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2023年01月31日
1 子どもの今と未来のため 新宮信金経営者塾100人会「紀蹴カップ」 

 新宮信用金庫経営者塾100人会(野中亮伸会長)は28日、新宮市佐野のやたがらすサッカー場と市民グラウンドで「紀蹴(きしゅう)カップ」を開いた。会場には、さまざまなブースが並び、12チームが熱戦を繰り広げたサッカー大会が行われるなど、大勢の家族連れでにぎわった。

 「子どもたちの今のために、みんなの未来のために」をテーマに地域の企業が協力。大人たちが力を合わせて地域のために一つになり子どもたちの今や未来のために願いを込めて3年前に企画したが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から中止となっていた。

 開会に当たり野中会長が、開催に協力した関係者らに感謝を伝え「大会を通じて各チームとの交流を図り、今後につなげていってください」とあいさつした。

 会場ではサッカー体験ブースの他、地元店舗の弁当や地元名産品の販売ブース、バルーン遊具や輪投げ、射的などのアトラクションが楽しめる催事ブースが設けられ、クラブハウス前では車やドローンの展示コーナーもあった。

 来場者は各ブースを回ってさまざまなゲームに挑戦し、楽しいひとときを過ごした。サッカー大会では、各チームがリーグ戦やトーナメントを行い、熱戦を展開した。

 市内から訪れた藤野満さん(37)は「サッカーをしているおいっ子の応援に来ました。子どもたちが遊べるコーナーがたくさんあって、満喫することができた。コロナ禍ではあるが、少しでもイベントを開けるような日が訪れてくれれば」と笑顔を見せていた。

(2023年1月31日付紙面より)

さまざまなブースを巡る来場者=28日、新宮市佐野
野中亮伸会長があいさつした
2023年01月31日
2 冊子を届けて生徒らと交流
 在名古屋トルコ総領事来校  (串本古座高校 )

 在名古屋トルコ共和国総領事館のウムット・リュトフィ・オズテュルク総領事(45)が27日、県立串本古座高校を訪問し図書の寄贈や生徒との交流に臨んだ。

 トルコ共和国のイスタンブール高校と2017年度に姉妹校提携をし、本年度も新たに2校とオンラインによる生徒交流を重ねた同校。オズテュルク総領事はその姿に感銘を覚え、生徒とじかに話しいっそうの交流促進を図りたいという思いで同校訪問を決め自身の外交日程に組み込んだ。

 同校からは榎本貴英校長と生徒交流に臨んだ雑賀和さんら2年生7人が来校を歓迎。オズテュルク総領事は日本トルコ文化協会が日本トルコ友好120周年記念で発行した冊子「絆」(A4判83㌻)100冊の寄贈を申し出て友好にかける思いや交流の良さを伝え、以降はトルコのお勧めの場所や文化面で気を付けるべきこと、樫野のように地域単位で日本と強く結び付いているまちはあるかなど生徒一人一人の質問に気さくに答えるなどして親交を深めた。

 生徒との交流を経てオズテュルク総領事は「互いの先祖がつくった友好を次の世代につなげることは私たちの義務」と語り、今回の温かい雰囲気での交流に感謝。榎本校長も「総領事から優しい人柄で温かいお言葉を頂き、生徒も良い時間を過ごせた」と感謝し、両国の生徒同士のつながりの継続を願って締めくくった。

 代表して冊子を受け取った雑賀さんは「読みやすいので、弟や妹など小さい子にも渡してトルコと串本の絆が深まったらいいなと思う」とコメント。冊子は両国の友好をマンガや記述で伝える内容で、同校は数があるため串本町内の小中学校とも共有するという。

 今回の寄贈と親交についてオズテュルク総領事は「生徒は私たちにとっての未来。冊子は両国友好120周年で少年のために発行され、少年に興味を持たせる本として贈りたいと思った。両国の絆がより強まり、少年同士の交流がこれから増えていくことを望む」と話した。

(2023年1月31日付紙面より)

雑賀和さんに冊子を託すオズテュルク総領事=27日、県立串本古座高校
2023年01月31日
3 良い年となるよう願う
 加寿地蔵尊「はつじぞう」  (那智勝浦町 )

 加寿(かす)地蔵尊世話人会(中田勝康代表)は28日、熊野古道駿田峠の中腹にある、那智勝浦町湯川の加寿地蔵尊で、「はつじぞう」を営んだ。地域住民など多数が参拝、良い年となるよう願った。

 加寿地蔵尊はおよそ千年前、熊野詣での途中に駿田峠で命を落としたといわれる姫を祭っている。名前は歌子姫と伝わっていたが、酒かすを供える風習があったことから、「粕(かす)地蔵」が転じて「加寿地蔵」と呼ばれるようになった。

 「はつじぞう」では、加寿地蔵尊が納められたほこらの前で、神事が行われた。約20人が参列する中で、中田代表や修験者の富岡秀清さんが般若心経を読経、地蔵尊の真言も唱えた。同世話人会の平野恵子さんによる、横笛の奉納もあった。参列者は線香を供え、熱心に祈っていた。ほこらは谷を下り山を登った先にあるため、そこまで行けない高齢者などは手前の拝社(おがみやしろ)に参列していた。

 神事の後は、おみくじが配られた。中田代表は「自分の知らないこと、気付かないことを神仏に教えてもらうもの」と説明。参列者はおみくじを開き、メッセージ調の内容をかみしめていた。ぜんざいや茶がゆの振る舞い、餅つきもあり、にぎわいを見せていた。

 中田代表は「新年になり、新しい展開になるかも。良い方向に向かっていけばうれしい。今日は有田市からのお客さんもあるなど、たくさん来てくれてありがたい」と話した。

 なお、拝社などが置かれた加寿地蔵尊の広場の周囲には、多くのサクラが植樹されている。このため、地域住民が花見を楽しめるようにと、普段は施錠されている広場を3月から1カ月、開放するという。

 また、3月18日(土)の午前10時からは、桜まつりの開催を予定。餅つきや踊り奉納、植樹祭などの実施を考えている。このため、歌や踊り、演奏の奉納を希望する個人や団体、出店希望者を募集する。問い合わせは、加寿地蔵尊世話人会(電話0735・52・3071)。

(2023年1月31日付紙面より)

読経を行う中田勝康代表(前右)と富岡秀清さん(前左)=28日、那智勝浦町湯川の駿田峠の加寿地蔵尊
2023年01月31日
4 榎本健治氏がトップ当選
 投票率は新町発足後最低に  (紀宝町議選 )

 任期満了に伴う紀宝町議会議員選挙は29日、投開票が行われ、新議員11人の顔ぶれが決まった。前回(2019年)の無投票を受けて、今回から2減の定数11になり、立候補した12人のうち、現職9人、元職1人、新人1人が当選した。

 当日有権者数は8888人で、投票率は新町発足後、過去最低の58・56%だった。町議選投票率は07年が84・12%、11年が79・90%、前々回の15年は73・41%。今回は、前々回を14・85㌽下回った。

 8年ぶりの今回は現職10人、元職1人、新人1人が舌戦を展開。大雪に見舞われた日もあったが、少子高齢化、地域経済の活性化、教育、福祉など諸問題解決に向けた激しい選挙戦を繰り広げた。

 開票は各陣営の関係者が見守る中、午後8時10分から町生涯学習センターまなびの郷で始まり、9時30分に終了。当選した候補者の事務所では大きな拍手が起こった。

 トップ当選した現職の榎本健治氏(46)は「予想以上の得票を頂き、身の引き締まる思いがしています。選挙戦で各世代から頂いたさまざまな声をしっかりと形にして、仕事で恩返しをしたい」と述べた。

(2023年1月31日付紙面より)

トップ当選した榎本健治氏(左から2人目)=29日、紀宝町鵜殿

2023年01月31日
5 潮岬灯台の価値を明瞭に  クルーズ体験や講演会で  (串本町 )
2023年01月31日
6 より良い教育指導とは  小中教員の研究発表会  (王子ヶ浜小 )
2023年01月31日
7 御燈祭りの紙芝居  学校運営協議会が朗読  (神倉小学校 )
2023年01月31日
8 オルガンと歌声に会場沸く  新春コンサートに600人  (新宮市 )
2023年01月31日
9 政策実行し町民の声届ける  新議員11人に当選証書  (紀宝町議選 )
2023年01月31日
10 鬼の面作り楽しむ  中央児童館で節分企画  (新宮市 )
2023年01月31日
11 お悔やみ情報
  
2023年01月29日
12 11人の新議員決まる
 紀宝町議選  

1月29日21時30分確定【定数11】

当落得票数候補者名年齢党派現元新
1,261榎本 健治46
621川原田規泰67
535萩野 進也68
384原  章三75
360獺越 幸雄67
359奥峪 康之65
339向井 健雅68
313大倉 孝司64
278鈴木  学74
272平野美津子75
260市川  潔75
157野田 純志74


