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2022年06月26日
1 未利用材を電気と熱に
 木質バイオマスの発電所  (新宮市 )

 新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店の裏手で、新宮フォレストエナジーによる木質バイオマス発電所(川畑智昭所長)が稼働している。発電量は約3200世帯分となる約1680㌔㍗。その発電の具体的な方法や、地域が得られる恩恵について尋ねた。

 フォレストエナジーは、東京都に本社がある。新宮の発電所は、昨年の12月末から稼働。川畑所長(46)は新宮発電所の大きな特徴として「既存のボイラータービンではなく、ガス化による発電」を挙げる。「炭小屋で炭を作るとき、空気を絞り炭化させ、煙突からガスを出す。同様の原理でガス化し、そのガスでエンジンを燃焼させ、電気と熱を取り出す」という。

 このガス化が、地域林業への大きな貢献をもたらす。「ボイラータービン型の発電所は大型でないと採算がとれず、膨大な量の木が必要。集材に県境を越え、輸入にも頼ることになる。新宮発電所はガス化のおかげで、周囲50㌔ぐらいの地域の未利用材を100%使って、地産地消で発電できる」と明かす。新宮発電所の材はほとんどがスギという。

 具体的には、年間で約2万㌧を集材し、新宮発電所内で切削してチップに。これを乾燥させて、ガス化設備に送る。なお乾燥させるのに、発電で発生する熱を利用する。チップはガス化により、バイオ炭となる。熊野地方の農家が、農地用にこのバイオ炭を利用し始めている。他にもバイオ炭は固めると成形炭として利用できるほか、土壌改良材や浄水フィルター、アスファルト混入材などに使用できる。このバイオ炭は、年間で約1500㌧ができる。

 発生したガスは、ガスエンジンに送られる。エンジンの回転力を発電機に送って発電する。発電機は500㌔㍗のものが4台あり、合計で2000㌔㍗の発電能力があるが、電力会社の送電容量の関係で出力を抑えている。燃焼で発生する熱は約3800㌔㍗で、約90度の温水として取り出す。

 この温水はヨーロッパであれば、利用できるインフラが整っているが、日本にはなく、整備するにも高額。このため新宮フォレストエナジーでは、余剰熱を利用し乾燥チップ製造を行い、同チップの販売先として、今後周辺地域で導入が期待される超小型のガス化発電機「ボルター」向けなどに販売を予定している。ボルターのチップ使用量が年間で約500㌧(生チップベース)、約40㌔㍗(約60世帯分)の電気と約100㌔㍗の熱、年間で約10㌧のバイオ炭を産出する。使用するチップは新宮発電所から供給し、設備メンテナンスも受けられる。

 川畑所長は「山をきれいにがコンセプト、それに伴って川も海もきれいになる。林業の未利用材を有効利用し、電気や熱、バイオ炭を生み、それらを活用したサービスを地域に供給することを通じて地域活性化に貢献できれば」と思いを語った。

(2022年6月26日付紙面より)

ガスエンジンについて説明する川畑智昭所長=17日、新宮市佐野の新宮フォレストエナジー木質バイオマス発電所
発電に使用する木質チップ(新宮フォレストエナジー提供)
2022年06月26日
2 勝浦温泉の今昔を語る
 熊野カフェで意見交換  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町勝浦の「熊野カフェ」は18日、オープン10周年記念事業の一環として、勝浦観光に関する語りイベント「勝浦温泉の今昔(いまむかし)」を開催した。語り手を務めた「かつうら御苑」会長の中定俊さん(74)が、町の景気が良くにぎやかだった当時の思い出話やまちづくりについて語り、フリートークも行われた。

 過去に町観光協会長なども務め、町の活性化に尽力してきた中さん。幼い頃の思い出について、「小さい頃からお蛇浦(じゃうら)海岸や千畳敷でよく遊んだ。近くには旅館があり、有名な役者も来て、時代劇の撮影もよく行われていた」と説明した。

 昭和から平成の好景気だった当時を振り返り、「鳥羽・勝浦・白浜は新婚旅行のメッカ。多くの新婚旅行客を迎えた。人口も2万5000人ほどいた。マグロ船も多く、昼も夜もとにかく活気があった」。

 体育文化会館やゴルフ場、グリーンピア南紀なども建設され、今後のさらなる発展に期待していたと述べた。しかし、バブルが崩壊し、東京などの大都市は大変な事態に陥っていたとし、同町では3年ほど遅れて影響がやって来たと述べた。

 現在においては、コロナ禍が収束して多くの観光客が戻り、町が活気づいたとしても問題があるとし、「人口が当時から1万人ほど減少している。多くの観光客を受け入れ、サービスなどに対応できる人材がいない状態にある」と指摘した。

 そのほか、ふるさと納税の利活用や民間と行政の会話・協議の場づくりの重要性を訴えた。中さんは「観光客については民間が努力する部分。しかし、従業員などの雇用の問題は行政の力が必要になる」と語った。

 フリートークでは「観光でもうけることができれば、福祉にもお金が使える」「この町が潤うには観光振興しかない」「行政と民間が連携できずに役割分担ができていない」「町民と行政が交わるような基本構想が必要では」など、町の活性化や観光産業についての意見が出された。

 同店オーナーの畑中卓也さんは「この町の地理的ハンディを補うのはやっぱり人だと思う。参加された皆さんは心から町を良くしたいと思っている。今後もこのような機会を持ちたい」。

 中さんは「人口が減り続けるのは間違いない。常に行政や町、関係者らで対話し、意見を言い合える場が必要だと思う」と話した。

(2022年6月26日付紙面より)

イベントに参加した皆さん=18日、那智勝浦町の熊野カフェ
勝浦温泉の今と昔について語る中定俊さん
2022年06月26日
3 県内への移住6年連続増加
 紀宝町には31世帯50人が  

 昨年度、県外から三重県に移住した人が541人に上り、6年連続で前年を上回った。前年度から約5%増となり、集計を始めた2015年度から6年連続で前年を上回っており、7年間の累計で2460人となった。

 移住者数は15年度124人、16年度205人、17年度322人、18年度371人、19年度383人、20年度514人。昨年度の541人のうち市町の補助・助成制度、空き家バンクの利用が半数以上だった。

 熊野市、尾鷲市、紀北町、御浜町、紀宝町の東紀州地域には117人が移住し、全体の21・6%を占めた。

 このうち、紀宝町には31世帯50人が移住。東紀州地域全体の42・7%に上り、30~40代の子育て世代の転入が目立っているという。

 町では移住・定住を支援、推進する町有地分譲、空き家バンク制度をはじめ、生活体験を通して町への移住を検討してもらうお試し住宅制度などを展開。昨年度は移住後の新生活支援制度を新設するなど取り組みを進めてきた。

 本年度は、国・県の補助金、交付金を活用し、若者の定住促進、婚活支援、結婚新生活支援などを拡充する。大学などを卒業したUターン、Iターン、Jターン者の奨学金返還支援などを新たに創設するほか、移住者に移住定住支援員を委嘱し、生活体験を通して感じた町の魅力を発信してもらう。

