児童が収穫、販売も (那智勝浦町 )
那智勝浦町立勝浦小学校(山下真司校長)は28日、同町南大居の畑で、3年生43人を対象にしたナスの収穫体験を行った。児童が畑に実るナスを収穫し、袋詰め。町内商店での販売までを行い、地産地消の重要性を学んだ。
新宮周辺地場産青果物対策協議会(会長=小田三郎新宮中央青果社長)とくろしおナス組合(松本安弘会長)の協力により、社会科の授業で農業を学ぶ3年生を対象に毎年実施している。食育や地産地消の重要性、地元野菜の産地などを教えている。
今回は、前日に松本会長と新宮広域圏公設地方卸売市場の中本勝久市場長が、学校を訪問。事前学習会を行い、ナスに関する基礎知識を伝えた上で、この日の収穫に臨んだ。収穫は組ごとで2回に分けた。畑は松本会長の所有で、大ぶりのナスがいくつも実っていた。
児童らは、松本さんの指導を受け、ナスを1人5個ずつ、はさみで切り取って収穫。「大きい」などと歓声を上げ、収穫したナスを仲間と見せ合い競っていた。
収穫したナスのうち、2個は販売用に袋詰め。見た目がきれいなものを選び、事前に児童が書いておいたメッセージカードも入れた。カードには「太田の畑で作ったナスです」「朝取ってきました。新鮮です」などと書かれていた。残る3個は持ち帰り用とした。
中本市場長は「取れたてのナスは栄養たっぷり。でも日がたつと、しわしわになり、色が落ち、栄養もなくなってくる。できるだけ新鮮な地元産のナスを食べて。安心安全な地元の野菜を知っておいて」と呼びかけた。
濱新平君は「楽しかった。取れたナスはマーボーナスや漬物やみそ汁で食べたい」。豊田香菜さんは「(収穫は)初めてだったけどうまくできてよかった。ナスは栄養たっぷりでおいしい。マーボーナスで食べたい」と話した。
この後、袋詰めしたナスは、同町築地の中西商店の協力で、同店で児童が販売した。
(2022年6月29日付紙面より)
みくまの農業協同組合(JAみくまの、漆畑繁生代表理事組合長)は25日、那智勝浦町体育文化会館で第21回通常総代会を開いた。総代総数510人のうち、117人(議決権行使346人)が出席し、赤字が続くAコープこざ店の閉店などを含む9議案全てを承認した。
漆畑代表理事組合長は令和4年度は、8支所から5支所1ふれあい店体制へと統廃合したなどの拠点再編を実施したと報告。「JAが地域に貢献できる組織であるためには、持続可能な経営基盤の確立が不可欠だが、さらなる経営努力の必要がある。ご承認をお願いいたします」とあいさつ。
▽令和3年度の事業報告、剰余金処分の承認▽定款の変更▽Aコープこざ店の閉店▽第8次総合中期計画の設定▽第5次JAみくまの農業振興計画▽令和4年度事業計画の設定▽令和4年度における理事報酬の決定―などが審議された。
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3号議案は串本町西向にあるAコープこざ店の閉店についての審議。同店は、1987年にオープンし、98年8月に改装後、小規模な修繕を経て現在に至っている。
事務局は現在、老朽化で屋根、外壁、トイレの大規模修繕や、フロンガスの規制によってショーケースの入れ替えも必要であると説明した。
事業収益は2016年度が5億3407万1000円だったが、19年度は4億547万1000円と大幅に減少。18年度以降、労務管理の観点より、日曜休店が余儀なくされ、来客数にも影響を及ぼしたとした。
20年度から全日営業に戻したが18年度以降、4期連続で赤字が続く。検討を重ね、地域の人口動態・競合店の影響、収支シミュレーションを勘案し、今年9月末での閉店に至ったという。
総代からは「閉店は他店舗の影響があったのか。とくし丸の巡回は」と意見が上がった。漆畑代表理事組合長は赤字や人口減少などから苦渋の決断だったとし、「地区懇談会も開いた。全農と提携するコンビニのファミリーマートに店舗を引き継いでもらえないか打診したが、周辺350㍍圏内の人口が約500人で、平均日商までの見込みは厳しいため、出店不可との回答があった」。
今後の対応として「買い物難民のためにも、店舗周辺で移動スーパーのとくし丸を運行させ、対応する」と答弁し、賛成多数で承認された。
同店の閉店を受けて、同町在住の60代女性は「車がない高齢者の方は大変だと思う。よく買い物に行くので閉店は残念です」と話していた。
(2022年6月29日付紙面より)
人見建設、全社規模で (串本町 )
串本町の建設会社・株式会社人見建設(人見健一社長)が27、28日の2日間、串本町くじ野川にある橋杭ビーチのボランティア清掃に取り組んだ。
紀の国わかやま国体串本町会場への協賛や新型コロナウイルス感染症予防のための資材寄贈などさまざまなかたちで地域貢献を重ねている同社。この清掃は社長発起をきっかけにして全社規模でおととしから取り組むようになり、今年も町に申し入れ了解を得て計画。社員一丸で日頃の仕事の段取りをつけ、2日間の実施へとこぎ着けた。
当日は重機(パワーショベルなど)も持ち込んで奉仕。今年は人力では動かしがたい流木が無かった反面、はだしで歩くとけがをしそうな細かい流木などのごみが目立ったためまずそれらをかき出し、一冬の間に風で陸側へと寄った砂を浜へ戻してならした。
重機が使いづらい砂浜と芝地の間にたまった砂は、階段状の護岸構造を傷めないようシャベルやブロワー、ほうきなどを使い人海戦術で対処。今年は了解の一端で売店「ビーチハウス・ラパン」横の芝地に長年堆積した砂にも対処し、若干芝を剝ぐ状態となったが平らな敷地を取り戻した。
同ビーチは近年、春~秋(4~10月)の3季活用をしていて、同ウイルスの情勢に伴い最近は教育旅行によるシーカヤックなど各種アクティビティーの利用も活発。7月2日(土)から8月31日(水)までは橋杭海水浴場が感染症予防対策を講じつつ開設されることになっていて、今年はそれら用途で多用されている範囲を中心に整えた。
人見社長は「新型コロナウイルスに伴う外出自粛も和らぎ、5月の連休は多くの観光客が橋杭岩へ訪れていた。海水浴場の利用も似た感じで増えると思うし、訪れた皆さんに『海水浴場もきれいだったよ』と言ってもらえるよう今年も頑張りたい」と胸中を語り、社員と横一線で作業に励んでいた。
(2022年6月29日付紙面より)
消防署が水難救助訓練 (新宮市 )
海水浴など水辺でのレジャーシーズンを前に新宮消防署(堀切学署長)は28日、新宮市三輪崎の三輪崎漁港で水難救助訓練を行った。同署警防隊ら20人が溺者救出方法などを再確認した。
