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ファイナル大会に2204人がエントリーした=19日、那智勝浦新宮道路
自動車道、笑顔でラストラン
天空ハーフマラソン大会
新宮市・那智勝浦町

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紀伊半島大水害
大水害
水害
復興
 第9回「新宮・那智勝浦天空ハーフマラソン大会」が19日、自動車専用道路の国道42号那智勝浦新宮道路を舞台に開催された。4年ぶりかつ最後となる今大会には和歌山県を中心に30都道府県から2204人がエントリー。世界陸上セビリア大会女子マラソン銀メダリストの市橋有里さんをゲストランナーに迎え、秋空の下、健脚を競い健闘をたたえ合った。

 当地域に甚大な被害をもたらした紀伊半島水害(2011年)からの復興と地域の活性化を願い、翌12年にスタートした。全国的にも珍しい自動車専用道路を使用するコースで展開され「世界遺産・熊野古道のまち」である新宮市、那智勝浦町の魅力を体感するとともに、地域の振興につなげることを目的に開かれてきたが、水害から10年が経過したことを受け、今大会で一つの区切りをつけるに至った。

 新宮市佐野のやたがらすサッカー場で行われた開会式では、大会長で実行委員長の田岡実千年新宮市長が関係者の尽力に感謝を伝えるとともに参加者を歓迎。「来年、『紀伊山地の霊場と参詣道』が世界遺産に登録されて20周年を迎える。大会後は、周辺の温泉や海の幸・山の幸、観光施設など、当地域の魅力を満喫して」と呼びかけた。

 二階俊樹さんが「串本太地道路も着々と事業を前進させており、フルマラソンの大会の実現も夢ではなくなる。高速道路の紀伊半島一周を新宮・那智勝浦からつなげていくという思いを共有しながら、大会を締めくくっていただければ」と二階俊博・衆院議員のあいさつを代読。前大会10㌔女子で優勝した渡辺優希さん(串本町)が「熊野の天空の下、熊野の風景を存分に体で感じながら、最後まで楽しんで駆け抜ける」と宣誓した。

 レースは3㌔、10㌔、ハーフの順に行われ、男女別で各部門の総合8位までの選手が表彰を受けた。最後には地元特産品や商品券などが当たる抽選会もあり、会場は多くの人の笑顔であふれた。

 10㌔女子で連覇を成し遂げた渡辺さんは「うれしい。コロナ禍を経て、大会の復活はうれしいけどファイナルは残念。今日は天気もよく、楽しく走れた」と笑顔。

 ハーフ男子で2位だった日茂優真さん(島根県)は新宮市出身。「大会には2回から7回まで3㌔で参加した。地元ということもあり思い入れが強い大会。ハーフに出るために練習してきた。優勝してさらに連覇を目指したかったけど、最後の大会でさみしいです」と話していた。

(2023年11月21日付紙面より)


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賞状を持つ濱田英明さん(中央)、瀬戸大介さん(右後)、辻敏秋さん(左)ら
地域 らんちゅうが日本一に
濱田英明さん全国2連覇
 紀州らんちゅう同好会(植松啓会長)に所属する、那智勝浦町川関の濱田英明さん(36)は、愛知県蒲郡市で3日に開かれた第66回日本らんちう協会全国品評大会の当(1)歳魚の部門で、日本一となる優等賞の東大関となった。前回大会に続き2連覇な上に、環境大臣賞も同時受賞。「すごくうれしい」と喜んでいる。また同同好会から、他にも3人が入賞した。

 濱田さんは、前回大会では同じ当歳魚の部門で初の日本一に。その際に「まぐれと言われないために、もう一度日本一を取りたい」と語っており、今回はそれを実現した。同大会の連覇は、約40年ぶりという。「今年は頑張った。結果が出て良かった」とほほ笑む。

 また他にも、当歳魚の部門で1匹、弐(2)歳魚の部門で1匹が入賞した。「次は3連覇」と意気込む。

 新宮市蜂伏の瀬戸大介さん(44)も、弐歳魚の部門で上位賞である、壱等賞の勧進元一を受賞した。「やっと(上位に)入賞できた。育てるのに苦労があった。らんちゅうのためにローンを組んで小屋も建てたが、そのかいがあった」と話す。今後の抱負として「まずは継続して入賞できるようになりたい」と述べる。他は、当歳魚の部門で2匹が入賞した。