 町の担当職員は「支援制度をより充実させ、積極的に移住、定住対策を推進していく」と話している。

(2022年6月26日付紙面より)

移住生活をPRする紀宝町のパンフレット
紀宝町のお試し住宅
2022年06月26日
4 モモと同じにおいだ!
 三輪崎保で梅シロップ作り  (新宮市 )

 新宮市の保育所型認定こども園「三輪崎保育園」(中畑元太園長)で23日、5歳児による梅シロップ作りがあった。

 毎年恒例の行事で、みなべ町の農家から届いた南高梅で梅シロップを漬け、夏の終わりのウオーターパーティーなどでかき氷にかけてみんなで味わう。

 黄色や赤に完熟した南高梅に触れた園児たちは「モモと同じにおいがするよ!」「いいにおい!」と笑顔になり、エプロンと三角巾姿でシロップ作りをスタート。つまようじで丁寧に「おへそ」を取って水で洗い、キッチンペーパーで優しく水を拭き取った。梅を砂糖と交互に瓶に詰めたら完成。

 漬け込みを終えた園児たちは「どのくらいで完成するの?」と完成を心待ちにしていた。

(2022年6月26日付紙面より)

「おへそ」上手に取れるかな?=23日、新宮市の保育所型認定こども園「三輪崎保育園」
優しく水を拭き取る
2022年06月26日
5 1位に小阪享志さん  写連新宮支部6月例会  
2022年06月26日
6 本年度事業計画など承認  熊野灘捕鯨文化継承協が総会  (那智勝浦町 )
2022年06月26日
7 厳しさにめげない半生  生涯学習講座で寺岡さん講演  (太地町 )
2022年06月26日
8 塩地さん親子の新造船  浦神で披露、餅まきも  (那智勝浦町 )
2022年06月26日
9 ウクライナへ思いはせる  生徒会が映画「ひまわり」上映  (近大新宮 )
2022年06月26日
10 七夕飾りを作ったよ!  よちよちくらぶに17組  (新宮市 )
2022年06月26日
11 車いすの苦労を学ぶ  王子ヶ浜小で体験講座  (新宮市 )
2022年06月26日
12 「ドライブ・マイ・カー」を鑑賞  ひまわりサロンが映画上映会  (紀宝町 )
2022年06月26日
13 母親ら助産師と語り合う  子育てほっとサロンで  (紀宝町 )
2022年06月26日
14 和の伝統文化に触れる  阿田和中2年が浴衣着装を体験  (御浜町 )
2022年06月15日
15 今期初産卵を確認
 王子ヶ浜にアカウミガメ上陸  (新宮市 )

 新宮市の王子ヶ浜で14日早朝、アカウミガメの今期初産卵が確認された。午前5時前、ウミガメの保護活動を展開する「紀伊半島の海亀を守る会」の榎本晴光会長が卵を発見した。

 同浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。同会は、波浪流失や小動物の捕食被害からアカウミガメの卵を守るための保護活動を行っている。

 アカウミガメの上陸・産卵シーズンは5月中旬から8月半ばごろまで。1回の産卵で平均110~120個の卵を産み、60~80日でふ化する。卵は海岸に隣接するふ化場に移し、ふ化した子ガメは秋ごろに同会や関係者らの手によって海に戻される。

 なお、昨年は例年より早めとなった5月20日に初上陸および初産卵を確認。以降、再度上陸が確認されたが産卵はなかった。初産卵で98個の卵を発見。うち、ふ化した14匹を放流した。

 5月から同浜での早朝ウミガメパトロールを開始した榎本会長。この日は同浜の南端、御手洗海岸寄りの波打ち際から約60㍍付近での産卵を確認。60㌢ほどの深さの穴から、ピンポン球大の卵127個が見つかった。

 風雨が吹き付ける中、一つ一つ丁寧に卵を採取した榎本会長は「今シーズンの初産卵にほっとした。シーズンはまだ続くので今後の上陸と産卵に期待したい」と話していた。

(2022年6月15日付紙面より)

卵を丁寧に採取する榎本晴光会長=14日、新宮市の王子ヶ浜
127個の卵を確認
2022年06月15日
16 有事に日頃から備えを
 串本・新宮駅で災害パネル展  (新宮警察署 )

 新宮警察署は、JR串本駅と新宮駅で災害パネル展を実施している。

 出水期(梅雨)を迎えるに当たり、住民の防災意識の向上を図るとともに、災害現場などでの活動に理解を深めてもらおうと実施。2011年3月に発生した東日本大震災、同年9月の紀伊半島大水害などの被災状況や、警察による災害現場での活動状況などを記録した写真、両駅合わせて約20点を展示している。

 11年前の水害発生当時、勝浦幹部交番で勤務していた同署の谷英人警備課長。変わり果てた自身の生まれ故郷を目の当たりにし、その凄惨(せいさん)な状況が目に焼き付いているという。

 「ここ数年でゲリラ豪雨による水害や土砂崩れ、洪水などの災害が増えており、いつどこで起こるか分からない。普段から避難場所や避難情報を確認し、有事に備えてほしい」とパネル展に託した思いを話した。

 展示は両駅とも19日(日)まで。

(2022年6月15日付紙面より)

JR串本駅
JR新宮駅
2022年06月15日
17 未供用区間、7月1日に開通
 町道サンゴ台中央線が全通へ  (串本町 )

 串本町の田嶋勝正町長が14日、町道サンゴ台中央線の未供用区間が7月1日(金)付で開通することを明らかにした。

 この区間は西の岡からサンゴ台団地南端を結ぶ延長約1242㍍の新道で、将来の町道化を見据えたすさみ串本道路の工事用道路として整備された。車道は幅3㍍強の対向2車線。沿線にくしもとこども園新園舎(建設中)や統合小新校舎(建設前、現行で串本小と橋杭小の統合校としている)の用地があり、その通学・通園路となる幅3・5㍍の自転車歩行者道(通称・自歩道)が伴う。

 田嶋町長は今月14日に始まった町議会6月定例会における諸報告の中でこの区間の開通を明らかにした。2011年11月のくしもと町立病院開院以降、消防防災センターや東牟婁振興局串本建設部、串本海上保安署や現・新宮警察署官舎ならびに代替指揮所や福祉総合センター(社会福祉協議会串本事業所)、さらに喫緊で昨年7月に役場がサンゴ台地内へ移転。他方、同地内への車両出入り口は橋杭小そばとJR串本駅そば踏切の2カ所のままで、とりわけ踏切そばで深刻化している通勤時間帯の混雑の分散化を主たる理由として国土交通省とも調整しながら開通を急いできた。

 町建設課によると、7月1日午前10時から未供用区間のサンゴ台側で式典と通り初めをし、以降バリケードを撤去し町道として供用を始める。以降当面は工事用車両も多く往来する点を踏まえて利用してほしいとしている。

