「人とまちが輝き、未来へつなぐまち」 (新宮市総計審 )
第2回新宮市総合計画審議会(会長・足立基浩和歌山大学経済学部教授、委員20人)が29日夜、市役所であった。将来目指すべき都市像を「~市民が元気で心豊かに暮らすために~人とまちが輝き、未来へつなぐまち 新宮市」とする基本構想の事務局案が示され、委員たちが意見を述べた。
現在の市の目指すべき都市像は「人輝き文化奏でる都市」としている。新しい都市像案について足立会長は「言葉が少し長いのではないか」。関康之委員(新宮商工会議所会頭)は「もっとシンプルで具体的な方がよい」と指摘した。
事務局が示した政策目標は▽安心・安全に暮らせるまち▽心豊かな人を育むまち▽共に支え合い幸せ感じるまち▽安定した雇用を生み出すまち▽魅力ある文化がつなぐにぎわいのまち▽持続可能な市政運営―の6点。平成39(2027)年度末の人口は2万6000人以上を目標とした。
関委員は、現在の総合計画の検証を要望。児玉征也委員(東牟婁振興局長)は空き家の利活用推進を計画に盛り込むことを提案した。
総合計画はまちづくりの最も上位に位置付けられる行政計画。市の将来目指すべき都市像を示す「基本構想」(長期10年)、具体的施策について体系化した「基本計画」(中期5年)、具体的な事業や規模などを示す「実施計画」で構成される。
市長の諮問機関である同審議会は8月上旬に「基本構想」、2月上旬に「基本計画」の答申を予定している。次回は7月24日(月)午後7時から市役所で開く。
(2017年5月31日付紙面より)
市役所に応援の懸垂幕 (新宮市 )
サッカー日本代表に初選出された新宮市出身の加藤恒平選手(27)を応援しようと、市体育協会と同スポーツ少年団本部が30日、市役所庁舎に懸垂幕(縦11㍍×横0・92㍍)を掲示した。6月30日(金)まで。
加藤選手はブルガリアのPFCベロエ・スタラ・ザゴラ所属。現在はキリンチャレンジカップのシリア戦(6月7日、東京スタジアム)、ロシアワールドカップアジア最終予選のイラク戦(同13日、テヘラン)にむけ、千葉県内で合宿に励んでいる。
市体育協会会長でスポーツ少年団本部長でもある楠本秀一教育長は「夢を諦めずに続けていく姿勢が、子どもたちに勇気や希望を与えてくれている。ぜひピッチの上で活躍し、来年の本大会につなげてほしい。市民の多くも、活躍を期待していると思う」と話した。
(2017年5月31日付紙面より)
サイネックスと協定締結 (串本町 )
串本町は25日、「暮らしの便利帳」発行に向け株式会社サイネックス=大阪市中央区=と官民連携協定を結んだ。
同町は合併当時の平成17年に「新町の手引き」、22年に改訂版となる「暮らしのページ」を全戸配布。後の転入者にも配布して、各種制度の周知に役立てている。改訂版発行から7年が過ぎ、内容と現状が合わない箇所が増えたため今回、新たに「暮らしの便利帳」を発行することを決めた。
同社は平成19年から官民協働で同便利帳の発行事業を始め、5月末で全国の自治体の4割強にあたる724自治体で発行している。新宮・東牟婁地方では新宮市や那智勝浦町で実績があり、串本町は3例目となる発行に着手する形となる。
この日は同社西日本営業本部長の雲林院英幸執行役員と同本部関西営業部の藤崎正敏部長代行次長、同社阪和支店の小林譲支店長の3人が来町し、田嶋勝正町長と雲林院執行役員が協定書に調印した。田嶋町長は「他市町の便利帳を拝見し、見やすくて町民のみなさんに喜んでいただけると感じた。いろいろな事業者の協力を得ることになるが、町も協力していいものを作り上げていきたい」とコメント。雲林院執行役員は「多くの自治体とご一緒させていただいていることは、この手法が評価いただいているものだと思っている。串本町においてもご指導ご鞭撻をいただき、町民の皆さまが使いやすく見やすい本を作りたい」と意気込んだ。
同便利帳はパブリック・プライベート・パートナーシップの手法により、従来の行政情報に加え医療機関などの地域情報や広告による事業者情報を提供して実用性の高さを目指す。行政の財政負担はなく、住民が保存活用する点で反復的、継続的な効果が期待できる広告の掲載収益で事業費をまかなう。
同町における発行規模は1万500部で、概算で数十㌻、事業費数百万円の規模を想定している。発行時期は11月予定で、7~8月に各事業者へ広告利用を呼び掛けるという。
(2017年5月31日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社は30日、新宮市の東牟婁振興局で記者会見を開き、創建2050年の節目を迎える来年の例大祭に合わせて奉祝式年大祭(4月11日~15日)を営むと発表した。九鬼家隆宮司(60)は「地域や各種団体と一体となって、人と自然との共生を熊野から発信できるイベントにできれば」と各種団体に協力を呼び掛けている。
7月に実行委員会を立ち上げ、秋までに詳細なイベントの内容を決める。九鬼宮司は「熊野に新たな足跡を残せる心のこもったイベントにできれば」。本宮大社氏子総代会の榎本隆文会長(65)は「今年の例大祭にもたくさんの人が来てくれた。来年の例大祭は日曜日。海外や県外からもたくさん来てもらい、本宮の祭りの良さを知ってもらえれば」と話していた。
■初めて稚児を募集
来年は例大祭の湯登神事に参加する稚児12人を初めて一般募集する。参加資格は2~3歳の男子と父親か祖父。問い合わせは、本宮大社(電話0735・42・0009)まで。
(2017年5月31日付紙面より)
公益社団法人新宮市シルバー人材センター(山口彰理事長、会員260人)は27日、市福祉センターで第6回定時総会を開き本年度事業計画などの議案を承認した。席上で永年在籍会員の表彰では9人が表彰状を受け取った。
人材センターの昨年度の請負・委託での受託件数は4217件、契約金額は8404万938円だった。会員は10人増加した。山口理事長は「シルバー人材センターがスタートしたときは臨時的、短期的または簡易な作業をさせていただくと始まった」と述べ、仕事と趣味、家庭や地域のことでいい生活サイクルを確立してほしいとあいさつ。「人生楽しく、楽しむにはものが必要で、ものだけでなく有心論的な生き方も大事。ミックスさせて頑張りましょう」と呼び掛けた。
来賓として出席した田岡実千年市長は「皆さんのように元気な方が高齢者を支えてくれるかが重要になる中で、元気で過ごしていただいているのは行政としてもありがたい」と語り「『自主・自立・共働・共助』のシルバー人材センターの理念をいろいろな取り組みに生かしてほしい」と祝辞。
議案審議中には適正就業に関する説明もあり、業務日数や就業形態別の相違点などが紹介された。終了後はお楽しみ抽選会でにぎわった。
(2017年5月30日付紙面より)
虹の演奏会に約250人 (那智勝浦町 )
那智勝浦町と太地町を中心とした女性たちでつくるグループ「虹の会」(大林幸子会長)は28日、同町二河の那智勝浦町体育センター(旧三川小学校体育館)で、那智勝浦吹奏楽団(大江一恵団長)による演奏会「虹の演奏会」を開催した。
大林会長は「地元の人と虹の会、そして那智勝浦吹奏楽団で、楽しい時間を共有しましょう」と呼び掛け、同楽団の大江団長は「私たちは『元気に楽しく』をモットーにしています。ぜひ気楽に楽しんで」とあいさつした。同楽団は「青い山脈」「津軽海峡冬景色」「太陽にほえろ」など約20曲を演奏。約250人の観客は手拍子などで演奏を盛り上げた。「川の流れのように」や「三川小学校校歌」、アンコール曲の「ふるさと」では、会場内の全員で歌う場面もあった。
演奏終了後、大林会長は「那智勝浦吹奏楽団さんの演奏を聴きたいという声があり、今回実現することができました。元気と勇気とやる気を頂きました。音楽を通じて、会場内の人たち全員で時間を共有できたことを幸せに感じています」と話していた。
(2017年5月30日付紙面より)
ダンスミュージックグループ「TRF」のダンサー、SAM(サム)さんが27日、新宮市佐野のサービス付き高齢者住宅グランドール紀の風を慰問した。利用者らは座ってできる体操で体を動かし、楽しいひとときを過ごした。
SAMさんは高齢者向けのダンスを独自で作成し、来るべき超高齢化社会に向けて全国に発信し、介護予防に努めている。
グランドール紀の風を運営する株式会社やさしさが「親、孫、子の三世代が集えるスペース」として同施設に隣接する場所に設けている海賊公園のエリア内にSAMさんの個人事務所が運営するダンススタジオ「SOUL AND MOTION」の新宮校がある関係から今回の慰問が実現した。
利用者らは教わりながらストレッチに挑戦。座ったままで足や手を動かした。みんなで一緒に記念撮影をした他、SAMさんがダンスを踊る一幕もあり、大きな拍手が送られていた。
SAMさんは「少し難しいが慣れてくると楽しくなる。時間があればやってみてください」と呼び掛けた。「僕も高齢者の方を対象にしたダンスのプログラムを作り、ワークショップをしていますが、僕がワークショップする人は高齢者といえど元気な方。老人ホームにいる方だったり介護が必要な方のことが分かり、理解できました。車いすを利用する人や介護が必要な方ができる体操やダンスを作っていきたいと思いました」と話していた。
同施設では利用者らに楽しんでもらおうと月に1回程度でさまざまなイベントを開いている。デイサービスのみの利用も可能で、入居も若干余裕がある。問い合わせはグランドール紀の風(電話0735・31・3100)まで。
慰問を前に、ダンススタジオ「SOUL AND MOTION」新宮校でのダンス指導もあり、会員らはSAMさんの丁寧な指導の下、汗を流した。
(2017年5月30日付紙面より)
少林寺拳法紀南熊野少年少女拳士大会
春季近畿地区高校軟式野球県予選
那智勝浦町観光協会(花井啓州会長)は26日、町体育文化会館で本年度の総会を開いた。133人が出席し、上程された本年度の予算案と活動計画を承認した。役員改選もあり、会長に花井さんが再任された。
昨年の同町の観光客数は、宿泊66万560人(前年比4621人減)、日帰り72万8821人(前年比5460人増)で、そのうち海外からの観光は5万3568人。総数138万9381人(前年比839人増)となった。昨年度の決算と事業概要も報告され、承認を受けた。
観光功労者表彰もあり、株式会社熊野交通の内田恵さん(54)と株式会社浦島観光ホテルの寺西悟史さん(32)が受章した。
表彰者代表の内田さんは「身に余る光栄で、大きな喜びと感激を覚える。これを契機に、観光振興に向けて努力、精進します」と誓った。
長年にわたり無償で観光施設の補修、設置などを行っている松田伊佐男さんに感謝状を贈呈した。
役員改選では花井さんが会長継続となり、副会長5人も選ばれた。
開会のあいさつで花井会長は昨年を振り返って「年間30万人くらいが往来しており、世界遺産の絶大なる観光推進効果として自慢できること。今年は熊野那智大社創建1700年と那智山青岸渡寺西国三十三カ所草創1300年の記念すべき年。インバウンド対応や観光経済が変動する中、会員一丸となって観光推進にまい進していかなければならない」と求め、会長続投に「8年目。3役の布陣で頑張りたい。今までにない意見やアイデアあればよろしくお願いします」と話した。
(2017年5月28日付紙面より)
園児らがアイガモ放鳥 (三輪崎幼稚園と白梅保育園 )
新宮市立三輪崎幼稚園(尾﨑いづみ園長)と同市三輪崎の白梅保育園(鈴木義則園長)の園児らは17日、同市佐野の前田治さん所有の田んぼにアイガモを放った。
田の広さは約20㌃で、無農薬栽培のためアイガモ農法を取り入れている。アヒルとカモの交雑種のアイガモは米を食べず、雑草や害虫の駆除をする他、田んぼを歩き回り、草を生えにくくする。放鳥は20年ほど前から、地域の園児たちに体験してもらおうと毎年この時期に実施している。
この日放ったアイガモは約30羽。園児一人一人が小さなアイガモを手に持ち、一斉に田んぼに放した。「ふわふわしている」「温かかった」「かわいい」と口々に感想を話し、田を泳ぎ回るアイガモを見守っていた。
前田さんは「楽しかったですか。また見に来てね。今植えているのはみんなが食べているお米になる。カモさんがつくってくれます」と園児らに呼び掛けた。放鳥の様子に「怖がる子もおり、毎年いろいろ。最初に放鳥した子が25歳くらいになっていると思います」と話し、園児らの様子に目を細めていた。
(2017年5月28日付紙面より)
少年補導員連が総会 (新宮警察署 )
新宮警察署少年補導員連絡会(柳本利文会長)の総会が26日、同署講堂で開かれた。柳本会長は「今期もなお一層のご協力を」と呼び掛けた。
少年補導員は少年非行防止活動の一層の推進を図り、地域事情に合った取り組みを進めるため民間の協力者に県警本部長から委嘱している。
柳本会長は「大人を含め、自転車盗難、万引、振り込め詐欺などが増えているよう。少しでもこのような事案が減少できるよう、しっかり啓発活動を行いたい。少年犯罪の低年齢化、社会環境の変化に伴い、地域住民あるいは行政機関との連携による取り組み強化を目指していかなければならない」とあいさつ。
谷本克也署長は日頃の協力に感謝し、少年犯罪の状況を説明。昨年県内で摘発されたのは484人で一昨年より140人の減少。補導された少年の総数は7526人で一昨年より3249人減少した。新宮署管内では131人が補導されており、一昨年より115人減少している。
「健全育成の面から見ても活動から一層効果が出ていると感じている。少年を取り巻く環境は変わりつつあり、全国、県内の傾向を見て、管内の傾向を反映できるよう活動したい」と述べた。交通事故の被害の減少などにも触れ、地域のリーダーとして協力を求めた。
(2017年5月28日付紙面より)
新宮市出身の加藤恒平選手
日本サッカー協会は25日、キリンチャレンジカップ(6月7日、シリア代表)と2018ワールドカップロシア・アジア最終予選第8戦(同13日、イラク代表)に向けたメンバー25人を発表し、新宮市出身でPFCベロエ・スタラ・ザゴラ(ブルガリア)所属の加藤恒平選手(27)が初選出を受けた。
加藤選手は、小学1年で新宮サッカースポーツ少年団(新宮SSS)に入団。中学進学と同時に母方の祖母宅のある千葉県へ移り、ジェフユナイテッド千葉の下部組織、立命館大を経て当時のJ2町田入りした。その後はモンテネグロ、ポーランドでプレーし、現在はブルガリアでプレーしている。
代表入りについて父・恒生さん(60)は「まさか、自分の息子が選ばれると思ってなかったので驚いた。選ばれたからには、もう一つ上を目指して頑張ってほしい」、恒平選手と共に所属した新宮SSSで指導する兄の力也さん(30)は「宣言通りの代表入りだが、知らせを受けたときは奇跡だと思った。これからは試合に出られるように頑張り、後輩たちに夢を与えてほしい」と期待を寄せた。
新宮SSSの居軒龍成主将(12)は「帰省すると必ず練習に来て教えてくれる、優しい先輩であり先生。代表に選ばれたのは驚いた。後に続けられるように僕たちも頑張るので、恒平選手にも頑張ってほしい」とエールを送った。
(2017年5月27日付紙面より)
南紀くろしお商工会(森川起安会長)は25日、那智勝浦町のホテル浦島で本年度総代会を開いた。昨年度事業報告、本年度事業計画、役員の補充選任など3議案を承認した。
本年度は、「観光促進による交流人口の増加」「町内関係者の合意形成」「地域資源の発掘・磨きあげ」「両町協力による観光メニューの強化」の四つを重点として、小規模事業者の経営環境改善、事業継続のための伴走型支援に取り組む。
森川会長は「人口減少などの構造的な変化による消費の減少など厳しい状況にあるが、両町の地域資源を共有し、四つの事業を重点に置いて、地域活性化のために官民一致協力し、総力挙げて取り組んでいかなければならない。地域に活力をもたらす組織づくりを」と呼び掛けた。
総会の席上、優良事業所に町長表彰、優良従業員に商工会長表彰が行われた。4事業所、10人が表彰され、受彰者を代表して由谷恭兵さん(重大屋由谷商店)が「商売人の役割は地域の不便を感じ取り、解消すること。その役割が地域の活力を呼ぶことにつながる。初心に帰り、顧客目線に立った行動をしていく」と述べた。
寺本眞一町長のあいさつとして植地篤延副町長は「国内の経済情勢は緩やかな回復との分析結果が出ているが、まだまだ先行き不安な状況にある。人口減少に伴う高齢化や後継者不足などの厳しい中、魅力ある店舗づくり、経営指導、商品券利用促進、店舗づくり、町を元気にするイベントなど商工会が果たす役割は大きい。ますますの発展を」と代読した。児玉征也東牟婁振興局長は「4月に赴任してから、商工会の懇親会や女性部、青年部の総会などで皆さんの熱意を強く感じてきた。今後の活躍に期待する」とあいさつした。
(2017年5月27日付紙面より)
菓子潮ざきと儀平菓舗 (串本町 )
三重県伊勢市で開かれた第27回全国菓子大博覧会・三重で、串本町にある菓子潮ざきの和菓子「かわけむり」と儀平菓舗の和菓子「芋いも」が最高位の名誉総裁賞(一般菓子部門)に選ばれた。2175点の中から全国で50点、県内で2点が入賞していて、両店とも大きな励みとして受賞を喜んでいる。
この博覧会は1911(明治44)年に始まり、戦中戦後を除きおおむね4年に1回、全国菓子工業組合連合会と会場地の同会実行委員会が実施している。第27回は「お伊勢さん菓子博2017」と題して4月21日~5月14日に開かれ、期間中はのべ58万4100人の来場を集めた。
品評会は第1回から続く同博覧会の主軸。今回は業界団体推薦の専門家審査員が一次審査で数百点に絞り込み、さらに消費者らが二次審査をして同賞を始めとする各賞が選ばれた。
菓子潮ざきの「かわけむり」は、明治ごろから老舗菓子舗に伝わる秘伝の技法で仕上げた干菓子。阿波和三盆、国産天草天然糸寒天、鬼ザラ糖、那智勝浦町色川産の平飼い自然有精卵を素材とし、口の中で軽やかにとろけ洗練された甘さが余韻を引く風味を特色とする。
同店は「立岩巻」も出品し、一次審査で選ばれた証となる金菓賞を得た。店主の潮﨑雄一さん(48)は「今の店を開いて初めての名誉総裁賞で、光栄の限り。入賞に恥じないよう、今後も精進していきたい」と意気込みを新たにしている。
儀平菓舗の「芋いも」は、古くからおいしいと評判の潮岬産サツマイモを使った黄身餡(あん)をシナモンの風味の皮で包んだ和菓子。和洋折衷の懐かしい味わいが特色で、同店の看板和菓子「うすかわ饅頭」に次ぐ主力商品として親しまれている。
同店は「うすかわ饅頭」も出品し、「立岩巻」と同じ金菓賞を得た。さらに製造部長の丸山正雄さん(42)は潮﨑さんに続いて町内2人目となる橘花榮光章(功労表彰)を受章。「重みのある賞状を数多くいただき、うれしさでいっぱい。これからも皆さんの期待に応えるよう励みたい」と喜びを語った。
