紀宝町議選
1月29日21時30分確定【定数11】
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
---|---|---|---|---|---|
当 | 1,261 | 榎本 健治 | 46 | 自 | 現 |
当 | 621 | 川原田規泰 | 67 | 無 | 新 |
当 | 535 | 萩野 進也 | 68 | 無 | 現 |
当 | 384 | 原 章三 | 75 | 共 | 現 |
当 | 360 | 獺越 幸雄 | 67 | 無 | 現 |
当 | 359 | 奥峪 康之 | 65 | 無 | 現 |
当 | 339 | 向井 健雅 | 68 | 無 | 現 |
当 | 313 | 大倉 孝司 | 64 | 無 | 現 |
当 | 278 | 鈴木 学 | 74 | 無 | 元 |
当 | 272 | 平野美津子 | 75 | 無 | 現 |
当 | 260 | 市川 潔 | 75 | 無 | 現 |
157 | 野田 純志 | 74 | 無 | 現 |
当日有権者数 8,888人
投票者数 5,205人
無効投票数 66票
投票率 58.56%
AR砂場で土砂災害学習 (市野々小 )
那智勝浦町立市野々小学校で27日、拡張現実(AR)の技術を応用した新しい学習コンテンツ「AR砂場」を使った土砂災害学習があった。和歌山県土砂災害啓発センター主任の筒井和男さんらが講師を務め、5、6年生12人が砂場で山や谷を作ることを通じて、災害が起こりやすい地形の見つけ方を学んだ。
AR砂場は、砂場の山や谷を地形に見立て、その形状をリアルタイムで計測しながら等高線や標高別の配色といった視覚情報をプロジェクターで合成するもの。土砂災害学習に不可欠な地形についての理解を深める視覚補助の役割が期待される。同センターと和歌山工業高等専門学校の学生らが共同開発した。
筒井さんは児童に向け「土砂災害の恐れがある場所は、谷の出口や川の近くの扇状地、崖や急な斜面の近くだけれど、離れた場所の地形はどうやったら分かるだろう?」と問いかけ、地形図の等高線について解説。児童はAR砂場で実際に平らな地面や山を作り、急な斜面や谷筋といった地形の見極め方を学んだ。妙法山や烏帽子山(えぼしやま)、光ヶ峰といった険しい山に囲まれた那智川流域の地形も作り、その特徴を考察した。
那智川の支流・鳴子谷川の模型に航空写真や土石流のシミュレーション動画を投影する試みもあり、児童から「本物の山みたい」と声が上がった。筒井さんは「地形を読み取ることで、ハザードマップに表れていない危険箇所を発見することもできるかも。6年生は中学生になると少し違う地域へ通学することになるけれど、進学先周辺の地形にも関心を持ってほしい」と呼びかけた。
小賀実樹君(6年)は「等高線について今日初めて聞いたけれど、砂場はリアルタイムで色が変わってすごく分かりやすかった。災害から身を守るためには、やっぱり早めに避難が大切だと思う」と話していた。
AR砂場は、第1回高専防災減災コンテストのアイデア検証進出提案に選出されており、今年3月に東京都で最終審査の発表が行われる。筒井さんは「将来的には土砂災害啓発センターの常設展示として、中高生を含む多くの来館者の学習に役立てたい」と期待を寄せていた。
(2023年1月29日付紙面より)
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で25日、ふるさと学習があった。6年生90人が、熊野速玉大社の濵中孝成禰宜(ねぎ)から毎年2月6日に摂社神倉神社で斎行されている「御燈祭(おとうまつ)り」の歴史などについて学んだ。
同校運営協議会(下岡輝子会長)による「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環で実施。子どもたちに自分たちが暮らしている町の歴史や文化を学んでもらおうと、協議会メンバーを中心に有志ボランティアの協力を得て授業を設けている。
濵中禰宜は、熊野権現が祭られている熊野神社は全国に約5000社あり、その総本宮が「熊野速玉大社」「熊野本宮大社」「熊野那智大社」の熊野三山であると説明。「熊野大神が三山に祭られる前、最初に降臨した聖地が神倉山といわれており、銅鐸などのさまざまな出土品から、弥生時代から神倉山で祭りが営まれていたとされています」と述べた。