訓練は水難救助現場を安全・確実・迅速に対応できるようにすることを目的に毎年実施。現場活動に関する基本的な救助技術の再確認および個人の基礎泳力強化し、消防組織としての災害活動能力の向上を図る狙いもある。当初は21日に予定していたが、雨天により延期となっていた。
署員たちは、救命索発射銃「浮環弾」の取り扱いやスローバックと浮環の投入、水難救助用担架を使用するなど、指揮者の指示を受けながら、安全管理を徹底した上で訓練に取り組んだ。
大西聡副署長は「当地方は海や川に囲まれた水辺のレジャーが盛んな場所です。しかし毎年、全国的に水難事故が絶えない状況となっているため、今後も継続して訓練を続けていくことが重要だと思っています」と述べた。
また、海だけでなく川においての事故にも注意を促し、熊野川には多くの支流があることから、ダムの放水状況の確認や気象状況にも注意することが大切とし「自身の命を守るためにも事故防止への意識を高め、レジャーを楽しんでもらえれば」と呼びかけていた。
昨年度中に市内で発生した水難事故は4件、本年度は6月現在で3件。今年は、三輪崎海水浴場が7月10日(日)、高田自然プールは15日(金)に開設する予定となっている。
(2022年6月29日付紙面より)
県小学生バレー男女大会東牟婁地方予選
第8回王子カップ2022
海上自衛隊呉音楽隊「ふれあいコンサート」 (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で26日、海上自衛隊呉音楽隊(指揮者=真道友樹・音楽隊長1等海尉)による「ふれあいコンサート」があった。約600人の来場者を迫力ある演奏で魅了した。
市と市教育委員会が主催した同施設オープニングイヤー事業(後期)の一環。新宮防衛協会共催、同音楽隊と自衛隊和歌山地方協力本部が協力した。開催に向けて鑑賞希望者を募ったところ、1048通(2972人)の応募が寄せられ倍率は約5倍に。和歌山地方協力本部新宮地域事務所が抽選を行い、応募者の中から601人が鑑賞の機会に恵まれた。
同音楽隊は1956年に発足。76年5月に呉地方総監直轄部隊として正式に編制が認められた。▽士気高揚のため▽儀式▽広報のため―の音楽演奏を主な任務としており、自衛隊と国民の架け橋となり、愛される音楽隊を目指して日々演奏活動を行っている。
広島県内をはじめ、近畿や中国、四国地方などの広い範囲を担当するほか、海上自衛隊が初任幹部の教育ならびに国際親善を図るため実施している遠洋練習航海にも毎年隊員を派出。世界各国の寄港地で言語を超えた交流を展開している。
開演に先立ち、田岡実千年市長が「多くの市民、周辺市町村の方々から応募があった。呉音楽隊は世界各国の寄港地を訪問されている、自衛隊でも最高峰の音楽隊。私も皆さんと一緒に、普段聞くことのできない素晴らしい演奏を楽しみたい」とあいさつ。開催に当たって関係者らの尽力に感謝を伝えた。
コンサートは、旭日旗(自衛艦旗)を掲げて航行する護衛艦の勇姿と、艦上で迎える朝の美しさを表現した「艦上の旭日」で華々しく幕開け。「熊蜂の飛行」や「吹奏楽のための第1組曲」、「カントリーロード」「鉄腕アトム」など、クラシックの名曲や吹奏楽曲、ドラマ主題歌、アニメ挿入歌、アンコール合わせて13曲を披露。観客が手拍子で音楽隊と共演する一幕もあり、大盛況のうちに幕を下ろした。
「丹鶴ホール」入り口付近では、和歌山地方協力本部による串本分屯基地の紹介などがパネルで紹介されたほか、軽装甲機動車などの展示もあった。
(2022年6月28日付紙面より)
NPO法人「七彩会」 (太地町 )
NPO法人「七彩(なないろ)会」は26日、那智勝浦町市屋の太地町地域福祉センター梛(なぎ)で初となるフリーマーケットを開催した。三重県や新宮・東牟婁地域から集まった出店者の各ブース20店舗には多くの来場客が訪れ、終始にぎわいをみせた。
フリーマーケットはコロナ禍で催しが少ない中、多くの人々が楽しく、気軽に集まれる機会の創出を目的に開催。1年前から計画されていたが、新型コロナウイルスの影響で開催が延期となっていたという。
この日、職員らはしっかりと感染症対策に取り組み、来場客にも協力を呼びかけた。オープン前から約50人の来場客が待つほど盛況で、雑貨やアクセサリー、花食器、子ども服、服、菓子などの出店に加え、メダカすくいや己書などの体験ブースも人気だった。
フリーマーケットの責任者である同法人の漁野祐子さんは「募集時は出店者さまが集まるのか、開催はできるのかと不安だった。しかし、多くの出店やたくさんのお客さまでにぎわい、本当にありがたい。今回の課題を見つけ、参考にしながら次回の開催につなげていきたい」と語った。
新宮市から訪れ、買い物を楽しんでいた50代女性は「活気があってうれしい。ほしい物が手に入った。そろそろ、こういった催しが、次々と各地域で実施されても良いのではと思います」と話していた。
(2022年6月28日付紙面より)
中央公民館で児童館七夕会 (古座川町 )
古座川町高池にある中央公民館で25日に児童館七夕会があり、子ども42人や送迎の保護者が参加して一足早く雰囲気を楽しんだ。
町内の小学生以下を対象にした風物詩行事で平年は当日受け付けの集会として開いているが、前年度に続いて本年度も感染症予防を考慮し事前申し込み制で各企画を順番に巡ってもらう形を計画。前年度にはなかった宝釣りゲームやフォトスポットといった新規企画を加えて内容を充実しつつ、参加を呼びかけた。
子どもらはあらかじめ家庭で作った飾りや願い事を書いた短冊を持って午前10時~11時に時間差で参加し、高さ約4㍍で切り出したササに結び付け新規要素を楽しみつつひこ星役や織り姫役から七夕セットや菓子が詰まったプレゼントをもらった。
短冊には勉強や今頑張っていることの上達、憧れている人との出会い、家族の幸せなどさまざまな願いが書かれていて、飾り付けた後のササは7月7日の笹流しまで館内展示するという。
会場飾りの手作りなど準備に尽力した子育て支援センターの加藤雅美保育士(児童館事業兼務)は「今もコロナ禍で外出する機会が以前より少ないと思う。家族や友達との楽しい思い出になれば」と願い、会場での短冊作りやササへの飾り付けを後押しした。
(2022年6月28日付紙面より)
セレモニーホールなちで人形供養 (那智勝浦町 )
みくまの農業協同組合(JAみくまの、漆畑繁生代表理事組合長)は26日、3年ぶりとなる「人形・ぬいぐるみ供養祭」を那智勝浦町川関のセレモニーホールなちで営んだ。新型コロナウイルスの影響で2年間中止となっており、今年で11回目。ひな人形や市松人形、こけしやぬいぐるみなどが持ち寄られ、参列者たちは心を込めて人形を供養した。