当日有権者数 8,888人

投票者数 5,205人

無効投票数 66票

投票率 58.56%


2023年01月29日
13 災害が起こりやすい地形とは
 AR砂場で土砂災害学習  (市野々小 )

 那智勝浦町立市野々小学校で27日、拡張現実(AR)の技術を応用した新しい学習コンテンツ「AR砂場」を使った土砂災害学習があった。和歌山県土砂災害啓発センター主任の筒井和男さんらが講師を務め、5、6年生12人が砂場で山や谷を作ることを通じて、災害が起こりやすい地形の見つけ方を学んだ。

 AR砂場は、砂場の山や谷を地形に見立て、その形状をリアルタイムで計測しながら等高線や標高別の配色といった視覚情報をプロジェクターで合成するもの。土砂災害学習に不可欠な地形についての理解を深める視覚補助の役割が期待される。同センターと和歌山工業高等専門学校の学生らが共同開発した。

 筒井さんは児童に向け「土砂災害の恐れがある場所は、谷の出口や川の近くの扇状地、崖や急な斜面の近くだけれど、離れた場所の地形はどうやったら分かるだろう?」と問いかけ、地形図の等高線について解説。児童はAR砂場で実際に平らな地面や山を作り、急な斜面や谷筋といった地形の見極め方を学んだ。妙法山や烏帽子山(えぼしやま)、光ヶ峰といった険しい山に囲まれた那智川流域の地形も作り、その特徴を考察した。

 那智川の支流・鳴子谷川の模型に航空写真や土石流のシミュレーション動画を投影する試みもあり、児童から「本物の山みたい」と声が上がった。筒井さんは「地形を読み取ることで、ハザードマップに表れていない危険箇所を発見することもできるかも。6年生は中学生になると少し違う地域へ通学することになるけれど、進学先周辺の地形にも関心を持ってほしい」と呼びかけた。

 小賀実樹君(6年)は「等高線について今日初めて聞いたけれど、砂場はリアルタイムで色が変わってすごく分かりやすかった。災害から身を守るためには、やっぱり早めに避難が大切だと思う」と話していた。

 AR砂場は、第1回高専防災減災コンテストのアイデア検証進出提案に選出されており、今年3月に東京都で最終審査の発表が行われる。筒井さんは「将来的には土砂災害啓発センターの常設展示として、中高生を含む多くの来館者の学習に役立てたい」と期待を寄せていた。

(2023年1月29日付紙面より)

砂場で那智川流域の地形を作る=27日、那智勝浦町立市野々小学校
2023年01月29日
14 地元の歴史や文化学ぶ 神倉小で御燈祭りの授業 (新宮市)

 新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で25日、ふるさと学習があった。6年生90人が、熊野速玉大社の濵中孝成禰宜(ねぎ)から毎年2月6日に摂社神倉神社で斎行されている「御燈祭(おとうまつ)り」の歴史などについて学んだ。

 同校運営協議会(下岡輝子会長)による「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環で実施。子どもたちに自分たちが暮らしている町の歴史や文化を学んでもらおうと、協議会メンバーを中心に有志ボランティアの協力を得て授業を設けている。

 濵中禰宜は、熊野権現が祭られている熊野神社は全国に約5000社あり、その総本宮が「熊野速玉大社」「熊野本宮大社」「熊野那智大社」の熊野三山であると説明。「熊野大神が三山に祭られる前、最初に降臨した聖地が神倉山といわれており、銅鐸などのさまざまな出土品から、弥生時代から神倉山で祭りが営まれていたとされています」と述べた。

 後半には清めやかがり御供(ごく)作り、阿須賀神社で神職・山伏・介釈(かいしゃく)たちが行う奉幣(ほうへい)神事など、一連の行程を紹介し「春を迎える季節に神様の火を頂くことが祭りの本意。コロナ禍で上(あ)がり子の皆さんは上がれませんが、地元には素晴らしい祭りがあることを誇りに思ってもらい、今後に伝えてもらえればうれしいです」と語った。

 大石蓮稀(はずき)君は「一度も上がったことはありませんが、一日の流れや白い物を食べる意味が分かりました。授業を聞いて通常の祭りができるようになったら、参加してみたい」と話していた。

(2023年1月29日付紙面より)

御燈祭りの歴史などについて学ぶ児童=25日、新宮市立神倉小学校
濵中孝成禰宜
2023年01月29日
15 「夏の甲子園目指す」
 木本、21世枠選出ならず  (センバツ高校野球 )

 3月に甲子園球場で開かれる「第95回記念選抜高校野球大会」の出場校が27日に決まり、21世紀枠の東海地区候補校だった県立木本高校は惜しくも選ばれなかった。報告を受けた選手たちは、ユニホームに着替え、夏の甲子園を目指して練習に打ち込んだ。

 校長から結果を聞いた、榎本和真主将(2年)は「正直悔しいけど、こうして注目していただいたことはいい経験になった」と振り返り「目標にしてきた県1番になって地域の方々とOBの皆さん、保護者の皆さんに恩返ししたい。甲子園は地域の方々の期待も大きく、OBの皆さんの夢でもある。僕たちの代で成し遂げたい。夏に1番を取って甲子園に行きたい」と前を向いた。

 西垣戸洋一監督は「結果は残念だが、選手たちはすでに夏に向けて意識を持った表情だった。普段から自分たちを律しながら戦っている子どもたちなので心配はない。夏に向けて攻撃力を高めていこうと生徒たちと話をしている」と話していた。

 木本高校は、部員13人で県内強豪校と互角に戦い秋季大会県ベスト4に進出したことや、140㌔近いストレートを誇る投手が2人いること、地元に愛されていることなどが高く評価され、東海推薦校に選出されていた。

 21世紀枠は全国9校から氷見高校(富山県)、城東高校(徳島県)、石橋高校(栃木県)の3校が選ばれた。

(2023年1月29日付紙面より)

校長の話を聞く部員たち=27日、熊野市の県立木本高校
2023年01月29日
16 一足早い節分で終息や平和願う
 補陀洛山寺で立春大護摩供星祭  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木智英住職)で27日、立春大護摩供星祭(りっしゅんおおごまくほしまつり)があった。おととし、昨年に引き続き、今年も新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から僧侶や職員のみが参加。コロナ終息を願い、髙木住職らが「鬼は外、福は内」と掛け声を発し、一足早い豆まきが行われた。

 この日は、同寺の国重要文化財の本尊「三貌(さんぼう)十一面千手千眼観世音菩薩(ぼさつ)」を開帳。熊野修験の山伏のほら貝が響く中、髙木住職らが入堂し、法要を営んだ。

 続いて本堂内の護摩壇で護摩木をたき上げ、家内安全、商売繁盛、身体健全などを祈願。その後、僧侶2人と山伏1人が本堂内で豆をまき、さらに回廊から境内に向けてまいた。

 例年は多くの参拝者が集まる中、かみしも姿の厄年の人たちが、境内に設置されたやぐらから豆まきや餅まきを行い、にぎわっている。

 髙木住職は「コロナ禍となって4年目。すぐには終息は難しいため、まずは共生していかなくてはならない。そして、戦争は今もなお続いている。仏教に携わる僧侶として、できることは微力だが、以前のような生活に戻ることと、世界平和を祈念し、お参りを続けていきたい」。

 今後については「もうすぐ、コロナも5類に引き下げとなる。5月の例大祭には多くの方々にお参りいただければ幸いです」と語った。

 なお、毎年和歌山県内外から、多くの人々が訪れる那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)の「節分会」はコロナの感染拡大防止のため、今年も中止を発表している。

(2023年1月29日付紙面より)

商売繁盛やコロナ終息、世界平和などを願い護摩木をたき上げた=27日、那智勝浦町の補陀洛山寺
僧侶のみで一足早い豆まきを行った
2023年01月29日
17 災害孤立に備え訓練  無線連絡の手順確認  (那智勝浦町 )
2023年01月29日
18 73人が前期入試に臨む  初のサポートプラン入試も  (近大新宮高 )
2023年01月29日
19 平和の大切さなど学ぶ  新翔高でユネスコ講話  
2023年01月29日
20 かわいい鬼さんに変身!  よちよちくらぶに11組  (新宮市 )
2023年01月29日
21 給食にマグロカツバーガー  料理選手権入賞レシピを再現  (太地中 )
2023年01月29日
22 木本総合2.05倍、紀南2.67倍  三重県立高校前期選抜の志願状況  
2023年01月29日
23 生徒らが元気に踊る  ダンス発表会を開催  (矢渕中学校 )
2023年01月29日
24 生芋からこんにゃく作り  サロンで女性ら手際よく  (紀宝町 )
2023年01月29日
25 29日に投票、即日開票  現職、元職、新人12人が舌戦  (紀宝町議選 )
2023年01月29日
26 世古進之佑君が栄冠に  中央児童館で「こままわし大会」  (新宮市 )
2023年01月29日
27 お悔やみ情報
  