 この町道は国道42号沿いにあるコミュニティバス上浦停留所そばから橋杭小前を連絡する計画延長2815㍍の路線。新道の上浦側の一部(国道から西の岡まで)は学校給食センター運用のためすでに部分供用されていて、今後の開通により全線で供用開始となる。

(2022年6月15日付紙面より)

7月1日に開通する町道サンゴ台中央線の未供用区間=13日、串本町サンゴ台
2022年06月15日
18 これからの防災考えよう
 5年生が地震・津波学習  (勝浦小 )

 那智勝浦町立勝浦小学校(山下真司校長)で13日、5年生44人を対象とした地震・津波に関する防災学習が開かれた。「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」主任研究員の河田慈人さんが来校し、近年の災害から得た知見を基に、「これからの那智勝浦の防災・減災」を演題に講話した。

 兵庫県にある同センターは、阪神・淡路大震災(1995年)の教訓を後世に伝え、災害被害の軽減に貢献するために設立された防災ミュージアム。河田さんは防災教育や早期避難、地域防災を専門に研究し、和歌山県教育委員会防災教育推進委員も務める。

 勝浦小学校の5年生は昨年度、土砂災害について総合的に学習し、防災冊子を作成。本年度はその学習を発展させ、30年以内に70~80%の確率で発生するといわれる南海トラフ巨大地震や津波への備えについて学ぶ。

 河田さんは東日本大震災(2011年)や熊本地震(16年)、大阪府北部地震(18年)などによる被害を紹介。ハザードマップを過信することの危険性やいざというときに避難をすることの難しさを伝え、「おそらく皆さんが生きているうちに、南海トラフ巨大地震が起こる。子どものうちは自分の命を自分で守ることが第一だが、20年後には大人になって、大切な人を守る立場になる。避難所運営や防災の知識は、大人になっても絶対に役に立つ」と学習の大切さを訴えた。

 講演後には、今後の総合学習について担任教職員らと協議。同校は、児童の興味関心も尊重しつつ、保護者や地域全体に学習の成果を発信できるよう取り組んでいくとしている。

(2022年6月15日付紙面より)

真剣に講話を聞く5年生=13日、那智勝浦町立勝浦小学校
河田慈人さん
2022年06月15日
19 新宮が優勝、串本が準優勝
 全日本小学生大会など東牟婁予選  (少女バレー )
2022年06月15日
20 畑中君、仲岡君が全国へ
 県高校総体空手道競技で活躍  (近大新宮 )
2022年06月15日
21 性の多様性に理解深める  人権学習会&レザークラフト講座  (新宮市 )
2022年06月15日
22 6月定例会が開会  一般会計補正など13議案  (新宮市議会 )
2022年06月15日
23 「熊野の運河」へ。  谷口智行氏が主宰に就任  (運河俳句会 )
2022年06月15日
24 ハンカイソウが群生  新宮市熊野川町で  
2022年06月15日
25 「たか田んぼ」に田植え  中学生は「米探」活動も  (新宮市 )
2022年06月15日
26 「液体窒素で実験しよう」  少年少女発明クラブ6月講座  (新宮市 )
2022年06月15日
27 商品券発行など諸施策審議  町議会第2回定例会始まる  (古座川町 )
2022年06月15日
28 今年ももーちゃんが先駆  ウミガメ類の産卵始まる  (串本海中公園センター水族館 )
2022年06月15日
29 アオウミガメを放流  「世界ウミガメの日」を前に  (井田海岸 )
2022年06月15日
30 新宮と熊野の対戦も  3年ぶりに「熊野ラグビースクールカップ」  (熊野市 )
2022年06月15日
31 手作りカレーに舌鼓  ふれあい子ども食堂  (紀宝町 )
2022年06月15日
32 医療センターで分娩予約再開  紀宝町議会一般質問①  
2022年06月15日
33 1年間の汚れきれいに  6年生がプール掃除  (鵜殿小 )
2022年06月12日
34 「魂の躍動」800人を魅了
 「鼓童」が創立40周年ツアー  (新宮市 )

 新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で10日夜、太鼓芸能集団「鼓童」の創立40周年ツアー公演「鼓童ワン・アース・ツアー2022~童」が開催された。市内外から約800人が来場。同団体が繰り広げる迫力あるステージを堪能した。

 佐渡を拠点に太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見いだし、現代への再創造を試みる太鼓芸能集団。1981年にベルリン芸術祭でデビューして以来、53の国と地域で6500回を超える公演を行ってきた。

 劇場公演のほか、小・中学生・高校生との交流を目的とした「交流学校公演」や、多様なジャンルのアーティストとの共演、映画音楽などへ参加している。2012年から16年までは歌舞伎俳優の板東玉三郎氏を芸術監督に招聘(しょうへい)。昨年、創立40周年を迎え、全国各地で周年ツアーを展開中だ。

 今回の舞台「童」は、佐渡をテーマに「鼓」は太鼓を、「童」は人を際立たせる2連作。クラシカルな演目、演出を基調に、体と太鼓の音のみのシンプルな表現と多様な音の響きが融合する内容となっている。

 舞台は「聲(こえ)」で開幕。冒頭から迫力ある演奏で観客を魅了。時に激しく、時にコミカルに、時に異国情緒あふれる演奏とパフォーマンスを披露し、来場者から大きな歓声と拍手をさらった。

 同ツアー開催に当たり、同団体の船橋裕一郎代表は「太鼓という楽器は、人が集い、音を奏でることが生きる活力となることを日々私たちに伝えてくれます」。

 新宮公演主催者の「かまん、くまの」見臺洋一代表は「私たちにとって、待ちに待った丹鶴ホールが完成し、念願の鼓童公演がこのホールで開催の運びとなりました」「全ての困難を凌駕(りょうが)してきたメンバーの誠真実を、鼓童の皆さんの演奏の中に感じていただければ」などとあいさつを寄せた。

(2022年6月12日付紙面より)

大きな歓声と拍手にアンコールで応えた=10日、新宮市の「丹鶴ホール」
太鼓を中心とした迫力あるステージを披露
約800人を魅了
2022年06月12日
35 再編に向け内容変更を承認 地域公共交通活性化協議会 (新宮市)

 新宮市役所別館で10日、令和4年度第2回新宮市地域公共交通活性化協議会(会長=辻本勝久・和歌山大学経済学部教授)があった。市や県、国土交通省、新宮警察署、交通事業者、地域住民など22人が出席。本年度の事業計画や予算など5議案を承認した。

 同協議会は、地域公共交通のマスタープランである地域公共交通計画の策定や実行に加え、地域公共交通会議(バスなどの運行内容の協議など)の機能を併せ持つ、地域公共交通に関する協議や合意形成を行う場。

