世帯の家族は2日から4日までの日程で訪問した。現地ではセントメアリーズ校主催の10周年パーティーがあり、これまでに太地を訪れた学生や家族らを含め約300人が集まる盛大なパーティーとなった。今後の交流を願ってユーカリの植樹もあった。

 報告会では出発から帰国までの様子を写真や動画で記録。映像で映し出しながら、それぞれが楽しかった思い出を語った。生徒たちは一人一人マイクを握り、「日本人墓地にお参りができてよかった」「『ようこそ』と書かれたケーキで感激してくれた」「ブーメランの作り方を教えてもらった」などと報告した。

 同行した櫻井学芸員は「セントメアリーズカレッジは、日本人ダイバーとの協力で始まったという認識があり、太地とは深い縁がある。今回の交流でますます絆が深まったと感じた」と話した。10周年記念で再び現地を訪問した竹林克洋君(新宮高3年)は「再開した友人が号泣してくれた。ブルームはやさしい人ばかりだ。この交流事業は意義があった。英語に対する考え方が変わった。今は外国語大学を目指している」と話していた。

(2017年9月10日付紙面より)

現地での様子を映像に映し出しながら報告=7日、太地町公民館
2017年09月10日
33 体験通じ意識高める  スパセン南紀・熊野防災イベント  
2017年09月10日
34 触れ合いで楽しく  うどの幼で祖父母と遊ぶ会  (紀宝町 )
2017年09月10日
35 園での食生活知る場に  新木保育園で試食会  (新宮市 )
2017年09月10日
36 夏休みの成果発表  北山小・中学校で作品展  (北山村 )
2017年09月10日
37 おクジラさま ふたつの正義の物語  佐々木芽生監督が本出版  
2017年09月10日
38 南紀熊野の固有種・陸クジラの正体に迫る  太地の非公式キャラ〝ヨーホエル〟  (無謀にも「ゆるキャラグランプリ」上位を目指す )
2017年09月10日
39 カボチャみたいなイモ  那智勝浦町宇久井で収穫  
2017年09月10日
40 お悔やみ情報