節分の2日、
熊野三山の三社一寺でそれぞれ節分行事が行われた。「鬼は外、福は内」を唱えて豆をまき、邪気をはらって福を招いた。
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■那智山青岸渡寺
那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)は、早朝から節分会を順次営んだ。髙木住職が裃(かみしも)を着た参列者の名前を1人ずつ読み上げ、所願成就を祈願した。
参列者は升に書かれた「七難即滅、七福即生」を三唱し、本尊に向いて「福は内」、反対を向いて「鬼は外」と豆をまき、無病息災や福徳招来を祈った。
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■熊野那智大社
熊野那智大社(男成洋三宮司)は2回、
節分祭鬼追い追儺式(ついなしき)を行った。
神事では、古式の装束と面を着けた鬼役が
社殿へと進み豆をまいた後、竹で基礎石を3回打ちながら「家内安全、延命息災、家運隆昌」と大声で唱えた。
境内では神職が「鬼」と書かれた的を矢で射抜いた。宝物殿からの豆まきもあった。
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■熊野本宮大社
熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)は、午前中に
節分祭、夕方に追儺式を営んだ。追儺式では、赤鬼、青鬼の後に神職や大社役員らが続き、豆をまきながら回廊を3周した。最後に九鬼宮司が天に向かって矢を3本放ち、鬼を追い払った。
餅と菓子まき、新宮警察署による特殊詐欺防止の啓発も行われた。
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■熊野速玉大社
熊野速玉大社(上野顯宮司)の追儺式は夜に行われた。雨天の中、氏子が扮(ふん)する赤鬼、青鬼の後を神職や参列者が続き、「鬼は外、福は内」と唱えながら豆をまいた。
社殿前、境内を巡り参道を通り、最終的に大鳥居の外まで追い出した。
猿回しの披露もあった。菓子まきでは集まった多くの子どもが手を伸ばした。
(2025年2月4日付紙面より)