 今年4月22日に書面にて設立総会が開催され、従来の市地域公共交通会議は発展的改組の上、同協議会に統合となった。

 開会に当たり辻本会長があいさつ。「地域公共交通の将来に向けての議論や意見交換をさせていただきたい。有意義な会議となるよう積極的なご参加を」と呼びかけた。

 議案審議では、店名の変更や閉店に伴う熊野川町デマンドタクシーの目的地(乗降場所)の変更、路線バス高田線および市内線の運行内容変更などについて意見が交わされた。

 今年10月からを予定している高田地域の公共交通再編に関して、市は住民意見やアンケート調査内容などを基に再編案を策定。審議案件として路線バス高田線の上限運賃の設定(片道500円上限)、高田線および市内線の運行ルート・運行ダイヤの変更、フリー乗降区間の設定などが盛り込まれた。

 なお、ルート・ダイヤ変更のほか、高田線は「松山高田線」、市内線(ふれあいばす、こみゅにてぃばす)は「相筋線」「広角住宅線」に変更し「松山高田線」を市内線に追加する。

 バスを運行する熊野御坊南海バス(株)は「便数も限られた中で利用しにくいといった意見もあり、どうしたら使っていただけるのか、いかにコストを抑えられるのか、持続可能な公共交通を目指して議論させていただいた。これからも意見を聞かせていただき、少しでも使っていただけるバスにしていきたい」と述べた。

 閉会に当たり、副会長の向井雅男副市長が「地域公共交通のマスタープラン策定に関して、生活路線、観光路線を含めてさまざまな観点からご意見を頂ければ」と協力を求めた。

 本年度事業は、市地域公共交通計画(案)の作成と、地域の生活交通の実情やニーズを的確に把握しつつ、議論を経て策定する地域の特性や実情に応じた最適な移動手段の提供などを行うための令和5年度新宮市地域内フィーダー系統確保維持計画(生活交通確保維持改善計画)の策定を計画。予算は921万6000円を予定している。

(2022年6月12日付紙面より)

行政や交通事業者、住民などが参加し議案を審議した=10日、新宮市役所別館
辻本勝久会長
2022年06月12日
36 紫陽花園のアジサイ開花
 30日まで開放、熊野那智大社  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は、境内にある紫陽花(あじさい)園を30日(木)まで開放している。園内のアジサイは現在四分咲きを迎え、参拝者の目を楽しませている。開放時間は午前9時から午後3時まで。

 大社によると、境内のアジサイは1960年ごろから栽培を始め、職舎付近や参道、車道沿いに植えられている。現在は2000株ほどが自生しており、ガクアジサイ、ヤマアジサイ、タマアジサイなど十数種類がある。

 例年は14日に営まれる「紫陽花祭」後に一般開放されるが、花の咲きなどを考慮し、5日からの開放となったという。

 大谷知也権禰宜(ごんねぎ)は「開花は昨年より少し遅いが、花の状態は例年並みに良い。季節のものなのでぜひ、ご参拝にお越しの際はアジサイを楽しんでいただけたら」と話していた。

 愛知県から訪れた20代女性は「初めて那智山に来たが、良い雰囲気の場所。アジサイがきれいなので写真を撮影しました」と語った。

 紫陽花園は大社の大鳥居下の階段を下りた参道横にある。

(2022年6月12日付紙面より)

今年もきれいに開花したアジサイ=10日、熊野那智大社
大社に向かう参道にある紫陽花園
2022年06月12日
37 畑の片隅にキキョウ  青紫色で星形の花  
2022年06月12日
38 近大新宮、決勝進出ならず  県高校総体サッカー競技  
2022年06月12日
39 相談件数が増加  児童虐待相談状況を公表  (和歌山県 )
2022年06月12日
40 詐欺被害を未然防止  百五銀行員に感謝状  (新宮警察署 )
2022年06月12日
41 地元産品を買い求め  「紀の宝みなと市」にぎわう  (紀宝町 )
2022年06月12日
42 骨密度と血管年齢をチェック  どんぐりの森薬局前で「健康フェア」  
2022年06月12日
43 合唱や人形劇楽しむ  子安サロンに「おはなしぽけっと」  (紀宝町 )
2022年06月12日
44 秋楽しみに「大きくなーれ」  サツマイモの苗植える  (紀宝町 )
2022年06月12日
45 小さな光り放つヒメボタル  神内神社の境内で飛び始め  (紀宝町 )
2022年06月09日
46 和気あいあいと共同作業
 生きがい菜園で市老連会員ら  (新宮市 )

 新宮市老人クラブ連合会(上廣正幸会長)の会員らは8日早朝、市内の「生きがい菜園」(生きがい緑ヶ丘農園、晴耕園)で共同清掃作業を実施した。緑ヶ丘農園では約30人が参加。和気あいあいと世間話などに花を咲かせながら、草抜きや溝の泥かきなどに汗を流した。

 「生きがい菜園」は、市老連主催の「生きがいと創造の事業」の一環として、会員らに同所を含む市内2カ所の農園の区画を貸与している。同所では現在31区画中29区画、同市新宮の晴耕園では47区画中34区画で会員らがキュウリやトマト、ナス、トウモロコシなどさまざまな作物を育てている。区画の契約期間は3年。

 共同作業は、普段会う機会がない人同士の顔合わせや会員間交流、見守りを目的に実施している年に1度の恒例行事で、本格的な暑さを迎える夏に向けて毎年梅雨前に行っている。

 この日は、区画の貸与を受ける会員らが協力し、軍手をはめてごみ袋やシャベルなどを手に、花壇の手入れや溝に詰まった泥や石を取り除くなどの作業を行った。

 同所でナスビやミニトマト、ブロッコリーなどを育てている80代女性は「夫婦で交代で毎日来ています。育てるよりおしゃべりが楽しみ。励みになっています」と笑顔。

 同農園世話役代表の大石實さんは「高齢化が進み、1人暮らしだとよりどころがない。ここでは皆、教え合いながらコミュニケーションを取って仲良く野菜作りに励んでいます」と話していた。

 「生きがい菜園」に関する問い合わせは、市社会福祉協議会(電話0735・21・2760)まで。

(2022年6月9日付紙面より)

農園の清掃作業に汗を流した=8日、新宮市緑ヶ丘
共用部分の草刈りも実施
2022年06月09日
47 桐蔭科学部の合宿を視察
 串本町潮岬の望楼の芝で  (県宇宙教育研究会 )

 和歌山県宇宙教育研究会(会長=笹井晋吾・県立桐蔭中学校・高等学校長)が4日、串本町潮岬にある望楼の芝などで同校科学部(藤木郁久顧問)の合宿の様子を視察した。

 国内初の民間小型ロケット射場「スペースポート紀伊」を有する県域におけるロケットを教材とした科学教育の在り方を見いだす目的でおととし9月、教員有志(指導主事を含む)が会員となり結成した同研究会。この日は潮岬にある県立潮岬青少年の家で総会を開き、社会教育領域でモデルロケットや空気ロケットの製作・打ち上げ体験(12月3日に串本町で実施など県内各地)、東京大学大学院の中須賀真一教授を招いての缶サット体験講座(7月23日に串本町で実施)、新規でロボット教室in串本(8月16日に串本町で実施)や県南部を舞台にした全国対象の宇宙教室(全4回)の開始、前年度に試行した学校教育領域でのロケット教室継続(10~11月に串本町内の中学校2校で実施予定)、その他各種企画への共催など本年度の方向性を決めた。

