紀宝町議選
1月29日21時30分確定【定数11】
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
---|---|---|---|---|---|
当 | 1,261 | 榎本 健治 | 46 | 自 | 現 |
当 | 621 | 川原田規泰 | 67 | 無 | 新 |
当 | 535 | 萩野 進也 | 68 | 無 | 現 |
当 | 384 | 原 章三 | 75 | 共 | 現 |
当 | 360 | 獺越 幸雄 | 67 | 無 | 現 |
当 | 359 | 奥峪 康之 | 65 | 無 | 現 |
当 | 339 | 向井 健雅 | 68 | 無 | 現 |
当 | 313 | 大倉 孝司 | 64 | 無 | 現 |
当 | 278 | 鈴木 学 | 74 | 無 | 元 |
当 | 272 | 平野美津子 | 75 | 無 | 現 |
当 | 260 | 市川 潔 | 75 | 無 | 現 |
157 | 野田 純志 | 74 | 無 | 現 |
当日有権者数 8,888人
投票者数 5,205人
無効投票数 66票
投票率 58.56%
AR砂場で土砂災害学習 (市野々小 )
那智勝浦町立市野々小学校で27日、拡張現実(AR)の技術を応用した新しい学習コンテンツ「AR砂場」を使った土砂災害学習があった。和歌山県土砂災害啓発センター主任の筒井和男さんらが講師を務め、5、6年生12人が砂場で山や谷を作ることを通じて、災害が起こりやすい地形の見つけ方を学んだ。
AR砂場は、砂場の山や谷を地形に見立て、その形状をリアルタイムで計測しながら等高線や標高別の配色といった視覚情報をプロジェクターで合成するもの。土砂災害学習に不可欠な地形についての理解を深める視覚補助の役割が期待される。同センターと和歌山工業高等専門学校の学生らが共同開発した。
筒井さんは児童に向け「土砂災害の恐れがある場所は、谷の出口や川の近くの扇状地、崖や急な斜面の近くだけれど、離れた場所の地形はどうやったら分かるだろう?」と問いかけ、地形図の等高線について解説。児童はAR砂場で実際に平らな地面や山を作り、急な斜面や谷筋といった地形の見極め方を学んだ。妙法山や烏帽子山(えぼしやま)、光ヶ峰といった険しい山に囲まれた那智川流域の地形も作り、その特徴を考察した。
那智川の支流・鳴子谷川の模型に航空写真や土石流のシミュレーション動画を投影する試みもあり、児童から「本物の山みたい」と声が上がった。筒井さんは「地形を読み取ることで、ハザードマップに表れていない危険箇所を発見することもできるかも。6年生は中学生になると少し違う地域へ通学することになるけれど、進学先周辺の地形にも関心を持ってほしい」と呼びかけた。
小賀実樹君(6年)は「等高線について今日初めて聞いたけれど、砂場はリアルタイムで色が変わってすごく分かりやすかった。災害から身を守るためには、やっぱり早めに避難が大切だと思う」と話していた。
AR砂場は、第1回高専防災減災コンテストのアイデア検証進出提案に選出されており、今年3月に東京都で最終審査の発表が行われる。筒井さんは「将来的には土砂災害啓発センターの常設展示として、中高生を含む多くの来館者の学習に役立てたい」と期待を寄せていた。
(2023年1月29日付紙面より)
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で25日、ふるさと学習があった。6年生90人が、熊野速玉大社の濵中孝成禰宜(ねぎ)から毎年2月6日に摂社神倉神社で斎行されている「御燈祭(おとうまつ)り」の歴史などについて学んだ。
同校運営協議会(下岡輝子会長)による「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環で実施。子どもたちに自分たちが暮らしている町の歴史や文化を学んでもらおうと、協議会メンバーを中心に有志ボランティアの協力を得て授業を設けている。
濵中禰宜は、熊野権現が祭られている熊野神社は全国に約5000社あり、その総本宮が「熊野速玉大社」「熊野本宮大社」「熊野那智大社」の熊野三山であると説明。「熊野大神が三山に祭られる前、最初に降臨した聖地が神倉山といわれており、銅鐸などのさまざまな出土品から、弥生時代から神倉山で祭りが営まれていたとされています」と述べた。
後半には清めやかがり御供(ごく)作り、阿須賀神社で神職・山伏・介釈(かいしゃく)たちが行う奉幣(ほうへい)神事など、一連の行程を紹介し「春を迎える季節に神様の火を頂くことが祭りの本意。コロナ禍で上(あ)がり子の皆さんは上がれませんが、地元には素晴らしい祭りがあることを誇りに思ってもらい、今後に伝えてもらえればうれしいです」と語った。
大石蓮稀(はずき)君は「一度も上がったことはありませんが、一日の流れや白い物を食べる意味が分かりました。授業を聞いて通常の祭りができるようになったら、参加してみたい」と話していた。
(2023年1月29日付紙面より)
木本、21世枠選出ならず (センバツ高校野球 )
3月に甲子園球場で開かれる「第95回記念選抜高校野球大会」の出場校が27日に決まり、21世紀枠の東海地区候補校だった県立木本高校は惜しくも選ばれなかった。報告を受けた選手たちは、ユニホームに着替え、夏の甲子園を目指して練習に打ち込んだ。
校長から結果を聞いた、榎本和真主将(2年)は「正直悔しいけど、こうして注目していただいたことはいい経験になった」と振り返り「目標にしてきた県1番になって地域の方々とOBの皆さん、保護者の皆さんに恩返ししたい。甲子園は地域の方々の期待も大きく、OBの皆さんの夢でもある。僕たちの代で成し遂げたい。夏に1番を取って甲子園に行きたい」と前を向いた。
