串本町や那智勝浦町と共にロケットを基軸にした地域振興に取り組む株式会社USPジャパン(以下USP、新津研一代表取締役社長)が10日、両町との包括連携協定締結とその内容を踏まえたロケット射場「スペースポート紀伊」など見学ツアーについて発表した。
同社は2020年7月、スペースワン株式会社(以下スペースワン)の紹介により2町を訪問。以降、官民連携で前述した振興を形にし、地域内外の機運醸成を図っている。その取り組みをさらに強化し「ロケットで元気になる」まちづくりを推進するため、昨年10月1日に同協定を締結。連携事項は▽ロケット▽地域振興―の2系統で、それらを背景にしつつ観光庁「特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業」の採択を受け同ツアーの催行を目指している。
スペースワンの協力により同射場「スペースポート紀伊」の見学を含む内容で、▽2月12日(水)に日帰り(串本町内と那智勝浦町内発着、各80人)▽15日(土)と16日(日)に1泊2日(新大阪駅と和歌山市内発着、各40人)―と2種類を立案中。日帰りは射場と宇宙ふれあいホールSora―Miru(先行公開)の見学、1泊2日はさらにモデルロケット製作・打ち上げ体験や打ち上げ特別祈とう会・本尊開帳(世界遺産補陀洛山寺)など地元体験も盛り込んだ行程を考えている。
射場は打ち上げの余韻が残る射点(屋外)を間近に見る状況を想定し、どこまで見学を許容できるかを目下調整している。これら内容の詳細を今月16日(木)午後1時からホームページ「ロケットのある町SpaceTown串本町・那智勝浦町」(名称で検索可)で紹介し、翌17日(金)午後1時に料金などの確定情報を発表して受け付けを始める。興味がある人はまず閲覧してほしいという。
10日は串本町田原にある同射場総合指令棟前で新津社長自らこれら内容を発表。立ち会った串本町の田嶋勝正町長、那智勝浦町の堀順一郎町長、スペースワンの下瀬滋・スペースポート紀伊所長がそれぞれあいさつをして歩み寄り、新津社長はロケットを基軸にした地域振興に懸ける現在の思いを掲げ「串本町、那智勝浦町、スペースワンの皆さまには今後ともぜひ協力関係を強固にし、共にチャレンジをお願いしたい」と応えた。
このツアーには採択に基づく実証実験としての側面もあり、新津社長はその実績を契機にして2町やスペースワンとの検討をさらに深め次年度以降の機会創出につなげていければと展望を見据えている。
その他、新津社長が中継ぎとなり日本宇宙少年団の上垣内茂樹理事から宇宙ふれあいホールSora―Miruへ向け書籍「宇宙兄弟リアル」、株式会社タカラトミーアーツから那智勝浦町の幼稚園・保育園・小学校へ向け宇宙・ロケット打上げ応援アンバサダー「宇宙なんちゃらこてつくん」グッズの贈呈伝達もこの機会に実施した。
(2025年1月15日付紙面より)
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