那智勝浦町立南大居保育所(永野陽美所長)で25日、卒園式と閉所式があった。卒園式では最後の卒園児となる山根慎士君が証書を受けた。閉所式では地域住民が多数集まり、施設への感謝を込め風船を飛ばした。
同保育所は1976年に開所。49年にわたり運営してきたが、少子化もあり本年度で閉所となる。在園の4歳児3人と2歳児2人は下里こども園に移る。閉所後の跡地利用法は未定となっている。
卒園式では、山根君が永野所長より卒園証書を受け取った後「大きくなったらサッカー選手になり、いろんなところへ行ってサッカーをしたい」と将来の夢を明かした。
永野所長はあいさつで「慎士君は頑張り屋さんで、桃組や黄組の憧れの存在。頼もしいリーダーに成長しましたね。保育所で学んだことを忘れず、小学校でも頑張って」と呼びかけた。多くの人に見守られてきたことを説明。「これからも感謝の気持ちを忘れずに」と述べた。
在園児は送る言葉として「卒園おめでとう。今まで遊んでくれてありがとう。小学校では運動や勉強を頑張って」と声をそろえた。これらを受けて山根君はお別れの言葉を発表。春夏秋冬の季節ごとで印象に残る思い出を紹介した。父母や在校生、先生へ「ありがとう」を伝え「今日、卒園します。お元気で、さようなら」と結んだ。
閉所式は、地域住民の約30人が訪れた中で行われた。堀順一郎町長はあいさつで「子どもらが一定規模の中で切磋琢磨(せっさたくま)して育ってほしいとの思いでやむなく閉所になった」と説明。昨今の少子化に言及し「しかし活気をもった元気なまちを、子どもらが多く育てられる地域づくりをしたい。ご協力を賜れば」と語った。
最後はバルーンセレモニーを行った。出席者全員で大空に風船を飛ばし、施設に別れを告げた。
(2025年3月26日付紙面より)