新宮市出身の友國冨貴さん (二科展特選 )
新宮市出身の友國冨貴さん(83)=兵庫県川西市=が28日、平成28年第101回二科展で特選を受賞した油絵『熊野―焰(ほむら)立つ』を市へ寄贈した。受け取った田岡実千年市長は「心よりうれしく思います」と感謝した。
友國さんは新宮市取出町生まれ。千穂小学校、新宮高校、和歌山大学教育学部(音楽専攻)を卒業。昭和29年に市立王子小学校教諭に採用され、丹鶴小、千穂小、高田小と勤め、昭和54年3月に退職し、その後、川西市に移り住んだ。絵は約60年前から描いていて、二科展入選、東光展入選、池田美術協会会員展VEGA賞など数々受賞している。
1年前に脳梗塞で右手が不自由となり、絵をあきらめていたところ、知人から「左手で描いてみたら」と言われ、古里熊野をイメージした抽象画に挑戦し、初めて二科展の特選を受賞した。
作品を創るにあたり、熊野に詳しい同級生たちから話を聴き、資料を集めて勉強した。「熊野の良さを知らなかった。熊野の良さが湧き起こった」。熊野の火祭りと心の炎をイメージし、ペインティングナイフやローラーを使って約4カ月で完成させた。「画題が熊野。熊野の片隅に飾っていただければ」と知人の紹介で新宮市へ寄贈することになった。
田岡市長は「私も熊野の本当の良さを知ったのは市長に就任した7年半前。海、山、川の自然。深い歴史、文化。人々の人情が豊かで素晴らしいと思いました」と話した。
今回の二科展の絵画一般の部には全国から2672点の出品があった。友國さんの作品のサイズはF80(縦145・5㌢、横112㌢)。審査員の木戸征郎さんは「作者の制作に対する熱意と工夫と努力が伝わってくる。重厚で神々しさが伝わってくる」などと評価した。
(2017年3月30日付紙面より)
光洋中学校で定期演奏会 (新宮市 )
新宮市立光洋中学校(田中信幸校長、生徒221人)の音楽部(田伏崇弘顧問、上地凛部長、部員24人)が26日、定期演奏会を開いた。今年で3回目。
演奏会は『威風堂々』で始まり、『展覧会の絵』『Let’s Swing!!』など、アンコールも含めると全15曲を演奏した。
生徒らは『恋するフォーチュンクッキー』でダンスをしたり、『世界に1つだけの花』で歌ったり、『RPG』では来場していた子どもたちにプレゼントを配るなど工夫を凝らした演出で観客を楽しませた。最後の曲『Happiness』では、音楽に合わせて観客から手拍子が湧いた。
上地部長は終演のあいさつで、「この日のために一生懸命に練習してきました。最高の曲をお届けできたと思います。これからもたくさんのハーモニーを届けたいと思っていますので、応援よろしくお願いします」と話した。
娘さんの演奏を聴きに来ていた市内在住の岡本真治さん(45)は「初回から来ているが、『Let’s Swing!!』など毎年演奏している曲は年々上達していることが実感できた」と話していた。
(2017年3月30日付紙面より)
環境衛生の向上に
新宮、田辺、北山、紀宝、御浜の5市町村で構成する紀南環境衛生施設事務組合が運営する汚泥再生処理センター「南清園」の新施設竣工(しゅんこう)式が25日、同所で行われた。管理者の田岡実千年市長はじめ、各市町村の関係者、設計・施工を請け負った日立造船株式会社、監理の株式会社環境技術研究所の職員らが出席。地域の環境衛生のさらなる向上に期待を寄せた。
旧施設は昭和60年2月に供用を開始。近年の浄化槽普及により、対応が難しくなっていることや施設の現状を把握するため、平成17年度に実施した精密機能検査の結果を受け、新施設の事業を推進。23年の紀伊半島大水害の発生により、事業計画が2年間延期され、本年度の完成となった。
敷地面積6922・11平方㍍、建築面積1258・32平方㍍、延べ床面積2372・9平方㍍で鉄骨造の地上2階、地下1階。処理能力は1日98㌔㍑(生し尿20㌔㍑、浄化槽汚泥78㌔㍑)。総事業費は27億9936万円。
