海上自衛隊呉音楽隊「ふれあいコンサート」 (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で26日、海上自衛隊呉音楽隊(指揮者=真道友樹・音楽隊長1等海尉)による「ふれあいコンサート」があった。約600人の来場者を迫力ある演奏で魅了した。
市と市教育委員会が主催した同施設オープニングイヤー事業(後期)の一環。新宮防衛協会共催、同音楽隊と自衛隊和歌山地方協力本部が協力した。開催に向けて鑑賞希望者を募ったところ、1048通(2972人)の応募が寄せられ倍率は約5倍に。和歌山地方協力本部新宮地域事務所が抽選を行い、応募者の中から601人が鑑賞の機会に恵まれた。
同音楽隊は1956年に発足。76年5月に呉地方総監直轄部隊として正式に編制が認められた。▽士気高揚のため▽儀式▽広報のため―の音楽演奏を主な任務としており、自衛隊と国民の架け橋となり、愛される音楽隊を目指して日々演奏活動を行っている。
広島県内をはじめ、近畿や中国、四国地方などの広い範囲を担当するほか、海上自衛隊が初任幹部の教育ならびに国際親善を図るため実施している遠洋練習航海にも毎年隊員を派出。世界各国の寄港地で言語を超えた交流を展開している。
開演に先立ち、田岡実千年市長が「多くの市民、周辺市町村の方々から応募があった。呉音楽隊は世界各国の寄港地を訪問されている、自衛隊でも最高峰の音楽隊。私も皆さんと一緒に、普段聞くことのできない素晴らしい演奏を楽しみたい」とあいさつ。開催に当たって関係者らの尽力に感謝を伝えた。
コンサートは、旭日旗(自衛艦旗)を掲げて航行する護衛艦の勇姿と、艦上で迎える朝の美しさを表現した「艦上の旭日」で華々しく幕開け。「熊蜂の飛行」や「吹奏楽のための第1組曲」、「カントリーロード」「鉄腕アトム」など、クラシックの名曲や吹奏楽曲、ドラマ主題歌、アニメ挿入歌、アンコール合わせて13曲を披露。観客が手拍子で音楽隊と共演する一幕もあり、大盛況のうちに幕を下ろした。
「丹鶴ホール」入り口付近では、和歌山地方協力本部による串本分屯基地の紹介などがパネルで紹介されたほか、軽装甲機動車などの展示もあった。
(2022年6月28日付紙面より)
NPO法人「七彩会」 (太地町 )
NPO法人「七彩(なないろ)会」は26日、那智勝浦町市屋の太地町地域福祉センター梛(なぎ)で初となるフリーマーケットを開催した。三重県や新宮・東牟婁地域から集まった出店者の各ブース20店舗には多くの来場客が訪れ、終始にぎわいをみせた。
フリーマーケットはコロナ禍で催しが少ない中、多くの人々が楽しく、気軽に集まれる機会の創出を目的に開催。1年前から計画されていたが、新型コロナウイルスの影響で開催が延期となっていたという。
この日、職員らはしっかりと感染症対策に取り組み、来場客にも協力を呼びかけた。オープン前から約50人の来場客が待つほど盛況で、雑貨やアクセサリー、花食器、子ども服、服、菓子などの出店に加え、メダカすくいや己書などの体験ブースも人気だった。
フリーマーケットの責任者である同法人の漁野祐子さんは「募集時は出店者さまが集まるのか、開催はできるのかと不安だった。しかし、多くの出店やたくさんのお客さまでにぎわい、本当にありがたい。今回の課題を見つけ、参考にしながら次回の開催につなげていきたい」と語った。
新宮市から訪れ、買い物を楽しんでいた50代女性は「活気があってうれしい。ほしい物が手に入った。そろそろ、こういった催しが、次々と各地域で実施されても良いのではと思います」と話していた。
(2022年6月28日付紙面より)
中央公民館で児童館七夕会 (古座川町 )
古座川町高池にある中央公民館で25日に児童館七夕会があり、子ども42人や送迎の保護者が参加して一足早く雰囲気を楽しんだ。