今回の審査は新たに一般の目も加わったことで消費者感覚に一層近づいたとされている。上記の和菓子はいずれも定番商品で、各店で随時購入できる。同博覧会の名誉総裁は現在、三笠宮彬子女王殿下がお務めになられている。
(2017年5月27日付紙面より)
新宮市交通事故をなくする市民運動推進協議会(会長・田岡実千年市長)は25日、同市春日の市人権教育センターで総会を開いた。本年度事業計画など全4議案を承認したほか、交通安全功労者として3人を表彰した。
本年度は▽子どもと高齢者の交通事故防止▽飲酒運転の根絶▽後部座席を含めた全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底―を重点に啓発活動などを展開する。
昨年、新宮市内では81件の交通事故が発生し、死者は1人、けが人は102人だった。県内の交通事故は2914件で、死者40人のうち57・5%を占める23人が65歳以上の高齢者だった。田岡市長は事故件数は減少しているものの死亡事故が発生しており予断を許さない状態と述べ、協力を求めた。
谷本克也新宮警察署長は「管内の状況は、人身事故が昨年に比べマイナス。しかし今年は物損事故が増加しており、いつけがのある交通事故に発展するか分からない」と述べ、高齢者への啓発を行いたいとし「皆さんは地域の交通安全リーダー。ぜひ連携を深めて、お願いできれば」とあいさつした。
(2017年5月27日付紙面より)
熊野地方を舞台に6月1日(木)から4日(日)までの4日間、「第19回TOUR・de・熊野(ツール・ド・くまの)」が開催される。NPO法人SPORTS PRODUCE熊野主催、熊野新聞社など後援。
大会は1999(平成11)年に始まり、19回目。現在では「ツール・ド・北海道」、「ツアー・オブ・ジャパン」と並び国際自転車競技連合(UCI)公認の国内3大レースで、アジアツアーの一つ。国際ランキングの得点となるUCIレース(計324・1㌔)には、新宮市を拠点とする「キナンサイクリングチーム」など国内外から19チーム計112選手が出場。
同時開催される全日本実業団自転車競技連盟による「3デイズ・ロード・熊野」(計124・7㌔)、一般参加の市民レース「黒潮ロードレース」(計98・4㌔)のレースを含めると、約350人が出場する。
1日は、新宮市の市田川沿いでタイムトライアル。2日(金)の第1ステージは同市熊野川町の赤木川清流コース。3日(土)の第2ステージは三重県熊野市~御浜町の熊野山岳コース。4日の第3ステージは太地町の太地半島周回コース。2、3日には、UCIレース出場チームによるパレードも行われる。
開催にあたり角口賀敏実行委員長は地域の人たちの協力と支援に感謝し「自転車ブームというか、和歌山県にもサイクリングを含めて非常に力を入れていただいております。ツール・ド・熊野を通して、これからもいろんな形で地域の皆さんに、もっともっとブームが拡大していければと思っております」と話した。
今年のレースクイーンは、宅坊あやねさん(24)と奥野千奈津さん(20)の2人で、ともに新宮市出身で紀宝町在住。
宅坊さんは「国内3大レースの一つが地元で開催されていることを誇りに思うと同時に、地域の魅力を少しでも多く知ってもらいたい」、奥野さんは「田舎のまちで4日間開催されるので、多くの人に自然の魅力や空気の良さなど、いろんなところを見たり感じたりしてもらいたい」と話した。
今年も、恒例のフォトコンテストやインターネット中継も予定されている。
(2017年5月26日付紙面より)
「新宮・勝浦100年の輝き」講演会 (ユーアイ会 )
新宮市井の沢のユーアイホテルに商品を納入する業者でつくる新宮ユーアイ会(杉本義和会長)と勝浦ユーアイ会(谷口拓也会長)は20日、講師に同市在住の郷土史家の中瀬古友夫さんを招き、講演会「新宮・勝浦100年の輝き」を同ホテルで開催した。
両ユーアイ会では地域に利益を還元するため、年に一度講演会などを催している。杉本会長は開会で「地域の歴史を知る講演の内容が、皆さんの知識の一つとしてお役に立てば」とあいさつした。
中瀬古さんは熊野地方の貴重な絵はがきや絵地図を収集しており、新宮市や那智勝浦町の学校や団体などで講演会を開いている。今回は新宮、勝浦の二つの町の明治から昭和に至る年表に、それぞれの町の様子を伝える絵はがきを配した資料を作成して講演した。
1913(大正2)年の新宮鉄道開通により、新宮から鉄路で勝浦まで木材を運んだ様子や熊野川のプロペラ船が誕生した経緯などを解説。鉄道の開通で人の往来が活発になり、海水浴の習慣が無かった新宮の人が三輪崎や宇久井の海水浴場に行くようになるなど交通の発達が生活の変化をもたらした。プロペラ船の就航により、勝浦で捕れたサンマを一日のうちに熊野川沿いの村々に届けることができ、十津川の人々の栄養改善になったという話も聞いたという。
中瀬古さんは「これまで勝浦、新宮でそれぞれに分けて講演してきたが、二つの町の年表を並べてみていくと互いが緊密に関係し合い、影響し合いながら、車の両輪のように発展してきた様子が分かってきた」と話した。
(2017年5月26日付紙面より)
身体障害者連盟定期総会で (串本町 )
串本町身体障害者連盟(中野實会長、会員44人)の定期総会が21日、同町串本にある地域保健福祉センターで開かれた。任期満了に伴う役員改選で中野實会長(留任)ら新役員を選出。審議に先立って来賓同席した清野武志副町長に社会的障壁の解消を求める要望書を提出した。
開会にあたり中野会長は、前年度から施工された障害者差別解消法により地方自治体に社会的障壁に対する合理的配慮が義務化された点を振り返り、「障がい者の自立と共生社会実現のための具体的な取り組みを求めなければならない」として同連盟の取り組みへの協力を呼び掛けた。
来賓として清野副町長と堀登世・同町社会福祉協議会会長が同席し、代表して清野副町長は町職員時代に立ち上げに関わった自宅介護支援や福祉タクシーの制度について意見を聞き拡充したい考えを伝えつつ、田嶋勝正町長のメッセージを代読した。
議事に先立って町への要望があり、中野会長は六つある事項の中でも特に平成25、27年度にも掲げた▽国道42号潮岬西口~東口間歩道の環境整備▽公共施設(文化センターと町立体育館)のトイレ整備―を口頭で強調して要望書を提出。清野副町長は▽歩道は国に引き続き要望する▽トイレは担当課に指示し早急に取り組む―と述べて受け取った。
議事では事業関係諸議案を審議し承認。本年度は同連盟独自のグラウンドゴルフ大会を秋に開くことを出席会員31人で確認した。役員改選では中野会長、川嶋七郎副会長、平松節子副会長の3役を留任とし、他に理事6人を置くことを決めた。
要望事項は上記2点と▽JR串本駅へのエレベーター設置(障がい者と高齢者の利用の観点から)▽コミュニティバスの車いす用リフト付き車種の停留所の増設▽公的機関への手話通訳者の配置や聴覚障がい者の緊急時連絡手段の構築など▽災害時要支援者に対する個別避難計画の早急の作成や福祉避難所との協定状況の周知など―となっている。
(2017年5月26日付紙面より)
三輪崎鈴島でチゴガニ
新宮市三輪崎の鈴島で引き潮時、無数のチゴガニ(稚児蟹)たちが巣穴から出て、一斉にハサミを上げ下げしている=写真。ユーモラスな動きは、万歳やダンスをしているようにも見え、訪れる人たちを楽しませている。
6~8月の繁殖期を中心に行う「ウエービング」と呼ばれる行動。時折、隣の個体に近づいたり、離れたりしながら白色の両はさみを波打つように振っている。雄が行う求愛行動、他の個体に対する威嚇行動など諸説あるが、理由ははっきりと分かっていないという。
甲幅1㌢ほどのチゴガニは東京湾から九州、朝鮮半島などの干潟に生息する。背中は茶色で、腹側は水色。
(2017年5月26日付紙面より)
ノンフィクション作家・田中伸尚さん (来年没後100年 )
『大逆事件―死と生の群像』を書いたノンフィクション作家、田中伸尚(のぶまさ)さん(75)が21日、新宮市を訪れ、来年3月に100回忌を迎える「大逆事件」の犠牲者、峯尾節堂(みねお・せつどう)=1885―1919年=の足跡をたどった。7年ぶりに新宮を訪れた理由などについて聞いた。
来年、節堂没後100年を迎え、顕彰碑を建てるという話も聴き、今回7年ぶりに訪れました。節堂はこの地方の犠牲者6人の中で最も注目されていない、人々の関心が薄い人物。獄中手記を読んでもほとんど、大石誠之助や高木顕明のように社会主義、無政府主義に積極的に関わっていなかった。友達の友達という存在で捕まってしまった人物。
そんな節堂を妙心寺派は判決が出る前に擯斥(ひんせき)処分にした。宗教が国家にベッタリだったことが分かる。宗教、教団の国家に対する姿勢をはっきりさせるのは現代的な問題でもあると思います。
「大逆事件」当時の一般の人々は、限られた情報の中で、捕まった人たちを非難した。節堂は、26歳で検挙され、社会的な圧力で離婚もし、動揺が激しかったに違いない。当時は社会的に余裕がなかったという時代背景もある。
節堂は思想的に確立できていなかったし、迷いながらの人生でした。大石との付き合いも薄かったが、「大逆罪」の網にかけられた。
「大逆事件」はまだ生きている事件。まさに形を変えて生きていると思います。今年は大石の生誕150年。節目、節目で思い出され、次の世代に伝えられていくことは大事なことだと思います。
「共謀罪」は国が人の心を支配しようと外堀を埋めていくようなもの。「大逆罪」はその後、「治安維持法」に継承された。戦争の時代と絡んでふくれあがっていく車の両輪です。戦争に対する反対を抑えるためのもので、古今東西、世界各地にある国家の本質です。
節堂はドラマチックではない普通の青年だった。そんなどこにでもいるような人に光をあてることが今、大事ではないかと思います。
もし、今回の取材を本にまとめることができれば、『大逆事件 死と生の群像』(2010年、岩波書店)『飾らず、偽らず、欺かず 管野須賀子と伊藤野枝』(岩波書店、2016年)に続き、「大逆事件3部作」になりますね。
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■峯尾節堂
1885年4月1日、新宮生まれ。京都の妙心寺で修学して臨済宗妙心寺派の僧侶となった。大石誠之助や高木顕明らと出会い交流を重ね、「大逆事件」に連坐。死刑判決を受け、その翌日特赦で無期懲役に減刑されたが、1919年3月6日、35歳で、獄中で病死した。事件後、妙心寺派は節堂を擯斥処分としたが、1996年に取り消した。
妙心寺派は来年3月6日に節堂の100回忌法要を営む計画。それに合わせて「大逆事件の犠牲者たちの人権回復を求める連絡会」が新宮市内で「第4回大逆事件サミット」を開催する予定。
明治天皇暗殺を企てたとして1911年、12人が絞首刑、12人が無期懲役となった「大逆事件」。現在の研究では大逆罪に名を借りた社会主義者、無政府主義者への弾圧で、国家によるフレームアップであったことが明らかになっている。
(2017年5月25日付紙面より)
那智勝浦町身体障害者連盟(鈴木怜子会長)の定期総会が23日、町福祉健康センターであった。本年度事業計画案、規約の改定案など7議案を承認した。参加した22人の会員らは総会後の昼食会などで交流を深めた。
来賓の植地篤延副町長は「福祉の充実と推進については、自ら進んで参加する熱意が大切。積極的に社会参加している皆さんの活動は意義深い。引き続き協力を」とあいさつ。鈴木会長は、和歌山県が発行する、義足、内部障害などで外見からは援助や配慮が必要なことが分からない人のための「ヘルプマーク」を紹介し「制度を広めたい。必要な方は申し出て」と呼び掛けた。事業案として「ホテルフリーゲート白浜」の視察を10月に予定しており、「支配人、コックさん以外は全員障害者が勤務している。励みになることが多いと思う」と参加を促した。
同会は会員の親睦を図り、障害を克服して自立の促進と福祉の増進を目的として活動。本年度は串本町障害者連盟とのグラウンドゴルフ、カラオケ交流会や日帰り研修旅行、郡連スポーツ大会参加、町長との懇談会などを予定している。
(2017年5月25日付紙面より)
夏に潮岬で第49回キャンプ (日本ユネスコ協会連盟 )
串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家で7月30日(日)から8月2日(水)まで、第49回ユネスコ子どもキャンプが開かれる。日本ユネスコ協会連盟の主催事業で、対象は全国の小学4年生~中学3年生。定員50人で募集するさなかにあり、会場地では実行委員が打ち合わせを重ねて受け入れの準備を進めている。
このキャンプは、ユネスコが掲げる「教育、科学、文化」による平和実現を目的にし、国内各地の地域ユネスコ協会と協力して年次実施している。1968(昭和43)年に始まり、本年度は49回目で、日本発祥の民間ユネスコ運動70周年記念事業として位置付け。次年度の50回目の節目も含め、和歌山県ユネスコ連絡協議会が同連盟と協力する状況にある。
キャンプテーマは「わ(WA)!!自然と深める僕らの絆」。昨年秋に会場地の実行委員会が結成され、テント泊を軸にした3泊4日の体験プログラムを検討していて、期間中は同家外での野外活動や屋内活動、夕食交流会や「ジオリンピック」、キャンプファイヤーや班タイムといった日程が募集要項で告知されている。
今月21日に開かれた実行委員の打ち合わせでは、屋外活動は▽古座川でカヌー体験▽串本海中公園でバックヤードツアー▽橋杭海水浴場でマリンアクティビティー体験▽山間部でジオツアー―の4メニューとし、屋内活動はトルコ記念館を軸にして行い夕食交流会はトルコ料理づくりに挑戦することなどを実践手法も交えて検討した。
一連の体験プログラムを通して、かけがえのない自然環境に親しみ共生の歴史を自らも刻む心と、日本とトルコの友好の歴史から人の絆や助け合いの心を育むきっかけを提供するのが全体目標。着実な達成のため同連盟は子どもと目標の仲立ちをする青年スタッフ(高校生以上)も全国規模で募集をしている。
申し込み方法などその他詳細を知りたい人は早めに同連盟公式ホームページ(http://unesco.or.jp/)か同家などで配布している各要項を参照。問い合わせは同家(電話0735・62・6045)まで。
(2017年5月25日付紙面より)
熊野灘捕鯨文化継承協
第3回熊野灘捕鯨文化継承協議会は23日、新宮市の東牟婁振興局で第3回総会を開いた。本年度は河内祭の御船行事のジオラマを製作し、来年2月末までにJR古座駅に展示する事業(500万円)などを計画している。
昨年4月25日に日本遺産に認定された熊野灘の捕鯨文化に関するストーリー「鯨とともに生きる」を活用した誘客促進と地域活性化を目的とした取り組みを進めている組織。和歌山県、県観光連盟、関係市町、観光団体、文化保存会などで組織している。昨年度は「くじらと人と物語」とのキャッチコピーやロゴマークを作成。総合ガイドブックを増刷し、各駅などに設置したほか、ウオークイベントや企画展を開催した。
今年4月28日には孔島厳島神社の石造物(新宮市)、宇久井半島の山見台跡群(那智勝浦町)、太地角右衛門の墓(太地町)、古座組鯨方石宝(串本町)など10件が構成文化財に追加認定され、計29件になった。
本年度予算は4028万1000円で、うち2408万円は文化芸術振興費補助金(日本遺産魅力発信推進事業)。追加認定を受けた文化財の案内板・説明板などの制作・設置費(795万2880円)、捕鯨の勢子舟を復元するため現存する破片の調査と設計の費用(119万4000円)、日本遺産ガイド養成費(81万9620円)などが盛り込まれている。
(2017年5月25日付紙面より)
もみじ会5月例杯
新宮弓友会5月例射会
新宮市出身・小川洋君、秋田県高校野球春季地区大会で
江戸千家家元が菩提寺で (新宮市 )
茶道江戸千家10代家元、川上宗雪(そうせつ)さん(71)=東京都台東区=が22日、流祖の菩提(ぼだい)寺、新宮市の本廣寺を訪れ、江戸千家新宮同好会の設立を報告した。戦後途絶えていた新宮での流派復活に家元は「良い報告ができました」と喜んでいた。
家元は全国連合不白会役員会の一行約50人と21日から23日の3日間の日程で流祖の故郷を訪問。市内で役員会を開いたほか、熊野三山一寺を参拝し、本廣寺で法要と呈茶を行った。
法要の後、清水文雅(ぶんが)住職は、6年前の紀伊半島大水害後、会員らから送られたお見舞いに感謝し、「不白が見た風景がそのまま残っているところもあると思います。今後の活動に資することを祈ります」とあいさつした。
同好会の会員は現在10人。家元は「新宮の皆さんには、ぜひ江戸の茶を習いに集まってもらいたい」と呼び掛けた。
同寺には江戸千家の流祖、茶聖・川上不白(ふはく)=(1719~1807年)が1797年に先祖供養のために建立した法華経を一字ずつ書き写した6万9384個の小石を埋納しているという「書写妙法蓮華経印塔」(和歌山県指定文化財)がある。
(2017年5月24日付紙面より)
和歌山県漁業協同組合連合会(木下吉雄会長)は21日、創建1700年大祭に向けて準備が進む熊野那智大社(男成洋三宮司)の本殿第四殿に御簾(みす)を奉納した。奉納式では祝詞の奏上、みこによる神楽「那智の滝舞」があった。県漁連の片谷匡副会長、丸山一郎参事が参列し、玉串を納め、男成宮司から感謝状が手渡された。
第四殿は、同大社の主神である熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)を祭っており、本殿の6社殿の中では最も大きい造りだという。丸山参事は「百年に一度の光栄な機会に、大漁と海上安全を願い漁業者の代表として奉納させていただいた」と話していた。
7月14日(金)の例大祭「那智の扇祭り」は御創建1700年例大祭として営む。
(2017年5月24日付紙面より)
大峯奥駈道の行仙宿で (新宮市 )
ボランティア団体「新宮山彦ぐるーぷ」(川島功世話人代表)が管理する奈良県下北山村にある山小屋「行仙宿」の行者堂の仏像「役行者尊像」の修復が済み、安置された行者堂で17日、京都市左京区の本山修験総本山・聖護院の宮城泰年門主と同院5人の山伏が仏像の修復開眼供養を行った。同会員と関係者ら約50人は喜びを分かち合い、護摩だきで家内安全などを祈った。