 モデルロケットの制作・打ち上げ体験は射点がある同町域でも重ねて実施していて、旧来は同研究会の事務局長で指導資格を持つ藤木顧問が一手に管理していたが現在は串本中に勤務する太田昇教諭も同じ資格を取得済み。同研究会として紀北と紀南を2人体制でカバーできるようになった進展を生かして体験の裾野をさらに広げるため、本年度の総会の日時と会場を同校科学部の合宿と合わせて設定し、視察の機会を持ったという。

 同校科学部の今回の合宿は新入部員にモデルロケット(通称・アルファー3)の制作と打ち上げの経験をさせ、世界大会出場の実績がある缶サットへの挑戦の足掛かりをつけることが主目的。そのための場を藤木顧問監督の下で先輩部員が主体になって運営し、併せてドローンの操縦練習や電子機器を駆使して活動記録を取得するなど参加した部員はそれぞれに課題を持って取り組んだ。

 これら一連の内容が総会に出席した会員の視察の対象で、太田教諭は藤木顧問が培う形や指導術を洞察しつつ流れを妨げない範囲で部員と関わり活動の一端を共にした。

 藤木顧問は太田教諭の指導資格取得を「頼もしい」と喜び、この状況が串本町域にロケット教室などの体験を定着させる上での大きな力になると期待してノウハウの共有に努めていた。

(2022年6月9日付紙面より)

視察対象とした県立桐蔭中学校・高校科学部の合宿の様子=4日、串本町潮岬

モデルロケットの課題を部員と共に考える太田昇・串本中教諭(右)
2022年06月09日
48 本年度計画など承認 熊野三山協議会が総会 

 熊野三山協議会は6日、新宮市役所別館で総会を開き、本年度事業計画など5議案を承認。役員改選では田岡実千年新宮市長を会長に再任、副会長に熊野本宮大社の九鬼家隆宮司を選任した。

 同協議会は1984年発足。熊野速玉大社、熊野本宮大社、熊野那智大社、那智山青岸渡寺と関係自治体、民間団体などで組織する。一体となって熊野地方の文化財の保護、保全、調査研究などを進めている。

 熊野は日本サッカー協会のシンボルマークである「ヤタガラス(八咫烏)」と日本近代サッカーの始祖といわれる中村覚之助の古里。その縁で協会は2002年ワールドカップ日韓大会から熊野三山一寺で必勝を祈願している。

 田岡市長は「新型コロナウイルスの影響で令和2、3年度は事業の見送りが続いている。本年度においてもコロナの状況を見極めながらの事業展開を余儀なくされると思うが、ご指導・ご協力いただきながら熊野信仰の高まりと地域振興に向けた取り組みを推進していきたい」とあいさつ。

 オブザーバーとして出席した酒井清崇・東牟婁振興局長は「新型コロナの影響で外国の方や団体観光客の回復にはまだ遠い状況だが、以前にも勝る来訪者の回復を視野に入れる時期。さまざまな施策を打ち、来訪者増加に取り組んでいきたい」と協力を求めた。

 本年度は▽歴史講座の開催▽熊野神社に関する調査研究の推進▽熊野文化調査交流の実施▽熊野に関する研究への支援―などの学術研究、そして▽「八咫烏をテーマとした調査研究や地域振興の魅力ある素材の活用▽中村覚之助のサッカー殿堂入りに向けたPR▽「ヤタガラスカップ」サッカー大会への協賛▽沖縄本土復帰50周年記念事業への協力―など顕彰事業の取り組みを計画している。

 また、「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年に向け、世界遺産の保全と活用とPR、推進する諸団体との連携を図っていく予定。

 監事の堀順一郎那智勝浦町長は、2010年に発行した「熊野の中村覚之助~日本サッカーのパイオニア~」(発行者=同協議会、日本サッカー史研究会など)について、昨年覚之助を名誉町民として推挙したことなどを挙げ、同資料の増刷や再編集を要望。

 理事の上野顯・熊野速玉大社宮司は、沖縄復帰50周年に当たり、同県を訪問したことに触れ、平和の象徴として植樹した梛(なぎ)の生育状況や復帰に対する県民の思いを紹介。「復帰は大変な動きがある中でやっと勝ち取ったもの。日本の文化、伝統を守り、子どもたちに伝えていく願いの結集。平和の灯を絶やさずに再度、梛を植えていければ」と思いを語った。

(2022年6月9日付紙面より)

熊野三山協議会総会の様子=6日、新宮市役所別館
2022年06月09日
49 6月末から集団で
 コロナワクチン4回目  (太地町 )

 太地町は2日、新型コロナワクチンの4回目接種の予定について発表した。60歳以上に向けた接種の案内を10日までに発送し、6月末から集団での接種を開始する予定という。

 今回の接種は、3回目から5カ月以上が経過した▽60歳以上▽18歳以上で基礎疾患がある人▽重症化リスクが高いと医師が判断した人―に限定されている。太地町多目的センターでの集団接種を予定している。

 18歳以上60歳未満で、基礎疾患のある人や重症化リスクが高いと医師が判断した人については、町も把握できていない。このため、接種を希望する場合は、自己申告を求めている。連絡先は、太地町住民福祉課(電話0735・59・2335)。

 なお、60歳以上に関しては、町も把握できているため、連絡は不要となっている。

(2022年6月9日付紙面より)

集団接種会場となる多目的センター=6日、太地町太地
2022年06月09日
50 愛好者194人が30Hで競う グラウンドゴルフ競技会「第2回記録会」 (串本町)
2022年06月09日
51 60周年を祝し記念例会  那智勝浦ロータリークラブ  (那智勝浦町 )
2022年06月09日
52 ハナショウブ見頃  新宮市の松巌院  
2022年06月09日
53 手や足を優しくもみもみ  ベビーマッサージに5組  (那智勝浦町 )
2022年06月09日
54 ウクライナ支援のために  那智大社が義援金届ける  (那智勝浦町 )
2022年06月09日
55 困ったときは大人に相談を  近大新宮でネットモラル教室  
2022年06月09日
56 教えて、歯科衛生士さん!  子どもの歯の健康Q&A  (歯と口の健康週間㊦ )
2022年06月09日
57 高学年がクラブ活動楽しむ  4~6年生が取り組み  (神内小 )
2022年06月09日
58 災害時物資供給に協力  生協コープみえと支援協力協定を締結  (熊野市 )
2022年06月09日
59 未来に希望持つ読み聞かせを  文部科学大臣表彰を報告  (元気キッズ )
2022年06月09日
60 3年ぶり通常通り開催へ  8月15日に紀宝町花火大会  
2022年06月04日
61 核のない世界訴える
 県内行進、新宮市で最終日  (国民平和大行進 )

