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2023年01月28日
1 スマホ申告、便利です
 首長らが模擬体験し利用呼びかけ  (新宮税務署 )

 新宮市役所で26日、同市の田岡実千年市長、那智勝浦町の堀順一郎町長、太地町の三軒一高町長、古座川町の西前啓市町長、串本町の田嶋勝正町長、北山村の藪本幸一参与(山口賢二村長代理)による「スマホ申告デモンストレーション」があった。首長らはスマートフォンを利用した確定申告の模擬体験に挑戦、その利便性をPRした。

 新宮税務署、新宮納税協会、新宮納税貯蓄組合が主催。令和4年分の確定申告期に向け、より一層の国税電子申告・納税システム(e―Tax)の普及や、スマホを利用した確定申告書作成コーナーの便利さ、税務署に来署することなく、また申告期間中であれば24時間利用できるなど、多くの人にスマホ申告の良さを知ってもらう目的で開催に至った。

 地域に影響力のある管内1市4町1村の首長が同時に集まり、スマホを利用した確定申告書を利用してもらうことでさらに市民に身近に感じてもらう狙いもある。

 令和4年分からは▽青色申告決算書・収支内訳書がスマホで作成可能▽マイナンバーカードの読み取り回数が削減(過去にマイナンバーカードを使って確定申告しているなどの一定の条件を満たしている場合)―など、さらに利便性が向上。なお、スマホによる申告は3年で約12倍となっており、令和3年分では全国で154万人が自宅からスマホを使ってe―Taxで申告した。

 この日、市役所会議室に集合した首長らは、各地域のゆるキャラやマイナンバー制度のマスコットキャラクター・マイナちゃんが見守る中、手順に沿ってマイナンバーカードを利用したスマホ申告に挑戦。税務署職員や納税協会員、税理士らからアドバイスを受けながら入力を進めた。

 模擬体験を終え、田嶋町長は「われわれの年代では厳しいと感じたが、画面も大きくなるので入力ミスも少ないと感じた」、堀町長は「サクサクと動くし入力ミスや漏れを指摘してくれるのでありがたい」。

 三軒町長、西前町長、藪本参与は「高齢者も多く税務署に行くのは大変。スマホを利用すれば出向く必要がなくなるので便利」とその利便性に触れ、田岡市長は「税務署に行く必要がないので新型コロナウイルス感染予防にもつながる。申告に必要となるマイナンバーカードを持っていると便利なことも多いので取得していない人はぜひ」と呼びかけていた。

 河野武署長は「スマホを使うと24時間、土日でも、空いた時間に申告できる。質問に答えるだけで簡単に申告できるのでぜひ使ってほしい」と話している。

 令和4年分の確定申告期間は2月16日(木)から3月15日(水)まで。スマホ申告は国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」にアクセスを。

(2023年1月28日付紙面より)

管内1市4町1村の首長らがスマホ申告を模擬体験した=26日、新宮市役所
2023年01月28日
2 4部門で上位入賞
 お弁当・お惣菜大賞2023  (新宮市のハイマート )

 新宮市内でスーパーマーケット「ハイマート」(同市井の沢)、「Bハイマート」(同市下田)を展開する㈱ハイマート(神﨑竜司・代表取締役社長)の商品4品がこのたび、「お弁当・お惣菜(そうざい)大賞2023」の弁当部門と巻き寿司部門(定番商品部門)で優秀賞、惣菜部門と麺部門で入選した。

 (一社)全国スーパーマーケット協会が主催する同大賞。全国のスーパーマーケットや専門店、コンビニエンスストアなどで実際に販売している数多くの弁当や惣菜、サラダ、パンなどの中から、食の専門家で構成された審査員により、特に優れた商品を選出し表彰するもので、今回で12回目を数える。

 今回は、2021年10月1日から22年9月30日に販売された商品を対象に昨年7月から9月末にかけてエントリー期間を設け、作品を募集。▽弁当▽惣菜▽定番商品▽サラダ▽丼▽おにぎり―などの11部門に全国から1万4286件の応募があり、216件が入選以上に選出。同社は初エントリーにして、4部門で上位入賞を果たす快挙を遂げた。

 地産地消、食品ロス削減、地元PRなど、食品販売を通して地域社会に貢献できる商品作りを展開する同社。小数精鋭の料理人を中心に構成されている惣菜部門では、確かなおいしさと新規性を伴う商品開発を行っている。

 弁当部門で優秀賞に輝いた「熊野産あまごのオイル煮(コンフィ)きゅうりのサルサ弁当」(関根一正さん開発)は三重県熊野産の養殖アマゴを使用。低温で長時間かけて加熱し骨まで軟らかく調理をした。健康志向にもこだわり、米は古代米と十六穀米を使用している。

 巻き寿司部門で同じく優秀賞に選ばれたのは「めはりさんま寿司」(栗須秀行さん開発)。当地方の郷土料理「さんまずし」と「めはりずし」を一度に味わえるようにと考案。サンマが乾くのを防ぐため、白板昆布を挟んで風味をアップさせた。

 惣菜部門で入選した「紀州勝浦産まぐろのスペアリブ(醤油味)」(関根さん開発)は「通常廃棄されるマグロの腹骨とその周囲の身を、余すところなくおいしく提供を」との思いで未利用部位を活用し、ブランドマグロを比較的リーズナブルに提供。

 麺部門入選の「紀州勝浦産まぐろの塩糀と南高梅のパスタ」(堀祐輔さん開発)は紀州の食材をフル活用。こだわりの調理法でふっくら仕上げたマグロの端材に南高梅の酸味、ごまと大葉の香りをプラスしたご当地パスタに仕上げた。

 開発者の3人は、受賞の知らせを受け「社長も含めてみんなでびっくり」と笑顔。堀さんは「正直、今はまだ賞を頂いたという実感はないです」としながらも「地元の食材は絶対に使用しようと思って考案した。全国規模のコンテストなので、地元食材や地域のPR、ひいては地域活性化につながればうれしい」と喜びを語った。

 神﨑代表取締役社長は「熟練の職人さんばかりなので、この強みを生かして絶対に挑戦したいと思っていた。料理人の皆さんや広報、スタッフ。チームで分担して挑戦できたのが一番大きかったと思います」。

 「見栄えや形、食べやすさ、味付け。これからもお客さん目線で商品開発をしていければ」と話していた。

 今回入賞した商品は「ハイマート」「Bハイマート」の両店舗で取り扱い中。仕入れや仕込みの状況にもよるが、少なくても4品中2品は店舗に並ぶという。金額は「熊野産あまごのオイル煮きゅうりのサルサ弁当」702円、「めはりさんま寿司」637円、「紀州勝浦産まぐろのスペアリブ」430円、「紀州勝浦産まぐろの塩糀と南高梅のパスタ」400円で全て税込み。営業時間は午前9時~午後7時(両店舗共通)。

(2023年1月28日付紙面より)

商品を開発した(左から)堀祐輔さん、栗須秀行さん、関根一正さん
入賞した商品は「ハイマート」「Bハイマート」の両店舗で販売中
2023年01月28日
3 星空に興味を持つ一助に 串本古座高主体で観望会 (串本町)

 串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家で25日に夜空と宇宙を楽しむ観望会があり、子どもから大人まで23人が参加して星空に興味を持つ一助にした。

 この観望会は、県青少年育成協会事業「リレー式次世代健全育成事業」の地域の育成力強化ワークショップとして串本町青少年育成町民会議と県立串本古座高校が主催。

 2024年度の普通科宇宙探究コース〈仮称〉開設に向けた準備を進める同校がその特色を生かした地域貢献として企画し、同会議と連携して小中学生やその家族と一般に事前申し込みを呼びかけたという。

 当日は同校の普通科改革コーディネーター・中田勝夫さんが講師を担当。序盤は予備知識の提供で、中田さんは星座早見盤の使い方やアプリケーションソフト「ステラナビゲーター」を用いて冬の主要な星座やこの日夜半に見ることができる惑星などを解説し、星座にまつわるお勧めの神話も1編紹介して興味を誘った。

 中盤以降は中田さんの補助として生徒有志の大西杏果さん、岡地凛さん、前春菜さん(以上3年)、松原遥希さん、清野健太郎さん、浅利海斗さん(以上2年)、計6人も参加者の活動を支援。同家集いの広場で望遠鏡や双眼鏡を使い月や木星、アンドロメダ銀河などを観望し、予備知識として紹介された惑星や星座を星空の中から探し出しじかに確かめるなどした。愛好家の櫨木(はぜのき)芳髙さんも有田市から駆け付け、愛用する反射式望遠鏡や同校が準備した望遠鏡や双眼鏡を適切に設定するなど良好な観望環境づくりに協力した。

(2023年1月28日付紙面より)

