9月に入り、まだ暑い日が続きますが、朝晩は過ごしやすくなってきました。スーパーにも、芋や栗など秋の食材が並び始めましたね。今回は、秋の食材の代表格ともいえるキノコについてお伝えしたいと思います。
キノコにはさまざまな栄養素が含まれています。糖質をエネルギーに変える、ビタミンB1。アルコールの分解を助け、髪の毛や皮膚の健康を助ける、ビタミンB2。カルシウムの吸収を助けてくれる、ビタミンD。過剰な塩分を尿や汗として排出してくれる、カリウム。歯や骨を形成する、リン。などなど、どれもとても豊富です。中でも、キノコの栄養と聞いて、最も取り上げられるのが食物繊維。以前も書きましたが、この食物繊維は、腸内の善玉菌の餌となるので、積極的に取ることで、腸内環境を整え、免疫力などもアップします。さらに、血糖値の上昇やコレステロールの吸収を抑えてくれるので、キノコは、生活習慣病を予防する効果があるといえます。キノコの摂取量が、がんの発症に影響するという研究結果もあります。低カロリーで、栄養豊富! キノコは、とっても身近なスーパーフードといえるわけです。
では、どうやって食べると効率的に栄養が取れるのか、その調理法についてお伝えしたいと思います。まず調理前の水洗いは必要ありません。キノコの栄養素は水溶性のものもあるため、調理前に水洗いをすると栄養も風味も落ちてしまう可能性があります。この水溶性の栄養というのは、ビタミンB1、B2、カリウムなどですが、これらを効果的にとるためには、「ゆでる」のは避けた方がいいでしょう。おみそ汁や、ホイル焼きなど、スープも味わえる調理法がお勧めです。食物繊維は、加熱しても失われることはありませんが、細かくカットしすぎると、せっかくの食物繊維が破壊されてしまいます。包丁でカットせず、手で割いて食べるなどがお勧めです。ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けてくれるので、乳製品と一緒に食べるとその効果を発揮してくれます。キノコシチューなどもお勧めですね。また、ビタミンDは油との相性もいいので、バターなどで炒めたりするのもいいでしょう。
キノコは栄養が豊富で、値段も安くとってもお勧めの食材ですが、食べ過ぎには注意してください。食物繊維が豊富ということは、消化に時間がかかるということです。食べ過ぎると消化不良を起こして、便が硬くなったり、胸焼けなどの症状が出ることもあります。
キノコは、冷凍保存することも可能です。アミノ酸などのうま味成分は、冷凍することで増えるともいわれています。冷凍する際は、洗ったり加熱したりせず生のまま、食べやすい大きさに割いて、食品保存袋で冷凍してください。使うときは、解凍せずそのまま使うのがお勧めです。
食欲の秋! キノコのうま味と栄養を積極的に取ってみてはいかがでしょうか?
(2023年9月16日付紙面より)
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