田岡市長は「近隣住民のご理解、関係各位の皆さまのおかげ。非常用発電設備を備えており、停電や断水時にも対応でき、津波一時避難施設として近隣住民を受け入れることもできます。これからも住民の皆さまの生活環境保全に努めてまいります」とあいさつ。
来賓祝辞、祝電披露の後、日立造船、環境技術研究所の2社に感謝状が贈られ、日立造船の三野禎男常務取締役が「関係者の皆さまの協力により、長期にわたる工事を無事故で終えることができたことに感謝します。当施設を皆さまにご活用いただけると確信しています」と謝辞を述べた。
(2017年3月30日付紙面より)
姫のヒジキ収穫始まる (串本町 )
串本町姫の磯場で28日、特産「姫ひじき」の名で市場流通するヒジキの収穫が始まった。地元の姫ひじき採捕組合(中山明会長)による漁で、今年のヒジキは生育が少し遅れているが品質は上々だという。
姫のヒジキは古くから「長い、太い、柔らかい」の三拍子がそろう品質の良さで知られ、収穫後は姫ひじき生産組合が大半を引き受け伝統の製法で特産「姫ひじき」に仕立てて市場投入している。商品評価は高く、近年は漁場の雑藻を引くなどの手間もかけて限りある漁場での収量向上を目指している。
初漁の期日は例年、春分の日前後の潮時の良い日としているが、今年は例年に比べて生育が遅れているため春分の日以降最初の大潮の時期を選んだ。採捕組合の会員はこの日、姫川河口域にある通称「下磯」の漁場に集まって収穫に奮起。好天だが波が荒く、会員は時折押し寄せる大波を警戒しながら干潮前後の限られた時間内で目いっぱい新物を刈り集めた。
今年の作柄について堀喜代子副会長(78)は「潮の加減なのか、今年は場所によって伸びのいいところと鈍いところがある。全体的に生育は遅れ気味だが柔らかくて品質はいい」と評価。中山会長(76)は「『姫ひじき』にする上で十分な品質だが、今の伸び具合だと漁場全体で収量5㌧に届くかどうかというところだ。遅くても5月上旬まで収穫が続くので、その間に暑さで傷むことなく伸びてくれれば」と期待して今季を見通した。
特産「姫ひじき」の新物は例年、6月初旬ごろに市場投入される。収穫したヒジキは天日干しした後に和歌山東漁業協同組合へ出荷し、姫ひじき生産組合が大半を競り落とすという。
(2017年3月30日付紙面より)
熊野川で最大規模降雨を想定 (国交省 )
国土交通省は最大規模の降雨を想定した熊野川と相野谷川周辺の洪水浸水想定区域や家屋倒壊等氾濫想定区域などを公表した。各市町村長による避難勧告の適切な発令や住民らの主体的な避難に役立ててもらうことが狙い。同省近畿地方整備局河川部水災害予報センターや同局紀南河川国道事務所で縦覧できるほか、事務所のホームページに掲載している。
平成27年の水防法改正を踏まえ、これまで公表していた洪水浸水想定区域を見直した。今後、各市町村はこの想定をもとに「早期の立ち退き避難が必要な区域」を示した洪水ハザードマップを作成する。
想定最大規模の降雨は24時間雨量937㍉。旧新宮市内はほぼ全域が浸水していて、相筋から元鍛治町にかけての家屋は倒壊が予想されている。浮島の森周辺は12時間から24時間未満、王子町や田鶴原町の一部は2週間以上浸水するとなっている。
(2017年3月23日付紙面より)
公立小学校で卒業式 (新宮市 )
新宮市の公立小学校で22日、卒業式があった。児童らがそれぞれの夢と思い出を胸に母校を巣立った。神倉(山本眞也校長)78、王子ヶ浜(畑下圭喜校長)58、三輪崎(前田欣克校長)83、高田(林眞一校長)2、熊野川(上地健校長)12の計233人が新たな門出を迎えた。
市立王子ヶ浜小学校では、畑下校長が卒業証書を授与し「自立の精神」「共生の心」を持ってほしいとし「目標を持ち、自分のできること、自信が持てることを増やし、自分を磨き続けて。自分を大切にするのと同じくらい周囲の人を大切にして。人はいろんな人と出会い、認め合うことで一段と成長できる」と式辞。
在校生たちは「僕たち、私たちも皆さんをお手本にしてより良い王子ヶ浜小学校をつくるために頑張ります」と述べ『大空がむかえる朝』を歌った。
卒業生は6年間を振り返り「どんな時もそばにいてくれる友達の大切さ。日々努力し続けることの尊さ。自分に負けない強さ。すべてここで学びました」。