 原水爆禁止和歌山県平和行進実行委員会は、核兵器廃絶を訴えながら被爆地広島・長崎を目指す「国民平和大行進2022」を実施している。5月6日に橋本市から始まった県内の日程は2日をもって終了。今後は三重県に引き継がれ、8月4日(木)に終結地の広島県の広島平和記念公園に到着する予定。

 広島と長崎に原爆が投下されて77年目。2017年7月、国連総会で賛成122、反対1の大差で核兵器禁止条約が採択され昨年1月22日、50カ国を超える国々の参加で国際法となった。なお、唯一の被爆国である日本は参加も批准もしていない。

 平和大行進は1958年6月、たった1人の行動から始まった。現在では全都道府県および8割以上の自治体を通過し、毎年10万人の人々が参加する国民的行動となった。

 条約発効後2回目となった今年の平和行進。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、昨年に引き続き従来通りの集会と行進を中止。核兵器のない平和な世界への願いを署名とペナントに託し、各自治体を宣伝カーでつないだ。

 和歌山県最終日の2日、新宮市では、市役所駐車場で出発集会があった。紀南地区労働組合協議会の岸本芳明事務局長は、ロシアによるウクライナ侵攻、日本で米国の核兵器を配備して共同運用する「核共有」の議論を求める声が上がっていることなどに言及。「今やるべきことはウクライナからのロシア軍の撤退、国連憲章に基づく平和と核兵器の禁止・廃絶を求めていくこと。唯一の被爆国である日本が一日も早く核兵器禁止条約に署名し批准するように求めていきたい」とあいさつした。

 田岡実千年市長は「ロシアによるウクライナ侵攻により国際社会の平和と安全が脅かされており、地球上には人類を絶滅させるほどの大量の核兵器が蓄積・配備されている。こうした状況の中にあって唯一の被爆国であるわが国の果たすべき役割は極めて重要」。

 「平和行進にご参加の皆さんの行動を支持し、共に力を合わせて核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向かって前進したい」と激励した。

 原水爆禁止和歌山県協議会の里崎正事務局長が諸報告を行い、和歌山市民生協の杉岡龍一さんが「2022原水爆禁止広島大会の成功を目指して共に頑張りましょう」と決意表明。参加者らは核のない世界恒久平和の実現に向けて行進を開始。三重県に宣伝カーをつないだ。

(2022年6月4日付紙面より)

核兵器のない世界を目指し宣伝カーをつないだ=2日、新宮市役所
平和を訴えて行進=1日、那智勝浦町役場前
2022年06月04日
62 まちの歴史や文化を学ぶ
 神倉小4年生がふるさと学習  (新宮市 )

 新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)の4年生71人は5月31日、市内各所でふるさと学習のフィールドワークを実施した。児童は各クラス2班に分かれ、新宮城跡、浮島の森、神倉山、徐福公園へと赴き、地域の歴史や文化について学びを深めた。

 学習は同校運営協議会(下岡輝子会長)による「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。まちの歴史や文化を学び、愛着を持ってもらおうと、同協議会メンバーを中心に有志ボランティアの協力を得ながら取り組んでいる。4月18日には、下岡会長をはじめコーディネーター5人が来校し、事前授業が行われた。現地で学んだ内容や感想は後日、壁新聞などで発表する予定となっている。

 児童らはガイドブックや取材用紙を手に同校を出発。各班にはコーディネーターなどのボランティアも同行した。1組の「おいの伝説班」17人は東くめ生家跡を訪れた後、「新宮藺沢(いのそ)浮島植物群落」(浮島の森)で学習。市観光ガイドの会の赤嶋恵子さんから浮島の森の成り立ちや同所で見られる動植物について教わった。

 旧千穂小学校時代の図工クラブの児童たちが1986(昭和61)年度に卒業記念として制作した紙芝居「浮島の森」で伝説の復習もした。

 赤嶋さんは「昔、この場所は海の中にあった」「寒い所と暖かい場所に生息する植物が混じり合うように生えています」などと説明。子どもたちは熱心にメモを取り、敷地内の珍しい植物や昆虫を観察して回った。

 森岡源氏君は「『お正月』などの有名な歌が、新宮出身の東くめさんが作ったのが印象に残った。楽しかったです」。米良晄君は「昨年、新宮市に引っ越してきたので、勉強になった。世界遺産のある町で、これからもいろんなことを調べたい」と話していた。

(2022年6月4日付紙面より)

動植物や伝説について学びを深めた=5月31日、新宮市浮島
浮島の森で調査した「おいの伝説班」の皆さん
2022年06月04日
63 愛着深めて橋杭岩を保全
 ジオ興しチームと橋杭小  (串本町 )

 串本町域を枠組みにして地質資源活用の在り方を考える集まり「ジオ興しチーム」が2日、町立橋杭小学校(溝内聡子校長)の6年生12人と連携して橋杭岩保全活動に取り組んだ。

 町産業課や町教育委員会教育課、同町商工会や南紀串本観光協会の各職員と町内で活動する南紀熊野ジオパークガイドで結成する同チーム。会議を開いて前述した在り方を模索する中で町域へさらに考える裾野を広げる必要があると気づき、その足掛かりとして町域でも特に象徴的なジオサイト「橋杭岩」を架け橋にして同校と連携することを考えた。

 同パークの学びを通して地域への愛着を深め、その精神で保全活動に取り組んで考えるきっかけを託すという筋道をこの活動の狙いとし、連携の誘いを受けた同校は総合的な学習の時間の成果としてこの狙いを組み込み。その達成のための内容を準備してこの日の実動へとこぎ着けた。

 当日は潮岬にある同パークセンターで合流し、同チームの上野一夫さん(同ガイド)をリーダーに立てて活動を始めた。序盤は上野さんが橋杭岩の成り立ちの背景にある大地や人の営みなどを解説して理解と愛着を深め、中盤は橋杭岩前へと移動し本来はそこにないはずの石類(コンクリートや陶器、ガラスなど)を判断して拾い集める保全活動に両者一丸で取り組んだ。昼食休憩を経て終盤は活動の振り返りをして締めくくったという。

 中盤までの内容を経て橋杭小の中海琴さんは「このごつごつとした岩が地震とかで動いているという話が印象に残った。橋杭岩はすごいし日本一だと思うけど、何がいいのかもっと知りたいなと思った」と印象を語った。

 今回の活動は橋杭小との連携を前提にして考えた内容で、同チームは学校だけでなく町内のいろいろな集まりと互いにできる内容で連携して町域全体に活用の考えを広めていきたいとしている。問い合わせは同チームの事務局がある町産業課(電話0735・62・0557)まで。

(2022年6月4日付紙面より)

橋杭小6年生に取り除くべき石類を伝えるジオ興しチームの上野一夫さん(左から2人目)=2日、串本町くじ野川
2022年06月04日
64 「那智瀧図」2点を奉納
 細密鉛筆画家・篠田さん  (熊野那智大社 )

 那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で2日、神奈川県出身で細密鉛筆画家の篠田教夫さんが手がけた「那智瀧図Ⅱ―夜―」「那智瀧図Ⅲ―霧―」2作品の奉納があった。篠田さんは那智勝浦ロータリークラブ(那智勝浦RC)の後誠介会長と共に同大社を訪れ、奉納参拝を行った。

