新年度の一般会計当初予算案 (新宮市 )
新宮市は22日、総額346億9296万9000円(前年度比6・1%減)の2017年度当初予算案を発表した。一般会計は159億6871万2000円と過去最高だった前年度に比べ12・5%の大幅減となった。28日(火)開会の市議会3月定例会に提出する。
市税収入は、固定資産税が土地評価の下落があるものの、新築による家屋や償却資産の増により、0・1%増。軽自動車税が税制改革による重課税分等の増により1・1%増を見込む一方、市民税が法人市民税の税率改定等の影響から0・9%減を見込むなど、総額では0・4%の減少を見込んでいる。
地方消費税交付金は、地方財政計画および本年度交付見込額を踏まえ、前年度比4000万円減の5億4000万円と見込んでいる。繰入金のうち、基金繰入金は特に新宮城跡・新宮城下町遺跡発掘調査事業に熊野川関連施設整備基金を繰り入れたことなどにより、1億7498万1000円増の8億918万1000円となった。
市債は、合併特例事業債が整備最終年度となる庁舎建設事業や復興祈念公園整備事業の事業費減に伴い、54・3%減の15億6490万円。歳入の構成比率は自主財源29・0%、依存財源71・0%となっている。
投資的経費は、橋本隣保館・児童館の施設改修や耐震性貯水槽の設置などが増となる一方、整備最終年度となる庁舎建設事業や復興祈念公園整備事業、日足避難路設置工事の事業費減などで44・6%減となっている。
義務的経費は、新陳代謝による職員給料などの減と特別職給与の削減などにより人件費が1・7%減。扶助費は子ども医療費の助成拡充で増となるものの低所得高齢者に対する臨時福祉給付金などの減により5・8%減。
物件費は新宮城・新宮城下町遺跡における発掘調査関連業務などが増となるもののクリーンセンター関連委託料や空き家対策事業における空き家実態調査業務委託料の減などにより0・9%減。
▽子ども医療費助成事業(7245万7000円)来年度8月から、小学生・中学生の通院分まで助成を拡充する。
▽熊野川川舟センター等整備事業(3200万円)紀伊半島大水害で被災し、熊野川総合開発センター内に移した川舟センターを元の道の駅「瀞峡街道熊野川」に戻し、情報発信・地域連携機能を付加する。
▽放課後児童クラブ施設移転改修事業(3100万円)老朽化している井の沢放課後児童クラブを新庁舎に移る新宮市教育委員会の跡地に移転する。
▽王子避難路整備事業(834万円)王子地区住民が津波一時避難施設の王子ヶ浜小学校に向かう通路を避難路として一部拡幅する。来年度は整備に向けて測量、設計などを行う。
(2017年2月23日付紙面より)
移動スーパー「とくし丸」出発 (JAみくまの )
JAみくまの(村上幸弘組合長)と那智勝浦町(寺本眞一町長)は21日、Aコープなち店で移動購買事業「移動スーパーとくし丸」の出発式を開いた。買い物難民対策と見守り活動に、訪問契約を結んだ約120軒を毎週巡回する。
同事業は、2012年に創業した徳島県の株式会社「とくし丸」(住友達也代表取締役)が買い物難民対策に地域スーパーと提携して全国に展開している。販売員が利用者と直接顔を合わせて交流することが魅力の一つ。事業を始めるにあたって、必ず当該自治体や警察などと地域見守り活動協定を結んでいる。JAみくまのとは和歌山県内で4番目の提携となり、6日には同町と見守り活動協定を締結した。
みくまの管内では那智勝浦町と太地町を範囲に、3コースを週2回、1回でおよそ35軒を訪問する。1カ所あたり15分ほど滞在。Aコープで売られている商品300品目が取り扱われ、契約者以外の住民も購入できる。
軽トラック「とくし丸」は、JAみくまので200台目となる。荷台は冷蔵庫になっており、巡回中はテーマソングが流れる。近い将来にもう1台トラックを導入する予定だ。
出発式で村上組合長は「数年前から検討してやっと走らせることになった。とくし丸を一つの糧にして、見守り隊を発揮できれば。管内をくまなく回れるようにしたい」と喜んだ。
寺本町長は「町には買い物に不便な地域があり、年間2、3件お年寄りの孤独死も発生していることから協定を結んだ。安心して住める町づくりがわれわれの使命。より多くの人にとくし丸を利用していただけたら」と普及を願った。
テープカット後、とくし丸はAコープをたち、那智勝浦町下里区高芝で最初の販売を開始した。販売員がスーパーを設営すると、トラック周辺は地区住民でにぎわいを見せた。
利用者の一人、同地区在住の上野くり枝さん(83)は「橋の向こうのスーパーまで行くのは大変。こうして近くに来ていただいてとても助かります」と話した。