教職員やボランティア、地域の人、家族に感謝を述べ「この学校で学んだことを胸に刻み、自分の行動に責任を持ち、友情を大切に、夢に向かって歩んでいきます」と別れの言葉を述べた。
(2017年3月23日付紙面より)
川口で公民館長杯GB大会 (古座川町 )
古座川町の川口ゲートボール(GB)場で19日、同町公民館長杯GB大会があり4チーム20人が和気あいあいと競技に親しんだ。
この大会は同町教育委員会と同町ゲートボール協会が主催。町内の愛好者減少に伴い、近年は子どもから年配まで参加できる競技振興の場になっている。今回は最年少7歳、最年長92歳、現役世代も含む多彩な世代の参加を集めた。
当日は穏やかな好天に恵まれ、和田充旦教育長は「勝負は勝負だが今日は和気あいあいと楽しんでほしい」と激励のあいさつ。今回はベテラン勢が所属チームを離れ、主催者が実力均衡を意識して組み合わせたチームに入る形で競技を開始した。
試合はGB競技独特のリンク戦形式とし、ベテラン勢以外は試合進行上必要最小限のルールのみ適用。各チーム3試合をこなし、その総合成績で順位を競った。ベテラン勢はリーダーとなり、子どもや現役世代に親身な技術指導をしつつ、勝つための戦略を組み立ててチームをけん引し、競技の醍醐味(だいごみ)を初心者勢にアピールした。
賞品が充実しているのもこの大会の特色。今回は1から4位まで準備。参加者全員が表彰の喜びをも含めた一連の大会の流れを体験する形で、GB競技に親しみ併せて世代を超えた交流も楽しんだ。
(2017年3月23日付紙面より)
今月末に一定の方向性 (新宮市 )
平成28年度第3回新宮市子ども・子育て会議(齋藤廣志会長、20人)が21日、市教育委員会であった。平成30年度から三佐木地区での開園を目指している「認定こども園」について当局は、今月末に一定の方向性が示せると説明した。
市は来年度で市立三輪崎幼稚園を廃園し、民間の三輪崎保育園と白梅保育園にこども園へ移行してもらいたい考えだ。両園は保育士の確保や新しい取り組みへの不安から結論を出していないが、今月末には返答する予定。市は31年度からの開園や保育所型認定こども園への移行も保育園側に提案している。
両園がこども園に移行しないと結論を出した場合、市は市立佐野保育所を幼保連携型認定こども園にする考えだ。
委員から「31年度からのこども園オープンとなった場合、三輪崎幼稚園はどうするのか」と質問があり、当局は幼稚園の継続や旧市内の幼稚園へのバス送迎を含め検討していかねばならないと回答した。
齋藤会長は、この会議でこども園の必要性についての結論が出る前に話が進んでいってしまったと述べ、市としての将来展望が示されていないと指摘した。
本年度4月に設置されたファミリー・サポート・センターについて当局は、平成29年2月現在、サポート会員36人、利用会員67人で、稼働数は1カ月平均60人と報告した。
(2017年3月23日付紙面より)
もみじ会が3月月例杯
新宮弓友会3月例射会
那智勝浦町球友会第1回大会
19日に一般内覧会 (新宮市 )
新宮市は19日(日)午前11時から、同市春日で完成した新庁舎の内覧会を開催する。新庁舎のコンセプトは▽市民を守るための安全・安心な庁舎▽わかりやすく親しまれる▽ユニバーサルデザインに配慮▽地球環境にやさしく、経済的▽議会活動を推進する場―の五つ。午後3時まで見学できる。
鉄筋コンクリート造の地上7階建て。延床面積は6823・94平方㍍。海抜8・1㍍の土地で、南海トラフの3連動地震では津波が到達しないと想定されている。震度6強に耐えられる免震構造を採用。有事には災害対策本部となるため、防災情報システムや情報通信設備を整備しているほか、アルファ米など約1万食、毛布2000枚などを備蓄している。
木材をふんだんに使用した議場は、見やすく、聞きやすく、出入りしやすい傍聴席を設置。本会議の様子をモニター中継したり、インターネット配信したりするなど、市民が気軽に傍聴できる仕組みを構築した。