反射式望遠鏡で月などを観望する参加者=25日、県立潮岬青少年の家
実施に当たりあいさつする串本古座高校の中田勝夫さんと生徒有志
2023年01月28日
4 移動販売しつつ見守り
 岡村とうふと協定締結  (那智勝浦町 )

 移動販売「岡村とうふ」を営む三重県松阪市の有限会社岡村(西口鐵也代表取締役)と那智勝浦町は26日、「地域における見守り活動に関する協定」を締結した。販売で地域を巡りながら高齢者などの見守り活動を行い、異変があれば町や警察、消防などに知らせるというもので、和歌山県の市町村では初となる。

 岡村は三重県の全域、和歌山県、奈良県、愛知県、滋賀県の一部で、とうふやパン、買い取った地域特産品などの、車両による移動販売を行っている。見守り活動の協定は三重県ではすでに、全市町と締結しているという。那智勝浦町も岡村からの申し出を受け、締結に至った。

 西口代表取締役は「(移動販売で)決まった場所にお伺いしているので、いつも来る人が出てこないなど、違いが分かりやすい。買ってもらえなくても地域に伺うことを基本とし、地域に密着させてもらっている。何かあったら、行政のお手伝いができるかと。今後も協力させていただければ」と話した。

 堀順一郎町長は「本町の高齢化率は43%に達し、1人暮らしも多い。連絡がつかないからと行くと、亡くなっていることもある。異変を察知してもらえれば、安心安全なまちの実現につながるかと。犯罪抑止にも役立つと期待している。協定の締結に感謝を申し上げる」と述べた。

(2023年1月28日付紙面より)

協定書を持つ西口鐵也代表取締役(左)と堀順一郎町長=26日、那智勝浦町役場
2023年01月28日
5 最優秀「熊野の森で大合唱」 フォトコン入賞作品発表 (南紀熊野ジオパーク)
2023年01月28日
6 脱炭素で実証実験  新宮の企業が大阪で挑戦  (三和建設株式会社 )
2023年01月28日
7 SNS上の誹謗中傷対策は  スマイリーキクチさんが人権講話  (和歌山県 )
2023年01月28日
8 広角用地にベンチが登場  井筒建設が市に寄贈  (新宮市 )
2023年01月28日
9 人々の平穏無事や安寧願う  那智四十八滝寒行を厳修  (熊野修験 )
2023年01月28日
10 10人が受講し使用資格得る  動物追い払い用花火講習会  (古座川町 )
2023年01月28日
11 小中学生9人が競い合う  第18回年始少年剣道大会  (串本町 )
2023年01月28日
12 175人が灯室をじかに見学  潮岬灯台で特別一般公開  (串本町 )
2023年01月28日
13 3年間の集大成、力作ずらり  ピネ内で「卒業発表会」  (紀南高校 )
2023年01月28日
14 地域の防災に活用を  鮒田区にフォーク寄贈  (ハヤミ重機に感謝状 )
2023年01月28日
15 ネット被害に遭わないよう  6年生が保護者と学ぶ  (鵜殿小 )
2023年01月26日
16 熊野地方も白銀の世界
  

 今季一番の非常に強い寒気が流れ込んだ24日から25日にかけて、太平洋側にも雪雲が流れ込み、熊野地方に積雪をもたらした。太平洋側では25日、天気が回復して晴れる所も多くなる見込みだが、依然として冷え込みは続く予報。路面凍結や水道管凍結などに注意が必要だ。

 気象庁によると、25日朝の最低気温は▽古座川町西川で氷点下4・1度▽熊野市新鹿で氷点下3度▽新宮市で氷点下2・5度▽串本町潮岬で氷点下2・2度―など、各地で平年を大幅に下回った。熊野市、御浜町、紀宝町では一時大雪警報が発表された。

 JR西日本と東海は25日、大雪の影響で周参見―新宮間、新宮―多気間で一時運転を見合わせた(同日正午現在)。

 和歌山県では25日午前8時現在、県内道路11路線(17区間)で通行規制を実施。那智勝浦新宮道路の市屋ランプ交差点―高森交差点間を通行止めとしている。

  □     □

■雪遊びに大喜び



 太地町立太地小学校では、1時間目の授業を変更して雪遊びに。普段、触れる機会の少ない雪の感触を楽しんだ。大石湧琉君(4年)は「こんなに積もったのを見るのは初めて! 1時間目の算数が雪遊びになってうれしい」。畑地咲音君(同)は「雪合戦と雪だるま作りをする」と笑顔で話していた。

(2023年1月26日付紙面より)

新宮市の熊野川河川敷=25日午前8時30分ごろ
JR紀伊勝浦駅=同日午前7時ごろ(読者提供)
紀宝町大里=同日午前9時30分ごろ
七里御浜海岸=同日午前9時30分ごろ
珍しい雪の感触を楽しむ児童ら=同日午前8時ごろ、太地小学校
2023年01月26日
17 3年ぶり区外参拝迎え営む
 添野川でいくさ地蔵尊例祭  (古座川町 )

 古座川町添野川(そいのがわ)にあるいくさ地蔵尊で24日、例祭が営まれた。今年は区外参拝を受け入れ、航空自衛隊串本分屯基地の鳥塚直樹司令と仲本耕士副町長も代表参列。添野川区の山崎勝好区長を筆頭に12人が信心を注いだ。

 大坂の陣に出兵した出身者・彦八が往路で野にうずもれたこの地蔵尊に気付き、里に一人残す母の元へと戻れるよう祈願。無事帰路に就くことができ、この地蔵尊を添野川へ迎え安置したとされる。

 その伝承にあやかって戦時に弾よけの護符を配り全国から参拝を集めた経緯もあり、その名残を示すように例祭には串本町須江にある同基地の歴代司令が遠路参拝するところとなっている。

 現在は添野川にある善光寺(伊藤收工住職〈兼務〉)の境外地蔵として護持し、毎年1月24日の午前10時に法要を営んでいる。今年は雨上がりで寒さが幾分和らぐ中でほこらを開帳し、同地蔵尊をじかに拝みながら順次焼香。恒例の餅まきは参列少数により餅配りへと置き換えたが、ほぼ例年通りの形で例祭を収めた。

 おととしと昨年は新型コロナウイルス感染拡大を抑えるため区外からの参拝の遠慮を呼びかけたため、受け入れは3年ぶりとなる。伴い歴代司令の慣習を受け継ぐこととなった鳥塚司令(51)は「隊員のみならず同基地一帯の皆さまの生活を守ってほしい、という思いで安全を願いに参った」とコメント。山崎区長(74)は「今年は司令や副町長をお迎えできて良かった。願うところの第一は区民の健康だが、ここはいくさ地蔵。私たちだけでなくウクライナ侵攻が終息しみんなが健康で過ごせれば」とこの地蔵尊に願うところを語った。

(2023年1月26日付紙面より)

いくさ地蔵尊をじかに拝んで信心を注ぐ参列一同=24日、古座川町添野川
2023年01月26日
18 ふるさとの歴史と文化
 熊野曼荼羅絵解きで学ぶ  (城南中学校 )

 城南中学校学校運営協議会(森本祐司会長)は24日、新宮市立城南中学校(吉田元紀校長)で、ふるさと学習として「熊野曼荼羅(まんだら)の絵解き」を行った。2年生52人が半数ずつ、組ごとで受講。生の絵解きに触れ、熊野の歴史と文化についての知見を深めた。

 昨年も2年生を対象に行っており、2回目となる。新宮市観光協会ガイドの西浦康代さんが絵解き役として、熊野比丘尼(びくに)の装束をまとい、森本会長と共に参加した。なお森本会長は、同協会の専務理事でもある。

 森本会長はあいさつで熊野比丘尼を「熊野三山を全国で紹介した女性ら。熊野詣でを全国に広めたと言えると思う」と紹介。「今日の絵解きは、人の一生の話。ぜひ最後まで楽しんで」と呼びかけた。

 西浦さんは絵解きに先立ち、熊野の歴史と文化についてスライドで説明。平安時代に京都から多くの皇族や貴族が、熊野古道を通って熊野三山に訪れ、「蟻(あり)の熊野詣」と呼ばれたこと。熊野古道には「中辺路」「大辺路」などがあること。2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産登録されたことなどを語った。

 戦国時代以降になると、だんだんと参詣者が少なくなったため、熊野比丘尼が絵解きを行い、熊野信仰を全国へ広めたことを解説。年に1度、所属寺院に寄付を納め、免許を更新して、再び全国へと旅立ったことも伝えた。

 この後、「熊野観心十界曼荼羅」の絵解きを実施。絵柄を指し示しながら、人が生まれ、人生の坂を上りやがて下ること。生前の行いによっては畜生道、餓鬼道、地獄道などに転生すること。落ちる地獄も罪状によって種類があることなどを、時折歌を交えつつ語った。「生前の心がけ次第で素晴らしい世界に行けるが、もっと大事なことは熊野にお参りすること」とまとめた。

