1級建築士で防災士の森岡茂夫さん(73)を招いての防災講演会が2日、新宮市の高田交流センターであった。高田区防災委員会が主催。住民、市消防団員、市職員ら約50人が巨大地震から身を守るすべを学んだ。
森岡さんは日本建築家協会(JIA)の本部理事、神奈川県代表などを歴任。東日本大震災、紀伊半島大水害など全国の被災地で支援活動に従事した。2013年、故郷太地町にUターンし、JIA和歌山災害対策委員長に就任。太地町を中心に全国各地で防災セミナーを開いている。
講演は「災害から命を守る~今あなたにできること~」がテーマ。全国の被災地で活動していることを挙げ「災害が起きてからでは遅い。日常の生活で命を分けることがたくさんある」と示した。
▽木造仮設住宅▽防災ベッド補助金▽感震ブレーカー補助金―など5項目を県に要望し、全て実現したと明かした。
地震による倒壊家屋の写真をスライドに映し、無料耐震調査を勧め、防災ベッド補助金を活用して生存空間の確保を呼びかけた。
感震ブレーカーの活用、ガスコンロ温度センターのチェック、山津波対策としてハザードマップの確認なども説明。「自分たちの地区が危険かどうか喫緊の課題として考え、みんなで話し合ってほしい。みんなで助け合い、高齢者の方は高齢者等避難の前に避難を」と提案した。
市消防本部の職員は、住宅用火災警報器(住警器)の補助制度を紹介。市内在住65歳以上の高齢者がいる世帯が対象で、住警器の購入費用を一部補助する。問い合わせは、市消防本部予防課(電話0735・21・3326)まで。
講演後の午後からは森岡さんが高田地区を巡回し、危険箇所などを目視診断した。
(2025年2月5日付紙面より)
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