空調負荷の低減のため地中熱設備を導入。地下に貯留した雨水を利用し、植栽への散水やトイレ洗浄水として利用する。窓口には車いすに対応したローカウンター、1階にはオストメイト対応の多目的トイレを設置。広い空間や周囲の騒音が大きい場所でも遠く離れたところからの声や音を聴き取ることができる磁気誘導ループシステムも導入している。
落成式は同日午前10時から。仮庁舎、第2別館、センタービル内の部署は27日(月)から、第4別館や教育委員会内の部署は4月10日(月)から新庁舎で業務を開始する。
(2017年3月16日付紙面より)
和歌山大学が記念講演 (新宮市 )
平成29年度「南紀熊野サテライト」の開講に先立ち、受講生募集説明会が11日、新宮信用金庫本店であった。和歌山大学南紀熊野サテライト連携協議会が主催。幅広い年代の約30人が参加し、熱心に聴き入っていた=写真。
「学の地域ステーション」「地域の知の拠点」として平成17年に田辺市で開講。大学院、学部の開放科目、公開講座などがあり、新宮市では6月から開かれる。科目は「熊野郷土学」。熊野の地質地形などの自然環境から、地域の独自性や多様性について学び、産業・地域経営を考える。記念講演では、久富邦彦教授(教育学部)が、講座の場を提供する同信用金庫に感謝の言葉を述べ、授業概要を説明した。これまでの研究で東牟婁には思い入れがあるという久富教授は、「地質の独自性、見どころを見つけ出し、観光資源として使うことが主目的」と話した。同大学教育研究アドバイザーの杉山幹夫さんからは、地域情報を画像や地図を使って自由に書き込めるフリーウエア「ローカルウィキ」、「オープンストリートマップ」(無料)の紹介と具体的な使用方法などの解説があった。誰でも参加できるローカルウィキは和歌山県の利用が盛んだという。杉山さんは地域の住民で作る情報は、災害時にも役立つ可能性が高いと話し「新宮リージョン(地域・地方)は、まだありません。ぜひ立ち上げてください。熊野郷土学で学んだこと、町の小さな情報、お年寄りから聞いた話、なんでも自由に書き込んで」と呼び掛けた。
近畿大学付属新宮高校3年生の川嶋紀子さんは「看護学部に興味があったので参加した。(ローカルウィキは)小さな情報でも書き込めると聞き、やってみたいと思った」と話していた。
(2017年3月16日付紙面より)
ぼたん荘で18日から提供 ( )
全国ご当地バーガーグランプリ2016で優勝し話題になっている「里山のジビエバーガー」の古座川町版が18日(土)から、同町月野瀬の南紀月の瀬温泉ぼたん荘で提供されることになった。若干アレンジを加えているが、内容はオリジナルとほぼ共通。東牟婁地方では初の常時販売の拠点となる。
「里山のジビエバーガー」は同町と株式会社カワ(パン工房カワ)=本社・広川町=が共同開発した、同町産鹿肉「古座川清流鹿」を72%含むパティを使ったハンバーガーで、昨年7月23日から同社工房店舗で販売されている。
東牟婁地方には同社工房店舗がないが同町や近隣のイベントで単発的に出張販売され、日本一の名声が追い風となって毎回長蛇の列ができ即完売の盛況を見せている。パティ供給元の同町鳥獣食肉処理加工施設を運営する古座川ふるさと振興公社へも「町内で常に食べられるようにしてほしい」という声が多数寄せられていて、その期待に応えて同公社が運営する同荘が提供を始めるに至った。
古座川町版はご当地色をさらに高めるため、オリジナルで使われている三宝柑マヨネーズソースを同荘特製ユズソースに変更。十六穀と紀州備長炭を練り込んだバンズのみ同社から仕入れ、その他の具材は同荘で調理してほぼレシピ通りに「里山のジビエバーガー」を再現し提供する。
メニューは単品(税込み500円)とユズジュースとのセット(同800円)の2種類。レストラン業務の隙間時間で調理するため一日最大20個、基本毎日午前11時~午後5時の限定販売としていて、館内飲食のほか単品のみ持ち帰り希望に応えるが事前の予約は受け付けないという。
