老朽化改善望む声 (新宮市 )
新宮市新宮にある、和歌山県で唯一の食肉処理施設「新宮市食肉処理場」が供用開始から48年を経過し、施設の老朽化が懸念されている。施設利用業者は市に対して、大規模改修を含めた抜本的な改善を求めており、市は県に改修や修繕の必要性を訴え続けている。
同施設は、1974年7月に供用を開始。以降、冷蔵庫増設や配水管移設工事、汚水処理施設脱水機増設工事などの大規模改修工事を行っており、2015年には汚水排水処理施設改修を実施した。ほか、施設内床の整備や浄化槽設備内ポンプ修繕など、必要箇所の改修や修繕に随時対応している。施設の運営は市の特別会計で賄われており、本年度は約1766万円が計上されている。
国からHACCP(ハサップ=※)の導入が求められる中、品質、衛生管理の向上に向けた取り組みも重要視されている。長年の要望活動が実り、県はHACCP対応の推進を目的に、令和5年度までを期限として令和3年度から畜産施設衛生管理強化支援事業補助金を交付。来年度には供用開始以降、一度も交換できていなかった分離機の交換など設備面の改善を行っていく予定としているが、市単独での維持、管理運営は依然として厳しい状況が続いている。
同施設では現在、御坊市から三重県熊野市までの8社が利用している。仮に同施設が閉鎖した場合には大阪府や三重県松阪市まで牛を運搬する必要があり、畜産農家や食肉業社に費用面などで大きな負担を強いることにより和歌山県特産の黒毛和種「熊野牛」の値段高騰を招く恐れもある。
市では「熊野牛推進のためにも施設は存続していかないといけない」とし、引き続き県に対して継続的な支援を要望していくとしている。
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※HACCP=食中毒汚染や異物混入などの危害要因(ハザード)を把握し、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、危害要因の除去および低減のため、重要な工程を管理し安全性を確保する衛生管理の手法。
(2022年6月30日付紙面より)
那智の扇祭り関係者らが協議会 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)社務所で28日、7月14日に営まれる例大祭「那智の扇祭り(火祭)」に向け、「令和4年例大祭斎行に関する協議会」が開かれた。今年は人数制限や斎行時間の変更はあるが、3年ぶりに諸祭儀が例年通り執り行われる。
協議会は扇祭りを安全、円滑に執り行うため、毎年開かれている。協議会には、保存会役員、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)、新宮警察署、交通指導員協議会、消防本部、消防団、奉仕者らが出席。
斎行概要や警備、救護、参列者受け付けなどについて確認した後、新型コロナウイルス感染症などの対策、直会(なおらい)の中止、駐車場の確保、交通整理について協議した。
祭り当日は那智山の那智黒亭みむろの駐車場が満車になる午前10時から正午ごろまで一般車両の車両整理を行う。臨時駐車場の大門坂駐車場から、熊野交通がシャトルバスを運行する。午前10時20分より滝前駐車場の使用を中止し、大型バス含む一般車両の駐車および車両の出入りも禁止となる。
午前10時40分から午前11時、正午から午後0時30分までの時間帯は扇神輿(みこし)の渡御ならびに還御が執り行われるため、滝前駐車場での全ての車両に関して駐停車および車両の出入りは厳禁となっている。
別宮域の一部には南紀勝浦温泉旅館組合が特別拝観席を100席設ける。また、お瀧本での諸行事などはライブ配信される予定。
男成宮司は「2年間、お祭りの縮小が余儀なくされた。今年は3年ぶりに扇神輿と大たいまつを全て繰り出し、感染症対策に努めながら斎行する。例年通りとはいかないが、別宮にお参りの方にも見ていただける。お祭りは五穀豊穣(ほうじょう)を祈願するが、疫病退散や氏子崇敬者の発展、世界平和を祈りたい」と話した。
扇指奉仕者は、市野々氏子中に加え、南紀くろしお商工会青年部、南紀勝浦温泉旅館組合、紀州勝浦漁業協同組合、熊野第一交通株式会社・那智ねぼけ堂、熊野御坊南海バス㈱・熊野観光開発㈱、JAみくまの農業協同組合。
組頭顧問は松本太一さんで、組頭は片山徹さん、地庵晋司さん、裏敏行さん、山田智也さんの4人が務める。
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■当日のスケジュール
14日の例大祭当日は午前9時から本殿で、本社大前の儀を営み、終了後に御田植式を行う。続いて、10時10分より渡御祭を斎行。扇神輿12体、大たいまつ12本、子の使い、馬扇が出立する。
11時30分に別宮大前の儀を営み、御田刈式、那瀑(なばく)の舞を終えて還幸。午後0時30分に本社還御祭を実施し、同50分には終了予定。
(2022年6月30日付紙面より)
アカウミガメ、熊野川河口に (紀宝町鵜殿 )
紀宝町鵜殿の熊野川河口付近で28日、4年ぶりにアカウミガメの上陸が確認された。2カ所で上陸跡も見つかり、町ウミガメ公園で保護監視員の萩野進也代表は「これまで上陸がなかった場所なので、これからの調査地に追加したい。町内の上陸第1号でうれしく思う。今後の産卵に期待したい」と話していた。
28日早朝、釣りをしていた人が上陸するウミガメを発見し、同町役場に連絡した。職員とウミガメ公園の飼育員・伊藤柊也さんが調査したところ、2カ所のうち1カ所で産卵のために掘った穴を確認した。
紀宝町は1988年に「ウミガメ保護条例」を制定し、上陸・産卵シーズンに保護監視員が保護活動を続けている。今年は1日から開始し、7月末まで毎日パトロールする。
調査を開始した88年には37匹が上陸、20匹が産卵。その後、ほぼ毎年、確認されてきたが、2013年以降、上陸数が減り、18年に1匹が産卵して以来、上陸がなかった。
