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2023年01月25日
1 郷土の宝を後世へつなぐ 文化財防火デー前に訓練 (熊野本宮大社)

 「文化財防火デー」(1月26日)を前に、田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で23日、防火訓練が実施された。大社職員で組織する自衛消防隊や神職、田辺市消防署本宮分署、田辺市消防団本宮支団本宮分団・請川分団から約40人が参加し、放水訓練などを通じて防火意識と文化財愛護意識の高揚を図った。

 文化財防火デーは、1949(昭和24)年に奈良県の法隆寺金堂で発生した火災で壁画が焼損したことを契機に制定された日。貴重な文化財を火災や震災、その他の災害から守るため、全国で防火運動が展開される。

 熊野本宮大社は、第一殿・第二殿(西御前・中御前)、第三殿(証誠殿)、第四殿(若一王子)が国指定重要文化財に指定されており、宝物殿には国・県指定の有形文化財である絵画や工芸品が収蔵されている。

 今年の訓練は、宝物殿奥の山林から出火し、境内を巡回中の神職が火事を発見したという想定で実施。小雨が降る中、参加者らは初期消火や119番通報、文化財の搬出などを行い、最後に延焼予防のため檜皮(ひわだ)ぶきの社殿に向けて一斉に放水した。

 田辺市消防署本宮分署による立ち入り検査や、瑞鳳殿の店舗職員も参加した自動体外式除細動器(AED)・消火器訓練もあり、地域も一体となって取り組んだ。

 訓練後、井戸清明・田辺消防署本宮分署長は「迅速に消火活動が行われていた。地域の方々の協力もあって防火が守られており、大変ありがたい」と講評。

 九鬼宮司は「日本の47都道府県には、それぞれの地域の神社仏閣、文化財が遺(のこ)されている。郷土の宝であるこれらの文化財や熊野権現造りの社殿を後世に受け継いでいくことがわれわれの責務。これからより一層寒い時期となるが、職員一同火に気をつけ、文化財愛護の精神を広めていきたい」と誓いを新たにした。

(2023年1月25日付紙面より)

延焼を防ぐため社殿に一斉放水=23日、田辺市本宮町の熊野本宮大社
2023年01月25日
2 情報共有、施策に反映
 災害対策本部各部が報告  (新宮市 )

 新宮市役所別館で23日、令和4年度災害対策本部報告会があった。本部長の田岡実千年市長や副本部長の向井雅男副市長に災害対策本部員や防災対策課職員、災対各部班長らが取り組みを報告。情報や現状を共有した。

 近い将来、発生が予想されている南海トラフを震源とする大震災。新宮市では、同大震災などの大災害に対応するため、対応マニュアルの作成や修正、実践的な訓練を各部で行い、防災力を高め不測の事態に備えている。

 報告会は、2016年の熊本地震を契機に「災対本部各部の具体的行動計画の作成」や「行動計画に基づく災対本部各部における実効性のある訓練の実施」、「災害本部各部から本部長・副本部長への報告」を行い、大災害に対応した体制を整え、今後の防災施策に反映させることを目的に実施している。

 新型コロナウイルス感染症の影響などで4年ぶりとなった開催に当たり、田岡市長は「災害から一人の犠牲者も出さないという信念で、職員一丸となって対応していく中で、それを実現するためには災害への備えや訓練が非常に重要となってくる。本日の指示に基づき、各部、各支部の災害対応に向けた取り組みを継続し、実施していただくとともに、職員一人一人が災害に対する主体的な取り組みを継続し、市民の信頼に応えるために努力を」とあいさつした。

 災対▽総務部▽救助部▽技術部▽水道部▽医療救護部▽消防水防部▽熊野川支部▽三輪崎支部▽高田支部―が、マニュアルの作成・更新や行動計画の見直し、訓練の実施など、それぞれ取り組みを発表し、防災部局がコメントした。

 報告後には竹田和之防災対策課長が、ブラインド方式を導入した訓練の実施や収集した情報の災対本部への報告、災害対応知識の向上に向けた取り組みなどを提言し「今後も全庁挙げて災害対応を」と呼びかけた。

 向井副市長は「課題の報告や防災部局からの指摘もあった。課題を踏まえて、さらに災害対応への取り組みを進めていただきたい」。

 田岡市長は各部に対して総括を行い、さらなる防災意識向上に協力を求めた。

(2023年1月25日付紙面より)

災対各部が取り組みなどを報告した=23日、新宮市役所別館
2023年01月25日
3 小中学生対象に機会提供
 ロケット打ち上げ体験会  (南紀串本観光協会 )

 南紀串本観光協会(島野利之会長)が21日、串本町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターや望楼の芝でイベント「モデルロケット打ち上げ体験会」を開き、事前に申し込んだ小中学生14人に体験の機会を提供した。

 和歌山ロケット応援団後援、おひさま基金活用協議会協賛。内容は▽ロケットワークショップ(WS)▽モデルロケット製作▽同ロケット打ち上げ―の3部構成で、WSはロケットガイドの神保圭志さんが担当し他地域と比較しながらのスペースポート紀伊やロケット「カイロス」の紹介、打ち上げる人工衛星がどのような利便をもたらすか、打ち上げの楽しみ方などで要点をかいつまんで解説した。

 中盤以降は県宇宙教育研究会の太田昇事務局次長(串本中教諭)を講師に迎え、14人は個々にモデルロケットキット「アルファ3」を組み立て、望楼の芝で打ち上げに臨んだ。同所ではイベント「本州最南端の火祭り」実施中で、その会場アナウンスで紹介されたこともあり来場者も多数注目。全員が同伴の家族も見守る中で打ち上げを成功させて体験を終了した。

 今回は同キットの予備分を使って島野会長や会場とした南紀熊野ジオパークセンターを代表して大江晃司さんもモデルロケットの一連の流れを体験し理解を得た。

(2023年1月25日付紙面より)

ロケットや人工衛星などの紹介をする神保圭志さん(右)=21日、串本町潮岬
太田昇事務局次長指導の下でモデルロケットの製作や打ち上げを体験する参加者ら
2023年01月25日
4 市民サービス向上に協力
 大塚製薬と包括連携協定  (新宮市 )

 新宮市と大塚製薬㈱は23日、包括連携協定を締結した。今後、両者は市民の健康寿命の延伸や熱中症対策などの各分野において、市民サービスの向上と地域の活性化を推進する取り組みを展開していく。

 同社では、47都道府県をはじめとする全国の自治体と健康に関する包括的な連携協定を締結し、医療関連事業とニュートラシューティカルズ関連事業で培ってきた健康情報やノウハウを生かした取り組みを実施している。

 日々の健康維持増進や疾病管理、また、災害時の健康支援など、地域ごとに異なる課題に対してトータルヘルスケア企業として幅広く専門的な情報などを提供し、地域の人々と共に健康づくりを推進している。

 なお、同市との協定締結は県内で7自治体目(和歌山県除く)となる。

 新宮市役所で締結式が行われ、田岡実千年市長と同社ニュートラシューティカルズ事業部の吉田卓史・関西第一支社支店長が協定書にサイン。締結に当たり、田岡市長は「当市では、地域の皆さまが安心安全で心豊かに元気に暮らせるまちづくりに向けて、市民生活に密着した諸課題の解決に向けた取り組みを進めているが、大塚製薬さまのこれまでの取り組みによる知見や企業ネットワークをご活用させていただき、市民の皆さまの生活をより良いものにしていくため、協定を機に相互に連携・協力できることを心強く感じています」とあいさつ。

 吉田支店長は「35年以上にわたって、お子さまからご高齢の方まで熱中症対策として水分補給の大切さを訴える活動をしてきた。そういった強みの他にも、市民の方々に健康情報を発信していければ」と思いを語った。

 今後、両者は協力体制の下、市民を対象とした健康教室の開催などの「健康づくり」、啓発や講習会などを通した「熱中症対策」、物資提供などの「災害対策」、スポーツ教室や既存スポーツイベントへの協力などを含めた「スポーツ振興」のほか、協定の目的達成に資する事業を展開していくという。

(2023年1月25日付紙面より)

吉田卓史・関西第一支社支店長(前列中央左)と田岡実千年市長(前列中央右)が協定書にサインした=23日、新宮市役所
2023年01月25日
5 坂野医院が優勝
 第186回職場対抗ボウリング大会  
2023年01月25日
6 3種目で優勝果たす
 県高校バドミントン新人大会  (新翔高校 )
2023年01月25日
7 医療センターに車椅子5台  県トラック協会青年協が寄贈  (新宮市 )
2023年01月25日
8 電気と磁石で科学する!  少年少女発明クラブ  (新宮市 )
2023年01月25日
9 道路沿いのごみを拾う  宇久井中学校が地域清掃  (那智勝浦町 )
2023年01月25日
10 業界の繁栄や安泰を祈願  新宮木材協同組合が末社参り  
2023年01月25日
11 大同会3年ぶり獅子だし  奉納などに向け稽古開始  (串本町 )
2023年01月25日
12 貴重な寺宝持ち出し守る  成就寺と無量寺で防火訓練  (串本町 )
2023年01月25日
13 団体は紀宝柔道会が優勝  南郡・熊野スポ少交歓大会柔道の部  
2023年01月25日
14 1人超過の選挙戦に突入  12人が届け出、29日に投開票  (紀宝町議選 )
2023年01月22日
15 人手不足で給食に問題 3中学校、月2回なしに (那智勝浦町)

 那智勝浦町立の宇久井、那智、下里の3中学校の給食に、問題が生じている。調理員の不足により1月に2回、給食を提供できず生徒に「弁当持参」を求める事態に。募集は以前からかけているが人手不足で集まらず、18日現在で解消のめどは立っていない。