修験道の開祖といわれる「役小角(えんのおづぬ)」の仏像で、行者堂の新築時、本尊として平成2年に聖護院から譲り受けた。この仏像の中から、作られた当時に書かれた「願文文書」が見つかった。標高約1000㍍の気温や湿度の厳しい環境下で傷みがひどくなったため、昨年7月に性根抜き供養を行った後、奈良市秋篠仏所の浅村朋伸仏師(41)に修復を依頼した。文書は浅村さんが修復作業中に仏像を解体した際、見つけたという。内容を調べた宮城門主によると、仏像は元禄15(1702)年に天下泰平や国土安全などを願い、理正院の鵜飼行家によって作られたもので、後西天皇第7皇子・聖護院第37代門主の道尊親王が開眼供養を行った由緒ある仏像だという。文書の原本は、聖護院資料室に保管する。
同グループ結成当時の世話人代表・玉岡憲明さん(93)は、大勢の参加を喜び「仏像はこれからも大切に祭り続けていく。きっと功徳をいただけると思うので、ここへおいでの時にはぜひお参りを」と呼び掛けた。供養を終えた宮城門主は「行仙宿までの険しい道が、どこもきれいに掃き清められていた。奉仕の精神に充ちあふれた皆さんの気持ちを大変ありがたく思った」と感謝した。
新宮市で昭和49年に結成された同ぐるーぷは、明治維新後の神仏分離・修験道廃止令により、放置され荒廃していた南奥駈道を刈り開き、路面を再生。休憩や避難所となる山小屋の新築や改築、整備を行った。ほぼ毎週、南奥駈道と山小屋の点検、清掃、周辺の植生保護にも取り組んでいる。
(2017年5月24日付紙面より)
古座川クリーンアップ大作戦 (古座川町 )
カヌーツーリングを楽しみながら環境保全に貢献するイベント「第17回古座川クリーンアップ大作戦」が21日、古座川町相瀬~月野瀬の古座川流域であり、一般参加者69人が軽トラック2台分相当のごみ回収に貢献した。
このイベントは、串本アウトドアフェスティバル実行委員会(宇井晋介会長)が主催。南紀熊野体験博(1999年)時に体験と貢献、二重の達成感を得られるイベントとして実施され、以降はカヌーレンタル事業を展開する古座観光協会が軸になって継承する形で今日まで回を重ねている。
今回は道の駅一枚岩前~南紀月の瀬温泉ぼたん荘前の流域(全長約13㌔)をコース設定して参加を呼び掛けた。開会式は道の駅一枚岩前で行われ、宇井会長は「クリーンアップということで掃除もしていただくが、皆さんが何より先に楽しみ、安全にお帰りいただくのがこちら側の願い。ぜひお気を付けてトライしてほしい」とあいさつ。同町を代表して仲本耕士副町長が「古座川ファンが集まり環境美化に協力いただくことに心から御礼申し上げたい。晴天の下で事故なく楽しんでほしい」と期待し、参加を歓迎した。
南紀熊野ジオパーク推進協議会後援の関係で、同パークガイドの会南エリアの芝﨑浩子代表が流域の特色ある地質や地形を紹介。初心者講習を経て午前9時30分、古座川街道やどやの会の室實生会長によるほら貝の吹鳴を合図にして出発した。スタッフ艇を含めた数十艇が分散しないようゆっくりとまとまって川を下り、参加者は自主的に目に触ったごみを預かった網袋に入れコースのところどころで待機するスタッフに引き渡した。
コース半ばの鶴川橋そばの河原で休憩を取り、スタッフから炭火焼きにした干物や平天、サザエやナガレコ(=トコブシ)とおにぎりなどを昼食として差し入れた。
数十艇規模での移動はカヌーが盛んな古座川でもまれな状況。古座観光協会のカヌーレンタルも多数利用され、色とりどりのカヌーで川面に彩りを添える様子を狙うアマチュアカメラマンらも多く川沿いに詰め掛け、イベントの光景を撮影するなどしながら見守った。
(2017年5月24日付紙面より)
U-12ホップリーグ
県高校総体サッカー
不二流体術新宮道場が熊野速玉大社で
流祖・川上不白の故郷で (新宮市 )
茶道江戸千家の流祖、川上不白(1719~1807)の故郷、新宮市に江戸千家新宮同好会が設立された。市内のホテルで21日に開かれた設立記念親睦会に出席した10代家元、川上宗雪(そうせつ)さん(71)=東京都台東区=は「流祖が生まれて再来年は300年」と述べ、関係者らに感謝した。
「流祖の故郷を大切にしたい」と家元は新宮へ頻繁に足を運んでいた。戦後、新宮で江戸千家が途絶えていたことから、復活が念願だった。同好会の会員は10人。代表は元新宮商工会議所会頭の瀬古伸廣さん。
親睦会には江戸千家全国連合不白会の役員ら約50人が出席。田岡実千年市長、下宏・和歌山県副知事が祝辞。関康之・新宮商工会議所会頭が乾杯の音頭を取った。
一行は翌日、流祖の菩提(ぼだい)寺である本廣寺での法要、呈茶に出席した。
不白は、紀州藩新宮領主・水野家家臣の息子として新宮に誕生。16歳で京都に出て、表千家七代如心斎宗左に師事し、「宗雪」の茶名を授与された。25歳で茶の湯修練の式法「七事式(しちじしき)」の制定に参画。若くして茶人としての力量が認められ、32歳で江戸に出て千家流茶道を教授した。
上方発祥の茶の湯に江戸の感性を取り入れ、新しい茶風を興した。水野家下組屋敷に隠居した後も30年以上にわたって皇族から大名、旗本、町人まで階層にかかわらず指導したことで知られている。
(2017年5月23日付紙面より)
津波からの「逃げ地図」作り (太地町 )
大地震による津波が発生した場合、安全な場所への避難経路と逃げるまでの時間を示す「逃げ地図」作りの講座が20日、太地町公民館で開かれた。周辺市町からの参加もあり、約30人が地図作りに取り組んだ。講座は同町在住の一級建築士森岡茂夫さんらがつくる和歌山県逃げ地図づくり促進実行委員会が計画した。講師は明治大学理工学部建築学科の山本俊哉教授、(一社)子ども安全まちづくりパートナーズ=東京都千代田区=研究員の森脇環帆さんらが務めた。
逃げ地図は東日本大震災の後、日建設計=東京都千代田区=の設計部長羽鳥達也さんが考案。白地図に地域の避難場所などを記入し、そこから3分かかる地域は緑、6分は黄緑など、道路に着色していく。住民が地図作りに取り組むことにより、防災に関するコミュニケーションを高めるなどの効果がある。
同町では1000分の1の縮尺の白地図を使った。避難場所に赤い印を付け、倒壊して道をふさぎそうな空き家などにも印を付けた。高齢者が3分間で歩ける距離を129㍍と想定し、この距離を1000分の1に縮小した12・9㌢のひもを使って地図に記入した。避難所からの時間が一目で分かり、時間がかかる場所には避難タワーの設置も必要など意見を出し合いながら作業した。
森脇さんは逃げ地図を活用した子ども向けの避難学習プログラムについて解説。子どもたちに伝えたい「まちの自慢」「過去の津波伝承」などを参加者から出してもらい、内容を書いたメモを逃げ地図に付けた。太地のオリジナルルールとして「逃げたくないというおばあちゃんを1人配置」という設問を追加し、話し合ってもらった。
山本教授は「この道は廃屋が倒壊して通れなくなるのでは。くじらの博物館を訪れた観光客にはどう知らせればいいのかなど、問題を可視化することができる。逃げ地図はそのための道具だ」と話した。和歌山大学システム工学部システム工学科の吉野孝教授と同大学の学院生らも参加し、逃げ地図が作製できるソフトを紹介した。
講座に参加した人と防災未来センター=神戸市中央区=の主任研究員、本塚智貴さんは「東北で伝えられている『つなみてんでんこ』でいいのか。太地ならではの方策があるのではないか。考えてほしい」と話した。森岡さんは「当時者の目線でやってみるということが大事。新宮、東牟婁地方で活用していただければ」と呼び掛けていた。
(2017年5月23日付紙面より)
文複プレイベント考える (新宮市 )
新宮市教育委員会文化振興課は21日、市福祉センターで文化複合施設周知活動プレイベント実行委員会「第1回市民講座~導入編~」を開催した。計画策定を支援している株式会社シアターワークショップ代表取締役の伊東正示さんと川本優さんが参加者約20人を前に全国各地の事例などを紹介した。
伊東さんはプレイベントの目的として▽新しい施設ができることを広く知ってもらう▽開館してからのイベントにつなげる▽共に活動してくれる仲間を探す▽イベントの経験を重ねる―の4点を挙げ、仮囲いに子どもたちに絵を描いてもらう、工事現場見学会など全国各地の事例を紹介した。
複合施設は4年後の2021(平成33)年度開館予定。市教委は今年12月に同実行委員会を立ち上げる予定で、12月までに計7回ワークショップなどを開く。田岡実千年市長は「水害等で完成が遅れていますが、これ以上遅らすことはできないと思っています。施設は中心市街地の活性化に寄与する重要な施設で、将来の新宮市のためになくてはならない。ソフトの部分でもしっかりと準備していく必要がある」と協力を呼び掛けた。
次回は6月4日(日)午後1時30分から、新宮商工会議所で開く予定。テーマはワークショップ①「プレイベントをしよう!」。
問い合わせは同課(電話0735・23・3368)まで。
(2017年5月23日付紙面より)
高野山旗学童軟式野球大会に出場
風屋、二津野の両ダムを視察 (新宮市観光協など )
新宮市観光協会と新宮商工会議所青年部の会員ら約20人が18日、十津川村にある風屋、二津野の両ダムを視察した。ダムを管理、運営する電源開発株式会社の社員らに世界遺産である熊野川の濁水は、観光や漁業関係者への影響が大きいと訴え、生態系調査を含めた対策を強く求めた。
熊野川の濁水は2011年の9月の紀伊半島大水害以降、長期化している。電源開発は対策の一環として現在、風屋ダムで表面取水設備の改造工事を実施している。ダム湖内の清水部分の活用範囲を広げることなどを目的にした工事で、今月中に第一期の工事を終え、11月から再開し、来年5月末に完了する予定。
工事でダムの水を抜いているため、あらわになっている最高で約10㍍のシルト(沈泥)の堆積状況も見学。電源開発は、工事の影響で濁度が高くなっていると理解を求めた。工事の間にシルトを除去できないのか、との問いに電源開発は、地盤が軟弱なため重機が入れないと回答した。
会員らは新宮市熊野川町椋呂の十津川第二発電所から出ている濁水現場も視察し、発電停止を含めた対策を強く訴えた。電源開発は、山腹崩壊した箇所から川に流入している土砂が濁水の根本的な原因とし、会社としてはできる限りの対策を進めていると理解を求めた。
同青年部は今年4月、濁水対策強化を求める5016人の署名を携え、自民党本部、国交省、電源開発で陳情活動を実施している。
(2017年5月21日付紙面より)
新庁舎の完成祝い式典 (新宮警察署 )
新宮市新宮(通称広角)に移転した新宮警察署新庁舎の竣工(しゅんこう)式が19日、同署で開かれた。宮沢忠孝本部長ら県警幹部をはじめ、県議会議員、管内市町村の首長ら関係者約60人が出席し、庁舎完成を祝った。
新庁舎は海抜35㍍の高台に建設された。鉄筋コンクリート地上3階、地下1階建て。敷地面積は6764平方㍍で、延べ床面積は約3353平方㍍となっており、敷地内には待機宿舎24戸が併設されている。総事業費は約29億円。
1階には署長室の他、警務課、会計課、地域課、交通課など。2階は生活安全刑事課など、3階には警備課、大会議室、道場を配置し、地下には射撃場を設けている。災害時の地域の防災拠点として耐震性の強化を図り、地球環境に配慮した太陽光発電システムを導入。市民相談室を設け、バリアフリーに努めている。2015年9月に着工し、今年3月6日から業務を開始している。
宮沢本部長は新庁舎を「和歌山県警察の運営指針『県民の期待と信頼に応える強さと優しさを兼ね備えた警察』のイメージと合致するものとなった」と感謝。「施設整備は警察活動の基盤であり、職員の士気を高揚させるもの。社会情勢の変化は目まぐるしく、警察活動もますます多岐にわたってきているが、県警察として、新庁舎竣工を機に、決意を新たに一丸となって治安維持という崇高な職務の遂行にまい進いたす所存」と式辞。
公安委員会の大桑堉嗣委員長は「新庁舎の完成を機に公安委員会としても安全安心な和歌山の実現に向けより一層努力していきたい」とあいさつ。県警察本部の田原裕史・会計課長が新宮警察署概要と工事の経過報告をした。
児玉征也・東牟婁振興局長は「県民の警察に対する期待はますます大きくなっている。県としては高性能な資機材等を活用した捜査力の強化を図っていくが、署員の皆さまには新たな拠点ができたことを契機に、課せられた職務の重要性を改めて認識していただき、管内の治安維持、県全体の治安を守ってほしい」と仁坂吉伸県知事の祝辞を代読した。
和歌山県議会の服部一副議長は「新宮警察署が管轄する地域は世界遺産を有する観光地で、たくさんの方々の安全安心を堅実に守っていく必要がある。新庁舎完成を契機に、改めて、課せられた職務の重大性を再認識し、地域の安心安全のため、より一層のご活躍を」。
柴山克彦・近畿管区警察局総務監察部長は「立派な庁舎が完成したことは近畿管区としても喜ばしい。署員各位には、署長を中心に、地域の方々や観光で訪れた方々の安全安心を確保するため、警察の諸業務を確実かつ効果的に推進し、地域社会の治安維持に一層精励して」と呼び掛けた。
谷本克也・新宮警察署長は「治安防災の新たな拠点として新庁舎が完成し、施設と設備の近代化が図られたことは大変意義深く、一同気持ちを新たに、一層の業務の効率化とスピード化を図り、それぞれの治安課題に真摯(しんし)かつ着実に取り組んでいく。地域の皆さまとの連帯をより深くしつつ、治安の針路をけん引し、安全で安心して暮らせる社会の実現に傾注する」と謝辞を述べた。
(2017年5月21日付紙面より)
櫻井敬人学芸員が講演
太地町歴史資料室学芸員でニューベッドフォード捕鯨博物館顧問学芸員の櫻井敬人(はやと)学芸員が17日夜、新宮市の井の沢隣保館であった環境問題研究会5月例会で講演した。江戸時代の捕鯨家、太地角右衛門の古文書などを資料に熊野灘各地で行われていた捕鯨の様子を紹介した。
熊野灘での捕鯨は太地、三輪崎、古座だけでなく、田辺や志摩でも行われていた。角右衛門は、セミ、ザトウ、コク、マッコウ、ナガス、カツオの6種類で行っていたと書いている。
太地では、ザトウを網にからめてモリで突く漁法を開発。三輪崎では岸近くに来るコクをモリで付いていた。沖を通るマッコウは比較的捕まえやすく、カツオやナガスはあまり捕っていなかったという。
古式捕鯨の様子を描いた古い絵を見ると、網が必要ないセミを網で捕っているものがあったり、古座での漁を太地と書いていたりするものがあるという。どの地区での漁の様子かは船のマークで判断できる。三つの輪が重なったマークは、三輪崎の船と思われるが、まだ確定はしていない。
船には扇、北斗七星、赤いタケノコ、鳳凰(ほうおう)などの絵がカラフルに描かれているが、意味は分かっていない。櫻井さんは、熊野の捕鯨文化は未知の部分が多いと述べ、津波被害を避けるため、少しでも高い場所に資料を保存すべきと訴えた。
(2017年5月21日付紙面より)
「生命の駅伝」出発式 (新宮市 )
がんと闘う人を励まし、研究を支援する目的で行われている「第23回生命(いのち)の駅伝」の出発式が19日、新宮市立光洋中学校(宮本雅史校長、生徒210人)であった。「EKIDEN for LIFEの会」(太田正隆会長)主催。生徒の中から希望者約150人が約1㌔を伴走した。
出発式で生徒会長の小谷颯志君(3年)が生徒らの募金への協力に感謝し「光洋中生徒会としては、これからも生命の駅伝に協力していきたい」とあいさつ。募金を生命の駅伝実行委員会の上村眞由さんに手渡した。
事務局の北出恭子さんは「私も胃がんで胃を摘出しました。早期発見で今またボランティアに参加させてもらっていることをすごくうれしく思います」と述べ、家族にも検診を勧めるよう呼び掛けた。
駅伝は、がん研究資金を募るためにカナダ人の義足ランナー、テリー・フォックスが「希望のマラソン」として143日かけて5373㌔走ったことにちなむ。95年に「テリーフォックスラン日本」として開始した。活動を通じ、三重県にがん医療センターを設立することを目標としている。
ランナーは中学校をスタートし、東牟婁振興局や新宮市役所など回りながら熊野市役所まで走った。
(2017年5月20日付紙面より)
若者の政治参加意識の向上を目的に、新宮市神倉の県立新宮高校(畑伸憲校長)で18日、和歌山県議会議員と高校生との意見交換会が初めて開かれた。議員5人と高校生15人が参加し、議会に関する質問や「地域と高校生徒のふれあい」をテーマに話し合った。
公職選挙法の改正で選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことを受け、若者の率直な意見を聞き取る場をつくり、政治参加意識を高めようと開いた。今年3月に亡くなった故・浅井修一郎・県議会議長が発案。議会改革の一環として企画され、「議会改革検討委員会」で検討されてきた。
本年度は試行として同県等委員会メンバーを参加者とし、この日は服部一・県議会副議長、長坂隆司議員、山本茂博議員、多田純一議員、森礼子議員が参加。新宮高校からは生徒会を中心に1年生から3年生までの有志メンバーらが集まった。
服部副議長がコーディネーターを務め、意見交換では生徒らから議会への疑問や高速道路、県の理想像、議員を志したきっかけなどへの質問があった。「地域の子どもや高齢者と高校生が関わる機会をどのように持てばよいか」という問い掛けには、「ボランティアや個人活動、慰問活動など、自分から出掛けていき、得意なことを生かして自ら動く」「市や自治体が実施する避難訓練や祭りなどの行事に積極的に参加する。地域の行事では若い力が求められている」とアドバイスを送った。
議員からは高校生に「住んでいる所を将来どんなふるさとにしていきたいか」「選挙権を与えられた際の投票の基準」「自分自身、ここは人に負けないという自信があるものは」「反抗期はあったか」などの質問があり、生徒らは自分の率直な意見を伝えていた。
意見交換会で気付いたことを聞かれた生徒は「もう少し個別に話したり、自由な形で話せるようにしたらもっといいと思う」などと提案する場面もあった。
服部副議長は「意見を活発に出してくれ、反応も良かった。生徒が意見を出しやすいよう、今後の会の在り方をもう少し検討する必要を感じました。感じている、思っていることが伝わったと思う。関心を持ってくれてありがたい」。
生徒会長の藏本梨奈さん(3年)は「緊張しましたが、お互いの意見を話し、私たちのためにもなりました。今後、生徒会を通じ学校内の生徒の意見を出し合い、新宮のために何かできないかという働き掛けができればいいなと思いました」と感想を語り「政治を身近に感じました。話す場がもともと少なかったので、今回の場で距離が縮まり、自分たちの意見も反映してもらえるんだなと感じました。選挙にも行きます」と述べた。