伊藤さんは「今回確認された2カ所は同じ個体と思われるが、産卵はなかった。ウミガメは失敗しても数日後、近辺に再度産卵に来る可能性が高いのでは」と話している。
(2022年6月30日付紙面より)
7月から介護医療院を設置 (くしもと町立病院 )
くしもと町立病院(竹村司・病院事業管理者、阪本繁院長)が7月から、院内に介護医療院〈Ⅰ型〉を設置する。自治体病院としては県内初設置で、竹村管理者は「病院が目指す形の一つになると考える」と自負する。
介護医療院は、長期療養が必要な要介護者に日常生活上の支援も含めて提供する施設。同病院は今後の増加が見込まれる慢性期の医療・介護ニーズに対応するため、医療スタッフ配置による重度の医学管理や看取(みと)り期のターミナルケアに対応可能な介護医療院〈Ⅰ型〉を7月1日付で設置する。
現行の療養病床40床のうち16床を廃止して規模10床の介護医療院〈Ⅰ形〉に転換するとし、10床の利用を満たした状態で運営を始める。阪本院長は要介護1~5で日常的に重度の医学管理を必要とするが在宅ではサービスを得難い町民に生活をしてもらう場と位置付け、開設後も地域に潜在しているニーズを探り規模の増強や受け入れ幅の拡張(町外対応)などを検討するとしている。
竹村管理者は4年余り地域と向き合う中で医療と介護のシームレス化が求められる実情を感じ、そのために同病院は医療だけでなく介護にも関わらなければならないと思い至り介護医療院〈Ⅰ型〉の設置を目指した、といきさつを語る。
介護医療院〈Ⅰ型〉は4階病棟の一角に設置。仕切りでプライバシーを確保する多床室〈2床〉4室と個室2室があり、老健施設相当以上の生活の場(1床当たり15平方㍍)を提供する。利用者とスタッフ双方に安全安心な介護実現のため、ノーリフティングケアを取り入れている点も特色。当面の入所対象とする町民には同病院広報誌「うみつばめ」第16号(令和4年6月号)などで紹介済み。入所の検討や自宅介護で困っていることなどの相談は入所相談担当(介護支援専門員)に尋ねてほしいとしている。
問い合わせは同担当(電話0735・62・7111〈代表番号から呼び出し〉)まで。
(2022年6月30日付紙面より)
海上自衛隊呉音楽隊「ふれあいコンサート」 (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で26日、海上自衛隊呉音楽隊(指揮者=真道友樹・音楽隊長1等海尉)による「ふれあいコンサート」があった。約600人の来場者を迫力ある演奏で魅了した。
市と市教育委員会が主催した同施設オープニングイヤー事業(後期)の一環。新宮防衛協会共催、同音楽隊と自衛隊和歌山地方協力本部が協力した。開催に向けて鑑賞希望者を募ったところ、1048通(2972人)の応募が寄せられ倍率は約5倍に。和歌山地方協力本部新宮地域事務所が抽選を行い、応募者の中から601人が鑑賞の機会に恵まれた。
同音楽隊は1956年に発足。76年5月に呉地方総監直轄部隊として正式に編制が認められた。▽士気高揚のため▽儀式▽広報のため―の音楽演奏を主な任務としており、自衛隊と国民の架け橋となり、愛される音楽隊を目指して日々演奏活動を行っている。
広島県内をはじめ、近畿や中国、四国地方などの広い範囲を担当するほか、海上自衛隊が初任幹部の教育ならびに国際親善を図るため実施している遠洋練習航海にも毎年隊員を派出。世界各国の寄港地で言語を超えた交流を展開している。
開演に先立ち、田岡実千年市長が「多くの市民、周辺市町村の方々から応募があった。呉音楽隊は世界各国の寄港地を訪問されている、自衛隊でも最高峰の音楽隊。私も皆さんと一緒に、普段聞くことのできない素晴らしい演奏を楽しみたい」とあいさつ。開催に当たって関係者らの尽力に感謝を伝えた。
コンサートは、旭日旗(自衛艦旗)を掲げて航行する護衛艦の勇姿と、艦上で迎える朝の美しさを表現した「艦上の旭日」で華々しく幕開け。「熊蜂の飛行」や「吹奏楽のための第1組曲」、「カントリーロード」「鉄腕アトム」など、クラシックの名曲や吹奏楽曲、ドラマ主題歌、アニメ挿入歌、アンコール合わせて13曲を披露。観客が手拍子で音楽隊と共演する一幕もあり、大盛況のうちに幕を下ろした。
「丹鶴ホール」入り口付近では、和歌山地方協力本部による串本分屯基地の紹介などがパネルで紹介されたほか、軽装甲機動車などの展示もあった。
(2022年6月28日付紙面より)
NPO法人「七彩会」 (太地町 )
NPO法人「七彩(なないろ)会」は26日、那智勝浦町市屋の太地町地域福祉センター梛(なぎ)で初となるフリーマーケットを開催した。三重県や新宮・東牟婁地域から集まった出店者の各ブース20店舗には多くの来場客が訪れ、終始にぎわいをみせた。
フリーマーケットはコロナ禍で催しが少ない中、多くの人々が楽しく、気軽に集まれる機会の創出を目的に開催。1年前から計画されていたが、新型コロナウイルスの影響で開催が延期となっていたという。
この日、職員らはしっかりと感染症対策に取り組み、来場客にも協力を呼びかけた。オープン前から約50人の来場客が待つほど盛況で、雑貨やアクセサリー、花食器、子ども服、服、菓子などの出店に加え、メダカすくいや己書などの体験ブースも人気だった。
フリーマーケットの責任者である同法人の漁野祐子さんは「募集時は出店者さまが集まるのか、開催はできるのかと不安だった。しかし、多くの出店やたくさんのお客さまでにぎわい、本当にありがたい。今回の課題を見つけ、参考にしながら次回の開催につなげていきたい」と語った。
新宮市から訪れ、買い物を楽しんでいた50代女性は「活気があってうれしい。ほしい物が手に入った。そろそろ、こういった催しが、次々と各地域で実施されても良いのではと思います」と話していた。
(2022年6月28日付紙面より)
中央公民館で児童館七夕会 (古座川町 )
古座川町高池にある中央公民館で25日に児童館七夕会があり、子ども42人や送迎の保護者が参加して一足早く雰囲気を楽しんだ。