 谷奥光輝(みつき)さん(14)は「(歴史や文化で)知らなかったこともたくさんあった。絵解きを聞くのも初めてで、自分がした悪いことの内容でどの地獄に行くかが決まっているところが興味深かった」と話した。

(2023年1月26日付紙面より)

熊野曼荼羅の絵解きを行う西浦康代さん=24日、新宮市立城南中学校
ふるさとの歴史や文化に関する知見を深めた
2023年01月26日
19 家内安全や無病息災祈り
 宝光寺で斎講営む  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町長井の宝光寺(西山十海住職)で24日、恒例行事の斎講(ときこう)が営まれた。参列した地域住民らは、大念珠とも呼ばれる大きな数珠を全員で繰りながら、家内安全や無病息災を祈った。

 斎講は元々、仏に昼食をささげる儀式で、「皆で集まって食事を取る」という意味もある。昔の人々が稲刈りを終え、農作業を休む日として、ねぎらいの意味もあったとされている。

 西山住職によると、正月や田植え、収穫など縁起の良い善月の1月、5月、9月に合わせて祈祷(きとう)を行う善月祈祷の一つでもあるという。

 例年は餅まきも盛大に行われ、厄年の住民が餅をまき、多くの人々でにぎわっている。コロナ禍となってからは、3年間中止で法要のみとなっている。

 この日は西山住職が読経し、住民らが大きな数珠を全員で持ち、百万遍数珠繰りを行った。その後、子安地蔵で厄払いの法要があり、前日に住民らが準備した餅を紙に包んだ「護符」が配られた。

 斎講を終え、西山住職は「斎講は田垣内や大野地区などでも営んでいるが、百万遍の数珠繰りがあるのはこの寺のみ。斎講と数珠繰りは元々別のものだが、時代の流れの中で一緒になったのでは。今日は1年間の家内安全や無病息災を念じて祈祷いたしました」と話した。

 尾﨑嘉彦区長は「コロナの終息や家族、皆さまの健康などを祈った。地域の高齢化で、伝統ある行事の継続も難しくなりつつある。しかし、皆さんと協力しながら今後も続けていきたい」と語った。

(2023年1月26日付紙面より)

家内安全や無病息災を祈り百万遍数珠繰りを行う住民ら=24日、那智勝浦町の宝光寺
子安地蔵でも法要が営まれた
2023年01月26日
20 寒さにひるまず咲き進む  観光協会前のヒマワリ  (串本町 )
2023年01月26日
21 松本山雅FCがキャンプ  総合運動公園多目的Gで  (串本町 )
2023年01月26日
22 地域活性化について学ぶ  紀宝町の取り組みから  (近大新宮 )
2023年01月26日
23 上野展望台の修繕が完了  宇久井ビジターセンター  (那智勝浦町 )
2023年01月26日
24 4年に1度の選挙イヤー  統一地方選で新宮市議選や県議選など  
2023年01月26日
25 「まっぷる新宮」配布中   
2023年01月26日
26 お菓子作りに挑戦  下田児童館で子ども料理教室  (新宮市 )
2023年01月26日
27 候補者12人の訴え  紀宝町議選  
2023年01月26日
28 期日前投票始まる  鵜殿地域交流センターで  (紀宝町議選 )
2023年01月26日
29 一面の星空、見上げる  紀宝町で冬の天体観望会  
2023年01月26日
30 2年ぶり、滝つぼ凍る  那智の滝も雪化粧  
2023年01月26日
31 お悔やみ情報
  
2023年01月22日
32 人手不足で給食に問題 3中学校、月2回なしに (那智勝浦町)

 那智勝浦町立の宇久井、那智、下里の3中学校の給食に、問題が生じている。調理員の不足により1月に2回、給食を提供できず生徒に「弁当持参」を求める事態に。募集は以前からかけているが人手不足で集まらず、18日現在で解消のめどは立っていない。

 3校の給食は多くの保護者の要望を受け、2020年7月に始まった。3校それぞれで調理するのではなく、下里中で3校分を調理し、他の2校へと運ぶ「親子方式」が取られている。22年12月までは問題なく給食を提供できていたが、調理員の不足は以前から生じており、休日の関係で1月に、とうとう提供できない日が生じてしまった。

 同町教育委員会によると、調理員の不足は定年も含む退職に伴うものだが、突然退職するわけではないので当然、それを見越した新規募集はかけていた。しかし応募はなく、つい最近になって、ようやく1人採用になったが、それでも不足の解消までは至らず、今も募集はかけ続けているという。

 2月以降の給食の提供に関しては、3校ともに18日現在、検討中。同町教委は「一日も早く必要数の調理員を確保し、(登校日は)毎日提供できる体制を取っていきたい」と伝えている。

 また、調理員の募集に関しても「興味がある方は、ぜひ連絡を」と呼びかけている。問い合わせは、那智勝浦町教育委員会学校教育課(電話0735・52・4686)まで。

(2023年1月22日付紙面より)

調理員の不足で給食提供に問題が生じている=18日、那智勝浦町立宇久井中学校
2023年01月22日
33 次世代に自然を残すために
 産廃車両の抜き打ち検査  (新宮市 )

 和歌山、三重両県は20日、新宮市五新の新宮自動車整備工業協同組合で産業廃棄物運搬車両に対する抜き打ち検査を実施した。警察官が車両に停止を求め、県職員らが運転手たちに積載物の内容や排出先などを聴取し、軽油の抜き取り調査も行った。悪質な事案については雇用主に対し、指導・警告などを行う。

 廃棄物処理法違反の罰則は、5年以下の懲役、1000万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金が科せられる。この検査は、産業廃棄物の不法投棄など不適正処理の未然防止と環境汚染の原因である不正軽油撲滅が狙い。

 和歌山県による抜き打ち検査は2016年度から県内各地で開始され、両県での実施は今回で6回目。21年度はコロナ禍のため、中止となった。

 県によると、19年度は新宮市で実施し11台を検査。法定書類を所持していないなどの違反が3件あった。20年度は三重県御浜町で6台を検査し、指摘事項はなかったという。

 この日は、和歌山県環境生活部環境政策局循環型社会推進課廃棄物指導室や東牟婁振興局健康福祉部衛生環境課、和歌山県税事務所、三重県環境生活部廃棄物対策局廃棄物監視・指導課、新宮警察署から約20人が参加。

 産業廃棄物積載車両が3(がれき類1、木くず2)台、その他空車6台の計9台を調査し、軽油の抜き取りも実施。結果、携帯書類や車両表示の不備などについて、3件の指導を行ったとした。

 また、抜き取った軽油に混和の嫌疑があるものは販売先など、流通経路を調査し、原因が確認された際は、課税処分が行われる。

 県環境生活部循環型社会推進課廃棄物指導室の秋月邦洋室長は「両県には優雅な自然環境がある。次世代の子どもたちに残すためにも活動を進めている。今後も不正行為の抑止のために、三重県や関係機関と連携して取り組んでいきたい」と話していた。

(2023年1月22日付紙面より)

産業廃棄物運搬車両を聴取する県職員ら=20日、新宮市五新の新宮自動車整備工業協同組合
積載物の確認も実施した
2023年01月22日
34 獣害対策=餌付けをやめること
 豊かな里山づくり講座  (紀宝町 )

 獣害研究家の「雅(まさ)ねえ」こと、井上雅央さんを招いての「豊かな里山づくり講座」が19、20日の2日間、紀宝町であった。2日とも約30人が参加し、初日は紀宝はぐくみの森で講演、2日目は阪松原地区で現地実習があり、参加者は「餌付けをやめる」といった発想の転換による獣害対策を学んだ。

 みえ森と緑の県民税市町交付金事業を活用し、町立図書館が主催。獣害研究家の井上さんは、獣害対策で目覚ましい実績を挙げ、全国各地で講座を開いている。

 講演では「獣害対策は分かれば簡単」と切り出し「動物は安心して食べられる場所に住みたいだけ。安心できる場所こそが餌付け。獣害に遭う田畑は餌付けに成功したことと一緒。対策は餌付けをやめるだけ」と伝えた。

 柵は「気休め柵」と「効く柵」があるとし、見た目は同じだが効く柵は3重構造。柵の外側は見渡しを良くし、周辺は餌なしゾーンにする。動物から届く餌や隠れるスペースがない所に挟まれた柵のみが効果を発揮する。イノシシ目線でどう見えているかが重要と説明。「動物に食べられて腹が立っても立たなくても餌には変わりない。イノシシやシカが悪いのではなく、餌付けした自分が悪い。餌付けをやめるための環境づくりを」と発想の転換を求めた。

  □     □

■〝えらいこっちゃ〟の場所は?