後半には清めやかがり御供(ごく)作り、阿須賀神社で神職・山伏・介釈(かいしゃく)たちが行う奉幣(ほうへい)神事など、一連の行程を紹介し「春を迎える季節に神様の火を頂くことが祭りの本意。コロナ禍で上(あ)がり子の皆さんは上がれませんが、地元には素晴らしい祭りがあることを誇りに思ってもらい、今後に伝えてもらえればうれしいです」と語った。
大石蓮稀(はずき)君は「一度も上がったことはありませんが、一日の流れや白い物を食べる意味が分かりました。授業を聞いて通常の祭りができるようになったら、参加してみたい」と話していた。
(2023年1月29日付紙面より)
木本、21世枠選出ならず (センバツ高校野球 )
3月に甲子園球場で開かれる「第95回記念選抜高校野球大会」の出場校が27日に決まり、21世紀枠の東海地区候補校だった県立木本高校は惜しくも選ばれなかった。報告を受けた選手たちは、ユニホームに着替え、夏の甲子園を目指して練習に打ち込んだ。
校長から結果を聞いた、榎本和真主将(2年)は「正直悔しいけど、こうして注目していただいたことはいい経験になった」と振り返り「目標にしてきた県1番になって地域の方々とOBの皆さん、保護者の皆さんに恩返ししたい。甲子園は地域の方々の期待も大きく、OBの皆さんの夢でもある。僕たちの代で成し遂げたい。夏に1番を取って甲子園に行きたい」と前を向いた。
西垣戸洋一監督は「結果は残念だが、選手たちはすでに夏に向けて意識を持った表情だった。普段から自分たちを律しながら戦っている子どもたちなので心配はない。夏に向けて攻撃力を高めていこうと生徒たちと話をしている」と話していた。
木本高校は、部員13人で県内強豪校と互角に戦い秋季大会県ベスト4に進出したことや、140㌔近いストレートを誇る投手が2人いること、地元に愛されていることなどが高く評価され、東海推薦校に選出されていた。
21世紀枠は全国9校から氷見高校(富山県)、城東高校(徳島県)、石橋高校(栃木県)の3校が選ばれた。
(2023年1月29日付紙面より)
補陀洛山寺で立春大護摩供星祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木智英住職)で27日、立春大護摩供星祭(りっしゅんおおごまくほしまつり)があった。おととし、昨年に引き続き、今年も新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から僧侶や職員のみが参加。コロナ終息を願い、髙木住職らが「鬼は外、福は内」と掛け声を発し、一足早い豆まきが行われた。
この日は、同寺の国重要文化財の本尊「三貌(さんぼう)十一面千手千眼観世音菩薩(ぼさつ)」を開帳。熊野修験の山伏のほら貝が響く中、髙木住職らが入堂し、法要を営んだ。
続いて本堂内の護摩壇で護摩木をたき上げ、家内安全、商売繁盛、身体健全などを祈願。その後、僧侶2人と山伏1人が本堂内で豆をまき、さらに回廊から境内に向けてまいた。
例年は多くの参拝者が集まる中、かみしも姿の厄年の人たちが、境内に設置されたやぐらから豆まきや餅まきを行い、にぎわっている。
髙木住職は「コロナ禍となって4年目。すぐには終息は難しいため、まずは共生していかなくてはならない。そして、戦争は今もなお続いている。仏教に携わる僧侶として、できることは微力だが、以前のような生活に戻ることと、世界平和を祈念し、お参りを続けていきたい」。
今後については「もうすぐ、コロナも5類に引き下げとなる。5月の例大祭には多くの方々にお参りいただければ幸いです」と語った。
なお、毎年和歌山県内外から、多くの人々が訪れる那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)の「節分会」はコロナの感染拡大防止のため、今年も中止を発表している。
(2023年1月29日付紙面より)
文化財防火デーに訓練 (熊野速玉大社 )
文化財愛護思想の高揚を目的に制定された「文化財防火デー」の26日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で防火訓練があった。神職や敬神婦人会らで成る同大社自衛消防隊、新宮消防本部、市消防団丹鶴分団、市職員、地域住民ら約60人が参加。訓練を通して連携体制を確認した。
文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年からこの日を中心として全国的に防火運動が展開されている。
新型コロナウイルス感染症の影響で従来規模の訓練は3年ぶりとなった。