町内の小学生以下を対象にした風物詩行事で平年は当日受け付けの集会として開いているが、前年度に続いて本年度も感染症予防を考慮し事前申し込み制で各企画を順番に巡ってもらう形を計画。前年度にはなかった宝釣りゲームやフォトスポットといった新規企画を加えて内容を充実しつつ、参加を呼びかけた。
子どもらはあらかじめ家庭で作った飾りや願い事を書いた短冊を持って午前10時~11時に時間差で参加し、高さ約4㍍で切り出したササに結び付け新規要素を楽しみつつひこ星役や織り姫役から七夕セットや菓子が詰まったプレゼントをもらった。
短冊には勉強や今頑張っていることの上達、憧れている人との出会い、家族の幸せなどさまざまな願いが書かれていて、飾り付けた後のササは7月7日の笹流しまで館内展示するという。
会場飾りの手作りなど準備に尽力した子育て支援センターの加藤雅美保育士(児童館事業兼務)は「今もコロナ禍で外出する機会が以前より少ないと思う。家族や友達との楽しい思い出になれば」と願い、会場での短冊作りやササへの飾り付けを後押しした。
(2022年6月28日付紙面より)
セレモニーホールなちで人形供養 (那智勝浦町 )
みくまの農業協同組合(JAみくまの、漆畑繁生代表理事組合長)は26日、3年ぶりとなる「人形・ぬいぐるみ供養祭」を那智勝浦町川関のセレモニーホールなちで営んだ。新型コロナウイルスの影響で2年間中止となっており、今年で11回目。ひな人形や市松人形、こけしやぬいぐるみなどが持ち寄られ、参列者たちは心を込めて人形を供養した。
同組合は「農」と「食」と「地域」を守るという理念の下、さまざまな活動に取り組んでおり、供養祭もその一環。思い出の詰まった人形を捨てるのが忍びないという人に向け、ホールを開設後、コロナ禍までは毎年開催してきた。
この日は300人以上が約5000体の人形を持ち寄った。供養式では新宮市佐野の南珠寺の伊藤秀幸(しゅうこう)住職が「人形に対して、これまでの感謝の気持ちを持って、ご焼香お願いします」とあいさつ。読経が行われる中、参列した約70人が順に焼香して手を合わせた。
同町在住の50代男性は「妻のひな人形を持ってきました。こちらで供養祭をやっていただけるのは本当に助かります」。
新宮市在住の80代女性は「コロナで久しぶりだからか、多くのお人形さんが持ち寄られたのだと思う。大切にしていたので情や気持ちも入るので、自分では処分できない。ありがたいです」と語った。
ホールの塚文和センター長は「3年ぶりのため、お待ちいただいた方や問い合わせされる方も多かった。供養祭にご参加いただきありがたい。コロナ禍や何か事情がない限りは今後も継続していきたいと思います」と語った。
(2022年6月28日付紙面より)
全国高校野球選手権和歌山大会
第73回紀南中学校大会 (県バレーボール協会東牟婁支部 )
プロジェクトチームが発足
新宮市佐野の県立新翔高校(藤田勝範校長)では、本年度から「新翔プロジェクトチーム」が発足。学校の垣根を越えた地域交流やボランティア活動に向けて、新たな一歩を踏み出した。
昨年度末から構想を練り、新翔特別教育プログラムとして本年度から始動した。▽高校生と地域の大人が連携・協働してまちの課題や魅力アップを考える▽多世代交流を通して、地域課題解決型学習を実現▽学校で学んだことを地域(学校外)で生かす―を目的に校内で参加を募ったところ、14人が希望した。
発足してまだ日が浅いため、数回程度しか打ち合わせができていないというが、現在活動に向けて「新翔生お貸しします!」などと書かれたポスターを制作中。新宮警察署より委嘱を受けた「自転車マナーアップ推進リーダー」の活動をはじめとした、各種ボランティア活動や地域貢献活動に向け「活動部屋」で意見交換に熱を込める。
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これまで、イベントやボランティアの開催ごとに参加有志を募っていた同校。窓口の一本化を図る目的でプロジェクトチームを新設した。「地域はマナーやルールを実践する場で、コミュニケーション能力、ボランティア精神を伸ばしていく場。地域の大人と関わる中で、生徒たちの成長を感じた」と藤田校長。「これまで受け身だったが、地域で何ができるかを考えたり、自主的に地域に関わったりしていけたら。地域を盛り上げるための発想が生徒から生まれてきたら最高ですね」と思いを語る。
「新しいことに挑戦したい」と参加を決めたのは、プロジェクトチームリーダーの中村美優さん(3年)。「初めてのプロジェクトだし、高校生活最後の年なのでいい機会だと思った。子どもが好きなので読み聞かせにも挑戦したい」。
鈴木希羅厘さん(同)と松本海優さん(同)は「中村さんに引っ張られて参加した」としながらも「海岸清掃したい」「自分たちで何か作ってフリーマーケットを開いて地域交流したい」と構想を聞かせてくれた。
地域防災活動や新翔ブランドのお菓子の考案などの商品開発も視野に入れている。顧問の宮井貴浩教頭は「まだ始まったばかり。新たな取り組みを活発にやっていきたい。生徒から新しい提案をしていけたら」と期待を寄せる。
中村さんは「これから入ってくる後輩のために、新翔の歴史に残るようなチームにしていきたい。このチームがあるから新翔に入りたい、そんな活動ができたら」と前を向いた。
プロジェクトチームでは「力仕事や幼稚園児・保育園児・小学生などへの読み聞かせなどに、私たち新翔プロジェクトチームが駆け付けます! 手伝えることがありましたらよろしくお願いします」と呼びかけている。
問い合わせは同校(電話0735・31・7087)の宮井教頭まで。
(2022年6月25日付紙面より)
消防本部が啓発活動 (那智勝浦町 )
那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は22日、那智勝浦町天満のAコープなち店で熱中症予防を呼びかける啓発活動を実施した。職員4人が、買い物客らに熱中症予防啓発冊子などを配布して注意喚起を行った。