2023年01月27日
28 火災から国の宝を守れ
 文化財防火デーに訓練  (熊野速玉大社 )

 文化財愛護思想の高揚を目的に制定された「文化財防火デー」の26日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で防火訓練があった。神職や敬神婦人会らで成る同大社自衛消防隊、新宮消防本部、市消防団丹鶴分団、市職員、地域住民ら約60人が参加。訓練を通して連携体制を確認した。

 文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年からこの日を中心として全国的に防火運動が展開されている。

 新型コロナウイルス感染症の影響で従来規模の訓練は3年ぶりとなった。

 第69回となった今回は、同大社双鶴殿西側雑木林から出火したとの想定の下、実施された。双鶴殿への延焼を防止するため、同大社自衛消防隊が放水銃で初期消火活動を行い、拝殿内の重要文化財などを搬出。双鶴殿西側の従業員駐車場では、消防本部と分団員による消火活動が展開された。

 訓練後、整列した関係者たちを前に速水盛康教育長は「有事の際には常日頃からの訓練と経験が生きてくる。熊野速玉大社には世界遺産・熊野を代表する多くの文化財がある。私たちは、その文化財を保存・管理し未来につなげていく役割を背負っている。地域の皆さまと一緒に守っていくことが大きな力になると思っている」。

 上野宮司は「厳寒の中、無事に訓練を行うことができた。数年前に近隣で火災が発生した際には、放水銃と森のおかげで延焼を防ぐことができた。皆さんと同じ意識の下で防火訓練を実施できたことが一番の収穫」と協力に感謝した。

 堀切学署長は「有事の際は今日の訓練を思い出して落ち着いて行動を」と講評。「自身にとってもなじみ深い同大社で訓練できたことに感謝している。これからも大切な世界遺産を守ってほしい」と話した。

 なお、同日には熊野那智大社でも防火訓練が予定されていたが、25日の寒波の影響で路面の凍結などが予想されることなどから訓練は中止となった。

(2023年1月27日付紙面より)

拝殿から重要文化財を搬出する敬神婦人会のメンバーら=26日、新宮市の熊野速玉大社
放水銃で初期消火に当たる神職
訓練に参加した皆さん
2023年01月27日
29 地元の野菜でスープ作り
 イル・ド・フランスで食育教室  (新宮市 )

 新宮市のフランス料理店「イル・ド・フランス」で22日、NPO法人Go―Kuma―Kids(大西章夫理事)による食育教室が開かれた。近隣市町から児童6人が参加し、フランス料理を通じて地元産の野菜がおいしくなる秘密などを学んだ。

 Go―Kuma―Kidsは昨年8月に設立された法人。「10年後を創造した、可能性のあるまちづくり。」を目標に、自然体験や地域企業での職場体験、英語イベントなどを開催している。

 この日は料理人の倉本幹也さんが講師を務め、新宮市広角で収穫されたサツマイモを使ったスープ作りを実演。薄切りのタマネギとサツマイモをバターで炒めて15分ほど煮た後、ミキサーで攪拌(かくはん)。シノワと呼ばれるこし器でなめらかにし、牛乳と生クリーム、塩、砂糖で仕上げた。

 フランス料理の歴史や包丁の切れ味の違い、料理行程の意味についても解説。地元産の野菜について「この地域に湧く温泉にはミネラルが豊富に含まれており、それが野菜をおいしくする」と語った。

 サーモンのソテー、フランスパンと一緒にスープを味わった上中えみ里さん(太地小3)は「おみそ汁は普段から食べるけれど、こしたりして作るスープは初めてかも。ホウレンソウやカボチャで作ってもおいしそう」。

 倉本さんは「子どもは地域の宝。地域には教科書以外で学ぶべきものがあり、民間で同じ志を持つ人が集まって、こうした活動を続けていくことが大切だと思う」と話していた。

 Go―Kuma―Kidsはインスタグラム(go_kuma_kids)でイベント情報を発信している。

(2023年1月27日付紙面より)

包丁でタマネギをスライス=22日、新宮市のイル・ド・フランス
初めてのフランス料理にドキドキ
2023年01月27日
30 災害時に役立つ技術
 自衛隊の協力で学ぶ  (新翔高校 )

 県立新翔高校(藤田勝範校長)で25日、自衛隊和歌山地方協力本部による「防災スクール」があった。1年生38人が参加、紀伊半島大水害について映像で学んだほか、ロープワーク、ライフハック(避難所などで役立つ技術)、救急法などを教わった。

 対象の1年生の人数は97人だが、当日は寒波の影響で登校できない生徒も多かった。同スクールは、生徒の防災意識を高め、地域防災の担い手として社会貢献できる青少年の育成を目的としたもの。10人の自衛隊員が講師として訪れた。

 開会に当たり、同本部新宮地域事務所長の住野具視所長があいさつ。那智勝浦町の出身で、1995年の阪神淡路大震災や、2011年の紀伊半島大水害の際に支援活動を行ったことを話した。「今日の講習で少しでも学んでいただけたら」と呼びかけた。

 続いて、紀伊半島大水害の記録映像を上映。熊野川が氾濫し、各所で浸水が発生した様子や、救助活動を行った当事者による証言などが映し出された。生徒らは、身近な地域で起こった災害の様子を、食い入るように見つめていた。

 この後、3班に分かれての講習を実施。いずれも自衛隊員が指導に当たった。ロープワークでは、生徒らが災害時に役立つ、いろいろなロープの結び方に挑戦。ライフハックでは、新聞紙を使った食器作りや、水だけで作れる非常食調理を行った。救急法では、簡単な止血法や、毛布と棒を使った担架の作り方を教わった。いずれも生徒らは、関心を持って取り組んでいた。

 村井祐之介さん(16)は「大水害の時は断水して、給水車まで水をくみに行った記憶がある。身近な所でとんでもないことが起きていたのだなと驚いた。新聞紙を使った食器作りは、役立ちそうだと思った」と語った。

(2023年1月27日付紙面より)

毛布を使った担架で搬送=25日、県立新翔高校
2023年01月27日
31 白馬村へ「行ってきます」
 太地小・北山小の5、6年生  

 今季一番の寒波にみまわれた25日の朝、太地町立太地小学校と北山村立北山小学校の5、6年生計24人が、太地町の姉妹都市である長野県白馬村へ出発した。

 白馬村と太地町は1984年に姉妹都市提携を結び、翌年から両地域の子どもたちの交流がスタート。太地小学校の児童が冬の白馬村を、白馬北小学校児童が夏の太地町を訪れ、互いのふるさとで友情を育んできた。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、太地小児童の白馬村訪問は3年ぶり。太地町は現在、北山村との町村交流を進めている関係で、今年初めて北山小学校児童も訪問に参加する運びとなった。

 太地小児童は黄色いスキーウエアに身を包み、太地漁港ふれあい広場(東の浜)へ集合。児童会役員の山下みつきさん(5年)、稲森杏樹さん(同)が見送りに来た保護者らへ「楽しい思い出をつくってきます。行ってきます」とあいさつした。北山小児童は、熊野市で合流して白馬村へ向かう。

 旅程は2泊3日で、白馬岩岳マウンテンリゾートでの雪遊びや、白馬北小学校とのレク交流を予定している。

(2023年1月27日付紙面より)

出発式をする太地小5、6年生=25日、太地町の東の浜
2023年01月27日
32 「パンダはどこにいる?」  横田南嶺老師が初の絵本出版  
2023年01月27日
33 インフルエンザに注意  注意報基準値超える  (和歌山県 )
2023年01月27日
34 たばこの有害性を学ぶ  4年生対象の防煙教室  (神倉小学校 )
2023年01月27日
35 SDGs時代のヒット商品とは?  セミナー講師に三科公孝さん  (新宮市 )
2023年01月27日
36 那智山も白銀の世界  雪降る中も観光客が参拝  (那智勝浦町 )
2023年01月27日
37 念願の休憩所を作製  下里とも子ガーデン  (那智勝浦町 )
2023年01月27日
38 楽しみながらプログラミング  鵜殿小でクラブ活動  (紀宝町 )
2023年01月27日
39 リメ缶にサボテン寄せ植え  子育てサロンで楽しむ  (紀宝町 )
2023年01月27日
40 ウクライナ支援のために  熊野の想い届けよらい2023  (御浜町 )
2023年01月27日
41 プロの人形劇に親しむ  潮岬こども園の園児ら  (串本町 )
2023年01月27日
42 ガンピを材料にし紙すき  古座小6年生の和紙作り  (串本町 )
2023年01月27日
43 語り部ら迎え防災考える  自主防など対象に講演会  (串本町 )
2023年01月27日
44 お悔やみ情報
  
2023年01月26日
45 熊野地方も白銀の世界
  

 今季一番の非常に強い寒気が流れ込んだ24日から25日にかけて、太平洋側にも雪雲が流れ込み、熊野地方に積雪をもたらした。太平洋側では25日、天気が回復して晴れる所も多くなる見込みだが、依然として冷え込みは続く予報。路面凍結や水道管凍結などに注意が必要だ。