 2日目は、阪松原地区の協力を得て現地実習。田や畑で柔らかい緑の草、電気柵の隙間、入り口の開いた柵などの餌場を見つけ、全員で「えらいこっちゃ」と声を張った。

 井上さんは「何が起きているか理解しないと失敗する。動物の立場に立って考えると分かってくる」と強調。▽毎日食べないと生きていけない▽体験を基に行動する▽その日の餌が見つかればいい▽安心できる場所に住みたいだけ―といった動物の習性を紹介し「田んぼや畑に現れるのは餌があって安心だから。動物に住もうと思わせた自分が悪い」とした。

 「稲刈り後の田はごちそうの宝庫。柵の入り口が開いていると入りたい放題になる。『冬は入られてもいい』が間違い」と指摘し「稲刈り後も電気柵を撤去せず、24時間通電を」とアドバイス。

 「10月に草刈りすると餌がなくなる2月にごちそうの草が生えてくる。9月10日ごろまでに刈ると冬枯れして餌ではなくなる」と解説。「田んぼや畑は皆さんの宝物。みんなで気付き、教え合おう」と呼びかけた。

(2023年1月22日付紙面より)

井上雅央さんと共に餌付けにつながる場所を見つける
2023年01月22日
35 困難乗り越え新たな出発 卒業証書授与式を挙行 (近大新宮高)

 新宮・東牟婁地域のトップを切って21日、新宮市の近畿大学附属新宮高校(池上博基校長)で第58回卒業証書授与式が挙行された。3年にわたるコロナ禍で最も影響を受けた学年ともいわれる本年度の卒業生122人が、困難を乗り越えそれぞれの道へ新たなスタートを切った。

 池上校長が各クラスの代表者に卒業証書を授与。式辞では思想家ルソーの言葉を引用し「卒業生の皆さんにとって、人としてより良く生きるための誕生の場、自分ならではの価値を創造した場が本校。自ら学習し、考え、困難を克服し、素晴らしい『第二の誕生』を迎えられたであろうことを確信している」と述べ「本校で学んだ誇りを胸に、これからの時代を力強く生き抜いて」と言葉を贈った。

 卒業生を代表して小屋敷卓真さんが、入学直後の休校や近大新宮祭をはじめとする多くの行事の中止など、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた高校生活を振り返り「高校生活には密な場面がつきものなのに、いろいろな制限によって我慢を感じることも多くあったが、この3年間を過ごした私たちはより強く成長することができた。これからは、社会をつくり上げる一員となれるよう頑張っていきたい」と述べ、これまでの生活を支えた家族や教職員ら全ての人に感謝を伝えた。

(2023年1月22日付紙面より)

卒業生を代表して小屋敷卓真さんが答辞=21日、新宮市の近畿大学附属新宮高校
2023年01月22日
36 小さな実が無数に  新宮市でフユイチゴ  
2023年01月22日
37 薬物のいらない社会とは  下里中で小林仁さんが講話  (那智勝浦町 )
2023年01月22日
38 正月の遊びを満喫  丹鶴幼が「たこ揚げ大会」  (新宮市 )
2023年01月22日
39 「山のごちそう」味わう  給食に和歌山県産シカ肉  (宇久井小 )
2023年01月22日
40 地域福祉への尽力に感謝  管内の3人に表彰状を伝達  (東牟婁振興局 )
2023年01月22日
41 救急出動は過去最多に  第7、8波の影響受け  (熊野市消防管内 )
2023年01月22日
42 動き合わせてダンス練習  1、2年生が発表会に向けて  (矢渕中 )
2023年01月22日
43 広報誌朗読しCDに  しおり会に厚労大臣表彰を伝達  (御浜町 )
2023年01月22日
44 お悔やみ情報
  
2023年01月18日
45 シャチのご当地ポストでPR
 役場前に4基目を設置  (太地町 )

 太地町は17日、役場庁舎前でシャチをモチーフにした青色のご当地ポストのお披露目を行った。町内4基目となるポストで、これまでと同じく「クジラの町 太地町」をPRしていく方針だ。

 ポストは地域振興や観光資源化などを目的に、日本郵便と連携して町が寄付する形で設置に至っている。

 地域の特色を示すご当地ポストは各地にあり、本紙エリア内ではJR那智駅に黄色のポスト、熊野本宮大社に「八咫(やた)ポスト」がある。

 同町ではこれまでに、太地町立くじらの博物館前と道の駅「たいじ」、JR太地駅舎前にポストを設置。町内外の人や観光客などに人気の撮影スポットとなっている。

 今回も3基と同様、地元で活動するクジラの造形愛好家らで組織する「ホエール・アート・ミュージアム」の山門基秀さん、前芝真人さん、石田一勝さんらが制作。

 オスとメスのシャチのシルエットが描かれているほか、上部には強化プラスチック製の愛らしいシャチがはがきを持ったデザインとした。完成には約2カ月を要した。

 山門さんは「クジラ観光の町。セミクジラ、ゴンドウクジラ、バンドウイルカに続き、今回は人気鯨種のシャチ。SNS(交流サイト)でも喜んでもらえたら。観光客は博物館止まりだが、これまでのポストに加え、役場への設置で、町中への動線ができれば。今後も継続し制作していきたい」と話した。

 式典では日本郵便近畿支社郵便・物流オペレーション部集配担当部長の松本光功さんが「ポストが地域住民の方々、観光業への橋渡しとして活躍できれば幸いです」。

 紀南地区連絡会統括局長の南方慎一朗さんが「観光の起爆剤になれば。今後も自治体と連携して地域を高め、盛り上げる取り組みを進めていきたい」とあいさつ。

 漁野洋伸副町長は「地元技術者の皆さま、日本郵便さま、太地郵便局さまの尽力に感謝している。ポストは町内外から高い評価を受けており、観光や地域振興につなげていきたい」と話した。

 太地郵便局の小河則行局長は「記念撮影をしたり、手紙を投函(とうかん)いただくことで、『クジラの町 太地町』のPRとなる。多くの方に、町に来ていただき、地域の発展・活性化の一助となれば」と語った。

 式典前に、新ポストの設置が行われた。元々あったポストは、長年の役目を終え、撤去された。

(2023年1月18日付紙面より)

シャチをモチーフとした4基目のご当地ポストが設置された=17日、太地町役場
シャチのご当地ポスト
2023年01月18日
46 最強メンタルをつくるには
 神倉少年野球クラブが学習会  (新宮市 )

 神倉少年野球クラブ(須川幸太監督)は15日、新宮市福祉センターでメンタルトレーニングに関する学習会を開いた。株式会社輝(き)っかけ代表取締役の増田篤紀さん(33)が「可能性の発揮~実力発揮にはコツがある~」と題して講話し、クラブ所属の選手8人やコーチ、保護者らが参加した。

 「心技体+生活」を基本とする神倉メソッドを共有し、技術向上や体づくり以前の「心」の段階から成長を促そうと今年初めて企画。増田さんは「人が輝くきっかけをつくる」を目標に、甲子園出場を目指す全国の高校球児たちのメンタルコーチを務めている。

 増田さんは最初に「スポーツには心技体という言葉があるが、心は見えないから、どうやって鍛えればいいのかあまり理解されていない」と話し、野球でいいプレーができるときの心の状態として▽自信がある▽楽しい(ワクワク)▽感謝―の三つを挙げた。最強メンタルをつくるため「言葉、表情、動作にはそれぞれプラスとマイナスがある。『疲れた』『めんどくさい』という言葉を、『頑張った』『最高』『ナイス』などに変えていこう。学校でも家庭でも、いい言葉、いい表情、いい動作で過ごすことがいい心をつくる」と説明した。

 実際に、本気のじゃんけんやナンバーワン宣言といった手法を実践。「○○(名前)スマイル!」と言って笑顔をパスし合う「スマイルパス」では、子どもたちから「楽しかった」との言葉がこぼれた。

 南春大(はるひろ)君(9)は「本気のじゃんけんが面白かった。これからの練習で、声を出すことを頑張りたい。フルスイングのナンバーワンになりたい」。

 須川監督は「最初は恥ずかしいという感情が勝っていたが、途中からいい雰囲気になったのでは。子どもたちの主体性を引き出していくことは、必ず今後の人生にも役立つはず。練習前に教わった手法を実践していく」と話していた。

(2023年1月18日付紙面より)

「スマイルパス」を実践する選手たち=15日、新宮市福祉センター
増田篤紀さん
2023年01月18日
47 町内の平穏無事と終息祈る
 海翁禅寺で秋葉山大権現祈祷  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町勝浦の臨済宗海翁禅寺(武内宗隆住職)で15日、一年の間、町内で火災や盗難がないよう祈願する「火盗守護秋葉山大権現御祈祷(きとう)」が営まれた。町消防団(下地将仁団長)の幹部や団員7人が参列した。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、前夜は規模を縮小してどんど焼きを実施。おととし、昨年に引き続き、15日の餅まきも中止となった。