気象条件が変わりやすく、気温の変化が大きいなどの理由から、近年増加傾向にある熱中症。消防庁の発表によると、先月1日から今月19日までの間で、すでに全国で5479人が熱中症により救急搬送されており、昨年同時期より683人増となっている。
屋外だけではなく室内における発生も増えており、全国の救急搬送のうち436人(32・6%)が住居で熱中症になったという。
同町では2019年が12人、20年が10人、昨年が6人、今年4月現在で2人が熱中症の疑いで搬送されている。
関谷善文消防署長は「熱中症は暑い環境の中で体温調節ができずに目まいや頭痛、意識障害などさまざまな症状を起こす疾患。運動だけでなく、室内でも起きるため注意してほしい」。
体調に異変を感じた際については「我慢せずに救急車を呼んでください。普段から小まめな水分、塩分を含んだミネラルなどの補給を心がけていただけたら」と話した。
この日の啓発では職員が買い物客に丁寧に声かけを行い、啓発物資を手渡して注意を呼びかけていた。
(2022年6月25日付紙面より)
和歌山東漁業協同組合に (新宮税務署 )
新宮税務署の山端克明(やまばな・よしあき)署長が23日、適正な申告納税の推進に努める和歌山東漁業協同組合(𠮷田俊久代表理事組合長)に感謝状を贈り取り組みを奨励した。
同組合は5月31日、同署管内でも先駆けて適正申告・キャッシュレス納付推進を宣言。その旨を伝える懸垂幕を串本本所地内から地域に向けて掲げつつ、宣言に基づく実動を始めている。
同署によると県内最大規模となる組合員数約1700人を誇る同組合の実動が他の組合や周辺地域にもたらす波及効果も大いに期待されるところで、この功績は前述した署長感謝対象事項において顕著だとして感謝状を贈るに至った。
この日は山端署長が串本町串本にある同組合串本本所を訪ねて𠮷田組合長へ感謝状を贈り、懇談を織り交ぜて互いの思いを確かめ合ったという。
この感謝状は▽適正な申告納税の推進▽納税道義の高揚▽税務行政の円滑な運営―など税務行政への多大な貢献が認められる取り組みを対象に贈呈。同町内では2017年度に校長会へ働きかけて町立小中学校全校が租税教室に参加する状況をつくり出した町教育委員会が翌18年に納税道義高揚の貢献で贈呈を受けた経緯があり、その時点から数えて今回は約3年7カ月ぶりの誉れとなっている。
(2022年6月25日付紙面より)
U15アジアレスリング選手権大会 (新宮市 )
新宮市、市教育委員会、市体育協会は24日、市庁舎にマナマ(バーレーン)で開催される「2022年U15アジアレスリング選手権大会」の男子フリースタイル48㌔級に日本代表として出場する山本情輔(じょうすけ)君(緑丘中3年)の活躍を願い、応援懸垂幕を掲げた。
山本君は3歳から競技を始め、新宮ジュニアレスリングクラブに所属。昨年11月に駒沢オリンピック公園総合運動場屋内競技場(東京都)で行われた「令和3年度東京都知事杯第12回全国中学選抜レスリング選手権大会」の同階級で4位入賞を果たし、選考基準を満たして日本代表に選ばれた。
20日には新宮市役所を表敬訪問し、田岡実千年市長から「世界大会出場は私たちにとっても楽しみ。支えてくれた大勢の人たちに感謝し、試合に臨んでほしい」と激励を受けていた。
(2022年6月25日付紙面より)
市野々小が現場体験学習 (那智勝浦町 )
国土交通省近畿地方整備局紀伊山系砂防事務所は20日、那智勝浦町の「那智川本川上流帯工(左岸)他工事」の現場に同町立市野々小学校(中西健校長)の児童を招き、砂防工事についての現場体験学習を実施した。全校児童29人がミニショベルカーの操作や砂防えん堤への石積みを体験し、土砂災害からまちを守る仕事に触れた。
紀伊半島大水害(2011年)において土石流などで大きな被害を受けた那智川流域では、現在までに8支川に15基の砂防えん堤の建設が完了。那智川本川上流帯工(左岸)他工事は井筒建設株式会社が施工し、発生した土石流の流れを緩和して堆積させる遊砂地の造成などを行っている。
学習には同事務所那智勝浦監督官詰所・建設専門官の追鳥裕樹さんや井筒建設の瀬古幸信さんらが協力。追鳥さんは現在進んでいる砂防工事の意義を解説し、「砂防施設は造って終わりではなく、たまった土砂をショベルカーなどで運び出す作業が必要。今日は、皆さんにその工事をしてもらいます」と説明。児童は重さ1㌧弱のミニショベルカーに乗り込み、プールに浮かぶゴムボールを土砂に見立てて運び出していった。
3~6年生の体験では、県内有数の観光地である那智川流域の景観を保全するため、砂防えん堤などに職人が一つ一つ手作業で石積みを施していることを説明。井筒建設の職員が製作した模型に石を貼り付け、その構造を学んだ。
大谷英吉君(1年)は「ショベルカーを動かしてボールがいっぱい取れたのが楽しかった。またやりたい」。米川愛琉(あいる)さん(4年)は「ショベルカーが動いているのを見たことはあるけれど、動かしたのは初めて。楽しかった」と話していた。
(2022年6月21日付紙面より)
太地小4年が福祉学習
太地町立太地小学校(海野文宏校長)で16日、福祉学習があった。4年生20人が美熊野福祉会事務局長の橋上慶一さんと同福祉会利用者で全盲の溝本和彦さんから視覚障害を持つ人の見え方や生活などについて教わった。
同校は町社会福祉協議会(岡本研会長)によって「福祉教育推進校」に指定にされている。学習は、児童がさまざまな人の立場や人生を体験することで、自分たちに何ができるのかを考えて福祉への学びを深めることを目的に行われている。この日は同協議会や民生委員、地域包括支援センターなどの職員も来校した。
冒頭で岡本会長は「これから皆さんが、どのように成長してくれるかと思い企画しています。今日、学んでもらうことを忘れず今後に生かしてもらいたいと思います」とあいさつした。