西垣戸洋一監督は「結果は残念だが、選手たちはすでに夏に向けて意識を持った表情だった。普段から自分たちを律しながら戦っている子どもたちなので心配はない。夏に向けて攻撃力を高めていこうと生徒たちと話をしている」と話していた。
木本高校は、部員13人で県内強豪校と互角に戦い秋季大会県ベスト4に進出したことや、140㌔近いストレートを誇る投手が2人いること、地元に愛されていることなどが高く評価され、東海推薦校に選出されていた。
21世紀枠は全国9校から氷見高校(富山県)、城東高校(徳島県)、石橋高校(栃木県)の3校が選ばれた。
(2023年1月29日付紙面より)
補陀洛山寺で立春大護摩供星祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木智英住職)で27日、立春大護摩供星祭(りっしゅんおおごまくほしまつり)があった。おととし、昨年に引き続き、今年も新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から僧侶や職員のみが参加。コロナ終息を願い、髙木住職らが「鬼は外、福は内」と掛け声を発し、一足早い豆まきが行われた。
この日は、同寺の国重要文化財の本尊「三貌(さんぼう)十一面千手千眼観世音菩薩(ぼさつ)」を開帳。熊野修験の山伏のほら貝が響く中、髙木住職らが入堂し、法要を営んだ。
続いて本堂内の護摩壇で護摩木をたき上げ、家内安全、商売繁盛、身体健全などを祈願。その後、僧侶2人と山伏1人が本堂内で豆をまき、さらに回廊から境内に向けてまいた。
例年は多くの参拝者が集まる中、かみしも姿の厄年の人たちが、境内に設置されたやぐらから豆まきや餅まきを行い、にぎわっている。
髙木住職は「コロナ禍となって4年目。すぐには終息は難しいため、まずは共生していかなくてはならない。そして、戦争は今もなお続いている。仏教に携わる僧侶として、できることは微力だが、以前のような生活に戻ることと、世界平和を祈念し、お参りを続けていきたい」。
今後については「もうすぐ、コロナも5類に引き下げとなる。5月の例大祭には多くの方々にお参りいただければ幸いです」と語った。
なお、毎年和歌山県内外から、多くの人々が訪れる那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)の「節分会」はコロナの感染拡大防止のため、今年も中止を発表している。
(2023年1月29日付紙面より)
役場前に4基目を設置 (太地町 )
太地町は17日、役場庁舎前でシャチをモチーフにした青色のご当地ポストのお披露目を行った。町内4基目となるポストで、これまでと同じく「クジラの町 太地町」をPRしていく方針だ。
ポストは地域振興や観光資源化などを目的に、日本郵便と連携して町が寄付する形で設置に至っている。
地域の特色を示すご当地ポストは各地にあり、本紙エリア内ではJR那智駅に黄色のポスト、熊野本宮大社に「八咫(やた)ポスト」がある。
同町ではこれまでに、太地町立くじらの博物館前と道の駅「たいじ」、JR太地駅舎前にポストを設置。町内外の人や観光客などに人気の撮影スポットとなっている。
今回も3基と同様、地元で活動するクジラの造形愛好家らで組織する「ホエール・アート・ミュージアム」の山門基秀さん、前芝真人さん、石田一勝さんらが制作。
オスとメスのシャチのシルエットが描かれているほか、上部には強化プラスチック製の愛らしいシャチがはがきを持ったデザインとした。完成には約2カ月を要した。
山門さんは「クジラ観光の町。セミクジラ、ゴンドウクジラ、バンドウイルカに続き、今回は人気鯨種のシャチ。SNS(交流サイト)でも喜んでもらえたら。観光客は博物館止まりだが、これまでのポストに加え、役場への設置で、町中への動線ができれば。今後も継続し制作していきたい」と話した。
式典では日本郵便近畿支社郵便・物流オペレーション部集配担当部長の松本光功さんが「ポストが地域住民の方々、観光業への橋渡しとして活躍できれば幸いです」。
紀南地区連絡会統括局長の南方慎一朗さんが「観光の起爆剤になれば。今後も自治体と連携して地域を高め、盛り上げる取り組みを進めていきたい」とあいさつ。
漁野洋伸副町長は「地元技術者の皆さま、日本郵便さま、太地郵便局さまの尽力に感謝している。ポストは町内外から高い評価を受けており、観光や地域振興につなげていきたい」と話した。
太地郵便局の小河則行局長は「記念撮影をしたり、手紙を投函(とうかん)いただくことで、『クジラの町 太地町』のPRとなる。多くの方に、町に来ていただき、地域の発展・活性化の一助となれば」と語った。
式典前に、新ポストの設置が行われた。元々あったポストは、長年の役目を終え、撤去された。
(2023年1月18日付紙面より)
神倉少年野球クラブが学習会 (新宮市 )
神倉少年野球クラブ(須川幸太監督)は15日、新宮市福祉センターでメンタルトレーニングに関する学習会を開いた。株式会社輝(き)っかけ代表取締役の増田篤紀さん(33)が「可能性の発揮~実力発揮にはコツがある~」と題して講話し、クラブ所属の選手8人やコーチ、保護者らが参加した。
「心技体+生活」を基本とする神倉メソッドを共有し、技術向上や体づくり以前の「心」の段階から成長を促そうと今年初めて企画。増田さんは「人が輝くきっかけをつくる」を目標に、甲子園出場を目指す全国の高校球児たちのメンタルコーチを務めている。
増田さんは最初に「スポーツには心技体という言葉があるが、心は見えないから、どうやって鍛えればいいのかあまり理解されていない」と話し、野球でいいプレーができるときの心の状態として▽自信がある▽楽しい(ワクワク)▽感謝―の三つを挙げた。最強メンタルをつくるため「言葉、表情、動作にはそれぞれプラスとマイナスがある。『疲れた』『めんどくさい』という言葉を、『頑張った』『最高』『ナイス』などに変えていこう。学校でも家庭でも、いい言葉、いい表情、いい動作で過ごすことがいい心をつくる」と説明した。