同組合は「農」と「食」と「地域」を守るという理念の下、さまざまな活動に取り組んでおり、供養祭もその一環。思い出の詰まった人形を捨てるのが忍びないという人に向け、ホールを開設後、コロナ禍までは毎年開催してきた。
この日は300人以上が約5000体の人形を持ち寄った。供養式では新宮市佐野の南珠寺の伊藤秀幸(しゅうこう)住職が「人形に対して、これまでの感謝の気持ちを持って、ご焼香お願いします」とあいさつ。読経が行われる中、参列した約70人が順に焼香して手を合わせた。
同町在住の50代男性は「妻のひな人形を持ってきました。こちらで供養祭をやっていただけるのは本当に助かります」。
新宮市在住の80代女性は「コロナで久しぶりだからか、多くのお人形さんが持ち寄られたのだと思う。大切にしていたので情や気持ちも入るので、自分では処分できない。ありがたいです」と語った。
ホールの塚文和センター長は「3年ぶりのため、お待ちいただいた方や問い合わせされる方も多かった。供養祭にご参加いただきありがたい。コロナ禍や何か事情がない限りは今後も継続していきたいと思います」と語った。
(2022年6月28日付紙面より)
全国高校野球選手権和歌山大会
第73回紀南中学校大会 (県バレーボール協会東牟婁支部 )
大学の和歌山看護学部
東京医療保健大学和歌山看護学部の説明会が21日、県立新宮高校(東啓史校長)であった。看護系の進路に興味を持つ、1~3年生の15人が参加、担当者による学校紹介を聞いた。
上田優人特任教授が説明を担当した。上田特任教授は、最近の医療の傾向として「病院に長く入院するのが難しくなってきた。自宅療養などで、どういう看護の手を差し伸べるかを考える必要がある」と指摘した。
新たな看護の在り方として、産業看護を紹介。「企業が看護師や保健師を雇い、職員の健康管理を行うところが増えてきている。今年の卒業生でも、産業看護を目指すという人がすでにいる」と明かした。
和歌山看護学部はできたばかりであり、今年初めて100人の卒業生を出したことに言及。「うち55人が、日本赤十字和歌山医療センターに就職している。新高の先輩2人も日赤に。全員が就職しており、92人が県内で、8人が大阪で勤めている」と述べた。
看護師の働く場所として▽病院▽訪問看護▽高齢者施設▽行政▽企業―など、さまざまあることを説明。「看護師の就職は安定している。将来性があり、AI(人工知能)やロボットが代わって看護を行えるとは思えない」と話した。
学校の魅力として、同学部が日赤和歌山医療センターと連携していることを提示。「県内最高水準の医療施設であり、そこで8割方の研修ができる」と語った。▽看護師▽保健師▽養護教諭▽助産師―などの多くの資格や、学位も取得可能であることを伝えた。
最近の看護師には▽高い看護技術▽情報収集力▽判断力―が必要と強調。「このため4年間、じっくり勉強することが大事になってくる。教養分野と専門分野を教え、教養分野にも力を入れる」などと話した。
この他、学校が日赤和歌山医療センターから徒歩15分の距離にあることや、推薦や一般などの入試の種類についても解説した。
東京医療保健大学は、東京都に本部がある医療系の私立大学。和歌山看護学部は和歌山市にキャンパスがある。
(2022年6月23日付紙面より)
古座の御舟謡保存会「河内会」 (串本町 )
串本町古座の御舟謡(みふねうた)保存会「河内(こうち)会」(片山潔会長)がこのほど、古座漁村センターを宿にして2年4カ月ぶりに稽古を始めた。目的となる今年の河内神社例祭「河内祭」は規模縮小で御舟を出さないため奉仕の機会はないが、「練習の成果を9月の古座神社例祭や2月の古座・愛宕(あたご)神社例祭の奉納につなげたい」と意気込んで練習に励んでいる。
古座の御舟謡は「河内祭」の祭船・御舟を運行する時に船内で奏する近世由来の歌唱。「河内会」は全11曲のうち符号が分かっている8曲を継承し、宵宮から本祭にわたる歌唱に耐える喉をつくるため6月中旬からほぼ連夜1カ月にわたる稽古を平年の定例としている。
新型コロナウイルスの情勢でおととし、昨年と「河内祭」が神事のみとなり、古座神社や古座・愛宕神社の例祭も同様の判断をして奉納の機会が得られなかったため、準備の稽古も休止。今年は古座の獅子舞を継承する古座青年会の技術継承を目的とした練習再開の意欲に刺激を受け、さらにおととし2月の第14回和歌山県民俗芸能祭出演に向けた臨時稽古から会員として加わった谷口海心君と森口海晴君(ともに古座小6年)からの期待もあり稽古再開に踏み切ったという。
稽古始めは13日。感染症予防のため宿を勇進会館より広い同センターとし、連夜ではなく週1回、毎週月曜日の午後3時30分から1時間程度行うかたちで7月18日(月・祝)まで活動する計画で臨んでいる。今月20日は谷口君と森口君も参加し、計6人で曲「出し」「入舟のはうた」を練習。7月からはさらに曲「こうてい」を加えた3曲を練習し、このかたちが古座神社や古座・愛宕神社における奉納と合致することや谷口君と森口君に何とか奉納の経験を託したいという思いが前述した意気込みに結びついている。
稽古の再開について片山会長は技術継承と会員の絆保持の2点を目的として見据え、「今後に御舟謡を伝えていくための足掛かりをつけたい」と練習に込める思いを語った。
(2022年6月23日付紙面より)
生徒考案、学食で販売 (新翔高校 )
新宮市佐野の県立新翔高校(藤田勝範校長)の食堂で21日、生徒が考案した「マグロカツサンド」の販売があった。初日は18食限定(1個150円)で販売。ランチタイム開始とともに多くの生徒らが食堂に押しかけ、販売開始から数分で売り切れるほど好評を博した。
3年生の選択科目「観光一般」の授業の一環として12人の生徒らが考案した。同授業では、北山村のじゃばらの収穫作業の手伝いや熊野古道の道普請などを通した地域学習を展開。本年度からは地域を自分たちで積極的にPRしていくことを目指し、より実践的な授業を展開している。
「マグロカツサンド」は、地域の良いところを広めていくために「地域には何があるか」「資源をどう活用するか」などについて意見を出し合って考案。2回の試作を経て反省点を話し合い、このたびの販売にこぎ着けた。生徒らは各種SNS(交流サイト)を駆使して商品をPR。販売開始に向けて機運上昇に努めた。
食堂での調理・販売は生徒らのレシピを基に食堂事業者が実施。カツサンドに使用するマグロは、那智勝浦町の木下水産物㈱が安価で提供した。