町内の小学生以下を対象にした風物詩行事で平年は当日受け付けの集会として開いているが、前年度に続いて本年度も感染症予防を考慮し事前申し込み制で各企画を順番に巡ってもらう形を計画。前年度にはなかった宝釣りゲームやフォトスポットといった新規企画を加えて内容を充実しつつ、参加を呼びかけた。
子どもらはあらかじめ家庭で作った飾りや願い事を書いた短冊を持って午前10時~11時に時間差で参加し、高さ約4㍍で切り出したササに結び付け新規要素を楽しみつつひこ星役や織り姫役から七夕セットや菓子が詰まったプレゼントをもらった。
短冊には勉強や今頑張っていることの上達、憧れている人との出会い、家族の幸せなどさまざまな願いが書かれていて、飾り付けた後のササは7月7日の笹流しまで館内展示するという。
会場飾りの手作りなど準備に尽力した子育て支援センターの加藤雅美保育士(児童館事業兼務)は「今もコロナ禍で外出する機会が以前より少ないと思う。家族や友達との楽しい思い出になれば」と願い、会場での短冊作りやササへの飾り付けを後押しした。
(2022年6月28日付紙面より)
セレモニーホールなちで人形供養 (那智勝浦町 )
みくまの農業協同組合(JAみくまの、漆畑繁生代表理事組合長)は26日、3年ぶりとなる「人形・ぬいぐるみ供養祭」を那智勝浦町川関のセレモニーホールなちで営んだ。新型コロナウイルスの影響で2年間中止となっており、今年で11回目。ひな人形や市松人形、こけしやぬいぐるみなどが持ち寄られ、参列者たちは心を込めて人形を供養した。
同組合は「農」と「食」と「地域」を守るという理念の下、さまざまな活動に取り組んでおり、供養祭もその一環。思い出の詰まった人形を捨てるのが忍びないという人に向け、ホールを開設後、コロナ禍までは毎年開催してきた。
この日は300人以上が約5000体の人形を持ち寄った。供養式では新宮市佐野の南珠寺の伊藤秀幸(しゅうこう)住職が「人形に対して、これまでの感謝の気持ちを持って、ご焼香お願いします」とあいさつ。読経が行われる中、参列した約70人が順に焼香して手を合わせた。
同町在住の50代男性は「妻のひな人形を持ってきました。こちらで供養祭をやっていただけるのは本当に助かります」。
新宮市在住の80代女性は「コロナで久しぶりだからか、多くのお人形さんが持ち寄られたのだと思う。大切にしていたので情や気持ちも入るので、自分では処分できない。ありがたいです」と語った。
ホールの塚文和センター長は「3年ぶりのため、お待ちいただいた方や問い合わせされる方も多かった。供養祭にご参加いただきありがたい。コロナ禍や何か事情がない限りは今後も継続していきたいと思います」と語った。
(2022年6月28日付紙面より)
全国高校野球選手権和歌山大会
第73回紀南中学校大会 (県バレーボール協会東牟婁支部 )
「七夕願いよ 届け」 (那智勝浦町 )
昨年6月末から7月7日に那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)で初開催し、多くの人でにぎわった「七夕願いよ 届け」。第2回に向け、勝浦八幡神社七夕実行委員会では現在、準備を進めている。12日夜には地元の高校生らも協力し、今年初めて点灯させる竹灯籠や牛乳パック灯籠の並べ方などを考えた。
催しはコロナ禍の中、同委員会の上松資弘さんが「悩みや願いを集め、心のよりどころとなる場をつくりたい」との思いから髙橋宮司に相談し、開催に至った。
手作りの木製短冊に髙橋宮司が、「七夕祈願」と筆を入れ神社の印を押したものを準備。参加者は短冊台2基に願いを書いた短冊をつるした。
今年も30日(木)から7月7日(木)の七夕当日まで短冊に願いを書き、つるすことができる。午前8時から午後8時まで。無料。雨天時は社務所に短冊を準備している。今回は七夕の笹の受け取りも神社で行う。