第69回となった今回は、同大社双鶴殿西側雑木林から出火したとの想定の下、実施された。双鶴殿への延焼を防止するため、同大社自衛消防隊が放水銃で初期消火活動を行い、拝殿内の重要文化財などを搬出。双鶴殿西側の従業員駐車場では、消防本部と分団員による消火活動が展開された。
訓練後、整列した関係者たちを前に速水盛康教育長は「有事の際には常日頃からの訓練と経験が生きてくる。熊野速玉大社には世界遺産・熊野を代表する多くの文化財がある。私たちは、その文化財を保存・管理し未来につなげていく役割を背負っている。地域の皆さまと一緒に守っていくことが大きな力になると思っている」。
上野宮司は「厳寒の中、無事に訓練を行うことができた。数年前に近隣で火災が発生した際には、放水銃と森のおかげで延焼を防ぐことができた。皆さんと同じ意識の下で防火訓練を実施できたことが一番の収穫」と協力に感謝した。
堀切学署長は「有事の際は今日の訓練を思い出して落ち着いて行動を」と講評。「自身にとってもなじみ深い同大社で訓練できたことに感謝している。これからも大切な世界遺産を守ってほしい」と話した。
なお、同日には熊野那智大社でも防火訓練が予定されていたが、25日の寒波の影響で路面の凍結などが予想されることなどから訓練は中止となった。
(2023年1月27日付紙面より)
イル・ド・フランスで食育教室 (新宮市 )
新宮市のフランス料理店「イル・ド・フランス」で22日、NPO法人Go―Kuma―Kids(大西章夫理事)による食育教室が開かれた。近隣市町から児童6人が参加し、フランス料理を通じて地元産の野菜がおいしくなる秘密などを学んだ。
Go―Kuma―Kidsは昨年8月に設立された法人。「10年後を創造した、可能性のあるまちづくり。」を目標に、自然体験や地域企業での職場体験、英語イベントなどを開催している。
この日は料理人の倉本幹也さんが講師を務め、新宮市広角で収穫されたサツマイモを使ったスープ作りを実演。薄切りのタマネギとサツマイモをバターで炒めて15分ほど煮た後、ミキサーで攪拌(かくはん)。シノワと呼ばれるこし器でなめらかにし、牛乳と生クリーム、塩、砂糖で仕上げた。
フランス料理の歴史や包丁の切れ味の違い、料理行程の意味についても解説。地元産の野菜について「この地域に湧く温泉にはミネラルが豊富に含まれており、それが野菜をおいしくする」と語った。
サーモンのソテー、フランスパンと一緒にスープを味わった上中えみ里さん(太地小3)は「おみそ汁は普段から食べるけれど、こしたりして作るスープは初めてかも。ホウレンソウやカボチャで作ってもおいしそう」。
倉本さんは「子どもは地域の宝。地域には教科書以外で学ぶべきものがあり、民間で同じ志を持つ人が集まって、こうした活動を続けていくことが大切だと思う」と話していた。
Go―Kuma―Kidsはインスタグラム(go_kuma_kids)でイベント情報を発信している。
(2023年1月27日付紙面より)
自衛隊の協力で学ぶ (新翔高校 )
県立新翔高校(藤田勝範校長)で25日、自衛隊和歌山地方協力本部による「防災スクール」があった。1年生38人が参加、紀伊半島大水害について映像で学んだほか、ロープワーク、ライフハック(避難所などで役立つ技術)、救急法などを教わった。
対象の1年生の人数は97人だが、当日は寒波の影響で登校できない生徒も多かった。同スクールは、生徒の防災意識を高め、地域防災の担い手として社会貢献できる青少年の育成を目的としたもの。10人の自衛隊員が講師として訪れた。
開会に当たり、同本部新宮地域事務所長の住野具視所長があいさつ。那智勝浦町の出身で、1995年の阪神淡路大震災や、2011年の紀伊半島大水害の際に支援活動を行ったことを話した。「今日の講習で少しでも学んでいただけたら」と呼びかけた。
続いて、紀伊半島大水害の記録映像を上映。熊野川が氾濫し、各所で浸水が発生した様子や、救助活動を行った当事者による証言などが映し出された。生徒らは、身近な地域で起こった災害の様子を、食い入るように見つめていた。
この後、3班に分かれての講習を実施。いずれも自衛隊員が指導に当たった。ロープワークでは、生徒らが災害時に役立つ、いろいろなロープの結び方に挑戦。ライフハックでは、新聞紙を使った食器作りや、水だけで作れる非常食調理を行った。救急法では、簡単な止血法や、毛布と棒を使った担架の作り方を教わった。いずれも生徒らは、関心を持って取り組んでいた。
村井祐之介さん(16)は「大水害の時は断水して、給水車まで水をくみに行った記憶がある。身近な所でとんでもないことが起きていたのだなと驚いた。新聞紙を使った食器作りは、役立ちそうだと思った」と語った。