 3校の給食は多くの保護者の要望を受け、2020年7月に始まった。3校それぞれで調理するのではなく、下里中で3校分を調理し、他の2校へと運ぶ「親子方式」が取られている。22年12月までは問題なく給食を提供できていたが、調理員の不足は以前から生じており、休日の関係で1月に、とうとう提供できない日が生じてしまった。

 同町教育委員会によると、調理員の不足は定年も含む退職に伴うものだが、突然退職するわけではないので当然、それを見越した新規募集はかけていた。しかし応募はなく、つい最近になって、ようやく1人採用になったが、それでも不足の解消までは至らず、今も募集はかけ続けているという。

 2月以降の給食の提供に関しては、3校ともに18日現在、検討中。同町教委は「一日も早く必要数の調理員を確保し、(登校日は)毎日提供できる体制を取っていきたい」と伝えている。

 また、調理員の募集に関しても「興味がある方は、ぜひ連絡を」と呼びかけている。問い合わせは、那智勝浦町教育委員会学校教育課(電話0735・52・4686)まで。

(2023年1月22日付紙面より)

調理員の不足で給食提供に問題が生じている=18日、那智勝浦町立宇久井中学校
2023年01月22日
16 次世代に自然を残すために
 産廃車両の抜き打ち検査  (新宮市 )

 和歌山、三重両県は20日、新宮市五新の新宮自動車整備工業協同組合で産業廃棄物運搬車両に対する抜き打ち検査を実施した。警察官が車両に停止を求め、県職員らが運転手たちに積載物の内容や排出先などを聴取し、軽油の抜き取り調査も行った。悪質な事案については雇用主に対し、指導・警告などを行う。

 廃棄物処理法違反の罰則は、5年以下の懲役、1000万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金が科せられる。この検査は、産業廃棄物の不法投棄など不適正処理の未然防止と環境汚染の原因である不正軽油撲滅が狙い。

 和歌山県による抜き打ち検査は2016年度から県内各地で開始され、両県での実施は今回で6回目。21年度はコロナ禍のため、中止となった。

 県によると、19年度は新宮市で実施し11台を検査。法定書類を所持していないなどの違反が3件あった。20年度は三重県御浜町で6台を検査し、指摘事項はなかったという。

 この日は、和歌山県環境生活部環境政策局循環型社会推進課廃棄物指導室や東牟婁振興局健康福祉部衛生環境課、和歌山県税事務所、三重県環境生活部廃棄物対策局廃棄物監視・指導課、新宮警察署から約20人が参加。

 産業廃棄物積載車両が3(がれき類1、木くず2)台、その他空車6台の計9台を調査し、軽油の抜き取りも実施。結果、携帯書類や車両表示の不備などについて、3件の指導を行ったとした。

 また、抜き取った軽油に混和の嫌疑があるものは販売先など、流通経路を調査し、原因が確認された際は、課税処分が行われる。

 県環境生活部循環型社会推進課廃棄物指導室の秋月邦洋室長は「両県には優雅な自然環境がある。次世代の子どもたちに残すためにも活動を進めている。今後も不正行為の抑止のために、三重県や関係機関と連携して取り組んでいきたい」と話していた。

(2023年1月22日付紙面より)

産業廃棄物運搬車両を聴取する県職員ら=20日、新宮市五新の新宮自動車整備工業協同組合
積載物の確認も実施した
2023年01月22日
17 獣害対策=餌付けをやめること
 豊かな里山づくり講座  (紀宝町 )

 獣害研究家の「雅(まさ)ねえ」こと、井上雅央さんを招いての「豊かな里山づくり講座」が19、20日の2日間、紀宝町であった。2日とも約30人が参加し、初日は紀宝はぐくみの森で講演、2日目は阪松原地区で現地実習があり、参加者は「餌付けをやめる」といった発想の転換による獣害対策を学んだ。

 みえ森と緑の県民税市町交付金事業を活用し、町立図書館が主催。獣害研究家の井上さんは、獣害対策で目覚ましい実績を挙げ、全国各地で講座を開いている。

 講演では「獣害対策は分かれば簡単」と切り出し「動物は安心して食べられる場所に住みたいだけ。安心できる場所こそが餌付け。獣害に遭う田畑は餌付けに成功したことと一緒。対策は餌付けをやめるだけ」と伝えた。

 柵は「気休め柵」と「効く柵」があるとし、見た目は同じだが効く柵は3重構造。柵の外側は見渡しを良くし、周辺は餌なしゾーンにする。動物から届く餌や隠れるスペースがない所に挟まれた柵のみが効果を発揮する。イノシシ目線でどう見えているかが重要と説明。「動物に食べられて腹が立っても立たなくても餌には変わりない。イノシシやシカが悪いのではなく、餌付けした自分が悪い。餌付けをやめるための環境づくりを」と発想の転換を求めた。

  □     □

■〝えらいこっちゃ〟の場所は?



 2日目は、阪松原地区の協力を得て現地実習。田や畑で柔らかい緑の草、電気柵の隙間、入り口の開いた柵などの餌場を見つけ、全員で「えらいこっちゃ」と声を張った。

 井上さんは「何が起きているか理解しないと失敗する。動物の立場に立って考えると分かってくる」と強調。▽毎日食べないと生きていけない▽体験を基に行動する▽その日の餌が見つかればいい▽安心できる場所に住みたいだけ―といった動物の習性を紹介し「田んぼや畑に現れるのは餌があって安心だから。動物に住もうと思わせた自分が悪い」とした。

 「稲刈り後の田はごちそうの宝庫。柵の入り口が開いていると入りたい放題になる。『冬は入られてもいい』が間違い」と指摘し「稲刈り後も電気柵を撤去せず、24時間通電を」とアドバイス。

 「10月に草刈りすると餌がなくなる2月にごちそうの草が生えてくる。9月10日ごろまでに刈ると冬枯れして餌ではなくなる」と解説。「田んぼや畑は皆さんの宝物。みんなで気付き、教え合おう」と呼びかけた。

(2023年1月22日付紙面より)

井上雅央さんと共に餌付けにつながる場所を見つける
2023年01月22日
18 困難乗り越え新たな出発 卒業証書授与式を挙行 (近大新宮高)

 新宮・東牟婁地域のトップを切って21日、新宮市の近畿大学附属新宮高校(池上博基校長)で第58回卒業証書授与式が挙行された。3年にわたるコロナ禍で最も影響を受けた学年ともいわれる本年度の卒業生122人が、困難を乗り越えそれぞれの道へ新たなスタートを切った。

 池上校長が各クラスの代表者に卒業証書を授与。式辞では思想家ルソーの言葉を引用し「卒業生の皆さんにとって、人としてより良く生きるための誕生の場、自分ならではの価値を創造した場が本校。自ら学習し、考え、困難を克服し、素晴らしい『第二の誕生』を迎えられたであろうことを確信している」と述べ「本校で学んだ誇りを胸に、これからの時代を力強く生き抜いて」と言葉を贈った。

 卒業生を代表して小屋敷卓真さんが、入学直後の休校や近大新宮祭をはじめとする多くの行事の中止など、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた高校生活を振り返り「高校生活には密な場面がつきものなのに、いろいろな制限によって我慢を感じることも多くあったが、この3年間を過ごした私たちはより強く成長することができた。これからは、社会をつくり上げる一員となれるよう頑張っていきたい」と述べ、これまでの生活を支えた家族や教職員ら全ての人に感謝を伝えた。

(2023年1月22日付紙面より)

卒業生を代表して小屋敷卓真さんが答辞=21日、新宮市の近畿大学附属新宮高校
2023年01月22日
19 小さな実が無数に  新宮市でフユイチゴ  
2023年01月22日
20 薬物のいらない社会とは  下里中で小林仁さんが講話  (那智勝浦町 )
2023年01月22日
21 正月の遊びを満喫  丹鶴幼が「たこ揚げ大会」  (新宮市 )
2023年01月22日
22 「山のごちそう」味わう  給食に和歌山県産シカ肉  (宇久井小 )
2023年01月22日
23 地域福祉への尽力に感謝  管内の3人に表彰状を伝達  (東牟婁振興局 )
2023年01月22日
24 救急出動は過去最多に  第7、8波の影響受け  (熊野市消防管内 )
2023年01月22日
25 動き合わせてダンス練習  1、2年生が発表会に向けて  (矢渕中 )
2023年01月22日
26 広報誌朗読しCDに  しおり会に厚労大臣表彰を伝達  (御浜町 )
2023年01月22日
27 お悔やみ情報
  
2023年01月21日
28 幸福を招く縁起物
 節分前に「吉兆」作り  (熊野速玉大社 )

 節分(2月3日)を前に、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)では、縁起物の「吉兆(きっちょう)」作りが大詰めを迎えている。上野宮司をはじめとした同大社職員や巫女(みこ)、敬神婦人会のメンバーらが今月10日ごろから制作に取りかかっていた。大(約80~90㌢)200本、小(約50㌢)800本を20日から同社で販売しており、希望者には郵送する(送料別、着払いのみ)。また、今年は特大(約100㌢)も数十本用意。特大に関しては郵送不可。

 「吉兆」は「良いことの兆し」の意味があり、古い信仰では、「お正月様(年神)」が「今年は豊年、凶事・疫病の起こらぬ良い年」と祝福したことから、この福神を迎えた木のことを「吉兆」という。

 大社境内の山林で採ったヤナギの枝を上野宮司が剪定(せんてい)して束ね、大福帳、小判、お守り、タイなどの小物をくくり付け、仕上げに直径約2~3㌢の赤、白、青、紫などの「もち花」を付けた縁起物。

