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風景画「夏の終わり」(竹原愛さん提供)
竹原愛さん「夏の終わり」
新造客船「飛鳥Ⅲ」で展示


 那智勝浦町市野々在住の竹原愛さん(58)が描いた風景画「夏の終わり」が、今夏就航予定の新造客船「飛鳥Ⅲ」(総トン数5万2200㌧、全長230㍍)に飾られることになった。油彩P20号。アート公募展にて和歌山県内で唯一入賞。2年間船内に展示され、人々と共に世界中を旅する。

 「動く洋上の美術館」として、日本の芸術文化をけん引する著名な作家の美術・工芸品で船内を彩る飛鳥Ⅲ。「日本の四季を旅する~あなたの地域の自然の風景~」をテーマに全国から絵画・写真を募集し、約2300点から126点を選出した。

 竹原さんの「夏の終わり」には、幼い頃から目にしてきたお蛇浦から見た弁天島や熊野の山々、晩夏の光と空を描いた。

 新宮市名誉市民の西村伊作を顕彰する「熊野芸術文化セミナー」などがきっかけで7年前から絵画愛好家グループ「筆島会」で油絵に取り組んできた竹原さん。命や生死をテーマに人物画を中心に描いているが、今回は風景ということで「観光名所ではなく、小さい頃から何度も訪れてきた場所を描きたいと思った」という。

 公募展に取り組む中で「改めて『地元の美しい場所』を見つける目を持っていきたいと感じた」。受賞・入賞者らが集まる授賞式にも参加し「プロ・アマ問わず、老いも若きもさまざまな方がおり、刺激になった。ポップなアート作品も多く、どのように季節を表現しているのか興味深かった」と語る。

 「飛鳥Ⅲ」は現行の「飛鳥Ⅱ」から世界一周クルーズなどを引き継ぐ予定。「船という日常を忘れる異空間で、日本の自然の美しさ、四季の美しさを感じてもらえたらうれしい」と話していた。

(2025年1月10日付紙面より)


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東正寺であった初薬師大般若会=8日、紀宝町鵜殿
地域 今年一年の平穏を祈願
東正寺や平尾井薬師堂で初薬師
紀宝町
【この記事のキーワード】
熊野三山
大祭
 新年最初の薬師の縁日に当たる8日、薬師如来をまつる各寺院で初薬師の法要が営まれた。紀宝町では鵜殿の醫王山(いおうざん)東正寺や、平尾井の平尾井薬師堂であり、今年一年の平穏を祈願した。

  □     □

■東正寺

 東正寺(片野晴友住職)では初薬師大般若会(だいはんにゃえ)が行われ、本尊の薬師瑠璃光如来が開帳された。

 檀家(だんか)らが参列する中、片野住職と智博(ちはく)副住職、道雄(どうゆう)徒弟が家内安全や心願成就などを祈願した。

 散華と水で道場を清めた後、600巻の大般若経典を波立たせながら一気に読み上げる転読が行われた。般若波羅蜜多心経の読誦(どくじゅ)、梅花講員の女性らによる御詠歌の合唱などがあり、参列した人たちが順に焼香をして、手を合わせた。

  □     □

■平尾井薬師堂

 平尾井薬師堂では毎年1月8日に営まれている「冬の大祭」が執り行われた。円通寺の山田耕治住職が読経し、1年の平穏、五穀豊穣(ほうじょう)、家内安全などを祈願した。

 参拝者は石段を上った先にあるお堂で鐘を突き、薬師堂に手を合わせた。読経の後、餅まきがあり「薬師の庭」と呼ばれる境内に集まった人たちが袋いっぱいの餅を拾い集めていた。

 西田健町長も参加し、新宮紀宝道路の開通など昨年を振り返った上で「皆さんにとって幸多い年になることを願っています」とあいさつした。

 白河法皇が熊野三山に御幸した際、逢野細谷(相野谷)の地に薬師堂の建立を勅願し許されたのが熊野三仏平尾井薬師だという。薬師堂上の巨岩には、仏足跡と呼ばれる足跡の形が彫られ、高貴な方の参詣の証しとして刻まれたものといわれている。

(2025年1月10日付紙面より)

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芝地東側の外周を焼き払う関係者ら=8日、串本町潮岬の望楼の芝
地域 芝地東側を残し焼き払う
望楼の芝でイベント準備
串本町
【この記事のキーワード】
串本古座高
消防本部
火祭
 串本町潮岬にある望楼の芝で8日、イベント「本州最南端の火祭り」の準備があった。イベント内で芝焼きをする場所以外の芝地を事前に焼き払う内容で、主催者・南紀串本観光協会の関係者が同町消防本部立ち会いの下でその作業に当たった。

 広さ10万平方㍍とされる望楼の芝で取り入れられている芝焼きは、枯れた葉を焼き払いその熱で地中にある茎の芽吹きを促す管理手法。同協会は1月第3土曜日を期日にして計画するイベントのメイン企画として芝地の東側で日没後の芝焼きをしていて、深まる夕闇の下で燃え広がる炎の光景を描き出して多くの見物を集めている。

 この日の作業は、芝焼きの炎が必要以上に燃え広がらない状況をつくるのが目的。関係者が灯油を染み込ませて点火した布を引きずって枯れた葉に火を付け、同本部の職員が意図しない延焼を都度食い止める形で芝地東側の外周と花火を打ち上げる場所、同西側一面を焼き払った。

 イベントは18日(土)午後1時~6時30分に望楼の芝で実施予定。日中は物産販売、日没前には郷土民踊の披露やしょらさん鍋の振る舞い、芋餅の販売があり、日没後に式典や餅まき、県立串本古座高校弓道部による火矢射式や演出花火の打ち上げを経て芝焼きを始める。天候が芝焼きに適さない場合は1週間延期とし、延期日も適さない場合は中止となる。

 今年は物産販売が過去最多の27店舗となる予定だそう。同協会の島野利之会長は「芝焼きの見物だけでなく、日中から広い芝地での遊びも含めていろいろと楽しめるイベント。周辺に臨時駐車場も準備するので、町内はもちろん町外からも大勢の皆さんに来てもらえれば」と願い、この日の作業に励んでいた。

(2025年1月10日付紙面より)



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    北山小
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