「中秋の名月」の17日、新宮市の正明保育園(山田みつの園長)でお団子クッキングがあった。4、5歳児24人が月見団子作りに挑戦し、給食のデザートで味わった。
伝統文化を知る取り組みとして毎年、この時期に開催。コロナ禍で中断した年もあったが、昨年から再開した。今回初めて白玉粉のみだった生地に絹ごし豆腐を加えた。
絵本で「十五夜」について学んだ後、クッキングを開始。保育士が白玉粉と絹ごし豆腐を混ぜ合わせ、出来上がった生地を小分けにして渡した。
園児たちは生地をちぎって、丁寧に丸めて形を整えた。団子を鍋でゆでて、白玉が浮いてくる様子を間近で見入っていた。鍋からすくい上げると「つるつるや」「きれいやな」などの声が響いた。
団子は氷水で冷やして完成。全員で仲良く頬張った。「丸めるのが大変だった」「大きさ(をそろえるの)が難しかった」と苦労した作業を振り返りつつ、全員が「楽しかった」と口をそろえ、満足げな表情を見せていた。
料理を通じて食への興味を持ってもらうことが目的。幼児のそしゃく力低下や誤飲事故の多発に配慮したもので、辻本幸子主任は「事故の恐れがあるからと取りやめるのは簡単だが、行事そのものの本質的な部分は伝えていきたい。こういう工夫で時代に合わせていかないと」と話していた。
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■中秋の名月
この日、新宮市内は晴天に恵まれ、夜には「中秋の名月」が夜空を照らした。
1年で月が最も美しく見えるとされ、大浜展望駐車場には、市民らが観賞に集まった。多くの人たちがスマートフォンを構え、明るい月を撮影していた。
(2024年9月19日付紙面より)