メディア業界の専門紙を発行する株式会社文化通信社(山口健・代表取締役)=東京都千代田区=が主催する第3回「ふるさと新聞アワード」で、本紙の記事がグランプリに選ばれた。
専門紙「The Bunka News」の発行をはじめ、活字文化推進事業を展開する同社。創業75周年を迎えた2021年、全国各地の社会・経済・文化の発展、活字文化を守るため、主に市町村エリア向けに新聞を発行している「地域紙」を応援する目的で、地域紙のユニークかつ優れた記事や連載、企画などを表彰する同アワードを創設。地域にゆかりのある著名な審査員による最終審査を経て、グランプリおよび各賞を決定している。
今回は全国の地域紙から約200の記事がエントリー。文化通信社内で1次選考ののち▽加来耕三さん(歴史家・作家)▽小山薫堂さん(放送作家・脚本家)▽高橋俊宏さん(ディスカバー・ジャパン代表取締役)▽中川政七さん(中川政七商店会長)▽山崎まゆみさん(温泉エッセイスト)―の5人が最終選考した。
グランプリに選ばれたのは、かつて盛り上がりを見せていた熊野地域の鉄道会社の歩みを紹介した「嗚呼(ああ)!!壮絶かな、観光合戦!!」(担当=西久保勢津子記者、2023年1月1日付掲載)で「『観光合戦!!』と題した華やかな記事で、ひときわ目に留まった。交通・鉄道を軸として、観光地の在り方が論じられており、特に、古資料を丹念に読み込んで執筆されたことが伝わってきた。かつての時刻表、リーフレット、駅の風景など、数々のカラー写真が掲載され、当時を懐かしみながら、記事を読まれた方も多かったのではないか。熊野への強い思いが込められた記者の記事が、熊野の観光・交通の活性化のヒントとなることを願ってやまない」(加来さん)。
「地元の鉄道路線が大赤字であるというネガティブなニュースを起点に、かつて活況であった熊野観光の様子をひもときながら、未来に向けて熊野観光がどうなっていくべきかを取材・提言している素晴らしい記事。切り口や編集も秀逸で読み物記事として面白い。タイトルやデザインにも気が配られている。この方が書いた他の記事も読みたいと思わせる」(中川さん)と高評価を得た。
受賞の報を受け、熊野新聞社の寺本一生代表取締役社長は「3年連続の入賞で、しかも今回は初めてグランプリを頂きました。うれしい気持ちでいっぱいです。記事は熊野学研究委員会研究委員の中瀬古友夫先生のご協力を得て西久保記者が書き、紙面デザインも彼女が制作しました。受賞は今後の大きな励みとなります。ありがとうございました」とコメントしている。
表彰式は12月1日(金)、東京都台東区の東天紅上野本店で行われる。
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■グランプリ
▽熊野新聞「嗚呼!!壮絶かな、観光合戦!!」
■「もの」部門
【最優秀賞】
▽丹波新聞「柏原藩陣屋の秘密穴 藩主の抜け道伝説」
【優秀賞】
▽須坂新聞「100年前のピアノ復活」
▽胆江日日新聞「『いわてリトルベビーハンドブック』作成」
■「こと」部門
【優秀賞】
▽あやべ市民新聞「『ふるさとにエール』10年後の綾部に向けて」
▽人吉新聞「人吉城跡の地下室遺構 ユダヤ教沐浴施設か?」
■「ひと」部門
【最優秀賞】
▽滋賀報知新聞「ガリ版発祥の地に移住」
【優秀賞】
▽いわき民報「草野心平 生誕120周年記念特集」
▽岩手日日「折り紙こつこつ亀1000匹 リハビリで制作」
▽市民タイムス「新聞切り抜きに母の愛」
■文化通信社賞
▽北鹿新聞「若い読者層へ月替わりリーダーがつくる『We』」
▽夕刊三重「『夕飯三重・男の1人暮らし』」
(2023年11月18日付紙面より)
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