畑校長は「生徒たちは少し緊張していましたが、議員たちから地域貢献の大切さなどを聞き、社会に接するいいきっかけになったと思います。社会で活躍する大人と話をすることで、自分の意見を話すいい機会になったと思います」と話していた。
(2017年5月20日付紙面より)
ジオガイドら通夜島調査 (串本町 )
串本町須江沖にある通夜島で18日に地域資源調査があり、南紀熊野ジオパークガイドら18人が地質と植生の2面から島一帯の特色を探った。
通夜島は神功皇后と応神天皇の一行が一夜を明かしたと伝えられ、その故事をなぞらえる水門(みなと)神社祭礼「水門祭」の旧御旅所だったことで知られる。旧大島村から旧串本町、現串本町へと公有地として受け継がれ、民間事業者に貸し出され熱帯植物の栽培地となっていた時期もあったが2003(平成15)年に明け渡され、現在は無人島になっている。
地域資源としては北岸区域13・7㌶が2005(平成17)年にラムサール条約登録湿地に認定されているが、この日の調査はジオパークの観点から魅力を発掘するのが狙い。和歌山東漁業協同組合須江支所の通夜島活用への期待も踏まえて南紀熊野ジオパークガイドの会南エリア(芝崎浩子代表)が計画し、当日はガイドや南紀熊野ジオパーク推進協議会学術専門委員の中屋志津男さん、県自然環境室や同町産業課、串本町観光協会や古座観光協会、リゾート大島や熊野新聞社の各関係者が参加した。
資料調査はしたが上陸は初めてという中屋さんは▽地質的に熊野カルデラ由来と考えらえる火砕流の造形(流紋岩質火砕岩層)が見られる▽地形的に島上部が平地「海岸段丘」になっている―といった二つの特色があると参加者に事前解説し、前半はその象徴となる場所を観察した。
先だって12日に大辺路刈開き隊や同町地域おこし協力隊、環境省やリゾート大島が刈り開いたルートに沿って移動し、その道中には往時の作業小屋や祠(ほこら)も複数点在。上陸地点で地質的な特色、その反対側の浜で地形的特色を観察し、後者では目の前に広がる波食棚や海食台といった平たい海岸が隆起して海岸段丘ができるという大地の営みを、各地形の実物を見ながら感じられるといった魅力の発見があった。
昼食休憩後は既存のスダジイや熱帯植物と栽培管理を離れて野生化したワシントンヤシなどさまざまなヤシ類などで覆われた島内を巡り、眺望に秀でた岩棚などを確かめた。
南紀熊野ジオパークガイドの会の上野一夫会長は「串本には平見と呼ばれる場所が多いが、これらは海岸段丘を意味する。陸繋(りくけい)島も含めてそのような地形がよくわかる岩棚も発見の一つだった。中屋先生が話された特色も含めた今日の収穫を生かし、通夜島を訪れるツアーを年に何回か計画していければと思う」とこの日の成果を振り返った。
(2017年5月20日付紙面より)
地震から命守る減災セミナー (太地町 )
太地町の一級建築士事務所「熊野くらし工房」の森岡茂夫さんは17日、同町公民館で第2回減災セミナー「地震から命を守る」を開いた。日本建築家協会の災害対策委員として活動した森岡さんは、全国の被災地で得た知識と経験を町民の防災に役立ててもらおうとセミナーを企画し、今年3月にスタートさせた。2回目は「命を守る『倒さない・燃やさない・逃げ切る』」がテーマ。
南海トラフの巨大地震、東海・東南海・南海3連動地震の国の被害想定を挙げて講演を進めた。南海トラフ巨大地震の死者想定は32万3000人にも上り、「死者率」は南海トラフで74%、3連動地震で47%といずれも太地町が第1位となっている数字を示した。森岡さんは「この通りだと私のふるさとは消滅してしまう。対策を」と語り、家屋の倒壊、家具の転倒などを防ぐ「倒さない」、火災の発生を防ぐ「燃やさない」、津波から「逃げ切る」の三つのキーワードを掲げて防災対策を呼び掛けた。
電気が復旧し、倒壊家屋に通電した際に発生する「通電火災」の防止には建築家協会が考案した感電ブレーカーを紹介。ガスコンロは2008年に法制化された安全センサーを説明した。受講者に帰宅後に各家庭でセンサーが付いているかどうか確認を呼び掛け、古い家屋が多い同町では社会福祉協議会などと連携しての安全チェックを提案した。
森岡さんは「国の想定を最後まで読むと、しっかり対応すれば被害は5分の1になると書かれている。対策を積み重ねれば被害は小さくできる。みんなで知恵を合わせて未来を守ろう」と呼び掛けた。
20日は同会場で午後1時30分から同4時30分まで「津波からの逃げ地図づくりマスター講座」を開催する。問い合わせは同事務所(電話0735・29・7986)まで。
(2017年5月20日付紙面より)
深刻化している鳥獣被害を防ごうと那智勝浦町は平成28年度から鳥獣害対策専属の地域おこし協力隊を結成し、今年度は隊員2人が町内各所で対策に取り組んでいる。
町内に有害駆除を行える猟師は80人ほどいるが、人数は横ばい傾向で高齢化も進んでいる。このため、同町では28年度に協力隊3人分を予算化。同年10月に大阪府大阪市出身の髙嶋淳さん(41)を採用し、今年4月から神奈川県横浜市出身の山中慶太さん(41)を迎え、現在は2人体制で支援にあたっている。
活動は被害の把握や現場の対策、広報を主にしている。農家や区長から電話を受け、被害場所と情報などを記録して対策やアドバイスをし、状況を整理した資料作り、メールや回覧板を通して情報発信している。
鳥獣の生息数の調査にも取り組んでいる。宇久井地区の狗子ノ川ではサルの被害が多く、大型のおりを設置し、発信器の取り付けや駆除を進めてく計画だ。
猟友会や鳥獣被害防止対策協議会とも協力し、実地研修や狩猟免許の取得なども進めている。
髙嶋さんは「10年ほど世界100カ国を訪れ、日本を徒歩で旅した中で、食べ物と人のつながりの大切さ、日本の過疎と獣害問題を知りました。都会の価値観だと獣害が身近ではない。安心して農作物を育て、安定的に作物を供給できる環境をつくり、人間と動物双方の暮らしを守れたら」。
山中さんは「知人を通じて町に訪れているうちに、ここで暮らしたいと思うようになりました。獣害は駆除がメインだと思っていたが、未然に防ぐことが本質。活動の上で住民との触れ合いも大切だと改めて思います」と支援活動への意気込みを語った。
(2017年5月19日付紙面より)
補陀洛山寺の「春まつり」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(高木亮享住職)は17日、「春まつり」を営んだ。信徒ら約50人が参列し、護摩祈とうや追善供養を営んだ。
本堂では、国の重要文化財に指定されている本尊「三貌(さんぼう)十一面千手千眼観世音菩薩」が開帳され、高木住職が読経した。護摩たきもあり、信徒らが願いをつづった護摩木を炎が立ちのぼる護摩壇にくべた。寺の裏山にある渡海上人の供養塔前では、追善供養が行われ、極楽浄土を目指した渡海上人の功績と意志をしのんだ。
高木住職は「年3回御本尊を開帳しているので、時間のある人はお会いしに来ていただければ」とあいさつした。
追善供養を終えて青岸渡寺の僧侶・田中亮樹さん(36)は「自分の命を投げ出してでも先人たちは極楽浄土を目指した。その志と功績を胸に、世のため人のため気を引き締めて精進していきたい」と話した。
同寺は、補陀落渡海の信仰とその出発点で知られる。この地から多くの人が極楽浄土を求めて渡海した。その回数は諸説あり、818年から1722年までに25回や28回ともいわれる。
本尊は、毎年1月27日の立春大護摩供星祭、5月17日の春まつり、7月10日の土用護摩供と先祖供養で開帳される。
(2017年5月19日付紙面より)
新宮市が2千部作成
訪新外国人いらっしゃい商店街づくり推進協議会(会長・丹羽生新宮市観光協会長)はこのほど、「新宮うまいもんお食事処マップ」の英語版「SHINGU Gourmet Restaurant Map」を2000部作成した=写真。観光施設などに置いている。
同お食事処マップの日本語版は、新宮市料理飲食業組合、新宮商工会議所、新宮市観光協会、新宮市で組織する「新宮うまいもん見っけ実行委員会」が平成26年度から作成している。それぞれの店舗の位置、種類、営業案内のほか、ホテルやタクシーの電話番号案内、新宮市への交通アクセスなどを掲載している。
英語版では、外国人観光客に市内を周遊しながら食を楽しんでもらおうと、熊野速玉大社と神倉神社の案内も写真入りで掲載している。
(2017年5月19日付紙面より)
保健福祉セで民児協総会 (古座川町 )
古座川町民生委員児童委員協議会(山口美和子会長、会員24人)が17日、同町川口にある保健福祉センターで総会を開いた。本年度は同委員制度創設100周年の節目。3000人規模で開かれる周年記念事業和歌山大会参加を研修に充てることを決めるなどした。
同委員は住民の立場で生活の相談に応じ必要な公的支援とのつなぎ役を果たすボランティアとして、厚生労働大臣が市区町村内の地域単位で委嘱している。任期は3年。同町内の委員定数は25だが一部地区で欠員があり、同日現在24人が委嘱を受けている。
昨年12月の一斉改選以降初となる定期総会の開会にあたり山口会長は、1917(大正6)年に岡山県で発祥した済世顧問制度やその2年後に大阪府で発祥した方面委員制度など、民生委員の原点となる制度創設の背景を振り返り、配布した関係資料を一読して民生委員の存在意義を振り返るよう推奨。町内各地における児童の登下校の見守り活動やふれあいいきいきサロン運営協力、施設入所者家族の送迎など福祉の増進につながる会員の地域貢献をたたえ、引き続きの努力を願うなどした。
来賓の西前啓市町長は西武彦健康福祉課長と共に開会に同席。高齢化が進む一方で支える側の人材確保が厳しくなっている状況に触れ、その要因である人材一人あたりの負担増大を十分な数の人材確保で改めたいという考えを伝えつつ向こう3年間の地域福祉に対する力添えを求め、山口会長は創設100年記念応援ピンバッチを西前町長に贈り連帯を強めた。
続く議事では、前年度と本年度の事業関係諸議案を審議し承認。本年度事業計画の中で、同大会参加を本年度の研修に充てることを決めた。
この日は総会後に研修会もあり、同町高齢者相談センター(=地域包括支援センター)の認知症サポーターキャラバンメイト3人による同サポーター養成講座を受講した。昼食を経て午後はオークワ古座川店前でチラシを配り、同委員制度の地域へのアピールにも取り組んだ。
(2017年5月19日付紙面より)
「にっぽん丸」が入港 (新宮市 )
大型客船「にっぽん丸」(全長166・6㍍、2万2472㌧)が17日午前9時ごろ、新宮市の新宮港に入港した。福岡県の博多港から乗船してきた観光客305人は、バスやタクシーに乗り込み、熊野三山や伊勢神宮へ向かった。同日午後5時ごろ出港する。
今回のクルーズ名は「新緑の和歌山 南紀新宮クルーズ」(2泊3日)。次は博多港。歓迎セレモニーで田岡実千年市長は「熊野は古来、よみがえりの地として多くの人が訪れている聖地。今でも多くの観光客が訪れています。今日一日、熊野の自然と歴史、文化を堪能してください」とあいさつし、二宮悟志船長らに花束を贈呈した。
岸壁では平安衣装の女性らによる出迎え、ミカンやさんまずしなどの地元物産販売のほか、地元で採れたサトイモのコロッケの振る舞いがあった。出港時には「熊野水軍太鼓」が演奏で見送る。
■梛の木見送り隊募集
新宮市企業立地推進課は「新宮港梛(なぎ)の木見送り隊」の会員を募集している。会員特典あり。今後の入港予定は、6月2日(金)「飛鳥Ⅱ」(午前9時入港、午後5時出港)、18日(日)「ぱしふぃっくびいなす」(午前9時30分入港、午後6時出港)となっている。
問い合わせは同課(電話0735・23・3333)まで。
(2017年5月18日付紙面より)
延命寺で鍋島摩利支天大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町宇久井の鳳凰山「延命寺」(西昭嘉住職)で12日、鍋島摩利支天(なべしままりしてん)大祭が営まれた。宇久井区役員や宇久井漁業協同組合員ら約60人が参列し、海上安全や大漁満足を祈願した。
宇久井湾の西側にある鍋島に祭られている摩利支天の大祭で、毎年5月の「亥の日」に開催している。西住職によると、摩利支天はもとがインドの神で、原語のMarici(まりし)は太陽や月の光の意味があり、光線から立ち上る陽炎(かげろう)は実体がないため、自在の神通力を持っていると考えられた。イノシシにまたがり、弓矢を引いた姿で、日本では武士の守護神として、護身、隠れ身、財宝獲得、論争勝利などを祈願されてきた。宇久井では1769年に、鍋島に安置して水軍が祭ったと考えられている。その後、漁師や漁業関係者の信仰の対象となったという。
西住職は「南紀州で摩利支天を祭っているのは宇久井地区が唯一です。地域の繁栄を支えてくださっていることに参拝者一同感謝しております」と話していた。
前日に、西住職と同寺役員7人が船で鍋島に渡り、祈とうと清掃を行った。
(2017年5月18日付紙面より)
愛好者80人が望楼の芝で (串本町 )
串本町潮岬にある望楼の芝で16日、第3回健康太極拳合同鍛錬会があり、愛好者ら約80人が芝地の一角で一丸となって実践に取り組んだ。
この鍛錬会は、同町健康太極拳協会主催、同町教育委員会後援。串本町やその近隣の愛好者が集い大自然の「気」を健康づくりに役立てる場として、年1回の頻度で開いている。
この日は前回に引き続いて同芝を会場にし、▽新宮はまゆう教室(小西ちか子師範)▽紀宝教室(柳本常盤師範、奥平信子師範)▽ピーアップシングウ▽順心の会▽なごみ▽串本教室(大澤順子師範)▽岩淵太極拳教室(浅川すま子師範)―に通う生徒の中の希望者が参加。取り組みに関心を持った流派上位の役員2人も駆け付けて鍛錬会に加わったという。
メイン講師は地元の大澤師範が務め、他師範2人が補佐。緩やかな流れの音楽に合わせ本場中国で太極拳を普及させるために形作られた型「24式太極拳」を実践。併せて大澤師範から気功の型の紹介もあり、24式とは違った太極拳の側面として習得に努めるなどした。
同鍛錬会の世話役を務める鈴木清同協会理事は「大自然の気を健康維持に役立ててくれれば何より。私たちが太極拳に取り組むのは健康づくりが目的で、この鍛錬会が薬とは違う代替療法として太極拳に取り組むことへの励みになれば」と願い、今後の同鍛錬会継続にも意欲を見せていた。
(2017年5月18日付紙面より)
田辺市長野の長野古城梅(ごじろうめ)振興会(竹内豊代表)は16日、同市本宮町の熊野本宮大社へ収穫したばかりの梅を奉納し、業界の発展を祈願した。
古城梅は長野発祥の希少品種。実の色が美しく「青いダイヤ」と呼ばれていて、ほとんどが梅酒として消費されている。本格的な収穫は今月20日ごろから約10日間で、約350㌧の収穫を見込んでいる。
「ごじろ」に語呂を合わせ、一昨年から毎年5月16日に奉告祭が営まれている。今年は竹内代表ら会員9人のほか、田辺市やJA紀南の職員ら合計15人が参列した。
竹内代表(77)は「今年も出来栄えは良いです。今年は古城梅という名前が付けられて80年の節目。PRに力を入れていきたい」。九鬼家隆宮司は「梅はミカンとともに和歌山を代表する果物。多くの方に召し上がっていただき、業界の発展とともに生産者の方々のご安泰をお祈りいたします」と話した。
(2017年5月18日付紙面より)
青葉杯ソフトテニス大会
女子小学生チーム「SMILE.E.T」
第61回近畿ソフトテニス選手権大会
ミュージカルワークショップ (北山小・中学校 )
北山村立の小学校と中学校で15日、東京都の株式会社ヒューマンデザインが企画する音楽座ミュージカル『リトルプリンス』のワークショップが行われた。『リトルプリンス』はサン=テグジュペリの『星の王子さま』を原作とした作品で、北山小・中学校での本番は10月に公演の予定。
この音楽座ミュージカルは平成29年度文化芸術による子どもの育成事業(巡回公演事業)として文化庁に採択されたもので、特徴は舞台を使用せず、観客が出演者を360度から取り囲んで観劇する「ラボシアター形式」であり、観客を巻き込む体感型のミュージカル。ワークショップは、「体感型」を実現するために小中学生向けにあらすじや劇中歌を紹介するため行われている。
この日は、音楽座ミュージカルのメンバーである渡辺修也さん、飯田良太さん、尾関そらさんがインストラクターとして北山小・中学校を訪れた。
渡辺さんは、ミュージカルは芝居、歌、ダンスで構成されているなど基本を説明した後、「物語の舞台は地球の砂漠」とあらすじを話し始めた。「砂漠ってどんな所?」などと生徒らに質問し答えさせながら生徒の興味を物語の世界に引き込み、身ぶりやダンスを交えてあらすじを紹介しながら生徒らにも演じることを促した。指名された生徒らは、突然の配役に戸惑いながらも、きちんとせりふを言っていた。
終わりのあいさつで川口徹教頭は「殻を破るのは良い事だと思うから、本番はもっと楽しみましょう」と話した。川辺雄大君(中2)は「演じるのは恥ずかしかったけど、インストラクターの人は歌がうまくて迫力があって本番が楽しみ」と話し、杉浦琉空(りく)君(中2)は「歌詞は覚えやすかったのでいい感じで歌えるようになりたい」と話していた。
この巡回公演事業は、子どもたちに質の高い文化芸術を鑑賞・体験する機会を確保するとともに、芸術家による表現手法を用いた計画的・継続的なワークショップなどを実施する事業。『リトルプリンス』は本年度、滋賀県、三重県、和歌山県、大阪府などの24校で公演が予定されている。
(2017年5月17日付紙面より)
宇久井海と森の自然塾が総会 (那智勝浦町 )
宇久井海と森の自然塾協議会(玉置之一会長)は14日、那智勝浦町の宇久井区民会館で第14回となる平成29年度総会を開き、前年度事業と収支決算を報告し、本年度事業案と予算案を協議した。
同塾は会員91人と家族会員の22人計113人で構成し、宇久井ビジターセンター=同町宇久井=を拠点に吉野熊野国立公園の情報発信や園地保全の活動を展開している。巡視や清掃など作業活動とともに畑作りや草花染めなど体験プログラムも実施している。28年度は86教室を開き、1128人が参加した。
総会には委任状を含め、82人が出席した。本年度も管理業務や自然資源調査、体験プログラム実施などに加え、修学旅行誘致事業にも取り組むことを協議し、満場一致で可決した。新事業の開発や新会員の募集などの提案もあった。来賓の金子朗自然保護官はビジターの来館者が来年3月には10万人に達する見込みと述べ、環境省自然保護管事務所として、自然塾にできるだけの協力を申し出た。
ビジターセンターは環境省が平成18年に開設した。玉置会長は当時を振り返って区民の協力に感謝。以降、自然塾の運営に環境省、町、休暇村南紀勝浦および各会員から多大な支援があったことにも重ねてお礼を述べた。