実際に、本気のじゃんけんやナンバーワン宣言といった手法を実践。「○○(名前)スマイル!」と言って笑顔をパスし合う「スマイルパス」では、子どもたちから「楽しかった」との言葉がこぼれた。
南春大(はるひろ)君(9)は「本気のじゃんけんが面白かった。これからの練習で、声を出すことを頑張りたい。フルスイングのナンバーワンになりたい」。
須川監督は「最初は恥ずかしいという感情が勝っていたが、途中からいい雰囲気になったのでは。子どもたちの主体性を引き出していくことは、必ず今後の人生にも役立つはず。練習前に教わった手法を実践していく」と話していた。
(2023年1月18日付紙面より)
海翁禅寺で秋葉山大権現祈祷 (那智勝浦町 )
那智勝浦町勝浦の臨済宗海翁禅寺(武内宗隆住職)で15日、一年の間、町内で火災や盗難がないよう祈願する「火盗守護秋葉山大権現御祈祷(きとう)」が営まれた。町消防団(下地将仁団長)の幹部や団員7人が参列した。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、前夜は規模を縮小してどんど焼きを実施。おととし、昨年に引き続き、15日の餅まきも中止となった。
今年の祈祷は天候不良のため、山頂の祠(ほこら)では行わず、「熊野弁財天」「火盗守護秋葉山大権現」「熊野波切不動」が祭られる同寺広間で実施された。
武内住職と武内洪淵(こうえん)副住職が読経を行い、火伏せの神「火盗守護秋葉山大権現」に今年の平穏無事を祈願した。
また、昨年に引き続き、洪淵副住職の息子の弥那人(みなと)君(勝浦小2)も法衣を身に着け、参列した。
下地団長は「町内の災害や火災がないように安全を祈るととともに、コロナ終息も祈念しました」。
洪淵副住職は「火災や盗難の減少に加え、すぐには難しいと思うが、コロナ禍以前の生活に戻ることができるように祈りました」と話した。
武内住職は「町内の皆さまの無事と安全を祈願いたしました。早くコロナが終息し、これまで通りの生活が無事に送ることができる年になってほしい」と語った。
同寺の「火盗守護秋葉山大権現」は町消防団が願主となって建立され、1969(昭和44)年に同寺総檀家(だんか)が再建したという。
(2023年1月18日付紙面より)
田原で「逃げ地図」WS (串本町 )
串本町田原にある山村交流センターで16日に「逃げ地図」づくりワークショップ(WS)があり、同町立田原小学校(山路和彦校長)の3~5年生7人と田原区(宮本敏治区長)の区民8人らが世代を超えて津波避難を意識し考える機会を得た。
このWSは、文部科学省「防災対策に資する南海トラフ地震調査研究」を受託する京都大学防災研究所が主催。南海トラフを震源とする大地震に伴う津波の到達が早い点で同町総務課防災・防犯グループへ実施を相談し、同グループも迅速な避難の啓発に役立つとして協力することとしたが、いざ実現を目指す段階で新型コロナウイルスの情勢に直面。踏み出せない状況がしばらく続き、この日ようやく感染症予防対策を講じて実施へとこぎ着けたという。
「逃げ地図」は東日本大震災を教訓とし、津波避難の発想を支援する取り組みとして日建設計ボランティア部が考案。同研究所はその実践研究を重ねる明治大学の山本俊哉教授の研究室と田原小や田原区を仲立ちし、作成と検討の両機会を届けた。
当日は田原小と田原区に加え、町職員も参加。山本教授は津波避難タワーの有無と避難経路の支障(倒壊による通行不能状態)の有無で四つの前提を示し、各前提に3者が入り交ざるようグループ分けし同研究室や同研究所のメンバーも後押し役で加わって「逃げ地図」づくりに取り組んだ。
この地図は同区の白地図上にまず避難先(高台)をマークし、後期高齢者が3分間で歩ける距離を示す革ひもを定規にして避難経路を段階的に塗り分けた内容。色は避難先に近い区間から順に緑→黄緑→黄色→オレンジなど遠いほど赤に近づく使い分けをし、避難先までどれぐらいの時間がかかりどの辺りが津波第1波到達に対し厳しい状況かが分かる形に仕上がった。その結果や感じた事柄を発表して作成を終了。以降は大人のみの第2部とし、「逃げ地図」で見えてきた地域の課題解消の検討を体験した。
一連の活動を経て山本教授は「この取り組みにはいろいろと良いところがあるが、どこに逃げられるかが大人から子どもへ伝わった点で子どもにも良い経験ができたと思う」、仲立ちをした同研究所の牧紀男教授は「(津波から)逃げられることをちゃんと知ることが大切。今日はそのいい機会になったと思う」と講評。宮本区長は「教わったことを頭に入れ、いざというときに対応していきたい」とあいさつをし、実施に感謝した。
田原小の寺西秀君(5年)は「(田原区内は)道が狭いことやブロック塀が多いことが分かり、怖いなと思った。学校とか山の近くにいる時間をもっと増やそうかなという気持ちになった」と取り組みの実感を語った。
(2023年1月18日付紙面より)
大泰寺で大般若祈祷会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町下和田の古刹(こさつ)、定光山大泰寺(西山十海住職)で13日、西山住職ほか、同町や太地町の8人の住職が出仕して「大般若祈祷会」を営んだ。新型コロナウイルス感染症対策を施した上で恒例の餅まきも実施。境内や本堂は多くの参拝者でにぎわった。
法要ではマスク着用やアルコール消毒、換気など新型コロナウイルス対策を徹底した。住職らは全600巻の大般若経典を左右に波打たせながら一気に読む転読を行い、厄払いや家内安全、商売繁盛などを祈願した。
餅まきは3密防止のため、本堂と薬師堂、境内に設置した舞台の3カ所で実施。住職や関係者らによって、250㌔の餅とパン200個がまかれた。
同寺大総代の尾屋公一さんは「コロナ禍にかかわらず、たくさんの方が集まっていただきありがたい。今日はコロナの終息と地域が明るくなることを願いました」。