 ヤナギはその生命力の強さ、力強さなどから福神が宿るとされている。節分に飾ると商売繁盛、家内安全などの幸福が訪れると信じられている。

 吉兆は2月3日(金)の節分祭でも授与するが、人気があり午前中で売り切れてしまうことも。値段は大が3000円、小が1800円。郵送希望者は同大社に(電話0735・22・2533)で問い合わせを。なお、特大は5000円となっている。

 今年の節分祭は、午前10時から「お焚き上げ」を開始。午後8時まで。「追儺式」は午後7時から。新型コロナウイルス感染症の状況にもよるが、鬼が登場し福豆をまく。

 厄よけ祈とうは午前9時から午後8時まで。参拝の際はマスク着用などの感染対策に協力を。

(2023年1月21日付紙面より)

大詰めを迎える「吉兆」作りの様子=20日、新宮市の熊野速玉大社
色鮮やかな吉兆
2023年01月21日
29 「はだかの王様」の人形劇
 劇団すぎのこが巡回公演  (太地こども園 )

 太地町立太地こども園(森尾扶佐子園長)で19日、「劇団すぎのこ」による巡回公演が開かれた。3~5歳児36人が「3匹のヤギ」や「はだかの王様」を観賞した。

 公益財団法人すぎのこ芸術文化振興会が実施する公演。1964年に誕生した同法人は、どんな山あい、島しょ・へき地、小規模施設の子どもたちにも生の舞台のぬくもりを届けようと活動を続けている。

 園児たちは開演前から「面白そう」「映画館みたいだね」とドキドキワクワク。アンデルセン童話でおなじみの「はだかの王様」では、「美しすぎて愚か者や悪い子には見えない服」という詐欺師の口車に乗せられた王様や周囲の人々を人形たちが演じた。生き生きと歌ったり踊ったりする人形たちに、園児たちもクスクス笑い声を上げて楽しんでいた。

 劇の終わりには「3匹のヤギで、トロルの声が面白かった」「迫力があった」などの感想が聞かれ、人形とハイタッチをしていた。

(2023年1月21日付紙面より)

人形劇を観賞する園児たち=19日、太地町立太地こども園
人形とハイタッチ!
2023年01月21日
30 従業員の多幸など願う
 県労働基準協会が安全祈願祭  (新宮市 )

 (公社)和歌山県労働基準協会新宮支部(支部長=堀起佳・新宮鉄工所社長)・安全衛生部会(部会長=萩原信也・㈱小森組常務取締役)の会員らは18日、新宮市の熊野速玉大社で令和5年安全祈願祭を執り行った。約30人が参列し、従業員の安全や幸福を願った。

 同協会は、労働基準法・労働安全衛生法等関係法令の普及に努めるとともに、労働条件の確保・改善のための啓発や相談、労働者の安全確保と健康確保のための啓発活動を展開し、事故や災害防止に寄与すること、また、勤労者の福祉の向上に寄与することを目的としている。

 県内に五つの事務所があり、新宮市清水元に事務所を置く新宮支部では、約350の会員を擁している。

 安全祈願祭では、神職の祝詞に続いて堀支部長や新宮労働基準監督署の嶋本輝樹署長、萩原部会長らが玉串を奉てんした。

 祈願祭後は同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」に場所を移し、新宮労働基準監督署の乾孝行監督・安衛課長が安全衛生講話を行い、労働災害発生状況や法改正のポイントなどを説明。会員らは労働災害防止のため学びを深めた。

 安全祈願祭の斎行に当たり、堀支部長は「コロナ禍になって3年余り。日常の生活や行動、働き方などに変化をもたらしているが、この1年が安心安全で良き年であることを願っています」と協会の運営に協力を求め、嶋本署長は「今年のえとであるうさぎにあやかり、家内安全・労働安全に努めつつ、さらなる飛躍と向上の年になれば」などとあいさつした。

(2023年1月21日付紙面より)

安全祈願祭に参列した皆さん=18日、新宮市の熊野速玉大社
約30人の会員が参列し、1年の安全や幸福を祈願した
2023年01月21日
31 大学との共創で課題解決
 和大と連携協力協定締結  (串本町 )

 串本町と国立大学法人和歌山大学が19日、連携協力に関する包括協定を締結した。当面は防災、次世代人材育成、教育の各分野と行政課題解決に主眼を置いた連携を推し進め、町域における教員や学生の活動促進を図るため旧同町役場古座分庁舎内にあるコワーキングスペースの同協定に基づく活用を模索するという。

 この協定は、双方の継続的連携による地域発展と学術振興、ひいてはその成果を受け継ぎいっそう進展させる人材の育成が大枠の目的。同大学は県内で同町を含め7自治体とこの協定を締結しているが、現任の伊東千尋学長にとっては今回が初の締結で相応に思い入れも深まる状況となっている。

 この日は同町役場本庁で調印式があり、町側から田嶋勝正町長と平井治司副町長、総務課の杉本隆晴課長、企画課の名田倍也課長、大学側から伊東学長と紀伊半島価値共創基幹(通称・Kii―Plus)の小川雅則特任教授、有馬専至特任参事、西川一弘准教授、木皮享地域連携マネージャーが出席。田嶋町長と伊東学長が協定書2通に署名をし、発効させた。

 基づく第一歩を踏み出すに当たり田嶋町長は「高速道路やロケット、南海トラフ巨大地震など、いい材料もつらい材料もある中、継続的に町を運営していくためにクリアしなければならない課題はたくさんある。(和大の)先生方の力をお借りして、これら問題点を解決していきたい」とあいさつ。伊東学長は「今の社会をきっちり守る活動の先で可能性ある未来に向け大学の力を使っていただければ」と応え、目指す地域創生の考えを掲げて「この協定でパートナーシップを明確にし、共に明るい未来をつくるため足並みをそろえて活動したい」と意気込んだ。

 同大学は締結前よりマナビィスト支援セミナー・企画ゼミ〈紀南の部〉や串本古座高校地域協議会の「出張!和大くろしお塾」、町立潮岬中学校における仕事人ワークショップや町スクールバス津波防災プロジェクト会議などで複数の教員が同町に貢献してきた実績があり、これら連携に要する滞在を長期化しやすくすると同時に大学の存在感を強める意味でも同スペースを現地拠点の一つとして位置付けたい考え。

 その点について伊東学長は「(教員だけでなく)南紀に出る学生も増える中、コワーキングスペースを使えば滞在時間を長く取れるようになりフィールドワークの成果も上がる。地元に大学生が顔を出す機会も増え、このことは南紀にも良い効果を与えると思う」と展望を思い描いた。

(2023年1月21日付紙面より)

連携協力に関する包括協定を締結した田嶋勝正町長(左)と伊東千尋学長=19日、串本町役場
2023年01月21日
32 優勝は藤本さん(男性)、戸石さん(女性)
 那智勝浦町体協グラウンドゴルフ部新春大会  
2023年01月21日
33 音楽に合わせて体動かす
 初めてのリズムトレーニング学習会  (神倉少年野球クラブ )
2023年01月21日
34 宇久井が県大会へ
 サッカーJA全農杯東牟婁予選  
2023年01月21日
35 薬物乱用の危険を学ぶ  外部講師招き特別講座  (神倉小学校 )
2023年01月21日
36 「ここ一番」のために大事なこと  新年特別講演会で小林祐梨子さん  (新宮市 )
2023年01月21日
37 ゆらゆらだるまで福笑い  すくすくワークショップ  (那智勝浦町 )
2023年01月21日
38 もみすり~精米を経験  高池小の5年生10人ら  (古座川町 )
2023年01月21日
39 恒例の「手のひら体操」も  今年最初の「カフェいっぷく亭」  (紀宝町 )
2023年01月21日
40 活動再開のきっかけにも  いきいきサロン代表者交流会  (紀宝町 )
2023年01月21日
41 入学に向け友達と交流  2年ぶり人権フォーラム  (矢渕中学校区 )
2023年01月21日
42 職場体験や修学旅行を報告  宇久井中で総合学習発表会  (那智勝浦町 )
2023年01月21日
43 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第57回】お鍋は食育の宝庫!  

 寒い日が続きますね。わが家では毎年冬になるとどうしてもお鍋の回数が多くなり、「またお鍋?」と子どもに嫌がられてしまいます(笑)。あの手この手でお鍋のスープの味を変えたりしながら、お鍋を出しています。洗い物も少ないし、材料を切って入れるだけだし、お鍋は忙しいお母さんの味方ですね。

 そして、安心してください。お鍋でも食育はできます! むしろ食育の宝庫です!