レシピ考案に携わった丸亀亜久里君は「初めての取り組みなので材料の量や何を入れたらいいかなど難しかった。試作品を試食したらソースとマグロのバランスが悪くてソースの量を調節するなど完成形に近づけていった」と苦労を口にしながらも「食堂の人にも協力してもらい楽しく考えることができた。今後、地域や他県の人にも味わってもらう機会が持てれば。新翔観光一般=(イコール)マグロカツサンドのイメージができればいいなと思います」。
商品の出来に関して「100点満点です」と笑顔で話した。
同授業において、地域に根差した学校づくりの実践を目指す奥田健太教諭は「最初は手探りだったが生徒たちが積極的に意見を出してくれた。取り組みを継続し、校外の人にも販売したり販売の交渉を行えるようになれば。最終的には県外にもPRしたい」と話していた。
購入した生徒らは「おいしい」「マグロの風味を感じる」などと舌鼓。マグロカツサンドは23日まで生徒に向けて食堂で販売。アンケート調査などを重ねて改良を重ねていくという。
(2022年6月23日付紙面より)
民児協が6月定例会 (紀宝町 )
紀宝町民生委員児童委員協議会(濵口啓会長)の6月定例会が21日、町福祉センターであった。委員約30人が参加し、熊野市の民生委員、井奥つな子さんから手話を学んだ。
手指の運動をした後、日本語の五十音を指の形で表現する「指文字」を練習。井奥さんは「それぞれの指文字には特徴があり、名前を紹介する際に使います」と話し、「あ」はアルファベットの「a」、「き」は影絵の「きつね」の形、「こ」はカタカナの「コ」の形など、指文字の多くはアルファベットのローマ字読みやカタカナなどに似た形を手と指の形で表現すると説明した。
手話は、両手で食べる仕草をする「スイカ」、人差し指と中指を立て胸の前で1回まわす「トマト」をはじめ、ネコ、ユリの花、パンダ、イカ、タコなどを紹介した。
民生委員が自宅訪問した際を想定して、参加者は手話でのあいさつや会話を学び、「紀宝町」「民生委員」の表現も練習した。井奥さんは「後ろから声をかけるのではなく、目の前でかけてほしい。訪問時には名札を見せてから自己紹介してください」と呼びかけた。
最後は、全員で童謡「ふるさと」の歌詞を手話で表現した。
(2022年6月23日付紙面より)
ガールズ&キッズフェスティバル (和歌山県サッカー協会 )
県学童女子選手権大会
「第50回和歌山県消防救助技術会」が1日、和歌山市で開催され、「引揚救助」の部で新宮市消防本部から出場した5人が見事上位入賞を果たし、7月に開催される東近畿地区指導会への出場権を手にした。
県内の消防本部と競い合い、学び合うことで救助技術の向上と、他の模範となる消防救助隊員を育成することが目的で、毎年開催されている。同署は「引揚救助」の部で8チーム中、上位2チームに与えられる出場権を手にしたほか、「はしご登はん」の部で2人が35人中、4位と5位に入賞した。
「引揚救助」は1チーム5人で、災害や火災を想定し、7、8㌔の重さのボンベを背負って7㍍下の要救助者を協力して救出する。同署では出場希望者が4月上旬から自主訓練を開始。署内選考会を経て選出された5人が、5月から訓練を開始した。
全体の指揮を務めた東紘助さんは「今まで訓練でやってきたことが成果として出た。結果はこれまでやってきた先輩方の積み重ねがつながっていると思う」。
指導会の出場に向け「新宮・県代表として全国大会への切符を手にしたい。市民の方々の安心・安全につなげられるよう日々精進していきたい」と意気込んだ。
堀切学消防署長は「今回、東近畿地区指導会に出場することになったが、このような機会を通して救助隊には災害現場でしっかりと活動できるよう、さらに技術を高めてもらいたい。そして、消防として市民の皆さまに安心と安全を感じていただけるよう日々取り組んでいきたい」と話していた。
第50回消防救助技術東近畿地区指導会は7月29日(金)、京都市総合活動センターで開催される。
(2022年6月18日付紙面より)
警察署協議会定例会議 (新宮署 )
令和4年度新宮警察署協議会の第1回定例会議が16日、新宮市の同署で開かれた。新宮署と串本署が統合して以来初の会議開催に先立ち役員の改選が行われ、会長に安達実さん(新宮市)を、副会長に仲裕正さん(古座川町)を再任。委員らは昨年中の業務取り組み結果と本年度の取り組み方針を聞き意見を交わした。
同協議会は管轄区域内の地域安全や警察署の業務運営について、住民の声を代表する委員から意見や要望を聴き、より良い運営を検討する機関として2001年の警察法改正、県警察署協議会条例の制定を受け、県内の警察署に設置されている。
安達会長は「新型コロナウイルス収束のめどは立たないが、感染予防対策を十分に取っていただいて串本署と新宮署が統合して初の開催の運びとなった。委員の皆さまには警察の取り組みにご意見を頂き、有意義な会議に。署員の方々には委員の意見などを生かしていただき、引き続き住民の安心と安全のために活動を」と呼びかけた。
田原正士署長は「統合によりいろいろな課題も生じていると考えられる。さまざまなご意見を賜りたい」とあいさつ。
昨年中の県内の治安情勢について「刑法犯認知件数は3310件で前年に比べて589件の大幅減少、人身交通事故の発生件数は1419件で前年から166件減少し、刑法犯認知件数、交通事故発生件数ともに2002年以降、20年連続減少という県警察の大きな目標を達成することができた」と報告。
「同署でも各部門において管内の実情に応じた取り組みを進め、刑法犯認知件数や物件交通事などを減少させるなど、20年連続減少に貢献できたものと考えている」と述べ、引き続き警察活動に対する協力を呼びかけた。
(2022年6月18日付紙面より)
大勝浦いきいきサロン (那智勝浦町 )
大勝浦いきいきサロン(寺岡快枝代表)は15日、那智勝浦町勝浦の大勝浦漁民集会所で毎月恒例のサロンを開催した。この日は「なちかつ古道を守る会」(地庵晋司会長)のメンバー5人が訪れ、熊野古道の解説や紙芝居を披露し、集まった会員らは楽しいひとときを過ごした。
毎月1回、大勝浦地区の会員が20人ほど集まり、ラジオ体操やカラオケを行って交流を深めている大勝浦いきいきサロン。今年で3年目を迎えたという。
はじめに太田耕二さんが同会発足の経緯などを説明し、自身らが取り組んでいる熊野古道の整備やゆかし潟クリーン作戦、新春ウオークなどの活動を紹介した。
続いて、熊野古道を解説。太田さんは「熊野古道は昔の人々が、熊野三山へお参りするために通った道。今も多くの王子社や石仏、石畳、石の道標、茶屋跡がある。2004年に世界遺産登録された。比較的歩きやすい峠もあるため、機会があれば歩いてください」と話した。