 気象庁によると、25日朝の最低気温は▽古座川町西川で氷点下4・1度▽熊野市新鹿で氷点下3度▽新宮市で氷点下2・5度▽串本町潮岬で氷点下2・2度―など、各地で平年を大幅に下回った。熊野市、御浜町、紀宝町では一時大雪警報が発表された。

 JR西日本と東海は25日、大雪の影響で周参見―新宮間、新宮―多気間で一時運転を見合わせた(同日正午現在)。

 和歌山県では25日午前8時現在、県内道路11路線(17区間)で通行規制を実施。那智勝浦新宮道路の市屋ランプ交差点―高森交差点間を通行止めとしている。

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■雪遊びに大喜び



 太地町立太地小学校では、1時間目の授業を変更して雪遊びに。普段、触れる機会の少ない雪の感触を楽しんだ。大石湧琉君(4年)は「こんなに積もったのを見るのは初めて! 1時間目の算数が雪遊びになってうれしい」。畑地咲音君(同)は「雪合戦と雪だるま作りをする」と笑顔で話していた。

(2023年1月26日付紙面より)

新宮市の熊野川河川敷=25日午前8時30分ごろ
JR紀伊勝浦駅=同日午前7時ごろ(読者提供)
紀宝町大里=同日午前9時30分ごろ
七里御浜海岸=同日午前9時30分ごろ
珍しい雪の感触を楽しむ児童ら=同日午前8時ごろ、太地小学校
2023年01月26日
46 3年ぶり区外参拝迎え営む
 添野川でいくさ地蔵尊例祭  (古座川町 )

 古座川町添野川(そいのがわ)にあるいくさ地蔵尊で24日、例祭が営まれた。今年は区外参拝を受け入れ、航空自衛隊串本分屯基地の鳥塚直樹司令と仲本耕士副町長も代表参列。添野川区の山崎勝好区長を筆頭に12人が信心を注いだ。

 大坂の陣に出兵した出身者・彦八が往路で野にうずもれたこの地蔵尊に気付き、里に一人残す母の元へと戻れるよう祈願。無事帰路に就くことができ、この地蔵尊を添野川へ迎え安置したとされる。

 その伝承にあやかって戦時に弾よけの護符を配り全国から参拝を集めた経緯もあり、その名残を示すように例祭には串本町須江にある同基地の歴代司令が遠路参拝するところとなっている。

 現在は添野川にある善光寺(伊藤收工住職〈兼務〉)の境外地蔵として護持し、毎年1月24日の午前10時に法要を営んでいる。今年は雨上がりで寒さが幾分和らぐ中でほこらを開帳し、同地蔵尊をじかに拝みながら順次焼香。恒例の餅まきは参列少数により餅配りへと置き換えたが、ほぼ例年通りの形で例祭を収めた。

 おととしと昨年は新型コロナウイルス感染拡大を抑えるため区外からの参拝の遠慮を呼びかけたため、受け入れは3年ぶりとなる。伴い歴代司令の慣習を受け継ぐこととなった鳥塚司令(51)は「隊員のみならず同基地一帯の皆さまの生活を守ってほしい、という思いで安全を願いに参った」とコメント。山崎区長(74)は「今年は司令や副町長をお迎えできて良かった。願うところの第一は区民の健康だが、ここはいくさ地蔵。私たちだけでなくウクライナ侵攻が終息しみんなが健康で過ごせれば」とこの地蔵尊に願うところを語った。

(2023年1月26日付紙面より)

いくさ地蔵尊をじかに拝んで信心を注ぐ参列一同=24日、古座川町添野川
2023年01月26日
47 ふるさとの歴史と文化
 熊野曼荼羅絵解きで学ぶ  (城南中学校 )

 城南中学校学校運営協議会(森本祐司会長)は24日、新宮市立城南中学校(吉田元紀校長)で、ふるさと学習として「熊野曼荼羅(まんだら)の絵解き」を行った。2年生52人が半数ずつ、組ごとで受講。生の絵解きに触れ、熊野の歴史と文化についての知見を深めた。

 昨年も2年生を対象に行っており、2回目となる。新宮市観光協会ガイドの西浦康代さんが絵解き役として、熊野比丘尼(びくに)の装束をまとい、森本会長と共に参加した。なお森本会長は、同協会の専務理事でもある。

 森本会長はあいさつで熊野比丘尼を「熊野三山を全国で紹介した女性ら。熊野詣でを全国に広めたと言えると思う」と紹介。「今日の絵解きは、人の一生の話。ぜひ最後まで楽しんで」と呼びかけた。

 西浦さんは絵解きに先立ち、熊野の歴史と文化についてスライドで説明。平安時代に京都から多くの皇族や貴族が、熊野古道を通って熊野三山に訪れ、「蟻(あり)の熊野詣」と呼ばれたこと。熊野古道には「中辺路」「大辺路」などがあること。2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産登録されたことなどを語った。

 戦国時代以降になると、だんだんと参詣者が少なくなったため、熊野比丘尼が絵解きを行い、熊野信仰を全国へ広めたことを解説。年に1度、所属寺院に寄付を納め、免許を更新して、再び全国へと旅立ったことも伝えた。

 この後、「熊野観心十界曼荼羅」の絵解きを実施。絵柄を指し示しながら、人が生まれ、人生の坂を上りやがて下ること。生前の行いによっては畜生道、餓鬼道、地獄道などに転生すること。落ちる地獄も罪状によって種類があることなどを、時折歌を交えつつ語った。「生前の心がけ次第で素晴らしい世界に行けるが、もっと大事なことは熊野にお参りすること」とまとめた。

 谷奥光輝(みつき)さん(14)は「(歴史や文化で)知らなかったこともたくさんあった。絵解きを聞くのも初めてで、自分がした悪いことの内容でどの地獄に行くかが決まっているところが興味深かった」と話した。

(2023年1月26日付紙面より)

熊野曼荼羅の絵解きを行う西浦康代さん=24日、新宮市立城南中学校
ふるさとの歴史や文化に関する知見を深めた
2023年01月26日
48 家内安全や無病息災祈り
 宝光寺で斎講営む  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町長井の宝光寺(西山十海住職)で24日、恒例行事の斎講(ときこう)が営まれた。参列した地域住民らは、大念珠とも呼ばれる大きな数珠を全員で繰りながら、家内安全や無病息災を祈った。

 斎講は元々、仏に昼食をささげる儀式で、「皆で集まって食事を取る」という意味もある。昔の人々が稲刈りを終え、農作業を休む日として、ねぎらいの意味もあったとされている。

 西山住職によると、正月や田植え、収穫など縁起の良い善月の1月、5月、9月に合わせて祈祷(きとう)を行う善月祈祷の一つでもあるという。

 例年は餅まきも盛大に行われ、厄年の住民が餅をまき、多くの人々でにぎわっている。コロナ禍となってからは、3年間中止で法要のみとなっている。

 この日は西山住職が読経し、住民らが大きな数珠を全員で持ち、百万遍数珠繰りを行った。その後、子安地蔵で厄払いの法要があり、前日に住民らが準備した餅を紙に包んだ「護符」が配られた。

 斎講を終え、西山住職は「斎講は田垣内や大野地区などでも営んでいるが、百万遍の数珠繰りがあるのはこの寺のみ。斎講と数珠繰りは元々別のものだが、時代の流れの中で一緒になったのでは。今日は1年間の家内安全や無病息災を念じて祈祷いたしました」と話した。

 尾﨑嘉彦区長は「コロナの終息や家族、皆さまの健康などを祈った。地域の高齢化で、伝統ある行事の継続も難しくなりつつある。しかし、皆さんと協力しながら今後も続けていきたい」と語った。

(2023年1月26日付紙面より)

家内安全や無病息災を祈り百万遍数珠繰りを行う住民ら=24日、那智勝浦町の宝光寺
子安地蔵でも法要が営まれた
2023年01月26日
49 寒さにひるまず咲き進む  観光協会前のヒマワリ  (串本町 )
2023年01月26日
50 松本山雅FCがキャンプ  総合運動公園多目的Gで  (串本町 )
2023年01月26日
51 地域活性化について学ぶ  紀宝町の取り組みから  (近大新宮 )
2023年01月26日
52 上野展望台の修繕が完了  宇久井ビジターセンター  (那智勝浦町 )
2023年01月26日
53 4年に1度の選挙イヤー  統一地方選で新宮市議選や県議選など  
2023年01月26日
54 「まっぷる新宮」配布中   
2023年01月26日
55 お菓子作りに挑戦  下田児童館で子ども料理教室  (新宮市 )
2023年01月26日
56 候補者12人の訴え  紀宝町議選  
2023年01月26日
57 期日前投票始まる  鵜殿地域交流センターで  (紀宝町議選 )
2023年01月26日
58 一面の星空、見上げる  紀宝町で冬の天体観望会  
2023年01月26日
59 2年ぶり、滝つぼ凍る  那智の滝も雪化粧  
2023年01月26日
60 お悔やみ情報
  
