熊野新聞記事アーカイブ
熊野新聞社 The Kumano Shimbun
〒647-0045 和歌山県新宮市井の沢3-6
営業部 TEL 0735-22-8080 FAX 0735-23-2246
記者室 TEL 0735-22-8325 FAX 0735-28-1125

幸福を祈って豆をまいた=2日、那智山青岸渡寺
「鬼は外、福は内」
熊野三山で節分行事

 節分の2日、熊野三山の三社一寺でそれぞれ節分行事が行われた。「鬼は外、福は内」を唱えて豆をまき、邪気をはらって福を招いた。

  □     □

■那智山青岸渡寺

 那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)は、早朝から節分会を順次営んだ。髙木住職が裃(かみしも)を着た参列者の名前を1人ずつ読み上げ、所願成就を祈願した。

 参列者は升に書かれた「七難即滅、七福即生」を三唱し、本尊に向いて「福は内」、反対を向いて「鬼は外」と豆をまき、無病息災や福徳招来を祈った。

  □     □

熊野那智大社

 熊野那智大社(男成洋三宮司)は2回、節分祭鬼追い追儺式(ついなしき)を行った。神事では、古式の装束と面を着けた鬼役が社殿へと進み豆をまいた後、竹で基礎石を3回打ちながら「家内安全、延命息災、家運隆昌」と大声で唱えた。

 境内では神職が「鬼」と書かれた的を矢で射抜いた。宝物殿からの豆まきもあった。

  □     □

熊野本宮大社

 熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)は、午前中に節分祭、夕方に追儺式を営んだ。追儺式では、赤鬼、青鬼の後に神職や大社役員らが続き、豆をまきながら回廊を3周した。最後に九鬼宮司が天に向かって矢を3本放ち、鬼を追い払った。

 餅と菓子まき、新宮警察署による特殊詐欺防止の啓発も行われた。

  □     □

熊野速玉大社

 熊野速玉大社(上野顯宮司)の追儺式は夜に行われた。雨天の中、氏子が扮(ふん)する赤鬼、青鬼の後を神職や参列者が続き、「鬼は外、福は内」と唱えながら豆をまいた。社殿前、境内を巡り参道を通り、最終的に大鳥居の外まで追い出した。

 猿回しの披露もあった。菓子まきでは集まった多くの子どもが手を伸ばした。

(2025年2月4日付紙面より)



別窓で見る
記事一覧

レザークラフトに取り組む6年生=1月31日、太地町立太地小学校
学校 「わかやまジビエ」学ぶ
太地小でレザークラフト
太地町
【この記事のキーワード】
特別支援学校
太地小
 太地町立太地小学校(海野文宏校長)で1月31日、和歌山県による「わかやまジビエ」の出前授業とレザークラフト体験があった。6年生18人がシカやイノシシの革でキーホルダーを作った。

 県では今年も県内小中学校や特別支援学校の給食にジビエを提供。捕獲した野生のイノシシやシカを食資源として生かそうと需要拡大に取り組んでおり、合わせて講座も実施した。

 前日の給食でシカ肉のベニスンシチューを味わった6年生たちは、県職員から野生動物による農作物被害について学習。ただ捕獲するだけでなく、肉や革として頂いた命を活用することについて考えた。レザークラフトには、レタメロディア(有田川町)の中井謙次朗さんが協力。児童たちとクジラや星、ハート型のキーホルダーを作った。

 松野星渚さん(12)は「シカ肉はかみ応えがあったけれど、鯨肉よりも柔らかくて食べやすかった」。長尾彩羽さん(11)は「革の品質や触り心地ついて知れて良かった。いろんなジビエを食べてみたい」と話していた。

(2025年2月4日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る

水門神社の社務所で執り行われた行事「おみくじ祭り」の様子=1日、串本町大島
祭礼 神前抽選で役者衆決める
水門神社「おみくじ祭り」
水門祭を前に
 串本町大島にある水門(みなと)神社で1日、大祭水門祭」の役者衆を決める行事「おみくじ祭り」が執り行われた。結果は速やかに区内放送で周知。今年の大祭は8日(土)が本祭日で、布陣もいよいよ固まり奉仕に向けた準備が勢いづいている。

 この神社は、大島港から見て東側にある日和山の中腹に鎮座。誉田別命(ほんだわけのみこと)(応神天皇)を祭神とし、その伝承に基づき大祭には渡御が含まれていて役者衆は祭神やその還御を出迎える「ツル」の行列で奉仕をしている。

 今より人口が多かった時代は奉仕による利益を求めて必要数を大幅に超える志願者が名乗りを上げていた経緯があり、神前で抽選をするこの行事で担い手を決める形が定着している。

 この日は大島区民会と和歌山東漁業協同組合大島支所、総代陣が立会人として参列。志願者やその家族や代理人も注目する中、猪野久次神主が筆状の神具で生米を満たした升の上に丸めて巻かれた紙片をなで、最初に神具に絡みついた紙片を尾崎太執行委員長が扇子で受けて開き、中に書かれた名前を読み上げて当選人とした。抽選後は役者衆を神前に奉告し、居合わせた役者衆は神酒や生米を口にして身を清めてくる奉仕への気持ちを整えた。

 今年から区内4地区(北組・北中組・南中組・南組)による主奉仕の持ち回りを廃止し、区一丸で主奉仕する形へと変更。それに伴い組長の奉仕をする役職として新たに執行委員長を置くこととした。その初代を務める尾崎太執行委員長(68)は「今まで4地区が輪番でやっていたことが、どの地区も人が少なくなり一つとなった。難しい事もあると思うが、今年は若い役員も入っていただき伝統文化の継承を続けて行かなければと思う。続けていくために必要な新しい事も取り入れながら、まずは今年のお祭りを無事執行できるようやっていきたい」と思うところを語った。

(2025年2月4日付紙面より)



もっと見る
折たたむ
別窓で見る
主な記事 *記事詳細は熊野新聞紙面をご覧下さい*
  • スポーツ 3市町の各チームへ飲料 美し国三重市町対抗駅伝 (JA伊勢)
  • 地域 節分行事を楽しむ 中央、くろしお両児童館で (新宮市)
  • 【この記事のキーワード】
    三輪崎小
  • 地域 ホテル浦島が1位に まぐろカレーコンテスト (那智勝浦町)
  • 【この記事のキーワード】
    新翔高
  • 地域 色鮮やか、熊野大花火 紀宝町の野中誠一さんが最優秀賞 (熊野市)
  • 【この記事のキーワード】
    大花火大会
    花火大会
くまスポ
ご購読・試読のお申し込み