串本町潮岬にある望楼の芝で18日、イベント「本州最南端の火祭り」があり約3000人(主催者発表)が夕闇深まる中で営まれる芝焼きの光景を見物するなどした。
このイベントは、南紀串本観光協会(島野利之会長)が主催。広さ10万平方㍍とされる望楼の芝の管理手法として取り入れられている芝焼きを見どころとし、物産販売や民踊披露などさまざまな企画を積み上げた内容で回を重ねている。
この日は午後1時から開場し、キッチンカーを含め27店舗が飲食や物販、啓発を実施。日中は温暖かつ珍しくほぼ無風の気象条件に恵まれ、徐々に数を増す来場者の利用を集めた。午後4時30分から漁師鍋「しょらさん鍋」(トビウオのつみれ汁)約700食の振る舞いが始まり、同時進行で正調串本節保存会、串本町トルコ文化協会、潮岬(みさき)節保存会の各会員が順次民踊を披露した。
限定300個の芋餅販売を経て日没を合図にして芝焼きが始まり、島野会長と田嶋勝正町長があいさつ。餅や菓子をまいて前祝いをした後に県立串本古座高校弓道部による火矢射式で芝地へ点火した。演出花火の終了を合図にして主催者関係のスタッフが火を付けたたいまつを引きずってさらに点火し、燃え広がる炎の帯が描き出す幻想的な光景が注目を浴びた。
芝焼きは芝地の東側で実施し、来場者は規制線(ロープ制限)の外から見物。今回は火付きが鈍く計画した一面を焼き上げるまで約1時間かかり、見物客も炎が迫るのをまだかまだかと待ち続けようやく迫ると手をかざすなどして熱気も体験するなどした。
実施に当たり島野会長はカイロスロケット打ち上げの感動をこの機会に分かち合いつつ「これからも皆さまの知恵を借りながら、来ていただいた皆さまに楽しんでいただけることをいっぱい考えていきたい。今日は時間いっぱいお楽しみください」と述べて来場を歓迎。この日は町主催の串本ふるさと大使会議があり、出席した同大使も芝焼きに立ち会い串本の話題収集に努めるなどした。
(2025年1月21日付紙面より)
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