(2017年5月17日付紙面より)
古座街道「ひだまり市」 (古座川町 )
古座川町高池下部地内の古座街道で14日、物産市「古座街道『ひだまり市』」が開かれた。昨秋に続いて2回目の実施で、今回は21店舗が出店。ミニライブや生け花の大作展示もあり、開場中は往来する人々で活気を見せた。
同地内にあるやまさき屋旅館駐車場で春秋の毎月1日に開かれていた月例市「ひだまり市」の派生企画。手作りにこだわる品を扱うという趣旨に賛同する出品者に広く参加を呼び掛け、街道筋の住民にも協力を求めて新たなにぎわいの形として昨年10月に初開場した。
今年は長らく続いた月例市を休止し、春秋2回の物産市の定着を目指すという。その第一歩ともなったこの日の市は前日の雨もやみ天候が回復に向かう中で始まった。出店者は民家の軒下やカーポート、空き地を借りてこだわりの品々の販売に努め、街道筋は品定めで巡る人々で大にぎわい。ミニライブはシンガーソングライターの藪下将人さんと藍田真一さんのユニット「ヤブシン」が出演。午前10時30分と正午の2回にわたって歌声を響かせ注目を集めた。出店のほか、宮本草豊社中が初夏の草花と流木を組み合わせた生け花の大作で一角を飾った。
世話役の同旅館のおかみ、山﨑美知子さんは「心配した雨も何とか上がり、大勢の皆さんに足を運んでもらえてうれしい。今日は流し宿(=木材運搬者のための宿泊所)があったころよりもにぎやか。これからも続けられるよう頑張りたい」と喜び、材料が尽きるまで同旅館謹製弁当を仕込み続けて来場に応えていた。
(2017年5月17日付紙面より)
年間通じふるさとの自然に親しむ (新宮市 )
熊野学研究委員会自然部会と新宮市教育委員会、一般財団法人新熊野体験研修協会主催の第34回自然探訪スクール開講式と第1回講座が14日、あった。市役所東駐車場での開講式後、参加者ら約40人が奈良県十津川村の玉置山で自然観察などを楽しんだ。
開講式で楠本秀一教育長は「歴史と文化をつくってきた雄大な自然。しっかりと自然と触れ合い、肌で感じて、いい時間を過ごしていただければ」とあいさつ。玉置山では熊野学研究委員の高塚建さんが植物などの解説をし、参加者らは緑豊かな玉置山を散策した。
同スクールは美しいふるさとの自然に触れ、親しみながらその恵みに感謝し、大自然の営みを学び、それを愛護する精神を培う目的で開いており、年間を通じ9講座を予定している。次回は6月18日(日)午前9時30分から、新宮市高田の新高田会館で「顕微鏡で見るミクロの世界」をテーマに行う。1講座500円。申し込みは市教育委員会文化振興課(電話0735・23・3368)まで。締め切りは6月14日(水)。
(2017年5月17日付紙面より)
全小バレー東牟婁地方予選
東くめ・基吉夫妻の朗読劇公演 (新宮市 )
新宮市の蓬莱体育館で13日、朗読劇「鳩ぽっぽ誕生秘話~東くめと基吉 夫唱婦随の大仕事~」(新宮市民ミュージカル実行委員会主催)の公演があった。同市の名誉市民、東くめと夫の基吉が夫婦二人三脚で童謡の作詩に取り組んだ姿を感動的に伝え、観客約300人の心を打った。
明治10年に生まれた東くめの生誕140周年を記念した公演。日本で最初の口語体による幼稚園唱歌を作り、昭和37年に新宮市名誉市民になった。JR新宮駅前には功績をたたえた『鳩ぽっぽ』の歌碑とモニュメントがあり、正午の時報では市内に同歌が流れる。
総勢30人以上の市民らが出演した。ストーリーテラーをはじめ、東くめ、基吉、滝廉太郎役の出演者が登場し、代表曲『鳩ぽっぽ』や『お正月』の誕生ストーリーが語られた。光幸コーラスや出演者らの合唱、器楽バンド「ムジカキッチン」の生演奏もあった。
東基吉・くめ夫妻の孫の東陽一さん(81)と妻の佐久良さん(77)もゲストとして滋賀県大津市から訪れた。陽一さんは「基吉の絵があった。あんな基吉は見たことがないので感激した」。
佐久良さんは「くめおばあちゃんそのままのようだった。新宮じゃないとできない企画で、夫婦で取り上げてもらったのは初めて。この公演は後々残ると思う」と感激していた。
実行委員会の髙由香委員長は「練習不足でどうなるかと思ったが、思った以上の出来になりました。みなさんに東くめ、基吉夫妻の功績を伝えられて、ほっとしています」と成功を喜んだ。学校での公演にも意欲を示した。
(2017年5月16日付紙面より)
遺族ら戦没者に鎮魂の祈り (太地町 )
太地町護国神社慰霊祭が13日、飛鳥神社で行われた。あいにくの雨天とあって神事は社務所で営まれたが、遺族関係者たち約50人が参列して平和と幸福の共存を願いながら、母国繁栄の礎を築いた英霊に感謝の誠をささげた。
同町での慰霊祭は、遺族の死亡や高齢化もあってしばらく途絶えていた。この事態を憂慮した、遺族を中心とした有志が友の会(久原拓美会長)を立ち上げて復活させ、今年で第8回を迎える。現在の会員は約40人。
式典は国歌を斉唱し、黙とうをささげて始まった。髙橋正樹宮司が祝詞をあげ、遺族一人一人が神前に白菊を供え、改めて不戦を誓いながら、愛する家族とふるさとへの思いを胸に、戦地で倒れた戦没者の冥福を祈った。
先の大戦で父を失った奥村祥子さん(72)は「昭和20年4月に招集され、9月に満州で亡くなった。抑留中の行進で泥水を飲み、赤痢にかかってそのまま放置されたようで、死んだ場所も分からない」と話し、非業の最期を遂げた父の無念を思いやった。
久原会長は「戦後72年たつが、悲しみは忘れられない。平和と命の尊さを伝えるのが、われわれの務め」とあいさつし、世界平和の実現に願いを込めた。
(2017年5月16日付紙面より)
串本町総合運動公園で公式戦 (関西サッカーリーグ )
串本町サンゴ台にある総合運動公園多目的グラウンドで14日、関西サッカーリーグ公式戦1部前期第3節「アルテリーヴォ和歌山―レイジェンド滋賀FC戦」が開かれた。観客361人(公式発表)が注目する中、後半46分で和歌山の角島康介選手がゴールを決め、スコア1―0で和歌山が勝利をつかみ取った。
同リーグはアマチュアサッカーの第2層、全国9地域で結成されているグループの1つ。アルテリーヴォ和歌山は2007年、Jリーグ(プロサッカー)参画を目標にして発足したチームで、現在はサッカー関西リーグ1部8チームの一角として、最高峰のJFL昇格を目指すさなかにある。
おととし、昨年は同リーグで優勝して全国地域リーグ決勝大会に進出するなど、関西でも特にJFLに近いチームへと成長し、今季も第1、2節と連勝する快進撃で優勝を狙っている。
同グラウンドでの公式戦実施は2015年の紀の国わかやま国体以来ほぼ2年ぶりで、同リーグ公式戦は初。開始に先だって田嶋勝正町長は両チームに「串本町も最近は子どもたちの間でサッカー熱が盛り上がっていて、皆さんの試合から大きな収益を得ると思う。ケガなく素晴らしい試合に期待したい」とあいさつし、寺町忠町議会議長と共に試合を見届けた。
両チーム選手はこの日午前に同所で親善試合に臨んだ串本ジュニアフットボールクラブ(串本JFC)とアルテリーヴォ湯浅の各メンバーによるエスコートで入場し、午後1時にキックオフを迎えた。
試合は45分ハーフ。終盤まで攻守相譲らずの均衡が続く中、角島選手は相手ゴール前でのせめぎ合いへ差すように潜り込んでボールを捉え、相手ゴールへと送り込んだ。以降の得点はなく、同和歌山が今季初ホームの試合で3連勝を決める結果になった。
試合後、白方淳也キャプテンや角島選手のインタビューに続いて坂元要介監督は「期待に応える選手がいるので、こういう結果は当然。このまま勝ち進んで全勝で優勝できるのはうちしかない。まずはそこを目指したい」と意気込みを掲げ、サポーターら観客の応援に感謝した。
ハーフタイムでは串本町トルコ文化協会が民族舞踊を披露。会場周辺では同和歌山のグッズ販売に加え地元からの軽飲食提供もあり、試合前などで利用を集めた。午前に行われたエキシビションマッチは串本JFCが10―0で勝利した。
(2017年5月16日付紙面より)
育てる会が北山川へ
熊野川ノボリを育てる会(大植康宏会長、会員12人)は13日、熊野市紀和町木津呂の北山川にノボリ(サツキマス)の稚魚を5000尾放流した。雨の中、会員の家族ら約30人が参加し、体長約7㌢の稚魚をバケツで川へ放した。
奥熊野地方の豊かな自然、文化、歴史を全国にPRするとともに河川愛護精神を高めようと三重、奈良、和歌山3県の有志が1998年に結成した団体。放流事業は会員や企業の寄付金で行っていて、今回23回目になる。
放流した稚魚は降海し、40㌢ほどに成長して川へ帰ってくる。2005年には体長64㌢、3・7㌔のノボリが紀宝町瀬原で釣り上げられた。
大植会長は「近年釣果はよくありません。昨年は特にダメでした。ウの被害や川の濁りなど理由はいろいろ言われていますが、本当の原因は分かりません」と話していた。
ノボリは降海し川へ帰ってくるサツキマスの熊野地方での呼び名。赤い斑点がある河川残留型をアマゴと呼ぶ。
(2017年5月16日付紙面より)
B級学童軟式野球大会支部大会
ブックマーマに文部科学大臣賞 (太地町 )
絵本の読み聞かせや影絵などの活動を長年続けている太地町のボランティアグループ「ブックマーマおはなしの会」(和田千明代表)はこのほど、子どもの読書を推進する活動が顕著な学校や図書館、読み聞かせ団体などに贈られる文部科学大臣表彰を受けた。同会のメンバー4人は12日、同町役場を訪れ、三軒一高町長、山下雅久議長、山本真一郎副議長、宇佐川彰男教育長らに受賞を報告した。
「子どもの読書の日」(4月23日)にちなみ、東京都渋谷区にある国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された「子どもの読書活動推進フォーラム」で表彰を受けた。
ブックマーマは2003年10月に発足。04年から小学生、05年から園児対象に読み聞かせを始めた。小学校では月2回全学年の児童対象に、太地こども園では月1回活動している。太地中学校では生徒が行う読み聞かせの指導もしている。同会が調べたところ、現在の中学2年生は小学校の6年間で158冊もの本の読み聞かせを受けたことが分かったという。影絵では、大阪市東淀川区の瑞光寺にあるクジラの骨で作られた「雪鯨(せつげい)橋」(鯨橋)の物語を手作りし、太地小が修学旅行で同寺を訪れるきっかけともなった。現在は和田代表、坂野真佐子さん、清水文さん、由谷節さんと那智勝浦町の濱口櫻さんが中心となって活動している。
和田代表は「フォーラムの事例発表会を聞いて、子どもたちの成長を願って地道に活動をしている人たちが全国にいることが分かりました。すごく刺激されました」と話し、「太地町では4カ月児健診のブックスタートで2冊の本が贈られ、3歳半の健診時にも1冊プレゼントしてくれます。活動の中で一人一人の子どもに関わった思い出があります」と語った。三軒町長らとの懇談の中で会員からは司書の配置の要望などもあった。
宇佐川教育長は「今までの苦労が実った。とても喜ばしい。太地では、ブックマーマといさな文庫が活動してくれている。これからも支援していきたい」と述べ、三軒町長は「子どもは町の宝物。次の世代を担う子どもたちのため、ボランティアで活動されてきたことが認められた。喜びでいっぱいであり、敬意を表したい」と活動をたたえた。
(2017年5月14日付紙面より)
7月14・15日、勝浦湾で打ち上げ (那智勝浦町 )
熊野那智大社創建1700年、那智山青岸渡寺西国三十三所草創1300年を迎え、那智勝浦町では記念行事が始まっている。南紀くろしお商工会で12日、那智山奉祝記念事業実行委員会主催の「記念メッセージ花火」について第1回会議があり、関係者らが運営内容や当日の警備態勢について話し合った。
打ち上げ場所は勝浦湾内の渡ノ島埠頭(わたのしまふとう)で、7月14日(金)と15日(土)の2回。午後8時から約20分間。小雨決行。荒天の場合14日は翌日に延期、15日は中止する。両日ともに名前とメッセージを読み上げて花火15発を一発ずつ打ち上げ、スターマイン491発も用意する。
メッセージ花火は一口1万円(税込み)。文字数は80字以内。創建草創への祝い、誕生日、応援、プロポーズなど内容は自由となっている。希望者は申込書を那智勝浦観光協会ホームページからダウンロードして、必要事項を記入の上、同委員会事務局へFAXまたは持参するとよい。受付期間は今月22日(月)から6月30日(金)までで、抽選により1日15発まで。他府県からの応募も受け付ける。
問い合わせは那智山奉祝記念事業実行委員会(那智勝浦観光協会内、電話0735・52・5311、FAX0735・52・0131、ホームページhttp://www.nachikan.jp)まで。
(2017年5月14日付紙面より)
三輪崎小5年が鯨踊り練習 (新宮市 )
新宮市立三輪崎小学校の5年生76人は12日、同校体育館で地区の伝統舞踊「鯨踊り」を学んだ。三輪崎郷土芸能保存会の濱口仁史会長指導のもと、「ヨイハ」の掛け声で元気よく練習に励んだ。
5年生は毎年、運動会で鯨踊りを披露する。5月の初めには同保存会から踊りの歴史などを学び、6年生や教員の振り付け指導も受けた。運動会当日のおはやしは、保存会が奏でる。同校では濱口会長が小学生だった50年近く前から、鯨踊りが踊られているという。
子どもたちは濱口会長から「周りの人と動きを合わせて、ヨイハの掛け声を元気に」とこつを教わり、綾棒(あやぼう)の持ち方から手の動きまでをじっくり練習した。
学級委員の山﨑昴明君は「足が疲れた。だいぶ覚えたので、本番には間に合いそう」。
同じく学級委員の宮本彩音さんは「6年生に教わったときより、よく理解できた。本番はしっかり踊れそう」と話した。
子どもたちの練習を見た濱口会長は「ほぼ初めての練習でこれだけ仕上がれば大丈夫。運動会当日が楽しみ」と上達の早さに驚いていた。
鯨踊りは、県の無形民俗文化財に指定されている。扇子を持って鯨を追い込む場面を表した「殿中踊り」と銛(もり)に見立てた綾棒で鯨を突く動きを再現する「綾踊り」の2種類がある。児童たちは綾踊りを舞う。
(2017年5月14日付紙面より)
第28回夏季ソフトバレーボール大会
第5回トルベリーノカップキッズ大会
医療センター中井院長が講演 (新宮市 )
新宮市立医療センターの中井三量院長(脳神経外科医)が11日、新宮市福祉センターで「身体の健康について―脳卒中の予防的外科治療―」をテーマに講演した。脳卒中は医学の進歩で死亡率4位に下がっているが、後遺症が残ることが多いため、介護原因の1位になっているとし、発生前の治療などを紹介した。
厚生労働省の平成14年の調査によると、脳卒中(脳血管障害)は死因の4位(年間13万人)で、患者数は年間137・4万人(4位)、国民医療費は年間1・7兆円(4位)。高齢者医療費では年間1・38兆円(1位)で、要介護の原因の1位となっている。
脳卒中の内訳は、くも膜下出血15%、脳出血25%、脳梗塞60%(脳血栓42%、脳塞栓15%、一過性脳虚血3%)。中井院長は、脳卒中が発生する原因として▽血圧が高い▽食塩を多くとる▽糖尿病▽悪玉コレステロールが多い―などを紹介。
突然、激しい頭痛に襲われたり、手足の動きが悪く、ろれつが回らなくなったりした人がいたら、衣服を緩めるなど、息をしやすい体勢にして、すぐ救急車を呼ぶよう呼び掛けた。
新宮市教育委員会主催の健人大学5月講座で講演した。受講生約200人が聴講した。中井院長は、医療センターの医療に対する要望があれば、声をあげてほしいと話していた。
(2017年5月13日付紙面より)
北山小学校4年生の社会見学
熊野市有馬町の熊野市消防本部(職員80人)を10日、北山村立北山小学校(松本広明校長、児童15人)の4年生3人が山口哲(さとし)教諭の引率で社会見学に訪れた。
児童らは消防司令補の北勝志さんの案内で庁舎を見学し、北さんから救急隊員や消防隊員がどのような仕事をしているかを教わった。
消防長の岡田敏哉さんからは「救急の電話をする時に備えて、自分の家の正確な住所、お父さんお母さんの名前を言えるようにしておいてください」と指導を受けた。通信指令室では119番通報する練習をしたが、練習中に実際の119番通報があり、児童らは1分で救急車が出動する様子を見ることができた。
車庫に移って、救急車や消防車に乗せてもらい、車の設備、車中での仕事、出動の手順などの詳しい説明を受けた。防護服を着せてもらい、その重みや暑さも体験した。
児童らは、消防の仕事は怖くないか、火事の一報から何分で出動できるか、なぜ短時間で出動できるのかなどを質問した。なぜ消防士になったのかという質問に、北さんは「人を助けたい気持ちがあったから。私だけでなく消防士はみんなそうだと思う」と答えていた。北さんからは、家に火災報知器があるか確認することと自宅の正確な住所を覚えるという二つの宿題が出された。
岡ひよりさんは「火事や救急の時に消防署でどんな仕事をするのかを教えてもらい、今まで知らなかったことを知ることができた」と話していた。
(2017年5月13日付紙面より)
橋杭小玄関前でお披露目 (串本町 )
串本町立橋杭小学校(岡﨑明生校長、児童48人)で今年もバラ「エルトゥールル」が花の時期を迎えている。昨年より半月ほど遅れたが、次々と深紅の花が咲いている。花つきがいい株を選んで玄関前に飾り付けていて、正門越しに鑑賞することができる。
このバラは平成25年5月、駐日トルコ共和国大使夫人に送られた新種で、同夫人は「エルトゥールル」と命名。27年6月に同町の日本トルコ友好125周年事業で町民が育てた株約20本がお披露目され、以来両国友好の象徴の一つとなっている。
同校は上記のお披露目時に使われた木製プランターケースを譲り受けた機に、バラ「エルトゥールル」を育てようと考えて入手先を調査。同事業に合わせて苗15本を寄贈した日本バラ協会の若林英子理事から千葉県船橋市の店舗「パティオローズ」(小川宏代表)が生みの親だと紹介を受け、併せて「串本町の学校が育ててくれるなら」と苗を私的に寄贈する申し出があり感謝して苗をもらうことにした。
昨年1月に苗20本が届き、児童を代表して当時の6年生(現中学2年生)が鉢植え。バラの育て方に詳しい田並在住の小川春寛さんに教わった方法で管理し、児童も水やりなどの世話をしているという。
昨年は4月中旬に咲き始めたが、今年は5月初めに初開花を迎えた。枝を切り詰めて越冬させたため、株自体がまだ小ぶりで花も大きいもので10㌢弱。前校長から管理を受け継いだ平松聡教頭は「つぼみをいくらか摘めば花を大きくできると思うが、花の数が減ってしまうのもさみしいのでなかなか踏み切れないでいる」と述べ、当面は株任せで大きくなるのを見守るとした。