販売を始めるにあたり土井勉支配人は「声は地元が大半だが、ぼたん荘は観光案内所でもあり立ち寄る観光客の足もついている。地元内外を問わずいろいろな人に食べてもらい、古座川を感じてほしい。たくさん作れず申し訳ないが、イベントなどの地域振興に協力する時にはカワさんとも相談し(オリジナルと古座川町版を)提供できるよう考えたい」と話した。
(2017年3月16日付紙面より)
キナンの角口会長が講話 (南紀くろしお商工会太地支部 )
南紀くろしお商工会太地支部(藤木一史支部長)は14日、太地町公民館で講演会「町民の人たちに豊かな人生のひとときを!!」を開いた。一般に向けて、人を育てることを目的に企画した。株式会社キナンの角口賀敏会長が来場者90人に経験をもとにした企業運営のコツを語った。
「熊野の地にこだわりを持っている。地域のためになる企業を目指してやっていきたい」と話す角口会長。サービス業では、顧客の目線でニーズを先取りし、ひとつの計画を徹底的に実行する力が大切だと説いた。過去のビジネスモデルはあてにせず、自分のスタイルを築き、課題や問題は現場で見えてくると教えた。
地域の極端な人口減少にも着目し、「人がいないと商売人は困る」と述べ、もう一度来たくなる店舗作りを勧めた。
講演後には、藤木支部長と40年以上の付き合いがあり、県外でも活躍するビートルズのコピーバンド「John Lemon&His Friends」のライブが開かれた。
(2017年3月16日付紙面より)
管内11分団の総合訓練 (新宮市消防本部 )
新宮市消防本部は5日、新宮港緑地で総合訓練を実施した。署員団員らは、訓練を通して防火意識を高めた。
訓練は総務省消防庁が掲げる平成29年春季全国火災予防運動に伴って行われている。署員32人と新宮市・熊野川町11分団の団員152人が参加した。
訓練内容はポンプ車と水槽の水を用いた放水訓練と礼式、資機材の確認。2グループに分けて行われた。放水訓練ではスモークが立ち上る地点まで団員が走ってホースを運び、海にめがけて水のアーチを掛けた。
訓練前のあいさつで田岡実千年市長は「南海トラフ地震はいつ起きてもおかしくない。昨年に糸井川で発生した大火災も他人事ではなく、こうした訓練で備えなければならない。市としても、装備の充実を図りたい。今後も地域防災のリーダーとしての活躍を」と団員らの奮起を促した。
(2017年3月9日付紙面より)
保健センターで乳がん講座 (新宮市 )
新宮市保健センターで4日、乳がん講演会「乳がんの早期発見のために今できる事~あなたとあなたの大切な人のために~」が開かれ、約40人が聴講した。講師は南和歌山医療センターの乳腺外科医・清水幸生さんが務めた。
近年、乳がんの死亡率と罹患(りかん)率は共に増える傾向にあるが、5年生存率は比較的高く、早期発見できれば治癒する可能性が約90%と高い。
清水さんは乳がんの発生率が高い部位(乳首の上から脇の下にかけての外上領域)、症状(しこり、乳頭異常分泌、炎症、無症状)、治療方法、病期ステージ、乳がんのリスク要因を説明した。リスク要因としては、遺伝、肥満、アルコール、喫煙、糖尿病、脂肪分の多い食事などを紹介した。病期ステージが1では手術と放射線の局所治療で治癒できる可能性が高く、ステージ2と3では抗がん剤などの全身治療が必要になり、ステージ4では治癒しないことから、早期発見の重要性を強調した。
講演の後は保健師による乳房の自己触診方法の説明があった。乳がん検診は2年に1回の受診が必要といわれているが、新宮市では年1回受けることができる。
受講した市内の女性(73)は、「自己触診方法は知っていたけど実践していなかった。今日の説明を聞いてちゃんとやろうと思った」と話していた。
(2017年3月9日付紙面より)
3シーズン活用開始に向け (串本町観光協会 )
串本町観光協会(島野利之会長)は8日、橋杭海水浴場の「防砂ネット」を撤去した。
同協会は29年度から、春~秋のマリンアクティビティーと夏の海水浴で同浴場の3シーズン活用に乗り出す。その記念すべき初日として今月20日(月・祝)午前11時~午後4時には開幕イベント「橋杭ビーチオープンフェスタ」(後述)も開く計画で、きめ細やかな砂が冬場の風で舞い上がるのを防ぐため毎冬設置している「防砂ネット」を例年より1カ月早く撤去することを決めた。
