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新たな時代の学びを創造
再編整備案発表、意見募る
新宮・新翔高校

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新宮高
新翔高
 新宮市の県立新宮高校(深野泰宏校長)と県立新翔高校(宮井貴浩校長)は19日、新宮高校で会見を開き、高校再編に向けた整備案を発表した。案は今秋中に県教育委員会に提出する予定で、両校では提出に向けて整備案についての意見や要望を広く募集していく。

 第6期きのくに教育審議会の答申を受け再編整備が進む県立高校。県教育委員会が「各地域で望ましい高等学校や高等学校教育について議論を深めていくことが重要」と示したことから、両校では住民意見を聴取するなどし、昨年12月に構想案「生徒・地域社会の期待に応えるALL IN ONEの学校」を発表。今年2月には構想案を基に、市文化複合施設「丹鶴ホール」でフォーラム(説明会)を開催した。

 なお、再編のめどは2026(令和8)年4月としている。

 このたび示された整備案では、構想案を基に「新宮・新翔を継承・発展し、新たな時代の学びを創造」と銘打ち「普通科」「総合学科(専門系・自立支援系=ともに仮称)」「学際探究科」(仮称、新設)の「全日制課程」、「定時制課程」「通信制課程」を設定した。また、「学校全体の取り組みの特色化と部活動・地域活動の活性化」を掲げ▽教育活動▽部活動▽地域との連携▽校舎の活用―などに分けて、その内容について説明している。

 整備案については新たに説明会などの開催を予定していないが、各校のホームページなどで詳細を公開したり、必要に応じて保護者に構想図を配布するなどして内容についての周知を図っていくとしている。

 整備案についての意見や要望はFAX(新宮高校=0735・21・2901、新翔高校=0735・31・7870)もしくはメール(新宮高校=vision@shingu-h.wakayama-c.ed.jp、新翔高校=vision@shinsho-h.wakayama-c.ed.jp)で受け付ける。

(2023年9月21日付紙面より)


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高齢者への虐待について聞いた=19日、紀宝町鵜殿の町福祉センター
地域 地域の気付きが大切
高齢者虐待へ理解深める
紀宝町民児協
 紀宝町民生委員児童委員協議会(西村喜久男会長)は19日、研修会を同町鵜殿の町福祉センターで開いた。委員約30人が参加し、高齢者の虐待について理解を深めた。

 研修会は毎月の定例会に合わせて開催している。今月は町地域包括支援センターの社会福祉士、山本久恵さんを講師に迎えた。

 高齢者への虐待は▽身体的虐待▽経済的虐待▽性的虐待▽心理的虐待▽介護・世話の放棄・放任―の五つに分類されるとし、どんな行為が虐待に当たるかを解説。家庭内で起こっていることは見えづらく、近隣住民、ケアマネジャー、介護サービス事業所など地域の人が早期発見することが大切だとした。

 サインが見られた場合、町役場福祉課や地域包括支援センターへ連絡してほしいと求め、通報者は分からないよう虐待とは言わず高齢者訪問として関わり、ケアマネジャーや介護サービス事業所とも連携して対応していくと説明。「養護者(家族など)を責めるためのものではなく、虐待に至った要因を知り、高齢者と養護者を支援していくもの」と話し、予防するには高齢者や養護者が孤立しないよう地域の見守り、声かけ、あいさつ、気付きを大切にしていくよう呼びかけた。

 また、認知症の人が集う町内の情報交換の場として町社会福祉協議会が「認知症介護者のつどい」や、「カフェいっぷく亭」を毎月開催していることを紹介した。

(2023年9月21日付紙面より)

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後継者の出現を願って曲「出し」を奏する「河内会」の会員4人=15日、串本町文化センター
地域 地縁によらず会員求める
河内会が御舟謡の説明会
串本町
 串本町古座の御舟謡(みふねうた)保存会「河内(こうち)会」(片山潔会長)が15日夜、同町文化センターで一般対象の説明会を開いた。地縁によらず会員を得るための試みで、片山会長は「今後の保存を担ってくれる後継者を何としても確保したい」と実施の思いを語る。

 古座の御舟謡は、7月第4土・日曜日に営まれる河内神社例祭河内祭」の祭船・御船を運航する折に船内で奏される近世の流行歌の一種。古く年長の漁師が全11曲を歌い継いで奏していたが、同保存会は歌い方がわかる8曲を受け継ぎ現在の奉仕を支えている。

 奉仕する漁師の数の減少により同保存会は、古座に地縁がある有志も会員に加える形で御舟謡を歌い継いでいる。近年はこの方法も厳しくなり、今年の「河内祭」で奉仕したのは60代後半~70代後半の会員4人。御船は2隻出船し、1隻で生歌を奏し残る1隻は録音した歌を流す形となった。「歌える4人が後継者をつくる前に引退したら、御舟謡が途絶えてしまう」。その危機感を共有して今後を話し合い、地縁によらず後継者となってくれる会員の獲得に動き出すことにしたという。

 この説明会はその足掛かりとして実施。前半は御舟謡のいきさつに詳しい神保圭志さんが紀伊続風土記に記されている「河内祭」の全体像と現在の奉仕の状況、河内会の奉仕の状況(河内神社古座神社、古座愛宕神社の各例祭で奉仕)を伝え、後半は古座川河内祭保存会会長でもある会員の杉本喜秋さん(77)が5年越しの自身の習得経験や古座の御舟謡の現在の保存とそのための稽古状況などを語り、会員4人で曲「出し」を奏して紹介するなどした。