(2017年5月13日付紙面より)
21日の体育祭本番に向け (潮岬中 )
串本町立潮岬中学校(藤本弘子校長)の生徒52人が12日、ダンス「これぞオチャヤレ岬節」の練習に取り組んだ。体育祭に向けた準備の一環。本年度は21日(日)に挙行する計画で、練習も大詰めを迎え、この日は全学年一丸で通し練習に臨むなどした。
「これぞオチャヤレ岬節」は潮岬節保存会(島田和幸会長)が継承する正調潮岬節を現代的にアレンジしたダンス。同校が体育祭で披露するのは8回目で、初披露となる1年生は4月中旬から、経験のある2、3年生は一足早く3月中旬から練習に励んできたという。
12日の前半は1年生と2、3年生に分かれて練習し、1年生は会員・稲生由紀子さんの指導を受けて稽古の総仕上げに臨んだ。2、3年生は教員指導で過去に教わった振り付けに磨きをかけ、後半は1年生も加わった生徒全員で通し練習などに励んだ。
本年度も生徒の指導を担当した稲生さんは「初めて挑戦する1年生は振り付けを一通り覚え、2、3年生はとにかく元気に踊ってほしい」と期待し、練習の後押しをした。
潮岬地区で育つ子どもは小学校で踊り「正調潮岬節」、中学校でダンス「これぞオチャヤレ岬節」を練習し運動会や体育祭で披露している。本番では同会が生歌を届け、生徒と会員の共演で郷土色豊かに会場を盛り上げる。
(2017年5月13日付紙面より)
熊野川河口に橋を架ける会総会
熊野川河口に橋を架ける会(会長・田岡実千年新宮市長)は10日夜、新宮市福祉センターで平成29年度総会を開いた。田岡会長は、長年の悲願であった河口大橋を含む一般国道42号新宮紀宝道路の工事が本年度から本格化すると述べ、「今年度も国や県、地域に対して河口大橋の必要性を強力に訴えていき、道路予算の確保と河口大橋の早期完成に向け、これまで以上の活動を展開してまいりたい」と会員らに協力を呼び掛けた。
平成25年度に新規事業化された新宮紀宝道路は、近畿自動車道紀勢線の一部を構成する和歌山県新宮市あけぼのから三重県紀宝町神内に至る延長2・4㌔の自動車専用道路。輸送時間の短縮、救急医療活動の支援、渋滞緩和による地域相互の振興と発展、東海・東南海・南海地震などの災害時の救命活動や地域復興の支援に寄与することなどが期待されている。
田岡会長は本年度事業費として14億6000万円(和歌山11億円、三重3億6000万円)の予算が付いていると紹介。「われわれの夢の実現が一歩一歩現実のものとなってきているように感じる」と述べた。
顧問を代表して藤根正典・三重県議会議員が4月に三重県が紀宝町と協力して用地買収プロジェクトチームを結成したと述べ、「引き続き、私たち顧問も皆さまとしっかりと手を取り合って、早期実現に向け、しっかりと協力させていただきます」とあいさつした。
国や県への要望活動などの昨年度事業報告、各種道路整備関連イベントへの参加など本年度事業計画、184万5000円(前年度比27万1000円減)の本年度予算など5議案を承認した後、副会長の西田健紀宝町長が閉会のあいさつ。「平成16年に本会が発足した当初は河口に橋が架かるのかという思いで要望活動が始まったのですが、皆さまの熱意が国や県を揺るがし、事業化となりました。できるだけ早く河口大橋を完成させることが大事ですが、どうしても地権者の皆さま方にご理解をいただけなければ、なかなか工事は進みません」と協力を呼び掛けた。
(2017年5月12日付紙面より)
新宮市民生委員児童委員協議会は8日、同市の熊野川町保健センターさつきで「熊野川地区おやこサロン」を開いた。未就園児と保護者が音楽に合わせて触れ合い遊びをし、読み聞かせを楽しんだ。
おやこサロンは、乳幼児、未就園児の保護者の交流の場。熊野川地区は住宅地が点在し、保育所に入園するまでの期間は子ども同士、親同士の交流の機会が少ないことから毎月1回実施している。
この日は市保健センターの職員らが訪れ、遊びを指導。『どうぶつたいそう1・2・3』で体をほぐし、『からだがピアノになりました』では原曲のトルコ行進曲に合わせて、お母さんが子どもの体をなでたりくすぐったりして触れ合った。手遊び、大型絵本『いないいない…ばあ!』を聞いた後はいろいろなおもちゃで遊んでいた。
次回は6月5日(月)午前10時ごろからを予定している。
(2017年5月12日付紙面より)
1年生対象に「チューターの日」 (近大新宮高校 )
新宮市の近畿大学附属新宮高校(川合廣征校長)は10日、中高一貫コース1年生50人とフロンティアコース1年生64人を対象に「チューターの日」を実施した。教員が自身の経験などをもとに生徒に語り掛けた。
「チューター教員」は個別指導教員の意味で、同校では生徒の個性などを総合的に判断し、担任以外の各教員が生徒を担当している。生徒一人一人の性格や価値観、生活や学習意欲などの状況を把握し、充実した学校生活を送れるよう的確な指導を行う。
「チューターの日」は各チューター教員から大学時代の研究内容や学生時代の勉強法や進路決定のポイントなどの体験談を聞く機会として設けられている。教員らは自身の体験をもとに話を進め、生徒らは耳を傾けていた。
(2017年5月12日付紙面より)
第1回移住者様向け研修会 (県ふるさと定住センター )
古座川町直見にある県ふるさと定住センター(尾添宏進センター長)の主催事業「第1回移住者様向け研修会」が10日、同センター圃(ほ)場で開かれた。テーマは「番茶と簡単なウーロン茶作り体験」で、本年度着任の尾添センター長の希望で移住者を含む住民全体を受け入れた。22人が茶摘みに挑戦し、収穫した茶葉で加工方法を体験した。
本年度も100万人のふるさと回帰・循環運動推進・支援センター=東京都=が委託運営することになった同センター。この研修会は地域に根差す生活の知恵を移住者に紹介する趣旨で開いていて、本年度は3回の実施を計画しているという。
開会にあたり、尾添センター長は委託の経緯や職員体制、業務内容を簡潔に紹介しつつ「今回はいろいろな生活をされている方がいらっしゃると思う。今日の研修を通してコミュニケーションを図り仲良く和気あいあいとやっていただければ」とあいさつ。
西比古次指導員が研修内容の説明をし、茶摘みの基本「一芯二葉」の意味や国内で主流の煎茶と県内で親しまれる番茶、ウーロン茶と紅茶の違い(同じ茶葉を使うが加工の違いで種類が分かれる)を伝えた。
体験指導は「鮎のたなみや」のおかみ・東英子さんが担当。番茶は「釜煎(い)り→茶揉(も)み→天日干し」の順で仕上げるのが特色で、この日は一通りの要領を紹介した。参加者は釜煎りの順番待ちを利用し、簡単なウーロン茶作りとしてナイロン袋に摘みたての茶葉一つかみを入れ吐息で膨らませて密封放置する方法も体験した。
昼食休憩時には南部鉄器の鉄釜で仕込んだ茶がゆや漬け物、東さんからの差し入れで朝採りしたタケノコの素焼きの振る舞いもあった。
今回は串本町地域おこし協力隊のアイシェギュル・アルカンさんや中村慎也さんも参加。古座川ジビエ知らせ大使としても活躍する和歌山住みます芸人「ワンダーランド」の番組ロケも入るなど、過去になくにぎやかな研修となり、尾添センター長(56)は「期待した通り地元と移住の皆さんが仲良く楽しく研修してくれてうれしく思う」と自身初の研修会実施を喜んだ。
(2017年5月12日付紙面より)
スポ少予選バレーボール
熊野川町で広がるサロン活動 (新宮市 )
新宮市熊野川町で地区と市社会福祉協議会が協力して実施している「ふれあいいきいきサロン」の活動が広がっている。現在は同町34地区中14地区9カ所で毎月1回程度開いており、地域の高齢者を中心に楽しい集いの場となっている。
9日には嶋津地区で豆ごはん作りがあり、参加者の畑で収穫していた豆などを使ってみんなで取り組んだ。炊きあがりを待つ間は漢字クイズや世間話で盛り上がり、お昼ごろになると「いい匂いがしてきた」とにっこり。「おいしいね」「塩加減もええわ」と口々に言い合いながら味わった。平野ミキエさん(87)は「楽しくておいしかった。サロンは楽しいから、毎月参加したい気持ちになってきます」と話していた。
サロンは地域のコミュニティーづくりや介護予防、寝たきりの防止、一人暮らしの人への見守りなどを目的に、平成17年ごろから始まった。社協職員が区長会で紹介・提案し、希望する地区に協力する形で活動してきた。平成23年の紀伊半島大水害以降、人口減少などに伴い地域のつながりを深めるためにより力を入れて取り組んでいる。
26年からは熊野川行政局内にできた熊野川地域包括支援センター職員と一緒に、実施する地区を拡大。今では▽上長井・西・谷口▽大山▽鎌塚・滝本▽赤木▽日足・相須・椋井▽志古▽九重・四瀧▽嶋津▽篠尾―で開いており、10日には相須地区で新たに開かれた。
平均参加者数は6人~20人。かるたやレクリエーション、カラオケ、グラウンドゴルフ、健康講話などをはじめ、地域の食材を使った料理、干し柿やかご作り、季節ならではのメニューも。住民らがやってみたいことを自分たちで考えて、主体的に取り組むため、年々個性豊かになってきている。人数や頻度、開催場所などの関係で毎月1回のサロンを実施できない地区でも、クリスマス会や地区の敬老会など年に数回の催しに市社協も協力し、地域に合わせた活動を一緒になって行う。
人口が少ないからこそ、さまざまなつながりや協力が大切となってくる同町。サロンだけでなく、地域住民が主体となった取り組みに社協や行政が関わることで、官民一体、協働で事業を行え、それにより、さらにつながりが広がっていく。
市社協熊野川ステーションの大江真季さんは「地域とのつながりがあってできること。ありがたいです。みんなが楽しんでくれており、一緒に参加させてもらっている私自身も楽しませていただいています」。
地域とつながることで課題が見え、解決に向けた取り組みも行える。「互いの強みを生かし、知恵と力を出し合っていきたい。地域のつながりを大切に、信頼関係を築き、より良い地域に向けて一緒に歩んでいきたいです」と話していた。
(2017年5月11日付紙面より)
花火大会の第1回実行委員会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町花火大会の実行委員会(委員23団体)は9日、今年度第1回の会合を同町役場で開き、花火大会の開催日を例年通り8月11日(金・祝)に決めた。
花火大会は平成19年に町民手作りの大会として復活し、夏の恒例行事となっている。今年も実施に向けて準備が始まった。日程は、雨天時は12日(土)、21日(月)、22日(火)と順延。予算は昨年より9万9500円多い、1446万2000円。花火打ち上げ費用864万円と花火業者は昨年と同じ。収入は広告費、追善供養寄付が40万円減の見込みで他は前年度並みとなっている。町補助金は300万円。
植地篤延副町長は「わが町の一大イベントとして、例年同様に子どもから高齢者までが楽しめる大会に」と呼び掛けた。委員らは、追善供養寄付の予算減額や、昨年度は利用者の少なかったバスの借り上げについて話し合った。
同実行委員会の会長は区長連合会の会長が務めており、役員選任で区長連合会会長の大田政信さんが再任された。30日(火)に区長連合会の総会が予定されており、役員改変の場合は新会長が同実行委員会の会長を務めることになる。
(2017年5月11日付紙面より)
姫ひじき新物加工始まる (串本町 )
串本町姫の特産品「姫ひじき」の新物加工がこのほど始まった。姫ひじき生産組合(堀喜代子会長)は需要に応えるため4月18日以降、収穫時期の合間を縫う形で断続的に生産を重ねている状況で、収穫が一段落する今月下旬から本格的に加工に専念するという。
姫産ヒジキは古くから茎が太く柔らかくておいしいと定評があり、その加工品「姫ひじき」は1976(昭和51)年、旧西向漁業協同組合婦人部が地元に伝わる製法で生産を始めた。1985(昭和60)年に同組合が設立されてから今日まで生産が続いている。
直径1㍍強の鉄釜で天日干しした姫産ヒジキ60㌔をじっくりと炊き上げ、再び天日干しするのが同組合の加工方法。仕上がった乾燥ヒジキを選別して袋詰めし「姫ひじき」として出荷している。
今季の姫産ヒジキの収量は約4・7㌧(乾燥重量)で、昨年よりわずかに少ないがほぼ例年並み。今年はゴールデンウイークに向けた予約が相次ぎ、加工できる姫産ヒジキの在庫がなかったため一足早く新物の加工を始めた。加工作業は天日干しに適した気象条件を見越して進めていて、今年は10月いっぱいまで続く見込みだという。
(2017年5月11日付紙面より)
新宮市三輪崎の海岸で
新宮市三輪崎の海岸で9日、アワビなどの漁が口開け(解禁)となった。この日を待ちわびた三輪崎漁業協同組合員たちがウエットスーツ姿で船や磯から素潜りを繰り返し、海中の岩に張り付いたアワビを採捕した。漁は8月下旬まで続く。
例年は4月中旬に口開けとなっているが、今年は熊野川の濁水の影響で視界が悪く潜れない日が続いたことなどから、1カ月近く遅くなった。海の深くまで潜って貝などを採る人は「あま」と呼ばれるが、女性は「海女」、男性は「海士」と漢字で書く。潜らないで浅瀬で採る人は「あさりど」と呼ばれる。口開けは「あさりど」に合わせ、波の静かな日にしている。
頭に「磯メガネ」、岩から貝をはがす「磯ノミ」と採った貝などを入れた網袋を手に海からあがってきた「あさりど」の女性たちは「数はあったよ。大きいのもようけ採れた」。「密漁された跡みたいな石もあったね」などと話していた。
4年前に大阪からUターンしたという竹内覚さん(69)=同市三輪崎=は昨年から「あさりど」として貝を採っている。「母親もあまで、弟もあまやからね。面白いよ」と話していた。
(2017年5月11日付紙面より)
国民平和大行進スタート (新宮市から )
原水爆禁止和歌山県平和行進実行委員会(茂野和廣・実行委員長)は8日、新宮市から2017年国民平和大行進「和歌山―広島」をスタートさせた。県内全30市町村を通過する。6月8日(木)に三重県に引き継ぎ、8月4日(金)、最終目的地の広島平和公園に到着する予定だ。
大行進は1958年に始まり今年で60回目。全国で11のコースがあり、毎年計約10万人が参加している。和歌山県は3年連続全30市町村で実施されており、毎年計約1500人が参加している。
新宮市の出発集会で、喜田俊生・紀南労協議長があいさつ。ニューヨークの国連で開かれた核兵器禁止条約の制定を目指す第1回会議に日本政府が欠席したことに怒りの言葉を述べ、「8月に広島、長崎で開かれる原水爆禁止2017年世界大会に向け、元気よく出発したい」と述べた。
田岡実千年市長は「地球上には人類を絶滅させるほどの大量の核兵器が蓄積、配備されており、断じて許されるものではありません。唯一の被爆国であるわが国の果たすべき役割は極めて重要」
杉原弘規市議会議員は「半世紀を超える平和を願うこの平和行進は今や世界中の国々と人々に受け入れられようとしています。力いっぱい、元気いっぱい、気持ちを込めて行進しましょう」。
原水爆禁止和歌山県協議会の白井春樹事務局長は「核兵器禁止条約の実現を目指して、一歩でも二歩でも共に歩きましょう。皆さんの歩みは非核平和への歩みとなります」と呼び掛けた。
東牟婁地域の通し行進者の栗栖富夫さん(和歌山市民生協)が「現在1万5000発の核兵器があります。それをなくす意味でも一歩でも参加していただければ」と決意表明。「この日本を被爆国であり、憲法9条を持つ国にふさわしく、核兵器禁止条約の実現の先頭に立てる国にするため、一歩でも二歩でもご一緒に歩きましょう」などとする集会アピール宣言を拍手で採択し、『青い空は』を合唱した。
■東牟婁地域の日程
今後の東牟婁地域で行われる行進の日程と集合場所は次の通り。集合時間はいずれも午後5時15分。▽9日(火)那智勝浦町役場前▽10日(水)北山村民会館前▽11日(木)太地町公民館前▽12日(金)串本町役場本庁舎前▽15日(月)古座川町役場前。
(2017年5月10日付紙面より)
太地支部が総会 (南紀くろしお商工会 )
南紀くろしお商工会(森川起安会長、会員数101人)は8日、太地町公民館で太地支部(藤木一史支部長)の平成29年度総会を開いた。会員22人が出席し、上程された昨年度の事業・会計報告、今年度の事業計画案など全ての議案を承認した。
今年度は▽観光促進による交流人口の増加▽町内関係者の合意形成▽地域資源の発掘と磨き上げ▽両町協力による観光メニューの強化―の4点を重点に活動する。3月17日に「経営発達支援計画」の認定を受けたため、認定を受けた商工会が活用できる事業の持続的発展を目的とした補助事業「伴走型小規模支援推進事業」を申請中だと伝えた。
昨年度の重点項目の実施状況と決算が報告された。会員数は年度当初から末までに商工会で2人増えて672人(約0・3%増)、支部は1人減って101人(0・9%減)となった。
森川会長は「今回、国から新たに経営発達支援計画の認定を受けたので、経営戦略に踏み込んだ伴走型の支援を続けていきたい。ガラパゴス化せず、多様化する消費者、観光客のニーズに対応する施策を展開したい」と話した。
(2017年5月10日付紙面より)
下露総合セで公開講演会 (七川ふるさとづくり協議会 )
古座川町の七川ふるさとづくり協議会(下山隆正会長)は8日、七川総合センターふるさとで講演会「環境保全活動研修会」を開いた。七川地域の今後を地域全体で考えるために計画した初の公開行事で、同協議会役員含む32人が近隣事例に触れて今後の地域振興の機運に弾みをつけた。
同協議会は、七川地域の各区長が中心になり昨年11月に発足させた住民団体。住民が生きがいを持って明るく健康的な生活を送る地域環境を創造し、次の世代に持続可能な地域として託すことを目的に掲げて歩み始めている。
今月1日には公的支援として、同町が地域おこし協力隊隊員として小山陽平さんを起用。同協議会事業の推進を任務とし、同協議会は妻の菜保さんともども一会員の位置付けで迎え入れている。
当面は生活の主体である地域住民が今の地域にどのような意見を持っているかで聞き取り調査を進める予定。その前にまず同協議会の思いを伝えるため、この講演会を計画し参加を呼び掛けた。
開会にあたり下山会長は林業最盛以降の七川地域の変遷を振り返りつつ「(この講演が)これからの七川地域をどうすべきかを考える機会になれば」とあいさつ。参加者の中には仲本耕士副町長の姿もあり、起用した隊員と共に七川地域が今なすべきことに向かい動き出すことを願いつつ祝辞を寄せた。
続く講演の講師は奈良県川上村にある森と水の源流館の尾上忠大事務局長で、演題は「同館の活動から」。発祥地として栄えた吉野林業の衰退や国策のダム建設など村内環境が大きく変わる中、同村は紀の川や吉野川水系の源流地である点に着目して平成8年、水源地のまちづくり指針「川上宣言」を掲げて今日まで歩んでいる。