(2023年1月27日付紙面より)
太地小・北山小の5、6年生
今季一番の寒波にみまわれた25日の朝、太地町立太地小学校と北山村立北山小学校の5、6年生計24人が、太地町の姉妹都市である長野県白馬村へ出発した。
白馬村と太地町は1984年に姉妹都市提携を結び、翌年から両地域の子どもたちの交流がスタート。太地小学校の児童が冬の白馬村を、白馬北小学校児童が夏の太地町を訪れ、互いのふるさとで友情を育んできた。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、太地小児童の白馬村訪問は3年ぶり。太地町は現在、北山村との町村交流を進めている関係で、今年初めて北山小学校児童も訪問に参加する運びとなった。
太地小児童は黄色いスキーウエアに身を包み、太地漁港ふれあい広場(東の浜)へ集合。児童会役員の山下みつきさん(5年)、稲森杏樹さん(同)が見送りに来た保護者らへ「楽しい思い出をつくってきます。行ってきます」とあいさつした。北山小児童は、熊野市で合流して白馬村へ向かう。
旅程は2泊3日で、白馬岩岳マウンテンリゾートでの雪遊びや、白馬北小学校とのレク交流を予定している。
(2023年1月27日付紙面より)
大泰寺で大般若祈祷会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町下和田の古刹(こさつ)、定光山大泰寺(西山十海住職)で13日、西山住職ほか、同町や太地町の8人の住職が出仕して「大般若祈祷会」を営んだ。新型コロナウイルス感染症対策を施した上で恒例の餅まきも実施。境内や本堂は多くの参拝者でにぎわった。
法要ではマスク着用やアルコール消毒、換気など新型コロナウイルス対策を徹底した。住職らは全600巻の大般若経典を左右に波打たせながら一気に読む転読を行い、厄払いや家内安全、商売繁盛などを祈願した。
餅まきは3密防止のため、本堂と薬師堂、境内に設置した舞台の3カ所で実施。住職や関係者らによって、250㌔の餅とパン200個がまかれた。
同寺大総代の尾屋公一さんは「コロナ禍にかかわらず、たくさんの方が集まっていただきありがたい。今日はコロナの終息と地域が明るくなることを願いました」。
西山住職は「コロナの感染が各地で広がっていて、亡くなる方も増えている。しかし、少しずつだが、日常を取り戻してほしいという思いもあり、昨年に引き続き斎行させていただいた。今年こそはコロナが終息し、皆さまが平穏無事に幸せに生活できることを願い、祈とうさせていただきました」と語った。
町内から訪れた70代男性は「年に1回の行事。多くの人が来られて、活気づいたので良かった。来年はコロナも収まって、もっと多くの人でにぎわってくれたらうれしい」と話していた。
同寺は伝教大師により1200年前の平安初期に創建された桓武天皇勅願道場と伝わる。薬師堂は関南薬師の第一霊場として昔から近隣の人々の信仰を集めてきた。
この日も開帳された本尊の薬師如来像(国重要文化財)は1156(保元元)年の作。その優美な姿に引かれ、例年の開帳の際は大阪や東京などからも参拝者が訪れている。
(2023年1月15日付紙面より)
不審なSNSやはがきに注意を (見守り隊が啓発 )
三重県警によると、昨年(11月末現在)、県内で118件の特殊詐欺が発生した。被害額は約3億4180万円に上った。前年同期比で15件、約1億7500万円の増となった。
このうち、50件が架空料金請求詐欺で、2億3370万円の被害と急増した。新型コロナウイルスの拡大が懸念されたことにより、自宅にいる機会が増えたことや、交流サイト(SNS)の利用時間が増加していることなども原因と考えられ、県内に限らず全国的に被害が増加している。
架空料金請求詐欺は「未払いの料金がある」などと架空の事実を口実として、現金や電子マネーなどをだまし取る手口。紀宝警察署管内では、昨年5月と10月に電子マネーをだまし取られる被害があった。「はがきやSNSなどで未払い料金を請求されても心当たりがなければ相手に連絡しないように」と呼びかけている。
紀宝町では、高齢者の特殊詐欺被害撲滅を目指し、毎月1回、高齢者地域見守り隊(伊藤俊介代表)が町内各所で啓発活動を展開。13日には鵜殿の主婦の店で今年最初の活動を行い、隊員6人が町民らにチラシを配布し、詐欺に遭わないよう求めた。
チラシには特殊詐欺発生状況や具体的な手口、対策、相談窓口などを掲載した。不審電話などの相談は紀宝署(電話0735・33・0110)へ相談を。