新たな取り組みとして、竹灯籠や牛乳パック灯籠、竹あかりを合わせて320個ほど境内に置き、「よみがえれ脇仲倶楽部」から借りたビン玉を七夕台に設置し、どちらも点灯させる。上松さんらは竹の調達や加工、ろうそくやLEDキャンドルなどの準備も進めてきた。
昨年も催しに協力した川畑悠里子さんの娘の花愛(はな)さん(新宮高2年)は「交流サイト(SNS)に投稿する写真が見栄えするように並べ方を工夫した。喜んでもらえたらうれしいです」。
瀧本梨乃さん(同)は「町を元気づけたいと思い参加した。夏の思い出を増やしていただけたら」とコメント。
髙橋宮司は「若い方が参加してくれてありがたい。輪が広がることを期待したい。都会に出られても、この催しを思い出し、戻ってきてくれたら」と話した。
上松さんは「皆さんの協力がありがたい。さださんからは『良い企画なので続けたほうがいい』とお声をもらった」。
当日について「悩みや願いのある方はもちろんですが、多くの方に神社に集まってほしい。短冊をつるし、灯籠を見て、楽しい時間を過ごしていただけたら」と語った。
なお、今年も、上松さんと親交のある歌手で小説家のさだまさしさんから直筆の短冊が届いた。
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■ワークショップや当日
同委員会は7月3日(日)午後1時から神社社務所で、牛乳パック灯籠を作成するためのワークショップを開催する。
無料。申し込み不要で定員なし。子どもから大人まで、参加可能。同日午後7時ごろから、試験点灯も行う。
7日当日は午後6時30分から、七夕祭の神事が髙橋宮司によって営まれる。灯籠などの点灯は午後7時ごろを予定。無料。
(2022年6月22日付紙面より)
今年もプール授業始まる (紀宝町 )
紀宝町立成川小学校(大藤伸之校長、児童53人)で20日、プールの授業が始まり、児童たちが初泳ぎを楽しんだ。おととしは新型コロナウイルス対策のため水泳授業が行われなかったが、昨年から町内各小学校で再開した。
成川小では4~6年生の体育授業で水泳があり、水着に着替えた19人が頭、胸、顔の順に水をかけプールの中へ。頭までつかり、うつ伏せ、あお向けで浮く練習やバタ足などで水に慣れていった。
気温、水温ともに25度を超え、プール内は一足早い夏本番のような歓声に包まれた。児童たちは水しぶきを上げながら「楽しい」「気持ち良い」と笑顔を見せていた。
大藤校長は「昨年、プール授業を再開して児童たちも喜んでいた。短い期間だが今年も自分の命を守るための水泳指導を行っていく」と話していた。
(2022年6月22日付紙面より)
U―15アジアレスリング日本代表 (新宮市 )
7月2日(土)~4日(月)にバーレーンのマナマで開催される「2022年U―15アジアレスリング選手権大会」に日本代表として男子フリースタイル48㌔級に出場する新宮ジュニアレスリングクラブ(中川真一代表)所属の山本情輔君(緑丘中3年)が20日、新宮市役所を訪れ田岡実千年市長を表敬訪問した。
山本君は昨年11月に駒沢オリンピック公園総合運動場屋内競技場(東京都)で行われた「令和3年度東京都知事杯第12回全国中学選抜レスリング選手権大会」の同階級に出場。初戦を快勝すると、その後も順調に勝ち進み準決勝で敗れたものの、見事4位に入賞し選考基準を満たして日本代表に選ばれた。
レスリングを始めたのは3歳の時。以降、同クラブなどで練習を重ね、数々の大会で活躍している。この日は速水盛康教育長も同席した。
訪問を受け、田岡市長は「中学生での世界大会出場は私たちにとっても楽しみ。支えてくれた多くの人たちへの感謝を忘れず、試合に臨んでください」。速水教育長は「身近な選手が日本代表に選ばれることは、非常に影響があり素晴らしい。挑戦する気持ちがないと目標には届かないため、全力を出し切ってもらいたい」とエールを送った。