 今年の祈祷は天候不良のため、山頂の祠(ほこら)では行わず、「熊野弁財天」「火盗守護秋葉山大権現」「熊野波切不動」が祭られる同寺広間で実施された。

 武内住職と武内洪淵(こうえん)副住職が読経を行い、火伏せの神「火盗守護秋葉山大権現」に今年の平穏無事を祈願した。

 また、昨年に引き続き、洪淵副住職の息子の弥那人(みなと)君(勝浦小2)も法衣を身に着け、参列した。

 下地団長は「町内の災害や火災がないように安全を祈るととともに、コロナ終息も祈念しました」。

 洪淵副住職は「火災や盗難の減少に加え、すぐには難しいと思うが、コロナ禍以前の生活に戻ることができるように祈りました」と話した。

 武内住職は「町内の皆さまの無事と安全を祈願いたしました。早くコロナが終息し、これまで通りの生活が無事に送ることができる年になってほしい」と語った。

 同寺の「火盗守護秋葉山大権現」は町消防団が願主となって建立され、1969(昭和44)年に同寺総檀家(だんか)が再建したという。

(2023年1月18日付紙面より)

秋葉山大権現祈祷が営まれた=15日、那智勝浦町の海翁禅寺上の山頂
前日のどんど焼きでは雨対策をして実施(海翁禅寺提供)
2023年01月18日
48 世代超え津波避難考える
 田原で「逃げ地図」WS  (串本町 )

 串本町田原にある山村交流センターで16日に「逃げ地図」づくりワークショップ(WS)があり、同町立田原小学校(山路和彦校長)の3~5年生7人と田原区(宮本敏治区長)の区民8人らが世代を超えて津波避難を意識し考える機会を得た。

 このWSは、文部科学省「防災対策に資する南海トラフ地震調査研究」を受託する京都大学防災研究所が主催。南海トラフを震源とする大地震に伴う津波の到達が早い点で同町総務課防災・防犯グループへ実施を相談し、同グループも迅速な避難の啓発に役立つとして協力することとしたが、いざ実現を目指す段階で新型コロナウイルスの情勢に直面。踏み出せない状況がしばらく続き、この日ようやく感染症予防対策を講じて実施へとこぎ着けたという。

 「逃げ地図」は東日本大震災を教訓とし、津波避難の発想を支援する取り組みとして日建設計ボランティア部が考案。同研究所はその実践研究を重ねる明治大学の山本俊哉教授の研究室と田原小や田原区を仲立ちし、作成と検討の両機会を届けた。

 当日は田原小と田原区に加え、町職員も参加。山本教授は津波避難タワーの有無と避難経路の支障(倒壊による通行不能状態)の有無で四つの前提を示し、各前提に3者が入り交ざるようグループ分けし同研究室や同研究所のメンバーも後押し役で加わって「逃げ地図」づくりに取り組んだ。

 この地図は同区の白地図上にまず避難先(高台)をマークし、後期高齢者が3分間で歩ける距離を示す革ひもを定規にして避難経路を段階的に塗り分けた内容。色は避難先に近い区間から順に緑→黄緑→黄色→オレンジなど遠いほど赤に近づく使い分けをし、避難先までどれぐらいの時間がかかりどの辺りが津波第1波到達に対し厳しい状況かが分かる形に仕上がった。その結果や感じた事柄を発表して作成を終了。以降は大人のみの第2部とし、「逃げ地図」で見えてきた地域の課題解消の検討を体験した。

 一連の活動を経て山本教授は「この取り組みにはいろいろと良いところがあるが、どこに逃げられるかが大人から子どもへ伝わった点で子どもにも良い経験ができたと思う」、仲立ちをした同研究所の牧紀男教授は「(津波から)逃げられることをちゃんと知ることが大切。今日はそのいい機会になったと思う」と講評。宮本区長は「教わったことを頭に入れ、いざというときに対応していきたい」とあいさつをし、実施に感謝した。

 田原小の寺西秀君(5年)は「(田原区内は)道が狭いことやブロック塀が多いことが分かり、怖いなと思った。学校とか山の近くにいる時間をもっと増やそうかなという気持ちになった」と取り組みの実感を語った。

(2023年1月18日付紙面より)

「逃げ地図」づくりに取り組む田原小児童ら=16日、串本町田原の山村交流センター
「逃げ地図」から見えてきた課題検討の結果を発表しあう田原区民ら
2023年01月18日
49 元気良く体を動かす  浦中さんの「あそびライブ」  (鵜殿保育所 )
2023年01月18日
50 大岡春雄さんに感謝状  平典子さん人権擁護委員に委嘱  (紀宝町 )
2023年01月18日
51 農作物の出来が良い年に  林松寺で作柄占う試粥会  (御浜町 )
2023年01月18日
52 生徒会の有効活用に協力  城南中でリサイクルバザー  (新宮市 )
2023年01月18日
53 井関クラブを修復  外観一新、倉庫も増設  (那智勝浦町 )
2023年01月18日
54 新年のお茶稽古に励む  浮島児童館で「初釜」  (新宮市 )
2023年01月18日
55 地殻流体で連動性考える  北佐枝子さん迎え講演会  (南紀熊野GPC )
2023年01月18日
56 雨で仮設道路崩れる 大斎原の潜水橋 (田辺市本宮町)
2023年01月18日
57 お悔やみ情報
  
2023年01月17日
58 ゴトビキ岩に新しめ縄
 御燈祭りを前に青年団らが奉仕  (新宮市 )

 国の重要無形民俗文化財「御燈祭(おとうまつ)り」(2月6日)を前に新宮市の神倉神社で15日、神倉青年団ら約30人がご神体の巨岩「ゴトビキ岩」のしめ縄を張り替えた。

 「御燈祭り」は1400年以上前から続くとされており、例年、全国から多くの上(あ)がり子たちが参加し神倉山上で松明(たいまつ)に御神火を受け、山門の開閉とともに急峻(きゅうしゅん)な石段を一気に駆け下る勇壮な祭り。

 しかし、新型コロナウイルス感染症第8波の襲来を案じ、長時間の3密が避けられない状況にあり、クラスター(感染者集団)が発生する危険が高くなることを考慮し3年連続で最少人数の神職と介釈(かいしゃく)のみで営まれる。当日は正午から神倉山への入山を制限し、報道関係者や一般撮影者の入山も禁止。翌7日(火)の御燈祭り奉祝祭や餅まきも中止する。

 この日は祭りの運営を取り仕切り、介釈を務める青年団員や神倉神社奉賛会、市観光協会などが参加。曇り空の下、神倉農業実行組合(榎本晶組合長)が寄進した約200㌔(約500株)のわらで編み上げた長さ約30㍍、最大直径約20㌢の大しめ縄を青年団員たちが神倉山山頂付近まで運んで刺股や針金を使用してゴトビキ岩に巻き付けていった。

 奉賛会の猪飼三雄会長は「無事に作業を終えることができてよかった。通常の祭りとは形は違うが、やるべきことは変わらない。当日に向けて青年団と連携を図りながら準備を進めていきます」。

 青年団の中山忠吏団長は「今年も滞りなく無事に張り替えを終えられて安心しています。団員一同、気を引き締めて奉仕し上がり子たちの思いを胸に任務を遂行していければ」と話していた。

(2023年1月17日付紙面より)

協力してしめ縄を張り替える神倉青年団員たち=15日、新宮市の神倉神社
完成後にはゴトビキ岩へと運んだ
2023年01月17日
59 皇后盃駅伝で区間2位に
 潮岬中3年・久保凛さん  (串本町 )

 皇后盃第41回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会が15日に京都市内であり、串本町立潮岬中学校3年・久保凛さん(14)が第3区を記録9分21秒で駆け抜け区間2位の成績を収めた。

 この大会は日本陸上競技連盟が選手育成を目的として年1回実施。都道府県ごとに結成する中学2年生~社会人チーム9人で42・195㌔をつなぐ内容で、和歌山チームは中学生限定区間とされる第3、8区(いずれも距離3㌔)の選手として久保さんを含む3人を選抜し本番に臨んだ。

 久保さんは第40回大会に続いての出場。昨年秋にあった選考会〈女子3000㍍種目〉で、挑戦した16人中1位となるタイム9分44秒31を記録し、本番直前で発表されたオーダーリストでは前回同様にエース区間の第3区を走る位置付けがされた。迎えた本番では暫定44位でたすきを受け取り、区間10位だった前回よりもさらに28秒縮める記録で8人を抜き暫定36位でたすきをつないだ。

 目標とした区間3位以上とチーム貢献は達成した。さらに憧れた区間1位はジュニアオリンピックカップ(JOC)第53回U―16陸上競技大会女子1000㍍で得意の先行を許し終始その背中を追う展開となった相手・岡山県のドルーリー朱瑛里さん(3年)が獲得。区間新となる記録9分02秒で駆け抜け、久保さんは改めて同世代の高みを目の当たりにする結果となった。