橋上さんと溝本さんは子どもたちを前に「見えない人のことを知ろう」をテーマに講話。視覚障害の症状には▽全く見えない▽物が半分しか見えない▽望遠鏡を通しているようにしか見えない―など、人によって違いがあると説明。生活の中でさまざまな状況を把握しているとし「私たちと同じように毎日を安心して暮らし、いろんな場所に行って楽しんだりする権利があります。みんなが思いやりの心を持って、お互いに助け合うことを忘れてはいけません」と述べた。
橋上さんは溝本さんの日常生活を交えながら白杖や盲導犬、点字ブロック、音響信号機、ガイドヘルパーの重要性を語った。その後、児童は溝本さんの手を引いて声をかけながら4年生の教室や階段の上り下りの誘導を実践。アイマスクを着用し全盲の体験や点字学習にも取り組んだ。
授業を終え、筋師令那(すじし・れな)さんは「アイマスクを着けて目が見えない体験をして怖かったけど、少しでも気持ちが知れてよかった。これから困っている人を見かけたら進んで手伝いができるようになりたいと思った」。
海野校長は「幼い頃から福祉を学習することによって障害を持った方が、どのような生活や困り事、上手な活動しているかを知る貴重な経験になると思います。授業を通じて困っている人に自然とサポートができる思いやりのある大人に成長していってもらえれば」と話していた。
(2022年6月21日付紙面より)
潮岬分団第3部器具置場開所 (串本町消防団 )
串本町潮岬、望楼の芝西端の道向かいで17日、串本町消防団潮岬分団(稲田賢団長、芝山克分団長)の第3部器具置場の開所式があった。
住民の高台移転に伴い世帯数が急増傾向にある同分団管内。同分団はとりわけ新築住宅が増えている芝古地地区の消防力強化を目的として第3部の新設(増設)へと動き出し、団本部経由でその思いを知った町も潮岬地区財産区所有地の無償貸与を受けて器具置場を新設し可搬式小型動力ポンプ軽積載車を配備。互いに出動可能な状況を整えて、この日の開所式へとこぎ着けた。
同分団からは芝山分団長以下6人が代表出席。田嶋勝正町長は「この施設で防災力も高まると思う。潮岬分団の皆さん方におかれては、地域の皆さん方の安全安心のため尽力いただくことを心からお願いしたい」と述べて器具置場と車両の鍵を託し、芝山分団長は「潮岬区民、並びに広めては串本町民の生命と財産を守るため大切に活用していきたい」と応えて預かった。
来賓の町議会・鈴木幸夫議長と潮岬地区・西敏幸代表区長が見届け、立ち会った稲田団長は「芝山分団長を中心に、潮岬の区民方が安心して暮らせるよう警戒に当たってほしい」と述べて団員を鼓舞し、併せて土地を提供している同財産区への感謝も掲げた。
器具置場は木造平屋で延べ床面積は24・8平方㍍。配置する器具などの屋外整備を想定し前面に5㍍せり出すコンクリート舗装が付帯するが、詰め所となる待機室はなく形状としては倉庫となっている。
(2022年6月21日付紙面より)
丹鶴幼で火災避難訓練 (新宮市 )
新宮市立丹鶴幼稚園(尾﨑卓子園長、園児39人)で17日、火災避難訓練が行われた。園児らは避難経路をたどり防災への意識を高めた。
同園では定期的に火災や地震、不審者などの各訓練を実施し、日頃から防災・防犯意識を高めている。
この日は、職員室から火災が発生したと想定。午前10時30分ごろに放送が流れると、子どもたちは教職員の指示に従って避難を開始し、手を口と鼻に当て、落ち着いて近隣にある市保健センター隣の花壇・タウンガーデンへと逃げた。
尾﨑園長は「今日は皆さん、上手に逃げることができました」と講評。「絶対に火事が起きないということはなく、おうちでも発生することもあるかもしれません。その時は訓練したことを忘れず、安全に避難しましょうね」と呼びかけていた。
(2022年6月21日付紙面より)
文化審議会が文科大臣に答申 (新宮市 )
国の文化審議会(佐藤信会長)は17日、文化審議会文化財分科会の審議・議決を経て、文部科学大臣に新宮市下本町の「新宮下本町遺跡」(指定予定面積5796・37平方㍍)を国史跡に新規指定するよう答申する。官報告示を経て正式に登録される予定。市内では2003年に新宮城跡附水野家墓所が指定を受けて以降19年ぶりとなる。
国指定史跡は、文化財保護法または文化財保護条例によって歴史上、学術上価値の高いものとして指定された遺跡。現在、全国で1872件が指定されている。市では新宮城跡附水野家墓所のほか、熊野三山(熊野速玉大社他)、熊野参詣道中辺路・伊勢路(新宮市他)、大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)(同)が史跡指定を受けている。
「新宮下本町遺跡」は、熊野川の河口から約2㌔、史跡新宮城跡の西麗の熊野川に面した自然堤防上に立地する中世の港湾関係遺跡。新宮は太平洋航路における重要な港湾としても知られ、平安時代末期以降、主に熊野三山による太平洋航路を利用した各地との交流・交易の記録が残る。
このたびの答申を受け、田岡実千年市長は同遺跡の調査を指導した調査委員会委員や国、県の関係者らの尽力に感謝。
「貴重な文化財を後世に保存・継承する責任の重さを改めて感じている。同遺跡は、丹鶴ホールの敷地で発見された中世の港に関係する重要な遺跡で、市ではその性格や価値の解明を目的として調査に取り組んできた。今後も市民の皆さまのご理解とご協力のもと、保存・管理に努めるとともに地域の宝として活用していきたい」。
速水盛康教育長は「丹鶴ホールの建設に先立ち、同遺跡の発掘調査を実施したが中世の地下式倉庫など港町に関係する貴重な遺構が見つかった。遺跡の保存と施設の建設の両立を目指し、施設設計の変更を行うなどして事業を進めてきた。今回の答申により、取り組みが実を結んだことに安堵(あんど)するとともに、遺跡を保存・継承していくことについて責任を感じている。今後も遺跡の保存に努めるとともに、多くの皆さまにその価値を享受いただけるよう活用していきたい」とコメントを出している。
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■新宮下本町遺跡