 当日は関心がある一般9人が出席。杉本さんの手法をなぞらえて自分も収録音源を聴いて学びたいと名乗り出る人がいたほか、有田の御船歌関係者もいて、保存に向けた交流のきっかけを得る機会ともなった。

 古座神社例祭奉仕が23日(土・祝)午後7時の宵宮祭神事後にあるとして拝観を誘いつつ終了。片山会長(74)は「御船に乗り込むので高齢になるほど危険度が高まって周りから奉仕を止められることもある。今は歌える会員4人で何とか頑張れているが、年齢を考えたらいつまでも続けられる状況でもない。何とかして絶やさないための課題をクリアする方法を見つけたい」と胸中を語った。

(2023年9月21日付紙面より)

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4年ぶりの獅子舞奉納に地域が盛り上がる=16日、那智勝浦町下里高芝区
祭礼 4年ぶりの祭りばやし
晴天の下、各地で秋祭り
那智勝浦町
 那智勝浦町各地は16、17の両日、秋祭り一色に包まれた。同町下里の高芝区では16日に県無形民俗文化財「高芝の獅子舞」が奉納され、17日には下里神社下里天満天神社秋の大祭が営まれた。新型コロナウイルスの影響で通常の形での斎行は4年ぶり。古く伝わる伝統の各祭礼は、多くの地域住民らでにぎわった。

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勇壮に舞う鼻黒の雄獅子 高芝区旧住吉神社

 同町下里の高芝区、旧住吉神社例祭が16日、同区民会館で営まれた。280年余りの伝統を誇り、受け継がれてきた県の無形民俗文化財「高芝の獅子舞」を奉納し、大勢の見物人を楽しませた。

 この祭りは1910(明治43)年に住吉神社下里神社へ合祀(ごうし)された後も続けられてきた。約50人の会員で組織される「高芝の獅子舞保存会」(西清隆会長)が、勇壮な鼻黒の伊勢流雄獅子を伝えている。国内外の交流イベントにも参加し、来年2月には、千葉県で開催される「千葉県誕生150周年記念郷土芸能交流祭事業」にも出演が決定している。

 勇ましい笛や太鼓に合わせて、「幣の舞」「乱獅子」「剣の舞」「扇の舞」「神供(しんぐ)の舞」「牡丹(ぼたん)獅子」「神明賛」「寝獅子」「天狗(てんぐ)獅子」の9頭を奉納。多くの地域住民らが4年ぶりの獅子舞を喜び、最後は菓子まきや餅まきで締めくくった。

 伊藤善之区長は「無形文化財の獅子舞を伝えるべく努めている。今後も地域を盛り上げたい」。

 西会長は「4年ぶりに実施できて感無量。体調不良で本番に出られない会員もいる中、協力して終えることができた。来年はさらに盛大に行いたい」と笑顔で語った。

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若い人に継承していきたい 下里神社

 建御名方神(たけみなかたのかみ)を祭神とする下里神社(山本貞夫宮司)では16日に宵宮、17日に本宮が斎行された。本宮の宮上り行列は午後、屋台が下里青年研修所を出発し「えーんや、のったい、のったい」のかけ声とともに区内を練り歩いた。道中では「めはり音頭」「下里音頭」の手踊りを披露して沿道で見守る人たちから大きな拍手を受けた。一行は子どもたちの笛や太鼓の祭りばやしでにぎやかに巡行し神社に到着した。

 境内では同神社祭典部(楠谷彰部長)による「幣の舞」「乱獅子」「剣の舞」など、9演目の勇壮な獅子舞を奉納。天狗役の世古蓮翔(れんと)君(下里小3年)は華やかな舞を披露した。

 奉納前、世古君は「これまで教えてもらいながら練習を重ねたので、しっかり集中してやるだけ。落ち着いて舞に臨みたい」。楠谷部長は「地区の方々から温かい言葉を頂いて『祭りをやってよかった』と改めて思いました。今後の祭りのためにも、若い人に継承していきたい」と語った。

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伝統誇る舞が観客を魅了 下里天満天神社

 学問の神様・菅原道真を主神として古くから信仰を集めている天満天神社(山本貞夫宮司)では16日の宵宮に続き、翌17日に本宮が営まれた。天満祭典(宮部陸会長)が継承し、280年余りの伝統を誇る舞を披露し、優雅かつ華麗な姿で区民をはじめ多くの見学者を魅了した。

 午後の本宮道中は、会員や子どもたちが神輿(みこし)を担いで同神社を出発。にぎやかな笛と太鼓の音を響かせ地区内を練り歩いた。境内では「玉獅子」や「扇の舞」「神宮の舞」など、7頭の獅子舞を奉納した。

 寝獅子天狗役を務めた峯山英心君(下里小3年)は「少し間違えてしまったが満足しています。練習した成果は出せた」。玉獅子天狗役の岡田和睦君(下里こども園)は「初めての天狗役で緊張したけど楽しかった。無事に舞ができて安心した」。

 宮部会長は「4年ぶりに通常の形だったので少し不安もありましたが最高の祭りとなりました。コロナの状況が気になるが、今後も継続できる環境になってくれれば」と話していた。

(2023年9月21日付紙面より)

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