続いて、地庵会長や片山仁美さん、稲垣葉子さんが紙芝居を担当。同会が人や動物が安心し共存できる森を目指す方法として、皮むき干ばつに取り組んだと内容を紙芝居にした「理想の森を目指して」や、会員宅で飼われている柴犬のいちをモデルとした「柴犬いち~花といっしょ~」、海上保安庁が作った環境問題の紙芝居を大きなサイズに作り替えた「うみがめマリンの大冒険」を披露した。
どの作品も愛らしいキャラクターがカラフルに描かれており、メンバーたちが登場人物に成りきって、読み上げた。会員からは大きな拍手が送られた。
地庵会長は「プラスチックごみを、餌と間違えて魚が食べて人間もその魚を食べる。人間も病気になってしまう。また、人間も動物の一つ。動物はかわいがってあげてほしい。干ばつの作業を行う人が今はほとんどいないのが現状。この紙芝居は現実に起こっている問題で、環境の整備が大切です。ご清聴ありがとうございました」とあいさつした。
寺岡代表は「紙芝居を楽しみにしていた。皆さんも喜んでくれたので本当に良かった。機会があればぜひ、次回も披露していただきたいです」と語った。
(2022年6月18日付紙面より)
串本町が16日、くしもと町立病院(竹村司・病院事業管理者、阪本繁院長)で医療従事者など対象の新型コロナワクチン接種〈4回目〉を始めた。
この接種は昨年12月~今年1月に3回目を接種した医療従事者などのうち希望者を対象にして実施。同病院と町内各医院合わせて91人が希望しているという。
副反応に伴う支障を抑えるため、接種はこの日と17日、23日(木)、7月中の1日の計4回に分けて進める計画。使用するワクチンは6月分がファイザー、7月分がモデルナかファイザーのいずれかとしている。
初日は同病院の医師や看護師ら24人が対象で、接種後の経過を先んじて見るためまず竹村管理者、以降順次接種を進めた。4回目の接種について竹村管理者は、先進のイスラエルで中和抗体の上昇幅は3回目より小さいが9週間後の重症化予防の効果は3回目より圧倒的に高く保たれるデータがあるとし、後者の目的でこれから接種する60歳以上や基礎疾患を有する人は打つべきと推奨。副反応については3回目と同等、との見方を示した。
(2022年6月18日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部理事長杯
バスケットボール体験会 (SMILE.E.T )
【第50回】梅雨のお弁当作り
梅雨入りして、ジメジメと暑い日が多くなりました。この時季は、食材も痛みやすく、世の親御さんが、特に頭を悩ませるのはお弁当作りではないでしょうか? 私も娘のお弁当を作るときは、傷まないかなと心配になります。今回は痛みにくいお弁当を作るポイントをお伝えしようと思います。
まず、第一に気を付けるのは、手洗いと容器の消毒です。どれだけ中に詰める具材に気を付けても、手やお弁当箱に雑菌があると意味がありません。容器はパッキンまで丁寧に洗い、しっかりと水気を拭き取っておくこと。そして、手を洗うだけでなく、この時季、素手で詰めるのは避けて手袋やラップを活用するのをお勧めします。おにぎりはラップで。おかずを詰めるときはポリ手袋をしましょう。
次に気を付けるのは「汁気を避けること」です。例えば、煮物やおひたしなど汁気の多いおかずは極力避けてください。ゆで野菜を入れるときは、いつも以上に水気を絞ったり、入れる前にキッチンペーパーなどで水気を取り除きましょう。生野菜は水分が多いので入れないのがお勧めです。プチトマトなどは、ヘタに雑菌が多いので、ヘタを取ってよく洗ってから、水分切って入れてください。ご飯も同じです。ご飯には水分が付着すると雑菌が繁殖しやすくなります。そぼろご飯や混ぜご飯など、水分が多くなってしまうものは避けましょう。おかずに付ける調味料などは、別の容器に入れて食べる直前にかけるようにしてください。
最後に気を付けるのは「しっかり加熱して冷ますこと」です。ちくわやさつま揚げ、ハムなどもそのまま入れず、あらかじめ加熱してから入れてください。卵や肉類もしっかり加熱することで、食中毒のリスクはグンと低くなります。
照り焼きなどの味付けをするときは、調味料を入れた後も、しっかり加熱して汁気をできるだけとばしてください。加熱した後は、粗熱を取ってからお弁当箱へ。菌が繁殖するのは、37度近くといわれています。加熱したものは、しっかり冷まして、夏場は保冷剤を付けるのがお勧めです。
私がお弁当のときによく使うのが、「梅混ぜご飯」です。梅干しをたたいてご飯に混ぜ込みます。日の丸弁当よりも、抗菌効果が高く、どこを食べても梅の味がするので子どもも喜んでいます。梅はとても優秀です。この「梅の殺菌効果」についても、ぜひお子さんに伝えてあげてください。また、梅と同じように殺菌に一役買ってくれるのが酢です。すし飯にすると、梅ご飯と同じように、殺菌効果が高まります。お肉を調理するときの味付けにも、梅やお酢を使うと、さっぱりした味になりますし、傷みにくくなります。
日々のお弁当作りは本当に大変ですよね。今は自然解凍できる冷凍食品なども豊富にありますし、小さなゼリーを凍らせて保冷剤代わりに、入れておくというのも手です。この機会にお子さんと食中毒の話もして、よく手を洗うこと、変な臭いがしたら食べないことなども教えてあげてください。
(2022年6月18日付紙面より)
王子ヶ浜にアカウミガメ上陸 (新宮市 )
新宮市の王子ヶ浜で14日早朝、アカウミガメの今期初産卵が確認された。午前5時前、ウミガメの保護活動を展開する「紀伊半島の海亀を守る会」の榎本晴光会長が卵を発見した。
同浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。同会は、波浪流失や小動物の捕食被害からアカウミガメの卵を守るための保護活動を行っている。
アカウミガメの上陸・産卵シーズンは5月中旬から8月半ばごろまで。1回の産卵で平均110~120個の卵を産み、60~80日でふ化する。卵は海岸に隣接するふ化場に移し、ふ化した子ガメは秋ごろに同会や関係者らの手によって海に戻される。
なお、昨年は例年より早めとなった5月20日に初上陸および初産卵を確認。以降、再度上陸が確認されたが産卵はなかった。初産卵で98個の卵を発見。うち、ふ化した14匹を放流した。
5月から同浜での早朝ウミガメパトロールを開始した榎本会長。この日は同浜の南端、御手洗海岸寄りの波打ち際から約60㍍付近での産卵を確認。60㌢ほどの深さの穴から、ピンポン球大の卵127個が見つかった。