2015年以降の市教育委員会による発掘調査によって、12世紀後葉から16世紀中ごろにかけての港湾に深く関係すると考えられる遺跡が確認された。
遺跡は14世紀末ごろから15世紀にかけて最盛期を迎え、熊野川に面した自然堤防の斜面地を石垣に用いて段状に造成した面から地下式倉庫群や鍛冶遺構が検出されるとともに、それに直交して石段を伴う通路が設けられている。また、この時期には出土遺物から交易範囲の拡大が想定されるなど、港湾都市として機能したことが分かる。
同遺跡は中世以降、太平洋航路の重要な拠点であった新宮における港湾や海を介した交流の実態を知る上で重要なだけでなく、中世の海上交通と宗教勢力との関係、平安時代末ごろ以降から全国へ信仰が拡大する熊野三山の経済基盤などについて考える上でも重要となる。
(2022年6月19日付紙面より)
子育て環境充実の一助に (那智勝浦町 )
那智勝浦町は今年4月から、分娩施設を退院した産後1年未満の母子に、助産師ら看護職が中心となって専門的な身体ケアやサポートを行う「産後ケア事業」を拡充させた。町子育て世代包括支援センターへの取材を基に、以後の利用動向を追った。
産後ケア事業とは、母子とその家族が健やかな育児ができるよう、助産師らが▽母親の体調管理やカウンセリング▽母乳育児に関する相談や乳房ケア▽新生児・乳児の状況に応じた育児相談▽育児に必要な社会的資源の紹介―などを行うもの。
2019年に公布された改正母子保健法において、産後ケア事業実施が市町村の努力義務として法定化され、新宮・東牟婁地域でも昨年度までに全市町村が事業化。那智勝浦町では19年度に事業化したものの、20、21年度の利用実績は0回と、活用が進んでいなかった。
この状況を受け、今年4月からは「家族等から育児支援が受けられない」という利用条件を緩和し、1歳未満の子を育てる保護者全員を対象に。従来の母乳相談事業も廃止・統合し、母乳育児に関する相談も同事業で対応する。また、外出が難しい利用者のため居宅訪問型も利用できるよう改善し、利用料金も従来の1回2400円から800円に引き下げた。
6月11日現在の本年度の利用者は8人(通所〈デイサービス〉型9回、訪問〈アウトリーチ〉型1回)と、短期間で利用者増につながっていることがうかがえる。
同センターの保健師は「ぜひ多くの方に利用していただき、子育て環境の充実につなげていきたい」と話し、今後も妊娠届や出生届の提出などで来庁した保護者らへ積極的に周知を図っていくとしている。
近隣市町村の昨年度の利用実績を調べると、新宮市51人(通所型148回、訪問型4回)、串本町7人(通所型12回、宿泊型2回)、古座川町4人(通所型11回)、太地町0人、北山村0人、紀宝町0人。出生数や料金、利用可能回数、母乳相談を統合して運用しているか否かという違いを考慮しても、大きくばらつきがある状況で、今後も動向を追っていく。
(2022年6月19日付紙面より)
非戦、平和願い遠松忌 (新宮市 )
新宮市大橋通の淨泉寺(山口範之住職)で18日、真宗大谷派主催の「遠松忌(えんしょうき)法要」が営まれた。参列した関係者らが雨の中、非戦・平和を唱え、差別と闘った同寺12代住職・高木顕明(けんみょう)師(1864~1914年)の遺徳をしのんだ。
「前(さき)を訪(とぶら)う 今、この時代に聞く非戦・平等の願い」をテーマに毎年営まれている法要。1998(平成10)年に滋賀県大津市の本證寺で有志らが第1回を営み、翌年から新宮市で開かれている。今年25回目で、2000(平成12)年から同派が主催している。
関係者らは、市内の南谷墓地にある顕明師顕彰碑での勤行後、淨泉寺本堂での法要に参列。法要の様子は、動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信された。
顕明師は新宮出身の医師・大石誠之助(1867~1911年)らと共に非戦、平和を唱えて活動していたが、明治天皇暗殺を企てたとして1910(明治43)年に連座(「大逆事件」)。死刑判決に処されたが後に無期懲役となった。
事件を受け、同派から除籍の処分を付された顕明師は、無念の中、14(大正3)年6月24日に秋田監獄で自ら命を絶った。96(平成8)年に同派から処分が取り消され、名誉が回復されている。
同所の顕彰碑には顕明師の著作「余が社会主義」の一節「南無阿弥陀仏は真に御仏の救済の声である。闇夜の光明である。絶対的平等の保護である」が刻まれている。
(2022年6月19日付紙面より)
アジサイをささげ祭典 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で14日、「紫陽花(あじさい)祭」が営まれた。アジサイを神前にささげて自然の恵みへの感謝をささげるとともに、梅雨時の無病息災を願った。
境内の紫陽花園でも花盛りを迎えるころであるこの日に、毎年実施されている。今年は風雨ともに強い悪天候の中で行われた。祭典が行われた拝殿では、神職がおはらいの後、神前にアジサイを供え、男成宮司が祝詞を奏上。アジサイの小枝を手にした巫女(みこ)が、神楽「豊栄(とよさか)の舞」を奉納した。
同様の神事は、別宮の飛瀧(ひろう)神社でも営まれた。また同大社のちょうず鉢には、たくさんのアジサイが浮かべられ、竹筒にも生けられていた。コロナ禍以前は茶席も設けられ、参拝者にお茶と菓子が振る舞われていたが、それは今回もなかった。
男成宮司(68)は、新型コロナウイルスの感染状況は落ち着きつつあるが収束には至っていないこと、ロシアのウクライナ侵攻など世情は厳しいことなどに言及。「アジサイを供え、皆さんが健やかでますます栄えるよう、祈らせていただいた」と話した。
1カ月後に控えた例大祭「那智の扇祭り(火祭)」についても「今年は通常通り、扇神輿(みこし)や大たいまつも出る。感染対策を行いつつだが、別宮(那智の滝前)は外なので、拝観者も入ってもらえる。拝観者と共に、五穀豊穣(ほうじょう)や新型コロナ収束を祈りたい」と述べた。