(2023年1月15日付紙面より)
旧チャップマン邸、旧西村家住宅で企画展 (新宮市 )
新宮市丹鶴の旧チャップマン邸と旧西村家住宅(西村伊作記念館)で、西村伊作生誕139(イサク)年記念企画展が始まった。入館無料。
「生活を芸術として」という生涯を送った、新宮市名誉市民の西村伊作(1884~1963年)。今年は生誕139年の節目の年で、旧チャップマン邸では22日(日)まで「伊作のみた熊野新宮」(西村記念館・旧チャップマン邸の会主催)を、旧西村家住宅では29日(日)まで「西村伊作が描いた新宮」(市教育委員会主催)を開催している。
旧チャップマン邸では「新日本の文化創出をリードした伊作は、彼を生み育てた熊野・新宮のどんな風景を見て育ったのか」をテーマに、明治や大正時代の豊富な資料・史料から解き明かす。
展示資料の多くは熊野学研究委員会委員長の中瀬古友夫さんが提供。写真や地図を伊作による絵画とひも付けしながら、当時の熊野・新宮やゆかりの場所などを紹介している。
伊作邸の2階にかけられていた地形図は、1911(明治44)年初版の5万分の1地形図の「新宮」や「那智」など11枚を正確に張り合わせ、掛け軸のように表装。県名が丁寧な明朝体で書き加えられ、海岸線と県境や市町村が縁取りされている。また、13(大正2)年に開通した新宮鉄道の予定線も開通した状態に書き直されており、中瀬古さんは「伊作が設計図の手法で記入したものと考えられる。鉄道開通後のふるさとに思いを巡らせていたのでは」と話している。
旧西村家住宅では、伊作が描いた新宮の風景画11点を展示。多くが普段は見ることのできない作品となっており、伊作の目線を通して当時の新宮の風景を回顧できる内容となっている。
開館時間は旧チャップマン邸は午前10時~午後4時。旧西村家住宅は午前9時~午後5時で、両館とも月曜日休館。
(2023年1月15日付紙面より)
新宮市・那智勝浦町で出初め式
新宮市と那智勝浦町で8日、消防出初め式が開催された。消防関係者らが出席し、防災力向上への誓いを新たにした。式典後には、新宮市では2019年以来4年ぶり、那智勝浦町では20年以来3年ぶりに一斉放水などが行われた。
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新宮市では、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で3年ぶりに従来に近い規模で式典が開催された。消防関係者や来賓ら約350人が出席する中、中谷健兒・消防団長が開会宣言。功労者たちに賞状と記念品が贈呈された。式典後には4年ぶり(2020年は荒天のため中止)に同施設敷地内で分列行進と、熊野川河川敷で一斉放水が行われた。
田岡実千年市長は、社会環境の変化により、複雑多様化、大規模化の傾向を強めている自然災害と新型コロナウイルス感染状況に言及。「本市においても、社会環境の変化に即した消防力の充実強化、大規模災害や特殊災害に対応した消防体制の確立を図り、災害に強い、安心で快適な活力あるまちづくりを進めていきたい」と式辞。さらなる協力を呼びかけた。
榎本鉄也市議会議長は「今後も盤石なる消防体制を堅持し、職務遂行にご尽力を。市議会としても市民の安全・安心を願い、災害に強いまちづくりに向けより一層、消防・防災体制の充実を推進していく所存」と述べた。
表彰状・感謝状の授与、伝達に続き、岸本周平知事(杉本善和・東牟婁振興局健康福祉部長代読)、自民党の世耕弘成参院幹事長、田原正士・新宮警察署長が来賓のあいさつ。消防関係者の日頃の尽力に感謝を伝えた。
閉会に当たり、垣内一男消防長は「3年間のコロナ禍を経験し、改めて消防の任務が市民生活に直結し、役割の大きさや消防に対する期待を職員全員が再認識する機会になった」。
「どんな環境下であっても市民の皆さまの安心と安全のためにしっかりと態勢を整え、あらゆる状況にも立ち向かうべく常に準備し、創意工夫する中で勇気と英知をもって柔軟に対応していくことの大切さを痛感した。今年も市民に安心と安全を感じていただくといった目標達成のために、職員が一丸となって職務にまい進していきたい」と決意を新たにした。
昨年1年間の出動状況は火災12件、救急件数1702件、救助23件だった。
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那智勝浦町消防出初め式が8日、那智勝浦町天満の体育文化会館などであった。通常規模の開催は3年ぶりで、式典のほか分列行進、一斉放水も実施。職員28人と団員131人が参加、町民の安全安心な暮らしの確立に向け、意識を新たにした。
