4年連続4回目の紀南コース運行を7月1日に開始した、JR西日本の長距離観光列車「WEST EXPRESS 銀河」の今シーズン最終便が25日、JR新宮駅を出発した。今シーズンの乗車率は約95%で、過去最高だった。
銀河は、観光を中心とした西日本エリアの活性化を目指し、紀南の京都―新宮間のほか、山陰、山陽の方面で運行している。今シーズンは約3000人が乗車。期間が短いため昨シーズンより少ないが、乗車率は約75%だったため、約20%も上昇したことになる。最終便もほぼ満席だった。
JR西日本は好調の要因を▽「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年▽和歌山県とJR西日本による「聖地リゾート!和歌山キャンペーン」―のためと分析している。車内で地元物産や銀河グッズを販売する「銀河熊野マルシェ」を新宮―串本間から新宮―紀伊田辺間に延長したことなども功を奏したと考えている。
最終日は、JR西日本と「WEST EXPRESS 銀河受入協議会」(田岡実千年会長=新宮市長)の主催による、最終運行おもてなしイベントを新宮駅で実施。駅前でのかき氷のおもてなしや、最終便の乗車客への地元ノベルティー配布を行った。
見送りには、田岡会長やJR西日本の富澤五月和歌山支社長、県の鳥羽真司東牟婁振興局長などが訪れた。「きいちゃん」や「めはりさん」の着ぐるみ、平安衣装や筏(いかだ)師衣装のスタッフ、蓬莱保育所の園児の姿もあった。出発する銀河と乗客に向けて手旗を振り、別れを惜しんだ。
田岡会長は「銀河で訪れた人がまた、(特急の)くろしおに乗って来てくれれば。来年もぜひ、この地への運行をお願いしたい」。富澤支社長は「来期の銀河の予定は未定。社内でぜひ和歌山へと伝えたい」と語った。
北海道札幌市から夫と長男と列車で旅をし、京都から銀河で訪れた佐藤恵さん(43)は「以前から乗りたかったので大満足。停車駅での時間が長かったので、いろんな体験もできて楽しかった」と述べた。
(2024年9月27日付紙面より)