(2023年1月17日付紙面より)

久保凛さん
2023年01月17日
60 3年ぶりに獅子が舞う
 井関青彦神社の例大祭  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町井関の青彦神社の例大祭が15日に営まれた。関係者約40人が出席して式典を行ったほか、3年ぶりに獅子舞を奉納。同じく3年ぶりの子ども神輿(みこし)の巡行と地下舞(じげま)わしもあり、久々に地域に活気が湧いた。

 青彦神社の例大祭は例年、式典、獅子舞奉納、神輿の巡航、お弓行事などを行っている。しかし去年とおととしは、コロナ禍に伴い規模を縮小、式典のみとなっていた。今年は、お弓行事は中止となったが、式典での獅子舞奉納と地下舞わし、子ども神輿の巡航を実施した。

 式典は、午前中に実施。井関区の石井康夫区長、楠本五三生(いさお)氏子総代長、井関神楽会の桑木野徳太郎会長などが参列した。熊野那智大社から出仕した神職が祝詞を奏上、参列者が玉串をささげて祈った。獅子舞奉納は久々とあって歓声があがり、特に市野々小5年の村井芹(せり)さん(10)と楠本小眞知(こまち)さん(11)による子ども獅子舞は拍手喝采を浴びた。

 午後に、子ども神輿の巡航と地下舞わしが行われた。地元の子どもらが「わっしょい、わっしょい」のかけ声とともに地域を練り歩いた。地下舞わしでは神楽の音が響き、鑑賞した多くの住民が手をたたいて喜んだ。

 石井区長は「雨が心配だったが、無事挙行できてうれしい。特に今年は、子どもの獅子舞と神輿が頑張ってくれた。お弓も来年はやりたい。人口も減るなかで、神楽会の若い人らが頑張ってくれた」と感想。

 楠本氏子総代長は「今日は井関の発展と、地域の皆さんの家内安全を願った。人も減ってきて先行きを心配していたが、神楽会の若い人たちが頑張ってくれた。伝統を守ってくれる人が出てきて喜んでいる」と語った。

 桑木野会長は「天気が晴れてよかった。滞りなく終わった。地下舞わしも大盛況で、特に子ども獅子舞が大好評だった。子ども神輿も盛り上がった。来年からも頑張りたい」と話した。

(2023年1月17日付紙面より)

3年ぶりに獅子舞を奉納=15日、那智勝浦町井関の青彦神社
子ども神輿が地域を練り歩いた
2023年01月17日
61 命の道、希望の道 全通へ前進
 「紀宝熊野道路」中心杭打ち式  

 紀伊半島一周高速道路「近畿自動車道紀勢線」(全長335㌔)の一部となる「国道42号紀宝熊野道路」の中心杭打ち式が14日、御浜町中央公民館であった。鈴木英敬、中川康洋両衆院議員、山本佐知子参院議員、一見勝之知事、大畑覚御浜町長、河上敢二熊野市長、西田健紀宝町長、国土交通省中部地方整備局の稲田雅裕局長が杭打ちし、命の道、希望の道とも呼ばれる紀勢線の早期全線開通へ一歩前進した。

 紀勢線は全線事業化済みで、熊野市久生屋町―紀宝町神内を結ぶ紀宝熊野道路(延長15・6㌔)は、2019年度に新規事業化された。御浜町には御浜インターチェンジ(仮)が設置される予定だという。

 式典は御浜町、紀宝町、熊野市、国土交通省中部地方整備局紀勢国道事務所が主催。新宮市の田岡実千年市長、那智勝浦町の堀順一郎町長、北山村の山口賢二村長、藤根正典、谷川孝栄両県議、近隣市町の議員ら約50人が出席した。

 御浜町ジュニアバンドの演奏で開幕し、大畑町長が「紀伊半島一周高速道路最後の区間となる紀宝熊野道路の早期全線開通に向け、全力で行動したい」と式辞を述べた。

 前知事の鈴木氏は「紀勢線は東紀州の希望の光、希望の道、次世代の道。一日も早く整備する必要があり、全力で取り組んでいく」、一見知事は「紀勢線の全線開通で三重県が力強く躍進できる。早期実現したい」と決意を新たにした。

 中心杭は測量に当たり、道路計画線の中心に打つ「目印杭」。壇上で8人が早期完成を願って杭打ちした。最後は西田町長が「新たな一歩を踏み出すことができ、歴史的な一ページを皆さまと一緒に喜びたい」と謝辞した。

 紀宝熊野道路は事業化後、測量・調査、予備設計、道路計画の地元説明がすでに行われ、地元に用地関係事業の開始を広く周知する「中心杭打ち式」を経て、今後、幅杭打設、用地調査が本格化する。

 紀勢線全線開通により、災害時救助活動、救急医療活動への支援、地域連携強化、観光・地域産業への寄与などが期待される。

(2023年1月17日付紙面より)

紀宝熊野道路の早期完成を願って杭打ちを行う=14日、御浜町中央公民館
紀勢国道事務所ホームページより
2023年01月17日
62 盛り上がる、3年ぶりの音楽祭
 ロックの部、10団体が演奏に熱  (新宮市 )

 第15回新宮市民音楽祭「ロックの部」が15日、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で開催された。地元団体など10団体が出演し、歌と演奏で会場を盛り上げた。

 新宮市民音楽祭実行委員会、市、市教育委員会が主催。市民音楽祭は1976年3月に第1回が開催され、合併前の旧市から数えると2011年の紀伊半島大水害の年を除いて45回続いている。

 合併後15回目となった今回は、新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりの開催に至った。今村義郎実行委員長は「『丹鶴ホール』建設に当たってはさまざまな問題があったが市当局の方々のご努力、市民の熱い思いが通って開館に至った。市民音楽祭はこれまで会場を渡り歩きながらなんとか今日まで継続してやってきたが、このホールでは1回目の開催。出演者の皆さんには日頃の練習の成果を十分に発揮していただきたい」とあいさつ。

 「この施設が文化の発信地として、新宮市だけではなく近隣市町村の活性化にもつながれば」と祈願した。

 ロックミュージックに合わせて舞台に登場した田岡実千年市長は「この新しいホールで音楽祭が開催されることは私にとっても喜ばしいこと。地域や世代、立場が違う人が一緒になって楽しめる音楽祭。皆さまの心が元気になることを願っています」と祝辞を述べた。

 音楽祭は「SIDE TRiP」の演奏で幕開け。10団体が持ち時間内で練習の成果を発揮し、来場者らは大きな拍手や手拍子などでステージを盛り上げた。

 同音楽祭「合唱・器楽の部」は22日(日)、同ホールで午後1時(正午開場)からを予定している。

(2023年1月17日付紙面より)

3年ぶりの開催に盛り上がる市民音楽祭「ロックの部」=15日、新宮市の「丹鶴ホール」
今村義郎実行委員長
2023年01月17日
63 親族知人で参拝迎える  峯の薬師如来堂で例祭  (古座川町 )
2023年01月17日
64 今年も規模縮小で段取り  水門神社祭礼「水門祭」  (串本町 )
2023年01月17日
65 新たな人権擁護委員に  北山村・藪本いづみさん  
2023年01月17日
66 インフルエンザ予防対策に努めて  和歌山県でも注意呼びかけ  
2023年01月17日
67 バイカオウレン  新宮市高田  
2023年01月17日
68 邪気払い、大漁など祈願  飛鳥神社でお弓神事  (太地町 )
2023年01月17日
69 感染者増を受け規模縮小  市野々王子神社例大祭  (那智勝浦町 )
2023年01月17日
70 火と煙から命を守る  火災想定して避難訓練  (井田小 )
2023年01月17日
71 今年最初の「紀の宝みなと市」  次回の2月は餅ほりを企画  (紀宝町 )
2023年01月17日
72 お悔やみ情報
  
2023年01月12日
73 集中力向上と健康に一石二鳥?
 バランスボールを試験導入  (新宮市 )

 健康増進などを目的に、新宮市役所で11日からバランスボールの試験導入が始まった。約2カ月間の効果検証を経て、全庁的な導入について検討していくという。

 バランスボールは、椅子として使用することで骨盤周りを刺激したり、体幹部を鍛えたりするもの。腰痛予防や姿勢改善などにも効果があるとされており、全国各地の自治体ではバランスボールを椅子代わりに使用する試みが広がっている。

 県内では、田辺市が昨年2月に本格導入。腰痛に苦しむ職員が多く、また価格も数千円からと安いことから、自費購入すれば使用可能とした。

 新宮市では、健康意識の高い若手職員からの提案を受け、健康増進の一環として試験導入を決定。使用を希望する職員ら約10人が自費でバランスボールを購入し、椅子代わりにバランスボールに座りながら職務に励んでいる。