母・希余子さんは一緒に切磋琢磨(せっさたくま)している仲間やその保護者の皆さんがいたおかげで、ここまでやって来られたと感謝し「個人競技ではありますが、みんなで応援し合ってわが事のように喜び合うなど支え合っています。本人にとっても今後の人生の糧になると思う。いろんな経験をし、視野を広げてもらえれば」。
山本君は、初めてのことで、まだ実感がないとしながらも「急な選考の話を聞いて驚いているが、出場するからには『1位』という大きな目標を持って挑みたい。自分の力を全て出し切れるように頑張ります」と意気込みを語っていた。
(2022年6月22日付紙面より)
新入団員ら対象に訓練 (串本町消防団 )
串本町消防団(稲田賢団長)が19、20日の2日間、新入団員らを対象にした普通教育訓練を実施し消防技術の基礎を託すなどした。
この訓練は、団活動に欠かせない技術を一から学ぶ機会として新入団員や同訓練未経験者を対象にし、年1回実施。消防団員が本業と兼ねての献身となる実情を踏まえ、近年は休日と平日の2日間を実施日としいずれか参加しやすい方を選んでもらう形で着実な指導伝達に努めている。
本年度は19日に8人(女性団員1人含む)、20日に1人が参加。開始に当たり稲田団長は「消防団員として最初に取り組む訓練。長時間となるが、気を引き締めて頑張ってほしい」と激励し、以降は同町消防本部(寺島正彦消防長)の職員を講師に迎えて▽消防礼式▽ロープ結索▽消防操法(=ホースや筒先の取り扱い方)―の各技術を教わった。
ロープ結索は消防水利確保時の取水ホースの安定を図るなどで欠かせない技術。消防操法は機材(=消防ポンプ)を除く
資材の取り扱いを身に付けるのが目標。同本部はそれら技術を骨格にし属する分団で円滑に肉付けがしていける状況を見据えて指導に当たり、稲田団長ら団本部や寺島消防長ら消防本部幹部職員も始終立ち会い適時アドバイスをして理解を後押しした。
同団事務局によると、本業との兼ね合いで両日とも参加できなかった団員については、次年度以降も参加を誘いかけ全団員がこの訓練を経験している状況を目指すという。
(2022年6月22日付紙面より)
王子ヶ浜にアカウミガメ上陸 (新宮市 )
新宮市の王子ヶ浜で14日早朝、アカウミガメの今期初産卵が確認された。午前5時前、ウミガメの保護活動を展開する「紀伊半島の海亀を守る会」の榎本晴光会長が卵を発見した。
同浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。同会は、波浪流失や小動物の捕食被害からアカウミガメの卵を守るための保護活動を行っている。
アカウミガメの上陸・産卵シーズンは5月中旬から8月半ばごろまで。1回の産卵で平均110~120個の卵を産み、60~80日でふ化する。卵は海岸に隣接するふ化場に移し、ふ化した子ガメは秋ごろに同会や関係者らの手によって海に戻される。
なお、昨年は例年より早めとなった5月20日に初上陸および初産卵を確認。以降、再度上陸が確認されたが産卵はなかった。初産卵で98個の卵を発見。うち、ふ化した14匹を放流した。
5月から同浜での早朝ウミガメパトロールを開始した榎本会長。この日は同浜の南端、御手洗海岸寄りの波打ち際から約60㍍付近での産卵を確認。60㌢ほどの深さの穴から、ピンポン球大の卵127個が見つかった。
風雨が吹き付ける中、一つ一つ丁寧に卵を採取した榎本会長は「今シーズンの初産卵にほっとした。シーズンはまだ続くので今後の上陸と産卵に期待したい」と話していた。
(2022年6月15日付紙面より)
串本・新宮駅で災害パネル展 (新宮警察署 )
新宮警察署は、JR串本駅と新宮駅で災害パネル展を実施している。
出水期(梅雨)を迎えるに当たり、住民の防災意識の向上を図るとともに、災害現場などでの活動に理解を深めてもらおうと実施。2011年3月に発生した東日本大震災、同年9月の紀伊半島大水害などの被災状況や、警察による災害現場での活動状況などを記録した写真、両駅合わせて約20点を展示している。