2023年01月18日
61 シャチのご当地ポストでPR
 役場前に4基目を設置  (太地町 )

 太地町は17日、役場庁舎前でシャチをモチーフにした青色のご当地ポストのお披露目を行った。町内4基目となるポストで、これまでと同じく「クジラの町 太地町」をPRしていく方針だ。

 ポストは地域振興や観光資源化などを目的に、日本郵便と連携して町が寄付する形で設置に至っている。

 地域の特色を示すご当地ポストは各地にあり、本紙エリア内ではJR那智駅に黄色のポスト、熊野本宮大社に「八咫(やた)ポスト」がある。

 同町ではこれまでに、太地町立くじらの博物館前と道の駅「たいじ」、JR太地駅舎前にポストを設置。町内外の人や観光客などに人気の撮影スポットとなっている。

 今回も3基と同様、地元で活動するクジラの造形愛好家らで組織する「ホエール・アート・ミュージアム」の山門基秀さん、前芝真人さん、石田一勝さんらが制作。

 オスとメスのシャチのシルエットが描かれているほか、上部には強化プラスチック製の愛らしいシャチがはがきを持ったデザインとした。完成には約2カ月を要した。

 山門さんは「クジラ観光の町。セミクジラ、ゴンドウクジラ、バンドウイルカに続き、今回は人気鯨種のシャチ。SNS(交流サイト)でも喜んでもらえたら。観光客は博物館止まりだが、これまでのポストに加え、役場への設置で、町中への動線ができれば。今後も継続し制作していきたい」と話した。

 式典では日本郵便近畿支社郵便・物流オペレーション部集配担当部長の松本光功さんが「ポストが地域住民の方々、観光業への橋渡しとして活躍できれば幸いです」。

 紀南地区連絡会統括局長の南方慎一朗さんが「観光の起爆剤になれば。今後も自治体と連携して地域を高め、盛り上げる取り組みを進めていきたい」とあいさつ。

 漁野洋伸副町長は「地元技術者の皆さま、日本郵便さま、太地郵便局さまの尽力に感謝している。ポストは町内外から高い評価を受けており、観光や地域振興につなげていきたい」と話した。

 太地郵便局の小河則行局長は「記念撮影をしたり、手紙を投函(とうかん)いただくことで、『クジラの町 太地町』のPRとなる。多くの方に、町に来ていただき、地域の発展・活性化の一助となれば」と語った。

 式典前に、新ポストの設置が行われた。元々あったポストは、長年の役目を終え、撤去された。

(2023年1月18日付紙面より)

シャチをモチーフとした4基目のご当地ポストが設置された=17日、太地町役場
シャチのご当地ポスト
2023年01月18日
62 最強メンタルをつくるには
 神倉少年野球クラブが学習会  (新宮市 )

 神倉少年野球クラブ(須川幸太監督)は15日、新宮市福祉センターでメンタルトレーニングに関する学習会を開いた。株式会社輝(き)っかけ代表取締役の増田篤紀さん(33)が「可能性の発揮~実力発揮にはコツがある~」と題して講話し、クラブ所属の選手8人やコーチ、保護者らが参加した。

 「心技体+生活」を基本とする神倉メソッドを共有し、技術向上や体づくり以前の「心」の段階から成長を促そうと今年初めて企画。増田さんは「人が輝くきっかけをつくる」を目標に、甲子園出場を目指す全国の高校球児たちのメンタルコーチを務めている。

 増田さんは最初に「スポーツには心技体という言葉があるが、心は見えないから、どうやって鍛えればいいのかあまり理解されていない」と話し、野球でいいプレーができるときの心の状態として▽自信がある▽楽しい(ワクワク)▽感謝―の三つを挙げた。最強メンタルをつくるため「言葉、表情、動作にはそれぞれプラスとマイナスがある。『疲れた』『めんどくさい』という言葉を、『頑張った』『最高』『ナイス』などに変えていこう。学校でも家庭でも、いい言葉、いい表情、いい動作で過ごすことがいい心をつくる」と説明した。

 実際に、本気のじゃんけんやナンバーワン宣言といった手法を実践。「○○(名前)スマイル!」と言って笑顔をパスし合う「スマイルパス」では、子どもたちから「楽しかった」との言葉がこぼれた。

 南春大(はるひろ)君(9)は「本気のじゃんけんが面白かった。これからの練習で、声を出すことを頑張りたい。フルスイングのナンバーワンになりたい」。

 須川監督は「最初は恥ずかしいという感情が勝っていたが、途中からいい雰囲気になったのでは。子どもたちの主体性を引き出していくことは、必ず今後の人生にも役立つはず。練習前に教わった手法を実践していく」と話していた。

(2023年1月18日付紙面より)

「スマイルパス」を実践する選手たち=15日、新宮市福祉センター
増田篤紀さん
2023年01月18日
63 町内の平穏無事と終息祈る
 海翁禅寺で秋葉山大権現祈祷  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町勝浦の臨済宗海翁禅寺(武内宗隆住職)で15日、一年の間、町内で火災や盗難がないよう祈願する「火盗守護秋葉山大権現御祈祷(きとう)」が営まれた。町消防団(下地将仁団長)の幹部や団員7人が参列した。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、前夜は規模を縮小してどんど焼きを実施。おととし、昨年に引き続き、15日の餅まきも中止となった。

 今年の祈祷は天候不良のため、山頂の祠(ほこら)では行わず、「熊野弁財天」「火盗守護秋葉山大権現」「熊野波切不動」が祭られる同寺広間で実施された。

 武内住職と武内洪淵(こうえん)副住職が読経を行い、火伏せの神「火盗守護秋葉山大権現」に今年の平穏無事を祈願した。

 また、昨年に引き続き、洪淵副住職の息子の弥那人(みなと)君(勝浦小2)も法衣を身に着け、参列した。

 下地団長は「町内の災害や火災がないように安全を祈るととともに、コロナ終息も祈念しました」。

 洪淵副住職は「火災や盗難の減少に加え、すぐには難しいと思うが、コロナ禍以前の生活に戻ることができるように祈りました」と話した。

 武内住職は「町内の皆さまの無事と安全を祈願いたしました。早くコロナが終息し、これまで通りの生活が無事に送ることができる年になってほしい」と語った。

 同寺の「火盗守護秋葉山大権現」は町消防団が願主となって建立され、1969(昭和44)年に同寺総檀家(だんか)が再建したという。

(2023年1月18日付紙面より)

秋葉山大権現祈祷が営まれた=15日、那智勝浦町の海翁禅寺上の山頂
前日のどんど焼きでは雨対策をして実施(海翁禅寺提供)
2023年01月18日
64 世代超え津波避難考える
 田原で「逃げ地図」WS  (串本町 )

 串本町田原にある山村交流センターで16日に「逃げ地図」づくりワークショップ(WS)があり、同町立田原小学校(山路和彦校長)の3~5年生7人と田原区(宮本敏治区長)の区民8人らが世代を超えて津波避難を意識し考える機会を得た。

 このWSは、文部科学省「防災対策に資する南海トラフ地震調査研究」を受託する京都大学防災研究所が主催。南海トラフを震源とする大地震に伴う津波の到達が早い点で同町総務課防災・防犯グループへ実施を相談し、同グループも迅速な避難の啓発に役立つとして協力することとしたが、いざ実現を目指す段階で新型コロナウイルスの情勢に直面。踏み出せない状況がしばらく続き、この日ようやく感染症予防対策を講じて実施へとこぎ着けたという。

 「逃げ地図」は東日本大震災を教訓とし、津波避難の発想を支援する取り組みとして日建設計ボランティア部が考案。同研究所はその実践研究を重ねる明治大学の山本俊哉教授の研究室と田原小や田原区を仲立ちし、作成と検討の両機会を届けた。

 当日は田原小と田原区に加え、町職員も参加。山本教授は津波避難タワーの有無と避難経路の支障(倒壊による通行不能状態)の有無で四つの前提を示し、各前提に3者が入り交ざるようグループ分けし同研究室や同研究所のメンバーも後押し役で加わって「逃げ地図」づくりに取り組んだ。

 この地図は同区の白地図上にまず避難先(高台)をマークし、後期高齢者が3分間で歩ける距離を示す革ひもを定規にして避難経路を段階的に塗り分けた内容。色は避難先に近い区間から順に緑→黄緑→黄色→オレンジなど遠いほど赤に近づく使い分けをし、避難先までどれぐらいの時間がかかりどの辺りが津波第1波到達に対し厳しい状況かが分かる形に仕上がった。その結果や感じた事柄を発表して作成を終了。以降は大人のみの第2部とし、「逃げ地図」で見えてきた地域の課題解消の検討を体験した。

