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鬼面札を作る神職ら=14日、那智勝浦町の熊野那智大社
鬼面札や祝枡作りピーク
那智山で節分準備進む

 那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)と那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)で現在、2月2日(日)の節分に向けた「鬼面札(きめんふだ)」や「祝枡(いわいます)」作りがピークを迎えている。

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熊野那智大社

 熊野那智大社の災難よけの札「鬼面札」は、しめ縄で赤鬼と青鬼を閉じ込めた絵柄。3代前の篠原四郎元宮司が原画を奉製し、1970年から授与している。現在、神職が那智の滝の水で溶いた墨を版木に付け、1枚ずつ和紙の一種である画仙紙に刷っている。今月末までに2000枚を仕上げる。

 木製の福桝は350個を準備する。桃太郎が鬼ヶ島より持ち帰ったとされるかくれ蓑(みの)、かくれ笠(がさ)、打ちでの小槌(こづち)の宝物が描かれ、朱字で「益々繁盛」と書き入れてある。

 𠮷田遥紀権禰宜(ごんねぎ)(32)は「昭和100年、戦後80年、阪神淡路震災から30年と、平和、防災の重要な節目の年。人々の健康と安全を祈っている」と話した。

 鬼面札はすでに社頭で授与されている。郵送での授与の申し込み、問い合わせは同大社(電話0735・55・0321、FAX0735・55・0643、ホームページhttps://kumanonachitaisha.or.jp/)まで。

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那智山青岸渡寺

 那智山青岸渡寺も「節分豆まき祈祷(きとう)会」で用いる祝枡の準備に追われている。一升枡の内側には「七難即滅七福即生」の印と、「那智山」の焼き印が押され、髙木住職らが「令和七年」の文字を書き入れ仕上げている。

 髙木住職は「災いを滅し、心豊かな一年となるよう願って作業を進めている」。祝枡は節分当日、祈祷法要に参列し、豆まきを行う人々に授与する。祈祷料は5000円で、先着600人。秘仏である本尊・如意輪観世音菩薩の特別開帳もある。申し込みは同寺(電話0735・55・0001)まで。

(2025年1月16日付紙面より)


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草鞋を編む堅田裕見子さん=14日、新宮市元鍛治町の作業場
祭礼 痛みこらえ草鞋を編む
堅田裕見子さん連日作業
御燈祭りに向け
 「御燈祭(おとうまつ)り」を来月に控え、新宮市元鍛治町の堅田裕見子さんの作業場では、上(あ)がり子たちが履く草鞋(わらじ)作りが進んでいる。本業である理容業の合間を縫って、150足を目指し連日編んでいる。

 草鞋は上がり子の伝統装束の一つ。草鞋作りは技術がいる上に、高齢化や人口減少もあり作り手が減少している。堅田さんは新宮市熊野川町や紀宝町鮒田の女性らから学び、技術を習得。本格的に作り始めて約10年になる。

 苦労はわらの調達から始まる。知人に分けてもらい、天日乾燥させて準備。わらをたたき、より合わせて縄とし、編み込んでいく。素手で行う工程もあり、手の皮がむける。「今年は本当に手が痛い。苦労して作ったものなので大事にしてほしい。これでもうけるつもりはない。祭りが好きで、ここで育った私の使命みたいに感じている」と話す。

 女性であることも、つらくても続ける理由の一つ。「やめても御燈祭りには上がれない。草鞋作りで祭りに参加しているような気持ちになる。草鞋を買いに年に1回、訪ねてくれる人もいて値打ちを感じる」と語る。

 草鞋作りの後継者についても、問題意識を持っている。「伝統文化の継承を真剣に考え、大事さに気付いてほしい」と述べた。

(2025年1月16日付紙面より)

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的目がけて矢を放つ弓頭=13日、串本町串本の潮崎本之宮神社
祭礼 お弓式拝観などにぎわう
潮崎本之宮神社で「御的祭」
串本町
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潮崎本之宮神社
神社総代
奉告祭
 串本町串本にある潮崎本之宮神社(山本貞夫宮司)で13日、新春行事「御的祭」=町指定無形民俗文化財=があり境内で営まれたお弓式が多くの拝観を集めるなどしてにぎわった。

 同神社総代会(吉村健三総代長)が取り仕切る、成人の日に合わせて営んでいる奉仕。お弓式の弓頭は独身の男性が務める習わしがあり今年は保田翼さん(30)と杉本爽真さん(15)が稽古に励んできたが、保田さんが前日に高熱を出したため急きょ主に指導している堀好之総代(55)がその代役となり、昨年に続いて井上月紫さん(11)と中村泉水さん(11)が矢取りを務める布陣で臨んだ。

 午前10時から奉告祭を執り行い、終了後は直径約3・6㍍の的を先頭にして境内に設けた的場へ参進。吉村総代長(82)の発声でお弓式を始め、弓頭は受け継がれる作法にのっとって約25㍍先に据えられた的へそれぞれ4本の矢を放った。直後に的は引きちぎられ、門先の魔よけとして氏子らに授与。弓頭はさらに2本を境内の外へ向けて放って式を締めくくった。

 お弓式と並行して同神社は長寿祝い・厄払いの儀を執行。同式、同儀の後は本殿前に設けたやぐらの上から餅をまき、その活気を神前へささげた。弓頭の奉仕を通して杉本さんは健康、堀総代は幸福を今後に祈念。吉村総代長は弓頭がやむなく代役となったもののそれ以外はけがなく無事に終えられた、と今年の奉仕を喜んだ。

(2025年1月16日付紙面より)

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