 篠田さんは鉛筆による細密描写、迫真表現で自然の造形の社寺などをテーマに作品を発表している作家で、「高野山・熊野を愛する百人の会」メンバー。2017年に那智勝浦RCの招きで、初めて同大社に「那智瀧図」を奉納しており、今回で3作目となった。

 「那智瀧図Ⅱ―夜―」は4年前に、「那智瀧図Ⅲ―霧―」は昨年4月ごろに完成した作品。

 昨年11月には那智勝浦RCの創立60周年記念事業で、「紀の国わかやま文化祭2021(第36回国民文化祭・わかやま2021、第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)」応援事業の一環として「細密鉛筆画家 篠田教夫展―神仏宿る細密画の世界 那智瀧図にはじまる―」を町内で開催している。

 奉納を受け、男成宮司は「以前に奉納いただいた分も含め、素晴らしい作品。大社にとって滝は神様。精神的で、宗教的な印象も感じます」。

 後会長は「本来なら昨年に奉納する予定だった。コロナ禍で半年、遅れることになり残念。しかし、このような形で篠田先生と熊野に関わりができ、深まっていただけてありがたい。次の作品も楽しみにしています」と話した。

 現在4作目の作画に挑んでいるという篠田さんは「那智の滝は、風や水量の作用などで印象が変化する。さまざまな表現形態を考えた際、那智の滝一つだけでその全てが可能になる。追求する間に一生を終えてしまうほど。今後も表情の違う那智の滝を描いていきたい」と語った。

 なお、篠田さんは11日(土)から25日(土)までの間、水墨画家の山口英紀さんと共に東京都の日本橋茅場町の「Gallery Suchi」で「篠田教夫・山口英紀 二人展」を開催する。

(2022年6月4日付紙面より)

「那智瀧図Ⅱ-夜-」「那智瀧図Ⅲ-霧-」を奉納した
2022年06月04日
65 夏山海岸の自然に親しむ  近畿地方環境事務所主催の磯観察  (太地町 )
2022年06月04日
66 「甘くておいしい」  木の川認定こども園がイチゴ狩り  (新宮市 )
2022年06月04日
67 「イチゴ大大大好き!」  わかば保育園が園外保育  (那智勝浦町 )
2022年06月04日
68 芝生の養生終わり開放  朝日・築地の両公園  (那智勝浦町 )
2022年06月04日
69 防災学習のバトンをつなぐ  市野々小の教職員が研修  (那智勝浦町 )
2022年06月04日
70 今年の海開きは  実施、コロナで流動  
2022年06月04日
71 彩り添えるアジサイ咲く  切り取りにも注意呼びかけ  (那智勝浦町 )
2022年06月04日
72 木山誠彌さんの畑で苗植え  潮岬こども園の4、5歳児  (串本町 )
2022年06月04日
73 楽しい語り口調に笑顔  ママサークルで「絵本ライブ」  (紀宝町 )
2022年06月04日
74 「紀の宝商品券」の使用始まる  町内外加盟店で11月30日まで  (紀宝町 )
2022年06月04日
75 体動かし心もリフレッシュ  初の「ふれあい運動会」  (紀宝町老連 )
2022年06月04日
76 お悔やみ情報
  
2022年06月03日
77 沿線のポイ捨て根絶目指し 国道168号美化協議会が設立総会 (東牟婁振興局)

 新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で5月31日夜、「国道168号美化協議会」の設立総会があった。和歌山県、新宮市、市観光協会、新宮商工会議所、熊野川町ふれあい公社、新宮青年会議所、新宮ライオンズクラブ、新宮ロータリークラブなど協議会構成団体関係者ら26人が出席。協議会規約や本年度事業計画などを承認。会長に里中陽互・市観光協会長を選任した。

 東牟婁地域と県内外各地域との往来のための主要道路である国道168号。沿道は住宅が少なく人目にもつきにくいことから、全域でポイ捨てによる空き缶やペットボトルなど飲料のごみが散乱しており、待避所や道の駅周辺では飲食物のごみが散乱している。沿道に捨てられたごみは熊野川に流れ込み、最終的に海に至る。

 そういった状況を鑑み、東牟婁振興局健康福祉部衛生環境課は昨年秋、168号沿いの道の駅および待避所計3カ所に実験的に公衆ごみ箱を設置。ごみ箱の維持管理における問題点と沿道などにおける散乱ごみの削減効果の検証を実施してきた。

 協議会の設立は、公衆ごみ箱の常設設置を行うことにより、路上などの散乱ごみ(ポイ捨てごみ)を低減させ、当地方の山・川・海の自然環境の保全に寄与することを目的として官民一体となって組織。運営母体となって情報交換や連絡調整を行いつつ、相互に連携して不法投棄対策活動を展開していく。

 開会に当たり、杉本善和・東牟婁振興局健康福祉部長が設立趣意を説明。「県では2020年4月に『ごみの散乱防止条例』を施行し対策を強化してきたが完全には抑制しきれていない」と現状を明かした。

 昨年、公衆ごみ箱を設置し検証を行ったところ、沿線全域でごみの種類別に25~40%程度の削減効果が認められたとし「ポイ捨て根絶を目指すためには行政だけではなく、地元住民や事業者が主体となって地域に根差した取り組みを継続していくことが重要」と協力を呼びかけた。

 里中会長は関係者や賛助会員に対する感謝を示し「世界遺産にも登録されている当地域の素晴らしい景観を守り、子どもたちに残していくためにも、地域に根差した実践活動を実施していきたい」とあいさつ。オブザーバーとして参加した酒井清崇東牟婁振興局長が出席者や関係者に感謝を伝えた。

 本年度は▽公衆ごみ箱の設置▽公衆ごみ箱の維持管理▽周知や啓発、関係機関との連携による清掃活動など、ごみの不法投棄防止対策に関する事業―などを予定。公衆ごみ箱は昨年設置した3カ所(相賀、熊野川町田長、同町相須)に加え、南桧杖と熊野川町日足にも設置する計画としている。

(2022年6月3日付紙面より)

国道168号美化協議会が設立した=5月31日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局
里中陽互会長
2022年06月03日
78 代表者が義援金届ける
 「わくわく楽しいありがとう展」  (那智勝浦町 )

 5月27~29日の3日間、那智勝浦町朝日で「わくわく楽しいありがとう展」を初開催した陶芸サークル「器遊」とペーパークイリング「ファミリー」、己書(おのれしょ)「紀伊のおと道場」の3団体の代表者らは30日、同町役場を訪問し、期間中に募ったウクライナ人道支援のための義援金を堀順一郎町長に手渡した。集まった6万5710円は日本赤十字社を通して寄付される。