11年前の水害発生当時、勝浦幹部交番で勤務していた同署の谷英人警備課長。変わり果てた自身の生まれ故郷を目の当たりにし、その凄惨(せいさん)な状況が目に焼き付いているという。
「ここ数年でゲリラ豪雨による水害や土砂崩れ、洪水などの災害が増えており、いつどこで起こるか分からない。普段から避難場所や避難情報を確認し、有事に備えてほしい」とパネル展に託した思いを話した。
展示は両駅とも19日(日)まで。
(2022年6月15日付紙面より)
町道サンゴ台中央線が全通へ (串本町 )
串本町の田嶋勝正町長が14日、町道サンゴ台中央線の未供用区間が7月1日(金)付で開通することを明らかにした。
この区間は西の岡からサンゴ台団地南端を結ぶ延長約1242㍍の新道で、将来の町道化を見据えたすさみ串本道路の工事用道路として整備された。車道は幅3㍍強の対向2車線。沿線にくしもとこども園新園舎(建設中)や統合小新校舎(建設前、現行で串本小と橋杭小の統合校としている)の用地があり、その通学・通園路となる幅3・5㍍の自転車歩行者道(通称・自歩道)が伴う。
田嶋町長は今月14日に始まった町議会6月定例会における諸報告の中でこの区間の開通を明らかにした。2011年11月のくしもと町立病院開院以降、消防防災センターや東牟婁振興局串本建設部、串本海上保安署や現・新宮警察署官舎ならびに代替指揮所や福祉総合センター(社会福祉協議会串本事業所)、さらに喫緊で昨年7月に役場がサンゴ台地内へ移転。他方、同地内への車両出入り口は橋杭小そばとJR串本駅そば踏切の2カ所のままで、とりわけ踏切そばで深刻化している通勤時間帯の混雑の分散化を主たる理由として国土交通省とも調整しながら開通を急いできた。
町建設課によると、7月1日午前10時から未供用区間のサンゴ台側で式典と通り初めをし、以降バリケードを撤去し町道として供用を始める。以降当面は工事用車両も多く往来する点を踏まえて利用してほしいとしている。
この町道は国道42号沿いにあるコミュニティバス上浦停留所そばから橋杭小前を連絡する計画延長2815㍍の路線。新道の上浦側の一部(国道から西の岡まで)は学校給食センター運用のためすでに部分供用されていて、今後の開通により全線で供用開始となる。
(2022年6月15日付紙面より)
5年生が地震・津波学習 (勝浦小 )
那智勝浦町立勝浦小学校(山下真司校長)で13日、5年生44人を対象とした地震・津波に関する防災学習が開かれた。「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」主任研究員の河田慈人さんが来校し、近年の災害から得た知見を基に、「これからの那智勝浦の防災・減災」を演題に講話した。
兵庫県にある同センターは、阪神・淡路大震災(1995年)の教訓を後世に伝え、災害被害の軽減に貢献するために設立された防災ミュージアム。河田さんは防災教育や早期避難、地域防災を専門に研究し、和歌山県教育委員会防災教育推進委員も務める。
勝浦小学校の5年生は昨年度、土砂災害について総合的に学習し、防災冊子を作成。本年度はその学習を発展させ、30年以内に70~80%の確率で発生するといわれる南海トラフ巨大地震や津波への備えについて学ぶ。
河田さんは東日本大震災(2011年)や熊本地震(16年)、大阪府北部地震(18年)などによる被害を紹介。ハザードマップを過信することの危険性やいざというときに避難をすることの難しさを伝え、「おそらく皆さんが生きているうちに、南海トラフ巨大地震が起こる。子どものうちは自分の命を自分で守ることが第一だが、20年後には大人になって、大切な人を守る立場になる。避難所運営や防災の知識は、大人になっても絶対に役に立つ」と学習の大切さを訴えた。