西山住職は「コロナの感染が各地で広がっていて、亡くなる方も増えている。しかし、少しずつだが、日常を取り戻してほしいという思いもあり、昨年に引き続き斎行させていただいた。今年こそはコロナが終息し、皆さまが平穏無事に幸せに生活できることを願い、祈とうさせていただきました」と語った。
町内から訪れた70代男性は「年に1回の行事。多くの人が来られて、活気づいたので良かった。来年はコロナも収まって、もっと多くの人でにぎわってくれたらうれしい」と話していた。
同寺は伝教大師により1200年前の平安初期に創建された桓武天皇勅願道場と伝わる。薬師堂は関南薬師の第一霊場として昔から近隣の人々の信仰を集めてきた。
この日も開帳された本尊の薬師如来像(国重要文化財)は1156(保元元)年の作。その優美な姿に引かれ、例年の開帳の際は大阪や東京などからも参拝者が訪れている。
(2023年1月15日付紙面より)
不審なSNSやはがきに注意を (見守り隊が啓発 )
三重県警によると、昨年(11月末現在)、県内で118件の特殊詐欺が発生した。被害額は約3億4180万円に上った。前年同期比で15件、約1億7500万円の増となった。
このうち、50件が架空料金請求詐欺で、2億3370万円の被害と急増した。新型コロナウイルスの拡大が懸念されたことにより、自宅にいる機会が増えたことや、交流サイト(SNS)の利用時間が増加していることなども原因と考えられ、県内に限らず全国的に被害が増加している。
架空料金請求詐欺は「未払いの料金がある」などと架空の事実を口実として、現金や電子マネーなどをだまし取る手口。紀宝警察署管内では、昨年5月と10月に電子マネーをだまし取られる被害があった。「はがきやSNSなどで未払い料金を請求されても心当たりがなければ相手に連絡しないように」と呼びかけている。
紀宝町では、高齢者の特殊詐欺被害撲滅を目指し、毎月1回、高齢者地域見守り隊(伊藤俊介代表)が町内各所で啓発活動を展開。13日には鵜殿の主婦の店で今年最初の活動を行い、隊員6人が町民らにチラシを配布し、詐欺に遭わないよう求めた。
チラシには特殊詐欺発生状況や具体的な手口、対策、相談窓口などを掲載した。不審電話などの相談は紀宝署(電話0735・33・0110)へ相談を。
(2023年1月15日付紙面より)
旧チャップマン邸、旧西村家住宅で企画展 (新宮市 )
新宮市丹鶴の旧チャップマン邸と旧西村家住宅(西村伊作記念館)で、西村伊作生誕139(イサク)年記念企画展が始まった。入館無料。
「生活を芸術として」という生涯を送った、新宮市名誉市民の西村伊作(1884~1963年)。今年は生誕139年の節目の年で、旧チャップマン邸では22日(日)まで「伊作のみた熊野新宮」(西村記念館・旧チャップマン邸の会主催)を、旧西村家住宅では29日(日)まで「西村伊作が描いた新宮」(市教育委員会主催)を開催している。
旧チャップマン邸では「新日本の文化創出をリードした伊作は、彼を生み育てた熊野・新宮のどんな風景を見て育ったのか」をテーマに、明治や大正時代の豊富な資料・史料から解き明かす。
展示資料の多くは熊野学研究委員会委員長の中瀬古友夫さんが提供。写真や地図を伊作による絵画とひも付けしながら、当時の熊野・新宮やゆかりの場所などを紹介している。
伊作邸の2階にかけられていた地形図は、1911(明治44)年初版の5万分の1地形図の「新宮」や「那智」など11枚を正確に張り合わせ、掛け軸のように表装。県名が丁寧な明朝体で書き加えられ、海岸線と県境や市町村が縁取りされている。また、13(大正2)年に開通した新宮鉄道の予定線も開通した状態に書き直されており、中瀬古さんは「伊作が設計図の手法で記入したものと考えられる。鉄道開通後のふるさとに思いを巡らせていたのでは」と話している。
旧西村家住宅では、伊作が描いた新宮の風景画11点を展示。多くが普段は見ることのできない作品となっており、伊作の目線を通して当時の新宮の風景を回顧できる内容となっている。
開館時間は旧チャップマン邸は午前10時~午後4時。旧西村家住宅は午前9時~午後5時で、両館とも月曜日休館。
(2023年1月15日付紙面より)
市長訪問し受賞報告 (新宮市 )
近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)の寺地優太さん(2年)がこのほど、中高生を対象にした科学コンクール「第66回日本学生科学賞」中学の部で、内閣総理大臣賞を受賞した。12日、寺地さんは市役所を訪れ田岡実千年市長に受賞報告。「これからも研究を進めていきたい」と展望を語った。
1957(昭和32)年にスタートした同科学賞は、中学生、高校生を対象とした歴史と伝統ある日本最高峰の科学コンクール。
毎年9~10月に身の回りの小さな疑問や不思議の解明、教科書に書かれている学説に対する疑問の解決などについて、個人や生徒が共同で取り組んだ実験・研究・調査作品を募集し、専門家により書類審査とプレゼンテーション審査を行い、優秀な作品を表彰するもの。
今回、寺地さんは「ウミホタルは血の匂いを感じて餌をみつける」をテーマに研究し、最高賞である同賞を受賞。昨年12月24日に東京都江東区の日本科学未来館で表彰式が行われ、式典後には臨席された秋篠宮さまから興味を持ったきっかけや今後の展望などについて質問を受けたという。
なお、寺地さんは昨年、「令和3年度わかやまネイチャー・アワード」個人部門において、「ウミホタルの嗅覚について」をテーマに研究し入選を果たしている。
ウミホタルに興味を持ったのは、小学生の時に参加した新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)でウミホタルを採取したことがきっかけ。以降、刺激を受けると発光物質を分泌する神秘的な生態に魅せられ、小学5年の時から研究を続けている。研究には妹の絢星さん(神倉小5)も協力。飼育を担当するなど、実験を後押しした。