 基本的に何を入れてもいいわけですから、お買い物で食材を選んでもらうのもお勧めです。葉野菜だけでも、白菜や水菜・キャベツなど色んな種類がありますよね。そして、大抵野菜は冬野菜になります。材料をカットするのを手伝ってもらってもいいと思います。包丁を使わせるのが心配な幼児の場合は、手でちぎってもらってもいいと思います。また、小学生から中学生くらいであれば、白菜のそぎ切りを教えてあげるというのもお勧めです。断面積が大きい方が、味がしみやすいということが分かるはずです。

 また、食べるときでもいいのですが、冬野菜のすごさをぜひ教えてあげてください。例えば、白菜やキャベツ・春菊などは冬の代表格。土の上にできる野菜だから、冬の寒さで凍ってしまわないように水分量を減らして、糖を蓄えているので、よくかむと甘みを感じることができます。さらに、土の中にできる、大根やニンジン、ゴボウなどは体を温めてくれる野菜です。もちろんショウガもそうです! こういった会話をするだけでも、とても良い食育になります。

 鶏団子やつみれを一緒に作ってもいいですし、野菜の型抜きや、シイタケの飾り切りを経験させるのもお勧めです。最後に〆(しめ)の雑炊を作る時も、食育になります。わが家では必ずお米を洗うのですが、皆さまのお宅はどうでしょう? 私は娘に「お米を洗ったほうが、周りのぬめりが取れてサラサラの雑炊になって、スープの味がよくしみ込むよ」と伝えています。でも、洗わずにとろとろの雑炊が好きという方もいらっしゃいますよね。私は、食育で大切なのは「自分の家では洗うけど、洗わずに作るお家もある。洗ったらサラサラになって、洗わないとトロトロになる」ということを教えてあげることではないかと思うのです。お鍋の雑炊の醍醐味(だいごみ)は、お米を洗うかどうか、ではなく、野菜やお肉・お魚から出ただしを最後まで味わうことですよね。お米は洗っても洗わなくてもいいわけです。でも、洗って作ることもある、ということを知っていることが大切だと思うのです。お鍋一つとっても、色んな種類があって、いろいろな作り方があります。地域によっても食べるお鍋もさまざまです。それを知るだけでも、子どもたちにとってはとてもいい勉強になります。

 お鍋がおいしい季節。ぜひお鍋を通して食育してみてください。そして、ご飯作りも楽に、笑顔でお鍋を囲んでください。それこそが最高の食育であることは言うまでもありません。

(2023年1月21日付紙面より)

2023年01月21日
44 お悔やみ情報
  
2023年01月18日
45 シャチのご当地ポストでPR
 役場前に4基目を設置  (太地町 )

 太地町は17日、役場庁舎前でシャチをモチーフにした青色のご当地ポストのお披露目を行った。町内4基目となるポストで、これまでと同じく「クジラの町 太地町」をPRしていく方針だ。

 ポストは地域振興や観光資源化などを目的に、日本郵便と連携して町が寄付する形で設置に至っている。

 地域の特色を示すご当地ポストは各地にあり、本紙エリア内ではJR那智駅に黄色のポスト、熊野本宮大社に「八咫(やた)ポスト」がある。

 同町ではこれまでに、太地町立くじらの博物館前と道の駅「たいじ」、JR太地駅舎前にポストを設置。町内外の人や観光客などに人気の撮影スポットとなっている。

 今回も3基と同様、地元で活動するクジラの造形愛好家らで組織する「ホエール・アート・ミュージアム」の山門基秀さん、前芝真人さん、石田一勝さんらが制作。

 オスとメスのシャチのシルエットが描かれているほか、上部には強化プラスチック製の愛らしいシャチがはがきを持ったデザインとした。完成には約2カ月を要した。

 山門さんは「クジラ観光の町。セミクジラ、ゴンドウクジラ、バンドウイルカに続き、今回は人気鯨種のシャチ。SNS(交流サイト)でも喜んでもらえたら。観光客は博物館止まりだが、これまでのポストに加え、役場への設置で、町中への動線ができれば。今後も継続し制作していきたい」と話した。

 式典では日本郵便近畿支社郵便・物流オペレーション部集配担当部長の松本光功さんが「ポストが地域住民の方々、観光業への橋渡しとして活躍できれば幸いです」。

 紀南地区連絡会統括局長の南方慎一朗さんが「観光の起爆剤になれば。今後も自治体と連携して地域を高め、盛り上げる取り組みを進めていきたい」とあいさつ。

 漁野洋伸副町長は「地元技術者の皆さま、日本郵便さま、太地郵便局さまの尽力に感謝している。ポストは町内外から高い評価を受けており、観光や地域振興につなげていきたい」と話した。

 太地郵便局の小河則行局長は「記念撮影をしたり、手紙を投函(とうかん)いただくことで、『クジラの町 太地町』のPRとなる。多くの方に、町に来ていただき、地域の発展・活性化の一助となれば」と語った。

 式典前に、新ポストの設置が行われた。元々あったポストは、長年の役目を終え、撤去された。

(2023年1月18日付紙面より)

シャチをモチーフとした4基目のご当地ポストが設置された=17日、太地町役場
シャチのご当地ポスト
2023年01月18日
46 最強メンタルをつくるには
 神倉少年野球クラブが学習会  (新宮市 )

 神倉少年野球クラブ(須川幸太監督)は15日、新宮市福祉センターでメンタルトレーニングに関する学習会を開いた。株式会社輝(き)っかけ代表取締役の増田篤紀さん(33)が「可能性の発揮~実力発揮にはコツがある~」と題して講話し、クラブ所属の選手8人やコーチ、保護者らが参加した。

 「心技体+生活」を基本とする神倉メソッドを共有し、技術向上や体づくり以前の「心」の段階から成長を促そうと今年初めて企画。増田さんは「人が輝くきっかけをつくる」を目標に、甲子園出場を目指す全国の高校球児たちのメンタルコーチを務めている。

 増田さんは最初に「スポーツには心技体という言葉があるが、心は見えないから、どうやって鍛えればいいのかあまり理解されていない」と話し、野球でいいプレーができるときの心の状態として▽自信がある▽楽しい(ワクワク)▽感謝―の三つを挙げた。最強メンタルをつくるため「言葉、表情、動作にはそれぞれプラスとマイナスがある。『疲れた』『めんどくさい』という言葉を、『頑張った』『最高』『ナイス』などに変えていこう。学校でも家庭でも、いい言葉、いい表情、いい動作で過ごすことがいい心をつくる」と説明した。

 実際に、本気のじゃんけんやナンバーワン宣言といった手法を実践。「○○(名前)スマイル!」と言って笑顔をパスし合う「スマイルパス」では、子どもたちから「楽しかった」との言葉がこぼれた。

 南春大(はるひろ)君(9)は「本気のじゃんけんが面白かった。これからの練習で、声を出すことを頑張りたい。フルスイングのナンバーワンになりたい」。

 須川監督は「最初は恥ずかしいという感情が勝っていたが、途中からいい雰囲気になったのでは。子どもたちの主体性を引き出していくことは、必ず今後の人生にも役立つはず。練習前に教わった手法を実践していく」と話していた。

(2023年1月18日付紙面より)

「スマイルパス」を実践する選手たち=15日、新宮市福祉センター
増田篤紀さん
2023年01月18日
47 町内の平穏無事と終息祈る
 海翁禅寺で秋葉山大権現祈祷  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町勝浦の臨済宗海翁禅寺(武内宗隆住職)で15日、一年の間、町内で火災や盗難がないよう祈願する「火盗守護秋葉山大権現御祈祷(きとう)」が営まれた。町消防団(下地将仁団長)の幹部や団員7人が参列した。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、前夜は規模を縮小してどんど焼きを実施。おととし、昨年に引き続き、15日の餅まきも中止となった。

 今年の祈祷は天候不良のため、山頂の祠(ほこら)では行わず、「熊野弁財天」「火盗守護秋葉山大権現」「熊野波切不動」が祭られる同寺広間で実施された。

 武内住職と武内洪淵(こうえん)副住職が読経を行い、火伏せの神「火盗守護秋葉山大権現」に今年の平穏無事を祈願した。

 また、昨年に引き続き、洪淵副住職の息子の弥那人(みなと)君(勝浦小2)も法衣を身に着け、参列した。

 下地団長は「町内の災害や火災がないように安全を祈るととともに、コロナ終息も祈念しました」。

 洪淵副住職は「火災や盗難の減少に加え、すぐには難しいと思うが、コロナ禍以前の生活に戻ることができるように祈りました」と話した。

 武内住職は「町内の皆さまの無事と安全を祈願いたしました。早くコロナが終息し、これまで通りの生活が無事に送ることができる年になってほしい」と語った。

 同寺の「火盗守護秋葉山大権現」は町消防団が願主となって建立され、1969(昭和44)年に同寺総檀家(だんか)が再建したという。

(2023年1月18日付紙面より)

秋葉山大権現祈祷が営まれた=15日、那智勝浦町の海翁禅寺上の山頂
前日のどんど焼きでは雨対策をして実施(海翁禅寺提供)
2023年01月18日
48 世代超え津波避難考える
 田原で「逃げ地図」WS  (串本町 )

 串本町田原にある山村交流センターで16日に「逃げ地図」づくりワークショップ(WS)があり、同町立田原小学校(山路和彦校長)の3~5年生7人と田原区(宮本敏治区長)の区民8人らが世代を超えて津波避難を意識し考える機会を得た。

 このWSは、文部科学省「防災対策に資する南海トラフ地震調査研究」を受託する京都大学防災研究所が主催。南海トラフを震源とする大地震に伴う津波の到達が早い点で同町総務課防災・防犯グループへ実施を相談し、同グループも迅速な避難の啓発に役立つとして協力することとしたが、いざ実現を目指す段階で新型コロナウイルスの情勢に直面。踏み出せない状況がしばらく続き、この日ようやく感染症予防対策を講じて実施へとこぎ着けたという。

 「逃げ地図」は東日本大震災を教訓とし、津波避難の発想を支援する取り組みとして日建設計ボランティア部が考案。同研究所はその実践研究を重ねる明治大学の山本俊哉教授の研究室と田原小や田原区を仲立ちし、作成と検討の両機会を届けた。

 当日は田原小と田原区に加え、町職員も参加。山本教授は津波避難タワーの有無と避難経路の支障(倒壊による通行不能状態)の有無で四つの前提を示し、各前提に3者が入り交ざるようグループ分けし同研究室や同研究所のメンバーも後押し役で加わって「逃げ地図」づくりに取り組んだ。

 この地図は同区の白地図上にまず避難先(高台)をマークし、後期高齢者が3分間で歩ける距離を示す革ひもを定規にして避難経路を段階的に塗り分けた内容。色は避難先に近い区間から順に緑→黄緑→黄色→オレンジなど遠いほど赤に近づく使い分けをし、避難先までどれぐらいの時間がかかりどの辺りが津波第1波到達に対し厳しい状況かが分かる形に仕上がった。その結果や感じた事柄を発表して作成を終了。以降は大人のみの第2部とし、「逃げ地図」で見えてきた地域の課題解消の検討を体験した。

