スペースワン株式会社のロケット「カイロス」2号機の12月の発射決定を受け、那智勝浦町は28日、体育文化会館で「ロケット活用セミナー」を開いた。約20人が参加、外部講師の講話を聞き、観光促進のヒントを探した。
セミナーでは、那智勝浦町と串本町のロケット関連事業をプロデュースしている、株式会社USPジャパンの新津研一代表による「知って、盛り上がろう!」の講話や、関連商品の展示などがあった。
新津代表は、ロケットを活用した地域振興に言及。「この町で宇宙に関係する仕事ができる環境が整えられる」「ホテルの屋上や自宅の庭を見学場にして商売をしてもいい」「ロケットも温泉もマグロもあるのはここしかない。掛け合わせで誘客を」などと語った。
白浜町や串本町はかつて観光客を取り合う「敵」だったが、ロケットの要素が加わり「仲間」になると主張。「お客は鹿児島やフロリダと比べる。那智勝浦だけではさばけない。紀南全体で客を呼ぶことが重要に」と伝えた。
那覇空港で外国人観光客に一番人気のお土産は「白い恋人」と紹介。「パリでボルドーワインを買うのと一緒。来る人はマグロだけでなく、ミカンや梅干しも期待する。来てもらったらいろいろ伝えることができる。きっかけはロケットでもいい」と力を込めた。
グーグルの写真検索で用語にロケットを加えると、ヒット数が一気に下がることを説明。「世界的にレアな目的地。ぜひ活用を」と呼びかけた。
那智勝浦町勝浦で旅行業を営む佐藤由明さん(43)は「今後どれぐらいのスケジュールで打ち上げを実施か。発表はいつ頃か」と質問。新津代表は「2、3カ月前に発表かと。打ち上げは翌々日ぐらいまではずらす可能性も高いので、それを含めて提案した方が、お客にも地元にもいいと思う」と助言した。
(2024年10月30日付紙面より)