また、研究や実験に当たっては、三重大学の「ジュニアドクター育成塾」や瀧野会長らの支援も受けている。
学校では、スーパーサイエンス部に所属する寺地さん。池上校長は「他のメンバーにとっていい刺激になっていると思います」。田岡市長は「中学生のレベルではなく、専門家並みの研究をされている。将来、研究者として活躍してくれることを期待しています」と激励した。
寺地さんは「ウミホタルは2、3㍉の大きさだけど、餌を食べているところを見ると一生懸命生きていていとおしく思う。ウミホタルの生態についてはまだ分からないところがあるので研究を続けたい。甲殻類の養殖に役立てることができれば」。
「室内・屋外での実験を組み合わせられたのは、新宮というまちの環境だからこそだと思います」と話していた。
(2023年1月14日付紙面より)
きのくに建築賞で高評価 (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」がこのほど、「第6回きのくに建築賞~ワカヤマの魅力ある建築~」において最優秀賞と和歌山県知事賞を受賞した。12日、設計者の山下設計・金嶋設計共同企業体の金嶋正人さん、施工者の村本・三和特定建設工事共同企業体の大前智裕さんが市役所を訪れ、建築主の田岡実千年市長と喜びを分かち合った。
「丹鶴ホール」は、地上鉄筋コンクリート造(4階図書館は鉄骨造)。敷地面積約9248平方㍍、建築面積約2959平方㍍、延べ床面積は約6444平方㍍。
文化ホール(1~3階)・熊野学コーナー(2階)・図書館(4階)で構成され▽一人一人がまちづくりの担い手▽人が中心となる施設▽生き生きとしたまちへ 人輝き文化奏でる都市―を基本理念に、市民を中心とした文化創造活動を通した熊野地方の価値の創出を目指して2021年10月にオープンした。デッキからは熊野速玉大社や神倉神社、新宮城跡、熊野川などを眺望することができる。
なお、敷地内では施設建設に当たって2015年に縄文~江戸時代にいたる遺構や遺物が発見。昨年11月に「新宮市下本町遺跡」として国史跡に指定されている。
きのくに建築賞は、県建築士協会、県建築士事務所協会、日本建設家協会近畿支部和歌山地域会の3団体によるまちづくり協議会が主催し、郷土の美しい景観に寄与する優れた建築者を地域資産と捉え、それを見いだす場として創設したもの。
和歌山の建築文化の向上と、活気ある魅力的で美しいまちづくりに寄与することを目的としている。
今回は12年以降に完成した建築物が対象。昨年11月20日に県立近代美術館で開催された最終審査では、書類選考を通過した紀三井寺ケーブル山麓駅や有田市民水泳場「えみくるARIDA」、和歌山城ホールなどを抑え、歴史的背景や景観との調和、眺望などが審査員から高評価を受け最高賞を受賞するに至った。
このたびの受賞を受け、金嶋さんは「プロポーザルから完成まで足かけ7年。ずっと携わらせていただき、いろいろな問題もあったが最終的にこういう賞を頂きうれしく思っている。基本設計の段階から歴史から形を発想するという考え方はあったが、大変勉強になりました」。
大前さんは「これから50年、60年残る建物の施工に携われたことは光栄なこと。三和建設としても大きなチャレンジだった。実際に施設を使用されている方々を拝見すると施工させていただけて本当に良かったと感じます」と笑顔。
田岡市長は「建設に当たってはいろいろなことがあったが、結果的に大変貴重な遺跡の発見にもつながった。遺跡も国史跡に指定され、二重の喜び」と思いを語った。
なお、同施設は(公社)日本サインデザイン協会が主催する日本サインデザイン賞においても入選を果たしている。
(2023年1月14日付紙面より)
南紀串本観光協会(島野利之会長)と串本町消防本部(寺島正彦消防長)が12日、潮岬にある望楼の芝でイベント「本州最南端の火祭り」の準備に取り組んだ。
この準備は、21日(土)午後1時~6時30分ごろ実施予定のイベントで行う芝焼きの延焼を止める緩衝帯を東側の芝地外周に設ける内容。同協会職員15人が手分けして幅約3㍍を意識しながら外周に火を入れて枯れ芝を焼き、必要以上に延焼しないよう同本部職員15人が散水で火勢を調整する形で進めた。
引き続いて芝地西側一面にも火を入れたが、昨年終盤の刈り込みで枯れ草が少ないため焼けるところだけ焼いた段階で作業を終了した。
このイベントは同芝の管理手法として取り入れている芝焼きを日没直後から営み、夕闇深まる中で広がる炎の幻想的な光景で観光誘客を図る内容。実施前には物産販売、しょらさん鍋(トビウオのつみれ汁)振る舞い、芋餅販売、舞踊披露、式典、県立串本古座高校弓道部による火矢射式(点火式)、演出花火といった趣向もある。新型コロナウイルスの情勢でおととしと昨年は中止したため、本年度は3年ぶりの実施予定。感染症予防の一環で餅まきと串本節がないが、本州四端の市町長が視察する予定で同協会によるモデルロケット打ち上げ体験会(事前申込者対象、午後3時ごろ打ち上げ予定)や田辺海上保安部と紀の国灯台利活用推進委員会による潮岬灯台特別一般公開(午後2時~4時30分、当日受け付け)が連動する予定で、例年に増して見どころは多い。
これら状況を踏まえて島野会長は「もちろん新型コロナウイルスの状況も直前まで注視するが、気持ちとしてはやりきりたいという思い。実施にこぎ着けたときには、各自の感染症予防を呼びかけて大勢の皆さんに楽しんでいただきたい」とコメントした。
当日のイベント実施の有無などの問い合わせは同協会(電話0735・62・3171)まで。
(2023年1月14日付紙面より)