コロナ禍に伴いおととしは中止、昨年は規模を縮小していた。分列行進と一斉放水は、同町築地の勝浦港「渡の島」の突堤に移動して実施。地域住民も多数、観覧に訪れた。
式典では、優良消防職団員の表彰などに続き、堀順一郎町長が式辞。表彰受賞者を祝福し、功績への感謝を伝えたほか、全国で増加傾向にある自然災害に言及。「被害を最小限に抑え、安心安全を守るためには、町民の防災意識の向上が必要。団員はそれぞれの地域で、町民の防災意識向上のための啓発に、引き続き取り組んでもらえるようお願いします」と呼びかけた。
湯川辰也消防長もあいさつ。「消防・防災センターを中核とし、本部と団が十二分に活用して、消防力を強化する必要がある」と強調した。来賓として、自民党の世耕弘成参院幹事長、荒尾典男・同町議会議長、酒井清崇・県東牟婁振興局長、谷洋一・県議会議員、田原正士・新宮警察署長(代読)が祝辞を述べた。
最後に、下地将仁団長が訓示。「自分たちの地域は自分たちで守るを理念に、町民の安全安心を目指し、誇りと自覚を持って、災害対応力の向上に努め、日夜訓練を重ねる所存。団員各位の努力精進に感謝を申し上げる」と力を込めた。
式典後は、渡の島に移動。各分団が分列行進し、消防車両や消防艇がこれに続いた。一斉放水では、合図とともに団員らがホースを伸ばし、海に向けて開始。放水が弧を描き、海上では消防艇も放水しながら進んだ。
(2023年1月11日付紙面より)
潮﨑本之宮神社「お的祭り」 (串本町 )
串本町串本にある潮﨑本之宮神社(山本貞夫宮司)で9日、お的祭りがあり弓頭2人は的に放った矢8本を全て的中させて年の初めに大きな弾みをつけた。
同神社総代会(吉村健三総代長)による成人の日を期日にした新春行事。新型コロナウイルスの情勢でおととしと昨年は行えなかったため、今年は3年ぶりの実施となる。
花形の弓頭は氏子の独身男性が務める慣習があり、今年は矢倉悠斗さん(17)と吉村大空(たく)さん(17)を人選。例年に無く期日の巡りが早いため、2人は高校クラブ活動との両立を図りつつ昨年12月21日から堀好之総代ら指導の下で稽古を積んできた。
当日はほぼ快晴の好天に恵まれ、弓頭2人は早朝に上浦海岸で潮垢離(しおごり)をして身を清めた後に吉村総代長(80)や矢拾いの人選を受けた井上月紫さん、中村泉水さん(ともに小学校3年)らと共に神前奉告に臨み、境内に設けた弓場へ参進しお弓式に臨んだ。
総代が直径約3・6㍍の的を弓場に据え、弓頭は吉村総代長の仕切りの下で約25㍍離れた場所から伝統の所作をこなして各4本を奉射。計8本全てが的中する幸先も良い結果となり、以降は総代や氏子が的を引きちぎり門先の魔よけとして分け合った。弓頭はさらに各2本を境内の外へ向けて放ち、吉村総代長からねぎらいを受けて式を締めくくった。
式と並行して同神社は厄払い祈祷(きとう)を執り行い、今年は14人が参列した。式と祈祷が終わった後は弓頭2人と祈祷参列者の代表が本殿前に据えたやぐらに上がり、総代会が準備した5斗分の餅をまいた。
弓頭2人が掲げた目標は的に放つ矢を全て的中させること。互いに無事達成できたことを喜び合い、そろってこの好調が氏子区域の平和、そして自身のこれからの進路選択にも良い結果をもたらしてくれることを今後に願った。吉村総代長は「無事にお的祭りを終えることができ、しかも百発百中で言うことのない結果」と喜び、この勢いが新型コロナウイルスを退け例年通りの秋祭りにも結び付くことを向こう1年に願った。
(2023年1月11日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で7日夜、和歌山県指定民俗文化財の「八咫烏(やたがらす)神事」が営まれた。厄よけの「白玉宝印(しらたまほういん)」を入手しようと、各地から多くの参列者が訪れた。
正月三が日の間、神門前に飾られた門松で「熊野牛王(ごおう)宝印」を調製し、たいまつの火と水ではらい清め祭神の魂を吹き込む宝印押し初めの神事。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、拝殿での参拝を30人に限定。拝殿前に設置されたテント前にはモニターが設けられ、神事の様子が中継された。
神事では照明を落とした暗闇の中、神職が「えーい」の掛け声とともに拝殿の柱へと宝印を押して奉納。九鬼宮司に続いて参拝者らが玉串をささげた。神事後には神職が白紙に押した宝印が参拝者らに授けられた。