 一連の活動を経て山本教授は「この取り組みにはいろいろと良いところがあるが、どこに逃げられるかが大人から子どもへ伝わった点で子どもにも良い経験ができたと思う」、仲立ちをした同研究所の牧紀男教授は「(津波から)逃げられることをちゃんと知ることが大切。今日はそのいい機会になったと思う」と講評。宮本区長は「教わったことを頭に入れ、いざというときに対応していきたい」とあいさつをし、実施に感謝した。

 田原小の寺西秀君(5年)は「(田原区内は)道が狭いことやブロック塀が多いことが分かり、怖いなと思った。学校とか山の近くにいる時間をもっと増やそうかなという気持ちになった」と取り組みの実感を語った。

(2023年1月18日付紙面より)

「逃げ地図」づくりに取り組む田原小児童ら=16日、串本町田原の山村交流センター
「逃げ地図」から見えてきた課題検討の結果を発表しあう田原区民ら
2023年01月18日
65 元気良く体を動かす  浦中さんの「あそびライブ」  (鵜殿保育所 )
2023年01月18日
66 大岡春雄さんに感謝状  平典子さん人権擁護委員に委嘱  (紀宝町 )
2023年01月18日
67 農作物の出来が良い年に  林松寺で作柄占う試粥会  (御浜町 )
2023年01月18日
68 生徒会の有効活用に協力  城南中でリサイクルバザー  (新宮市 )
2023年01月18日
69 井関クラブを修復  外観一新、倉庫も増設  (那智勝浦町 )
2023年01月18日
70 新年のお茶稽古に励む  浮島児童館で「初釜」  (新宮市 )
2023年01月18日
71 地殻流体で連動性考える  北佐枝子さん迎え講演会  (南紀熊野GPC )
2023年01月18日
72 雨で仮設道路崩れる 大斎原の潜水橋 (田辺市本宮町)
2023年01月18日
73 お悔やみ情報
  
2023年01月15日
74 終息や商売繁盛など祈願
 大泰寺で大般若祈祷会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町下和田の古刹(こさつ)、定光山大泰寺(西山十海住職)で13日、西山住職ほか、同町や太地町の8人の住職が出仕して「大般若祈祷会」を営んだ。新型コロナウイルス感染症対策を施した上で恒例の餅まきも実施。境内や本堂は多くの参拝者でにぎわった。

 法要ではマスク着用やアルコール消毒、換気など新型コロナウイルス対策を徹底した。住職らは全600巻の大般若経典を左右に波打たせながら一気に読む転読を行い、厄払いや家内安全、商売繁盛などを祈願した。

 餅まきは3密防止のため、本堂と薬師堂、境内に設置した舞台の3カ所で実施。住職や関係者らによって、250㌔の餅とパン200個がまかれた。

 同寺大総代の尾屋公一さんは「コロナ禍にかかわらず、たくさんの方が集まっていただきありがたい。今日はコロナの終息と地域が明るくなることを願いました」。

 西山住職は「コロナの感染が各地で広がっていて、亡くなる方も増えている。しかし、少しずつだが、日常を取り戻してほしいという思いもあり、昨年に引き続き斎行させていただいた。今年こそはコロナが終息し、皆さまが平穏無事に幸せに生活できることを願い、祈とうさせていただきました」と語った。

 町内から訪れた70代男性は「年に1回の行事。多くの人が来られて、活気づいたので良かった。来年はコロナも収まって、もっと多くの人でにぎわってくれたらうれしい」と話していた。

 同寺は伝教大師により1200年前の平安初期に創建された桓武天皇勅願道場と伝わる。薬師堂は関南薬師の第一霊場として昔から近隣の人々の信仰を集めてきた。

 この日も開帳された本尊の薬師如来像(国重要文化財)は1156(保元元)年の作。その優美な姿に引かれ、例年の開帳の際は大阪や東京などからも参拝者が訪れている。

(2023年1月15日付紙面より)

大般若経典を転読し厄払いや商売繁盛などを祈願した=13日、那智勝浦町の定光山大泰寺
恒例の餅まきもにぎわった
2023年01月15日
75 架空請求詐欺が急増
 不審なSNSやはがきに注意を  (見守り隊が啓発 )

 三重県警によると、昨年(11月末現在)、県内で118件の特殊詐欺が発生した。被害額は約3億4180万円に上った。前年同期比で15件、約1億7500万円の増となった。

 このうち、50件が架空料金請求詐欺で、2億3370万円の被害と急増した。新型コロナウイルスの拡大が懸念されたことにより、自宅にいる機会が増えたことや、交流サイト(SNS)の利用時間が増加していることなども原因と考えられ、県内に限らず全国的に被害が増加している。

 架空料金請求詐欺は「未払いの料金がある」などと架空の事実を口実として、現金や電子マネーなどをだまし取る手口。紀宝警察署管内では、昨年5月と10月に電子マネーをだまし取られる被害があった。「はがきやSNSなどで未払い料金を請求されても心当たりがなければ相手に連絡しないように」と呼びかけている。

 紀宝町では、高齢者の特殊詐欺被害撲滅を目指し、毎月1回、高齢者地域見守り隊(伊藤俊介代表)が町内各所で啓発活動を展開。13日には鵜殿の主婦の店で今年最初の活動を行い、隊員6人が町民らにチラシを配布し、詐欺に遭わないよう求めた。

 チラシには特殊詐欺発生状況や具体的な手口、対策、相談窓口などを掲載した。不審電話などの相談は紀宝署(電話0735・33・0110)へ相談を。

(2023年1月15日付紙面より)

特殊詐欺被害撲滅を目指して啓発活動を展開=13日、紀宝町鵜殿
2023年01月15日
76 伊作の見た風景とは
 旧チャップマン邸、旧西村家住宅で企画展  (新宮市 )

 新宮市丹鶴の旧チャップマン邸と旧西村家住宅(西村伊作記念館)で、西村伊作生誕139(イサク)年記念企画展が始まった。入館無料。

 「生活を芸術として」という生涯を送った、新宮市名誉市民の西村伊作(1884~1963年)。今年は生誕139年の節目の年で、旧チャップマン邸では22日(日)まで「伊作のみた熊野新宮」(西村記念館・旧チャップマン邸の会主催)を、旧西村家住宅では29日(日)まで「西村伊作が描いた新宮」(市教育委員会主催)を開催している。

 旧チャップマン邸では「新日本の文化創出をリードした伊作は、彼を生み育てた熊野・新宮のどんな風景を見て育ったのか」をテーマに、明治や大正時代の豊富な資料・史料から解き明かす。

 展示資料の多くは熊野学研究委員会委員長の中瀬古友夫さんが提供。写真や地図を伊作による絵画とひも付けしながら、当時の熊野・新宮やゆかりの場所などを紹介している。

 伊作邸の2階にかけられていた地形図は、1911(明治44)年初版の5万分の1地形図の「新宮」や「那智」など11枚を正確に張り合わせ、掛け軸のように表装。県名が丁寧な明朝体で書き加えられ、海岸線と県境や市町村が縁取りされている。また、13(大正2)年に開通した新宮鉄道の予定線も開通した状態に書き直されており、中瀬古さんは「伊作が設計図の手法で記入したものと考えられる。鉄道開通後のふるさとに思いを巡らせていたのでは」と話している。

 旧西村家住宅では、伊作が描いた新宮の風景画11点を展示。多くが普段は見ることのできない作品となっており、伊作の目線を通して当時の新宮の風景を回顧できる内容となっている。

 開館時間は旧チャップマン邸は午前10時~午後4時。旧西村家住宅は午前9時~午後5時で、両館とも月曜日休館。

(2023年1月15日付紙面より)

当時の地図や写真などから、西村伊作の見た熊野・新宮を読み解く=旧チャップマン邸
伊作が残した、新宮の風景を捉えた作品を展示=旧西村家住宅
2023年01月15日
77 僧侶になるための儀式  光明宝院で得度入門式  (那智勝浦町 )
2023年01月15日
78 緊張した面持ちで臨む  前期入試に児童30人  (近大新宮中 )
2023年01月15日
79 お正月遊び楽しむ  「くろしおであそぼう!」  (新宮市 )
2023年01月15日
80 子どもたちの思い託す  赤い羽根共同募金に協力  (神倉小 )
2023年01月15日
81 Art in 和歌山  29日まで、石垣記念館  (太地町 )
2023年01月15日
82 3市町の各チームに寄贈  美し国三重市町対抗駅伝  (JA伊勢 )
2023年01月15日
83 児童生徒の読書活動を推進  「ものがたりライブ」、図書館が継続  (紀宝町 )
2023年01月15日
84 お悔やみ情報
  
2023年01月13日
85 地域の発展と豊作願う
 熊野那智大社にまりひめ奉納  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町苺(いちご)生産組合(桒野稔近〈くわの・としちか〉組合長)とJAみくまの農業協同組合が12日、熊野那智大社(男成洋三宮司)に和歌山県のオリジナル品種のイチゴ「まりひめ」約5㌔(20パック)を奉納した。