(2022年6月16日付紙面より)
ケアマネが集い研修 (新宮市 )
新宮市地域包括支援センターの主催による、第2回新宮市ケアマネジャー支援会議が14日、新宮市役所別館であった。ケアマネジャー(ケアマネ・介護支援専門員)の約30人が参加、講演などを通して知識を深めた。
新宮市民で介護保険の要支援者を担当している、新宮市から熊野市までの事業所に所属するケアマネが参加対象となった。新宮市の生活支援コーディネーターの福島圭さんが「新宮市での生活支援コーディネーター活動について」と題して説明を行ったほか、公益財団法人さわやか福祉財団さわやかインストラクターの高林稔さんが「生活支援コーディネーターの役割を知ろう! ~今 助け合いの地域づくりが求められています~」を演題に講話した。
高林さんは長寿社会における「人生100歳時代」について「二幕目の人生は、健康、運動、社会参加が大事」と説明。少子高齢化についても、人口推計のグラフを基に、働ける世代が減っていること、少人数で高齢者を支える「肩車型」の社会へと進んでいることを示した。「高齢者も支えられるだけでなく、できる範囲でできることを。高齢者でも働ける人は働き、支え手を増やす努力が必要に」と述べた。
地域包括ケアシステムについて「住み慣れた地域で、医療、介護、助け合いの切れ目のない支援を行う取り組み」と紹介。「目指すのは、住み慣れた地域で、自分らしく安心して暮らし続けること」と伝えた。
助け合いの重要性や、つながりや信頼関係の構築の方法にも言及。生活支援コーディネーターと連携し、地域ケア会議も活用して、利用者の自立した生活を目指すべきと力を込めた。
(2022年6月16日付紙面より)
串本中2年対象に手話講座 (串本町 )
串本町立串本中学校(濱﨑和司校長)の2年生39人を対象にした手話講座が13日にあり、生徒らが聴覚障害者の実像や求められる接し方を知る機会を持った。
町は2019年12月に手話言語条例を制定。その趣旨に基づき前年度から町立小中学校を対象としたこの講座を出張実施するようになり、本年度は同日現在で串本中と潮岬中の各2年生が別日に講師派遣を受けて受講する計画となっている。
串本中は先んじての開講で、東牟婁新宮聴覚障害者協会会員の須川陽一さんと美熊野福祉会の手話通訳者・大代聖子さんが講師として来校。須川さんは生まれつき聞こえない自身の生い立ちや生活の様子を伝えて生徒の聴覚障害者への理解を促し、「耳が聞こえないだけで、ほかはみんなと一緒」としてみんなと同じ生活をしていくために生活上の支障をなくする工夫を積み上げていることなどを紹介した。
聞こえないことで受ける差別をなくしたい、という思いも掲げ、今までにどのようなことに困ったか、その時にどのような支援がほしかったかも説明。聞こえないことが周囲に気付いてもらいにくいことも課題だと考えて作ったコミュニケーションツール「防災バンダナ」を紹介するなどして障害者差別解消法が社会に求める合理的配慮の義務がどのような発想に基づくかを示し、目指す社会への筋道をつけた。
後半は聴覚障害者とのコミュニケーション手段として手話以外に空書、筆談、口話、身ぶりがあり、さらに相手の表情から言葉が帯びる感情を見て取ることなどにも触れて「伝える気持ちを大切にして接してほしい」という思いを生徒に託すなどした。
受講した生徒の一人、荒木陽芽花(ひめか)さんは「手話だけでなく他の手段でも会話ができるという話が勉強になった。手話は覚えたいし、覚えきれなくてもしっかりと相手の反応を見て接していきたいという気持ちになった」と感想を話した。
潮岬中は27日(月)に受講予定となっている。
(2022年6月16日付紙面より)
国交省が導入地域の募集開始
国土交通省は4月、地方版図柄入りナンバープレートの導入地域と、新たな地域名表示(ご当地ナンバー)の導入を伴う図柄の募集を開始した。既存の地域表示名または都道府県の全域を単位とする図柄については2023年10月ごろ、新たな地域名表示を単位とする図柄については25年5月ごろに交付を開始する予定だ。
「ご当地ナンバー」は、国土交通省が自動車のナンバープレートに表示する地名について、対象市町村の区域を限って、新規の自動車検査登録事務所の設置によらずに独自の地名を定められるよう、2006年に開始した制度。
「富士山ナンバー」など、22年5月現在で46地域が導入している。三重県では鈴鹿市、亀山市で「鈴鹿ナンバー」、四日市市で「四日市ナンバー」、伊勢市や鳥羽市、志摩市などで「伊勢志摩ナンバー」が導入されている。
当地域では過去に導入に向けた活動が、導入条件のハードルの高さから頓挫した経緯があるが、今回の募集では「登録車が5万台以上または登録車と軽自動車との合計が8・5万台以上」(複数市区町村の場合)など、軽自動車の保有台数の高まりを考慮して軽自動車との合計を条件とするなど、導入条件が緩和されている。
しかし、導入に当たっては要綱を満たす地域の市町村が住民の意向を踏まえた上で、都道府県を通じて地方運輸局に要望する必要がある。
なお、21年3月31日現在の新宮市・東牟婁郡の登録自動車・軽自動車数は4万9415台、田辺市・西牟婁郡では9万2880台、三重県熊野市・南牟婁郡は2万9875台、尾鷲市・北牟婁郡で2万6643台となっている。
さて、そんな「ご当地ナンバー」導入のメリットといえば、地域のPR、ブランド化が挙げられる。いわば「走る広告塔」だ。愛郷心もますます高まることだろう。一方で、居住地の特定につながりやすいといった問題を指摘する声もある。
14日に開会した新宮市議会6月定例会では、「ご当地ナンバー導入の実現を求める請願書」が提出された。前述した当地域の登録自動車・軽自動車数からみて「ご当地ナンバー」導入に向けては、広域で議論を交わしていかなければならないことは明らか。各自治体の今後の動きに注目が集まる。
(2022年6月16日付紙面より)
第37回紀南テニス協会団体戦
なちかつGGCクラブ大会
学童軟式野球大会(B級)東牟婁大会