講演後には、今後の総合学習について担任教職員らと協議。同校は、児童の興味関心も尊重しつつ、保護者や地域全体に学習の成果を発信できるよう取り組んでいくとしている。
(2022年6月15日付紙面より)
全日本小学生大会など東牟婁予選 (少女バレー )
県高校総体空手道競技で活躍 (近大新宮 )
県産品を小学校へ提供 (和歌山県 )
和歌山県は10日から、県内の小学校および特別支援学校228校に、主要農水産物の一つであるウメの提供をスタートさせた。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、3年ぶりの取り組み。新宮・東牟婁地方の小学校にも届いており、各校で児童の梅ジュース作り体験が始まっている。
県産の農水産物を身近な食材と認識してもらい、学校給食でのさらなる定着を図るため、2012年度から家庭科学習や給食にウメ、モモ、カキ、ミカン、魚などの提供を開始。17年度からは鯨肉、ジビエを追加し、中学校へも提供を拡大するなど、食を通じて郷土の自然や文化、産業活動への理解を図っている。
ウメはクエン酸が豊富な食材で、疲労回復や風邪予防に効果があるといわれる。1日には、みなべ町から委託を受けた東海大学医学部の教授を中心とする研究グループが、梅干し抽出物が新型コロナウイルス感染症の原因ウイルス(SARS―CoV―2)の武漢株や変異株への抗ウイルス効果を持つと発表。特許も出願中で、全国から注目が集まっている。
太地町立太地小学校(海野文宏校長)でも10日、5、6年生19人の家庭科学習で梅ジュースの漬け込みが行われた。児童は竹串でウメのへたを取り、穴を開けて、砂糖と交互に瓶に詰めていった。
花村瑛斗君(6年)は「梅ジュースは飲んだことがないので、2週間後の完成が楽しみ。ウメの汁が目に染みた」。西昇成君(同)は「普段からご飯やおにぎりで梅干しを食べています」。雑賀大陽君(同)は「和歌山県でウメやミカンが有名なのは知っていたけれど、梅干しはちょっと苦手。でも、梅ジュースは楽しみ」と笑顔で話していた。
(2022年6月14日付紙面より)
マイナンバーカード普及率
国は健康保険証について、マイナンバーカードにその機能を持たせた上で、将来は原則廃止を目指す方針を示している。しかしマイナンバーカードの普及率(交付枚数率)は全国的に伸び悩み、新宮市と東牟婁郡の市町も全国や和歌山県より低い数値にとどまる。ただ北山村だけは、全国や県を上回っている。
全国の普及率は5月1日現在で、44・0%。対して和歌山県は39・7%となっている。全国以下の普及率であることに加え、47都道府県中39位の数字となっている。
本紙エリアはさらに▽新宮市は35・1%▽那智勝浦町は37・1%▽太地町は31・1%▽古座川町は33・8%▽串本町は31・4%―と低迷。その一方で北山村だけは48・0%となっており、全国の普及率を超えている。
北山村は好調の理由について「シニアエクササイズの会場で呼びかけたり、保健師と一緒に啓発したり、70歳代の方のイベントなどで出張の申請支援をした」と話している。もともとの人口が少ないのもあり、一人が申請すれば多くがそれに倣うという部分もあるとのこと。「特にどの年齢層が突出するということもなく、全年齢で満遍なく申請してくれている」という。
新宮市は低調ではあるものの、これまでに大型スーパーや確定申告時期の税務署などで、出張申請支援を実施。選挙時は期日前投票所の前に臨時窓口を開設するなど、普及促進に尽くしてきた。企業・団体を対象とした、予約制の出張申請支援も実施中。「今後も何か良い方法があれば、いろいろとやっていきたい」と意欲を見せる。