水源地を守るために国内2例目にして当時最大規模、740㌶の原生林を公有林化。その啓もう施設としてあるのが森と水の源流館で、尾上さんは同宣言以降の主だった振興の取り組みや村民がどのようにして川上宣言に寄り添う気持ちになったかを伝え、流域連携の発想(=村外との活力ある連帯で村の存在感を安定化させ活路を見い出す発想)があることを示唆するなどした。
今まさに地域振興に乗り出そうとしている七川地域に対し、地域の状況をしっかり考える事や生活に必要なことはやるという姿勢が大切だ、など提言も寄せて話を締めくくった。同協議会は今後も住民と共に考える機会を重ねる考えで、喫緊では同調査の結果報告会を夏ごろに予定している。
(2017年5月10日付紙面より)
地元中学生が総合学習で
那智勝浦町大野の町立色川中学校(山下真司校長、生徒4人)の生徒たちが8日、同校近くの茶畑で地域の特産品「色川茶」を摘んだ。地元産業への理解を深めようと総合学習で毎年取り組んでいる。
授業は総合学習「おいしい色川茶を作ろう」。生徒たちは教師たちと一緒に学校近くの茶畑で、薄緑色で柔らかい新芽を選んで摘み取り、腰に下げた籠へ入れていった。摘んだ葉は釜でいった後、粘土でヘビを作る要領でもみ、むしろの上にほぐしながら並べて天日干しした。
岡菜生さん(13)は「4歳くらいから茶摘みをしています。お茶が大好き。葉はてんぷらにしてもおいしいです」。
山口涼華さん(13)は「茶摘みは8回目くらいです。いった葉をもむ時に少し手が熱いです」と話していた。
(2017年5月10日付紙面より)
第1、2節終え例年にない混戦に
大門坂の元旅館を開放 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野古道・大門坂沿いの築130年と伝わる元旅館「東屋」縁側で4日、世界的な博物学者・南方熊楠について語り合う「くまだん・熊楠縁側談議」が開かれた。田辺市の南方熊楠顕彰館が用意した肖像写真(A4サイズ15枚)が縁側に並び、熊楠が好物だったという「あんぱん」や「熊野釜煎(い)り茶」が振る舞われた。
熊楠は35歳から3年間、大門坂にあった宿「大阪屋」を拠点に那智山で調査研究をしている。生誕150年を迎えた今年、同町宇久井の芝先隆さんが熊楠に親しみ、大阪屋の存在を広めようと縁側談議を企画。大阪屋の建物は現存していないため、隣接する松本治さん所有の古民家を借りた。
参加者らはそれぞれ熊楠に関係のある逸話や品物などを用意した。熊楠が昭和天皇に粘菌の標本を献上する時に使った「森永キャラメルの箱」とほぼ同等の古い空き箱と1990年ごろの未公開映画「熊楠KUMAGUSU」(山本政志監督)の台本などが持ち寄られ、盛り上がった。
キャラメル箱を自宅で見つけたという同町高津気の坂口秩臣さんは、「明治25年生まれの祖母が残したもの。パンフレットなどを見て確認した」と話し、参加者らは「見ることができて感激。これほど大きいものだと思っていなかった」と驚いていた。
映画で旅館の女中「いなえ」役だったという和歌真喜子さんは、海南市在住。台本には熊楠との対話シーンもある。「映画は、ほぼ完成していたがバブルがはじけて制作費が不足したようだ。今日のイベントを知って、皆さんに見てもらおうと持ってきた。熊楠の若い頃を演じた町田町蔵さんが、そっくりでとても良かった。上映されず残念」と話した。
芝先さんは、会場を提供した松本さんに感謝しながら、「かつて、この縁側に熊楠が座ったかもしれない。今日は、皆さんの熊楠への思いが伝わってきた。この大門坂があるのは、那智の原生林を大切にした熊楠のおかげ。今後、古道を行きかう人々と交流の場が広がればと思う」と話していた。
この日は、東屋に残るふすま絵と那智参詣曼荼羅(まんだら)の解説などもあった。
(2017年5月9日付紙面より)
「とくし丸2号」が出発 (JAみくまの )
JAみくまの(村上幸弘組合長)は8日、那智勝浦町のAコープなち店で移動購買事業「移動スーパーとくし丸」2号車の出発式を開いた。
同事業は、徳島県の株式会社「とくし丸」(住友達也代表取締役)が買い物難民対策に地域スーパーと提携して全国展開している。運営の際には地域の自治体や警察などと地域見守り活動の協定も結んでいる。JAみくまのとは県内で4番目の提携となり、2月6日に同町と地域見守り活動協定を結んだ。
みくまの管内では、1号車が2月21日に同町の下里、太田地区と太地町方面の訪問契約者約70人に販売を開始した。2号車は毎週月曜日から金曜日に稼働し、色川方面や浜の宮などに住む契約者約50人を3ルートに分けて巡回する。
出発式で村上組合長は「本年度中に3号車も走らせるよう進めている。管内には買い物弱者が多い。見守り隊も兼ねて、地域に愛されるよう努力したい」と話し、ドライバーにキーを手渡した。
2号車は式出席者に見送られて、那智の郷に向けて出発した。
(2017年5月9日付紙面より)
望楼の芝キャンプ場盛況 (串本町 )
串本町潮岬にある潮岬望楼の芝キャンプ場のゴールデンウイーク(GW)有料期間が7日に終了した。今季は3日に繁忙のピークを迎え、過去最多の795人が利用を申し出。4月29日~5月7日の期間の合計は1488人で、対前年比47%増の伸びとなった。
この期間は既設のキャンプ場では収容しきれない数の利用があり、テントの場外設営やごみの置き去りなどの課題を回避するため潮岬望楼の芝管理運営委員会(田仲康慧会長)が設定している。利用者から一人一泊600円の清掃協力金を預かり、普段は行っていないキャンプごみの分別回収を実施。併せて期間前に望楼の芝を刈りこみ、環境省の許可を得て望楼の芝の東側一帯をテント設営場所として提供する形で、繁忙を過ぎても元の環境が保たれる状況を作り出している。
今季はGWの後半が土、日曜日を含めて5連休となり、その初日となる3日が繁忙の山場となった。過去のピーク時よりも約100張多いテント数249張で広大な設営場所が不足し、急きょ範囲を広げて受け入れた。その後の利用申し出数の推移は4日が212人、5日が105人、6日は25人、7日は4人と徐々に小康。田仲会長は8日、繁忙を喜ぶ一方で駐車場所やトイレの量的増強が必要だと考え、今後の対応を模索しながら期間を締めくくった。
4月29日~5月7日の潮岬観光タワーの利用者数は2422人、潮風の休憩所の来館者数は5710人で、GW後半の3~5日に繁忙の山場を迎えた。道の駅くしもと橋杭岩も似た傾向を示したそうで、高速延伸に伴い伸びを見せている売り上げは前年と比べて前半は例年並み、後半は微増だったという。
(2017年5月9日付紙面より)
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)敬神婦人会(久保あや子会長)は7日、設立40周年を祝う式典と講演会を同大社で開催した。式典には和歌山県敬神婦人連合会の川口寛子会長、県神社庁の温井敬忠副庁長、同市の田岡実千年市長らが来賓として招かれ、婦人会の長年の奉仕活動をたたえた。
同大社敬神婦人会は昭和52年に設立。毎月の境内の清掃奉仕、国の無形民俗文化財である例大祭はじめ、数々の祭典行事に奉仕してきた。紀伊半島大水害後の復興支援、熊本地震への募金活動なども実施している。
参加者らは拝殿で正式参拝をした後、同大社大禮殿での式典に出席した。久保会長は開会のあいさつで40年を迎えられたのは関係者の協力と感謝し、「新しく世界遺産の指定を受けた阿須賀神社も加え、これまでにもまして世界の耳、目が熊野に向けられています。全国各地からお見えになる人や世界各地から訪れる人たちに喜んでいただけるように心新たに奉仕活動を続けてまいりたい」と述べた。同婦人会の平美津子さんが司会を務めた。
上野宮司は男神の熊野速玉大神と寄り添うように祭られる女神の熊野夫須美大神(結大神)について説明し、「女神様が光り輝くように寄り沿っています。敬神婦人会の皆さまには大社の由緒にも添うような活動をしていただいてくれていることは大変ありがたい」と感謝した。
県敬神婦人連合会の川口会長、県神社庁の温井副庁長が来賓を代表してあいさつ。田岡市長は「本市の象徴ともいえる熊野速玉大社の奉仕活動に40年にわたり、取り組まれていることに深く敬意を表します」と述べた。午後はチベット出身のバイマーヤンジンさんによる記念講演が開かれた。
(2017年5月9日付紙面より)
新宮弓友会主催月例射会
県スポ少東牟婁予選バレーボール
新宮市出身の文豪で、望郷詩人とも呼ばれる佐藤春夫(1892~1964年)の命日の6日、市内の佐藤春夫記念館前庭でお供茶式(くちゃしき)が営まれた。関係者ら約60人が参列し、遺徳をしのんだ。
茶道裏千家淡交会が長年、大社烏集庵や望郷五月歌碑前で営んできた式で、記念館がオープンした翌年の1990(平成2)年から佐藤春夫記念会とともに記念館庭園で開いている。
田岡実千年市長、楠本秀一教育長、濱口太史県議らも出席。茶道裏千家淡交会南紀支部の西宗友さんがお点前、半東は山野宗景さんで、関宗重さんが春夫の遺影前にお茶を供えた。式典後に淡交会員たちが参列者たちにお菓子とお茶を配った。
田岡市長は「豊かなふるさとの自然を表現した『望郷五月歌』は没後なお、多くの人に愛され、一層輝きを増すように思う。先生がこよなく愛された古里新宮の悠久の歴史文化と豊かな自然の成熟のため、さらなる努力を傾注しなければならない」。辻本雄一館長は小説『初恋びと』や童話『うちのうたちゃん』と未発表詩『なつかしき山々』の草稿が発見されたことなどに触れてあいさつ。「まもなく記念館が開館して30年。関係各位の皆さんのおかげでお応えできている。今後ともご支援ご協力を」と呼び掛けた。
(2017年5月7日付紙面より)
千穂できっちん・クローバー (新宮市 )
新宮市千穂のファミリーホーム「クローバーの家」(荒木博和理事長)で4月30日、毎月恒例の「きっちん・クローバー」が開かれた。地域住民や子どもたちが訪れ、親子丼と若竹汁を味わった。5月は運動会などの関係で行わない。
この取り組みは、地域の子どもと大人の信頼できる居場所づくりや、地域交流などを目的に「こども食堂」として毎月最終日曜日の午前11時30分から実施している。
ファミリーホームは児童相談所などの関係機関と連携し、家族と離れて生活しなければならない子どもを迎え育てる施設で、県内には5カ所ある。クローバーの家は昨年4月に開設した。
訪れた人たちは「おいしい」と話しながらこの日のメニューを味わった。荒木理事長は地域住民などの協力に感謝していた。
(2017年5月7日付紙面より)
天然多く6月解禁に期待 (高田川 )
新宮市相賀―高田の高田川で稚アユの遡上(そじょう)が始まっている=写真。100匹ほどが群をつくり、時折飛び跳ねながら上流を目指して泳いでいる。高田川を含む熊野川水系のアユ漁は6月1日(木)から解禁。熊野川漁業協同組合の堀切金二理事(80)=同市高田=は「3月下旬に各河川で天然遡上が多かったので今年は期待しています」と話している。
高田川への稚アユの遡上は年々減り、2011年9月の紀伊半島大水害で川底が激変し、追い打ちをかけた。組合は対応策として昨年10月、相賀の高田川内に初めてアユの産卵場を設置。卵を持ったメスとオスの成魚合わせて約4000匹を放流し、産卵、ふ化を確認した。今年の天然遡上の増加について堀切理事は「産卵場の成果かどうかは分からないが、可能性はある」と話す。
組合は毎年、高田川へ約700㌔の稚アユを放流している。今年の放流もすでに終えている。
堀切理事は「いつもなら今ごろは相賀から高田へもっと多くの稚アユが上がってきていますが、今年は水温の関係か、相賀でとまっているようです」と話していた。
(2017年5月7日付紙面より)
大型連休、熊野の各行楽地
熊野地方各地の行楽地は大型連休に入り連日大勢の観光客でにぎわっている。施設や道の駅の駐車場はどこも満車になっていて、正確な数はまだ集計されていないが、各関係者とも「例年より多い」と話している。
世界遺産熊野本宮館前の駐車場は5日、午前8時の時点で満車になった。河原の駐車場も多くが埋まっている。田辺市本宮行政局産業建設課の山下義朗次長は「観光客数はまだ出ていませんが、駐車場の状態などを見ると人は例年より多いと思います」。
新宮市熊野川町のウオータージェット船乗り場にも大勢の観光客が訪れ、4日は約200台の駐車場が満車になった。堀芳生・熊野交通株式会社志古船舶営業所長は「昨年よりお客は多いと思います。雨不足で欠航したことが逆に宣伝になったのかもしれません」と話していた。
新宮市観光協会は5、6の両日、新宮市徐福のJR新宮駅前広場でゴールデンウイーク「しんぐうマルシェ」を開催し、6店舗が地元のお菓子や特産品を販売した。丹羽生・新宮市観光協会長は「飛鳥Ⅱが入港できなかったのは残念でしたが、個人客が増えています」と話した。
(2017年5月6日付紙面より)
那智勝浦町大泰寺
那智勝浦町下和田の大泰寺(西山十海住職)は2日から4日まで花祭りを営んだ。3日にはAmi(本名・地引知子)さん(51)と今井テツ(本名・今井徹)さん(60)がインド舞踊を奉納した。
Amiさんは同町狗子ノ川在住。神社や仏閣での奉納やミュージシャンとのコンサートで活躍している。今井さんは福岡県朝倉市在住のピアニストで、40歳から即興演奏活動を続けている。
2人は一昨年にコンサートのコラボで意気投合し、昨年9月に同寺で舞の奉納を行った。その際、西山住職から花祭りでの奉納を呼び掛けられた。
2人は薬師堂と本堂で舞を奉納した。花を持ち寄ってきた参拝者は清らかな音と優雅な舞に目を奪われていた。
奉納を終えてAmiさんは「薬師堂で奉納したとき、涙が出た。参拝者の光のようなものを感じ、エネルギーを頂いた」。
今井さんは「熊野の地には20年ほど前から住んでいて、思い入れがある。大泰寺で演奏して、自然に見守られている感じがした」と話した。
花祭りは、旧暦4月8日の釈迦(しゃか)の誕生をたたえる法会。本堂の中にしつらえた花御堂を草花で飾り、誕生の際に甘露が降った故事にならって釈迦の立像に甘茶をかける。
(2017年5月6日付紙面より)
滝の拝でアユの滝越え (古座川町 )
古座川町小川にある滝の拝で今年も、アユの滝越えが見られるようになった。
滝の拝は岩石の河原が水流で流される石で削られて形作られた落差約8㍍の滝。古座川の支流である小川を遡上(そじょう)するアユにとっては越えがたい壁でもあるため、下流方向から見て本流の右手には人為的に『魚道』が設けられている。
落差30㌢前後の小滝を幾重にも連ねて人為的に作り出した水流の道で、アユは小滝を一つずつ越えて滝の拝の上流を目指している。落水の流れの中を泳ぎ登ったり、水面から勢いよく飛び出して一段上の小滝に跳ね上がったりと滝越えの方法はさまざま。水流にはじかれるアユも多く、無事に滝の拝の上流に至ったアユは豊富な餌と縄張りを得て下流よりも大ぶりになるとされている。
2日午後は1~2匹ずつ順々に魚道を遡上する様子がうかがえた。本流の水量が多すぎず少なすぎず、最下段の小滝周辺にアユが群がっている時に観察しやすい。
(2017年5月6日付紙面より)
第1回新宮RC旗学童軟式野球大会
「鯉のぼり祭り」にぎわう (新宮市熊野川町 )
熊野川フラワーツーリズム推進協議会(下阪殖保会長)は3日、新宮市熊野川町の日足道路バイパス下で「熊野川地域物産展鯉(こい)のぼり祭り」を開催した。約600人(主催者発表)が来場し、にぎわった。
2011(平成23)年9月の紀伊半島大水害で大きな被害を受けた熊野川地域を元気づけるために始まり、今年で5回目になる。昨年まで同町田長(たなご)の道の駅・瀞峡街道熊野川周辺で催していたが、会場確保の困難さからバイパス下に変更した。今年はこいのぼり約80匹を道の駅と日足地区に分けて設置した。
こいのぼりの下には多くの家族連れが訪れ、記念写真を撮っていた。露店では地域の産品が販売され、ステージでは地元団体がダンスパフォーマンスを披露し、来場者を楽しませた。イベントの最後には餅まきが行われた。
下阪会長は「こいのぼりを分けたことで皆さんの期待に添えられなかったのではと思ったが、非常にたくさんの人が来てくれた。また来年もやりたい」と盛況を喜んだ。
(2017年5月5日付紙面より)
新宮警察、補導員らが啓発
「オレオレ詐欺」などの特殊詐欺被害を防止しようと、新宮警察署警察官と少年補導員らは4月29日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で街頭啓発をした。約10人が店頭でチラシとポケットティッシュを配布し、買い物客らに注意喚起をした。
和歌山県では3月末までに27件の特殊詐欺被害が発生しており、被害金額は7512万円。前年同期と比べて13件、3440万6120円の増加となっている。新宮市内では1件が警察に届けられている他、市役所職員をかたる還付金詐欺の電話があった。
啓発では「だまされないで!こんな電話は詐欺です!」の言葉と具体的な手口が書かれたチラシを配布した。
署では「レターパックかゆうパックでお金を送ってください」「医療費の還付金があります。携帯電話を持ってキャッシュコーナーへ行ってください」「あなたの銀行口座が不正に使われています」などの電話は詐欺の疑いが強いとして、警察相談電話(#9110)や新宮警察署(0735・21・0110)などへの相談を呼び掛けている。
上地剛史・生活安全刑事課長は「詐欺の手口を知っていただき、電話がかかってきたらすぐに警察に相談してほしい」と話していた。
この日は県特殊詐欺被害防止アドバイザーの2人が啓発に参加。アドバイザーは今年4月に県警が導入した制度で、警察OBの10人が任命されている。県警本部に4人、岩出、田辺、新宮に2人ずつ配置されており、自治体などと協力しながら集まりやサロン活動の場などでの出前講座を中心に詐欺被害の防止に向けて取り組んでいく。
(2017年5月5日付紙面より)
過去最高の利用に地元も驚く (串本町 )
ゴールデンウイーク(GW)も後半に差し掛かり、串本町域の各観光地がにぎわいのピークを迎えている。望楼の芝キャンプ場は3日、過去最高の利用者数249張り795人を記録。ずらりと並ぶテントの華やかな光景に地元住民も驚きの声を上げた。
本州最南端、望楼の芝は先月29日からキャンプ場の有料期間を迎えていて、東側一帯がテント設営場所となっている。潮岬望楼の芝管理運営委員会(田仲康慧会長)によると、GW前半は29日に67張り115人、30日に40張り60人、1日に55張り77人、2日に59張り95人の利用を集め、二輪車による来場者が多かったという。GW後半は土、日曜日を含めると5連休になる日の巡り。3日は一気に数が増え249張り795人に達した。潮岬観光タワーの大橋究未店長も「今日はいつにも増して多い」と感心しながら様子をうかがっていた。