 一連の活動を経て山本教授は「この取り組みにはいろいろと良いところがあるが、どこに逃げられるかが大人から子どもへ伝わった点で子どもにも良い経験ができたと思う」、仲立ちをした同研究所の牧紀男教授は「(津波から)逃げられることをちゃんと知ることが大切。今日はそのいい機会になったと思う」と講評。宮本区長は「教わったことを頭に入れ、いざというときに対応していきたい」とあいさつをし、実施に感謝した。

 田原小の寺西秀君(5年)は「(田原区内は)道が狭いことやブロック塀が多いことが分かり、怖いなと思った。学校とか山の近くにいる時間をもっと増やそうかなという気持ちになった」と取り組みの実感を語った。

(2023年1月18日付紙面より)

「逃げ地図」づくりに取り組む田原小児童ら=16日、串本町田原の山村交流センター
「逃げ地図」から見えてきた課題検討の結果を発表しあう田原区民ら
2023年01月18日
49 元気良く体を動かす  浦中さんの「あそびライブ」  (鵜殿保育所 )
2023年01月18日
50 大岡春雄さんに感謝状  平典子さん人権擁護委員に委嘱  (紀宝町 )
2023年01月18日
51 農作物の出来が良い年に  林松寺で作柄占う試粥会  (御浜町 )
2023年01月18日
52 生徒会の有効活用に協力  城南中でリサイクルバザー  (新宮市 )
2023年01月18日
53 井関クラブを修復  外観一新、倉庫も増設  (那智勝浦町 )
2023年01月18日
54 新年のお茶稽古に励む  浮島児童館で「初釜」  (新宮市 )
2023年01月18日
55 地殻流体で連動性考える  北佐枝子さん迎え講演会  (南紀熊野GPC )
2023年01月18日
56 雨で仮設道路崩れる 大斎原の潜水橋 (田辺市本宮町)
2023年01月18日
57 お悔やみ情報
  
2023年01月13日
58 地域の発展と豊作願う
 熊野那智大社にまりひめ奉納  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町苺(いちご)生産組合(桒野稔近〈くわの・としちか〉組合長)とJAみくまの農業協同組合が12日、熊野那智大社(男成洋三宮司)に和歌山県のオリジナル品種のイチゴ「まりひめ」約5㌔(20パック)を奉納した。

 那智勝浦町産のイチゴの振興と豊作を願い、この時季に毎年奉納している。今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、おととし、昨年に引き続き生産農家や町立市野々小学校児童、同生産組合のマスコットキャラクター「まりりん」、同町イメージキャラクター「なっちー」らの参列をやめ、平安衣装によるイチゴの振る舞いも中止とした。

 神事には桒野組合長と組合員、JAみくまの農業協同組合職員ら合わせて10人が参列。巫女(みこ)が「那智の瀧舞」を奉納し、代表して桒野組合長が玉串をささげた。

 同組合は1971(昭和46)年に結成され、最盛期には、栽培面積4・5㌶で45人のイチゴ農家が生産に従事してきた。しかし生産者の高齢化などが原因で栽培が減少傾向となっていた。

 現在は若者を中心に再建され、10軒20人の農家が約70㌃の農地でイチゴを栽培している。

 まりひめは紀州の伝統工芸品「紀州手まり」にちなみ、命名された東牟婁地方を代表する特産品。同町太田地区が主要産地で、果実は大きめで甘味が強く酸味もほどよいのが特徴だ。

 神事を終え、桒野組合長は「昨年と比較して、年末から早い寒波が来たため、出荷量は昨年と比較して出だしが遅い。しかし、味は向上していて、甘くておいしいものになっている。昨年と同じ収量を目指したい」。

 今後については「那智勝浦町は観光産業がメインの町。コロナの早期終息と、地域の発展、組合員の健康を祈願しました」と話した。

 「まりひめ」は現在、出荷のピークを迎えている。

(2023年1月13日付紙面より)

まりひめ約5㌔を奉納した=12日、那智勝浦町の熊野那智大社
金幣(きんぺい)の儀が行われた
奉納されたイチゴ「まりひめ」
2023年01月13日
59 受けたい医療やケア考える
 かわりない会で人生会議を紹介  (紀宝町 )

 毎週月曜日に高齢者が集まる通所サービス「かわりない会」(牧戸光彦会長)は9日、紀宝町鵜殿の老人憩の家讃寿(さんじゅ)荘で今年最初の活動があり、演劇を通して「人生会議」の必要性を学んだ。

 人生会議は、もしものときのために、自分が望む医療やケアを前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組み。

 演劇は「紀宝リベンジャーズ」と題し、くまのなる在宅診療所(同町井田)の濱口政也医師、医療・介護従事者が出演した。濱口医師演じる高齢男性が脳出血で倒れた後、過去に戻り、人生会議に取り組み、自身が望むケアを改めて計画する物語。

 「命の危機が迫った状態になると、約70%の方が医療やケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることができなくなるといわれている」などと話し、町地域包括支援センターが作成した「簡易版エンディングノート」や、医師が定期的に自宅を訪問する訪問診療も紹介した。

 最後は「医療や介護が必要になったとき、どこで過ごすのか、どこで最後を迎えるのか、それが自宅であれ、施設であれ、病院であれ、そこに優劣はありません。本人の意向が尊重されることです。『もしも』のときに備え、受けたい医療やケアについて、大切な人と話し合ってみてはどうでしょうか」と伝えた。

 濱口医師は「家族で話し合っておくことが大事」とし、訪問診療の手順なども話した。演劇後は、出演者も一緒にぜんざいに舌鼓を打った。

(2023年1月13日付紙面より)

演劇を通して人生会議を学ぶ=9日、紀宝町鵜殿
2023年01月13日
60 枝打ち鳴らし、平癒願う
 大泰寺で初薬師  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町下和田の定光山大泰寺(西山十海住職)で8日、初薬師法要が営まれた。薬師堂で西山住職らが般若心経などを唱え、参拝者らがヤナギの枝を打ち鳴らして家内安全や無病息災などを祈った。

 同寺は開創1200年、比叡山の開祖・最澄により開かれたという古刹(こさつ)。この日は、秘仏で本尊の薬師如来像も開帳された。薬師如来像は1968年に国の重要文化財に指定されている。

 午前・午後の2回に分けて営まれた法要には、関係者含む約40人が参列。参拝者らは錫杖を手にした西山住職が唱える薬師如来の真言「オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ」に続いてヤナギの枝を打ち鳴らし、厄を払い清めるとともに病の平癒などを願った。焼香後には厄よけのお札が授与された。

 西山住職は「新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束をお祈りしたい。薬師如来は病気を治す仏様。ご利益があるように、一生懸命法要を勤めさせていただきたい」と話していた。

 13日(金)午前10時30分からは、大般若祈祷会が営まれる。餅まきは正午から。当日の祈とう申し込みは薬師堂内で受け付ける。

(2023年1月13日付紙面より)

西山十海住職らが法要を営んだ=8日、那智勝浦町の定光山大泰寺
平癒などを願い、参拝者らが枝を打ち鳴らした(福田萌夏さん撮影)
2023年01月13日
61 一連の手順確かめつつ奉射
 有田神社総代会が「お的祭」  (串本町 )

 串本町有田上にある有田神社(山本貞夫宮司)の総代会(中橋雅総代長)が6日、「お的祭」を営み準備から当日奉仕までの一連の手順を確かめるなどした。

 同神社の新春行事の一つとして伝わっている「お的祭」。1月6日を期日とし氏子区域(有田、有田上、吐生)から弓頭を人選して営む形が長らく定着しているが、最近になって新型コロナウイルスの情勢などで中止が続いている。このような状況でも総代会だけは手順を適切に把握して文化の継承に努めなければと発起し、今年は本来の形とはならないが総代のみで「お的祭」を営むこととした。

 花形の弓頭には副総代長の多田公次さん(69)と総代の多田和男さん(67)を人選。2人は古式の修祓(しゅばつ)「湯立ての儀」で身を清めて神前奉告をし、同神社最寄りの耕作地に設けた的場へ参進した。

 的場には2㍍四方の的があり、2人は約25㍍離れた場所からそれぞれ1、2巡目は各6本、3巡目は3本を的に向けて奉射した。その後同神社へ戻り、白装束から黒装束へと着替えて世話役から魚(ハゲの切り身)の振る舞いを受け、再度的場へ参進。2本を的、最後の1本を渾身(こんしん)の力で的の上に奉射し、同神社で再度魚の振る舞いを受けるなどして締めくくった。

 氏子の向上心と勇ましさをささげて氏神に安堵(あんど)してもらう意味合いがあるとされる同神社の「お的祭」。多田公次さんは「コロナが終息しみんなが良い年を送れるようにと願って臨んだ。今年は総代で奉仕したが、来年はぜひとも(本来通り)住民中心でやれる形になればいいかなと思うし、そのように伝統を引き継いでいければ」、和男さんは「何もしないでいると準備から当日までの流れを知っている人がいなくなってしまうので、こうして総代だけで形だけでもやれたのは大きな成果だと思う。(奉仕を通して)願うのは、コロナの終息と世界平和。世界ができるだけ早く安定し、紛争のない世の中になってほしいと思う」と弓頭の奉仕に込める思いを語った。

(2023年1月13日付紙面より)