神倉神社の石段検分 (新宮市 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で13日、石段検分が行われた。2月6日(月)の「御燈祭(おとうまつ)り」に向け、関係者が石段の安全を点検。ひび割れなどが73カ所見つかり、祭り当日までに修繕していく。
「御燈祭り」は1400年以上前から続いているとされており、熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財(重文)に指定されている。白装束に荒縄を巻いた「上(あ)がり子」と称する参拝者が神倉山で松明(たいまつ)に御神火を受け、山門の開閉とともに急峻(きゅうしゅん)な石段を一気に駆け下る勇壮な祭りとして例年、全国から大勢の人が訪れている。
今年は前向きな検討が行われていたものの、新型コロナウイルス感染症第8波の襲来を案じ、約2000人の上がり子が山門内に集結することによって長時間の3密が避けられない状況にあることを考慮。クラスター(感染者集団)が発生する危険が高くなると予想されることから、3年連続となる上がり子の参加中止の判断に至った。
当日は正午から神倉山への入山を制限し、報道関係者や一般撮影者の入山も禁止。最少人数の神職と介釈(かいしゃく)のみで営まれ、翌7日(火)の御燈祭り奉祝祭、餅まきも中止する。
点検には同大社や神倉神社奉賛会(猪飼三雄会長)、神倉青年団(中山忠吏団長)などから13人が参加。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝(1147~99年)が寄進したと伝わる自然石を積み上げた538段の石段を一段ずつチェックし、石が動くなどの問題箇所にチョークで印を付けていった。猪飼会長は「3年連続の規模縮小は残念だが、現状を考えると仕方ない。『来年こそ』の思いを諦めず、本来の祭りができることを信じています」と話していた。
(2023年1月14日付紙面より)
熊野那智大社にまりひめ奉納 (那智勝浦町 )
那智勝浦町苺(いちご)生産組合(桒野稔近〈くわの・としちか〉組合長)とJAみくまの農業協同組合が12日、熊野那智大社(男成洋三宮司)に和歌山県のオリジナル品種のイチゴ「まりひめ」約5㌔(20パック)を奉納した。
那智勝浦町産のイチゴの振興と豊作を願い、この時季に毎年奉納している。今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、おととし、昨年に引き続き生産農家や町立市野々小学校児童、同生産組合のマスコットキャラクター「まりりん」、同町イメージキャラクター「なっちー」らの参列をやめ、平安衣装によるイチゴの振る舞いも中止とした。
神事には桒野組合長と組合員、JAみくまの農業協同組合職員ら合わせて10人が参列。巫女(みこ)が「那智の瀧舞」を奉納し、代表して桒野組合長が玉串をささげた。
同組合は1971(昭和46)年に結成され、最盛期には、栽培面積4・5㌶で45人のイチゴ農家が生産に従事してきた。しかし生産者の高齢化などが原因で栽培が減少傾向となっていた。
現在は若者を中心に再建され、10軒20人の農家が約70㌃の農地でイチゴを栽培している。
まりひめは紀州の伝統工芸品「紀州手まり」にちなみ、命名された東牟婁地方を代表する特産品。同町太田地区が主要産地で、果実は大きめで甘味が強く酸味もほどよいのが特徴だ。
神事を終え、桒野組合長は「昨年と比較して、年末から早い寒波が来たため、出荷量は昨年と比較して出だしが遅い。しかし、味は向上していて、甘くておいしいものになっている。昨年と同じ収量を目指したい」。
今後については「那智勝浦町は観光産業がメインの町。コロナの早期終息と、地域の発展、組合員の健康を祈願しました」と話した。
「まりひめ」は現在、出荷のピークを迎えている。
(2023年1月13日付紙面より)
かわりない会で人生会議を紹介 (紀宝町 )
毎週月曜日に高齢者が集まる通所サービス「かわりない会」(牧戸光彦会長)は9日、紀宝町鵜殿の老人憩の家讃寿(さんじゅ)荘で今年最初の活動があり、演劇を通して「人生会議」の必要性を学んだ。
人生会議は、もしものときのために、自分が望む医療やケアを前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組み。
演劇は「紀宝リベンジャーズ」と題し、くまのなる在宅診療所(同町井田)の濱口政也医師、医療・介護従事者が出演した。濱口医師演じる高齢男性が脳出血で倒れた後、過去に戻り、人生会議に取り組み、自身が望むケアを改めて計画する物語。
「命の危機が迫った状態になると、約70%の方が医療やケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることができなくなるといわれている」などと話し、町地域包括支援センターが作成した「簡易版エンディングノート」や、医師が定期的に自宅を訪問する訪問診療も紹介した。
最後は「医療や介護が必要になったとき、どこで過ごすのか、どこで最後を迎えるのか、それが自宅であれ、施設であれ、病院であれ、そこに優劣はありません。本人の意向が尊重されることです。『もしも』のときに備え、受けたい医療やケアについて、大切な人と話し合ってみてはどうでしょうか」と伝えた。
濱口医師は「家族で話し合っておくことが大事」とし、訪問診療の手順なども話した。演劇後は、出演者も一緒にぜんざいに舌鼓を打った。
(2023年1月13日付紙面より)
大泰寺で初薬師 (那智勝浦町 )
那智勝浦町下和田の定光山大泰寺(西山十海住職)で8日、初薬師法要が営まれた。薬師堂で西山住職らが般若心経などを唱え、参拝者らがヤナギの枝を打ち鳴らして家内安全や無病息災などを祈った。
同寺は開創1200年、比叡山の開祖・最澄により開かれたという古刹(こさつ)。この日は、秘仏で本尊の薬師如来像も開帳された。薬師如来像は1968年に国の重要文化財に指定されている。