過去の実績におけるピーク時のテント数は150張り前後。この日は当初設定した広大な設営場所でも収容しきれなくなり、同委員会は午後に急きょ西側へ範囲を数十㍍ほど拡大する対応を取った。大小、形もさまざまなテントが密に並び、田仲会長は「利用者からは高速が延びて来やすくなったという声を聞いている。こんなに集まるとは予想していなかった」と驚きながら、対応にあたっていた。
期間中は一人600円の清掃協力金を預かり、期間外は持ち帰りとなるキャンプごみを町の指定に基づいて分別した上で引き受け。処分を業者委託するとともに同芝の芝刈り経費などに充て、繁忙を迎えても気持ちよく、繁忙を過ぎても前と変わらない整然とした環境を保つことに活用している。今期は7日(日)まで、日帰りを含め設営場所や駐車場(キャンピングカー)利用者から協力を得るとしている。
マイカー観光客が集まる道の駅くしもと橋杭岩は、橋杭漁港敷地の臨時駐車場所まで車が並ぶ盛況を見せている。3日午後は潮時にも恵まれ橋杭岩から陸側はほぼ露出。磯に降りて岩のすぐそばまで近づき、間近に観察し記念撮影に臨む観光客の姿も目立った。
(2017年5月5日付紙面より)
勝浦護国神社で例祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)境内にある勝浦護国神社の例祭が3日に営まれた。戦没者、殉職消防団員の遺族や関係者、来賓らが参列し、国の平和と安寧を願い、英霊の冥福を祈った。
勝浦護国神社は日露戦争以降の大戦に出兵、消防団員として尊い命を国にささげた258柱を祭っている。例祭は1955(昭和30)年に始まり、現在も勝浦6区で結成する同神社奉賛会(会長・濵邊誠治第3区区長)、遺族会(井本武雄会長)、髙橋宮司の奉仕により、絶やすことなく営まれている。
式典では髙橋宮司が祝詞を奏上し、258柱の名前を読み上げた。寺本眞一町長の追悼の言葉を植地篤延副町長が代読し、「戦後71年が過ぎ、国民のたゆみない努力で復興を遂げた。世代が替わっても、この平和が多くの尊い犠牲の上に成り立っていることを忘れてはならない。消防団員の郷土を思う不屈の精神をたたえながらも痛惜の念が消えることはないが、明るく住みよい那智勝浦を目指し進んでいく」と述べた。勝浦舟謡保存会による舟歌の奉納があり、出席者らが順に白菊を献花した。式典後は、勝浦獅子神楽保存会が神楽を奉納した。
(2017年5月5日付紙面より)
和歌山マスターズ陸上競技選手権大会
県中学校ソフトテニス選手権郡予選
東牟婁地方中学校バレーボール選手権
観光筏下りがスタート (北山村 )
北山村の北山川で3日、今シーズンの観光筏(いかだ)下りが始まった。テープカットの後、第1便の筏が出航し、日本各地から訪れた観光客たちが、水量豊かな北山川の急流と渓谷美を味わいながら川下りを満喫した。
スギの丸太8本で組んだ床(とこ)を七つ連結している筏は、全長約30㍍、幅約1・6㍍で、中央部に座席と手すりが設けられている。訓練を積んだ筏師たちが櫂(かい)で操船する。
ライフジャケットを着た乗船客たちは、急流で歓声を上げながら約5・5㌔を約70分かけて下った。昨年までの総乗客数は19万7781人。昨年は5120人だった。
開航式では、神職が今シーズンの安全を祈願。山口賢二村長は「今年も筏のシーズンを迎えました。今年で39年目。今年でお客は20万人を突破する予定です。筏流しの技術は県の無形民俗文化財にも指定されました。周辺市町村と連携して観光振興に取り組んでいきたい」とあいさつし、『北山音頭』を歌った。
日本唯一の飛び地の村、北山村には最盛期、数百人の筏師が住んでおり、村民は1000人以上いた。昭和40年代に北山川水系にダムができ、道路が発達。木材がトラック輸送に代わったことで筏流しは衰退し、村民は現在約450人になっている。
筏下りは1979年、元筏師や村民の努力で観光筏下りとして復活。特産品のかんきつ系果実「じゃばら」とともに村の基幹産業になっている。初年の乗客は219人だったが年々人気が高まり、2005年には過去最高の9287人を記録した。
運航期間は9月末までの5カ月間。問い合わせは同村観光センター(電話0735・49・2324)まで。
(2017年5月4日付紙面より)
大物の水揚げ続き、単価も過去2位 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の勝浦地方卸売市場では冬から春にかけての近海マグロはえ縄漁が終盤を迎えている。市場を運営する和歌山県漁業協同組合連合会がまとめた2016年度の取引額は71億7626万5946円となり、前年に続いて70億円台を維持した。
過去10年で最も取引額が少なかったのは13年度の60億5353万1226円。翌年に8年ぶりに70億円を回復し、3年連続70億円台を維持している。
16年度の水揚げ量は1万474㌧で13年度よりも約375㌧下回ったが、金額は11億2273万4720円増となっている。
300㌔を超える大物クロマグロの水揚げが多く、今年1月7日に揚がった307㌔の記録が次々に更新され、3月5日に勝浦市場歴代最大の446㌔が揚がり、全国から注目を浴びた。キロ当たりの単価では、平成2年の過去最高値2万7000円に次ぐ2万5900円という結果が出ている。
県漁連では、水揚げ量の過半数を占めるビンチョウマグロを関東で広めようと、水揚げの当日に白浜空港の航空便を使って東京へ届ける手段を検討中だという。
県漁連勝浦市場の丸山一郎参事は「勝浦へ入港してくれる漁業者のためにも、勝浦産のマグロの価値を高めたい。関東で知名度の低いビンチョウを、百貨店などに直接売り込むことも考えている。大物はたくさん揚がったが、水揚げ量は低迷している。マグロ資源問題についても、地域から発信していかなければ」と話していた。
(2017年5月4日付紙面より)
三尾川小稲作体験始まる (古座川町 )
古座川町立三尾川小学校(濵地久夫校長、児童11人)の稲作体験が1日、同町三尾川字下地にある日下恵夫さん(74)の水田を借りる形で始まった。今年も児童と教職員が一丸になってもち米「若草もち」の苗を手植え。収穫は9月初旬ごろの見込みで、収穫した米は来年1月の餅つき大会で使い、余った分は毎日の給食でも味わうという。
長年の伝統となっている全校行事。日下さんは過去10年間にわたって協力した兄・隆夫さんの後を継ぎ、2年前から児童に稲作の機会を提供している。もち米「若草もち」は児童が夏休みではなく学期中に稲刈りできるよう、みくまの農協とも相談して取り入れた晩生の品種。初栽培した前年度は日下さんの読み通り2学期が始まってすぐが刈り時になり、今年もその苗を準備して児童を迎えた。
歩いて日下さんの水田を訪ねた児童はさっそく素足になって田植えの準備。2年生以上は過去にも経験があるので自主的に、1年生は先生や高学年と一緒に作業に励んだ。水田の広さは約2㌃で、日下さんは児童が植えやすいようにとあらかじめ約25㌢間隔で縦横に筋付け。苗の草丈は20㌢弱で、筋の交わるところに3~4本を植え込んだ。2年生以上の経験に加えて隆夫さんら近所の人の手伝いもあり、田植えは30分ほどで完了。近くの水路で泥を洗い流し、日下さんに収穫までの管理をお願いしてこの日の作業を締めくくった。
手際よく田植えをこなす児童を見守った日下さんは「米は日本人の主食。ただ食べるだけでなく、どうやれば作れるかもしっかりと経験し、大きくなった時に思い出して自分で稲作ができるようになってくれれば」と期待した。
(2017年5月4日付紙面より)
チラシなど配り注意喚起 (新宮警察署 )
新宮警察署(谷本克也署長)は4月30日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で万引防止キャンペーンを実施した。警察署員、少年補導員らが買い物客らにチラシやポケットティッシュを配布した。
同署管内の万引の発生件数は3件で、前年同期比14件減だった。しかし4月に入り4件発生している。住民の規範意識を高め、犯罪抑止を目指して街頭啓発を実施した。
のぼりを立て、「万引きは犯罪です」「万引きをしない させない 見逃さない」などと注意喚起をするチラシなどを手渡した。万引は窃盗罪で10年以下の懲役、50万円以下の罰金となる。
(2017年5月4日付紙面より)
大矢・清水組が2年連続6度目の優勝
新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で1日、民生委員・児童委員に対する厚生労働大臣特別表彰の伝達式があった。管内対象者12人のうち4人が出席し、児玉征也・東牟婁振興局長から表彰状と記念品を受け取った。
表彰は長年、民生委員・児童委員として職務に精励し、功績が顕著であると認められる人に贈られる。県内57人のうち、新宮市5人、那智勝浦町4人、古座川町3人が表彰を受けた。
出席したのは久司博嗣さん、山﨑守雄さん、木戸浩二さん、倉本和明さん。児玉局長は「長年、常に住民の立場に立って相談に応じ、援助を行い、地道に使命感を忘れることなく、地域住民本意の活動に専心されてこられた。今日の地域活動の礎は皆さま方のたゆみのないご尽力があったからこそ」と感謝を述べた。
受賞者を代表し、山﨑さんが「県と町行政の先生方や地域住民のおかげ。今後とも、微力ながらも、健康で明るく、住みよい街づくりのため、ボランティア活動を進めていければ」と喜んだ。
(2017年5月3日付紙面より)
護国神社例祭前に住民ら清掃 (那智勝浦町 )
那智勝浦町勝浦の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)境内にある勝浦護国神社と神明地区の忠魂碑前で1日、3日(水・祝)に営まれる例祭を前に勝浦各区の区長や区民ら約20人が草刈りやごみ拾いなどの清掃に汗を流した。
同神社は日露戦争以降の戦没者と殉職消防団員を祭っている。忠魂碑前では秋の祭りや夏の供養盆踊りなどの前に区民らが奉仕して清掃活動をするが、今回は髙橋宮司が広く地域に協力を呼び掛けた。大戦から70年以上が過ぎ、直接の遺族も次第に少なくなっている。髙橋宮司は清掃に参加した人たちに感謝し、「大戦で多くの若い方々が亡くなった。平和を享受するわれわれが、尊い命をささげられた英霊をお祭りする義務があると思います。護国神社のお祭りを地域のお祭りとしたい」と語った。
3日の例祭は午前9時から忠魂碑式典、同10時から勝浦八幡神社内で護国神社例祭式典が営まれる。勝浦獅子神楽保存会が神楽を奉納した後、同11時に直会が開かれる。
(2017年5月3日付紙面より)
防災教育兼ねて遠足 (勝浦小学校 )
那智勝浦町立勝浦小学校(上浦一剛校長)の遠足が4月28日に催された。6年生54人と1年生46人は防災遠足として、小坂山など校区内の避難所を巡った。
新入生に津波発生時の避難場所を知ってもらうため、防災教育の一環として例年実施している。1年生と6年生の交流や地域の自然に触れてもらう狙いもある。
小坂山は通学路になっており、津波発生時の避難場所に指定されている。遠足では同山のほか、若者広場や校舎裏山の避難場所も巡る。
6年生は1年生の手を引いてリードし、移動中も会話を楽しんだ。児童らは目的地に着くと季節の動植物を探し、手に取ってじっくり観察していた。
(2017年5月3日付紙面より)
地域おこし協力隊員起用 (古座川町 )
古座川町は1日、小山陽平さん(35)を地域おこし協力隊員として起用した。同町では6人目となる委嘱で、住民団体「七川ふるさとづくり協議会」(下山隆正会長)の一会員として七川地域活性化を支援する。
小山さんは紀の川市出身。進学を機に関東に出て長らく大学の講師や助手を務めていたが、いつかふるさとの和歌山に戻って貢献したいという思いがあり、それを実現する道として同町の隊員募集に志願したという。
この日は妻・菜保さん(35)と共に役場町長室を訪ねて委嘱状の交付を受け、「古座川町を選んだのは、以前に妻と旅行をした時に『いいまち。いつか住んでみたい』という思いを持ったから。2人で住んでみたいと思った町の力になりたい」と意気込みを掲げた。その後は交付に立ち会った同協議会の下山会長や羽山勤副会長と共に役場各課や町内の主要団体へのあいさつ回りを重ねた。
同協議会は、七川地域の住民が生きがいを持って明るく健康的な生活を送る環境を築き、次の世代に持続可能な地域として継承する目的で昨秋、住民発起で設立された。事務局を古座川ゆず平井の里内に置き、▽地場産業の創造▽伝統文化の保存と継承のための定期研修実施▽空き家や耕作放棄地の活用推進▽独居老人や高齢者世帯を対象にした配食サービスや見回り・声掛け運動の実施―を活動項目として規約上に掲げ、実践の道を模索するさなかにある。
下山会長は「高齢化や過疎化が進んでこの先どうなるのかという心配がある中、先輩方が築き上げた村を次の世代に受け継いでいくためにこの協議会を立ち上げた。まずは先輩方がどのような思いや悩みを持っているのか。それを聞き取るメンバーとして小山さんを迎えたい」とコメント。
小山さんは西川の民家を借りて移住。区民へのあいさつ回りや同協議会総会に同席するなどして、地域の思いに触れている。今の自分にできる挑戦してみたい事柄として▽SNSで自分とつながっている人々への地域アピール▽教育経験を生かした愛郷心を形にできる次世代の育成―を掲げつつ、隊員としての任務に着手した。
(2017年5月3日付紙面より)
下津空手スポーツ少年団錬成大会
県中学校バスケット紀南地区予選
少年フットサル県大会地区予選
九重マーケット盛況 (新宮市 )
NPO法人山の学校(柴田哲弥代表)は4月29日、新宮市熊野川町九重の旧九重小学校で「九重マーケット」を開催した。2011年9月の紀伊半島大水害で被災した地域の活性化などを目的に開催し今年で3年目。20店舗がテントの下、パン、雑貨、野菜などを販売し、大勢の人でにぎわった。
同町田長の道の駅「瀞峡街道熊野川」隣に出店している「かあちゃんの店」の餅や、地元で採れた新鮮な野菜、地ビールなどが販売され、人気店の前には午前10時の開店前から大勢の人が並び、午前中に商品が売り切れた。校舎内ではボランティアによる絵本の読み聞かせなどもあった。
九重は三重、奈良との県境に近い、北山川沿いにある小さな集落。紀伊半島大水害で川沿いの家屋は軒並み被害を受けた。会場となった校舎は天井まで浸水し、解体される予定だったが、NPO法人山の学校が「復興のシンボルにしたい」と校舎の活用を市に申し入れ、自分たちの手で修繕し再生させた。現在は校舎内でカフェ、パン屋、本屋を開店し、約3年半が経過している。
柴田代表(33)は「今年は昨年より出店者が増えました。今年も大勢の人が来てくれて良かったです。準備は大変ですが、来年からも続けていきたいと思います」と話していた。
(2017年5月2日付紙面より)
第88回新宮・東牟婁メーデー (那智勝浦町 )
労働者らによる決起集会「第88回新宮・東牟婁メーデー」(連合和歌山紀州熊野地域協議会主催)が4月29日、那智勝浦町築地の勝浦漁港市場であった。「長時間労働の撲滅 ディーセント・ワークの実現 今こそ、底上げ、底支え、格差是正の実現を!」とするスローガンなどを承認し、安心社会の実現を目指す宣言をした。
メーデー(労働者の日)は、労働者が権利要求と国際連帯の活動を行う日。1920年に労働団体による第1回メーデーが東京で行われた。
主催の連合和歌山紀州熊野地域協議会は新宮市、田辺市、東牟婁郡、西牟婁郡内の労働組合で構成されている。熊野交通、和歌山県、関西電力、北越紀州製紙、那智勝浦町、日本郵便、JR西日本の各労働組合員らが参加した。
式典では石坂新太郎さんが議長に選ばれ、下田構平実行委員長のあいさつの後、連合和歌山の小林茂会長は、賃上げ率の改善について「従業員300人以下の中小企業の組合が頑張っている。常日頃から、賃上げを訴え続けた成果が出てきている。安心して働くことこそが、社会の成長につながる」と述べた。
(2017年5月2日付紙面より)
潮岬節保存会恒例の慰問 (串本町 )
潮岬(みさき)節保存会(島田和幸会長)が4月30日、同町二色にある社会福祉法人串本福祉会特別養護老人ホーム「にしき園」(和田利文理事長、和田吉男施設長)を慰問し歌や民謡で入所者を楽しませた。
同保存会が月1~2回の頻度で取り組んでいる施設慰問の一環。にしき園では年1回の恒例行事になっていて、本年度は入所者や職員約90人が会員の慰問を歓迎した。
この日は日曜日とあって、子どもも含めた会員17人が訪問。正調潮岬節で開演を飾り、島田会長の尺八演奏に合わせた唱歌や「花笠音頭」「串本節」といった民謡を届けた。
半ばでは入所者ら有志4人がカラオケで熱唱し、島田会長も演歌歌手・嶋幸二として出演し、プロの歌声で懐メロの数々を響かせた。最後は正調潮岬節をアレンジしたダンス「これぞオチャヤレ岬節」で力強く締めくくり、来年の再会まで健やかに過ごすよう入所者を励ました。
入所者も手拍子で会員の披露を後押し。島田会長は「いつものことながら潮岬節だけでなく唱歌や民謡を準備し、今回はカラオケにも参加いただける。みんなで楽しく、喜んでもらえる慰問になれば何より」と話した。
(2017年5月2日付紙面より)
那智護国神社の慰霊祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町天満の天満天神社に合祀(ごうし)されている那智護国神社(髙橋正樹宮司)で「昭和の日」の4月29日、第62回慰霊祭が執り行われた。那智地区の第2次世界大戦の戦没者と消防殉職者292柱に哀悼の意をささげた。
髙橋宮司が祝詞奏上と戦没者の名を読み上げて鎮魂した後、奉賛会会長の清水叞三央天満区長が「祖国の平和と安寧を願って戦死してから早72年。私たちが日本の平和な社会の中で豊かな生活を過ごせるのも、尊い思いと犠牲によるもの。戦没者の思いを引き継ぎ、平和な世の中の構築に精進します」と誓った。
寺本眞一町長は「私たちはこの悲しみを乗り越え、真の豊かさと優しさのあふれる街を町民の皆さまとともに築き上げていきます」と追悼の言葉をささげた。遺族らは白菊を献花して改めて平和の尊さをかみしめ、天満交友会が神前に獅子舞を奉納した。南洋群島で戦死した海軍二等兵曹が妹に宛てた手紙も紹介され、戦地から家族を思いやる内容に、参列者は心を打たれた。
式典後には、境内で餅まきもあった。
(2017年5月2日付紙面より)
JOC杯全日本ジュニアレスリング
全少サッカー記念4年生大会