 試験導入に先立ち、昨年11月からバランスボールに座って公務に当たっている田岡実千年市長は「たまに腰痛があって周りに勧められた。(腰痛が)良くなった気がする。使い続けることでさらに楽になることを期待しています」。

 総務課行政改革係の玉井祐貴係長は「おなかに力が入って腹筋に良さそう。自身は腰痛はないが、ダイエット効果が期待できそう。姿勢が良くなることで集中力も高まるので職務にも集中できて一石二鳥だと思います。本格的な導入に向け、検証を行っていきたい」と話していた。

 全庁的な導入が決定すれば新年度からの開始で職員が自費で購入することになる。

 なお、バランスボールを導入する企業や自治体は増えており、スポーツ庁が従業員の健康増進のためにスポーツ活動の促進に取り組む企業を認定する「スポーツエールカンパニー2022」でも、バランスボールを取り入れた企業が含まれている。

(2023年1月12日付紙面より)

バランスボールに座って職務に当たる職員ら=11日、新宮市役所
2023年01月12日
74 「来年こそ」の思いで
 塩竈神社で「脊美祭り」神事斎行  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町浦神の塩竈(しおがま)神社(井谷正守宮司)で8日、伝統の「脊美(せみ)祭り」が営まれた。祭り関係者8人が参列し、商売繁盛や船の安全などを祈願した。

 脊美まつり保存会(会長=並川廣・浦神西区長)が祭りや歴史を継承し、古来捕鯨の歴史を持つ同区でセミクジラを模したわら製の「脊美」を縁起物として用いる祭り。過去には成人の儀式として行われていたとされている。長年、捕鯨文化を継承していることから2016年に日本遺産「鯨とともに生きる」に認定された。

 例年は、井谷宮司が「鬼」と書かれた的を矢で射抜くと同時に、3人の脊美子が取り付けられた脊美を一斉につかみ取り西区区民会館まで全力で駆け抜ける儀式や東区の勇義社(畑下圭喜社長)による勇壮な獅子舞奉納、脊美音頭などを披露しているが、近年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から規模を縮小し、神事のみ斎行している。

 厳かな雰囲気の中、井谷宮司が神事を執り行い祝詞を奏上。参列者が玉串をささげ、コロナの収束を願った。

 並川区長は「無事に滞りなく神事を終え安心した反面、3年連続の規模縮小は残念でなりません。脊美子を区民の皆さんが料理でおもてなしをすることが大きな祭典の一つ。『来年こそ』という思いを諦めず、通常の祭りができるよう願い継承していければ」と話していた。

(2023年1月12日付紙面より)

さまざまな思いを祈願し神事を執り行う井谷正守宮司(右)=8日、那智勝浦町浦神の塩竈神社
祭り関係者が玉串をささげた
2023年01月12日
75 皇后盃女子駅伝選手に選抜
 潮岬中3年・久保凛さん  (串本町 )

 皇后盃第41回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会の出場チーム情報が10日に発表され、串本町立潮岬中学校3年・久保凛さん(14)が前回に引き続き和歌山チームの一人として選抜されたことが公となった。同大会は15日(日)午後0時30分に京都市内で実施予定。久保さんは選考会の結果から3区を走ることになると見据え、本番に向けた調整に打ち込んでいる。

 この大会は、日本陸上競技連盟が女子陸上競技中・長距離選手の普及と強化育成を目的として年1回主催。西京極総合運動公園たけびしスタジアム京都(=陸上競技場)をスタート・ゴール地点とする42・195㌔コースを中学2年生~社会人選手9人でつなぐ内容で、3区と8区が中学生限定区間となっている。

 和歌山陸上競技協会は昨年11月26日に紀三井寺公園補助競技場で同大会選手選考会〈中学〉を実施。女子3000㍍種目には県全域から久保さんを含む16人が挑み、久保さんは記録9分44秒31で1位となった。

 2位に約32秒差をつけ、前回の選抜のきっかけとなった記録をさらに7秒68縮める好成績。久保さんは「ラストでもう少し上げられたかなと思う。自分としては十分納得できる結果です」と自負している。

 同協会は選考会上位3人を中学生選手として選抜していて、誰がどの区間を走るかは直前で決まるという。久保さんによると同大会中学生限定区間は3区がエース区間だそうで「前回は3区を走って区間10位だった。今回も選考会で1位だったので3区を走ることになると思いますが、区間3位以上になることを目指してチームに貢献できる走りをしたい。できれば区間賞を獲得したい」と意気込んでいる。

 同大会の様子はスタート15分前からNHKの総合テレビやラジオ第1で生中継、NHKプラスで同時配信される予定。

(2023年1月12日付紙面より)

皇后盃女子駅伝和歌山チーム選手として選抜された久保凛さん=10日、串本町潮岬
2023年01月12日
76 海への感謝を込めて
 恵美須祭りで浜を清掃  (新宮漁協 )

 漁業や商業の神の祭り「十日えびす」の日である10日、新宮漁業協同組合(中村誠二郎組合長)は、新宮市王子町の熊野恵美須(えびす)神社への参拝と海岸清掃を行った。組合員の約20人が参加、海上安全や大漁を祈願した後、王子ヶ浜に落ちたごみを拾い集めた。

 例年は「恵美須祭り」として、神職を招いての式典や、地域住民が参加する餅まきを行っていたが、コロナ禍の影響で昨年とおととしは中止。今年は、新型コロナウイルスの新規感染者が増加していることから、神職の出仕もなく組合員だけで参拝した後、王子ヶ浜を清掃、餅まきは中止とした。

 参加者は全員で参拝の後、ごみ袋を持ち王子ヶ浜へ。砂浜を歩き、ごみを拾い集めた。広範囲を歩き、重機に流木を積み込むなどして、黙々と作業していた。

 中村組合長は「新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、恵美須祭りにおける餅まきなどは中止することになったが、漁協の組合員から『海へ感謝の意味を込めて、組合員のみで王子ヶ浜の清掃活動を行ってはどうか』との提案があった。少人数での屋外での清掃活動であれば感染の心配も少ないと判断し、清掃活動を行うことになった」と経緯を説明。

 餅まきの中止にも言及し「コロナ禍が終わり、もう大丈夫となったら、餅まきを盛大にやりたい」と語った。

(2023年1月12日付紙面より)

参拝祈願する中村誠二郎組合長=10日、新宮市王子町の熊野恵美須神社
2023年01月12日
77 「紀宝町の花」咲き誇る  矢渕中近くにスイセン  
2023年01月12日
78 今年一年の平穏を祈願  初薬師、3年ぶりに餅ほりも  (紀宝町 )
2023年01月12日
79 前年度より110人増  年末年始の来館者数  (くじらの博物館 )
2023年01月12日
80 さまざまな人の立場になる  社協が那智中で福祉体験学習  (那智勝浦町 )
2023年01月12日
81 120点の力作展示  赤い羽根絵はがきコンクール  (新宮市 )
2023年01月12日
82 ヤブツバキが咲き始める  宇久井ビジターセンターで  
2023年01月12日
83 正月遊びを満喫  中央児童館でかるた大会  (新宮市 )
2023年01月12日
84 新園舎に元気な歓声響く  1号園児も加わり本格化  (くしもとこども園 )
2023年01月12日
85 お悔やみ情報
  
2023年01月06日
86 大人の自覚と責任胸に
 「二十歳の集い」に212人  (新宮市 )

 新宮市の「令和5年二十歳の集い」が4日、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」であった。振り袖やはかま、スーツ姿の新成人212人が出席。田岡実千年市長や来賓らに見守られながら大人への第一歩を踏み出した。

 昨年4月からの成年年齢の引き下げに伴い、市ではこれまでの「成人式」を「二十歳の集い」に変更。20歳を人生の重要な節目の年齢であるとの考えを基に、対象年齢や式典開催日を例年同様とし、実施するに至った。

 新型コロナウイルス感染対策が講じられた式典では、国歌・市歌静聴に続き速水盛康教育長が「これまでの20年間の生活を振り返り今日の日を一つの節目とし、社会人としての自覚と責任、そしてふるさと新宮に誇りを持ち、自分自身の人生をたくましく切り開いて」と開式の辞。

 田岡市長は「20年間、この素晴らしい新宮市に生まれ育ったことを誇りに思っていただき、つらい時も支えてくれた保護者や友達、地域の方々への感謝の気持ちも感じてほしい。これからが人生の本番。真面目に一生懸命取り組む心、他人のことを思いやる心を大事に頑張ってください」とあいさつした。

 来賓の榎本鉄也市議会議長は「失敗を恐れず、何事にもチャレンジしいろいろな体験をしてください」と祝辞。濱口太史県議が「皆さんには熊野の魂が宿っている。ふるさと発展のためにも力を注いで」とメッセージを寄せた。

