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日浦正志主任(右)から防災関連の設備や物資の説明を受けた=5日、和歌山県東牟婁振興局
意識を高め有事に備え
「世界津波の日」に訓練
和歌山県

 「世界津波の日」の5日、和歌山県東牟婁振興局は職員の意識向上を狙い、同庁舎などで防災訓練を実施した。地震発生を想定して職員が自身を守る、毎年恒例のシェイクアウト訓練のほか、今回初めて関連設備・物資の点検、庁舎内外の安全確認、災害対策の会議などを行い、有事に備えた。

 訓練は、緊急地震速報の試験放送で始まった。職員は、体勢を低くして頭を守り、動かない行動を取るシェイクアウト訓練を実践。続いて防災担当職員が他部署の任意参加職員を案内し、防災関連設備や備蓄飲食料の保管場所を点検した。

 庁舎内外の安全確認ポイントも巡回した。任意参加職員に庁舎設備の点検ポイント、防災関連機器、備品の保管場所を確認してもらい、共有した。発災1時間後を想定した災害対策本部東牟婁支部会議も開催。確認・点検の内容や、各部の発災後の初動対応を報告した。

 地域づくり部地域づくり課地域振興・防災グループの日浦正志主任は「(振興局の)職員の中でも、防災に携わる人間はそんなに多くない。今日を機会に防災意識を高めてもらえたら」と話した。

 「世界津波の日」は国連総会で2015年に制定。濱口梧陵が稲むらに火を付け、津波から逃げ遅れた村人を高台へ導いた「稲むらの火」の故事にちなみ、11月5日となった。

  □     □

新宮高校でも実施

 和歌山県立新宮高校(下村史郎校長)もこの日に合わせ、地震・津波を想定した避難訓練を行った。全校生徒583人はシェイクアウト訓練の後、それぞれが最も近い棟の階段を上がり屋上へと逃げた。

 山本七輝さん(1年)は「防災意識を高めながら訓練に取り組めた。災害時には冷静に対応できるようにしたい」と話していた。 

(2024年11月6日付紙面より)


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ゲストの山本卓弥さんと「いただきます!」=4日、那智勝浦町教育センター
地域 地産地消の親子料理教室
食と教育の未来プロジェクト
那智勝浦町
 那智勝浦町と一般社団法人公民連携推進機構が共同で開催する「食と教育の未来プロジェクト」が3、4の両日、同町内で開催された。4日には、割烹(かっぽう)みやなが(東京都品川区)の料理人・宮永賢一さんを招いた「地産地消親子料理教室」があり、町内の親子22人が生マグロと旬野菜を使った料理を味わった。

 同町は今年8月、公民連携推進機構・法人会員企業17社と「地方創生に向けた公民連携包括連携協定書」を締結。首都圏の最先端IT企業や料理人らとコラボし、さまざまな取り組みを展開している。

 参加者たちは市場見学や朝食、町産野菜の勉強の後、調理体験へ。メニューはメバチマグロのお造りと卵黄しょうゆ、かぶら蒸し雑炊、筑前煮。宮永さんはトロや赤身の部位ごとに刺し身の切り方を変えるよう子どもたちに教え「卵黄しょうゆにすることで、刺し身に絡みやすく、コクが出る。野菜から煮汁が出て、もう一度野菜に戻ることでおいしくなる」と解説した。

 フードファイター「キング山本」として活躍した山本卓弥さんもゲストに登場。現在は、タイムスリップしてきた漂流武士としてユーチューブチャンネル「武士飯サムライ フード ドリフター」を運営しており、よろいかぶと姿で山盛りの料理をぺろりと平らげた。

 山中希々花さん(10)と森倉美優さん(9)は「今まで食べたマグロのお刺し身で、今日のが一番おいしい!」と笑顔。かぶら蒸し雑炊は、大人の味ながら「最初は不思議な感じだったけれど、ポン酢しょうゆをかけたらおいしいかも」と新しい味の発見をしていた。

(2024年11月6日付紙面より)

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洗浄したユズの実を搾汁機へ流し込む作業員=1日、古座川町平井のユズ出荷場
地域 数は少ないが大玉傾向
ユズの搾汁作業始まる
古座川ゆず平井の里
【この記事のキーワード】
農事組合
 古座川町平井にあるユズ出荷場で1日、搾汁作業が始まった。今年は生果65~70㌧の集荷を見込み、今月末ごろまでこの作業を続けるという。

 この出荷場は現在、生産者の共同体である農事組合法人古座川ゆず平井の里(倉岡有美代表理事、組合員91人)が運営。50軒ほどから集荷をしていて、秀品は冬至用の生果として出荷、残りを搾汁して約30品目ある加工品の材料とし搾った後の実は堆肥化してユズ園へ戻すなど極力無駄を出さない活用をしている。

 今年は10月28日から集荷を始めたが色づきが遅れ気味で、ある程度量がそろってから搾汁を始めることにした。今月1日午前9時30分時点の集荷量は約1・3㌧。この日はそのうちの約1㌧を搾汁する計画で作業を進めた。

 今年は花付きが鈍く実の数が少ないが、その分栄養が回って例年より大玉傾向。昨年は最終的に約140㌧を集荷する大豊作の年となり、その反動で苗木が栄養を使い切り花付きが鈍ったとみている。色づきの遅れは、尾を引く高気温の影響。倉岡代表理事(56)は「少ないけれど、皆さんが剪定(せんてい)や下草刈りをして一生懸命こしらえてくれたユズなので、一個一個丁寧に搾っていきたい。最大限古座川のユズの芳香を保ち、おいしい加工品が作れるよう頑張りたい」と語った。

 この作業の搾汁率は17・4%前後で、今年は約12㌧の果汁が得られると見込んでいる。

(2024年11月6日付紙面より)

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