 那智勝浦町産のイチゴの振興と豊作を願い、この時季に毎年奉納している。今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、おととし、昨年に引き続き生産農家や町立市野々小学校児童、同生産組合のマスコットキャラクター「まりりん」、同町イメージキャラクター「なっちー」らの参列をやめ、平安衣装によるイチゴの振る舞いも中止とした。

 神事には桒野組合長と組合員、JAみくまの農業協同組合職員ら合わせて10人が参列。巫女(みこ)が「那智の瀧舞」を奉納し、代表して桒野組合長が玉串をささげた。

 同組合は1971(昭和46)年に結成され、最盛期には、栽培面積4・5㌶で45人のイチゴ農家が生産に従事してきた。しかし生産者の高齢化などが原因で栽培が減少傾向となっていた。

 現在は若者を中心に再建され、10軒20人の農家が約70㌃の農地でイチゴを栽培している。

 まりひめは紀州の伝統工芸品「紀州手まり」にちなみ、命名された東牟婁地方を代表する特産品。同町太田地区が主要産地で、果実は大きめで甘味が強く酸味もほどよいのが特徴だ。

 神事を終え、桒野組合長は「昨年と比較して、年末から早い寒波が来たため、出荷量は昨年と比較して出だしが遅い。しかし、味は向上していて、甘くておいしいものになっている。昨年と同じ収量を目指したい」。

 今後については「那智勝浦町は観光産業がメインの町。コロナの早期終息と、地域の発展、組合員の健康を祈願しました」と話した。

 「まりひめ」は現在、出荷のピークを迎えている。

(2023年1月13日付紙面より)

まりひめ約5㌔を奉納した=12日、那智勝浦町の熊野那智大社
金幣(きんぺい)の儀が行われた
奉納されたイチゴ「まりひめ」
2023年01月13日
86 受けたい医療やケア考える
 かわりない会で人生会議を紹介  (紀宝町 )

 毎週月曜日に高齢者が集まる通所サービス「かわりない会」(牧戸光彦会長)は9日、紀宝町鵜殿の老人憩の家讃寿(さんじゅ)荘で今年最初の活動があり、演劇を通して「人生会議」の必要性を学んだ。

 人生会議は、もしものときのために、自分が望む医療やケアを前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組み。

 演劇は「紀宝リベンジャーズ」と題し、くまのなる在宅診療所(同町井田)の濱口政也医師、医療・介護従事者が出演した。濱口医師演じる高齢男性が脳出血で倒れた後、過去に戻り、人生会議に取り組み、自身が望むケアを改めて計画する物語。

 「命の危機が迫った状態になると、約70%の方が医療やケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることができなくなるといわれている」などと話し、町地域包括支援センターが作成した「簡易版エンディングノート」や、医師が定期的に自宅を訪問する訪問診療も紹介した。

 最後は「医療や介護が必要になったとき、どこで過ごすのか、どこで最後を迎えるのか、それが自宅であれ、施設であれ、病院であれ、そこに優劣はありません。本人の意向が尊重されることです。『もしも』のときに備え、受けたい医療やケアについて、大切な人と話し合ってみてはどうでしょうか」と伝えた。

 濱口医師は「家族で話し合っておくことが大事」とし、訪問診療の手順なども話した。演劇後は、出演者も一緒にぜんざいに舌鼓を打った。

(2023年1月13日付紙面より)

演劇を通して人生会議を学ぶ=9日、紀宝町鵜殿
2023年01月13日
87 枝打ち鳴らし、平癒願う
 大泰寺で初薬師  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町下和田の定光山大泰寺(西山十海住職)で8日、初薬師法要が営まれた。薬師堂で西山住職らが般若心経などを唱え、参拝者らがヤナギの枝を打ち鳴らして家内安全や無病息災などを祈った。

 同寺は開創1200年、比叡山の開祖・最澄により開かれたという古刹(こさつ)。この日は、秘仏で本尊の薬師如来像も開帳された。薬師如来像は1968年に国の重要文化財に指定されている。

 午前・午後の2回に分けて営まれた法要には、関係者含む約40人が参列。参拝者らは錫杖を手にした西山住職が唱える薬師如来の真言「オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ」に続いてヤナギの枝を打ち鳴らし、厄を払い清めるとともに病の平癒などを願った。焼香後には厄よけのお札が授与された。

 西山住職は「新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束をお祈りしたい。薬師如来は病気を治す仏様。ご利益があるように、一生懸命法要を勤めさせていただきたい」と話していた。

 13日(金)午前10時30分からは、大般若祈祷会が営まれる。餅まきは正午から。当日の祈とう申し込みは薬師堂内で受け付ける。

(2023年1月13日付紙面より)

西山十海住職らが法要を営んだ=8日、那智勝浦町の定光山大泰寺
平癒などを願い、参拝者らが枝を打ち鳴らした(福田萌夏さん撮影)
2023年01月13日
88 一連の手順確かめつつ奉射
 有田神社総代会が「お的祭」  (串本町 )

 串本町有田上にある有田神社(山本貞夫宮司)の総代会(中橋雅総代長)が6日、「お的祭」を営み準備から当日奉仕までの一連の手順を確かめるなどした。

 同神社の新春行事の一つとして伝わっている「お的祭」。1月6日を期日とし氏子区域(有田、有田上、吐生)から弓頭を人選して営む形が長らく定着しているが、最近になって新型コロナウイルスの情勢などで中止が続いている。このような状況でも総代会だけは手順を適切に把握して文化の継承に努めなければと発起し、今年は本来の形とはならないが総代のみで「お的祭」を営むこととした。

 花形の弓頭には副総代長の多田公次さん(69)と総代の多田和男さん(67)を人選。2人は古式の修祓(しゅばつ)「湯立ての儀」で身を清めて神前奉告をし、同神社最寄りの耕作地に設けた的場へ参進した。

 的場には2㍍四方の的があり、2人は約25㍍離れた場所からそれぞれ1、2巡目は各6本、3巡目は3本を的に向けて奉射した。その後同神社へ戻り、白装束から黒装束へと着替えて世話役から魚(ハゲの切り身)の振る舞いを受け、再度的場へ参進。2本を的、最後の1本を渾身(こんしん)の力で的の上に奉射し、同神社で再度魚の振る舞いを受けるなどして締めくくった。

 氏子の向上心と勇ましさをささげて氏神に安堵(あんど)してもらう意味合いがあるとされる同神社の「お的祭」。多田公次さんは「コロナが終息しみんなが良い年を送れるようにと願って臨んだ。今年は総代で奉仕したが、来年はぜひとも(本来通り)住民中心でやれる形になればいいかなと思うし、そのように伝統を引き継いでいければ」、和男さんは「何もしないでいると準備から当日までの流れを知っている人がいなくなってしまうので、こうして総代だけで形だけでもやれたのは大きな成果だと思う。(奉仕を通して)願うのは、コロナの終息と世界平和。世界ができるだけ早く安定し、紛争のない世の中になってほしいと思う」と弓頭の奉仕に込める思いを語った。

(2023年1月13日付紙面より)

「お的祭」の奉射に臨む総代ら=6日、串本町有田上
2023年01月13日
89 フルジェンテ桜井が優勝
 新宮SSS招待兼ヤタガラスカップサッカー大会  
2023年01月13日
90 努力を忘れず成長感じて
 ミニサッカー大会with加藤恒平選手  (新宮サッカースポ少 )
2023年01月13日
91 上富田、王子が制す
 サッカー「トルベリーノカップ」  
2023年01月13日
92 26人が大烏帽子山まで歩く  山歩き部会で初登山楽しむ  (紀宝町 )
2023年01月13日
93 里親パネル展&相談会  那智勝浦町教育センターで  
2023年01月13日
94 一丸となってまい進  優良消防団員を表彰  (太地町 )
2023年01月13日
95 色鮮やかなスイセン  新宮市三輪崎で群生  
2023年01月13日
96 1年の無事やコロナ収束など祈願  天御中主神社で例大祭など  (新宮市 )
2023年01月13日
97 新設内覧会を開催  「ひだまり いのさわ」  (新宮市 )
2023年01月13日
98 県内の移民史など紹介  中央公民館でパネル展  (古座川町 )
2023年01月13日
99 生活支援商品券交付開始  引き換え期間は31日まで  (串本町 )
2023年01月13日
100 ヤツデの花が盛り  新宮城跡で  
2023年01月13日
101 お悔やみ情報
  
2023年01月07日
102 変化し時代を乗り越える
 賀詞交歓会に40人出席  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の南紀くろしお商工会は、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)、町水産振興会、南紀勝浦温泉旅館組合の協力の下に5日、町体育文化会館で「新春の集い!~賀詞交歓会~」を開いた。恒例の催しに関係者ら約40人が出席し、交流を深めた。

