神倉神社御燈祭り翌日祭 (新宮市 )
新宮市の神倉神社で7日、宗教法人飛竜山「神州院」(平見順孝住職)=同市横町=の御燈祭り奉祝翌日祭、大峯秘法「採燈大護摩供火生三昧(火渡り)」があった。今年で30年目を迎え、境内には大勢の信者らが参列し、炎に向かって一心に心願成就を祈った。
厳粛な雰囲気の中、行者たちが「ほら貝」「弓矢」「剣」などを使った神事を営んだ後、境内に組んだ護摩壇に御燈祭りで使うたいまつで火を放ち、燃え盛る炎に向かって経を唱え、信者たちの願いが書き込まれた護摩木を投げ入れた。
行者らが護摩壇を崩して壇木を境内に敷き詰めた炭の上に並べ、火渡りの行を準備。田代順佳副住職が渡り終えた後、行者らをはじめ、参列していた熊野速玉大社の上野顯宮司、猪飼三雄・神倉神社奉賛会長、中山忠吏・神倉青年団長らが渡った。参列していた信者や一般客も次々と渡り、身を清めた。
平見住職は「いろんな思いがあり、昨年よりも今年、今年よりも来年と前に向いて進んでいかなければならない。多くの人がお参りしてくれ、大護摩も定着してきたようでありがたい」。
京都府から訪れた細川周平さん(62)は「御燈に上るのは4回目でしたが火渡りは初めて。すごく崇高な気持ちで、いろいろなことをお祈りしました」と話していた。
(2017年2月9日付紙面より)
薬剤師会によるフェスタ (那智勝浦町 )
那智勝浦町天満の福祉健康センターで5日、(一社)和歌山県薬剤師会(稲葉眞也会長)と新宮薬剤師会(櫻田ゆかり会長)共催の「健康フェスタ」が開かれた。各種体験、相談コーナーを設け、住民の健康意識を高めた。
同フェスタは薬剤師会が持つ健康情報を発信し、病気に負けない体づくりを勧めるとともに地域住民の健康に対する意識を強めることを目的に年1回取り組まれている。新宮市から串本町までの会員が参加しており、来場者の薬剤や病気、薬局に関する相談を受ける。
「調剤体験コーナー」では、子どもたちが自動錠剤散剤分包機を使って砕いたラムネやチョコを分包した。蛍光剤で汚れの落ち具合を確認する「手洗い体験コーナー」、「電子おくすり手帳体験」、健康食品や介護食の試飲試食などもあり、来場者は薬剤や健康への理解を深めた。
講演会もあり、町立温泉病院の山本康久院長が「認知症に人(と・に)できること~貴方が認知症にならないために~」と題して講話した。認知症は物忘れを自覚できないなど特徴があり、治療法が研究途上であると説明。本人と家族が穏やかで心地よく生活するために早期の発見と受診、介入が必要と話した。
那智勝浦町にあるなごみ薬局の薬剤師・小林仁さんは「健康ってなぁに?」をテーマに講話。健康は体の状態だけでなく、心と生活のバランスも重要だと説いた。
稲葉会長は「薬局はかつて町の科学者と呼ばれて地域住民からさまざまな相談を受けたが、今では薬の受け渡しが主で地域とのつながりが薄れている。このフェスタで、薬局は気軽に来られるという印象を持っていただけたら」と話した。
町内から6歳と4歳の娘と来た女性(37)は「調剤体験に、子どもたちが喜んでいた。手洗い体験も汚れがきれいに落ちたので、今後はしっかり手洗いを習慣づけたい」と話した。
(2017年2月9日付紙面より)
今年は桑島美穂さんが奉仕 (「水門祭」に向け )
串本町大島にある水門(みなと)神社社務所で7日夜、例祭「水門祭」で奉仕する商人役の稽古があった。務めるのは北組の桑島美穂さん(54)で、例祭の重役や過去の経験者ら27人の前で演技を披露して助言や励ましを受けるなどした。
商人役は苗我島から戻る当船を出迎える祭典諸役の一人。大島港へ向かう祭典諸役の行列の最後尾で高らかに口上を述べて競りを繰り広げ、往時の栄華を物語る和装の稚児らと並んで活気に満ち溢れた大島を表現する。
稽古はその年の商人役の度胸付けを兼ねて一度だけ営まれている。この日は稲田賢区長をはじめとする例祭の重役や過去の商人役ら27人がうたげに興じて本番さながらの雰囲気を作り出し、経験者の模範演技に続いて桑島さんも演技を披露した。
桑島さんは同神社祭礼「おみくじ祭」で人選されて以降、祭りに関わる中で見てきた商人役の姿を思い出しながら自分の演技を練ってきた。商人役を務めるのは初めてで「稽古は今日一日だけだが、諸先輩からたくさんの指導と励ましをいただけた。商人は水門祭を楽しく終えるための大事な役者。精いっぱい皆を楽しませる演技をしたい」と気持ちを高めていた。
例祭「水門祭」は11日(土・祝)に本祭を迎える。苗我島から戻る当船を迎える行事「ツルの儀」は午後2時30分ごろに大島港の「お山」一帯で営まれる。桑島さんはその直前の行列の最後尾で、化粧などをし扇子とそろばんを手に持って演技に臨む。
(2017年2月9日付紙面より)
講座や展示で楽しく知る
熊野歴史研究会は6日、新宮市教育委員会と共催し、市立神倉小学校体育館で「御燈祭りを学ぶ集い」を開いた。来場者らは御燈祭りに関する講話に耳を傾けた。
集いは祭りの国重要無形民俗文化財指定1周年を記念して実施。同小の山本眞也校長は昨年秋に映画監督の宮崎駿さんが体育館を訪れたときのことを紹介した。
熊野歴史研究会の山本殖生事務局長は「御燈祭りの由来とねらい」、県教育庁文化遺産課の蘇理剛志さんは「御燈祭りを支える人たち」の演題でそれぞれ講話した。
会場には木造建築の紹介写真、宮崎監督が同校に宛てた手紙や当時の記事などが飾られた。写真家の山本まりこさんらが来場し、山本さんが撮影した熊野詣写真作品も展示された。
(2017年2月9日付紙面より)
県高校サッカー新人大会
第3回南紀フレンドマッチin新宮