新宮市の市街地でサルの出没が相次いでいる。24日までに人への被害は出ていないものの、市内の小中学生が8月1日から夏休みに入り、昼間に出歩く機会が増えることから、市農林水産課は「見かけたら威嚇したり、餌を与えたりせず、市役所農林水産課か警察に連絡してほしい」と呼びかけている。
農林水産課によると、5月末から、市街地での出没情報や農作物への被害情報が市や新宮署に寄せられ始めた。5月は4件、6月は6件だったが、7月は24日現在で14件に上る。畑や家庭菜園の農作物、果樹などが食べられる被害が出ている。
場所は旧市内の橋本、下田、広角などで、6月末からは新宮運転免許センター付近の三輪崎や、佐野1丁目付近でよく目撃されている。三輪崎、佐野のサルは同じ個体でなく、別々だと考えられるという。
ニホンザルは狩猟鳥獣ではないため、有害鳥獣駆除として自治体の許可がないと、捕獲できない。市では連絡があった場合、同課の職員が現場に出向き、まだサルがいた時は獣害対策用の追い払い花火を使って追い払っている。子どもへの事故の恐れもあることから市街地での箱わな設置は考えていないという。出没情報は和歌山県警察の「きしゅう君の防犯メール」で周知している。
農林水産課の小林徹央課長補佐は「聞き取りした中で、ヤマモモなど山の中の食べ物が少なく、市街地に下りてきているのではとよく聞いている。人への被害は出ていないが、かまれる可能性もあるので、こちらから威嚇などはしないでほしい」と呼びかけている。
サルを目撃した五新の女性(66)は「(サルが市街地に現れたとは)これまで聞いたことはなかった。網戸を開けられないよう市販の防犯グッズをつけた。近所の人も対策しているよう」と話していた。
□ □
■サルを見かけた時は
・餌をあげない
・威嚇などせず相手にしない
・市役所農林水産課(電話0735・23・3351)か警察に連絡を
(2024年7月27日付紙面より)