熊野新聞記事アーカイブ
熊野新聞社 The Kumano Shimbun
〒647-0045 和歌山県新宮市井の沢3-6
営業部 TEL 0735-22-8080 FAX 0735-23-2246
記者室 TEL 0735-22-8325 FAX 0735-28-1125

紀州うめどりの唐揚げ「いただきます」=20日、那智勝浦町立勝浦小学校
養鶏通じて「命」を学ぶ
古田雄也さんが勝浦小で授業

【この記事のキーワード】
勝浦小
 那智勝浦町立勝浦小学校(草下博昭校長)で20日、食育授業「命について~食に感謝~」があった。有田川町で養鶏業を営む有限会社御坊チキン常務取締役の古田雄也さん(33)が来校し、6年生37人に講話した。

 古田さんは串本町出身で、看護師として働いた後、県内一の生産量を誇る「御坊チキン」を義父から継いで養鶏農家に。2019年に生産を停止していたブランド鶏「紀州うめどり」を23年に復活させ、現在はインスタグラムの情報発信や執筆・教育活動にも取り組んでいる。

 古田さんは年間60万羽のニワトリを出荷していると語り、鶏舎の清掃やおがくず搬入、餌やり、水替え、出荷といった現場の様子を映像で紹介。梅干しの生産過程で作られる梅酢を飼料に活用し、ニワトリ飼育で排出される鶏ふんを肥料として還元するなど、循環型農業を目指していると述べた。

 命について「食肉用ニワトリの生存率は97~99%で、100匹ヒヨコがいたら1~3匹は飼育途中で死んでしまったり、人間が処分したりする。養鶏農家として最初にやったのが処分の仕事で、それまで人の命を救う仕事をしていたので、やっぱりショックだった」と自身の経験を語った。

 交流サイト(SNS)を通じて「そんな狭い所で飼うなんて」「外に出してあげて」と批判メッセージが来ることにも言及し「実際に真冬の屋外に出すと、寒さや野生動物に狩られてほとんどが死んでしまう。ニワトリを食べないという選択も、命に感謝をしていただくのも、両方が思いやり。動物の気持ちを完全に理解することはできないけれど、常に思いやる優しさが大切なのでは」と語りかけた。

 この日の給食は「紀州うめどり」を使った唐揚げと梅のおかかあえ、和風煮、ご飯。亀山彩葉さん(12)は「ニワトリを育てているところを初めて見た。みんなが食べられるよう、きちんと大きく育てているのがすごいと思った。おいしく食べたい」と話していた。

(2025年1月22日付紙面より)


別窓で見る
記事一覧

協力して川原家の床を取り付ける=18日、和歌山県立新翔高校
地域 「川原家」の組み立て体験
少年少女発明クラブ1月講座
新宮市
【この記事のキーワード】
新翔高
 新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)の1月講座が18日、和歌山県立新翔高校であった。市内の小学生20人が、同校の中岸速人教諭に教わりながら「川原家(かわらや)」を組み立てた。

 発明クラブは、理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらおうと、さまざまな制作、野外活動に取り組んでおり、年間を通して11回開催している。

 教室で中岸教諭は「かつて熊野川の河原には、くぎを一切使わない組み立て式住宅『川原家』が数多く立ち並び、筏(いかだ)による木材輸送や川舟を使って交易をする多くの人々で大変なにぎわいを見せていた」と説明。昭和10年ごろまで続いていた町並みの写真を見せながら歴史をひもといた。

 大雨の際、川原家を解体し、抱えて避難をしたという。住居環境に合わせて発展した川原家の仕組みを学習した児童らは、実際に組み立てる体験をした。

 川原家は土台に柱を組み、梁(はり)で固定し、壁板、床板を張って屋根板を組み上げる。雨漏りしないよう、スギの板を設置して完成となる。児童らは中岸教諭の指導の下、柱や床板を協力して組んでいった。

(2025年1月22日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る

情報や意見の交換を目的として開かれた串本ふるさと大使会議の様子=18日、串本町サンゴ台
地域 情報や意見交わし合う
串本ふるさと大使会議
【この記事のキーワード】
トルコ協会
火祭
 串本町が18日、串本町サンゴ台にある飲食店「M's cafe&dining」で2024年度串本ふるさと大使会議を開き出席した同大使8人と情報や意見を交わし合うなどした。

 同大使は、町にゆかりがあり社会的影響力を有する人材に串本のアピールを求める目的で町長が任命。現在16人が委嘱を受けてその任務に努めている。この会議はアピールに資する現地情報を共有するとともに、意見を交わす機会として年1回、新春の時期に開いている。

 出席した同大使は▽赤木正和さん(株式会社エコロケーション代表取締役)▽太田卓利さん(株式会社TAKUTO代表取締役)▽清水康生さん(有限会社セ・ラ・セゾン代表取締役)▽中谷和夫さん(元サントリーホールディングス役員)▽沼田凖一さん(日本トルコ協会会員)▽平野啓子さん(語り部・かたりすと)▽南瑠霞さん(株式会社手話あいらんど代表取締役)▽山本瑠香さん(株式会社セント・フォース関西所属タレント)―の8人。町側からは田嶋勝正町長、平井治司副町長、町企画課の名田倍也課長ら事務局職員、町議会の鈴木幸夫議長、県議会の佐藤武治議員が同席した。実施に当たり掲げたテーマは「串本町への思い」。町側を代表して田嶋町長はイベント「本州最南端の火祭り」の期日に併せてこの会議を設定した旨を伝え「ロケットの関係で串本も今、全国版になってきた。皆さん方の力をお借りして串本が世界に広がっていくような町にしていきたいと思っているのでいっそう尽力願いたい」。鈴木議長はロケット関係で町への行政視察が増えている状況を報告し「ロケット以外にここ2、3年で大きく将来を左右するであろう出来事がいくつか待ち受けている。議会は執行部と一緒に情報を共有しながら取り組んでいきたいと思っているので、串本ふるさと大使の皆さんにもご支援ご協力をお願いしたい」とそれぞれあいさつした。佐藤議員発声による乾杯で弾みをつけて同大使それぞれのスピーチを交えて歓談し、情報や意見の交換を深めるなどした。

 同会議後はイベント「本州最南端の火祭り」への案内もあり、田嶋町長らと共に前祝いで餅や菓子をまくなどした。

(2025年1月22日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る
主な記事 *記事詳細は熊野新聞紙面をご覧下さい*
  • スポーツ 91チーム参加で力走 新宮市駅伝大会
  • スポーツ 29チームがぶつかる 光洋地区交流「綱引き大会」 (新宮市)
  • 【この記事のキーワード】
    光洋中
  • 地域 親子で命の尊さ、防災学ぶ 食育アウトドア体験に71人 (紀南P連)
  • 【この記事のキーワード】
    連合会
    災害
    防災
  • 地域 特殊詐欺、SNS型詐欺に注意 「特殊詐欺撲滅の日」に啓発 (紀宝町)
  • 【この記事のキーワード】
    防犯協会
    被害額
  • 地域 遊びの中の会話がポイント きずなを深める子育て講座 (新宮市)
  • 地域 報告通じて情報を共有 熊野川流域治水協議会
  • 【この記事のキーワード】
    水害
  • 地域 寺宝など守る手順を確認 錦江山無量寺で防火訓練 (串本町)
  • 【この記事のキーワード】
    消防本部
  • 教育 今年も「えいごで遊ぼう」 園児らALTと一緒に (丹鶴幼稚園)
  • 【この記事のキーワード】
    丹鶴幼稚園
ご購読・試読のお申し込み