住友代表は「人に頼る商売なので、地域に溶け込んでお客さんからどう信頼を得るかがポイント。『売りすぎない、捨てさせない』をモットーに販売し、あらゆるサービスの窓口になりたい」と方向性を語った。
(2017年2月23日付紙面より)
外国語版公式パンフ作成 (串本町 )
串本町はこのほど、外国語版の同町公式パンフレットを作成し配布を始めた。英語、中国語(繁体語)、トルコ語の3種類があり、串本町観光協会や古座観光協会などで入手できる。
このパンフレットはA4判フルカラー8ページ(表紙と裏表紙を含む)構成で、作成数は英語版が5000部、中国語版とトルコ語版は各2500部。同町公式パンフレット「南紀串本」のダイジェスト的内容で、同町樫野の国際交流史や関係施設、体験型観光や食文化、主要イベントや宿泊施設、都市圏からの交通手段など観光の基軸になる情報を中心に盛り込んでいる。
同町地域おこし協力隊隊員のトルコ人女性アイシェギュル・アルカンさんも協力して同町コミュニティバスの利用方法や日本の宿泊マナー、常用会話を随所で伝えているほか、翻訳は業者が担当したがトルコ語版は日本語が堪能なアルカンさんが数回ほど校閲し、いっそうトルコ人に伝わりやすく仕上げた。
同町は以前にも外国語版の公式リーフレットを作成した経緯があるが、年月を経て盛り込んだ情報が古くなり在庫もほぼなくなりつつあったため、平成27年度予算で新たに作成することにした。トルコ語版については日本トルコ友好発祥地として特に念を入れ時間をかけて完成させ、3種類がそろった昨年末から順次両協会や道の駅くしもと橋杭岩、潮風の休憩所で配布しているという。
担当した同町産業課は「部数がそれほど多くないので、必要とする外国の皆さんに割り当てられるよう配布場所で内容を確かめる程度で見てもらえると助かる」と話している。
(2017年2月23日付紙面より)
県の事業活用した授業受け (新翔高校 )
新宮市佐野の県立新翔高校(永石和校長)で21日、介護職員初任者研修修了証書授与式があった。3年生4人が永石校長から修了証などを受け取った。
同校では介護の担い手不足解消を目指し、本年度から介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級課程)の資格が取得できる授業を始めている。和歌山県の介護人材確保対策事業を活用し、テキスト代や講師料は全額補助。市社会福祉協議会(向井一雄会長)が講師の派遣などで全面的に協力してきた。
授業は3年生の選択科目で、介護福祉基礎と介護総合演習を履修。週に5時間の授業があり、年間130時間になる。夏休みや冬休みには補習を受けた。来年は12人が受講を希望している。
介護職関係の就職が決まっている大江綾佳さん(18)は「勉強がいっぱいで大変でした」。福祉系に進む松田華純さん(18)は祖母が曽祖母の介護をしていたことがきっかけで目指し始めた。「難しいのでこれからも働きながら勉強し、スキルを上げて助けられるようになりたい。他の生徒には習えないことを習えて良かった。授業を通し4人の仲が深まりました」と話す。
木村美希さん(18)は「うれしいです。実習を通して高齢者の気持ちなどを体験できて良かった」と述べ、来年度に授業を受ける生徒らに対し「休まず楽しく受けてほしい」と呼び掛けた。
前川良輔君(18)は「週に5時間の授業があり、休むと資格が取得できないので気を付けました」と話し、無事資格が取れたことを喜んだ。
授業を担当した太田泉教諭は「授業が始まった4月に比べ、今の子どもたちは対応する力などが身に付き、すごく変化があった。楽しかったです」。
修了式では永石校長が事業の趣旨を紹介し「来年は受講する生徒が12人になる。取り組みを続けていければと思う。第一期生の皆さんには頑張ってもらえれば」。社協の田中信秀常務理事は「みんなの笑顔がいい。資格取得は先生も社協もうれしいです」。
奥西誠人事務局長が「自信を持っていろいろと取り組んでいってほしい。介護職だけでなくいろんな分野で役立つ。失敗を恐れず頑張って」。長期社会体験研修中で社協職員として勤める同校教諭の丸山健太さんも「資格を持っていることを自信に、しっかりと頑張ってもらえれば」と激励した。
(2017年2月23日付紙面より)
ゴルフ愛好家グループ「もみじ会」
又新ソフトテニスクラブ「寿大会」
県下小学生バレー新人大会地方予選
次の目標は旅館として復活
三重、奈良、和歌山の三県にまたがる景勝地、「瀞峡」の絶壁に建つ十津川村神下の「瀞ホテル本館」がこのほど、県指定文化財になった。4代目経営者の東達也さん(35)=新宮市在住=は「文化財にすることは一つの目標でしたのでとてもうれしいです。しっかりと保存していき、将来的には旅館として復活させることができれば」と話している。
