熊野那智大社にまりひめ奉納 (那智勝浦町 )
那智勝浦町苺(いちご)生産組合(桒野稔近〈くわの・としちか〉組合長)とJAみくまの農業協同組合が12日、熊野那智大社(男成洋三宮司)に和歌山県のオリジナル品種のイチゴ「まりひめ」約5㌔(20パック)を奉納した。
那智勝浦町産のイチゴの振興と豊作を願い、この時季に毎年奉納している。今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、おととし、昨年に引き続き生産農家や町立市野々小学校児童、同生産組合のマスコットキャラクター「まりりん」、同町イメージキャラクター「なっちー」らの参列をやめ、平安衣装によるイチゴの振る舞いも中止とした。
神事には桒野組合長と組合員、JAみくまの農業協同組合職員ら合わせて10人が参列。巫女(みこ)が「那智の瀧舞」を奉納し、代表して桒野組合長が玉串をささげた。
同組合は1971(昭和46)年に結成され、最盛期には、栽培面積4・5㌶で45人のイチゴ農家が生産に従事してきた。しかし生産者の高齢化などが原因で栽培が減少傾向となっていた。
現在は若者を中心に再建され、10軒20人の農家が約70㌃の農地でイチゴを栽培している。
まりひめは紀州の伝統工芸品「紀州手まり」にちなみ、命名された東牟婁地方を代表する特産品。同町太田地区が主要産地で、果実は大きめで甘味が強く酸味もほどよいのが特徴だ。
神事を終え、桒野組合長は「昨年と比較して、年末から早い寒波が来たため、出荷量は昨年と比較して出だしが遅い。しかし、味は向上していて、甘くておいしいものになっている。昨年と同じ収量を目指したい」。
今後については「那智勝浦町は観光産業がメインの町。コロナの早期終息と、地域の発展、組合員の健康を祈願しました」と話した。
「まりひめ」は現在、出荷のピークを迎えている。
(2023年1月13日付紙面より)
かわりない会で人生会議を紹介 (紀宝町 )
毎週月曜日に高齢者が集まる通所サービス「かわりない会」(牧戸光彦会長)は9日、紀宝町鵜殿の老人憩の家讃寿(さんじゅ)荘で今年最初の活動があり、演劇を通して「人生会議」の必要性を学んだ。
人生会議は、もしものときのために、自分が望む医療やケアを前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組み。
演劇は「紀宝リベンジャーズ」と題し、くまのなる在宅診療所(同町井田)の濱口政也医師、医療・介護従事者が出演した。濱口医師演じる高齢男性が脳出血で倒れた後、過去に戻り、人生会議に取り組み、自身が望むケアを改めて計画する物語。
「命の危機が迫った状態になると、約70%の方が医療やケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることができなくなるといわれている」などと話し、町地域包括支援センターが作成した「簡易版エンディングノート」や、医師が定期的に自宅を訪問する訪問診療も紹介した。
最後は「医療や介護が必要になったとき、どこで過ごすのか、どこで最後を迎えるのか、それが自宅であれ、施設であれ、病院であれ、そこに優劣はありません。本人の意向が尊重されることです。『もしも』のときに備え、受けたい医療やケアについて、大切な人と話し合ってみてはどうでしょうか」と伝えた。
濱口医師は「家族で話し合っておくことが大事」とし、訪問診療の手順なども話した。演劇後は、出演者も一緒にぜんざいに舌鼓を打った。
(2023年1月13日付紙面より)
大泰寺で初薬師 (那智勝浦町 )
那智勝浦町下和田の定光山大泰寺(西山十海住職)で8日、初薬師法要が営まれた。薬師堂で西山住職らが般若心経などを唱え、参拝者らがヤナギの枝を打ち鳴らして家内安全や無病息災などを祈った。
同寺は開創1200年、比叡山の開祖・最澄により開かれたという古刹(こさつ)。この日は、秘仏で本尊の薬師如来像も開帳された。薬師如来像は1968年に国の重要文化財に指定されている。
午前・午後の2回に分けて営まれた法要には、関係者含む約40人が参列。参拝者らは錫杖を手にした西山住職が唱える薬師如来の真言「オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ」に続いてヤナギの枝を打ち鳴らし、厄を払い清めるとともに病の平癒などを願った。焼香後には厄よけのお札が授与された。
西山住職は「新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束をお祈りしたい。薬師如来は病気を治す仏様。ご利益があるように、一生懸命法要を勤めさせていただきたい」と話していた。
13日(金)午前10時30分からは、大般若祈祷会が営まれる。餅まきは正午から。当日の祈とう申し込みは薬師堂内で受け付ける。
(2023年1月13日付紙面より)
有田神社総代会が「お的祭」 (串本町 )
串本町有田上にある有田神社(山本貞夫宮司)の総代会(中橋雅総代長)が6日、「お的祭」を営み準備から当日奉仕までの一連の手順を確かめるなどした。
同神社の新春行事の一つとして伝わっている「お的祭」。1月6日を期日とし氏子区域(有田、有田上、吐生)から弓頭を人選して営む形が長らく定着しているが、最近になって新型コロナウイルスの情勢などで中止が続いている。このような状況でも総代会だけは手順を適切に把握して文化の継承に努めなければと発起し、今年は本来の形とはならないが総代のみで「お的祭」を営むこととした。
花形の弓頭には副総代長の多田公次さん(69)と総代の多田和男さん(67)を人選。2人は古式の修祓(しゅばつ)「湯立ての儀」で身を清めて神前奉告をし、同神社最寄りの耕作地に設けた的場へ参進した。
的場には2㍍四方の的があり、2人は約25㍍離れた場所からそれぞれ1、2巡目は各6本、3巡目は3本を的に向けて奉射した。その後同神社へ戻り、白装束から黒装束へと着替えて世話役から魚(ハゲの切り身)の振る舞いを受け、再度的場へ参進。2本を的、最後の1本を渾身(こんしん)の力で的の上に奉射し、同神社で再度魚の振る舞いを受けるなどして締めくくった。
氏子の向上心と勇ましさをささげて氏神に安堵(あんど)してもらう意味合いがあるとされる同神社の「お的祭」。多田公次さんは「コロナが終息しみんなが良い年を送れるようにと願って臨んだ。今年は総代で奉仕したが、来年はぜひとも(本来通り)住民中心でやれる形になればいいかなと思うし、そのように伝統を引き継いでいければ」、和男さんは「何もしないでいると準備から当日までの流れを知っている人がいなくなってしまうので、こうして総代だけで形だけでもやれたのは大きな成果だと思う。(奉仕を通して)願うのは、コロナの終息と世界平和。世界ができるだけ早く安定し、紛争のない世の中になってほしいと思う」と弓頭の奉仕に込める思いを語った。
(2023年1月13日付紙面より)
新宮SSS招待兼ヤタガラスカップサッカー大会
ミニサッカー大会with加藤恒平選手 (新宮サッカースポ少 )
サッカー「トルベリーノカップ」