 親魚部門で、那智勝浦町井関の辻敏秋さん(67)が参等賞の西前頭三となった。濱田英太さんも当歳魚の部門で2匹入賞した。

 同同好会は随時、会員を募集している。濱田英明さんは「泳ぐ宝石を育てて、一緒に日本一を目指しましょう」と呼びかけている。問い合わせは、同同好会の植松会長(電話090・7103・0651)まで。

(2023年11月21日付紙面より)



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町の夜空や勝浦湾を彩った花火=18日、那智勝浦町の勝浦湾
地域 夜空に美しい大輪咲く
「山の章」花火打ち上げ
那智勝浦町
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花火大会
 那智勝浦町は18日夜、勝浦湾渡の島で「山の章 紅葉と那智の滝しぶき」と題して花火を打ち上げた。計1350発が町の夜空に美しい大輪を咲かせ、大勢の来場者から拍手や歓声が上がった。

 コロナ禍で疲弊する町を元気づけようと昨年から始まった取り組み。那智勝浦町花火大会が再開した今年も、町のさらなる活性化を図るべく実施することとなった。

 10月にも「海の章 那智勝浦オーシャンビュー」のタイトルで1350発が打ち上げられた。

 今回は18、19の両日に開催された棚田の景観や農村文化の継承を目指す「第28回全国棚田(千枚田)サミットin那智勝浦町」に合わせてこの日となった。サミットには、38都府県から530人が来町している。

 家族連れなどの多くの来場者は次々と夜空に打ち上がる花火を楽しんでいた。

 三重県熊野市から訪れた40代男性は「たまたま友達と食事するのに勝浦に来たら花火があった。時間的にもちょうど良い長さだった思う。とても寒かったが、きれいでした」と話していた。

(2023年11月21日付紙面より)

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「八反田遺跡」発掘調査現場を見学する参加者ら=18日、新宮市木ノ川
地域 弥生時代の土器や遺構など
「八反田遺跡」一般に公開
新宮市
 新宮市教育委員会、(公財)和歌山県文化財センターが発掘調査を行っている同市木ノ川の八反田遺跡が18日、公開された。参加した地域住民らは、遺跡から出土した弥生土器や石器、作業風景などを見学した。

 地中に埋まっている土器や石器、建物の跡などの文化財を「埋蔵文化財」といい、埋蔵文化財が埋まっている場所を「埋蔵文化財包蔵地」(遺跡)という。市内には現在、37カ所の埋蔵文化財包蔵地が確認されており、遺跡の範囲内で工事などを行う場合の手続きが文化財保護法で定められている。

 工事着工前に、工事予定範囲の一部を調査し、埋蔵文化財の状態を確認。その結果、遺跡に影響があると判断された場合には工事内容の変更などについて協議される。なお、変更が不可能な場合には本発掘調査を実施することがある。

 市では、市道比奈久保線交差点改良工事に伴い、埋蔵文化財包蔵地の一つである、八反田遺跡の発掘調査を開始した。なお、過去に佐野川周辺で行われた発掘調査では、弥生時代の竪穴建物などの遺構が確認され、弥生土器や石器が出土している。

 今回の調査地は遺跡の西辺りの、西から延びる丘陵の山麓部で、調査を進める中で土器廃棄土坑やくい列、溝などの遺構を確認。約3㍍四方の廃棄土坑では、弥生土器が大量に出土した。

 土器は完形に近い個体も複数あり、まとまって出土していることから意図的に廃棄されたものと思われる。現在、調査途中ではあるが、遺構は竪穴建物であった可能性もあるという。また、くい列は柵や塀などがあったと想定され、複数列見られることから、作り替えなどが行われたと考えられる。

 遺跡は、出土土器から弥生時代中期から後期(約2200年前~約1700年前)にかけてのものと思われる。出土土器などは後の市立歴史民俗資料館での展示も視野に入れて調査を続けていくという。

(2023年11月21日付紙面より)

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