「お的祭」の奉射に臨む総代ら=6日、串本町有田上
2023年01月13日
62 フルジェンテ桜井が優勝
 新宮SSS招待兼ヤタガラスカップサッカー大会  
2023年01月13日
63 努力を忘れず成長感じて
 ミニサッカー大会with加藤恒平選手  (新宮サッカースポ少 )
2023年01月13日
64 上富田、王子が制す
 サッカー「トルベリーノカップ」  
2023年01月13日
65 26人が大烏帽子山まで歩く  山歩き部会で初登山楽しむ  (紀宝町 )
2023年01月13日
66 里親パネル展&相談会  那智勝浦町教育センターで  
2023年01月13日
67 一丸となってまい進  優良消防団員を表彰  (太地町 )
2023年01月13日
68 色鮮やかなスイセン  新宮市三輪崎で群生  
2023年01月13日
69 1年の無事やコロナ収束など祈願  天御中主神社で例大祭など  (新宮市 )
2023年01月13日
70 新設内覧会を開催  「ひだまり いのさわ」  (新宮市 )
2023年01月13日
71 県内の移民史など紹介  中央公民館でパネル展  (古座川町 )
2023年01月13日
72 生活支援商品券交付開始  引き換え期間は31日まで  (串本町 )
2023年01月13日
73 ヤツデの花が盛り  新宮城跡で  
2023年01月13日
74 お悔やみ情報
  
2023年01月08日
75 新年迎え、決意新た
 新宮商工会議所「新春年賀会」  

 新宮市井の沢の新宮ユーアイホテルで5日、新宮商工会議所(関康之会頭)の新春年賀会が開催された。同会議所役員ら約50人が出席し、新春をことほいだ。

 関会頭は冒頭のあいさつで「長かった新型コロナウイルスの影響から脱却する糸口がようやく見え始めたがコロナ前の状態にはまだまだ戻らず、加えて原材料費の高騰や大手チェーン店の出店、人口減少とそれに伴う人手不足、人材不足などにより地方経済を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いている」。

 「商工会議所として、諸問題に積極的に取り組み、『経営改善普及事業』をはじめとして、事業者に寄り添った伴走型の経営支援を引き続き行っていく」と誓いを新たに。

 また、紀伊半島一周高速道路の現状や今後の計画、新宮市の姉妹都市・名取市の名取老女が名取熊野三社を勧請(かんじょう)して今年で900年の節目を迎えることなどに言及。「当商工会議所は課題に前向きに取り組み、会員のための、また、地域のためになる商工会議所として、地域経済の発展に引き続き取り組んでいく所存。エンターテインメントの観点からも『熊野の魅力を再発掘』し、地域の活性化につなげてまいりたいと思っています」と力を込めた。

 来賓として出席した田岡実千年市長は「入国制限の解禁によるインバウンドの本格的な回復に期待し、2025年の大阪・関西万博に焦点を合わせて取り組んでいきたい。また、引き続き令和5年度もサイクルツーリズムに力を入れ、Eバイク(電動アシスト自転車)の増車やサイクリストに向けた情報発信を実施していければ」などとあいさつ。

 榎本鉄也市議会議長は「本市においても地域経済、とりわけ飲食業や観光業をはじめ、中小企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあるが、社会情勢を踏まえ、活気にあふれた魅力あるまちづくりを目指して市当局と共に全力で取り組んでいく」と述べた。

 同商工会議所の夏山晃一顧問が地域発展を祈願し乾杯の音頭。新年の門出を祝った。

(2023年1月8日付紙面より)

夏山晃一顧問の音頭で乾杯した=5日、新宮市井の沢の新宮ユーアイホテル
関康之会頭
2023年01月08日
76 林家染二さんの講演と落語
 新春初笑い演芸会  (那智勝浦町 )

 南紀くろしお商工会(森川起安会長)は5日、那智勝浦町の体育文化会館で新春の集い!「新春初笑い演芸会」を開催した。那智勝浦観光機構、町水産振興会、南紀勝浦温泉旅館組合が協力。「~笑う門には福来たる~思いっきり笑うと元気になれます」と題して落語家の林家染二さんが講演後に落語を披露し、60人が来場した会場は笑いに包まれた。

 染二さんは1984年に二代目林家染二(現四代目染丸)さんに入門。翌85年に染吉として林家一門勉強会で初舞台。97年に「三代目・林家染二」を襲名した。上方落語会では、文化庁芸術祭優秀賞を2度受賞したほか、天満天神繁昌亭大賞など、多数の賞も受賞している。

 また、日航名人会海外公演では19カ国30都市を巡演。2012年からは京都大学で、落語家では初となるゲスト講師を年に1回務めるほか、大学教育や各種社会問題をテーマとした講演などを幅広く活躍している。

 森川会長が来月19日(日)に3年ぶりの開催が予定されている第26回商工祭「南の国の雪まつり」に触れ、「希望する声も多かった。コロナ禍だが、町や経済の活性のために開催したいと思う」。

 演芸会については「楽しい演芸会になることを期待してほしい。今日は思い切り笑っていただければ」とあいさつした。

 染二さんは卓越したトークとともに登場し「はなし家として38年目。小さい頃にこちらに来たことはあるが、仕事では初めて。気楽に笑っていただけたら」と笑いを誘った。

 1部の講演では、入門時、自身の師匠と接する際に重要となる「快のアンテナ」について解説。気配り、目配り、気転が必要であるとし、「師匠が何を求めているのかを知らなくてはいけない。どうすれば人が喜ぶのかを学ぶことができる」と話した。

 笑いについては、自己免疫力が高まり、調和につながると説明し、多くを学んだ笑福亭仁鶴さんとのエピソードや雑談する力の詳細を紹介した。

 母親が赤ん坊をあやす際の声かけ「マザリーズ」を用いることや触れ合いと声をかけ合うこと、「そうだね」「ありがとう」「大丈夫」「ごめんね」「おつかれさま」の言葉などもで重要であると強調した。

 2部では着物姿の染二さんが高座に上がり、落語「車屋」を披露。来場者は笑い声を上げ、大きな拍手を送った。

(2023年1月8日付紙面より)

林家染二さんが落語を披露=5日、那智勝浦町の体育文化会館
来場者が染二さんのトークや落語を堪能した
2023年01月08日
77 子どもたちが雪遊び満喫
 雪フェスティバル、開幕  (飛雪の滝キャンプ場 )

 紀宝町浅里の飛雪の滝キャンプ場で7日、「雪フェスティバル」が開かれた。スノーマシンで雪に覆われた芝生広場に子どもたちが集まり、普段体験できない雪だるま作りやそりなどの遊びを満喫した。8日も午前10時から午後4時まで開かれる。入場無料。

 雪が積もらない紀宝町で雪遊びを楽しんでもらおうと、初めて開催。初日は5㌧の氷を用意し、スノーマシンで雪を降らせた。子どもたちは「冷たい」「シャリシャリしてる」と喜び、雪だるまと一緒に写真撮影するなど、楽しい時間を過ごした。

 8日も芝生広場に雪を降らせる。正午から飛雪米を使用した「飛雪の滝オリジナルマイヤーレモンカレー」(先着100人)、豚汁(先着100人)、午後2時からぜんざいの振る舞いがある。小学生以下にはお菓子の詰め合わせ(先着100人)をプレゼントする。

 午後1時からは点描体験教室、2時30分からアウトドアショップ「Orange」の山本マネージャー、兄弟お笑い芸人「すみたに」によるトークショー「冬キャンの楽しみ方について」も繰り広げる。

 問い合わせは飛雪の滝キャンプ場(電話0735・21・1333)まで。

(2023年1月8日付紙面より)

芝生広場に積もった白い雪=7日、紀宝町浅里の飛雪の滝キャンプ場
そりを楽しむ子どもたち
かわいい雪だるまを作る
2023年01月08日
78 日本林業遺産登録目指し
 「北山川の筏流し技術」  

 北山村教育委員会(泉清久教育長)はこのほど、「北山川の筏(いかだ)流し技術」を今年春ごろの認可に向け、日本林業遺産登録の申請をした。認可を受ければ和歌山県初の日本林業遺産となる。

 1914年に創立した日本森林学会が行う林業遺産認定事業は、2013年に学会100周年を契機として、日本各地の林業の多様な発展の歴史を将来にわたり記憶・記録していくための試みとして発足した。

 候補の推薦は学会員を通じて行われ、林業遺産選定委員会で審議の上、理事会の承認を得て選定となる。なお、22年12月現在では全国で48件が認定されている。

 日本で唯一の飛び地の村である北山村の「筏流し」は、道路もトラックもない、古い時代から良質な木材が育まれる奥熊野の木材を筏師が組み乗り、北山川から熊野川を流し、河口まで搬出輸送していた林業文化。

 現在は筏流しの技術と、筏を組む技術を継承するために観光に転用し、毎年5月から9月までの間「北山川観光筏下り」として世界中から約6500~7000人が体験に訪れる観光の目玉となっており、同村では筏師の後継育成にも力を注いでいる。

 全国に同じような筏流しの歴史はあるが、技術と文化が今も残されており、かつ運航しているのは日本で同村のみとなっている。

 このたびの申請は、日本の林業の歴史として、そして「木の国=紀の国」の語源となるほど、山の資源に恵まれた和歌山県の歴史が色濃く残された文化であり、北山川の険しい渓谷の数ある難所を越えてきた同村の歴史も受け継がれていることから、日本森林学会林業遺産地区推薦委員で大住克博・元鳥取大学教授が推薦した。

(2023年1月8日付紙面より)

昨年の観光筏下りの様子
2023年01月08日
79 「那智の滝」を演歌で  歌手が町長を表敬訪問  (那智勝浦町 )
2023年01月08日
80 徐福公園で微増  年末年始の来場者数  (新宮市 )
2023年01月08日
81 オレンジ色のクチナシの実  浮島の森で熟す  (新宮市 )
2023年01月08日
82 「中上健次と御燈祭り」  市立図書館で企画展  (新宮市 )
2023年01月08日
83 「熊野大花火、開催したい」  河上市長が年頭記者会見  (熊野市 )
2023年01月08日
84 高速道路延伸の効果を紹介  はぐくみの森でパネル展  (紀宝町 )
2023年01月08日
85 お悔やみ情報
  