 新成人を代表して、中上連さんが仲間や両親、恩師、地域住民らに感謝を述べ「新宮市で生まれて良かった、新宮市で育って良かったと誇りに思っている」。

 バスケットボールで高校インターハイを目指すためにふるさとを離れるまでに経験した社会体験活動や人権学習会などが大きな糧になったとし「社会人としてはまだまだ未熟。一人一人置かれている立場は違うが、それぞれが自身の目標に向けて歩み続けている最中。これからも人との関わりを大切にし、誰かの支えになるような社会人になれるよう、日々精進するとともに、これまでお世話になった方々に少しでも恩返しできれば」と誓いを新たにした。

 市教育委員の中村八十八さんのあいさつで閉式。市内中学校の校舎などがスクリーンに映し出され、お笑いコンビ「横山ポンスケ・ゆうすけ」の2人がコントを披露し、二十歳のはなむけとした。

(2023年1月6日付紙面より)

新成人を代表し、中上連さんが両親やふるさとへ感謝を伝えた=4日、新宮市の「丹鶴ホール」
212人が新たな一歩を踏み出した
2023年01月06日
87 住民の学習活動に貢献
 公民館が文科省より表彰  (太地町 )

 太地町公民館(江﨑隆司館長)はこのほど、文部科学省が実施する第75回「優良公民館表彰」において、優良公民館表彰館に選ばれた。事業内容などが他の模範と認められる公民館に対して表彰されるもので、和歌山県では太地町のみとなった。

 優良公民館表彰は、公民館やその他公民館と同等の社会教育活動を行う施設(社会教育センター、生涯学習センターなど)のうち、特に事業内容や方法などに工夫を凝らし、地域住民の学習活動に大きく貢献している施設を表彰するもの。

 今年は岡山県の岡山市立京山公民館が最優秀館に輝いた。最優秀館1館、優秀館4館含む合計72館が表彰館に選ばれた。太地町公民館は県からの推薦を受け、「過去・現在・未来 くじらと関わり続ける公民館」のキャッチフレーズとして応募。優良公民館表彰審査委員会が審査を行い、今回の表彰に至った。

 町公民館は1949年に発足され、翌年に公民館報創刊号(現在は「鯨波」)を発行。82年に新築開館し、2016年に館内エレベーターを設置した。

 町公民館は町の社会教育基本方針にのっとり、「豊かな生活を支援する」「公民館報の内容充実」「幅広い年齢層が参加できる各種事業の企画」を目標に活動。

 地域資源を活用したまちづくりとして、「太地の歴史に関する講座」や「博物館・美術館と連携した講座」を開催するとともに、在米太地人系クラブや関東太地会、関西太地会などの組織の事務局も担っている。

 さらには2カ月に1回発行する「鯨波」では、関東・関西太地会だよりのコーナーを設け、県外に住む町出身者の近況も紹介。町民と町出身者のつながりを深めることにも寄与している。

 町教育委員会によると今後は、町が進める「福祉の町づくり」や「子どもたちを学校と地域が一体となって育てる町」に重きを置き、同館を高齢者が集える場所にするとともに、誇れる子どもたちを育成するために、引き続き学校や地域と連携しながら取り組んでいくという。

 江﨑館長は「合併せずに一町で取り組んできた活動がずっと引き継がれている。ますます、町づくりの中での公民館の役割は大きくなる。3年間、コロナ禍の中でもできることはやってきた。来年はそれらに幅を持たせていきたい」。

 宇佐川彰男教育長は「これまでの歴代の担当者や館長にも感謝したい。事業充実のために、各分野に専門職員を配置するとともに、皆さまに喜んでいただけるように各職員が懸命に頑張ってくれている。今後も努力したい」と語った。

 表彰式は2月3日(金)に、東京都千代田区にある文部科学省第1講堂で開催され、同町も出席予定だという。

(2023年1月6日付紙面より)

優良公民館表彰館に選ばれた太地町公民館
2023年01月06日
88 大漁や海上安全を祈願
 「初競りマグロ」奉納  (和歌山県漁連 )

 和歌山県漁業協同組合連合会(木下吉雄代表理事会長)による「初競りマグロ」の奉納が4日、那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)であった。紀州勝浦漁業協同組合の片谷匡代表理事組合長や、同連合会の額田浩事務局長など6人が参加。勝浦地方卸売市場の初市に揚がったビンチョウマグロを神前に供え、大漁や海上安全を祈った。

 勝浦市場の初競りマグロの同大社への奉納は、同連合会により毎年行われている。今年は全長1・5㍍、重さ21㌔のビンチョウマグロが持ち込まれた。神事では、神職が祝詞を、巫女(みこ)が神楽を奉納。一同を代表して片谷組合長が玉串をささげた。

 男成宮司はあいさつで「水産業を取り巻く環境は厳しいと聞くが、今年一年、神様の加護の中で、少しでも良い方向に進むことを願う。私らの食卓に、おいしいマグロが並ぶことを期待している。皆さんのますますの発展と、海上安全を祈念する」と語った。

 片谷組合長は「大漁や海上安全を祈願した。マグロの価格が安定することを願うとともに、水揚げを受け入れる体制もしっかりとしてあげたい。衛生管理もしっかりとしたマグロを届けられるようにしていきたい」と話した。

 勝浦地方卸売市場の初市は、奉納と同日の4日に開かれた。今年は水揚げ量が約69㌧、水揚げ金額が税込み約6037万円だった。

(2023年1月6日付紙面より)

初競りマグロの奉納に訪れた皆さん=4日、那智勝浦町那智山の熊野那智大社
2023年01月06日
89 活気ある掛け声響く
 新宮公設市場で初市  

 新宮市佐野の新宮広域圏公設地方卸売市場で5日、同市場協力会(小田三郎会長)主催の「令和5年初市」があった。午前7時過ぎから初競りが始まり、威勢のいい掛け声が市場内に響く中、イチゴやトマト、ダイコン、白菜、かんきつ類などが次々と競り落とされた。

 同市場は生鮮食料品の円滑な流通と安定供給を図り、周辺広域住民の食生活の安定に貢献することを目的に、1985年5月に県内の公設市場第1号として設置された。

 初競り前の式典で小田会長は、4年目に入ったコロナ禍や10月から始まるインボイス制度などに言及。「昨年は少子高齢化や人口減少に加えて、長引く新型コロナウイルス感染症、ウクライナ情勢や円安などを背景としたエネルギー、食料品などの原材料の価格上昇の影響などもあり、一段と厳しい年となった。今年はうさぎ年。国内外のさまざまな困難な状況が少しでも明るい方向に向かうことで飛躍する1年となることを願っています」とあいさつした。

 市場管理者の田岡実千年市長は「市場を取り巻く状況は、特にここ2、3年はコロナ禍の影響によりかなり厳しい時期が続いたが、ここにきてようやく有効なワクチンや新薬も開発され明るい兆しも見えてきた。広域行政としても、青果・水産の両卸売会社にご協力いただきながら、新鮮な食材を安定的に提供できるよう、市場機能の充実・活性化に向け取り組んでいきたい」と誓いを新たにし、一層の市場利用に向け協力を呼びかけた。

(2023年1月6日付紙面より)

威勢のいい掛け声が響いた=5日、新宮広域圏公設地方卸売市場
小田三郎会長(右)があいさつした
2023年01月06日
90 野尻和利さんが優勝
 令和5年初射会  (新宮弓友会 )
2023年01月06日
91 各部門で熱戦繰り広げる
 新宮信用金庫理事長杯卓球大会  
2023年01月06日
92 実力アップを図る期間に
 レスリング「近畿ブロックNTS研修会」  
2023年01月06日
93 業界の発展を願って  新宮建築組合が釿始式  (熊野速玉大社 )
2023年01月06日
94 自覚持って心と形を一つに  飛鳥神社で「新成人のご祈祷」  (太地町 )
2023年01月06日
95 例年に増して人々集まる  初日の出で人気の串本町  
2023年01月06日
96 役割を意識して集団行動 潮岬でリーダーキャンプ (県青少年育成協会など)
2023年01月06日
97 弓頭2人必中目指し稽古  9日の「御的祭」に向け  (潮﨑本之宮神社 )
2023年01月06日
98 新園舎で保育始まる  ピカピカの室内で楽しく過ごす  (鵜殿保育所 )
2023年01月06日
99 「魅力ある町づくりを」  仕事始めで年頭訓示  (紀宝町 )
2023年01月06日
100 ぺったんぺったんと  子どもたちが餅つきを体験  (紀宝町 )
2023年01月06日
101 防災意識の誓い、新たに  出初め式で3年ぶり放水披露  (紀宝町 )
2023年01月06日
102 新成人の門出を祝福  華やかに「二十歳のつどい」  (那智勝浦町 )
2023年01月06日
103 お悔やみ情報