 各団体のそれぞれの力作を、多くの人に味わい、楽しんでもらいたいという思いから実施に至った同展。

 会場には手作りの皿や器などの陶芸作品、色とりどりの紙を巻いて作った小さいパーツを組み合わせ、刺しゅうのような装飾を施すペーパークイリング作品、書き方や文字の書き順にとらわれることなく、自由に筆を走らせ、自分の世界観を楽しく表現する己書作品を多数展示。また、無料のプレゼントコーナーや各種体験も人気を博した。

 同展事務局によると、新型コロナウイルス感染症対策を施した中で実施された催しには3日間で500人以上が訪れたという。

 会場に足を運んだという堀町長は「素晴らしい器や根気のいるペーパークイリング作品、前向きな言葉などが書かれた己書を見せていただいた。文化活動や地域に根差した祭りなど、残すべきものは残していきたい」。

 義援金については「このたびはありがとうございました。多くの命が絶たれてしまう状況が続く、ウクライナ問題が一刻も早く、収束してほしいと願っている」と述べた。

 「器遊」代表の松本ひとみさんと、「ファミリー」の石橋久美子さん「紀伊のおと道場」の道場主・杉本博子さんらは「義援金はお困りの方々に届けていただけたらそれが一番です。国内でもコロナ禍で最高の日常が失われてしまっている。催しの名前のように、わくわく楽しい日常が取り戻されることを祈っています。タイミングがあえば、次回もぜひ開催したいです」と話していた。

(2022年6月3日付紙面より)

「わくわく楽しいありがとう展」で集めた義援金を届けた3団体の皆さん=5月30日、那智勝浦町役場
2022年06月03日
79 津波低減に生徒が挑む
 円柱堤防を助成受け研究  (新宮高校 )

 和歌山県立新宮高校(東啓史校長)3年生の寺地航琉(わたる)君がこのほど、日本財団とリバネスが行うマリンチャレンジの認定研究に採択された。円柱の防波堤で津波被害を低減させる研究で、研究費の助成を受けて実験を繰り返し、最終的には最適な防波堤配置の提案を目指す。

 マリンチャレンジとは、海洋分野の課題の研究に挑戦する中高生を対象に、研究資金の提供や助言者による支援を行う事業。対象地域は全国で、申請書での選考を経て認定研究が決まる。採択を受けた研究者は、研究費5万円などを受けて研究を行い、主に8月に全国5カ所で実施される成果発表会に臨む。さらに上位の全国大会もある。

 寺地君のテーマは「津波減波に最適な防波堤形状と設置方法に関する研究」。円柱が水流に対して耐性があることから、円柱の防波堤を隣接して配置し、津波の威力を相殺することで、被害を最小限にできるとの仮説を立てた。その実証として、模型で実験した後、津波発生装置とコンピューターによるシミュレーションを行うことを考えている。環境面でも、従来型の防波堤より負荷を低減できるとする。2年生だった2月に申請し、4月に採択を受けた。

 防災課題を考え始めたきっかけは、2011年の紀伊半島大水害。「当時は小1だった。新宮市に住んでいて被害はなかったが、自分の身を守るにはどうしたらいいかを考えるようになった」と振り返る。この経験が、津波被害低減の研究につながっていった。今回の採択について「これで研究できると思うとうれしい。考えているときが楽しい。研究は自分にとって最高のものだと感じている」と喜ぶ。

 8月の成果発表会に向けた実験は、すでに始まっている。発泡スチロールの箱と水道を使って、簡易的な津波発生装置を製作。滑車や重りを用いて、起こる津波の威力を一定にするよう工夫した。水を入れたペットボトルで、円柱の構造物を再現。2本の円柱の距離を変えることで、津波の威力がどれぐらい低減するかを調べている。

 津波により流された物の距離で、威力を数値にすることを考えている。「可視化して、グラフを活用して(最適値を)求めていきたい」と意気込む。実験は毎日、昼休みや放課後に学校内の一室で行っている。

 これらで得た知見を基に、南紀熊野ジオパークセンターの津波発生装置を借りて実験を行い、大学などの関係機関にコンピューターシミュレーションを行ってもらう構想もある。「津波という地域課題の解決につながり、将来は円柱の防波堤が建つようになればうれしい。今回の研究は絶対やり遂げたい」と力を込める。

 他にも、円柱の防波堤に加え、さらに沖合に円すいの防波堤を配置し、津波の威力のみならず、向きまでも変えることができないかとの発想もあるという。

(2022年6月3日付紙面より)

認定書を持つ寺地航琉君(右)と東啓史校長=5月31日、和歌山県立新宮高校
簡易津波発生装置に水を流す
2022年06月03日
80 4年ぶりの上陸、産卵に期待
 井田海岸でウミガメパトロール開始  (紀宝町 )

 アカウミガメの産卵期を迎え、紀宝町ウミガメ保護監視員(萩野進也代表)は1日、同町の井田海岸でパトロールを開始した。萩野代表と木村一樹さん、西昌志さん、前地敏久さん、杉浦利也さん、前地正喜さんが7月末まで交代で海岸を歩き、上陸、産卵するアカウミガメを見守る。

 初日は上陸がないか確かめ、毎年続けている清掃活動と海岸の定点測量も行った。今年も産卵した1匹分の卵を井田小学校のふ化場に移す。萩野代表は「3年間上陸、産卵がなかったが、いつ上陸してもいいように海岸の環境整備を続けている。毎年、最初の1匹を見るとほっとする。今年は1匹でも上陸、産卵してほしい」と話していた。

  □     □

■パトロールボランティア募集

 同町企画調整課は、ウミガメ保護監視員と一緒にパトロールするボランティアを募っている。7月末まで毎週土曜日午後8時から実施し、1回だけの参加も可能。中学生以下は保護者同伴。

 申し込みは同課(電話0735・33・0334)まで。受け付けは平日の午前8時30分から午後5時まで。新型コロナウイルス対策としてマスク着用、検温に協力を呼びかけている。感染状況により、中止となる場合もある。

(2022年6月3日付紙面より)

ウミガメ保護監視員がパトロールを開始=1日、紀宝町の井田海岸
2022年06月03日
81 楽しく開放的にプレー 千穂第二地区福祉委員会グラウンドゴルフ交流会 (新宮市)
2022年06月03日
82 小ぶりな花が密集  妙法山にコアジサイ  (那智勝浦町 )
2022年06月03日
83 50年来の思いかなう  片山画伯が主祭神描き奉納  (熊野那智大社 )
2022年06月03日
84 はつらつと若さはじける  木本高校で3年ぶり有観客の体育祭  (熊野市 )
2022年06月03日
85 働くことの喜びや苦労学ぶ  2年生が職場体験学習  (矢渕中 )
2022年06月03日
86 児童の頑張り注目浴びる  高池小が春季運動会挙行  (古座川町 )
2022年06月03日
87 気付き得て接し方考える  小学生対象手話学習開く  (古座川町 )
2022年06月03日
88 キバナウスキムヨウラン開花  発見例少ない希少なラン  (新宮市 )
2022年06月03日
89 「マグロがいっぱい!」  勝浦小1年生が市場見学  (那智勝浦町 )
2022年06月03日
90 お悔やみ情報