2023年01月07日
86 変化し時代を乗り越える
 賀詞交歓会に40人出席  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の南紀くろしお商工会は、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)、町水産振興会、南紀勝浦温泉旅館組合の協力の下に5日、町体育文化会館で「新春の集い!~賀詞交歓会~」を開いた。恒例の催しに関係者ら約40人が出席し、交流を深めた。

 賀詞交歓会は商工業、観光、水産が一体となり町の活性化に寄与することが目的。この日の司会は同商工会女性部の大林幸子部長が務めた。

 南紀くろしお商工会の森川起安会長は作家・司馬遼太郎の「疫病は社会を変える」という言葉を挙げ「まさしく現在がそのような状況。われわれに必要なことは衛生管理の行き届いた安心安全な町づくりだと思う。それを念頭に置き、周辺経済の活性化を図らなくてはならない」。

 町の主力産業観光については、本物が求められる時代になったとし「この町にもチャンスが来る。つかみ取るには行政や議会、諸団体、住民が志を一つにすることが肝要。われわれもウサギのごとく素早い動きとジャンプ力で変化し、この難しい時代を乗り越え、新時代を迎えましょう」とあいさつした。

 堀順一郎町長は、これまで町が実施してきた経済対策やさまざまな支援について報告。「町としてはそれらに加えて、子ども・子育てを支援する。さらに住民の安心安全を守るとともに、観光の目玉ともなる避難タワーを築地地区に建設したいと考えている。町が飛躍するためにも、ウサギの耳のようにアンテナを高くして声なき声に耳を傾け、町政を進めていきたい」と語った。

 式典では感染症対策のため、国歌や「一月一日」は斉唱せず、傾聴となった。恒例の鏡開きは行われた。荒尾典男町議会議長の乾杯の後、出席者は近況や新年の抱負などを歓談し、交流した。

(2023年1月7日付紙面より)

町の発展を祈り鏡開きが行われた=5日、那智勝浦町体育文化会館
「新春の集い!~賀詞交歓会~」での乾杯の様子
2023年01月07日
87 「鯨供養」が意味するものは
 歴探スクールで櫻井敬人さん  (新宮市 )

 熊野学研究委員会歴史部会・新宮市教育委員会が主催する令和4年度熊野学講座「第37回歴史探訪スクール」が5日、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」であった。太地町歴史資料室学芸員の櫻井敬人さんが「鯨供養」を題目に講話。約40人が聴講した。

 櫻井さんは「日本には人間以外の供養塔がたくさんある。鯨、ウナギ、フグ、牛、豚、鳥、マグロ、木。生き物だけではなくいろいろなものが供養の対象になる」。

 同町にある東明寺の「亡鯨聚霊塔」、熊野市二木島の「鯨供養塔」、那智勝浦町青岸渡寺の「魚霊供養碑」、瑞光寺(大阪市東淀川区)の「雪鯨橋」、岡山県瀬戸内市牛窓町の「大鯨供養塔」などを紹介し、龍昌院(佐賀県唐津市)の「鯨鯢(げいけい)供養塔」、海蔵院(高知県土佐清水市)の「為鯨供養」では地蔵が配置されていると説明。

 太地町・順心寺、東明寺の六地蔵との関連や「六道(地獄道、餓鬼道、畜生道、阿修羅〈あしゅら〉道、人道、天道)」・「輪廻(りんね)転生」の関係性に言及し「向岸寺(山口県長門市)の鯨墓には『業尽有情/雖放不生/故宿人天/同証仏果』と記されている。それは諏訪大社が狩猟・肉食の免罪符『鹿食免(かじきめん)』として発行してきた『諏訪の勘文』のもの。生き物を捕らえて食べる、そうすることで畜生道にさまよっていた動物はあの世にいくことができると解釈されてきた。狩猟を生業にする人にとってはありがたい言葉だったのでは」と解説した。

 東明寺の「亡鯨聚霊塔」には「懺摩一会(集まって罪を告白し赦〈ゆる〉しを乞う)妙典石経(妙法蓮華経を石に刻む)」とあるとし、新宮市三輪崎孔島(くしま)厳島(いつくしま)神社の法華塔、高野坂の金光稲荷神社にある石祠、串本町西向の「原町の小堂」にある法経塔などを紹介し「江戸時代の鯨捕りたちは法華経の力を頼りにしていたのかもしれない。亡鯨聚霊塔を建てた人々は、法華経と彼らの善行がもたらす仏の恵みが、人だけではなく今は亡き鯨にも振り向けられ、人と共に鯨も成仏することを願っていたのでは」と話していた。

(2023年1月7日付紙面より)

約40人が聴講した=5日、新宮市の「丹鶴ホール」
櫻井敬人さん
2023年01月07日
88 孫と祖父母のペアで挑戦 主催事業「グラウンドゴルフを楽しもう」 (潮岬青少年の家)

 串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家(山口和紀所長)の主催事業「新春企画孫(子ども)とグラウンド・ゴルフ(GG)を楽しもう」が5日にあり、小学生以上の孫と祖父母のペア12組24人が試合に挑戦するなどした。

 日本GG協会認定3コースなどの競技環境を常設し、シニア層の練習や大会のみならず施設を利用する青少年層も活動の一環で挑戦するなど幅広い世代の競技愛好を得ている同家。これら利用を支える中で思いついたのがGGで家族の世代間交流を応援するこの主催事業で、敬老の日にちなんだ企画として昨年秋に初実施を目指したが台風接近に伴う荒天で実施できず、次は帰省で家族が集まりやすい正月に期日を設けて再度初実施を目指し実現へとこぎ着けた。

 当日は程よく雲が流れる晴天に恵まれ、前半は各組ごとに約1時間の練習をし昼食休憩。後半は3組ずつの4グループに分かれ、各組とも常に2人が交互に打つルールで2ラウンド計16ホールを回る試合に挑戦した。

 練習をしたことはあるが試合をするのは初めてという河田舞耶さん(12)は「坂になっているホールは難しかったけど、2打上がりもあって楽しかった」。同家を利用するGG愛好者の一人でもある祖父・一夫さん(83)は「孫と二人で挑戦できただけで十分楽しかった」と参加した印象をそれぞれコメント。

 試合終了後は成績上位ペアを発表して拍手でたたえ、山口所長は「グラウンド・ゴルフは高齢者だけではないというところを皆さんに分かっていただき、その輪をもっと広げて親子や家族でもプレーできる状態を今後つくっていきたい。次はゴールデンウイークにこの事業を仕掛けようと思っているので、また参加いただければ」と呼びかけて締めくくった。

(2023年1月7日付紙面より)

孫と祖父母のペアでGGの試合に挑戦=5日、串本町潮岬
初実施に参加したペアの皆さん
2023年01月07日
89 明確な目標持って過ごして
 オンラインで始業式  (新宮高校 )

 新宮市の県立新宮高校(東啓史校長、生徒561人)で6日、3学期の始業式が開かれた。2学期の終業式に続き、各教室をオンラインで中継する形で実施した。

 校歌静聴に続き、東校長があいさつ。携帯電話機市場でアップル社に敗北したノキア社最高経営責任者(CEO)の「何もミスはしていないのに、なぜか負けた」という言葉を引用し、「周りが成長しているときの現状維持は衰退と同じ。時代も含めて自分を取り巻く環境を把握し、明確な目標・意思とシンプルな方法の継続が重要。3学期は1年間のまとめとなる重要な時期。客観的な視点を持って自分の状況を分析し、明確な目標を持って過ごして」と呼びかけた。

 冬休み中に生徒が巻き込まれる事件・事故はなかったが、新型コロナウイルス感染症第8波の感染者数増加が続いていることから、気を抜かずに対策を継続するよう呼びかけがあった。午前中には早速課題テストなどが行われていた。

 県立新翔高校および新宮・東牟婁地方の公立小中学校は10日(火)に始業式が開かれる。

(2023年1月7日付紙面より)

オンラインで中継をつないで式を実施=6日、新宮市の県立新宮高校
2023年01月07日
90 熊野の良さを守っていきたい  熊野市二十歳を祝う会  
2023年01月07日
91 3年ぶりに一斉放水  御浜町消防出初め式  
2023年01月07日
92 元気良く野球を楽しんで  元巨人・鬼屋敷正人さんが激励  (紀宝町 )
2023年01月07日
93 前年を超える場所も 熊野三山の初詣客数 
2023年01月07日
94 「ありがとう」の思いで  勝浦ヤンキースが清掃活動  
2023年01月07日
95 心身鍛え技術向上を図る  OBも参加し伝統の寒稽古  (新宮剣友会 )
2023年01月07日
96 5周年記念曲「折鶴よありがとう」  15日に発売、那智勝浦町の加藤裕也さん  
2023年01月07日
97 宮大工が仕事始め  安全や向上願い手釿始式  (熊野那智大社 )
2023年01月07日
98 花の盛り迎え芳香漂わせる  樫野埼灯台一帯のスイセン  (串本町 )
2023年01月07日
99 制度概要踏まえ対応考える  インボイス制度のセミナー  (串本町商工会 )
2023年01月07日
100 212人が新たな門出  誇りと感謝胸に「二十歳の集い」  (新宮市 )
2023年01月07日
101 熊野・南郡で計21人
 県内で1883人感染  (三重県内の新型コロナ感染者状況 )
2023年01月05日
102 自覚と誇り持ち新たな門出
 「二十歳のつどい」に97人  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の体育文化会館で3日、令和5年「二十歳のつどい」が開かれ、125人中97人(男52、女45、昨年は106人が出席)の新成人が出席した。振り袖やはかま、スーツに身を包んだ出席者たちは級友との再会を喜び、保護者らが門出を祝福する中、大人としての自覚を新たにした。