同じく那智勝浦町も、2020年12月から月1回、休日の申請支援を実施。大型スーパーでの出張申請支援も行ったが、普及率は伸び悩んでいる。マイナンバーカード取得者にキャッシュレス決済のポイントを付与する、マイナポイント事業の第2弾が30日(木)から予定されているため「これに合わせて申請が増えれば」と期待を寄せる。
(2022年6月14日付紙面より)
串本地区警察官友の会総会 (新宮警察署串本分庁舎 )
串本地区警察官友の会(小森正剛会長、会員98人)の本年度総会が10日、新宮警察署串本分庁舎であった。新型コロナウイルスの情勢により3年ぶりの実施。冒頭で警察官への感謝状贈呈をし、引き続き小森会長を筆頭とする役員体制を承認するなどして目的達成への気持ちを高めた。
この会は、強く正しく親切な警察官育成のために協力するとともに警察に対する県民の理解を深める活動を推進、ひいては地域の治安安定を図り地域の発展に貢献することを目的として活動している。県警察本部の4月1日付警察署など再編に伴い、地区内の串本町と古座川町は新宮署、すさみ町は白浜署の管内となったが、同会は県警―地区の関係を保ち新宮署串本分庁舎に事務局を置いてこれまでの枠組みを続けるとしている。
総会冒頭、地区内で功労があったとして同署の船代剛司(たけし)巡査部長、木村渉巡査部長、吉村勇輝巡査長、井上健教(たけのり)巡査長に感謝状を贈呈。4人を代表して佐田駐在所に勤務する船代巡査部長が謝辞を述べ、一層の精励を出席した会員らに誓った。
開会に当たり小森会長は、「(再編の)全てにおいて承服とはしかねるが、第一線で勤務する警察官が私たちの治安維持のためまい進しているのも事実。本会を存続し警察活動への理解者を増やすことが住民の安全安心や事件事故の未然防止につながると確信している」と述べて引き続きの協力を会員に呼びかけ。新宮署の田原正士署長は「(再編後の)課題は随時検討し必要に応じて改善している。今後とも初動捜査において限りあるマンパワーを集中投入し、各事案を迅速に解決へと導きたい」と応えた。
来賓の田嶋勝正串本町長、西前啓市古座川町長もそれぞれに同会の活動に期待を寄せて総会の始終を後見。以降は事業関連書議案を審議し、役員改選では前役員全員再任の体制案を承認したという。
(2022年6月14日付紙面より)
「木の薫る店」で野菜市 (新宮市高田 )
新宮市高田の雲取温泉高田グリーンランド敷地内にある「木の薫る店」で11日、「野菜市」が開かれた。地域の生産者が手がけた、新鮮な野菜や花、米などが所狭しと並び、多くの買い物客などでにぎわった。
和歌山県のモデル整備事業として県の補助を受けて2002年度に紀州材を使用し建設された「木の薫る店」。これまで無人市場などとして開所していたこともあるが、高田地域ではさらなる建物の有効利用方法を模索していた。
そんな中、おととしに五十数年ぶりのUターンを果たした石田千代さんが、これまで近隣住民らで分け合うなどしていた野菜などを地域に広く循環させようと同施設の活用を提案。昨年12月に1回目の「野菜市」を開催し、午前中で完売するほどの盛況を博した。
以降、月に1、2回の頻度で開催し、この日で8回目。回を追うごとに出品者も増え、地域外からの来場者も増えたという。この日も開始30分前から新鮮な野菜などを求める買い物客が列を作って楽しげにおしゃべり。開店と同時に、フキやラッキョウ、タマネギ、ジャガイモなど、多くの野菜が品薄となった。
同施設を訪れる一人一人に「おおきにね」「元気にしてる?」などと声をかける石田さん。手作りのチラシには「遊びに来てくださーい」「お話に来るだけでも大歓迎でーす」などの文言が躍る。
石田さんは「天候も悪い中、開店前から多くの人が来てくれた。地域のコミュニティーの場になることが一番の目的。季節や野菜の収穫量にもよるけど、今後は月2回の開催も検討していきたい」と話していた。
次回の「野菜市」は7月9日(土)午前9時30分からを予定している。
(2022年6月14日付紙面より)