午前・午後の2回に分けて営まれた法要には、関係者含む約40人が参列。参拝者らは錫杖を手にした西山住職が唱える薬師如来の真言「オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ」に続いてヤナギの枝を打ち鳴らし、厄を払い清めるとともに病の平癒などを願った。焼香後には厄よけのお札が授与された。
西山住職は「新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束をお祈りしたい。薬師如来は病気を治す仏様。ご利益があるように、一生懸命法要を勤めさせていただきたい」と話していた。
13日(金)午前10時30分からは、大般若祈祷会が営まれる。餅まきは正午から。当日の祈とう申し込みは薬師堂内で受け付ける。
(2023年1月13日付紙面より)
有田神社総代会が「お的祭」 (串本町 )
串本町有田上にある有田神社(山本貞夫宮司)の総代会(中橋雅総代長)が6日、「お的祭」を営み準備から当日奉仕までの一連の手順を確かめるなどした。
同神社の新春行事の一つとして伝わっている「お的祭」。1月6日を期日とし氏子区域(有田、有田上、吐生)から弓頭を人選して営む形が長らく定着しているが、最近になって新型コロナウイルスの情勢などで中止が続いている。このような状況でも総代会だけは手順を適切に把握して文化の継承に努めなければと発起し、今年は本来の形とはならないが総代のみで「お的祭」を営むこととした。
花形の弓頭には副総代長の多田公次さん(69)と総代の多田和男さん(67)を人選。2人は古式の修祓(しゅばつ)「湯立ての儀」で身を清めて神前奉告をし、同神社最寄りの耕作地に設けた的場へ参進した。
的場には2㍍四方の的があり、2人は約25㍍離れた場所からそれぞれ1、2巡目は各6本、3巡目は3本を的に向けて奉射した。その後同神社へ戻り、白装束から黒装束へと着替えて世話役から魚(ハゲの切り身)の振る舞いを受け、再度的場へ参進。2本を的、最後の1本を渾身(こんしん)の力で的の上に奉射し、同神社で再度魚の振る舞いを受けるなどして締めくくった。
氏子の向上心と勇ましさをささげて氏神に安堵(あんど)してもらう意味合いがあるとされる同神社の「お的祭」。多田公次さんは「コロナが終息しみんなが良い年を送れるようにと願って臨んだ。今年は総代で奉仕したが、来年はぜひとも(本来通り)住民中心でやれる形になればいいかなと思うし、そのように伝統を引き継いでいければ」、和男さんは「何もしないでいると準備から当日までの流れを知っている人がいなくなってしまうので、こうして総代だけで形だけでもやれたのは大きな成果だと思う。(奉仕を通して)願うのは、コロナの終息と世界平和。世界ができるだけ早く安定し、紛争のない世の中になってほしいと思う」と弓頭の奉仕に込める思いを語った。
(2023年1月13日付紙面より)
新宮SSS招待兼ヤタガラスカップサッカー大会
ミニサッカー大会with加藤恒平選手 (新宮サッカースポ少 )
サッカー「トルベリーノカップ」
「二十歳のつどい」に97人 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の体育文化会館で3日、令和5年「二十歳のつどい」が開かれ、125人中97人(男52、女45、昨年は106人が出席)の新成人が出席した。振り袖やはかま、スーツに身を包んだ出席者たちは級友との再会を喜び、保護者らが門出を祝福する中、大人としての自覚を新たにした。
昨年4月に成年年齢がこれまでの20歳から18歳に引き下げられたことから、成人式の名称を「二十歳のつどい」に変更。対象年齢は従来通りの20歳とした。昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となっていた式典が、2年ぶりに開催された。
式典では過去に開催された「さわかみオペラin南紀勝浦生まぐろ市場コンサート」の際に、オペラ歌手が歌った「町歌」の映像が流され、一同が傾聴した。
堀順一郎町長はコロナ禍による町の経済への影響やロシアによるウクライナへの軍事侵攻、サッカーワールドカップにおける日本代表の活躍など、昨年を振り返った。新成人に対しては「日本サッカー界に多大な影響をもたらした名誉町民の中村覚之助さんはふるさとの誇り。皆さま方にも世界に目を向け、さまざまなことに挑戦してほしい。苦しい時のほうが多いかもしれないが、友人や家族を思い出して支え合い、ふるさとを忘れないでください」と激励し、荒尾典男町議会議長が祝辞を述べた。
新成人代表で神戸女子大学2年の柴原希(のぞみ)さん(20)は「私たちは共に歩んできた仲間たち、時には優しく、時には厳しく導いてくれた家族や先生方のおかげで成長することができました。見守ってくれた地域の方々には感謝しています。中村覚之助さんが、宇久井小学校に勤められていたことを誇りに思いました。自然、歴史、文化豊かな那智勝浦町で学び、育った私たちはサッカー日本代表のように、何ごとにも粘り強く、仲間と助け合い、明るい未来に躍進してまいります」と誓った。
(2023年1月5日付紙面より)
二十歳の集いや成人式挙行 (串本町 )
串本町と同町教育委員会が3日、文化センターで令和5年二十歳の集いと令和3年成人式を順次挙行しそれぞれの対象者の成人の節目を祝い励ました。
いずれも帰省をしやすい正月三が日の最終日を期日とし、対象者有志が結成する実行委員会の運営で挙行。同式は新型コロナウイルスの情勢で本来開くべき年に開けず、後の対象者やその家族らの嘆願により2年遅れで実施する形となった。
同集いの対象者は2002年4月2日から03年4月1日までに生まれた男女で、当日は94人が出席。実行委員の上野晴夏さんと野田彩加さんが進行を務め、主催者代表の田嶋勝正町長は昨今の社会情勢の厳しさを振り返りつつ「考え方次第では多くのチャンスが転がっている」と対象者の歩む将来を捉え、若いからこそ何にでも挑戦でき1、2回失敗しても立ち直る力もあると諭しつつ「まずは(20代の)10年間、人生で二度とないぐらい頑張って将来の道筋を見つけてほしい」と励ました。
