公民館講座で大敷網漁を見学
太地町公民館は9日、歴史・自然講座「太地の定置網現地見学~大敷の水揚げ風景を見学~」を催した。早朝開催にもかかわらず16人が参加し、燈明崎数百㍍沖に設置された大敷網の水揚げ風景を見学した。
生涯学習講座の一環として行われている。太地町水産協同組合100周年に合わせた今年初の取り組みで、太地漁業協同組合協力のもと実現した。漁協スーパーに並べられる鮮魚がどのように取られているか、水産事業の中身やその仕組みを学んでもらう狙いがある。
この時期はアジを主に、サバ、シイラ、アカイカなどが取れるという。当日は潮の流れも速く、落ち着くまで参加者は講師の町立くじらの博物館学芸員・今川恵さんと船員から船上で町の名所について解説を聞いた。途中、潮の流れが穏やかになり、見学を再開。2隻の船が徐々に網を引き寄せて魚を水揚げする様子に、参加者は関心を寄せていた。
町内から参加した白仁田敏郎さん(65)は「めったにない体験なので楽しかったです。以前から体験したいと思っていたのでいい機会でした。水揚げの様子もよく見えました。また継続して開催してほしい」と話した。
(2017年6月11日付紙面より)
荒井さんが制作進行中 (紀の国トレイナート )
秋に開催されるJRきのくに線の駅舎を舞台に展開するアートプロジェクト「紀の国トレイナート」(同実行委員会主催)を前に、各駅でアート作品の制作が進められている。那智勝浦町の湯川駅では茨城県出身のアーティスト・荒井佑実さんが制作に取り組んでいた。
タイトルは「nest」。巣を意味する単語で、母胎をテーマにしている。30年ほど使われていなかった4畳半の元宿直室内にストッキングを球体状に縫い合わせ、その中にベッドを置き、柔らかみのある素材で床を飾る。空間は子宮のように左右対称にし、その球体は包まれるような感覚を演出する。
初めて湯川駅に来た際に一面に広がる海と山から安心感を覚え、駅舎の暗い空間も相まって巣穴のような印象と安心できる「母胎」のイメージが湧いたという。完成は10月予定。宿のようにし、体験型企画を実施する計画もあるという。
荒井さんは東京工芸大学デザイン科卒。「ストーリーの見えるものづくり」をモットーに東京で立体制作や空間演出、アートディレクションなどの活動をしている。湯川駅での企画をプロデュースしている「ナリワイ」の伊藤洋志代表の自宅にも宿泊用の空間を作り上げ、そこに訪れた実行委員会の廣本直子代表から参加の声が掛かった。昨年からトレイナートに加わり、同作品の制作を続けている。
荒井さんは「空間自体が作品なので、来ていただいた人には作品を見るよりも感じていただけたら」と思いを語った。
(2017年6月11日付紙面より)
ゆうゆうクラブが菜園で共同作業 (新宮市 )
新宮市のゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会)は9日、市内の2カ所の菜園で共同作業を実施した。菜園を借りている会員らが周辺の草刈りなどに汗を流した。
中前道康さん、大谷千代さん、大石実さんが世話人を務める緑ヶ丘農園では29人が参加。鎌や竹ぼうき、熊手、刈り込みばさみなどを手に、生えている草を刈り、畑の整備をした。共同作業は年に1回ほどだが、個人的に作業をすることもあるという。
中前さんは「みんな一体となって和気あいあいと助け合いながらやっています。つながり、楽しくやることがストレス解消につながる。みんな喜んでくれています」と話していた。
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■菜園の利用者募集
菜園は同市緑ヶ丘の「緑ヶ丘農園」(31区画)と同市鴻田の「晴耕園」(48区画)の2カ所あり、会員らに年間600円(水道代)で貸し出している。緑ヶ丘農園は2区画、晴耕園は12区画の空きがあり、現在利用者を募集している。
利用するにはゆうゆうクラブへの加入が必要。問い合わせは同市社会福祉協議会(電話0735・21・2760)まで。
(2017年6月11日付紙面より)