串本町西向にある薬王山成就寺(大崎實宗住職)で1月30日、防火訓練があり大崎住職一家と檀家(だんか)14人が初動の手順を実践して確かめるなどした。
文化財防火デー(1月26日)の趣旨に基づき実施している同訓練。古座消防署管内では文化財所蔵の経緯により同寺と古座にある佛光山善照寺が隔年交互に取り組む形が定着していて、今年は成就寺の巡りに当たる。
当日は庫裏の台所から出火した想定で訓練を始めた。「火事だ!」の声を聞き付けて本堂前へ集まった檀家は、大崎住職と連携し堂内にある寺宝(の模造品)を門外まで速やかに搬出。119番通報を受けて駆け付けた古座消防署の署員が消防用ホースを境内へ引き込んで2口に分岐し、そのうちの1口で本堂へ放水した(庫裏への放水は省略)。
現場同様の出火状況の聞き取りも交えた緊張感の中で行動し、その始終を見守った町消防本部予防課の石井三男さんは「協力して迅速に活動していただき、文化財を守らなければという気持ちが伝わり、力強く感じた」と講評し、この訓練を通して日頃の防火意識を一層高めることを促した。
その後は訓練用水消火器を使った取り扱い訓練にも取り組み、最後に大崎住職がこの訓練を通して改めて確信を持ち行動することを求めるなどして締めくくった。
(2025年2月1日付紙面より)
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