風雨が吹き付ける中、一つ一つ丁寧に卵を採取した榎本会長は「今シーズンの初産卵にほっとした。シーズンはまだ続くので今後の上陸と産卵に期待したい」と話していた。
(2022年6月15日付紙面より)
串本・新宮駅で災害パネル展 (新宮警察署 )
新宮警察署は、JR串本駅と新宮駅で災害パネル展を実施している。
出水期(梅雨)を迎えるに当たり、住民の防災意識の向上を図るとともに、災害現場などでの活動に理解を深めてもらおうと実施。2011年3月に発生した東日本大震災、同年9月の紀伊半島大水害などの被災状況や、警察による災害現場での活動状況などを記録した写真、両駅合わせて約20点を展示している。
11年前の水害発生当時、勝浦幹部交番で勤務していた同署の谷英人警備課長。変わり果てた自身の生まれ故郷を目の当たりにし、その凄惨(せいさん)な状況が目に焼き付いているという。
「ここ数年でゲリラ豪雨による水害や土砂崩れ、洪水などの災害が増えており、いつどこで起こるか分からない。普段から避難場所や避難情報を確認し、有事に備えてほしい」とパネル展に託した思いを話した。
展示は両駅とも19日(日)まで。
(2022年6月15日付紙面より)
町道サンゴ台中央線が全通へ (串本町 )
串本町の田嶋勝正町長が14日、町道サンゴ台中央線の未供用区間が7月1日(金)付で開通することを明らかにした。
この区間は西の岡からサンゴ台団地南端を結ぶ延長約1242㍍の新道で、将来の町道化を見据えたすさみ串本道路の工事用道路として整備された。車道は幅3㍍強の対向2車線。沿線にくしもとこども園新園舎(建設中)や統合小新校舎(建設前、現行で串本小と橋杭小の統合校としている)の用地があり、その通学・通園路となる幅3・5㍍の自転車歩行者道(通称・自歩道)が伴う。
田嶋町長は今月14日に始まった町議会6月定例会における諸報告の中でこの区間の開通を明らかにした。2011年11月のくしもと町立病院開院以降、消防防災センターや東牟婁振興局串本建設部、串本海上保安署や現・新宮警察署官舎ならびに代替指揮所や福祉総合センター(社会福祉協議会串本事業所)、さらに喫緊で昨年7月に役場がサンゴ台地内へ移転。他方、同地内への車両出入り口は橋杭小そばとJR串本駅そば踏切の2カ所のままで、とりわけ踏切そばで深刻化している通勤時間帯の混雑の分散化を主たる理由として国土交通省とも調整しながら開通を急いできた。
町建設課によると、7月1日午前10時から未供用区間のサンゴ台側で式典と通り初めをし、以降バリケードを撤去し町道として供用を始める。以降当面は工事用車両も多く往来する点を踏まえて利用してほしいとしている。
この町道は国道42号沿いにあるコミュニティバス上浦停留所そばから橋杭小前を連絡する計画延長2815㍍の路線。新道の上浦側の一部(国道から西の岡まで)は学校給食センター運用のためすでに部分供用されていて、今後の開通により全線で供用開始となる。
(2022年6月15日付紙面より)
5年生が地震・津波学習 (勝浦小 )
那智勝浦町立勝浦小学校(山下真司校長)で13日、5年生44人を対象とした地震・津波に関する防災学習が開かれた。「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」主任研究員の河田慈人さんが来校し、近年の災害から得た知見を基に、「これからの那智勝浦の防災・減災」を演題に講話した。
兵庫県にある同センターは、阪神・淡路大震災(1995年)の教訓を後世に伝え、災害被害の軽減に貢献するために設立された防災ミュージアム。河田さんは防災教育や早期避難、地域防災を専門に研究し、和歌山県教育委員会防災教育推進委員も務める。
勝浦小学校の5年生は昨年度、土砂災害について総合的に学習し、防災冊子を作成。本年度はその学習を発展させ、30年以内に70~80%の確率で発生するといわれる南海トラフ巨大地震や津波への備えについて学ぶ。
河田さんは東日本大震災(2011年)や熊本地震(16年)、大阪府北部地震(18年)などによる被害を紹介。ハザードマップを過信することの危険性やいざというときに避難をすることの難しさを伝え、「おそらく皆さんが生きているうちに、南海トラフ巨大地震が起こる。子どものうちは自分の命を自分で守ることが第一だが、20年後には大人になって、大切な人を守る立場になる。避難所運営や防災の知識は、大人になっても絶対に役に立つ」と学習の大切さを訴えた。
講演後には、今後の総合学習について担任教職員らと協議。同校は、児童の興味関心も尊重しつつ、保護者や地域全体に学習の成果を発信できるよう取り組んでいくとしている。
(2022年6月15日付紙面より)
全日本小学生大会など東牟婁予選 (少女バレー )
県高校総体空手道競技で活躍 (近大新宮 )
新宮市伊佐田町の新宮税務署(山端克明署長)で9日、感謝状授与式があり、同署職員の日頃の健康管理に貢献したとして医療法人米良医院(同市池田)の米良孝志院長に感謝状と記念品が贈られた。
署長感謝状は、適正な申告納税の推進、納税道義の高揚、職員の健康管理などについて多大な貢献があるなど、功績が顕著であった者に対して感謝の意を表するもの。
米良院長は、2014年から毎月1回血圧測定や健康相談を受けるなど同署の嘱託医として職員の健康管理に協力。新型コロナウイルス対策の助言やワクチンの早期接種に対応するなど、納税者対応を行う職員の心身に寄り添ってきた。
また、今年1月には県内の医師会を代表して県医師会長と県病院協会長が、電子申告・電子納税推進を宣言。県民に対して確定申告会場の密を避ける呼びかけを行ったが、米良院長は新宮市医師会長として旗振り役を担うなど、感染拡大防止に向けた取り組みに力を尽くしている。
感謝状を手渡した山端署長は「職員の健康管理はもとより、安心安全な税務行政が求められる中、ワクチンの早期接種に協力いただいた。管内外と出入りする職員も多い中、おかげさまで1人も罹患(りかん)することなく市民や納税者の方に対応することができた」と感謝を伝えた。
米良院長は「新型コロナが出始めた2年半ほど前、医師として新型コロナを担当していたこともあり、大阪などと行き来することがある職員も多いということから周りの目から見た対応や助言をさせていただいた」。
「最近、ようやく感染状況も収まりかけ、重症化も減っている。新たな変異株も出ていない。今後、収まっていくのか、それとも厳しくなっていくのかを判断していく必要がある。引き続き、気を抜かずにマスク着用や手指消毒など基本的な感染対策を心がけて」と話していた。
(2022年6月11日付紙面より)