来賓を代表して町議会の鈴木幸夫議長と県議会の佐藤武治議員が祝辞を述べ、町議会議員複数も列席。教育委員会の濵地弘貴教育次長が岸本周平知事のメッセージを代読し、対象者を代表して瓜田優雅さんが宣誓をして励ましに応えるなどした。
和歌山市で技術職に励む山本龍輝さん(20)は「今まで育ててくれた親や周りの皆さんに感謝しながら、立派な人間になれるよう精進します。親のように人に優しくできる人間になりたい」、地元で看護師を目指し学業に励む堀真日蕗さん(19)は「責任感と大人らしさ、成人した実感を持って頑張り、今まで育ててくれた両親に恩返ししていきたい」と引き締まる気持ちを語った。
同式の対象者は2000年4月2日から01年4月1日に生まれた男女で、当日は57人が出席。実行委員の岡村龍之介さんと荒木麻那さんが進行を務め、田嶋町長は串本には高速延伸やロケットの打ち上げなど明るい話題があることを伝えつつ「若さは最大の武器」として今後の鋭意挑戦を促した。来賓の祝辞や知事メッセージ代読を経て、対象者を代表し髙田紅恋さんが宣誓をして励ましに応えるなどした。
陸上自衛隊の隊員として励んでいる吉村海さん(22)は「署名など皆さまのご協力でしっかりとした成人式を迎えられ感謝していますし、改めて大人になったと実感することができました。うさぎ年ということでこれからもっともっと飛躍できるよう精進します」と心境を語った。
(2023年1月5日付紙面より)
官公庁で仕事始め式
和歌山県庁や各市町村など官公庁で4日、仕事始め式があった。6日間の休業を終えた職員たちは首長らの訓示の下、気を引き締めて新しい一年のスタートを切った。
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新宮市役所別館であった仕事始め式には、職員や来賓の榎本鉄也市議会議長や東原伸也副議長ら約75人が出席した。市歌静聴に続き、田岡実千年市長が「『市政は市民のためにあり』を念頭に、市民生活に密着し諸課題の解決に向けた取り組みを誠心誠意進めていく」と所感表明。
防災や子育て、観光、市民サービス、新型コロナウイルス感染症、経済など、各種施策を展開していくとし「さまざまな課題に対しても『市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまち』の実現を念頭に、職員と共に渾身(こんしん)の力を込め取り組んでいく」と誓いを新たに「市民の笑顔のために、私たちも笑顔で一年、一生懸命頑張っていきましょう」と訓示した。
榎本議長は「対立と批判からは何も生まれない。後ろ向きな議論ではなく、『市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまち』の実現を目指して懸命に汗を流していきたい」。
向井雅男副市長が「皆さんの英知と情熱を引き上げていただき、一致団結して課題に取り組んでいきたい」と乾杯の音頭。速水盛康教育長が「先の展望をしっかりと築き、また見据えながらご努力を」と述べ、万歳三唱で士気を高めた。
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那智勝浦町は、庁舎大会議室で仕事始め式を開いた。約50人の管理職職員が出席し、今年の業務に取り組むに当たり、気持ちを新たにした。
町歌を斉唱後、堀順一郎町長は昨年も新型コロナウイルスの感染予防やワクチン接種、経済対策、マイナンバーカード利用促進などに取り組んだ職員をねぎらった。
職務については「『仕事は昨年と同様だから行う』『上司に言われたからする』のではなく、何のために行うのかをそしゃくしてほしい。私たちは町民のために存在している。一人一人が自覚を持って職務に当たってほしい」と訓示した。
岡田秀洋教育長は「健康管理にご留意してほしい。みんなが一つになった那智勝浦町を目指していきたい。1年間、よろしくお願いいたします」と呼びかけた。
(2023年1月5日付紙面より)
恒例のマグロ初市 (那智勝浦町 )
はえ縄漁による生鮮マグロの水揚げ量が日本一の那智勝浦町の勝浦地方卸売市場で4日、初市が行われた。この日は高知、大分、宮崎県のはえ縄漁船6隻がメバチ、キハダ、ビンチョウの各マグロなど約60㌧を水揚げした。天候不良で昨年末に減少した水揚げだったが、初市では例年並みに回復し、市場は50社80人の仲買人で活気づいた。クロマグロの水揚げはなかった。
初市開始前の午前6時50分ごろには式典が開かれた。堀順一郎町長はマグロの水揚げや町の水産振興に寄与する関係者らに感謝を述べ「コロナ禍も終息が見えず、ロシアのウクライナ侵攻による原油高もあり、大変な経済状況だと思う。町としても支援に努めていきたい。皆さまの安全と大漁を祈念しております」と話した。
続いて、和歌山県漁業協同組合連合会の片谷匡副会長が「漁業者の皆さまが今年も安全に漁をされ、仲買人・関係事業者さまが全国に素晴らしいマグロを多く届けられるように願っています」。
勝浦魚商協同組合の木下勝之組合長が「活動をもって業界に貢献し、地域全体が飛躍向上できるよう頑張りたい」とあいさつした。同町議会の荒尾典男議長の音頭で乾杯後、初市が開始された。
県漁連勝浦市場の太田直久市場長は「今年は良いスタートが切れたと思う。最近10㌔以下のビンチョウがよく交じっているため、クロマグロが早い時期に水揚げできるのではないかと期待している。今年はうさぎ年、飛躍の1年になれば」と語った。
初市の水揚げ量はメバチが約400本、キハダ約70本、ビンチョウが約3600本の約60㌧だった。主に関西や関東、東海地方へ出荷される。
(2023年1月5日付紙面より)