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河川整備が進む熊野川=27日、新宮市新宮
「住民の安全確保を」
河川整備報告受け意見
熊野川懇談会

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浸水被害
災害
台風
 新宮川水系(熊野川)の河川整備について意見する有識者10人で組織する、熊野川流域懇談会の第1回会議が27日、新宮市役所別館であった。委員7人が参加。国土交通省より報告を受け「住民の安全確保を」などと訴えた。

 国交省近畿地方整備局紀南河川国道事務所から、河川整備事業の進捗(しんちょく)報告があった。「河道掘削305万立方㍍を実施したことにより、熊野川の水位を約1㍍低下させた」「令和5年の台風7号に伴う豪雨で市田川排水機場のポンプを稼働させ、市田川流域での浸水被害を回避したほか、県の河川整備と利水ダムの事前放流で水位を約3・1㍍低減し、日足の家屋浸水を回避した」などと説明した。

 委員の一人は、最近の雨は長期化する傾向があることから「もっと積極的にダムの水量を下げて、洪水を防ぐ考え方をしないとうまくいかないのでは」と語った。水量を下げて空振りだった際の補償の必要性にも言及した。

 ダムを運用する電源開発がこれに回答。「これ以上下げるのはダムのハード面で限界がきている。もう一歩踏み込むなら、ハード面(大規模改修工事)を進めざるを得ない」と話した。空振りに関しては「私らは紀伊半島でそれなりの(電気の)供給をしている。その両立が課題」とした。

 別の委員は、最近は降雨予想が15日先までできることから「AI(人工知能)でダム運用の工夫ができるのでは」と指摘。補償に関して「国での補償は難しいかと。空振りの確率が計算できるなら、保険をかけておくのも検討を」と提案した。

 電発はAI運用に関して「ダム操作はもっと(日が)近づき、予測の確度が上がってからで、ブレもあり苦労しているのが実情」と明かした。国交省は「保険は全国的な話。全国の会議の場で伝えたい」とした。

 地元委員は「とにかく安全確保を。住民は不安の中で過ごしている。急いでいただきたい。災害は何度も起き、その都度住民は大変な思いをしている」と力を込めた。

(2024年9月29日付紙面より)


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質問に熱心に手を挙げる児童たち=27日、那智勝浦町立勝浦小学校
学校 バランスの取れた食生活を
野菜を食べる大切さ学ぶ
勝浦小
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なぎ看護学校
勝浦小
 那智勝浦町立勝浦小学校(草下博昭校長)で27日、食育授業があった。町健康増進計画の食育推進計画における取り組みで、6年生38人が1日に必要な野菜の量、体への効果、バランスの取れた食事の大切さを学んだ。

 地域在宅実習で授業に参加した、和歌山県立なぎ看護学校の生徒3人とグループワーク。児童は前日の給食にどんな野菜が入っていたかを思い出し、看護学生と一緒に、なぜ野菜の摂取が必要かを考えた。普段自分がどれくらい野菜を食べているか、手のひらをセンサーに付け、摂取した量を測定する体験もした。

 同町福祉課健康推進係で管理栄養士の大下亜紀子さんが講師を務め、1日に必要な野菜350㌘が、キャベツの千切りでどれぐらいの量になるかを示し、ゆでるなど効果的な食べ方を紹介した。

 主食、主菜、副菜をバランス良く食べる大切さも説明。「給食は栄養を考えられているけど、朝と夕方も大事」とし「そのまま食べられる野菜があれば用意したり、自分で野菜を食べる努力を」と呼びかけた。

 食べ物が栄養になるには時間がかかるため「すぐにすべて反映されない。今食べたものが半年、1年先の体づくりにつながる」と述べ「今日習ったことを少しでも思い出してくれれば、この先大人になった時、病気をせずに暮らせる。命と体を大事にしてください」と結んだ。話を聞いた児童たちは熱心にうなずいていた。

 授業後、男子児童は「測定がゲームみたいで楽しかった。思ったより野菜を食べていなくて驚いた。もっと食べないと」と話していた。

(2024年9月29日付紙面より)

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HUR社のマシンを見学する町民ら=26日、太地町多目的センター
地域 トレーニング機器一新
多目的センターで見学会
太地町
 太地町多目的センターのトレーニングマシンが一新され、フィンランドのHUR社が手がける空気圧式のトレーニングマシンと、国立長寿医療研究センターなどが開発した認知トレーニングエルゴメーター「コグニバイク」の計11台が導入された。26日の見学説明会では多くの町民らが使い心地を確かめた。

 多目的センターは地域住民の健康保持・増進を目的とした施設で、歩行用プールやトレーニングルームを備え、町社会福祉協議会や町包括支援センター機能も集約。ケアマネジャーら専門職も常駐し、健康や介護、福祉に関わる相談を受け付けている。今年4月からは自動運転車両による移動支援サービスも始まった。

 HUR社のマシンは、重りをワイヤーでつり下げる従来の機器と異なり、タッチパネル式で100㌘単位の加重調整が可能。負荷が一定のためけがをしにくく、左右を別々に動かすこともできるためリハビリにも適している。コグニバイクは自転車をこぎながら、簡単な計算などの脳トレを行うもの。

 町包括支援センターの理学療法士・谷口徹さんは「那智勝浦町立温泉病院のリハビリでも使われている機器で、これだけそろっている施設は国内でも珍しい。フレイル段階でのC型介護予防にも活用したい。若い方の体づくりにもお勧め」。町社会福祉協議会の岡本研会長は「温泉病院とも連携し、リハビリ入院から地域に戻ってきた際の自主トレなどに活用してもらいたい」と語る。

 利用開始は10月1日(火)から。詳しくは多目的センター(電話0735・59・2755)まで。

(2024年9月29日付紙面より)

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