熊自連がふれあい観察会 (那智勝浦町 )
熊野自然保護連絡協議会(瀧野秀二会長)は4日、那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターで「宇久井半島ふれあい観察会」を開いた。参加や同会の専門家ら10人が宇久井半島の遊歩道や海岸部を巡り、さまざまな生物を観察した。
熊自連は、植物や昆虫・野鳥・地質などの専門家が、熊野の自然環境保全を趣旨に一つにまとまり、1985年に結成された団体。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、観察会を開くのは3年ぶり。感染症対策のため、参加人数を絞って開催した。
瀧野会長は開会に当たり「今日はさまざまな分野の専門家が参加しているので、気になることがあれば何でも質問してください」とあいさつ。
参加者たちはササユリや菌従属栄養植物のハルザキヤツシロランの果実、シダのコヒロハハナヤスリなどを観察しながら遊歩道を歩き、紀伊半島東岸を見渡す駒ヶ崎灯台へ。南方系のチョウであるイシガケチョウなどの昆虫や野鳥の解説もあった。地玉(じごく)の浜では海浜植物のハマカンゾウがオレンジ色の花を咲かせており、参加者たちの目を楽しませていた。
(2022年6月11日付紙面より)
新宮市旧チャップマン邸
新宮市丹鶴の旧チャップマン邸で、ワーケーションが利用できるようになった。利用は無料(貸館料金別途必要)で利用可能時間は午前9時~午後9時。
旧チャップマン邸は、アメリカの宣教師・チャップマンの住宅として、「文化学院」創始者で市名誉市民の西村伊作(1884~1963年)が設計し、1926年に建築。伊作が手掛けた住宅は県内に2軒しか残っておらず、大変希少価値の高い建物として2020年8月に国の登録有形文化財に登録された。
ワーケーションは「ワーク」(労働)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた造語。観光地やリゾート地でテレワーク(リモートワーク)を活用し、働きながら休暇を取る過ごし方で、働き方改革やコロナ禍において「新しい働き方」として全国的に注目されている。
同邸で利用できるのは、2階学習室と主寝室の2部屋。椅子、机の他、ワーケーション専用Wi―Fi(ワイファイ)が完備されている。事務所内にはドリンクの自動販売機も設置されているので、仕事や観光の合間に一息を。
利用には予約が必要。休館日は毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)と年末年始。貸館料は1部屋当たり〈午前9時~午後1時、午後1時~5時〉各1010円、〈午後5時~9時〉1520円。観覧は無料。
貸館予約、問い合わせは同邸事務所(電話0735・23・2311)まで。
(2022年6月11日付紙面より)
新型コロナワクチン (那智勝浦町 )
那智勝浦町はこのほど、4回目の新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を7月中旬から開始することを発表した。60歳以上および18~59歳で基礎疾患を有する人が対象で、接種時期は9月末までを予定している。
同町はワクチン接種状況について、5日現在で3回目の接種を終えた町民は9779人(接種率72%)と報告した。5~11歳の子どもの1、2回目接種は3月20日から集団接種を開始して5月末に終了。12歳以上の3回目接種は今月8日に終了した。今後も接種を希望する町民に対しては、接種を継続していく方針だ。
4回目接種では6600人の対象者を見込んでおり、同町の体育文化会館で集団接種を行う。
3回目から5カ月が経過した60歳以上には、6月中旬から接種券が送付される。18~59歳で基礎疾患のある人は申込制となっている。各戸配布された接種を知らせる用紙のQRコードをスマートフォンで読み取るか、町ホームページからも申し込みが可能。また、新型コロナウイルスワクチン接種相談窓口でも申し込める。
同町では「ワクチン接種が終了しても、感染、発症する場合もある。ご自身や大切な方を守るため、改めて人と触れ合う際のマスク着用や3密の回避など、基本的な感染予防対策の徹底をお願いします」と話している。
ワクチン接種に関する問い合わせは新型コロナウイルスワクチン接種相談窓口(電話0735・29・6137)まで。
(2022年6月11日付紙面より)
新宮グラウンドゴルフ同好会「あじさい大会」
有田中央、貴志川と共に (高校野球和歌山大会 )
県内行進、新宮市で最終日 (国民平和大行進 )
原水爆禁止和歌山県平和行進実行委員会は、核兵器廃絶を訴えながら被爆地広島・長崎を目指す「国民平和大行進2022」を実施している。5月6日に橋本市から始まった県内の日程は2日をもって終了。今後は三重県に引き継がれ、8月4日(木)に終結地の広島県の広島平和記念公園に到着する予定。
広島と長崎に原爆が投下されて77年目。2017年7月、国連総会で賛成122、反対1の大差で核兵器禁止条約が採択され昨年1月22日、50カ国を超える国々の参加で国際法となった。なお、唯一の被爆国である日本は参加も批准もしていない。
平和大行進は1958年6月、たった1人の行動から始まった。現在では全都道府県および8割以上の自治体を通過し、毎年10万人の人々が参加する国民的行動となった。
条約発効後2回目となった今年の平和行進。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、昨年に引き続き従来通りの集会と行進を中止。核兵器のない平和な世界への願いを署名とペナントに託し、各自治体を宣伝カーでつないだ。
和歌山県最終日の2日、新宮市では、市役所駐車場で出発集会があった。紀南地区労働組合協議会の岸本芳明事務局長は、ロシアによるウクライナ侵攻、日本で米国の核兵器を配備して共同運用する「核共有」の議論を求める声が上がっていることなどに言及。「今やるべきことはウクライナからのロシア軍の撤退、国連憲章に基づく平和と核兵器の禁止・廃絶を求めていくこと。唯一の被爆国である日本が一日も早く核兵器禁止条約に署名し批准するように求めていきたい」とあいさつした。
田岡実千年市長は「ロシアによるウクライナ侵攻により国際社会の平和と安全が脅かされており、地球上には人類を絶滅させるほどの大量の核兵器が蓄積・配備されている。こうした状況の中にあって唯一の被爆国であるわが国の果たすべき役割は極めて重要」。