全国高校総合体育大会県予選会
王子ヶ浜にアカウミガメ上陸 (新宮市 )
新宮市の王子ヶ浜で14日早朝、アカウミガメの今期初産卵が確認された。午前5時前、ウミガメの保護活動を展開する「紀伊半島の海亀を守る会」の榎本晴光会長が卵を発見した。
同浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。同会は、波浪流失や小動物の捕食被害からアカウミガメの卵を守るための保護活動を行っている。
アカウミガメの上陸・産卵シーズンは5月中旬から8月半ばごろまで。1回の産卵で平均110~120個の卵を産み、60~80日でふ化する。卵は海岸に隣接するふ化場に移し、ふ化した子ガメは秋ごろに同会や関係者らの手によって海に戻される。
なお、昨年は例年より早めとなった5月20日に初上陸および初産卵を確認。以降、再度上陸が確認されたが産卵はなかった。初産卵で98個の卵を発見。うち、ふ化した14匹を放流した。
5月から同浜での早朝ウミガメパトロールを開始した榎本会長。この日は同浜の南端、御手洗海岸寄りの波打ち際から約60㍍付近での産卵を確認。60㌢ほどの深さの穴から、ピンポン球大の卵127個が見つかった。
風雨が吹き付ける中、一つ一つ丁寧に卵を採取した榎本会長は「今シーズンの初産卵にほっとした。シーズンはまだ続くので今後の上陸と産卵に期待したい」と話していた。
(2022年6月15日付紙面より)
串本・新宮駅で災害パネル展 (新宮警察署 )
新宮警察署は、JR串本駅と新宮駅で災害パネル展を実施している。
出水期(梅雨)を迎えるに当たり、住民の防災意識の向上を図るとともに、災害現場などでの活動に理解を深めてもらおうと実施。2011年3月に発生した東日本大震災、同年9月の紀伊半島大水害などの被災状況や、警察による災害現場での活動状況などを記録した写真、両駅合わせて約20点を展示している。
11年前の水害発生当時、勝浦幹部交番で勤務していた同署の谷英人警備課長。変わり果てた自身の生まれ故郷を目の当たりにし、その凄惨(せいさん)な状況が目に焼き付いているという。
「ここ数年でゲリラ豪雨による水害や土砂崩れ、洪水などの災害が増えており、いつどこで起こるか分からない。普段から避難場所や避難情報を確認し、有事に備えてほしい」とパネル展に託した思いを話した。
展示は両駅とも19日(日)まで。
(2022年6月15日付紙面より)
町道サンゴ台中央線が全通へ (串本町 )
串本町の田嶋勝正町長が14日、町道サンゴ台中央線の未供用区間が7月1日(金)付で開通することを明らかにした。
この区間は西の岡からサンゴ台団地南端を結ぶ延長約1242㍍の新道で、将来の町道化を見据えたすさみ串本道路の工事用道路として整備された。車道は幅3㍍強の対向2車線。沿線にくしもとこども園新園舎(建設中)や統合小新校舎(建設前、現行で串本小と橋杭小の統合校としている)の用地があり、その通学・通園路となる幅3・5㍍の自転車歩行者道(通称・自歩道)が伴う。
田嶋町長は今月14日に始まった町議会6月定例会における諸報告の中でこの区間の開通を明らかにした。2011年11月のくしもと町立病院開院以降、消防防災センターや東牟婁振興局串本建設部、串本海上保安署や現・新宮警察署官舎ならびに代替指揮所や福祉総合センター(社会福祉協議会串本事業所)、さらに喫緊で昨年7月に役場がサンゴ台地内へ移転。他方、同地内への車両出入り口は橋杭小そばとJR串本駅そば踏切の2カ所のままで、とりわけ踏切そばで深刻化している通勤時間帯の混雑の分散化を主たる理由として国土交通省とも調整しながら開通を急いできた。
町建設課によると、7月1日午前10時から未供用区間のサンゴ台側で式典と通り初めをし、以降バリケードを撤去し町道として供用を始める。以降当面は工事用車両も多く往来する点を踏まえて利用してほしいとしている。
この町道は国道42号沿いにあるコミュニティバス上浦停留所そばから橋杭小前を連絡する計画延長2815㍍の路線。新道の上浦側の一部(国道から西の岡まで)は学校給食センター運用のためすでに部分供用されていて、今後の開通により全線で供用開始となる。
(2022年6月15日付紙面より)
5年生が地震・津波学習 (勝浦小 )
那智勝浦町立勝浦小学校(山下真司校長)で13日、5年生44人を対象とした地震・津波に関する防災学習が開かれた。「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」主任研究員の河田慈人さんが来校し、近年の災害から得た知見を基に、「これからの那智勝浦の防災・減災」を演題に講話した。
兵庫県にある同センターは、阪神・淡路大震災(1995年)の教訓を後世に伝え、災害被害の軽減に貢献するために設立された防災ミュージアム。河田さんは防災教育や早期避難、地域防災を専門に研究し、和歌山県教育委員会防災教育推進委員も務める。
勝浦小学校の5年生は昨年度、土砂災害について総合的に学習し、防災冊子を作成。本年度はその学習を発展させ、30年以内に70~80%の確率で発生するといわれる南海トラフ巨大地震や津波への備えについて学ぶ。
河田さんは東日本大震災(2011年)や熊本地震(16年)、大阪府北部地震(18年)などによる被害を紹介。ハザードマップを過信することの危険性やいざというときに避難をすることの難しさを伝え、「おそらく皆さんが生きているうちに、南海トラフ巨大地震が起こる。子どものうちは自分の命を自分で守ることが第一だが、20年後には大人になって、大切な人を守る立場になる。避難所運営や防災の知識は、大人になっても絶対に役に立つ」と学習の大切さを訴えた。
講演後には、今後の総合学習について担任教職員らと協議。同校は、児童の興味関心も尊重しつつ、保護者や地域全体に学習の成果を発信できるよう取り組んでいくとしている。
(2022年6月15日付紙面より)
全日本小学生大会など東牟婁予選 (少女バレー )
県高校総体空手道競技で活躍 (近大新宮 )