第106回全国高校野球選手権和歌山大会の決勝戦が29日、紀三井寺公園野球場(和歌山市)であった。創部20年目で初の決勝進出を果たした近大新宮は、全国屈指の強豪、智弁和歌山に2―4で敗れたものの、挑戦者として一丸で戦い抜き、準優勝に輝いた。
近大新宮は、準決勝までの4試合全て無失点コールドで勝ち上がった智弁和歌山から、今大会初めて得点を奪った。さらに、強打を誇る相手打線を5人の継投で、緊迫した投手戦を繰り広げた。
準決勝は全試合で先発した西田悠朔君(3年)が8回無失点の力投で、和歌山東に3―0で勝利し、初の甲子園まであと1勝に迫っていた。
決勝戦は応援団の大声援を受け、響与一君(3年)が先発のマウンドへ。ピンチをしのぎ切り、三回1死から田中楓君(3年)に託した。五回途中から小田島一晃君(3年)に継投、六回に1点を先制されたが粘りの投球を見せた。
七回途中から、中1日で西田君が5試合目のマウンドへ。七回に1点、八回に2点を許したが、粘りの投球で追加点を阻止した。
九回は西島大波君(1年)が先輩からマウンドを受け継ぎ無失点に抑えた。
九回裏、2死から3番和嶋健人君(3年)、4番長堀竣君(3年)、5番矢守駿介君(1年)の3連打で満塁、6番井上慎晟君(3年)の遊ゴロ失策の間に2点を返した。最後は中飛で試合終了となったが、選手たちは決勝の舞台で躍動した。
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智弁和歌山 000 001 120=4
近大新宮 000 000 002=2
(2024年7月30日付紙面より)