九鬼宮司は、ウクライナ情勢や低迷する経済、収束のめどの立たない新型コロナウイルス感染状況などに触れ「今日は、それぞれいろいろな思いで熊野にお出ましいただいた。うさぎ年の今年は飛躍の年であり再チャレンジの年。昨年の一文字揮毫(きごう)では『力』という文字を納めさせていただいたが、地域力、そして皆さんの本来持っている底力を思い出していただき、総合力をもって日本、そして地域の活性化につながることを祈念したい」とあいさつした。
(2023年1月11日付紙面より)
熊野速玉大社で恵比寿祭 (新宮市 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)境内の熊野恵比寿(えびす)神社で10日、恵比寿祭(恵比寿神社例大祭)が執り行われた。熊手などを手にした参拝者らが見守る中、上野潤権宮司が祭司を務め新型コロナウイルス感染症の収束や商売繁盛などを祈願した。
例年では商売繁盛や家内安全などを願い、前日夜の宵宮から縁起物の福笹(ふくざさ)や熊手を買い求める多くの人々でにぎわいを見せる同大社の「十日えびす」。
新型コロナウイルス感染拡大の観点から、今年も昨年に引き続き規模を縮小し神事のみを斎行。えびす様の御利益にあやかろうと、地域住民や参拝者らが上野権宮司や上野宮司らに続いて玉串をささげた。
神事を終え、「熊野ゑびす講」の星谷千学会長の代理として参列した三栗章史さんは「本来なら縁起物を出して商売繁盛を祈願したいところだが、新型コロナウイルの影響で規模を縮小させていただいた。来年、状況が好転したら盛大にお祭りができるように態勢を整えて頑張っていきたい」とあいさつ。
上野宮司は、地元商店街の店主らが昭和30~40年代にえびす宮総本山の西宮神社から勧請した熊野恵比寿神社の歴史などについて説明し、参列者らの多幸や一年の開運を願った。
(2023年1月11日付紙面より)
賀詞交歓会に40人出席 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の南紀くろしお商工会は、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)、町水産振興会、南紀勝浦温泉旅館組合の協力の下に5日、町体育文化会館で「新春の集い!~賀詞交歓会~」を開いた。恒例の催しに関係者ら約40人が出席し、交流を深めた。
賀詞交歓会は商工業、観光、水産が一体となり町の活性化に寄与することが目的。この日の司会は同商工会女性部の大林幸子部長が務めた。
南紀くろしお商工会の森川起安会長は作家・司馬遼太郎の「疫病は社会を変える」という言葉を挙げ「まさしく現在がそのような状況。われわれに必要なことは衛生管理の行き届いた安心安全な町づくりだと思う。それを念頭に置き、周辺経済の活性化を図らなくてはならない」。
町の主力産業観光については、本物が求められる時代になったとし「この町にもチャンスが来る。つかみ取るには行政や議会、諸団体、住民が志を一つにすることが肝要。われわれもウサギのごとく素早い動きとジャンプ力で変化し、この難しい時代を乗り越え、新時代を迎えましょう」とあいさつした。
堀順一郎町長は、これまで町が実施してきた経済対策やさまざまな支援について報告。「町としてはそれらに加えて、子ども・子育てを支援する。さらに住民の安心安全を守るとともに、観光の目玉ともなる避難タワーを築地地区に建設したいと考えている。町が飛躍するためにも、ウサギの耳のようにアンテナを高くして声なき声に耳を傾け、町政を進めていきたい」と語った。
式典では感染症対策のため、国歌や「一月一日」は斉唱せず、傾聴となった。恒例の鏡開きは行われた。荒尾典男町議会議長の乾杯の後、出席者は近況や新年の抱負などを歓談し、交流した。
(2023年1月7日付紙面より)
歴探スクールで櫻井敬人さん (新宮市 )
熊野学研究委員会歴史部会・新宮市教育委員会が主催する令和4年度熊野学講座「第37回歴史探訪スクール」が5日、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」であった。太地町歴史資料室学芸員の櫻井敬人さんが「鯨供養」を題目に講話。約40人が聴講した。
櫻井さんは「日本には人間以外の供養塔がたくさんある。鯨、ウナギ、フグ、牛、豚、鳥、マグロ、木。生き物だけではなくいろいろなものが供養の対象になる」。