 賀詞交歓会は商工業、観光、水産が一体となり町の活性化に寄与することが目的。この日の司会は同商工会女性部の大林幸子部長が務めた。

 南紀くろしお商工会の森川起安会長は作家・司馬遼太郎の「疫病は社会を変える」という言葉を挙げ「まさしく現在がそのような状況。われわれに必要なことは衛生管理の行き届いた安心安全な町づくりだと思う。それを念頭に置き、周辺経済の活性化を図らなくてはならない」。

 町の主力産業観光については、本物が求められる時代になったとし「この町にもチャンスが来る。つかみ取るには行政や議会、諸団体、住民が志を一つにすることが肝要。われわれもウサギのごとく素早い動きとジャンプ力で変化し、この難しい時代を乗り越え、新時代を迎えましょう」とあいさつした。

 堀順一郎町長は、これまで町が実施してきた経済対策やさまざまな支援について報告。「町としてはそれらに加えて、子ども・子育てを支援する。さらに住民の安心安全を守るとともに、観光の目玉ともなる避難タワーを築地地区に建設したいと考えている。町が飛躍するためにも、ウサギの耳のようにアンテナを高くして声なき声に耳を傾け、町政を進めていきたい」と語った。

 式典では感染症対策のため、国歌や「一月一日」は斉唱せず、傾聴となった。恒例の鏡開きは行われた。荒尾典男町議会議長の乾杯の後、出席者は近況や新年の抱負などを歓談し、交流した。

(2023年1月7日付紙面より)

町の発展を祈り鏡開きが行われた=5日、那智勝浦町体育文化会館
「新春の集い!~賀詞交歓会~」での乾杯の様子
2023年01月07日
103 「鯨供養」が意味するものは
 歴探スクールで櫻井敬人さん  (新宮市 )

 熊野学研究委員会歴史部会・新宮市教育委員会が主催する令和4年度熊野学講座「第37回歴史探訪スクール」が5日、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」であった。太地町歴史資料室学芸員の櫻井敬人さんが「鯨供養」を題目に講話。約40人が聴講した。

 櫻井さんは「日本には人間以外の供養塔がたくさんある。鯨、ウナギ、フグ、牛、豚、鳥、マグロ、木。生き物だけではなくいろいろなものが供養の対象になる」。

 同町にある東明寺の「亡鯨聚霊塔」、熊野市二木島の「鯨供養塔」、那智勝浦町青岸渡寺の「魚霊供養碑」、瑞光寺(大阪市東淀川区)の「雪鯨橋」、岡山県瀬戸内市牛窓町の「大鯨供養塔」などを紹介し、龍昌院(佐賀県唐津市)の「鯨鯢(げいけい)供養塔」、海蔵院(高知県土佐清水市)の「為鯨供養」では地蔵が配置されていると説明。

 太地町・順心寺、東明寺の六地蔵との関連や「六道(地獄道、餓鬼道、畜生道、阿修羅〈あしゅら〉道、人道、天道)」・「輪廻(りんね)転生」の関係性に言及し「向岸寺(山口県長門市)の鯨墓には『業尽有情/雖放不生/故宿人天/同証仏果』と記されている。それは諏訪大社が狩猟・肉食の免罪符『鹿食免(かじきめん)』として発行してきた『諏訪の勘文』のもの。生き物を捕らえて食べる、そうすることで畜生道にさまよっていた動物はあの世にいくことができると解釈されてきた。狩猟を生業にする人にとってはありがたい言葉だったのでは」と解説した。

 東明寺の「亡鯨聚霊塔」には「懺摩一会(集まって罪を告白し赦〈ゆる〉しを乞う)妙典石経(妙法蓮華経を石に刻む)」とあるとし、新宮市三輪崎孔島(くしま)厳島(いつくしま)神社の法華塔、高野坂の金光稲荷神社にある石祠、串本町西向の「原町の小堂」にある法経塔などを紹介し「江戸時代の鯨捕りたちは法華経の力を頼りにしていたのかもしれない。亡鯨聚霊塔を建てた人々は、法華経と彼らの善行がもたらす仏の恵みが、人だけではなく今は亡き鯨にも振り向けられ、人と共に鯨も成仏することを願っていたのでは」と話していた。

(2023年1月7日付紙面より)

約40人が聴講した=5日、新宮市の「丹鶴ホール」
櫻井敬人さん
2023年01月07日
104 孫と祖父母のペアで挑戦 主催事業「グラウンドゴルフを楽しもう」 (潮岬青少年の家)

 串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家(山口和紀所長)の主催事業「新春企画孫(子ども)とグラウンド・ゴルフ(GG)を楽しもう」が5日にあり、小学生以上の孫と祖父母のペア12組24人が試合に挑戦するなどした。

 日本GG協会認定3コースなどの競技環境を常設し、シニア層の練習や大会のみならず施設を利用する青少年層も活動の一環で挑戦するなど幅広い世代の競技愛好を得ている同家。これら利用を支える中で思いついたのがGGで家族の世代間交流を応援するこの主催事業で、敬老の日にちなんだ企画として昨年秋に初実施を目指したが台風接近に伴う荒天で実施できず、次は帰省で家族が集まりやすい正月に期日を設けて再度初実施を目指し実現へとこぎ着けた。

 当日は程よく雲が流れる晴天に恵まれ、前半は各組ごとに約1時間の練習をし昼食休憩。後半は3組ずつの4グループに分かれ、各組とも常に2人が交互に打つルールで2ラウンド計16ホールを回る試合に挑戦した。

 練習をしたことはあるが試合をするのは初めてという河田舞耶さん(12)は「坂になっているホールは難しかったけど、2打上がりもあって楽しかった」。同家を利用するGG愛好者の一人でもある祖父・一夫さん(83)は「孫と二人で挑戦できただけで十分楽しかった」と参加した印象をそれぞれコメント。

 試合終了後は成績上位ペアを発表して拍手でたたえ、山口所長は「グラウンド・ゴルフは高齢者だけではないというところを皆さんに分かっていただき、その輪をもっと広げて親子や家族でもプレーできる状態を今後つくっていきたい。次はゴールデンウイークにこの事業を仕掛けようと思っているので、また参加いただければ」と呼びかけて締めくくった。

(2023年1月7日付紙面より)

孫と祖父母のペアでGGの試合に挑戦=5日、串本町潮岬
初実施に参加したペアの皆さん
2023年01月07日
105 明確な目標持って過ごして
 オンラインで始業式  (新宮高校 )

 新宮市の県立新宮高校(東啓史校長、生徒561人)で6日、3学期の始業式が開かれた。2学期の終業式に続き、各教室をオンラインで中継する形で実施した。

 校歌静聴に続き、東校長があいさつ。携帯電話機市場でアップル社に敗北したノキア社最高経営責任者(CEO)の「何もミスはしていないのに、なぜか負けた」という言葉を引用し、「周りが成長しているときの現状維持は衰退と同じ。時代も含めて自分を取り巻く環境を把握し、明確な目標・意思とシンプルな方法の継続が重要。3学期は1年間のまとめとなる重要な時期。客観的な視点を持って自分の状況を分析し、明確な目標を持って過ごして」と呼びかけた。

 冬休み中に生徒が巻き込まれる事件・事故はなかったが、新型コロナウイルス感染症第8波の感染者数増加が続いていることから、気を抜かずに対策を継続するよう呼びかけがあった。午前中には早速課題テストなどが行われていた。

 県立新翔高校および新宮・東牟婁地方の公立小中学校は10日(火)に始業式が開かれる。

(2023年1月7日付紙面より)

オンラインで中継をつないで式を実施=6日、新宮市の県立新宮高校
2023年01月07日
106 熊野の良さを守っていきたい  熊野市二十歳を祝う会  
2023年01月07日
107 3年ぶりに一斉放水  御浜町消防出初め式  
2023年01月07日
108 元気良く野球を楽しんで  元巨人・鬼屋敷正人さんが激励  (紀宝町 )
2023年01月07日
109 前年を超える場所も 熊野三山の初詣客数 
2023年01月07日
110 「ありがとう」の思いで  勝浦ヤンキースが清掃活動  
2023年01月07日
111 心身鍛え技術向上を図る  OBも参加し伝統の寒稽古  (新宮剣友会 )
2023年01月07日
112 5周年記念曲「折鶴よありがとう」  15日に発売、那智勝浦町の加藤裕也さん  
2023年01月07日
113 宮大工が仕事始め  安全や向上願い手釿始式  (熊野那智大社 )
2023年01月07日
114 花の盛り迎え芳香漂わせる  樫野埼灯台一帯のスイセン  (串本町 )
2023年01月07日
115 制度概要踏まえ対応考える  インボイス制度のセミナー  (串本町商工会 )
2023年01月07日
116 212人が新たな門出  誇りと感謝胸に「二十歳の集い」  (新宮市 )
2023年01月07日
117 熊野・南郡で計21人
 県内で1883人感染  (三重県内の新型コロナ感染者状況 )