撤去作業には島野会長ら協会関係者ら9人が参加。手分けして約5㍍間隔で張られた長さ約10㍍、高さ約1㍍のプラスチック製減風減塵ネットを鉄杭から外し、砂に埋もれた部分を引き出して回収。併せて鉄杭も引き抜いて自然な状態の砂浜に戻した。
マリンアクティビティーは20日から営業を始める園地内店舗「ビーチハウスラパン」でスタンドアップパドルボード(SUP)やシーカヤック、フィッシングカヤックをレンタルし同浴場内で楽しんでもらう内容。同店は午前9時~午後5時営業で、小休憩がてら浜に親しめるよう軽飲食も提供する。定休日は水曜日としている。
まもなく始まる3シーズン活用について島野会長は「この場所を町内のアウトドア拠点とし、併せてまちの情報発信の場とする。まずは20日のイベントを大勢の皆さんに楽しんでいただき、春~秋に楽しめる橋杭海水浴場をPRしてもらえるよう頑張りたい」と意気込みを語った。
海水浴期間は従来通り7月1日~8月31日とする予定で、前後はマリンアクティビティーでの活用となる。問い合わせは串本町観光協会(電話0735・62・3171)まで。
(2017年3月9日付紙面より)
新宮市高田地区福祉委員会(葛薮髙盛委員長)と高田公民館(竹内伸生分館長)は2月26日、区内でクリーンキャンペーンを実施した。地域住民約60人が参加し、道沿いの溝に落ちた空き缶や弁当の容器などを拾った=写真。
高田の美しい自然を守ろうと始まり3年目。ゴミ袋と火ばしを手にした親子連れらが各地区に分かれてゴミを集めた。約2時間の活動後、高田交流センターに集合した参加者たちに豚汁とおにぎりが振る舞われた。
葛薮委員長は「参加者は年々増えています。おかげさまでゴミの量も年々減ってきました」と感謝した。
(2017年3月9日付紙面より)
春季紀南社会人卓球大会
第40回和歌山県リーグ決勝大会
県内公立高校で卒業式
和歌山県内の公立高校で1日、卒業式があった。本紙エリアでは新宮、新翔、串本古座高校串本校舎、古座校舎で行われ、卒業生たちはそれぞれの目標に向け新たな一歩を踏み出した。
県立新宮高校(畑伸憲校長)では240人が卒業。畑校長は「高く、大きな目標を掲げ、たゆむことなく地道に、学び続ける人生を歩んでほしい」とし、「常にふるさとを思い続ける人であって」と呼び掛けた。
在校生代表の藏本梨奈さん(2年)は「一つ一つのつながりをずっと大切に。新宮で培った日々の思い出を新生活の糧や心の支えに、それぞれの道を自分らしく前向きに歩んでいってください」と送辞。
卒業生代表の漁野理子さんは「校訓である『質実剛健』の精神を忘れず、前に進んでいきます。高校生活で得た変わることのない友情と、経験したこと、学んだことの全てを糧に、さらなる飛躍を遂げることを目指していきます」と答辞を述べた。
県立新翔高校(永石和校長)では137人が卒業した。永石校長は「皆さんは母校に誇りを持ち、伝統の重みをかみしめ、未来へつないでいく責任があります。後に続く後輩が人生の先輩として慕い、あこがれ、目標とする存在になってくれることを期待します」と式辞。在校生代表の黒木緩奈さん(2年)は「先輩方が残してくれた歴史と伝統を受け継ぎ、新たな百年に向かって進んでいきたい。新翔高校をますます誇れる学校にしていくことを誓います」と送辞。
卒業生の木田泰洋君は詩人・谷川俊太郎さんの『卒業証書』を挙げ「人が自分に何かをしてくれるのを待ったり、期待するのではなく、何が自分にできるかを考えながら、一歩ずつ前に進んでいきます」と述べ、感謝を語った。
(2017年3月2日付紙面より)
那智勝浦町の地方創生総合戦略
人口減少や少子高齢化に歯止めをかける国の地方創生の政策に関連した地方版総合戦略「那智勝浦町まち・ひと・しごと創生総合戦略」の改訂を協議する有識者会議が2月28日、同町役場会議室で開かれ、昨年12月議会で可決した「にぎわい拠点施設整備事業」を総合戦略に盛り込んだ。3月定例町議会に提出し、承認を求める。
