ボランティアスクール開講 (みくまの支援学校 )
新宮市蜂伏の県立みくまの支援学校(稲田進彦校長)で22日、同校主催のボランティアスクールの開講式があった。障害のある子どもたちが地域で豊かに育っていくため、理解をより深めてもらおうと毎年夏に開いている。8月22日(火)まで、5回にわたり講座や児童生徒との交流を予定している。
今年は高校生16人の申し込みがあった。稲田校長は「障害のある子どもたちとの出会いを楽しんでもらい、共に地域で生きる仲間として接してほしい。必要なときは支援を」などとあいさつ。自己紹介ではそれぞれが「みくまの支援学校をもっと知りたいと思った」「将来目指す職業のために学びたいと思った」などと参加したきっかけを話した。
第1回の講座では、福山喜一郎教諭が「みくまの支援学校と障害のある子どもの理解」をテーマに話した。障害のある人が人と関わる中で困ることと手助けの方法を紹介し「みんなが理解し、手助けをすることで生活しやすく、感じないようにすることもできる」と語り、その人が求めている支援をしてほしいと呼び掛けた。
(2017年7月23日付紙面より)
東海大の杉本洋文教授が講演 (新宮市 )
林業や製材業の新たな可能性を地域の発展に生かそうと新宮市あけぼのの新宮木材協同組合で15日、「木づかいのまちおこし」をテーマにした講演と地元有志によるパネルディスカッションがあった。紀南木材新緑会(速水洋平会長)が主催し、田岡実千年市長をはじめ、木材関連事業者や一般参加者ら87人が集まり、会場は満席となった。
基調講演で東海大学工学部建築学科の杉本洋文教授は、全国各地で手掛けた木を生かした町づくりや災害時の仮設住宅などの事例を紹介。国内利用の70%を占める輸入材により、衰退し手付かずとなっている人工林の有益な利用法を示した。
日本の人工林は「少子高齢化」となっており多くの木が伐採期を迎えているという。平成22年に施行された「公共建築木材利用促進法」で、国の目標は「低層の公共建築物については原則として全て木造化を図る」としている。杉本教授は公共建築の総量(=木材需要)は低層で600万平方㍍に及ぶと解説し、木構造技術の向上により中・高層の木造建築も不可能ではないとして、地域の木を使って利益を生むための「追い風が吹いている」と話した。
国の補助利用についても具体的に解説し「公共の建物は工事費などの予算が見えないと話が進まない。モデルをつくればコストが分かる。単独ではなく、チームを組んで全体をマネジメントすることが必要。熊野特有のストーリー性を」と何度も呼び掛けていた。
パネルディスカッションでは太地町の熊野くらし工房一級建築士事務所の森岡茂夫さんがモデレーターを務め、山の管理や、公共木材に必要なJAS認定、県下に木造の構造計算のできる建築士が不在などの問題点を話し合った。閉会の後、田岡市長は「新宮市は木の産地。大切な産業だと改めて感じた。公共施設に木材を利用しなければと思っている」と感想を述べた。
(2017年7月23日付紙面より)
8月11日、道の駅「たいじ」オープン
太地町森浦に建設中の道の駅「たいじ」が県内31番目の道の駅として8月11日(金・祝)正午にオープンする。特産品などを紹介する地域振興施設をはじめ、コンシェルジュと呼ばれる地域情報を提供する係員を配置した情報発信施設も設ける。クジラの町の観光レジャー、歴史、文化を発信する拠点が誕生する。
地域振興施設とレストランなどを太地町が建設し、情報提供施設、トイレ、駐車場の一部は国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所が整備した。施設面積は5168平方㍍。駐車場は57台(大型車5、小型車50、身障者用2)。トイレは「日本一きれいなトイレ」をコンセプトに落ち着いた色調を採用し、ゆとりのある共用スペースを設けている。特に女性用は「パウダーコーナー」などを設け、快適な空間を提供している。子ども用、多目的トレイもある。公衆無線LANや電気自動車(EV)充電器も設置している。町内循環バスの停留所も駅内に設けている。
同町の「森浦湾くじらの海計画」と連携した体験型の環境学習などにも利用していく。
11日はオープンセレモニーを開催する。午前10時に「くじら太鼓」の演奏、テープカットの後、餅まきも予定している。利用は正午から。
同町議会(山下雅久議長、10人)は21日、臨時議会を開き、道の駅たいじ地域振興施設整備工事請負契約を2億3328万円から2億4300万円に増額する議案を賛成多数で可決した。契約先は株式会社夏山組。
内訳は地中深くにある障害物の撤去、トイレ棟への連絡通路の整備、施設前広場の舗装材変更、景観を考慮した配電設備の埋設および変更など。
(2017年7月23日付紙面より)