那智勝浦町立太田小学校(上地巳奈子校長)で27日、トイレや洗面台などを手がける大手メーカー・TOTO株式会社(本社=福岡県)による遠隔授業があった。5、6年生5人が、太田地域の困り事を解決する新たなパブリックトイレについてアイデアを発表した。
一般社団法人「プロフェッショナルをすべての学校に」の事業。情報通信技術(ICT)を活用して中山間地域や離島を含む全ての学校の子どもたちに、さまざまな分野のプロから学び、多様な働き方に触れる機会を提供している。同校の参加は初。
児童たちは高齢者疑似体験で校内の和式・バリアフリートイレを使用し、そこで得た気付きを基に、特に田畑で農作業中の高齢者の困り事を解決するトイレをデザイン。「目の悪い人はボタンを見つけにくいので、ボタンを赤にする」「つえを置く場所をつくる」「農作業の服は汚れていることが多いので、使った後に床に水が流れる」「トイレットペーパーをつかみにくいのでティッシュのような形にする」などのアイデアを出した。
社員からは「高齢者の方のことを本当によく見ている。パブリックトイレは安全性と快適さが大切。清潔に使い続けるには、掃除しやすい工夫も大事で、つえなどを置く場所は浮かせるといい」「実際にある農地用トイレは水道、下水、電気を使わないものが多い。太田の『通いの場所』のトイレを農家の方にも開放して改修すれば、皆さんの夢のトイレが実現できるかも」などの講評があった。
児童からの「最高のトイレは?」には「ネオレストNX」、「なぜTOTOという名前なの?」には「東洋陶器株式会社から東陶機器、TOTOと名前が変わっていった」と答えた。
西功合君(12)は「タンクがないトイレがあるのは初めて知った。自分の班が考えた夢のようなトイレのお薦めは、自動で床に水が流れて掃除してくれる機能」と話していた。
(2024年9月28日付紙面より)
もっと見る
折たたむ
別窓で見る