この事業は現在の勝浦漁港にぎわい広場(勝浦地方卸売市場第5売場)を建て替え、最大28店舗が出店できるテナント部分、マグロの解体が見学できるスペースなどを設ける。事業費は約1億2300万円。国の「地方創生拠点整備交付金」を活用するために、総合戦略の改訂が必要になった。国の補助は6000万円。「地域振興、観光の機能向上による施設の充実」の項目に追加した。当初の計画では観光関係は生鮮マグロ水揚げをアピールする「キッチンカー」の導入を予定していたが、昨年の3月議会で否決された。
にぎわい広場は現在、7店舗が日曜午前中のみ開店している。新施設は通年営業とし、店舗数も増やす。補助金への申請のため、目標値を年間総売上額は平成27年度の1300万円から32年度に約2億7000万円、施設利用者は1万400人から約10万9500人に設定している。
協議では、「施設を建てるだけでなく、町内に観光客を呼び込むソフト事業が必要」「仕掛けとしてはよいが、運営をうまくやらないと観光客が集まらない」などの意見が出た。町は市場が繁忙期を迎える12月までに新施設を整備し、併せて運営体制などを早急に協議していく。
町の総合戦略は昨年3月に策定した。平成27年度から31年度までの5年間を期間とし、人口減対策に安定した雇用をつくる、新しい人の流れをつくるなどの目標を設定している。
(2017年3月2日付紙面より)
県立串本古座高校(愛須貴志校長)は1日、卒業証書授与式を挙行した。串本校舎(森裕教頭)は98人(男子45人女子53人)、古座校舎(左近晴久教頭)は39人(男子18人女子21人)の生徒が巣立ちの時を迎え、同校が掲げる「進取創造」の精神を胸にそれぞれの次なる人生のステージへと羽ばたいた。
串本校舎は午前9時に第一体育館で同式を開いた。拍手を受けて入場した卒業生はクラスごとに点呼を受け、代表生徒を立てて卒業証書を受領。愛須校長は生涯の学び、出会いと感謝、そして自分をそれぞれ大切にし「人生は長く少しずつしか歩めない。逆境に負けずしたたかに、今のあなただからこそできることをし、達成感を積み上げてほしい」と述べ、卒業生の前途を期した。
県教委や県知事、育友会や同窓会の祝辞に続き、在校生を代表して山﨑将一朗くん(2年)は「思い出を心の財産にし、皆さんが活躍し健康であることを願う」と送辞。卒業生を代表して前田香菜さん(3年)は仲間や先生、家族らとの18年来の思い出と支えに感謝し「これからも夢に向かって歩む。壁にあたることもあるだろうけれど、進取創造の精神で臨み、いつか生まれ育ったこの地に貢献できる人を目指したい」と答辞とした。
(2017年3月2日付紙面より)
熊野川舟下り今季始動
川の参詣道として世界遺産に登録されている「熊野川」を巡る川舟下りの定期乗合便が1日から始まった。平安衣装の女性らを乗せた第一便がホラ貝の合図で新宮市熊野川町田長の河原から出航した=写真。本年度の外国人乗客はすでに昨年度を上回っている。
外国人乗客は、集計を開始した平成26年度512人だったが、27年度は1055人と倍増。本年度は2月末で1225人。多いのはアメリカ、オーストラリアで、その他スペイン、ドイツ、香港などとなっている。
川舟下り事業は平成17年9月にスタート。最も乗客が多かったのは19年度の5670人。紀伊半島大水害で9月から翌年3月末まで休航した23年度が2426人と最も少なく、その後2千人台が続いていたが、26年度3243人、27年度3932人と徐々に回復してきている。本年度は2月末現在で3553人。
今季運航開始式では、主催者を代表して一般財団法人熊野川町ふれあい公社の伊藤順司代表理事が「安全第一に取り組んでまいります」。来賓の田岡実千年市長が「大変有意義な取り組み。今シーズンも無事運航できることを祈念しております」とあいさつした。
大水害で田長の道の駅隣にあった熊野川川舟センターは流失。現在、開会中の市議会3月定例会に再建の議案が提出されている。
(2017年3月2日付紙面より)