日本と米国で交互に開催している交流イベント「日米草の根交流サミット」が和歌山県で初開催されており、その新宮分科会として6家族8人が11日、新宮市入りした。3泊4日でホームステイを行いながら、観光や体験を行う予定でいる。
日米草の根交流サミットは、公益財団法人ジョン万次郎ホイットフィールド記念日米草の根交流センターと開催地で結成される実行委員会で運営される日米市民の交流事業。コロナ禍の中断時期を除き毎年開催されており、今回で31回目となる。分科会は新宮市の他、那智勝浦町、串本町など計8自治体で行われている。
ジョン万次郎(1827~98年)は漁で遭難し、捕鯨船に助けられ米国に渡った日本人で、ウィリアム・ホイットフィールド(1804~86年)はその捕鯨船の船長だった。来新の一行はこの2人や、黒船で浦賀を訪れ江戸幕府に開国を迫ったマシュー・ペリー(1794~1858年)の子孫も含まれていた。
新宮分科会は歓迎昼食会で幕を開けた。田岡実千年市長が手打ちしたうどんや、めはりずしなどでもてなした。田岡市長はあいさつで「新宮市は大自然を背景に仏教と神道が融合した、熊野信仰の聖地として繁栄したまちの一つ。平安時代から多くの参拝者が訪れており、古くからの日本の文化を感じることができます。地域が誇る魅力を感じていただければ。草の根レベルの交流を通して、日米友好の架け橋となっていただければ」と呼びかけた。
一行を代表し、ローレン・トーマスさんもあいさつ。「栃木県佐野市で英語教師として勤めたことがある。温かい歓迎をありがとう」と伝えた。一行に対して、英語での熊野曼荼羅(まんだら)絵解きも行われた。
この後、一行は市立王子ヶ浜小学校で、児童と書道「己書(おのれしょ)」を体験。春日隣保館で和菓子作りにも挑戦した。夕方には市役所でホストファミリーと対面。簡単な会話を交わし、友好を温めていた。
(2024年7月13日付紙面より)