「平和行進にご参加の皆さんの行動を支持し、共に力を合わせて核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向かって前進したい」と激励した。
原水爆禁止和歌山県協議会の里崎正事務局長が諸報告を行い、和歌山市民生協の杉岡龍一さんが「2022原水爆禁止広島大会の成功を目指して共に頑張りましょう」と決意表明。参加者らは核のない世界恒久平和の実現に向けて行進を開始。三重県に宣伝カーをつないだ。
(2022年6月4日付紙面より)
神倉小4年生がふるさと学習 (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)の4年生71人は5月31日、市内各所でふるさと学習のフィールドワークを実施した。児童は各クラス2班に分かれ、新宮城跡、浮島の森、神倉山、徐福公園へと赴き、地域の歴史や文化について学びを深めた。
学習は同校運営協議会(下岡輝子会長)による「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。まちの歴史や文化を学び、愛着を持ってもらおうと、同協議会メンバーを中心に有志ボランティアの協力を得ながら取り組んでいる。4月18日には、下岡会長をはじめコーディネーター5人が来校し、事前授業が行われた。現地で学んだ内容や感想は後日、壁新聞などで発表する予定となっている。
児童らはガイドブックや取材用紙を手に同校を出発。各班にはコーディネーターなどのボランティアも同行した。1組の「おいの伝説班」17人は東くめ生家跡を訪れた後、「新宮藺沢(いのそ)浮島植物群落」(浮島の森)で学習。市観光ガイドの会の赤嶋恵子さんから浮島の森の成り立ちや同所で見られる動植物について教わった。
旧千穂小学校時代の図工クラブの児童たちが1986(昭和61)年度に卒業記念として制作した紙芝居「浮島の森」で伝説の復習もした。
赤嶋さんは「昔、この場所は海の中にあった」「寒い所と暖かい場所に生息する植物が混じり合うように生えています」などと説明。子どもたちは熱心にメモを取り、敷地内の珍しい植物や昆虫を観察して回った。
森岡源氏君は「『お正月』などの有名な歌が、新宮出身の東くめさんが作ったのが印象に残った。楽しかったです」。米良晄君は「昨年、新宮市に引っ越してきたので、勉強になった。世界遺産のある町で、これからもいろんなことを調べたい」と話していた。
(2022年6月4日付紙面より)
ジオ興しチームと橋杭小 (串本町 )
串本町域を枠組みにして地質資源活用の在り方を考える集まり「ジオ興しチーム」が2日、町立橋杭小学校(溝内聡子校長)の6年生12人と連携して橋杭岩保全活動に取り組んだ。
町産業課や町教育委員会教育課、同町商工会や南紀串本観光協会の各職員と町内で活動する南紀熊野ジオパークガイドで結成する同チーム。会議を開いて前述した在り方を模索する中で町域へさらに考える裾野を広げる必要があると気づき、その足掛かりとして町域でも特に象徴的なジオサイト「橋杭岩」を架け橋にして同校と連携することを考えた。
同パークの学びを通して地域への愛着を深め、その精神で保全活動に取り組んで考えるきっかけを託すという筋道をこの活動の狙いとし、連携の誘いを受けた同校は総合的な学習の時間の成果としてこの狙いを組み込み。その達成のための内容を準備してこの日の実動へとこぎ着けた。
当日は潮岬にある同パークセンターで合流し、同チームの上野一夫さん(同ガイド)をリーダーに立てて活動を始めた。序盤は上野さんが橋杭岩の成り立ちの背景にある大地や人の営みなどを解説して理解と愛着を深め、中盤は橋杭岩前へと移動し本来はそこにないはずの石類(コンクリートや陶器、ガラスなど)を判断して拾い集める保全活動に両者一丸で取り組んだ。昼食休憩を経て終盤は活動の振り返りをして締めくくったという。
中盤までの内容を経て橋杭小の中海琴さんは「このごつごつとした岩が地震とかで動いているという話が印象に残った。橋杭岩はすごいし日本一だと思うけど、何がいいのかもっと知りたいなと思った」と印象を語った。
今回の活動は橋杭小との連携を前提にして考えた内容で、同チームは学校だけでなく町内のいろいろな集まりと互いにできる内容で連携して町域全体に活用の考えを広めていきたいとしている。問い合わせは同チームの事務局がある町産業課(電話0735・62・0557)まで。
(2022年6月4日付紙面より)
細密鉛筆画家・篠田さん (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で2日、神奈川県出身で細密鉛筆画家の篠田教夫さんが手がけた「那智瀧図Ⅱ―夜―」「那智瀧図Ⅲ―霧―」2作品の奉納があった。篠田さんは那智勝浦ロータリークラブ(那智勝浦RC)の後誠介会長と共に同大社を訪れ、奉納参拝を行った。
篠田さんは鉛筆による細密描写、迫真表現で自然の造形の社寺などをテーマに作品を発表している作家で、「高野山・熊野を愛する百人の会」メンバー。2017年に那智勝浦RCの招きで、初めて同大社に「那智瀧図」を奉納しており、今回で3作目となった。
「那智瀧図Ⅱ―夜―」は4年前に、「那智瀧図Ⅲ―霧―」は昨年4月ごろに完成した作品。
昨年11月には那智勝浦RCの創立60周年記念事業で、「紀の国わかやま文化祭2021(第36回国民文化祭・わかやま2021、第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)」応援事業の一環として「細密鉛筆画家 篠田教夫展―神仏宿る細密画の世界 那智瀧図にはじまる―」を町内で開催している。
奉納を受け、男成宮司は「以前に奉納いただいた分も含め、素晴らしい作品。大社にとって滝は神様。精神的で、宗教的な印象も感じます」。
後会長は「本来なら昨年に奉納する予定だった。コロナ禍で半年、遅れることになり残念。しかし、このような形で篠田先生と熊野に関わりができ、深まっていただけてありがたい。次の作品も楽しみにしています」と話した。
現在4作目の作画に挑んでいるという篠田さんは「那智の滝は、風や水量の作用などで印象が変化する。さまざまな表現形態を考えた際、那智の滝一つだけでその全てが可能になる。追求する間に一生を終えてしまうほど。今後も表情の違う那智の滝を描いていきたい」と語った。
なお、篠田さんは11日(土)から25日(土)までの間、水墨画家の山口英紀さんと共に東京都の日本橋茅場町の「Gallery Suchi」で「篠田教夫・山口英紀 二人展」を開催する。
(2022年6月4日付紙面より)