同町にある東明寺の「亡鯨聚霊塔」、熊野市二木島の「鯨供養塔」、那智勝浦町青岸渡寺の「魚霊供養碑」、瑞光寺(大阪市東淀川区)の「雪鯨橋」、岡山県瀬戸内市牛窓町の「大鯨供養塔」などを紹介し、龍昌院(佐賀県唐津市)の「鯨鯢(げいけい)供養塔」、海蔵院(高知県土佐清水市)の「為鯨供養」では地蔵が配置されていると説明。
太地町・順心寺、東明寺の六地蔵との関連や「六道(地獄道、餓鬼道、畜生道、阿修羅〈あしゅら〉道、人道、天道)」・「輪廻(りんね)転生」の関係性に言及し「向岸寺(山口県長門市)の鯨墓には『業尽有情/雖放不生/故宿人天/同証仏果』と記されている。それは諏訪大社が狩猟・肉食の免罪符『鹿食免(かじきめん)』として発行してきた『諏訪の勘文』のもの。生き物を捕らえて食べる、そうすることで畜生道にさまよっていた動物はあの世にいくことができると解釈されてきた。狩猟を生業にする人にとってはありがたい言葉だったのでは」と解説した。
東明寺の「亡鯨聚霊塔」には「懺摩一会(集まって罪を告白し赦〈ゆる〉しを乞う)妙典石経(妙法蓮華経を石に刻む)」とあるとし、新宮市三輪崎孔島(くしま)厳島(いつくしま)神社の法華塔、高野坂の金光稲荷神社にある石祠、串本町西向の「原町の小堂」にある法経塔などを紹介し「江戸時代の鯨捕りたちは法華経の力を頼りにしていたのかもしれない。亡鯨聚霊塔を建てた人々は、法華経と彼らの善行がもたらす仏の恵みが、人だけではなく今は亡き鯨にも振り向けられ、人と共に鯨も成仏することを願っていたのでは」と話していた。
(2023年1月7日付紙面より)
串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家(山口和紀所長)の主催事業「新春企画孫(子ども)とグラウンド・ゴルフ(GG)を楽しもう」が5日にあり、小学生以上の孫と祖父母のペア12組24人が試合に挑戦するなどした。
日本GG協会認定3コースなどの競技環境を常設し、シニア層の練習や大会のみならず施設を利用する青少年層も活動の一環で挑戦するなど幅広い世代の競技愛好を得ている同家。これら利用を支える中で思いついたのがGGで家族の世代間交流を応援するこの主催事業で、敬老の日にちなんだ企画として昨年秋に初実施を目指したが台風接近に伴う荒天で実施できず、次は帰省で家族が集まりやすい正月に期日を設けて再度初実施を目指し実現へとこぎ着けた。
当日は程よく雲が流れる晴天に恵まれ、前半は各組ごとに約1時間の練習をし昼食休憩。後半は3組ずつの4グループに分かれ、各組とも常に2人が交互に打つルールで2ラウンド計16ホールを回る試合に挑戦した。
練習をしたことはあるが試合をするのは初めてという河田舞耶さん(12)は「坂になっているホールは難しかったけど、2打上がりもあって楽しかった」。同家を利用するGG愛好者の一人でもある祖父・一夫さん(83)は「孫と二人で挑戦できただけで十分楽しかった」と参加した印象をそれぞれコメント。
試合終了後は成績上位ペアを発表して拍手でたたえ、山口所長は「グラウンド・ゴルフは高齢者だけではないというところを皆さんに分かっていただき、その輪をもっと広げて親子や家族でもプレーできる状態を今後つくっていきたい。次はゴールデンウイークにこの事業を仕掛けようと思っているので、また参加いただければ」と呼びかけて締めくくった。
(2023年1月7日付紙面より)
オンラインで始業式 (新宮高校 )
新宮市の県立新宮高校(東啓史校長、生徒561人)で6日、3学期の始業式が開かれた。2学期の終業式に続き、各教室をオンラインで中継する形で実施した。
校歌静聴に続き、東校長があいさつ。携帯電話機市場でアップル社に敗北したノキア社最高経営責任者(CEO)の「何もミスはしていないのに、なぜか負けた」という言葉を引用し、「周りが成長しているときの現状維持は衰退と同じ。時代も含めて自分を取り巻く環境を把握し、明確な目標・意思とシンプルな方法の継続が重要。3学期は1年間のまとめとなる重要な時期。客観的な視点を持って自分の状況を分析し、明確な目標を持って過ごして」と呼びかけた。
冬休み中に生徒が巻き込まれる事件・事故はなかったが、新型コロナウイルス感染症第8波の感染者数増加が続いていることから、気を抜かずに対策を継続するよう呼びかけがあった。午前中には早速課題テストなどが行われていた。
県立新翔高校および新宮・東牟婁地方の公立小中学校は10日(火)に始業式が開かれる。
(2023年1月7日付紙面より)
県内で1883人感染 (三重県内の新型コロナ感染者状況 )