瀞ホテル本館は木造2階建て、一部3階建て、一部地階付。建築面積は167・1平方㍍。1917(大正6)年に達也さんの曽祖父がもともとあった建物を改修し、北山川のいかだ師の宿場「あずまや」として創業。その後、「招仙閣(しょうせんかく)」と改名。昭和に入ってから、周辺地域が吉野熊野国立公園に指定され、「瀞ホテル」に再改名した。
2011年9月の紀伊半島大水害で被災し、風呂と台所が入っていた別棟(本館下)が流失したため、宿泊ができなくなっている。現在は本館を改修して台所を設置し、食堂・喫茶店として営業している。
古くから瀞峡観光に貢献し、今では景色の一部となっている瀞ホテル。今年は創業100周年を記念したイベントを企画している。東さんは「まずは風呂を復活させて、泊まれるようにしたいです。あせらずに取り組んでいきたい」と話した。
冬の営業は土、日曜日の午前11時30分から。4月からは水、木曜日以外は午前11時30分から営業している。
(2017年2月12日付紙面より)
チャリティーコンサート寄付金で (新宮市 )
新宮市神倉のカトリック新宮教会で昨年7月に開催された「第2回ネパール地震チャリティーコンサート」の寄付金でネパールの小学校に図書室が設置されることになった。演奏したバイオリニストの中島慎子(なかじま・ちかこ)さんは「遠いネパールの小学校で、子どもたちが1冊の本を読んだことから新しい夢を広げることもあるかもしれません」と感謝している。
図書室が設置されるのは、パルパ県ガルダ郡サルブラージュ村のビジェイ小学校(生徒65人)。現地で支援活動を続けている「OKバジ」こと垣見一雅(かきみ・かずまさ)さんが間に入り、寄付金を渡した。
同小学校は、12年前に日本が支援して4教室の建物を建設。図書室として活用できる部屋があったことから、寄付金は本や棚、テーブルなどの購入費に充てた。
垣見さんは中島さん宛てに書いた手紙の中で「どうぞ、この図書館を皆さんのお力でこのあたりのモデルLibraryにしてください。資金援助はもちろんありがたいのですが、知恵、アイデアを貸してください。第一歩を踏み出すことが皆さんのご協力ででき、子どもたちだけでなく村人たちも大喜びです。図書が入りましたら見に行き、ご報告いたしますので、しばらくお待ちください。ご協力ありがとうございました」と述べている。
父が新宮で育ったという中島さんは「できれば何十年後。垣見さんや私たちがいなくなった後にも、ネパールの小学校でこの図書室プロジェクトが立派に続いているような、しっかりした活動に育てていきたいです。日本各地、もしくは海外であっても、このようなネパール支援のチャリティーコンサートを企画してみたい、もしくは会場は提供できます、などの提案は大歓迎でお待ち申し上げます」と話している。
(2017年2月12日付紙面より)
漁協に感謝の花贈る (宇久井保育所 )
那智勝浦町立宇久井保育所(八木隆子所長)の5歳児25人が10日、宇久井漁業協同組合(亀井睦弘組合長)を訪問し、寄付のお礼を伝えた。
組合では代々地域との関係を築いてきている。今回の寄付も「日頃お世話になっている地域に貢献したい」という組合員の総意から行われ、昨年6月に小太鼓とバチ、鍵盤ハーモニカ8台、知育玩具を同園に贈った。
園児たちは「みんなで大切に使います」と感謝を述べると、手紙と牛乳パックで作ったペン立て、保育所で育てた花をプレゼントした。
亀井組合長(71)は照れながらもお礼を述べ、「風邪をひかないよう気をつけて。みんなで楽しく遊んで」と話した。
(2017年2月12日付紙面より)
神倉神社で紀元祭
「建国記念の日」の11日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で「紀元祭」が営まれた。同大社役員や神倉神社奉賛会役員、飛竜山神州院の平見順孝住職らが参列し、国の繁栄などを祈った。
2月11日は1872(明治5)年に初代天皇とされる神武天皇が即位した日として「紀元節」となっていた。第2次世界大戦後に廃止され、1966(昭和41)年の祝日法改正で「建国記念の日」として復活した。
この日の神事では、祝詞奏上に続いて、みこが「浦安の舞」を奉納。鈴払いの儀の後、参列者たちが神前に玉串を供え、「雲にそびゆる高千穂の」で始まる『紀元節』の歌を斉唱した。
同神社には皇室の祖神・天照大神(あまてらすおおみかみ)と建国の功臣・高倉下命(たかくらじのみこと)が祭られている。『神武天皇紀』(日本書紀)には、紀元前3年6月に狭野(さの)を越えて「熊野神邑(くまのみわのむら)に到り、旦(すなわち)天磐盾(あまのいわたて)に登りて」と記されており、この天磐盾が神倉山と言われている。
(2017年2月12日付紙面より)