那智勝浦町の那智山青岸渡寺信徒会館で11月23日(土・祝)午後2時30分から、世界遺産登録20周年記念「西国第一番札所落語会―熊野三部作披露―」が開かれる。五代目桂文枝さん(1930~2005年)が残した創作落語「熊野詣」をはじめとする三つの落語を披露する。
熊野「落語を愛する会」(熊野家三九郎代表)主催。落語を通じ、熊野の持つ信仰の聖地としての特性を改めて広く知ってもらおうと企画。落語で熊野詣での参詣道中を描いた作品はまれだが、そのうち「熊野詣」、上方・江戸の両方に伝わる古典落語「三枚起請」、江戸落語の大ネタ「宗珉の那智の滝」(原題は「宗珉の滝」)を予定している。
18日に記者会見を開き、三九郎さん、那智山青岸渡寺の髙木亮英住職、堀順一郎町長、文枝さんの直弟子である桂坊枝さん、桂枝曾丸さんが思いを語った。
三九郎さんは、文枝さんに熊野地方を案内したことを振り返り「那智の滝を見つめ『熊野の神様が、私に落語を作れと言っている』とおっしゃっていた。命の残り火を燃やすがごとく、作ってくださった落語。その恩に報いたい」と語った。
髙木住職も「落語は寺の説法から始まったともいわれ、縁がある。文枝さんとは何度もざっくばらんにお話しさせていただき、『熊野詣』に西国第一番札所の御詠歌を入れてはと提案させていただいた」。堀町長も「那智の滝を望むロケーションでご披露いただける。地元の方にも改めて熊野の素晴らしさを知り、自信を持っていただける場に」と話した。坊枝さん、枝曾丸さんも熊野に魅了された師の思い出を語り、鋭意稽古を積んでいると力を込めた。
入場料は2000円。チケットは那智勝浦町の熊野カフェ、明慶家具工芸、熊野のめざめ、吾作、摩天楼、ミナミ写真館、ホンダCars南和歌山那智勝浦店、有限会社上松モータースと新宮市観光協会で取り扱っている。
(2024年9月20日付紙面より)