 昨年4月に成年年齢がこれまでの20歳から18歳に引き下げられたことから、成人式の名称を「二十歳のつどい」に変更。対象年齢は従来通りの20歳とした。昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となっていた式典が、2年ぶりに開催された。

 式典では過去に開催された「さわかみオペラin南紀勝浦生まぐろ市場コンサート」の際に、オペラ歌手が歌った「町歌」の映像が流され、一同が傾聴した。

 堀順一郎町長はコロナ禍による町の経済への影響やロシアによるウクライナへの軍事侵攻、サッカーワールドカップにおける日本代表の活躍など、昨年を振り返った。新成人に対しては「日本サッカー界に多大な影響をもたらした名誉町民の中村覚之助さんはふるさとの誇り。皆さま方にも世界に目を向け、さまざまなことに挑戦してほしい。苦しい時のほうが多いかもしれないが、友人や家族を思い出して支え合い、ふるさとを忘れないでください」と激励し、荒尾典男町議会議長が祝辞を述べた。

 新成人代表で神戸女子大学2年の柴原希(のぞみ)さん(20)は「私たちは共に歩んできた仲間たち、時には優しく、時には厳しく導いてくれた家族や先生方のおかげで成長することができました。見守ってくれた地域の方々には感謝しています。中村覚之助さんが、宇久井小学校に勤められていたことを誇りに思いました。自然、歴史、文化豊かな那智勝浦町で学び、育った私たちはサッカー日本代表のように、何ごとにも粘り強く、仲間と助け合い、明るい未来に躍進してまいります」と誓った。

(2023年1月5日付紙面より)

新成人を代表し町立宇久井中学校出身の柴原希さんが謝辞を述べた=3日、那智勝浦町の体育文化会館
出席した新成人の皆さん
2023年01月05日
103 成人の節目を祝い励ます
 二十歳の集いや成人式挙行  (串本町 )

 串本町と同町教育委員会が3日、文化センターで令和5年二十歳の集いと令和3年成人式を順次挙行しそれぞれの対象者の成人の節目を祝い励ました。

 いずれも帰省をしやすい正月三が日の最終日を期日とし、対象者有志が結成する実行委員会の運営で挙行。同式は新型コロナウイルスの情勢で本来開くべき年に開けず、後の対象者やその家族らの嘆願により2年遅れで実施する形となった。

 同集いの対象者は2002年4月2日から03年4月1日までに生まれた男女で、当日は94人が出席。実行委員の上野晴夏さんと野田彩加さんが進行を務め、主催者代表の田嶋勝正町長は昨今の社会情勢の厳しさを振り返りつつ「考え方次第では多くのチャンスが転がっている」と対象者の歩む将来を捉え、若いからこそ何にでも挑戦でき1、2回失敗しても立ち直る力もあると諭しつつ「まずは(20代の)10年間、人生で二度とないぐらい頑張って将来の道筋を見つけてほしい」と励ました。

 来賓を代表して町議会の鈴木幸夫議長と県議会の佐藤武治議員が祝辞を述べ、町議会議員複数も列席。教育委員会の濵地弘貴教育次長が岸本周平知事のメッセージを代読し、対象者を代表して瓜田優雅さんが宣誓をして励ましに応えるなどした。

 和歌山市で技術職に励む山本龍輝さん(20)は「今まで育ててくれた親や周りの皆さんに感謝しながら、立派な人間になれるよう精進します。親のように人に優しくできる人間になりたい」、地元で看護師を目指し学業に励む堀真日蕗さん(19)は「責任感と大人らしさ、成人した実感を持って頑張り、今まで育ててくれた両親に恩返ししていきたい」と引き締まる気持ちを語った。

 同式の対象者は2000年4月2日から01年4月1日に生まれた男女で、当日は57人が出席。実行委員の岡村龍之介さんと荒木麻那さんが進行を務め、田嶋町長は串本には高速延伸やロケットの打ち上げなど明るい話題があることを伝えつつ「若さは最大の武器」として今後の鋭意挑戦を促した。来賓の祝辞や知事メッセージ代読を経て、対象者を代表し髙田紅恋さんが宣誓をして励ましに応えるなどした。

 陸上自衛隊の隊員として励んでいる吉村海さん(22)は「署名など皆さまのご協力でしっかりとした成人式を迎えられ感謝していますし、改めて大人になったと実感することができました。うさぎ年ということでこれからもっともっと飛躍できるよう精進します」と心境を語った。

(2023年1月5日付紙面より)

令和5年二十歳の集いに出席した対象者など=3日、串本町串本
令和3年成人式に出席した対象者など
2023年01月05日
104 新たな一年がスタート
 官公庁で仕事始め式  

 和歌山県庁や各市町村など官公庁で4日、仕事始め式があった。6日間の休業を終えた職員たちは首長らの訓示の下、気を引き締めて新しい一年のスタートを切った。

  □     □

■新宮市



 新宮市役所別館であった仕事始め式には、職員や来賓の榎本鉄也市議会議長や東原伸也副議長ら約75人が出席した。市歌静聴に続き、田岡実千年市長が「『市政は市民のためにあり』を念頭に、市民生活に密着し諸課題の解決に向けた取り組みを誠心誠意進めていく」と所感表明。

 防災や子育て、観光、市民サービス、新型コロナウイルス感染症、経済など、各種施策を展開していくとし「さまざまな課題に対しても『市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまち』の実現を念頭に、職員と共に渾身(こんしん)の力を込め取り組んでいく」と誓いを新たに「市民の笑顔のために、私たちも笑顔で一年、一生懸命頑張っていきましょう」と訓示した。

 榎本議長は「対立と批判からは何も生まれない。後ろ向きな議論ではなく、『市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまち』の実現を目指して懸命に汗を流していきたい」。

 向井雅男副市長が「皆さんの英知と情熱を引き上げていただき、一致団結して課題に取り組んでいきたい」と乾杯の音頭。速水盛康教育長が「先の展望をしっかりと築き、また見据えながらご努力を」と述べ、万歳三唱で士気を高めた。

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■那智勝浦町



 那智勝浦町は、庁舎大会議室で仕事始め式を開いた。約50人の管理職職員が出席し、今年の業務に取り組むに当たり、気持ちを新たにした。

 町歌を斉唱後、堀順一郎町長は昨年も新型コロナウイルスの感染予防やワクチン接種、経済対策、マイナンバーカード利用促進などに取り組んだ職員をねぎらった。

 職務については「『仕事は昨年と同様だから行う』『上司に言われたからする』のではなく、何のために行うのかをそしゃくしてほしい。私たちは町民のために存在している。一人一人が自覚を持って職務に当たってほしい」と訓示した。

 岡田秀洋教育長は「健康管理にご留意してほしい。みんなが一つになった那智勝浦町を目指していきたい。1年間、よろしくお願いいたします」と呼びかけた。

(2023年1月5日付紙面より)

万歳三唱で士気を高めた=4日、新宮市役所別館
堀順一郎町長の訓示に気持ちを新たにする職員たち=同日、那智勝浦町役場
2023年01月05日
105 約60㌧の水揚げに活気
 恒例のマグロ初市  (那智勝浦町 )

 はえ縄漁による生鮮マグロの水揚げ量が日本一の那智勝浦町の勝浦地方卸売市場で4日、初市が行われた。この日は高知、大分、宮崎県のはえ縄漁船6隻がメバチ、キハダ、ビンチョウの各マグロなど約60㌧を水揚げした。天候不良で昨年末に減少した水揚げだったが、初市では例年並みに回復し、市場は50社80人の仲買人で活気づいた。クロマグロの水揚げはなかった。

 初市開始前の午前6時50分ごろには式典が開かれた。堀順一郎町長はマグロの水揚げや町の水産振興に寄与する関係者らに感謝を述べ「コロナ禍も終息が見えず、ロシアのウクライナ侵攻による原油高もあり、大変な経済状況だと思う。町としても支援に努めていきたい。皆さまの安全と大漁を祈念しております」と話した。

 続いて、和歌山県漁業協同組合連合会の片谷匡副会長が「漁業者の皆さまが今年も安全に漁をされ、仲買人・関係事業者さまが全国に素晴らしいマグロを多く届けられるように願っています」。

 勝浦魚商協同組合の木下勝之組合長が「活動をもって業界に貢献し、地域全体が飛躍向上できるよう頑張りたい」とあいさつした。同町議会の荒尾典男議長の音頭で乾杯後、初市が開始された。

 県漁連勝浦市場の太田直久市場長は「今年は良いスタートが切れたと思う。最近10㌔以下のビンチョウがよく交じっているため、クロマグロが早い時期に水揚げできるのではないかと期待している。今年はうさぎ年、飛躍の1年になれば」と語った。

 初市の水揚げ量はメバチが約400本、キハダ約70本、ビンチョウが約3600本の約60㌧だった。主に関西や関東、東海地方へ出荷される。

(2023年1月5日付紙面より)

良いスタートとなった初市の様子=4日早朝、那智勝浦町の勝浦地方卸売市場
水揚げの様子
2023年01月05日
106 一陽来福の思い忘れず  東仙寺で「除夜の鐘」  (新宮市 )
2023年01月05日
107 皇室や国家の繁栄祈る  熊野三山で歳旦祭  
2023年01月05日
108 国家安泰やコロナ終息願う  王子神社で歳旦祭  (新宮市 )
2023年01月05日
109 参拝者、新年の幕開け祝う  七里御浜で新春花火大会  (熊野市 )
2023年01月05日
110 積極果敢にチャレンジを  「二十歳を祝う会」ら  (紀宝町・御浜町 )
2023年01月05日
111 2023年がスタート  熊野地方でも初日の出参り  
2023年01月05日
112 お悔やみ情報